JP3632814B2 - 美爪料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はネールエナメル、ネールエナメルベースコート、ネールエナメルオーバーコート等に代表される美爪料に関する。さらに詳しくは、爪に塗りやすく、分離安定性、乾燥性、光沢に非常に優れ、かつ経時においても剥がれ難く、つやが持続する、ニトロセルロース、溶剤を主成分とする美爪料(以下、「溶剤系美爪料」という)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、溶剤系美爪料には、塗りやすさ、乾燥性、つや、塗膜のキズつき難さ、剥がれ特性等の諸特性を改良するために、種々の樹脂、可塑剤等が配合されている。
【0003】
特開昭61−246113号公報には、アルキッド樹脂とシュークローズベンゾエートを併用して剥がれ特性を改良した美爪料が開示されている。
【0004】
特開平5−213719号公報には、アルキッド系樹脂、シュークローズベンゾエート、およびシリコーン系グラフト共重合体とを組み合わせて、剥がれ特性を満足させつつ、塗膜の乾燥性、平滑性を改良した美爪料が開示されている。
【0005】
また、特開昭59−199621号公報には、酸素ガス透過性のあるシリコーン樹脂を配合することによって皮膜形成性、塗布後の指先の感触性、長期使用後の爪の損傷の程度を改善したマニキュア剤が開示されているが、これは経時でのもち、光沢、乾燥性等の点で劣る。
【0006】
このように、美爪料に要求される諸特性の向上を図った製品の研究、開発が盛んに行われている。特に最近、消費者の美爪料に対するより一層の高品質化への要求の高まり、嗜好の多様化とも相俟って、多くの優れた特性を併せもった美爪料への要望が従来にもまして高まっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、爪に塗りやすく、分離安定性、乾燥性、光沢に非常に優れ、かつ経時においても剥がれ難く、つやが持続する美爪料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、溶剤系美爪料において、特定の低分子量のニトロセルロースと特定の高分子量のニトロセルロースとを特定量配合することによって、剥がれ特性を満足しながら、塗膜の乾燥性、平滑性、経時でのつやの持続をさらに向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、溶剤を含有する美爪料において、1/8秒グレード以下のニトロセルロース5〜25重量%と、1/2秒グレード以上のニトロセルロース2〜10重量%を含有し、それらの合計量が美爪料全量中8〜30重量%である美爪料に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。なお以下において、「1/8秒グレード以下のニトロセルロース」を「低分子量のニトロセルロース」、「1/2秒グレード以上のニトロセルロース」を「高分子量のニトロセルロース」、とそれぞれ記すこともある。
【0011】
本発明で用いられる低分子量のニトロセルロースは、1/8秒グレード以下のものを指す。このような低分子量のニトロセルロースとしては、ニトロセルロースLIG1/8秒、ニトロセルロースHIG1/8秒、ニトロセルロースHIG1/16秒等が挙げられる。これら低分子量のニトロセルロースは1種または2種以上を用いることができる。
【0012】
低分子量のニトロセルロースの配合量は、美爪量全量に対し5〜25重量%であり、好ましくは8〜25重量%である。5重量%未満では乾燥速度が遅くなり、経時でのつや低下も生じる。一方、25重量%超では系の粘度が高くなり塗布し難くなる。
【0013】
本発明に用いられる高分子量のニトロセルロースは、1/2秒グレード以上のものを指す。このような高分子量のニトロセルロースとしては、ニトロセルロースRS1/2秒、ニトロセルロースLIG1/2秒、ニトロセルロースHIG1/2秒、ニトロセルロースSS1/2秒、ニトロセルロースHIG1秒、ニトロセルロースHIG2秒、ニトロセルロースHIG7秒、ニトロセルロースHIG20秒等が挙げられる。中でも、塗りやすさの点から1/2〜2秒までのものが好ましい。これら高分子量のニトロセルロースは1種または2種以上を用いることができる。
【0014】
高分子量のニトロセルロースの配合量は、美爪量全量に対し2〜10重量%であり、好ましくは3〜10重量%である。2重量%未満では分離安定性が悪く、経時で剥がれやすくなる。一方、10重量%超では系の粘度が高くなり塗布し難くなる。
【0015】
本発明ではさらに、低分子量のニトロセルロースと高分子量のニトロセルロースの合計量は、美爪料全量に対し8〜30重量%であり、塗りやすさの点から好ましくは10〜25重量%である。これらの合計量が8重量%未満では乾燥が遅く経時でのつや低下および剥がれが生じ、一方、30重量%超では系の粘度が高くなり均一に塗布できず、経時のつや、剥がれともに悪くなる。
【0016】
なお、本明細書において、ニトロセルロースの配合量は、30%のイソプロピルアルコールで湿潤させた状態(以下、「30%IPA」と記す)を意味する。
【0017】
本発明で用いられる溶剤は、従来用いられているエステル系、アルコール系、炭化水素系等の公知のものを使用することができる。例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、乳酸ブチル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、トルエン、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、プロピルアルコール等が挙げられる。中でも酢酸ブチル、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、エチルアルコール等が好ましく用いられる。溶剤は1種または2種以上を用いることができる。
【0018】
溶剤の配合量は使用性、色等によっても異なるが、一般に美爪料全量に対し50〜85重量%程度である。
【0019】
本発明の溶剤系美爪料は、化粧品業界において一般にマニキュア類、美爪用製品等として用いられている爪被覆剤を広く含むものであり、例えば、ベースコート、ネールエナメル、トップコート(オーバーコート)の他、ネールガード等のネールケア製品等が挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。
【0020】
本発明の美爪料には、本発明の効果を損なわない程度に上記構成成分の他に必要に応じて、上記以外のニトロセルロース、樹脂、可塑剤、顔料、香料、染料、パール剤、ラメ剤、薬剤、保湿剤、紫外線吸収剤、艶消剤、充填剤、界面活性剤、金属石鹸等の一般に美爪料に配合される原料を配合することができる。
【0021】
【実施例】
以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれによりなんら限定されるものでない。なお、配合量は重量%である。またニトロセルロースについてはいずれも30%IPA品での配合量である。
【0022】
実施例に先立ち、本実施例で用いた各評価方法について説明する。
【0023】
[分離安定性]
各試料を10mlの筆つきガラスビンに充填し、50℃で1カ月静置後、状態を観察し、下記基準により評価した。
〈評価基準〉
○: 良好(分離していない)
△: やや不良(やや分離している)
×: 不良(分離している)
【0024】
[塗布のしやすさ]
各試料を10mlの筆つきガラスビンに充填し、これを専門パネル(10名)により使用してもらい、爪への塗りやすさ(一度塗り、二度塗り)について、下記基準により総合評価した。
〈評価基準〉
○: 良好(きれいに滑らかに塗れる)
△: やや不良(やや塗り難い)
×: 不良(非常に塗り難い)
【0025】
[乾燥速度]
実際の使用において、塗布直後から指先で触れた時に指紋がつかなくなるまでの時間を測定した。
〈評価基準〉
◎: 2〜3分間
○: 3〜4分間
○△: 4〜5分間
△: 5〜6分間
×: 6〜7分間
【0026】
[光沢度]
ガラス板上に試料を0.35mmのドクターブレードを用いて均一に塗布し、24時間室温にて乾燥後、塗膜の光沢をD−2型光沢計を用いて入射角60°−反射角60°の値を測定した。
〈評価基準〉
○: 入射角60°−反射角60°の値が90以上〜100
△: 入射角60°−反射角60°の値が70以上〜90未満
×: 入射角60°−反射角60°の値が70未満
【0027】
[経時での剥がれ]
各試料を専門パネル(10名)により使用してもらい、塗布後3日間経過後の剥がれについて、下記基準により総合評価した。
〈評価基準〉
◎: 非常に剥がれ難い
○: やや剥がれ難い
○△: やや剥がれやすい
△: 剥がれやすい
×: 非常に剥がれやすい
【0028】
[経時でのつやの持続]
各試料を専門パネル(10名)により使用してもらい、塗布後3日間経過後のつやについて、下記基準により総合評価した。
〈評価基準〉
◎: 非常につやがある
○: ややつやがある
△: ややつやがない
×: つやがない
【0029】
(実施例1〜5、比較例1〜5)
表1〜2に示す組成で常法により美爪料を調製し、それぞれにつき上記評価方法により、分離安定性、塗布のしやすさ、光沢、乾燥速度、経時での剥がれ、経時でのつやの持続について評価した。結果を表1〜2に示す。
【0030】
【表1】
【表2】
【0031】
(製法)
(5)〜(7)に(1)〜(4)を溶解し、(8)、(9)を撹拌混合し試料とした。
【0032】
表1〜2から明らかなように、本発明の実施例1〜5は、分離安定性、塗りやすさ、光沢、乾燥速度、経時での剥がれ難さ、経時でのつやの持続に優れていることがわかる。
【0033】
これに対し、低分子量ニトロセルロースが5重量%未満である比較例1は、経時でのつやの持続性に劣る。また、ニトロセルロースの総配合量が30重量%を超えている比較例2は塗りにくく、光沢、経時での剥がれ難さ、つやの持続性に劣り、ニトロセルロースの相配合量が8重量%未満である比較例3は経時でのつやと剥がれ難さに劣る。高分子量ニトロセルロース配合量が2%重量未満である比較例4、5は分離安定性と経時での剥がれ難さに劣る。
【0034】
常法によりオーバーコートを得た。分離安定性が良好で、乾燥性がよく、塗りやすさ、光沢に優れ、経時でも剥がれ難く、またつやの持続性に優れるものであった。
【0035】
常法によりベースコートを得た。分離安定性が良好で、乾燥性がよく、塗りやすさ、光沢に優れ、経時でも剥がれ難く、またつやの持続性に優れるものであった。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、分離安定性、乾燥性、塗膜の光沢、塗りやすさに優れ、また、経時での剥がれにも強く、つやの持続性に優れた美爪料が得られる。
Claims (1)
- 溶剤を含有する美爪料において、1/8秒グレード以下のニトロセルロース5〜25重量%と、1/2秒グレード以上のニトロセルロース2〜10重量%を含有し、それらの合計量が美爪料全量中8〜30重量%である、美爪料。
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JP34069897A JP3632814B2 (ja) | 1997-11-26 | 1997-11-26 | 美爪料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34069897A JP3632814B2 (ja) | 1997-11-26 | 1997-11-26 | 美爪料 |
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JPH11158041A JPH11158041A (ja) | 1999-06-15 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP34069897A Expired - Lifetime JP3632814B2 (ja) | 1997-11-26 | 1997-11-26 | 美爪料 |
Country Status (1)
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-
1997
- 1997-11-26 JP JP34069897A patent/JP3632814B2/ja not_active Expired - Lifetime
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