JPH1157353A - アルミニウム溶湯用濾材 - Google Patents

アルミニウム溶湯用濾材

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JPH1157353A
JPH1157353A JP22154597A JP22154597A JPH1157353A JP H1157353 A JPH1157353 A JP H1157353A JP 22154597 A JP22154597 A JP 22154597A JP 22154597 A JP22154597 A JP 22154597A JP H1157353 A JPH1157353 A JP H1157353A
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aluminum
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和友 星野
Toshiya Kunisaki
敏哉 国崎
Hideaki Seto
英昭 瀬戸
Yukio Kai
由紀夫 甲斐
Atsushi Kikuchi
淳 菊地
Yukihisa Shiraishi
幸久 白石
Kazunobu Kakimoto
和伸 柿本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウム溶湯と接触しても不純物が溶出し
ないのでアルミニウム溶湯を二次汚染することがなく、
骨材間の結合力が大きいので濾材の強度が高く、長期間
に亘り安定して使用でき、目詰まりを起こしにくいので
通湯量がほぼ一定であり、安定な結晶組織を有するアル
ミニウム溶湯用濾材を提供すること。 【解決手段】アルミナ粒子及びAl2 3 ・MgOスピ
ネル結晶粒子からなる群から選ばれた少なくとも1種の
骨材粒子100重量部と、Al2 3 ・MgOスピネル
結晶粉末60〜90重量%、B2 3 5〜12重量%、
及びAl2 3、MgO及びTiO2 からなる群から選
ばれた少なくとも1種の酸化物30重量%以下からなる
無機質結合材5〜25重量部との焼結体からなる、アル
ミニウム溶湯用濾材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム又はア
ルミニウム合金の溶湯(本明細書においては、これらを
総称して、単にアルミニウム溶湯と称する)中に混入し
ている固形不純物(非金属介在物等)を濾別するために
使用されるアルミニウム溶湯用濾材に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム溶湯中には、通常、固形不
純物、特に非金属介在物が混入しているので、これらの
介在物を含有している溶湯をそのまま鋳造し、圧延し、
例えばディスク材等として製品化すると、その混入した
非金属介在物がピンホール等の不良発生の原因となる。
このような不良発生を防止するために、鋳造に先立って
アルミニウム溶湯を濾過処理して非金属介在物を除去す
ることが一般に行なわれている。この溶湯の濾過に使用
される装置として種々のものが知られており、例えば特
公昭52−22327号公報に記載されているように、
電融アルミナ等の骨材をSiO2 、B2 3 等の無機質
結合材により結合させたチューブタイプの濾材が用いら
れている。
【0003】しかしながら、このような従来の濾材を用
いて、コンピュータのハードディスク材等の製造に用い
る高純度アルミニウム溶湯の濾過を行う場合に、或いは
清涼飲料水缶、ビール缶等の缶材の製造に用いるAl−
Mg合金系溶湯の濾過を行う場合に、無機質結合材中に
含まれているSiO2 やCaOがアルミニウム溶湯中で
還元されて遊離Siや遊離Caを生じ、アルミニウム溶
湯中に溶出してアルミニウム溶湯が汚染されるという問
題が生じた。また、Al−Mg合金系溶湯は活性な性質
であるため、無機質結合材を侵食し、骨材間の結合力を
低下させ、濾材の耐久性を低下させる場合もあり、甚だ
しい場合には使用中にそのような濾材が崩壊することに
なる。
【0004】これらのことから、SiO2 を含まない無
機質結合材を用いて製造される濾材が、例えば特公平5
−86459号、特公平5−86460号及び特開平2
−34732号の各公報に開示されている。これらの濾
材を用いる場合には遊離Siの溶出によるアルミニウム
溶湯の二次汚染の問題は発生しない。しかしながら、そ
のような無機質結合材を用いた濾材においては、骨材粒
子間の結合状態が悪いため、濾材の強度が低く、また目
詰まりを起こしやすいので通湯量がばらつく等の問題を
有していた。
【0005】それで、遊離Siの溶出の問題と曲げ強度
等の問題とを解決した濾材が要望されるに至り、それら
を満足するものとして、アルミニウム溶湯との濡れ性を
良くするためにSiO2 を所定量含有させた無機質結合
材を用い、また無機質結合材中に9Al2 3 ・2B2
3 の針状結晶を析出させて得た濾材が特開平5−13
8339号公報に開示されている。
【0006】しかしながら、上記の特開平5−1383
39号公報に記載された発明の実施においては、9Al
2 3 ・2B2 3 の針状結晶を得るために無機質結合
材を一旦溶融させた後、特別な冷却手段を付加して結晶
長さを特定範囲に抑える必要があるのみならず、無機質
結合材中にSiO2 を15〜25重量%含有させ、かつ
CaO等を含有させるものであるため、上記した遊離S
iあるいは遊離Caの溶出を防止する点に関しては必ず
しも満足できるものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近時におけるディスク
材等のように、僅かな表面欠陥があってもその影響が大
きい各種用途に使用されるアルミニウム溶湯を得るため
には、アルミニウム溶湯から可能な限り細かい非金属介
在物までも除去し、しかも濾過後のアルミニウム溶湯中
に溶出する不純物を可能な限り少なくすることが要求さ
れ、従って、無機質結合材中に含有されるSiO2 及び
CaO成分をできる限り少なくし、且つ強度(特に熱間
強度)等の面からも十分に満足し得る濾材を提供するこ
とが要望されている。
【0008】本発明の目的は、上記のような諸問題を克
服したアルミニウム溶湯用濾材を提供すること、即ち、
アルミニウム溶湯と接触させて使用しても、或いはアル
ミニウム溶湯中に浸漬して使用しても不純物が溶出しな
いのでアルミニウム溶湯を二次汚染することがなく、ま
た骨材間の結合力が大きいので濾材の強度、特に熱間強
度が高く、長期間に亘り安定して使用でき、また目詰ま
りを起こしにくいので通湯量がほぼ一定であり、しかも
極めて安定な結晶組織を有し、熱間及び常温曲げ強度に
優れているアルミニウム溶湯用濾材を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明等は、上記の目的
を達成するために鋭意検討の結果、アルミナ粒子及びA
2 3 ・MgOスピネル結晶粒子からなる群から選ば
れた少なくとも1種の骨材粒子を用い、Al2 3 ・M
gOスピネル結晶粉末と、B2 3 と、Al23 、M
gO及びTiO2 からなる群から選ばれた少なくとも1
種の酸化物と、所望によりSiO2 とからなる無機質結
合材を用いることにより良好な結果が得られることを見
いだし、本発明を完成した。
【0010】即ち、本発明のアルミニウム溶湯用濾材
は、アルミナ粒子及びAl2 3 ・MgOスピネル結晶
粒子からなる群から選ばれた少なくとも1種の骨材粒子
100重量部と、Al2 3 ・MgOスピネル結晶粉末
60〜90重量%、B2 3 5〜12重量%、SiO2
0〜5重量%及びAl2 3 、MgO及びTiO2 から
なる群から選ばれた少なくとも1種の酸化物30重量%
以下からなる無機質結合材5〜25重量部との焼結体か
らなることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のアルミニウム溶湯用濾材
を製造するために骨材粒子として用いるアルミナ粒子と
しては電融アルミナ、焼結アルミナ等を挙げることがで
きる。また、骨材粒子として用いるAl2 3 ・MgO
スピネル結晶粒子はAl2 3 及びMgOからなり、A
2 3 :MgOのモル比が1:1であり、Al
2 3 :MgOの重量比が7:3であり、スピネル型結
晶構造を形成しているものである。
【0012】本発明のアルミニウム溶湯用濾材を製造す
るために無機質結合材成分として用いるAl2 3 ・M
gOスピネル結晶粉末はAl2 3 及びMgOからな
り、Al2 3 :MgOのモル比が1:1であり、Al
2 3 :MgOの重量比が7:3であり、スピネル型結
晶構造を形成しているものである。このような結晶粉末
は極めて安定しており、アルミニウム溶湯による濡れ性
が優れており、また、耐アルミニウム侵食性等にも優れ
ているので、アルミニウム溶湯用濾材の製造に用いる無
機質結合材として好適である。
【0013】しかしながら、Al2 3 ・MgOスピネ
ル結晶粉末の平均粒径が多くの市販品のように数十μm
〜数mmである場合には一般的に原料をチューブに成形
する際の生強度が低く、保形性が悪くなる傾向があり、
また焼結性も低下する。良好な焼結性を達成するための
手段としては焼結助材(結合助材)を多量に添加するこ
とが考えられるが、このように助材を多量に添加した場
合には濾材の熱間強度が低下し、アルミニウム溶湯に対
する耐侵食性が劣化する。
【0014】これに対して、Al2 3 ・MgOスピネ
ル結晶粉末の平均粒径を小さくすればするほど焼結性が
よくなり、好ましくは30μm以下、より好ましくは5
μm以下になるように粉砕すると、アルミニウム溶湯用
濾材の製造に用いる無機質結合材として一層好適なもの
となる。なお、その粉砕方法はいかなる方法であってよ
く、例えば、ボールミルのような乾式粉砕であって、ま
たビーズミルのような湿式粉砕であってもよく、何れの
方法を用いても同様の効果が達成される。しかしなが
ら、結晶粉末の平均粒径を小さくすれば小さくするほど
コスト高になる。このコスト高を抑える手段としては適
度に粉砕した結晶粉末を用い且つ結合助材粉末を併用す
ることが考えられる。
【0015】本発明のアルミニウム溶湯用濾材を製造す
るために骨材粒子と無機質結合材とを混合し、焼成して
濾材を形成する際には、その焼成中の無機質結合材の流
動性や適当な粘性により通気孔を確保する必要があり、
そのためには無機質結合材中に少量の非晶質ガラス成分
を添加する必要がある。本発明のアルミニウム溶湯用濾
材の製造において、Al2 3 ・MgOスピネル結晶粉
末と共に無機質結合材として用いる非晶質ガラス成分は
2 3 単独であっても、或いは、B2 3 及びSiO
2 の両方であってもよい。B2 3 及びSiO2 の両方
を含む場合には、無機質結合材と骨材粒子との混合物を
焼成して得られる焼結体中のスピネル結晶粒子間を部分
的に結合する非晶質ガラス相がB 2 3 及びSiO2
含み、B2 3 /SiO2 のモル比が0.3以上となる
ような配合比とすることが好ましい。この比が0.3以
上の場合には、溶湯中のAl原子とSi原子との置換反
応が抑制され、耐食性に優れた濾材となる。逆に、この
比が0.3未満となると、即ちB2 3 の量に比較して
SiO2 の量が多くなると、アルミニウム溶湯に対する
耐食性が低下し、SiO2 の溶出も問題となる傾向があ
る。
【0016】B2 3 源としてホウ酸(H3 BO3 )、
ホウ酸アルミニウム(9Al2 3・2B2 3 又は2
Al2 3 ・B2 3 )、ホウ酸マグネシウム(MgO
・B 2 3 、2MgO・B2 3 、3MgO・B2 3
等)等から選ばれた少なくとも1種を用いることができ
るが、ホウ酸よりも融点が高いホウ酸アルミニウムを用
いることにより、B2 3 の蒸発が抑制され、また、高
温まで適度の流動性が確保されるので、骨材粒子間の無
機質結合材が均一に分布し、強度が改善され、アルミニ
ウム溶湯に対する耐食性が良好になる。
【0017】本発明のアルミニウム溶湯用濾材の製造に
おいて、無機質結合材としてAl23 ・MgOスピネ
ル結晶粉末と共にAl2 3 、MgO及びTiO2 から
なる群から選ばれた少なくとも1種の酸化物を用いる。
これらの酸化物は骨材粒子と無機質結合材との焼結の際
にAl2 3 ・MgOスピネル結晶粉末の焼結を促進
し、強度を向上させる作用を持っている。この酸化物の
添加効果が達成されるためにはそれらの酸化物を合計で
5重量%以上配合する必要がある。また、酸化物の添加
量が多くなるとその増加に応じてAl2 3 ・MgOス
ピネル結晶粉末等の他の成分の量が減少することになる
ので、酸化物の添加量を合計で30重量%以下とする。
なお、これらの酸化物として、又は酸化物の一成分とし
てMgO又はTiO2 を用いる場合には、MgO及びT
iO2 はそれぞれ10重量%以下の量で用いることが好
ましい。
【0018】無機質結合材の各成分の配合比について
は、Al2 3 ・MgOスピネル結晶粉末60〜90重
量%、好ましくは70〜85重量%、B2 3 5〜12
重量%、好ましくは6〜10重量%、SiO2 0〜5重
量%及びAl2 3 、MgO及びTiO2 からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の酸化物(合計で)30重量
%以下、好ましくは5〜27重量%となるようにする。
非晶質ガラス成分(B23 及びSiO2 )をこの範囲
内の配合比で用いることにより、Al2 3 ・MgOス
ピネル結晶の粒界にこれらの非晶質ガラス相が形成され
ることが抑制され、結合助材として有効に作用し、Al
2 3 ・MgOスピネル結晶粉末の焼結性を高めること
ができ、従って、濾材の熱間強度は向上し、また、アル
ミニウム溶湯に侵食され易い非晶質粒界相が少ないこと
により耐食性が向上する。しかしながら、非晶質ガラス
成分の配合量が15重量%を越えると、添加したこれら
の非晶質ガラス成分が局部的に大きくガラス化して偏在
し、耐アルミニウム侵食性を劣化させてしまうことにな
る。本発明においては、無機質結合材がその他の種々の
物質、例えば、スピネル結晶を粉砕する際のZrO2
るいは焼結に際しての焼結助材、有機溶剤であるデキス
トリン等を含有していてもよいことは勿論である。
【0019】本発明のアルミニウム溶湯用濾材は、上記
の無機質結合材と骨材粒子との焼結体からなる。その製
造法としては無機質結合材粉末原料と骨材粒子とを混合
し、所定の形状に成形し、次いで焼成してもよいし、或
いは無機質結合材粉末原料をスラリー状などにして骨材
粒子表面にコーティングし、次いで成形し、焼成しても
よい。上記の無機質結合材と骨材粒子との配合比につい
ては、上記の無機質結合材5〜25重量部、好ましくは
10〜20重量部と、アルミナ骨材粒子100重量部と
からなるようにする。無機質結合材の量が5重量部未満
の場合には骨材粒子の結合が不十分になり、骨材粒子が
濾材から脱離する可能性があり、また25重量部を超え
ると濾材の気孔が狭くなり、目詰まりを起こし易くなる
傾向がある。
【0020】
【実施例】以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明
を詳細に説明する。 実施例1〜10及び比較例1〜2 骨材粒子として電融アルミナ(平均粒径850μm)又
はAl2 3 ・MgOスピネル結晶粒子(モル比1:
1、重量比7:3、平均粒径850μm)を表1に示す
量(重量部)で用い、無機質結合材としてAl2 3
MgOスピネル結晶粒子(モル比1:1、重量比7:
3、平均粒径4.5μm)、B2 3 、SiO2 、Al
2 3 、MgO、TiO2 をそれぞれ表1に示す量(重
量部)で用い、これらの配合物をそれぞれ混練し、加圧
成形し、乾燥し、次いで電気炉中で1430℃で12時
間焼成してそれぞれ外径100mm、内径60mm、高
さ850mmのパイプ状成形体を得た。実施例1〜10
及び比較例1〜2の各パイプ状成形体の特性を以下に示
す試験方法で調べた。
【0021】《曲げ強さ》上記の各々のパイプ状成形体
から100mm×20mm×18mmの直方体状試験体
を切り出した。この直方体状試験体について、2点支持
1点荷重方式で支持スパン80mmで室温曲げ強さ試験
を実施した。熱間曲げ試験は各々の直方体状試験体を雰
囲気温度設定用電気炉中で800℃に20分間保持した
後、該雰囲気温度設定用電気炉中で、2点支持1点荷重
方式で支持スパン80mmで実施した。それらの試験結
果は表1に示す通りであった。
【0022】《成分溶出量》740℃の高純度(99.
99%以上)アルミニウム溶湯10重量部中に上記の各
々のパイプ状成形体1重量部を浸漬し、溶湯の温度を7
40℃に維持しながら72時間の間、パイプ状成形体内
部の減圧と加圧とを繰り返しながら、アルミニウム溶湯
をパイプ状成形体の外部から内部へ、及び内部から外部
へ交互に通過させ、その後、アルミニウム溶湯をサンプ
リングし、アルミニウム溶湯中のSi、B及びMg量を
測定し、浸漬前のアルミニウム溶湯中のSi、B及びM
g量と比較した。その差(すなわち、増加分)をSi、
B及びMgについての成分溶出量とした。それらの測定
結果は表1に示す通りであった。
【0023】《アルミニウム浸透性》上記の各々のパイ
プ状成形体に対するアルミニウム溶湯の浸透性を次のよ
うにして評価した。上記の各々のパイプ状成形体から外
径100mm、内径60mm、高さ65mmのパイプ状
試験体(両端は封止してある)を作製し、このパイプ状
試験体をアルミニウム溶湯保持用炉中に立てて予熱し、
そこへ740℃の高純度(99.99%以上)アルミニ
ウム溶湯をほぼ70cmの高さまで注湯し、740℃で
24時間保持した。その後、各々の試験体を取り出し、
冷却した後、縦方向(炉中に立てた状態で垂直方向)に
切断し、アルミニウムが浸透している高さ(A)を測定
した。アルミニウム溶湯の湯面高さ(R)とこのアルミ
ニウム浸透高さ(A)との差(R−A)をアルミニウム
含浸所要高さ(H)とした。この評価法の概要は図1に
示す通りである。即ち、アルミニウム含浸所要高さ
(H)が低いほどアルミニウムの浸透性に優れているこ
とになる。それらの測定結果は表1に示す通りであっ
た。
【0024】《総合評価》上記の曲げ強さの試験結果、
成分溶出量の測定結果、及びアルミニウム浸透性の測定
結果の全てが好ましい値を示す場合を◎とし、それらの
結果の何れかがボーダーラインの値を示し、他は好まし
い値を示す場合を○とし、それらの結果の1つでも好ま
しくない値を示す場合を×とした。しかし、比較例2の
場合のように、アルミニウム浸透性の測定結果が悪い
が、熱間曲げ強さの試験結果が優れており、成分溶出量
の測定結果がボーダーラインの値を示している場合には
実用用途があるので△とした。
【0025】
【表1】
【0026】表1のデータからも明かなように、本発明
に係る実施例1〜10においては、アルミニウム溶湯用
濾材の室温曲げ強さ、熱間曲げ強さ(800℃)、アル
ミニウム溶湯に対する耐食性(成分溶出量)、及びアル
ミニウムの通湯性(アルミニウム浸透性)の点で優れて
おり、実用性の高いものである。
【0027】
【発明の効果】本発明のアルミニウム溶湯用濾材は、ア
ルミニウム溶湯中に浸漬して使用しても不純物が溶出し
ないのでアルミニウム溶湯を二次汚染することがなく、
極めて安定な結晶組織を有しており、室温曲げ強さ、熱
間曲げ強さ(800℃)、アルミニウム溶湯に対する耐
食性(成分溶出量)、及びアルミニウムの通湯性(アル
ミニウム浸透性)に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミニウム浸透性の評価法を説明する概略図
である。
【手続補正書】
【提出日】平成9年12月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】《アルミニウム浸透性》上記の各々のパイ
プ状成形体に対するアルミニウム溶湯の浸透性を次のよ
うにして評価した。上記の各々のパイプ状成形体から外
径100mm、内径60mm、高さ65mのパイプ状
試験体(両端は封止してある)を作製し、このパイプ状
試験体をアルミニウム溶湯保持用炉中に立てて予熱し、
そこへ740℃の高純度(99.99%以上)アルミニ
ウム溶湯をほぼ70cmの高さまで注湯し、740℃で
24時間保持した。その後、各々の試験体を取り出し、
冷却した後、縦方向(炉中に立てた状態で垂直方向)に
切断し、アルミニウムが浸透している高さ(A)を測定
した。アルミニウム溶湯の湯面高さ(R)とこのアルミ
ニウム浸透高さ(A)との差(R−A)をアルミニウム
含浸所要高さ(H)とした。この評価法の概要は図1に
示す通りである。即ち、アルミニウム含浸所要高さ
(H)が低いほどアルミニウムの浸透性に優れているこ
とになる。それらの測定結果は表1に示す通りであっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 甲斐 由紀夫 千葉県習志野市藤崎4−2−36 三井金属 鉱業株式会社習志野工場内 (72)発明者 菊地 淳 千葉県習志野市藤崎4−2−36 三井金属 鉱業株式会社習志野工場内 (72)発明者 白石 幸久 千葉県習志野市藤崎4−2−36 三井金属 鉱業株式会社習志野工場内 (72)発明者 柿本 和伸 千葉県習志野市藤崎4−2−36 三井金属 鉱業株式会社習志野工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミナ粒子及びAl2 3 ・MgOスピ
    ネル結晶粒子からなる群から選ばれた少なくとも1種の
    骨材粒子100重量部と、Al2 3 ・MgOスピネル
    結晶粉末60〜90重量%、B2 3 5〜12重量%、
    及びAl2 3 、MgO及びTiO2 からなる群から選
    ばれた少なくとも1種の酸化物30重量%以下からなる
    無機質結合材5〜25重量部との焼結体からなることを
    特徴とするアルミニウム溶湯用濾材。
  2. 【請求項2】無機質結合材が5重量%以下のSiO2
    追加含有するものであることを特徴とする請求項1記載
    のアルミニウム溶湯用濾材。
  3. 【請求項3】B2 3 源としてホウ酸(H3 BO3 )、
    ホウ酸アルミニウム(9Al2 3・2B2 3 又は2
    Al2 3 ・B2 3 )及びホウ酸マグネシウム(Mg
    O・B2 3 、2MgO・B2 3 、3MgO・B2
    3 等)からなる群から選ばれた少なくとも1種を用いる
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のアルミニウム溶
    湯用濾材。
  4. 【請求項4】無機質結合材中のAl2 3 ・MgOスピ
    ネル結晶粉末の平均粒径が30μm以下であることを特
    徴とする請求項1、2又は3記載のアルミニウム溶湯用
    濾材。
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