JPH115718A

JPH115718A - 美爪料

Info

Publication number: JPH115718A
Application number: JP17318397A
Authority: JP
Inventors: Nobuyoshi Yabe; 信良矢部; Kazuhiro Ishida; 一弘石田; Mizuho Nishimura; 瑞穂西村
Original assignee: Kose Corp
Current assignee: Kose Corp
Priority date: 1997-06-13
Filing date: 1997-06-13
Publication date: 1999-01-12

Abstract

(57)【要約】【課題】爪に対する負担感を改良した、実質的にニトロ
セルロースを含有しない美爪料に関する。【解決手段】アクリル酸アルキル・アクリロニトリル・
スチレン共重合体を皮膜形成剤として含有することによ
り、爪に対する安全性に優れ、使用性、使用感、経時安
定性の良好な美爪料を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、爪に対する負担感
を改良した、実質的にニトロセルロースを含有しない美
爪料に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、美爪料の皮膜形成剤としては、主
としてニトロセルロースが使用され、皮膜の柔軟性、密
着性、光沢性等を改良するために、アルキッド樹脂、ア
クリル樹脂等の樹脂、可塑剤等が皮膜形成助剤として併
用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、皮膜形
成剤としてニトロセルロースを用いたものは、例えば長
期間続けて使用すると爪を黄変させたりする等の爪に負
担を与えるという問題があった。ニトロセルロースに代
わる皮膜形成剤としては、アクリル樹脂が挙げられる
が、他の皮膜形成助剤との相溶性が悪く、塗膜の白化、
劣化を生じることが多く、満足すべき製品が得られない
のが実情であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記実情
に鑑み種々検討した結果、アクリル酸アルキル・アクリ
ロニトリル・スチレン共重合体を皮膜形成剤として含有
することにより、爪に対する安全性に優れ、使用性、使
用感、経時安定性の良好な美爪料が得られることを見出
し、本発明を完成した。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に必須に使用されるアクリル酸アルキル・アクリ
ロニトリル・スチレン共重合体としては、Ｎｅｏｃｒｙ
ｌＢ−１０００（ＺＥＮＥＣＡ社製）が例示される。
本発明の美爪料に使用されるアクリル酸アルキル・アク
リロニトリル・スチレン共重合体の配合量は系の粘度及
び乾燥時間等の使用性において、５〜５０重量％（以
下、単に「％」で示す）の範囲が好ましく、更に好まし
くは８〜３０％である。またアクリル酸アルキル・アク
リロニトリル・スチレン共重合体は必要に応じて１種又
は２種以上を用いることができる。

【０００６】アクリル酸アルキル・スチレン共重合体
は、主としてアクリル酸アルキル（Ｃ＝１〜４，８，１
２）、メタクリル酸アルキル（Ｃ＝１〜４，８，１
２）、アクリル酸およびメタクリル酸の中の単独もしく
は２種以上組み合わせて構成される成分とスチレンから
なる共重合体である。アルキル鎖は直鎖状、分岐状のい
ずれでも良い。このような化合物としては、アクリベー
スＭＨ−７０５７（藤倉化成製）が例示される。アクリ
ル酸アルキル・スチレン共重合体の配合量は、使用性に
おいて１〜４０％の範囲が好ましく、更に好ましくは２
〜３０％である。またアクリル酸アルキル・スチレン共
重合体は必要に応じて１種又は２種以上を用いる事がで
きる。

【０００７】前記組成物に、更にシュークローズベンゾ
エート及び／又はトルエンスルホンアミド樹脂を加える
事によって、光沢の付与、塗膜強度の向上、付着性の向
上といった高い効果が得られるものである。本発明の美
爪料におけるシュークローズベンゾエートの配合量は乾
燥時間、塗膜の強度において、１〜２０％の範囲が好ま
しい。本発明の美爪料におけるトルエンスルホアミド樹
脂の配合量は乾燥時間、塗膜の強度において、１〜２０
％の範囲が好ましい。

【０００８】本発明の美爪料には、上記必須成分の他、
本発明の効果を妨げない範囲で、他の樹脂、成膜助剤、
可塑剤、粘度調整剤、顔料、染料等の色材、粘土鉱物、
沈降防止剤、紫外線吸収剤、褪色防止剤、酸化防止剤、
消泡剤、水溶性成分、美容成分等を適宜配合することが
できる。

【０００９】本発明の美爪料には、ネイルエナメル、エ
ナメルトップコート、エナメルベースコート等を挙げる
ことができる。

【００１０】

【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。実施例１〜９及び比較例１〜２ネイルエナメル表１に示すネイルエナメルを調製し、爪の負担感（爪の
黄変）、乾燥性、付着性、硬度、光沢について評価し
た。その結果も併せて表１に示した。

【００１１】

【表１】

【００１２】（製法）各成分を混合溶解する。

【００１３】（試験方法及び評価項目）爪の負担感各試料について、パネル４０人（手の爪４００部位）に
よる使用テストを行い、３ヶ月間使用し、使用期間経過
後に爪が黄変した人数を比較評価した。 ◎：０〜１名 ○：２〜３名 △：４〜５名 ×：６名以上

【００１４】乾燥性各試料について、パネル１０人（手の爪１００部位）に
よる使用テストを行い、一度塗りの時に、塗膜が完全に
乾くまでの各パネルの平均時間を比較評価した。 ◎：２分未満 ○：２〜３分未満 △：３〜４分未満 ×：４分以上

【００１５】付着性ＪＩＳＫ−５４００碁盤目試験に準じて測定し、 ◎：１０点 ○：８点以上１０点未満 △：８点未満と判定した。

【００１６】硬度ＪＩＳＫ−５４００鉛筆引っかき試験法に準じて測定
し、 ◎：２Ｈ以上 ○：Ｈ △：ＨＢ ×：Ｂ以下と判定した。

【００１７】光沢各試料について、パネル１０人（手の爪１００部位）に
よる使用テストを行い、一度塗りの時に、塗膜の光沢を
目視により比較評価した。

【００１８】上記の絶対評価から得られた点数を合計
し、その平均点をさらに４段階に分けて評価した。 ◎：２．５点以上 ○：１．５点以上２．５点未満 △：０．５点以上１．５点未満 ×：０．５点未満

【００１９】表１の結果から明らかな如く、ニトロセル
ロースを用いた比較例１、２は爪に対する負担が大き
く、乾燥性が悪く、製品として満足すべき品質の得られ
ないものであった。これに対しアクリル酸アルキル・ア
クリロニトリル・スチレン共重合体を皮膜形成剤として
用いた実施例１〜９では黄変が見られず、特にアクリル
酸アルキル・スチレン共重合体と組み合わせた場合に、
光沢が有り、付着性、硬度等においても極めて良好な品
質を有するものが得られた。またシュークローズベンゾ
エートを配合した実施例４、６、７及びトルエンスルホ
ンアミド樹脂を配合した実施例５〜７については、更に
光沢の付与、塗膜強度の向上、付着性の向上において、
良好なものが得られた。

【００２０】実施例１０透明ベースコート（製法）上記成分（１）〜（８）を混合溶解する。以上
のようにして得られた透明ベースコートは爪への負担感
のなさ、光沢、塗膜強度、付着性に優れるものであっ
た。

【００２１】実施例１１透明トップコート（製法）上記成分（１）〜（８）を混合溶解する。以上
のようにして得られた透明トップコートは、光沢、塗膜
強度に優れるものであった。

【００２２】

【発明の効果】本発明の美爪料は、爪に対する負担感を
軽減し、かつ経時安定性も良好であり、付着性や、硬度
等の化粧持ちにおいても極めて良好な品質を有するもの
である。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】皮膜形成剤としてアクリル酸アルキル・
アクリロニトリル・スチレン共重合体を含有し、且つ実
質的にニトロセルロースを含有しないことを特徴とする
美爪料。
【請求項２】更にアクリル酸アルキル・スチレン共重
合体を含有することを特徴とする請求項１記載の美爪
料。
【請求項３】更にシュークローズベンゾエート及び／
又はトルエンスルホンアミド樹脂を含有する事を特徴と
する請求項１又は２記載の美爪料。