JPH1157801A - H形鋼の粗圧延方法および粗圧延機 - Google Patents

H形鋼の粗圧延方法および粗圧延機

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JPH1157801A
JPH1157801A JP9224094A JP22409497A JPH1157801A JP H1157801 A JPH1157801 A JP H1157801A JP 9224094 A JP9224094 A JP 9224094A JP 22409497 A JP22409497 A JP 22409497A JP H1157801 A JPH1157801 A JP H1157801A
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rough
roll
rolling mill
rolling
vertical bending
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JP9224094A
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Hiroshi Yamashita
浩 山下
Shinya Hayashi
慎也 林
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粗圧延段階における粗形鋼片の形状の改良を
図り、その後の修正操作の効果をより一層向上せしめ、
最終成品としてのH形鋼の寸法精度、特にウェブ偏りの
ないH形鋼を提供すること。 【解決手段】 少なくとも粗形鋼片用仕上孔型が刻設さ
れた上下二重ロール式圧延機によりH形鋼用粗形鋼片を
製造する粗圧延方法において、予め前記仕上孔型に供給
される圧延素材の上下曲がりパターンを認識し、該上下
曲がりパターンに基づき前記仕上孔型における圧延時の
上ロールと下ロールの回転数を変化させ、上下曲がりを
修正しつつ粗造形することを特徴とするH形鋼の粗圧延
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上下二重ロール式
圧延機を用いたH形鋼の粗圧延方法、並びにこの粗圧延
に適した粗圧延機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築用構造部材等として広く使用されて
いるH形鋼は、建築事業分野の省力化の要請等に相俟っ
て寸法精度に対する要求が近年益々厳しくなってきてい
る。即ち、建築事業分野では機械化、自動化への取組み
が積極的になされており、それらを効率的に運用し、目
的とする省力化を達成するためには、構造部材としての
H形鋼の寸法精度が極めて重要な問題となっている現状
にある。係る状況に鑑み、圧延成形されるH形鋼の精度
を高めるための努力が日夜重ねられており、既に多くの
技術、アイデアが提案され、出願されている。
【0003】ところで圧延によるH形鋼の製造は、図9
に示すようにスラブ、ブルームまたはビームブランク等
の圧延素材Sを加熱炉Fで所定の温度まで加熱した後、
粗圧延機1により粗形鋼片S0 に圧延成形し、次いで少
なくともそれぞれ1台以上のユニバーサル圧延機21
a,21bとエッジャー圧延機22a,22bからなる
粗ユニバーサル圧延機群20にて所定の寸法となるまで
圧延し、仕上げユニバーサル圧延機30で製品形状寸法
に仕上圧延することによって行われることが一般的であ
る。
【0004】粗圧延機1は、例えば圧延素材が連続鋳造
等で製造された矩形スラブの場合は、図10に示すよう
に、孔底の幅方向中央に膨出部10aを形成した溝付孔
型(以下G1孔型という)、前記膨出部10aの両側に
溝部10bを形成したフランジ幅出孔型(以下G2孔型
という)、前記G2孔型における孔底幅および膨出部の
頂部角度を更に大きくした溝消し孔型(以下G3孔型と
いう)、および粗形鋼片に仕上成形するための仕上孔型
(以下G4孔型という)を刻設した上下二重のロールで
構成されることが普通である。
【0005】而して加熱炉Fで所定の温度まで加熱され
て、粗圧延機1に送給された圧延素材Sは、図11に示
すように、先ずその側面(圧延素材Sの厚みtに相当す
る面)を上下にして、この側面にG1孔型でV状の溝付
けを行う(図11・G1)。次いでG2孔型で前記V状
溝を割り広げ、フランジ幅の拡大およびウェブ高さ方向
のエッジングを行う(図11・G2)。更に、G3孔型
ではフランジ部が更に拡大されると共に、V状溝をなだ
らかにして疵の発生を防止する(図11・G3)。この
ようにしてドッグボーン状断面形状となった圧延素材
(粗圧延機に供給される矩形スラブと区別するために以
下中間素材という)は、粗圧延段階における仕上成形を
行うG4孔型で所定のH形鋼断面形状をした粗形鋼片S
0 となる(図11・G4)。
【0006】近年では前述したG2孔型とG3孔型の両
機能を備えた孔型を設け、粗圧延におけるロール胴長を
節約する提案もなされており、また前記膨出部10aを
設けない孔型を用いて中間素材を成形する手段も知られ
ているが、いずれにしても矩形スラブを圧延素材とする
上下二重ロール式の粗圧延においては、ドッグボーン状
の中間素材に成形する第一の工程と、前記中間素材を所
定のH形鋼断面形状に仕上成形する第二の工程から構成
されている。
【0007】一方、ビームブランクや分塊圧延機で予め
ドッグボーン状に形成された鋼片を圧延素材として用い
る場合、この圧延素材は前述した中間素材に相当し、粗
圧延機としては仕上孔型のみが刻設されていればよい。
【0008】圧延粗材が矩形スラブであれ、ビームブラ
ンク等の中間素材であれ、仕上孔型による仕上成形圧延
以降は、仕上げユニバーサル圧延機に至るまでHの姿勢
で圧延されることが普通である。
【0009】このような製造プロセスにおいて製造され
るH形鋼の精度を高める技術としては、例えば特公平3
−23241号公報に開示されているように、圧延機の
入側または出側で被圧延材のウェブの偏りを検出し、そ
の結果に基づき、被圧延材の圧延機への噛込角度を変え
てウェブ偏りを連続的に制御することにより、全長に亘
つてウェブ偏りをなくする技術、特開平3−12810
9号公報に開示されているように、上下水平ロールのモ
ーメント差をウェブ中心の偏り情報として検出し、この
偏り情報に基づいて、エッジャーミルの前後段にあるユ
ニバーサルの各ロールおよび入側テーブルの位置を移動
させ、ウェブ中心の偏りを制御する技術、特開平2−1
04413号公報に開示されているように、エッジャー
圧延機の前後で被圧延材のウェブ中心偏りを検出し、そ
の結果に基づき、エッジャー圧延機のパスセンターを変
更し、ウェブ中心偏りを連続的に制御する技術等が提案
され、実用化が試みられている。
【0010】即ち、ウェブ中心偏りの修正を中心とした
寸法精度の向上は、粗ユニバーサル圧延機群や仕上げユ
ニバーサル圧延機等の前後において、パスラインを調整
したり、誘導ガイドによって噛み込み位置や角度を調整
する手段が多く採用されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の技術手
段の提供によって、製造されるH形鋼各部の寸法精度が
向上しつつあることは事実である。しかしながら粗圧延
機によって粗造形されて粗ユニバーサル圧延機群に供給
される粗形鋼片の形状によっては、前述した粗ユニバー
サル圧延機群以降における種々の調整手段の採用に係わ
らず充分な修正が行えず、成品としてのH形鋼に寸法の
公差外れとなるものも多々発生することを本発明者等は
経験した。つまり粗圧延を終了した粗形鋼片の形状如何
によっては、その後の粗ユニバーサル圧延機群や仕上げ
ユニバーサル圧延機等で修正操作を加えても限界があ
り、極端な場合殆ど修正できない状態も発生していた。
【0012】本発明は、係る現象に着目し、粗圧延段階
における粗形鋼片の形状の改良を図り、これによってそ
の後の修正操作の効果をより一層向上せしめ、最終成品
としてのH形鋼の寸法精度、特にウェブ偏りのないH形
鋼を提供することをその課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記知見に基
づき、粗形鋼片の形状に着目して、粗圧延段階における
粗形鋼片に曲がりや断面形状不良等のない粗圧延方法お
よび粗圧延機に関するもので、その要旨は、少なくとも
粗形鋼片用仕上孔型が刻設された上下二重ロール式圧延
機によりH形鋼用粗形鋼片を製造する粗圧延方法におい
て、予め前記仕上孔型に供給される圧延素材の上下曲が
りパターンを認識し、該上下曲がりパターンに基づき前
記仕上孔型における圧延時の上ロールと下ロールの回転
数を変化させ、上下曲がりを修正しつつ粗造形すること
を特徴とするものであり、前述した粗圧延方法におい
て、下ロールの回転数に対して上ロールの回転数を少な
くする方向に変化させ、上下曲がりを修正しつつ粗造形
することを他の特徴とするものである。
【0014】また、前述した少なくとも粗形鋼片用仕上
孔型が刻設された上下二重ロール式圧延機によりH形鋼
用粗形鋼片を製造する粗圧延方法において、予め前記仕
上孔型に供給される圧延素材の上下曲がりパターンを認
識し、該上下曲がりパターンに基づき前記仕上孔型にお
ける上ロールと下ロールの径に差異を設け、上下曲がり
を修正しつつ粗造形することを他の特徴とし、前述した
上下曲がりパターンに基づき前記仕上孔型における上ロ
ールと下ロールの径に差異を設けると共に、上下ロール
の回転数を変化させることにより上下曲がりを修正しつ
つ粗造形することを他の特徴とするものである。
【0015】更にまた、前述した少なくとも粗形鋼片用
仕上孔型が刻設された上下二重ロール式圧延機におい
て、前記仕上孔型を形成する上ロール径と下ロール径を
異ならしめて構成されたH形鋼の粗圧延機を他の特徴と
し、前記粗圧延機において、上ロール径が下ロール径よ
り小さく構成されていることを他の特徴とするものであ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】前述した加熱炉における加熱で
は、その構造特性より圧延素材の上部の温度が高く、下
部が低くなることを免れない。このため加熱炉から抽出
された圧延素材Sは、その後の粗圧延や搬送過程で、図
4に示すように、上方が凸状となった下反りの曲がりを
発生し易い。即ち、矩形スラブを圧延素材Sとする場合
においては、粗圧延における前述した第1工程で、図1
1に示すように、スラブ厚に相当する溝底幅のG1孔
型、およびG1孔型で形成されたV状溝でガイドされつ
つ圧延されることから曲がりの発生は殆どない。ところ
がG4の仕上孔型に送給され、H姿勢で仕上成形圧延が
行われる段階になると、圧延素材の上下の温度差の影響
が顕著になって、圧延時の変形抵抗の差によって上下の
伸びに差異が生じ、前述した下反りの曲がりを生じるよ
うになる。
【0017】一旦、このような曲がりが生じると、特に
圧延終了段階(一般に圧延蹴出しと呼ばれる)では、図
3に示すように、フランジSfがクランプされた状態で
曲がった状態のウェブ部分のみが真っ直ぐに矯正される
圧延状態となり、この結果、図5に示すように、ウェブ
SwがフランジSfの高さ方向中心線Cから外れた付け
替え現象を誘発し、上下の肉量にアンバランスが生じる
結果となる。
【0018】粗圧延機への噛み込み初期では、前述した
中間素材成形の第一工程で形成されたクロップ部分が誘
導機能を発揮して前記付け替え現象は緩和されるもの
の、粗圧延における仕上成形圧延は通常数回〜20回程
度のリバース圧延が行われることから、粗圧延機を中心
としてみた場合、圧延素材SのトップSt、ボトム部S
bは交互に圧延蹴出しと、噛み込みの状態に晒され、結
果としてトップSt、ボトム部Sbとも曲がりを生じ、
これが上下の肉量にアンバランスを引き起こしているこ
とになる。ビームブランク等の中間素材から仕上成形圧
延する場合も、仕上孔型においては全く同様の現象とな
る。
【0019】本発明者等は、このような上下肉量にアン
バランスの生じた粗形鋼片を、粗ユニバーサル圧延機群
に送給し、例えばエッジャー圧延機のパスセンターを変
更するなどの修正操作を加えてH形鋼を製造する試みを
行ったが、成品として得られたH形鋼の寸法、特にウェ
ブ偏り現象が多く発生することを経験した。
【0020】つまり前記上下肉量のアンバランスは圧延
素材の曲がり状況に密接に関係し、粗形鋼片にこのよう
な上下肉量アンバランスが生じていると、粗ユニバーサ
ル圧延以降での修正操作には限界があることを知見し
た。例えば、前述したような曲がりを生じ、上下肉量が
アンバランスな粗形鋼片を粗ユニバーサル圧延機群に送
給した場合、パスラインを前記アンバランス量に見合う
分修正して圧延したとしても、一旦フランジ部分が曲が
った状態でクランプされてしまうと、フランジ部分は、
ウェブSwの厚みに対し、その高さFhが高い形状特性
により剛性が高いことから、前述した付け替え現象の発
生は避けられない。
【0021】そこで、上下肉量アンバランスの主要な発
生要因である圧延素材の曲がりを修正するための方策に
ついて種々調査研究を重ねた。その一手段として、本発
明者らは粗圧延機において、同一径の上ロールと下ロー
ルの回転数を意識的に変化させて圧延を試みた。その結
果、圧下率によって異なるものの、圧延される圧延素材
は、回転数の変化に従って上下いずれかの方向への曲が
りを生ずることを究明した。このことは、上下ロールの
回転数に変化をつけることによって、被圧延材である圧
延素材の曲がり修正が可能であることを示唆するもので
あり、この知見に基づき更に検討を重ねた。
【0022】図1は仕上孔型を形成する上ロール2と下
ロール3の径が同一の粗圧延機1における圧延状況を示
すもので、図において、Rは上下ロールの半径を、h1
,h2 は圧延前後のウェブ厚を、Lは上下ロールと圧
延素材との接触投影長を示すものであって、このLは下
記(1)式で求められる。 L=√{R×(h1 −h2 )}‥‥‥‥‥(1)
【0023】また、圧下率の大きさを示すものとして、
圧延前後のウェブ厚平均hm を下記(2)式で求め、前
記Lとhm との関係で整理すると、L/hm が“1”よ
り小さい範囲では低速側に曲がり、L/hm が“1”よ
り大きい範囲では逆に高速側へ曲がることが確認され
た。 hm =(h1 +2h2 )/3 ‥‥‥‥‥(2)
【0024】このことは、L/hm が“1”より小さい
粗圧延条件では、上ロール2の回転数を下ロール3より
少なくすることにより上方向への曲がりを付与すること
ができることを示している。従って、圧延素材Sが、図
4に示すような下反りの曲がりを生じており、L/hm
が“1”より小さい粗圧延条件の場合には、上ロール2
の回転数を下ロール3より少なくするような回転数制御
を行うことによって、前記曲がりを修正することが可能
となる。
【0025】図2は、図6に示す仕上孔型を形成する上
ロール2と下ロール3の径に差異を設けて構成された粗
圧延機1における圧延状況を示すものである。つまり上
ロール2の径(Du )と下ロール3の径(DL )を意識
的に変化させて、前述と同様に曲がりの特性を調査した
ものである。
【0026】本例では、上下ロールの回転数は同一と
し、上ロール2を下ロール3より小さな径とした粗圧延
機1としたもので、上ロール2の周速が下ロール3より
遅くなるよう設定されている。本例でも前述したL/h
m が“1”より小さい範囲では、大径の下ロール3側へ
曲がり、L/hm が“1”より大きい範囲では、小径の
上ロール2側へ曲がることが確認された。
【0027】曲がりの程度は、いずれも製造されるH形
鋼のサイズ、特に仕上圧延過程における圧延素材の断面
形状と材質によって異なるが、その傾向は一定であり、
これらを仕上圧延段階においての曲がり修正に適用する
ことが可能であることが確認された。
【0028】而して仕上孔型に供給される中間素材の上
下曲がりパターンを、例えば粗圧延機近傍の搬送テーブ
ル上で周知の測定装置を用いて測定するか、あるいは過
去の操業記録、加熱炉特性、その他の設備仕様等によ
り、圧延素材の鋼種、サイズ毎の曲がり傾向をパターン
化するなどして予め上下曲がりパターンとして認識して
おく。
【0029】一方、前述した上下曲がりパターンに対応
した上ロールと下ロールの回転数の変化率、上ロールと
下ロールの径差率等を、実験や実操業の実績等を基に予
め求めておく。これによって当該操業時の圧延素材の鋼
種、粗形鋼片としてのサイズ等と、予め認識された上下
曲がりパターンとの相関より、例えば上ロールと下ロー
ルの回転数を個別に制御したり、上ロールと下ロールの
径に差を設けることによって、粗圧延段階における圧延
素材の曲がりを解消し、この曲がりの解消によって、粗
圧延を終了して粗形鋼片となった状態での上下肉量のア
ンバランスをなくすることが可能となった。
【0030】尚、上ロールと下ロールの径をオンライン
状態で変化させることはロールの構造上採用が難しい。
従って、同一操業条件下でも上下曲がりパターンが変化
するような場合は適用し難い欠点がある。しかしなが
ら、加熱炉や搬送設備等の設備条件が一定で、製造ロッ
ドの比較的大なものでは、頻繁に径差を変更する必要は
なく、通常のロール組替タイミングを利用して所定のロ
ール径差を設けた上下ロールに組み替えることによって
対応可能であり、実用的には何ら問題とならない。
【0031】また、上下ロールに径差を設けると共に、
上下ロールの回転数を変化できるよう構成しておくと、
径差による曲がり修正に加えて、回転数変化による修正
の相乗効果により、より精度の高い曲がり修正が可能と
なる。
【0032】ところで、加熱炉から搬送テーブルを介し
て粗圧延機に供給される過程で、圧延素材を反転させる
ことなく、一定方向で粗圧延機に供給する方式のものに
おいては、圧延素材の上下曲がりパターンは、図4に示
すように下反りに限定される。而して係る操業形態にお
いては、下ロールの回転数に対して上ロールの回転数を
常に少なくなる方向に変化させる制御を行えばよい。同
様に上ロール径と下ロール径を異ならしめて構成された
粗圧延機において、上ロール径を下ロール径より小さく
構成すればよい。
【0033】
【実施例】本発明を外法一定の、ウェブ高500mm×フ
ランジ幅250mm(ウェブ厚9mm、フランジ厚19mm)
の製造に適用した。本実施例においては、幅1100mm
×長6000mm×厚250mmのスラブを圧延素材とし、
ウォーキングビーム式の加熱炉で、1280℃に加熱し
た後、搬送テーブルによって粗圧延機に送給した。粗圧
延機は図6に示すように上下二重ロール式圧延機であ
り、前述したG1〜G4孔型が刻設されている。
【0034】さて、前記設備、操業条件で加熱され、粗
圧延機に送給される圧延素材は、図4に示されるような
下反り曲がりパターンとなっており、曲がり発生部分の
曲率半径は500〜1000mm、曲がり発生部分に相当
するトップ部St、ボトム部Sbはスラブ長の3〜5%
であった。
【0035】このような曲がりパターンの圧延素材を、
従来法、即ちG4孔型の仕上圧延における上下ロールの
回転数を同一として、9〜11回、リバース圧延する粗
圧延によって粗形鋼片とした。
【0036】この粗形鋼片を2組のユニバーサル圧延機
とエッジャー圧延機とからなる粗ユニバーサル圧延機群
で中間圧延を行った。図7は前記粗ユニバーサル圧延機
群における一段目ユニバーサル圧延機21aを終了した
時点でのウェブ偏り量の測定結果の一例を示すもので、
縦軸がウェブ偏り量を、横軸が粗形鋼片の長さ方向を示
し、×印がフリーサイド、黒四角印がドライブサイドを
それぞれ示すものである。
【0037】本実施例では、前記一段目ユニバーサル圧
延機21aの前方に近接配置されたエッジャー圧延機2
2aのパスラインを、アンバランス量に対応させて調整
する綿密な修正操作を行ったにも係わらず、圧延素材の
トップ部St、ボトム部Sbに相当する部分のウエブ偏
りは最大で30mm程度と激しいものであった。このよう
な状態で修正操作を加えつつその後の圧延を行ったが、
製造された製品としてのH形鋼は、ウェブ偏り量が規格
を外れた不良品となり、結果的に3〜5%を不良品とし
て屑化せざるを得ない状況であった。
【0038】これに対し本発明に基づく粗圧延法では、
図4に示す曲がりパターンに対応させ、ウェブ平均厚h
m が80〜250mm、Lが80〜130mmとなることか
ら、上ロールの回転数を下ロールの回転数より10〜3
0%少なくして粗圧延を実施した。この結果、粗圧延を
終了した粗形鋼片は、トップ部St、ボトム部Sbとも
曲がりの発生は殆どなく、断面形状におけるウェブ偏り
も極僅かなものであった。
【0039】この粗形鋼片を、前述した従来法と同様の
要領で、粗ユニバーサル圧延群における一段目ユニバー
サル圧延機21a終了時点でのウェブ偏り量を調査し
た。図8はその調査結果の一例を示すもので、トップ部
St、ボトム部Sbともミドル部分と殆ど変わらない良
好な断面形状であることが確認された。
【0040】
【発明の効果】本発明の実施により、当業者に非定常部
と称されるトップ部St、ボトム部Sbにおける曲がり
が、粗圧延段階で効果的に修正されるようになり、この
結果、粗圧延で成形圧延された粗形鋼片は、ウェブ偏り
のない正常なものとなった。このようなウェブ偏りのな
い粗形鋼片を粗ユニバーサル圧延機群以降に供給するこ
とにより、最終製品としてのH形鋼の各部の寸法精度、
とりわけウェブ偏り精度を極めて高いものとすることが
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく粗圧延状況を示すもので、上下
ロール径が同一の粗圧延状況説明図。
【図2】本発明に基づく他の粗圧延状況を示すもので、
上下ロールの径を異ならしめた粗圧延機における粗圧延
状況説明図。
【図3】圧延終了段階の圧延状況を示す模式図。
【図4】加熱炉から抽出された圧延素材の搬送状況を示
す模式図。
【図5】従来方法におけるウェブ付け替え現象を示す模
式図。
【図6】本発明に基づく上下二重ロール式圧延機の一例
を示す構造図。
【図7】従来法に基づく粗ユニバーサル圧延機群の一段
目ユニバーサル圧延機終了時点でのウェブ偏り量の測定
結果の一例を示す図。
【図8】本発明に基づく粗ユニバーサル圧延機群の一段
目ユニバーサル圧延機終了時点でのウェブ偏り量の測定
結果の一例を示す図。
【図9】従来の一般的なH形鋼製造プロセスを示す配置
図。
【図10】従来の粗圧延機における上下ロールの断面構
造図。
【図11】図10に示す粗圧延機に基づく粗形鋼片製造
過程を示す構造図。
【符号の説明】
1 粗圧延機 2 上ロール 3 下ロール 10a 膨出部 10b 溝部 20 粗ユニバーサル圧延機群 21a,21b ユニバーサル圧延機 22a,22b エッジャー圧延機 30 仕上ユニバーサル圧延機 C フランジの高さ方向中心線 DL 下ロール径 Du 上ロール径 F 加熱炉 Fh フランジ高さ G1,G2,G3,G4 孔型 h1 ,h2 圧延前後のウェブ厚 L 上下ロールと圧延素材との接触投影長 S 圧延素材 S0 粗形鋼片 Sb 圧延素材のボトム部 Sf フランジ St 圧延素材のトップ部 Sw ウェブ R 上下ロールの半径

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも粗形鋼片用仕上孔型が刻設さ
    れた上下二重ロール式圧延機によりH形鋼用粗形鋼片を
    製造する粗圧延方法において、予め前記仕上孔型に供給
    される圧延素材の上下曲がりパターンを認識し、該上下
    曲がりパターンに基づき前記仕上孔型における圧延時の
    上ロールと下ロールの回転数を変化させ、上下曲がりを
    修正しつつ粗造形することを特徴とするH形鋼の粗圧延
    方法。
  2. 【請求項2】 下ロールの回転数に対して上ロールの回
    転数を少なくする方向に変化させ、上下曲がりを修正し
    つつ粗造形することを特徴とする請求項1記載のH形鋼
    の粗圧延方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも粗形鋼片用仕上孔型が刻設さ
    れた上下二重ロール式圧延機によりH形鋼用粗形鋼片を
    製造する粗圧延方法において、予め前記仕上孔型に供給
    される圧延素材の上下曲がりパターンを認識し、該上下
    曲がりパターンに基づき前記仕上孔型における上ロール
    と下ロールの径に差異を設け、上下曲がりを修正しつつ
    粗造形することを特徴とするH形鋼の粗圧延方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも粗形鋼片用仕上孔型が刻設さ
    れた上下二重ロール式圧延機によりH形鋼用粗形鋼片を
    製造する粗圧延方法において、予め前記仕上孔型に供給
    される圧延素材の上下曲がりパターンを認識し、該上下
    曲がりパターンに基づき前記仕上孔型における上ロール
    と下ロールの径に差異を設けると共に、上下ロールの回
    転数を変化させることにより上下曲がりを修正しつつ粗
    造形することを特徴とするH形鋼の粗圧延方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも粗形鋼片用仕上孔型が刻設さ
    れた上下二重ロール式圧延機において、前記仕上孔型を
    形成する上ロール径と下ロール径を異ならしめて構成さ
    れたことを特徴とするH形鋼の粗圧延機。
  6. 【請求項6】 上ロール径が下ロール径より小さく構成
    されていることを特徴とする請求項5記載のH形鋼の粗
    圧延機。
JP9224094A 1997-08-20 1997-08-20 H形鋼の粗圧延方法および粗圧延機 Withdrawn JPH1157801A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007245169A (ja) * 2006-03-14 2007-09-27 Nippon Steel Corp 非対称h形粗形鋼片の圧延方法
CN112974521A (zh) * 2021-02-08 2021-06-18 太原科技大学 一种求解铝合金厚板在同速异径蛇形轧制下曲率的方法

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