JPH1156406A - 帯電防止靴底用ポリウレタン組成物 - Google Patents
帯電防止靴底用ポリウレタン組成物Info
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- JPH1156406A JPH1156406A JP22589097A JP22589097A JPH1156406A JP H1156406 A JPH1156406 A JP H1156406A JP 22589097 A JP22589097 A JP 22589097A JP 22589097 A JP22589097 A JP 22589097A JP H1156406 A JPH1156406 A JP H1156406A
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- polyurethane
- polyurethane composition
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Abstract
(57)【要約】
【課題】靴底表面のべたつき及び物理的特性の低下が生
じず、0〜40℃の雰囲気下で、JIS T−8103
の規格を十分満たす安定した電気抵抗値を示す帯電防止
靴底用ポリウレタン組成物を提供する。 【解決手段】ポリエステルポリオール(1)とポリイソ
シアネートとを反応させて得られる、末端にイソシアネ
ート基を有するプレポリマーと、ポリエステルポリオー
ル(2)とを帯電防止剤の存在下で反応させるポリウレ
タン組成物中に、平均分子量500〜20000のポリ
エチレンングリコールが添加・含有されている構成とす
る。
じず、0〜40℃の雰囲気下で、JIS T−8103
の規格を十分満たす安定した電気抵抗値を示す帯電防止
靴底用ポリウレタン組成物を提供する。 【解決手段】ポリエステルポリオール(1)とポリイソ
シアネートとを反応させて得られる、末端にイソシアネ
ート基を有するプレポリマーと、ポリエステルポリオー
ル(2)とを帯電防止剤の存在下で反応させるポリウレ
タン組成物中に、平均分子量500〜20000のポリ
エチレンングリコールが添加・含有されている構成とす
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業所等で使用さ
れる静電気帯電防止用安全・作業靴(以下、帯電防止靴
という)の靴底の成形材料として使用されるポリウレタ
ン組成物に関するものである。
れる静電気帯電防止用安全・作業靴(以下、帯電防止靴
という)の靴底の成形材料として使用されるポリウレタ
ン組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、可燃性物質を取り扱う作業所や人
体からの放電が製品機能を破壊するおそれのあるIC工
場等の作業所では、静電気による災害や事故を防止する
ために種々の対策が採られており、その中で作業者の着
用物に発生する静電気防止の対策としては、帯電防止
靴、帯電防止服あるいは帯電防止手袋を着用するという
手段が講じられている。
体からの放電が製品機能を破壊するおそれのあるIC工
場等の作業所では、静電気による災害や事故を防止する
ために種々の対策が採られており、その中で作業者の着
用物に発生する静電気防止の対策としては、帯電防止
靴、帯電防止服あるいは帯電防止手袋を着用するという
手段が講じられている。
【0003】この中で帯電防止靴については、JIS
T−8103により靴としての電気抵抗Rが0、20、
40℃の各雰囲気下でそれぞれ1.0×105 <R<
1.0×108 (Ω)にあることが要求されている。す
なわち、靴の電気抵抗値を下げることによって、静電気
による人体の帯電を防止するものである。
T−8103により靴としての電気抵抗Rが0、20、
40℃の各雰囲気下でそれぞれ1.0×105 <R<
1.0×108 (Ω)にあることが要求されている。す
なわち、靴の電気抵抗値を下げることによって、静電気
による人体の帯電を防止するものである。
【0004】この特性を満たすため、現在では、カチオ
ン系4級アンモニウム塩系や無機塩系の帯電防止剤が多
く使用されている。かかる帯電防止剤は、靴底用ポリウ
レタン組成物に添加され、成形後のポリウレタン表面に
ブリードアウトして空気中の水分を吸着し、靴底にイオ
ン伝導による帯電防止性を付与するものである。
ン系4級アンモニウム塩系や無機塩系の帯電防止剤が多
く使用されている。かかる帯電防止剤は、靴底用ポリウ
レタン組成物に添加され、成形後のポリウレタン表面に
ブリードアウトして空気中の水分を吸着し、靴底にイオ
ン伝導による帯電防止性を付与するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記帯
電防止剤を添加して成形したポリウレタン製靴底の電気
抵抗値は、周りの湿度の影響を大きく受けることが避け
られず、安定性に欠けるという問題点を有していた。す
なわち、低温時では絶対湿度が下がるために帯電防止剤
の水分吸着量が減少し、それによって電気抵抗値が上昇
し、JIS規格値を超えるおそれがあった。
電防止剤を添加して成形したポリウレタン製靴底の電気
抵抗値は、周りの湿度の影響を大きく受けることが避け
られず、安定性に欠けるという問題点を有していた。す
なわち、低温時では絶対湿度が下がるために帯電防止剤
の水分吸着量が減少し、それによって電気抵抗値が上昇
し、JIS規格値を超えるおそれがあった。
【0006】また、低温時の電気抵抗値を下げるために
帯電防止剤の添加量を増やすと、今度は高温時の電気抵
抗値が逆に低くなりすぎ規格値をはずれたり、過剰の帯
電防止剤のブリージングやブルーミングによる表面べた
つき現象、又は物理的特性の低下が発生するなどの問題
が生じていた。
帯電防止剤の添加量を増やすと、今度は高温時の電気抵
抗値が逆に低くなりすぎ規格値をはずれたり、過剰の帯
電防止剤のブリージングやブルーミングによる表面べた
つき現象、又は物理的特性の低下が発生するなどの問題
が生じていた。
【0007】そこで、本発明は、靴底に成形したとき
に、靴底の表面べたつき及び物理的特性の低下が生じ
ず、0〜40℃の雰囲気下で、JIS T−8103の
規格を十分満たし、安定した電気抵抗値を示す帯電防止
靴底用ポリウレタン組成物を提供することを目的とす
る。
に、靴底の表面べたつき及び物理的特性の低下が生じ
ず、0〜40℃の雰囲気下で、JIS T−8103の
規格を十分満たし、安定した電気抵抗値を示す帯電防止
靴底用ポリウレタン組成物を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、帯電防止剤を含有す
る靴底用ポリウレタン組成物中に、親水性樹脂を添加し
て反応させることにより、従来品と同量の帯電防止剤の
添加で、従来品よりも低い電気抵抗値を示すことを見出
した。
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、帯電防止剤を含有す
る靴底用ポリウレタン組成物中に、親水性樹脂を添加し
て反応させることにより、従来品と同量の帯電防止剤の
添加で、従来品よりも低い電気抵抗値を示すことを見出
した。
【0009】すなわち、従来の靴底は、帯電防止剤が成
形後のポリウレタン表面にブリードアウトし水分を吸収
して初めてイオン伝導による帯電防止性を示していたの
が、本発明においては、親水性樹脂を添加し成形後のポ
リウレタン全体に保湿性を付与することで、ポリウレタ
ン内部に存在する帯電防止剤のイオン伝導による帯電防
止性を発現可能としたものである。
形後のポリウレタン表面にブリードアウトし水分を吸収
して初めてイオン伝導による帯電防止性を示していたの
が、本発明においては、親水性樹脂を添加し成形後のポ
リウレタン全体に保湿性を付与することで、ポリウレタ
ン内部に存在する帯電防止剤のイオン伝導による帯電防
止性を発現可能としたものである。
【0010】ただし、親水性樹脂としてポリウレタン組
成物に単に添加するだけの非反応性タイプのものを使用
したのでは、親水性樹脂が相分離を起こし成形物表面に
ブリードアウトするおそれがあり、その場合には多量の
帯電防止剤を添加することが必要となるばかりでなく、
ポリウレタン全体に均一に保湿性を付与することが困難
となる。従って、親水性樹脂としてはポリウレタン組成
物との相溶性が高く、成形時にポリウレタン組成物と反
応して、均一な組成の成形体を形成し得る反応性タイプ
のものを使用するのが好ましい。
成物に単に添加するだけの非反応性タイプのものを使用
したのでは、親水性樹脂が相分離を起こし成形物表面に
ブリードアウトするおそれがあり、その場合には多量の
帯電防止剤を添加することが必要となるばかりでなく、
ポリウレタン全体に均一に保湿性を付与することが困難
となる。従って、親水性樹脂としてはポリウレタン組成
物との相溶性が高く、成形時にポリウレタン組成物と反
応して、均一な組成の成形体を形成し得る反応性タイプ
のものを使用するのが好ましい。
【0011】そこで、本発明者は検討を重ねた結果、親
水性樹脂として、ポリエチレングリコール(以下、PE
Gという)が優れていることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
水性樹脂として、ポリエチレングリコール(以下、PE
Gという)が優れていることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0012】すなわち、本発明に係る帯電防止靴底用ポ
リウレタン組成物は、ポリエステルポリオール(1)と
ポリイソシアネートとを反応させて得られる、末端にイ
ソシアネート基を有するプレポリマーと、ポリエステル
ポリオール(2)とを帯電防止剤の存在下で反応させる
ものであって、平均分子量500〜20000のポリエ
チレンングリコールを添加して反応させることを特徴と
するものである。
リウレタン組成物は、ポリエステルポリオール(1)と
ポリイソシアネートとを反応させて得られる、末端にイ
ソシアネート基を有するプレポリマーと、ポリエステル
ポリオール(2)とを帯電防止剤の存在下で反応させる
ものであって、平均分子量500〜20000のポリエ
チレンングリコールを添加して反応させることを特徴と
するものである。
【0013】ここで、親水性樹脂としてPEGを使用す
るのは、炭素数が3以上のグリコールを重合させたポリ
エーテルジオールでは親水性が乏しく、靴底に成形した
場合には、電気抵抗値を下げる効果が低い一方、電気抵
抗値を低減するためには多量のポリエーテルジオールが
必要となり、後述のように靴底としての物理的特性が低
下するおそれが生じるからである。
るのは、炭素数が3以上のグリコールを重合させたポリ
エーテルジオールでは親水性が乏しく、靴底に成形した
場合には、電気抵抗値を下げる効果が低い一方、電気抵
抗値を低減するためには多量のポリエーテルジオールが
必要となり、後述のように靴底としての物理的特性が低
下するおそれが生じるからである。
【0014】また、使用するPEGの平均分子量を50
0〜20000としたのは、平均分子量が500よりも
小さくなると、十分な親水性が得られず、平均分子量が
20000よりも大きくなると、ポリウレタン組成物と
の相溶性が低下し、均一な組成の靴底を得ることができ
なくなるおそれがある上、粘度が高くなって作業性が低
下するからである。
0〜20000としたのは、平均分子量が500よりも
小さくなると、十分な親水性が得られず、平均分子量が
20000よりも大きくなると、ポリウレタン組成物と
の相溶性が低下し、均一な組成の靴底を得ることができ
なくなるおそれがある上、粘度が高くなって作業性が低
下するからである。
【0015】このPEGをポリウレタン組成物に添加し
て均一な組成の成形体を得るには、ポリウレタン組成物
をウレタン化させる前に、少なくともポリエステルポリ
オール(1)又はポリエステルポリオール(2)のいず
れか一方に添加し、溶解しておけばよい。
て均一な組成の成形体を得るには、ポリウレタン組成物
をウレタン化させる前に、少なくともポリエステルポリ
オール(1)又はポリエステルポリオール(2)のいず
れか一方に添加し、溶解しておけばよい。
【0016】このときのPEG添加量としては、帯電防
止剤添加前のポリウレタン組成物100重量部に対して
1〜5重量部であるのが好ましい。添加量が1重量部よ
りも少ないとポリウレタン製靴底全体に十分な保湿性を
付与できず、電気抵抗値を引下げる効果が低くなり、5
重量部を超えると電気抵抗値の引下げ効果が横ばいとな
る上、靴底の物理的特性が低下するおそれがあるからで
ある。
止剤添加前のポリウレタン組成物100重量部に対して
1〜5重量部であるのが好ましい。添加量が1重量部よ
りも少ないとポリウレタン製靴底全体に十分な保湿性を
付与できず、電気抵抗値を引下げる効果が低くなり、5
重量部を超えると電気抵抗値の引下げ効果が横ばいとな
る上、靴底の物理的特性が低下するおそれがあるからで
ある。
【0017】本発明に使用される靴底用ポリウレタン組
成物は、帯電防止剤を含有するものであって、上述のポ
リエステルポリオール成分及びポリイソシアネート成分
のほかに、ウレタン化触媒をはじめ、鎖延長剤、界面活
性剤、発泡剤等の添加剤を適宜含有させてよい。以下、
ポリウレタン組成物中の各成分について説明する。
成物は、帯電防止剤を含有するものであって、上述のポ
リエステルポリオール成分及びポリイソシアネート成分
のほかに、ウレタン化触媒をはじめ、鎖延長剤、界面活
性剤、発泡剤等の添加剤を適宜含有させてよい。以下、
ポリウレタン組成物中の各成分について説明する。
【0018】本発明において、帯電防止剤としては、カ
チオン系第4級アンモニウム塩あるいはアルカリ金属塩
等の無機塩を使用することができ、具体的にはCX−2
(東洋ゴム工業(株)製)等を例示することができる。
チオン系第4級アンモニウム塩あるいはアルカリ金属塩
等の無機塩を使用することができ、具体的にはCX−2
(東洋ゴム工業(株)製)等を例示することができる。
【0019】ポリオールの中でもポリエステルポリオー
ルは、ポリエーテルポリオールに比べ、成形体における
引張り強度、伸び、引裂き強度等の物理的特性に優れ、
さらには成形時間が短いことから、靴底用ポリウレタン
の原料として広く使用されている。本発明で使用される
ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸とエチレ
ングリコール及び/又はジエチレングリコール及び/又
は1,4−ブタンジオールのポリエステル等を例示する
ことができる。PEGは、ポリエーテルポリオールに含
まれるものであり、上記の理由からも、添加量は5重量
部以下であるのが好ましい。
ルは、ポリエーテルポリオールに比べ、成形体における
引張り強度、伸び、引裂き強度等の物理的特性に優れ、
さらには成形時間が短いことから、靴底用ポリウレタン
の原料として広く使用されている。本発明で使用される
ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸とエチレ
ングリコール及び/又はジエチレングリコール及び/又
は1,4−ブタンジオールのポリエステル等を例示する
ことができる。PEGは、ポリエーテルポリオールに含
まれるものであり、上記の理由からも、添加量は5重量
部以下であるのが好ましい。
【0020】なお、本発明において使用されるポリオー
ルは、上記の例示したものに限られず、この靴底用ポリ
ウレタン原料として公知の各種ポリエステルポリオール
を使用することも可能である。
ルは、上記の例示したものに限られず、この靴底用ポリ
ウレタン原料として公知の各種ポリエステルポリオール
を使用することも可能である。
【0021】また、本発明に使用されるポリイソシアネ
ートとしては、イソシアネート基を分子中に2個以上有
する公知の脂肪族、脂環族、芳香族有機ポリイソシアネ
ートであればよいが、特に、4,4´−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(以下、MDIという)、p−フェ
ニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等
を例示することができる。
ートとしては、イソシアネート基を分子中に2個以上有
する公知の脂肪族、脂環族、芳香族有機ポリイソシアネ
ートであればよいが、特に、4,4´−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(以下、MDIという)、p−フェ
ニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等
を例示することができる。
【0022】ポリエステルポリオール(1)とポリイソ
シアネートとを反応させて得られるプレポリマーと、ポ
リエステルポリオール(2)とを反応させてポリウレタ
ンを製造するには、通常、ウレタン化触媒が使用され
る。ウレタン化触媒としては、主として第3級アミンが
用いられ、具体的には、トリエチレンジアミン(1,4
−ジアザビシクロ−[2.2.2]−オクタン)を例示
することができる。ポリウレタン組成物成分として、上
記以外にも鎖延長剤、界面活性剤等を適宜使用すること
ができる。
シアネートとを反応させて得られるプレポリマーと、ポ
リエステルポリオール(2)とを反応させてポリウレタ
ンを製造するには、通常、ウレタン化触媒が使用され
る。ウレタン化触媒としては、主として第3級アミンが
用いられ、具体的には、トリエチレンジアミン(1,4
−ジアザビシクロ−[2.2.2]−オクタン)を例示
することができる。ポリウレタン組成物成分として、上
記以外にも鎖延長剤、界面活性剤等を適宜使用すること
ができる。
【0023】このようにポリウレタン組成物中にポリウ
レタン組成物との相溶性が良好で、かつポリウレタン組
成物と反応し得るPEGを添加して反応させれば、PE
Gが相分離することなく均一な組成の靴底を得ることが
できる。したがって、少量のPEG添加で,成形後のポ
リウレタン全体に保湿性を付与することができ、それに
よってポリウレタン内部に存在する帯電防止剤によるイ
オン伝導が可能となるため、帯電防止剤を増量すること
なく電気抵抗値を引下げることができる。
レタン組成物との相溶性が良好で、かつポリウレタン組
成物と反応し得るPEGを添加して反応させれば、PE
Gが相分離することなく均一な組成の靴底を得ることが
できる。したがって、少量のPEG添加で,成形後のポ
リウレタン全体に保湿性を付与することができ、それに
よってポリウレタン内部に存在する帯電防止剤によるイ
オン伝導が可能となるため、帯電防止剤を増量すること
なく電気抵抗値を引下げることができる。
【0024】また、帯電防止剤の添加量を増やす必要が
ないため、過剰の帯電防止剤による靴底表面のべたつき
が生じず、製造コストも抑えることができる。
ないため、過剰の帯電防止剤による靴底表面のべたつき
が生じず、製造コストも抑えることができる。
【0025】さらに、PEGは他の親水性樹脂に比べ、
親水性が高いため、少量の添加でポリウレタンに保湿性
を付与することが可能であり、成形後の靴底の物理的特
性を低下させるおそれがない。
親水性が高いため、少量の添加でポリウレタンに保湿性
を付与することが可能であり、成形後の靴底の物理的特
性を低下させるおそれがない。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明にかかる靴底用ポリウレタンは、以
下のようにして製造できる。まず、ポリエステルポリオ
ール(1)とポリイソシアネートとを反応させて得られ
るプレポリマー(通称P液)を調製する必要があるが、
これはアジピン酸等のジカルボン酸とジオール又はトリ
オールとの公知のエステル化反応によって合成されたポ
リエステルポリオールとMDI等のポリイソシアネート
とを、ウレタン化反応させることによって得られる。
て説明する。本発明にかかる靴底用ポリウレタンは、以
下のようにして製造できる。まず、ポリエステルポリオ
ール(1)とポリイソシアネートとを反応させて得られ
るプレポリマー(通称P液)を調製する必要があるが、
これはアジピン酸等のジカルボン酸とジオール又はトリ
オールとの公知のエステル化反応によって合成されたポ
リエステルポリオールとMDI等のポリイソシアネート
とを、ウレタン化反応させることによって得られる。
【0027】次に、ポリエステルポリオール(2)と水
等の発泡剤とアミン触媒との混合液(通称R液)と、上
記P液とを混合しながらモールド内に注入するとウレタ
ン化反応が起こって靴底用の発泡ポリウレタン成形体が
得られる。なお、上記R液には、鎖延長剤としての低分
子ポリオールを含んでいてもよいし、さらに界面活性剤
や耐候剤及びその他の添加剤を含んでいてもよい。
等の発泡剤とアミン触媒との混合液(通称R液)と、上
記P液とを混合しながらモールド内に注入するとウレタ
ン化反応が起こって靴底用の発泡ポリウレタン成形体が
得られる。なお、上記R液には、鎖延長剤としての低分
子ポリオールを含んでいてもよいし、さらに界面活性剤
や耐候剤及びその他の添加剤を含んでいてもよい。
【0028】PEGをポリウレタン組成物中に添加し、
均一に反応させる方法としては、PEGを最初にポリエ
ステルポリオール(1)に添加しておき、その後ポリイ
ソシアネートと反応させる方法が採用可能であるほか、
ポリエステルポリオール(2)あるいはR液に添加して
おき、その後プレポリマーと反応させる方法も採用可能
であり、いずれの方法を採用しても特性の同等な成形体
が得られる。なお、帯電防止剤についても、PEGとと
もに添加すればよい。
均一に反応させる方法としては、PEGを最初にポリエ
ステルポリオール(1)に添加しておき、その後ポリイ
ソシアネートと反応させる方法が採用可能であるほか、
ポリエステルポリオール(2)あるいはR液に添加して
おき、その後プレポリマーと反応させる方法も採用可能
であり、いずれの方法を採用しても特性の同等な成形体
が得られる。なお、帯電防止剤についても、PEGとと
もに添加すればよい。
【0029】
【実施例】次に、実施例をもって、本発明をさらに具体
的に説明する。以下、「部」は「重量部」を意味する。
的に説明する。以下、「部」は「重量部」を意味する。
【0030】(P液の調製)ポリエステルポリオール
(1)として、エチレングリコールとアジピン酸とを重
合させたものを使用し、ポリイソシアネートとしてMD
Iを使用して以下に示す処方によってP液を調製した。 ポリエステルポリオール(1)100部…ニッポラン4042(日本ポリウ レタン工業(株)製) ポリイソシアネート 131部…MILLIONATE MT(日 本ポリウレタン工業(株)製) 上記を混合しながら70℃で2時間反応させてP液を調製した。
(1)として、エチレングリコールとアジピン酸とを重
合させたものを使用し、ポリイソシアネートとしてMD
Iを使用して以下に示す処方によってP液を調製した。 ポリエステルポリオール(1)100部…ニッポラン4042(日本ポリウ レタン工業(株)製) ポリイソシアネート 131部…MILLIONATE MT(日 本ポリウレタン工業(株)製) 上記を混合しながら70℃で2時間反応させてP液を調製した。
【0031】(R液の調製)ポリエステルポリオール
(2)として、上記ポリエステルポリオール(1)と同
じものを使用し、これに鎖延長剤であるエチレングリコ
ール、ウレタン化触媒である1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタン、シリコン系界面活性剤及び発
泡剤として水を添加して以下の処方にしたがってR液を
調製した。 ポリエステルポリオール(2) 91部…ニッポラン4042(日本ポリウ レタン工業(株)製) エチレングリコール 8部…(日曹油化工業(株)製) 界面活性剤 1部…SH−193(東レ・ダウコーニ ング・シリコーン(株)製) 1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン 1部…トリエチレンジアミン(東ソー( 株)製) 水 0.3部 上記〜を均一に混合してR液を調製した。
(2)として、上記ポリエステルポリオール(1)と同
じものを使用し、これに鎖延長剤であるエチレングリコ
ール、ウレタン化触媒である1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタン、シリコン系界面活性剤及び発
泡剤として水を添加して以下の処方にしたがってR液を
調製した。 ポリエステルポリオール(2) 91部…ニッポラン4042(日本ポリウ レタン工業(株)製) エチレングリコール 8部…(日曹油化工業(株)製) 界面活性剤 1部…SH−193(東レ・ダウコーニ ング・シリコーン(株)製) 1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン 1部…トリエチレンジアミン(東ソー( 株)製) 水 0.3部 上記〜を均一に混合してR液を調製した。
【0032】(本実施例で使用したPEG及び帯電防止
剤)本実施例で使用したPEG及び帯電防止剤は、以下
の通りである。 PEG#3000 …平均分子量3000で第一工業
製薬(株)製 PEG#10000…平均分子量10000で第一工
業製薬(株)製 帯電防止剤 …CX−2(東洋ゴム工業(株)
製)
剤)本実施例で使用したPEG及び帯電防止剤は、以下
の通りである。 PEG#3000 …平均分子量3000で第一工業
製薬(株)製 PEG#10000…平均分子量10000で第一工
業製薬(株)製 帯電防止剤 …CX−2(東洋ゴム工業(株)
製)
【0033】(実施例1)上記P液とR液とを混合して
ポリウレタンを成形するにあたり、まず、R液49部に
帯電防止剤(CX−2)を3部及びPEG#3000を
2.5部添加しておき、次いで、この混合液とP液46
部とを混合してモールド内に注入した。モールド内表面
にはシリコン系離型剤RM−23M(東洋ゴム工業
(株)製)を塗布し、型温48〜52℃にてポリウレタ
ンの成形を行い、5分後に脱型して比重0.65の靴底
成形品を得、物性を評価した。
ポリウレタンを成形するにあたり、まず、R液49部に
帯電防止剤(CX−2)を3部及びPEG#3000を
2.5部添加しておき、次いで、この混合液とP液46
部とを混合してモールド内に注入した。モールド内表面
にはシリコン系離型剤RM−23M(東洋ゴム工業
(株)製)を塗布し、型温48〜52℃にてポリウレタ
ンの成形を行い、5分後に脱型して比重0.65の靴底
成形品を得、物性を評価した。
【0034】(実施例2)PEGとして、PEG#30
00の代りにPEG#10000を使用したほかは実施
例1と同様にして比重0.65の靴底成形品を得、物性
を評価した。
00の代りにPEG#10000を使用したほかは実施
例1と同様にして比重0.65の靴底成形品を得、物性
を評価した。
【0035】(比較例1)PEGは使用せず、帯電防止
剤のみをR液に添加したほかは実施例1と同様にして比
重0.65の靴底成形品を得、物性を評価した。
剤のみをR液に添加したほかは実施例1と同様にして比
重0.65の靴底成形品を得、物性を評価した。
【0036】(比較例2)帯電防止剤は使用せず、PE
GのみをR液に添加したほかは実施例1と同様にして比
重0.65の靴底成形品を得、物性を評価した。
GのみをR液に添加したほかは実施例1と同様にして比
重0.65の靴底成形品を得、物性を評価した。
【0037】以上のようにしてそれぞれ異なる配合で成
形したポリウレタン靴底は、物性評価としてJIS T
−8103に規定する電気抵抗値の測定を行った。表1
に、実施例1〜比較例2の各配合と、電気抵抗値の測定
結果を示す。
形したポリウレタン靴底は、物性評価としてJIS T
−8103に規定する電気抵抗値の測定を行った。表1
に、実施例1〜比較例2の各配合と、電気抵抗値の測定
結果を示す。
【0038】
【表1】 表1に示した結果より、従来の配合(比較例1)では0
℃での電気抵抗値が高い値を示すため、規格に対して余
裕が少ないことが判る。また、従来の配合では靴底表面
にブリードアウトした帯電防止剤のイオン伝導によっ
て、電気抵抗値を下げているため、靴底表面状態によっ
ては、規格値を超えるおそれがある。
℃での電気抵抗値が高い値を示すため、規格に対して余
裕が少ないことが判る。また、従来の配合では靴底表面
にブリードアウトした帯電防止剤のイオン伝導によっ
て、電気抵抗値を下げているため、靴底表面状態によっ
ては、規格値を超えるおそれがある。
【0039】また、PEGのみを添加した処方(比較例
2)では20℃の条件でも電気抵抗値が規格上限値を超
えている。
2)では20℃の条件でも電気抵抗値が規格上限値を超
えている。
【0040】それに比べ、帯電防止剤とともにPEGを
添加した処方(実施例1、2)では0〜40℃の広い範
囲でJIS規格を十分満たす電気抵抗値を示しており、
しかも、低温になるほどPEG添加の効果が高いことが
判る。
添加した処方(実施例1、2)では0〜40℃の広い範
囲でJIS規格を十分満たす電気抵抗値を示しており、
しかも、低温になるほどPEG添加の効果が高いことが
判る。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、ポリウレタン組成物にPEGを添加すること
によって、ポリウレタン全体に保湿性を付与することが
可能となり、ポリウレタン内部に存在する帯電防止剤に
よるイオン伝導が可能となる。従って、0℃から40℃
までの幅広い温度範囲で、JIS T−8103の規格
を十分満たし安定した電気抵抗値を示す帯電防止靴底用
ポリウレタンを得ることができる。
によると、ポリウレタン組成物にPEGを添加すること
によって、ポリウレタン全体に保湿性を付与することが
可能となり、ポリウレタン内部に存在する帯電防止剤に
よるイオン伝導が可能となる。従って、0℃から40℃
までの幅広い温度範囲で、JIS T−8103の規格
を十分満たし安定した電気抵抗値を示す帯電防止靴底用
ポリウレタンを得ることができる。
【0042】また、帯電防止剤の添加量を増やす必要が
ないため、過剰の帯電防止剤による靴底表面のべたつき
が生じず、製造コストも抑えることができる。
ないため、過剰の帯電防止剤による靴底表面のべたつき
が生じず、製造コストも抑えることができる。
【0043】さらに、PEGは親水性が高いため、少量
の添加でポリウレタンに保湿性を付与可能であり、成形
後の靴底の物理的特性を低下させるおそれもない。
の添加でポリウレタンに保湿性を付与可能であり、成形
後の靴底の物理的特性を低下させるおそれもない。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリエステルポリオール(1)とポリイ
ソシアネートとを反応させて得られる、末端にイソシア
ネート基を有するプレポリマーと、ポリエステルポリオ
ール(2)とを帯電防止剤の存在下で反応させるポリウ
レタン組成物中に、さらに平均分子量500〜2000
0のポリエチレンングリコールを添加し、反応させるこ
とを特徴とする帯電防止靴底用ポリウレタン組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22589097A JPH1156406A (ja) | 1997-08-22 | 1997-08-22 | 帯電防止靴底用ポリウレタン組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22589097A JPH1156406A (ja) | 1997-08-22 | 1997-08-22 | 帯電防止靴底用ポリウレタン組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1156406A true JPH1156406A (ja) | 1999-03-02 |
Family
ID=16836485
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22589097A Withdrawn JPH1156406A (ja) | 1997-08-22 | 1997-08-22 | 帯電防止靴底用ポリウレタン組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1156406A (ja) |
-
1997
- 1997-08-22 JP JP22589097A patent/JPH1156406A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20041102 |