JPH1155955A - 電力変換装置の制御装置 - Google Patents

電力変換装置の制御装置

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JPH1155955A
JPH1155955A JP9209337A JP20933797A JPH1155955A JP H1155955 A JPH1155955 A JP H1155955A JP 9209337 A JP9209337 A JP 9209337A JP 20933797 A JP20933797 A JP 20933797A JP H1155955 A JPH1155955 A JP H1155955A
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Yasuhiko Ajiguchi
泰彦 味口
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを高
速に選択すること。 【解決手段】多重変換器に対する電圧指令ベクトルが存
在する範囲番号を算出し、電圧指令ベクトルを所定角度
回転させて、直交座標系のa軸方向のベクトルとa軸か
ら反時計回りに所定角度回転した方向のベクトルの二つ
を単位ベクトルとした斜交座標系でのベクトルに座標変
換し、出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30度
〜+30の範囲を斜交座標変換したベクトル図の変換器
出力可能部分を、各升目の左上/右下/左下と右上の両
方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、左下
と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目は左上と右下の
頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割し、斜交座標
変換した電圧指令ベクトルが領域分割された斜交座標系
ベクトル図における升目/三角形領域のどの領域に存在
するか判定し、領域に対応する出力ベクトルを選択し所
定角度回転させて算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多重変換器からな
る電力変換装置の制御装置に係り、特に電圧指令ベクト
ルに最も近い出力ベクトルを高速に選択して、空間ベク
トル比較によるパルス幅変調(以下、PWMと称する)
制御を高速に実行できるようにした電力変換装置の制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図44は、多重(図では4個のものを示
している)電圧形変換器5,6,7,8からなる電力変
換装置の主回路構成例を示すブロック図であり、図45
は各変換器5〜8の構成を示す回路図である。
【0003】図44,45において、電力変換装置の主
回路は、自己消弧形スイッチング素子9〜32をブリッ
ジ接続してなり、各スイッチング素子9〜32にそれぞ
れダイオードD9〜D32が逆並列に接続されている。
各変換器5〜8の入力側には、共通の直流電源4が接続
されている。各変換器5〜8の出力側にはそれぞれ三相
変圧器133〜136が接続され、各三相変圧器133
〜136の二次側は共通接続され、抵抗137、インダ
クタンス138を順次介して交流電動機等の交流負荷1
39が接続されている。
【0004】以下の説明では、自己消弧形スイッチング
素子9〜32として、ゲートターンオフサイリスタ(G
TO)を用いる場合を例として説明する。
【0005】また、各GTOと各GTOと逆並列のダイ
オードDを組み合わせて、アームと呼ぶことにする。例
えば、GTO9とD9で構成されるアームをアーム9、
GTO10とD10で構成されるアームをアーム10の
ように呼ぶことにする。各変換器の交流電流の向きによ
っては、GTOにオン(ON)ゲートを与えていてもダ
イオード側に電流が流れることもある。どちらに電流が
流れている場合も、アームが通電している、と称するこ
とにする。
【0006】さらに、多重電圧形変換器からなる電力変
換装置には、図44に示すように、直流を電源とし、交
流側に負荷を持つインバータの構成と別に、交流側を電
源とし、直流側に負荷を接続するコンバータの構成もあ
る。両者は呼び方が異なるだけであり、動作や抱える技
術的課題は共通しているものが多いので、以下の説明で
は、両者を区別せずに多重電圧形変換器として扱うこと
にする。
【0007】一方、このような多重電圧形変換器5〜8
からなる電力変換装置の制御装置としては、従来から、
自己消弧形スイッチング素子の点弧状態を電圧指令に応
じて制御するものが提案されてきている。
【0008】図47は、この種の電力変換装置の制御装
置の構成例を示すブロック図である。
【0009】なお、図47に示す電力変換装置の制御装
置を説明するに先立って、図44の4多重電圧形変換器
が交流側に発生できる電圧ベクトルについて説明する。
【0010】図46は、4多重電圧形変換器が発生でき
る出力ベクトルを示す図である。
【0011】図46において、座標軸はU,V,Wで示
している。例えば、変換器5のアーム9、アーム10、
アーム11が通電しているとき、またはアーム12、ア
ーム13、アーム14が通電しているとき、出力電圧は
零であり、このときの電圧ベクトルをV0とする。
【0012】一方、アーム9、13、14が通電してい
るときの、電圧ベクトルをV1とする。
【0013】また、アーム9、10、14が通電してい
るときの電圧ベクトルをV2とする。
【0014】さらに、アーム10、12、14が通電し
ているときの電圧ベクトルをV3とする。
【0015】一方、アーム10、11、12が通電して
いるときの電圧ベクトルをV4とする。
【0016】また、アーム11、12、13が通電して
いるときの電圧ベクトルをV5とする。
【0017】さらに、アーム9、11、13が通電して
いるときの電圧ベクトルをV6とする。
【0018】以上のように、1台の変換器は、V0,V
1,V2,V3,V4,V5,V6の7通りの電圧ベク
トルを発生することができる。
【0019】図46は、図45に示す4多重電圧形変換
器が発生できる全ての電圧ベクトルを示したものであ
り、4台の単位変換器5〜8の組み合わせによって、6
1通りの電圧ベクトルを発生することができる。
【0020】例えば、ベクトルV111は3台の変換器
が電圧ベクトルV1を、1台の変換器がベクトルV0を
発生している状態である。
【0021】また、ベクトルV6611は2台の変換器
がベクトルV6を、2台の変換器がベクトルV1を発生
している状態である。以下、同様である。
【0022】さて、従来では、電力変換装置の交流出力
電圧の電圧指令ベクトルが与えられた時、電圧指令ベク
トルに最も近い出力ベクトルを選択して、電力変換装置
が発生するようにしている。そして、これを実現するた
めに、従来では、図47に示すような制御装置が提案さ
れている。
【0023】図47において、45は交流電圧指令値を
発生する交流電圧指令値発生器であり、変換器の出力電
圧の電圧指令ベクトルを、U,V,W座標上の成分RV
U1,RVV1,RVW1として与える。
【0024】また、46は加算器と掛算器とから構成さ
れる3相→2相変換器であり、 RVA1=RVU1−(RVV1+RVW1)/2 RVB1=(RVV1−RVW1)*1.732/2 の演算によって、U,V,W座標上の成分RVU1,R
VV1,RVW1を、A,B座標上の成分RVA1,R
VB1に変換する。ただし、A軸はU軸と平行な軸、B
軸はA軸に対して90度進んだ軸とする。
【0025】さらに、168は出力可能ベクトル発生器
であり、多重変換器が発生できる全ての出力ベクトル値
をA軸B軸座標値(VnA,VnB)の形で与える。
【0026】一方、170はベクトル偏差検出回路であ
り、電圧指令ベクトルと各出力ベクトルとの偏差を、
【数1】
【0027】なる式を用いて計算する。
【0028】また、171は比較選択回路であり、ベク
トル偏差検出回路170にて計算されたベクトル偏差を
比較して、最小のものに対応する出力ベクトルVnを選
択する。
【0029】さらに、53はベクトル→3相変換器であ
り、比較選択回路171にて選択された出力ベクトルV
nに対応したGTOのスイッチングパターンを発生す
る。
【0030】さらにまた、54はゲート信号発生回路で
あり、図45の変換器5〜8から構成される多重変換器
55のGTOの点弧パルスを発生する。
【0031】しかしながら、上述したような制御装置で
は、例えば4多重変換器において、出力ベクトルとし
て、空間ベクトル図の角度0〜60度の範囲のV0,V
1,V2,V11,V12,V22,V111,V11
2,V122,V222,V1111,V1112,V
1122,V1222,V2222だけを対象とし、残
りの60〜360度の範囲については、−60度の整数
倍の回転で0〜60度の場合に帰着させたとしても、1
5個の出力ベクトルと電圧指令ベクトルとの偏差を演算
する必要がある。
【0032】この場合、ベクトル偏差の演算には、乗算
および平方根の計算が含まれており、ハードウェアで1
5個の乗算、平方根、比較回路を実現しようとすると、
回路規模が非常に大きくなってしまう。
【0033】また、マイコンまたはDSP(ディジタル
シグナルプロセッサ)にて、この機能を実現しようとす
る場合にも、演算時間が長くなってしまう。
【0034】さらに、空間ベクトル比較PWMにおいて
は、瞬時瞬時に電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクト
ルを選択することで、低歪率、低スイッチングロス、高
速応答を達成するのが特徴であり、出力ベクトルの選択
に時間がかかると、その分だけ性能が低下する恐れがあ
る。
【0035】さらにまた、多重数が増えると、出力ベク
トルは多重数の2乗に比例して増えるため、ますます演
算に時間がかかるという問題がある。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
電力変換装置の制御装置においては、出力ベクトルの選
択に長い時間を要してしまい、性能が低いという問題が
あった。
【0037】本発明の目的は、電圧指令ベクトルに最も
近い出力ベクトルを高速に選択して、空間ベクトル比較
によるPWM制御を高速に実行することが可能な高性能
の電力変換装置の制御装置を提供することにある。
【0038】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に対応する発明は、自己消弧形スイッチ
ング素子をブリッジ接続してなり、該各自己消弧形スイ
ッチング素子に対して帰還ダイオードがそれぞれ逆並列
接続され、直流電力を交流電力に変換するn個の変換器
と、前記n個の変換器の各出力を入力とするn個の変圧
器と、前記n個の変圧器の二次側端子を直列に接続して
交流負荷に接続する電力変換装置の制御装置であって、
前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを
与える手段と、前記電力変換装置が発生できる交流出力
電圧の全ての出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指
令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベ
クトル選択手段と、前記出力ベクトル選択手段により選
択した出力ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチ
ング素子の通電状態を制御する制御手段とを備えたもの
において、空間ベクトル図を、−30度〜30度、30
度〜90度、90度〜150度、150度〜210度、
210度〜270度、270度〜330度の6つの範囲
に分割して、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を
付した場合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指
令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記
電圧指令ベクトルを所定角度回転させる手段と、前記回
転させた電圧指令ベクトルを、直交座標系の−30度の
方向のベクトルと、+30度の方向のベクトルの二つを
単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換
する手段と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図
の−30度〜+30度の範囲を、前記単位ベクトルを用
いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分
を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上
の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、
さらに左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目につ
いては左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角
形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指
令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル
図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存
在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、升
目領域もしくは三角形領域に対応する出力ベクトルを選
択する手段と、前記選択された出力ベクトルを所定角度
回転させた出力ベクトルを算出する手段とを備えて構成
した電力変換装置の制御装置である。
【0039】従って、請求項1に係る発明の電力変換装
置の制御装置においては、多重電圧形変換器に対する電
圧指令ベクトルが存在する範囲番号VTHを算出し、電
圧指令ベクトルを所定角度回転させ、回転させた電圧指
令ベクトルを、直交座標系の−30度方向のベクトル
と、+30度方向のベクトルの二つを単位ベクトルとし
た斜交座標系でのベクトルに座標変換し、出力ベクトル
を配した空間ベクトル図の−30度〜+30度の範囲を
単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変
換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、も
しくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるよう
に升目に分割し、さらに、左下と右上の両方に出力ベク
トルを持つ升目については左上の頂点と右下の頂点を結
ぶ線分で二つの三角形領域に分割し、斜交座標変換した
電圧指令ベクトルが領域分割された斜交座標系ベクトル
図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存
在するかを判定し、その判定結果に応じて領域に対応す
る出力ベクトルVnxを選択し、出力ベクトルVnxを
所定角度回転させた出力ベクトルVnを算出することに
より、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベク
トル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧
指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみ
で、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択で
きるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間を短縮
して、高性能化を図ることができる。
【0040】また、上記の目的を達成するため、請求項
2に係る発明では、自己消弧形スイッチング素子をブリ
ッジ接続してなり、該各自己消弧形スイッチング素子に
対して帰還ダイオードがそれぞれ逆並列接続され、直流
電力を交流電力に変換するn個の変換器と、前記n個の
変換器の各出力を入力とするn個の変圧器と、前記n個
の変圧器の二次側端子を直列に接続して交流負荷に接続
する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換装
置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段と、
前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出
力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトルに応
じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択手段
と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベク
トルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電
状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、空間
ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90度、9
0度〜150度、150度〜210度、210度〜27
0度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、当
該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合、前
記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクトルが存
在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令ベクト
ルを所定角度回転させる手段と、前記回転させた電圧指
令ベクトルを、直交座標系の−30度の方向のベクトル
と、+30度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルと
する斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前
記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30度〜+
30度の範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標変
換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の左
上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベ
クトルが配されるように升目に分割し、さらに各升目を
左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域
に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベク
トルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル図にお
ける三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段
と、前記判定結果に応じて、三角形領域に対応する出力
ベクトルを選択する手段と、前記選択された出力ベクト
ルを所定角度回転させた出力ベクトルを算出する手段と
を備えて構成した電力変換装置の制御装置である。
【0041】従って、請求項2に係る発明の電力変換装
置の制御装置においては、斜交座標変換したベクトル図
の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右
下、もしくは左下と右上の両方に出力可能ベクトルが配
されるように升目に分割し、さらに各升目を左上の頂点
と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割し、
斜交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分割された斜
交座標系ベクトル図における三角形領域のどの領域に存
在するかを判定し、その判定結果に応じて領域に対応す
る出力ベクトルVnxを選択し、出力ベクトルVnxを
所定角度回転させた出力ベクトルVnを算出することに
より、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベク
トル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧
指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみ
で、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択で
きるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間を短縮
して、高性能化を図ることができる。
【0042】一方、上記の目的を達成するため、請求項
3に係る発明では、自己消弧形スイッチング素子をブリ
ッジ接続してなり、該各自己消弧形スイッチング素子に
対して帰還ダイオードがそれぞれ逆並列接続され、直流
電力を交流電力に変換するn個の変換器と、前記n個の
変換器の各出力を入力とするn個の変圧器と、前記n個
の変圧器の二次側端子を直列に接続して交流負荷に接続
する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換装
置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段と、
前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出
力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトルに応
じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択手段
と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベク
トルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電
状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、空間
ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90度、9
0度〜150度、150度〜210度、210度〜27
0度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、当
該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合、前
記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクトルが存
在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令ベクト
ルを、第1の所定角度の方向のベクトルと、第2の所定
角度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交
座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記出力ベ
クトルを配した空間ベクトル図の内の前記電圧指令ベク
トルが存在する60度範囲を、前記単位ベクトルを用い
て斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分
を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上
の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割し、
さらに左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目につ
いては左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角
形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指
令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル
図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存
在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、升
目領域もしくは三角形領域に対応する出力ベクトルを選
択する手段とを備えて構成した電力変換装置の制御装置
である。
【0043】従って、請求項3に係る発明の電力変換装
置の制御装置においては、多重電圧形変換器に対する電
圧指令ベクトルが存在する範囲番号VTHを算出し、電
圧指令ベクトルを、第1の所定角度の方向のベクトル
と、第2の所定角度の方向のベクトルの二つを単位ベク
トルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換し、出力
ベクトルを配した空間ベクトル図の内の電圧指令ベクト
ルが存在する60度範囲を、単位ベクトルを用いて斜交
座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升
目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に
出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに、
左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については
左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域
に分割し、斜交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分
割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしく
は三角形領域のどの領域に存在するかを判定し、その判
定結果に応じて領域に対応する出力ベクトルVnを選択
することにより、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクト
ルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系に
おける電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的
な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクト
ルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算
時間を短縮して、高性能化を図ることができる。
【0044】また、請求項4に係る発明では、自己消弧
形スイッチング素子をブリッジ接続してなり、該各自己
消弧形スイッチング素子に対して帰還ダイオードがそれ
ぞれ逆並列接続され、直流電力を交流電力に変換するn
個の変換器と、前記n個の変換器の各出力を入力とする
n個の変圧器と、前記n個の変圧器の二次側端子を直列
に接続して交流負荷に接続する電力変換装置の制御装置
であって、前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令
ベクトルを与える手段と、前記電力変換装置が発生でき
る交流出力電圧の全ての出力ベクトルを与える手段と、
前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択
する出力ベクトル選択手段と、前記出力ベクトル選択手
段により選択した出力ベクトルに応じて、前記自己消弧
形スイッチング素子の通電状態を制御する制御手段とを
備えたものにおいて、空間ベクトル図を、−30度〜3
0度、30度〜90度、90度〜150度、150度〜
210度、210度〜270度、270度〜330度の
6つの範囲に分割して、当該6つの分割範囲に0〜5の
範囲番号を付した場合、前記出力ベクトル選択手段を、
前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手
段と、前記電圧指令ベクトルを、第1の所定角度の方向
のベクトルと、第2の所定角度の方向のベクトルの二つ
を単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変
換する手段と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル
図の内の前記電圧指令ベクトルが存在する60度範囲
を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクト
ル図の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは
右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配さ
れるように升目に分割し、さらに各升目を左上の頂点と
右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割する手
段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記
領域分割された斜交座標系ベクトル図における三角系領
域のどの領域に存在するかを判定する手段と、前記判定
結果に応じて、三角形領域に対応する出力ベクトルを選
択する手段とを備えて構成した電力変換装置の制御装置
である。
【0045】従って、請求項4に係る発明の電力変換装
置の制御装置においては、斜交座標変換したベクトル図
の変換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右
下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配され
るように升目に分割し、さらに、各升目を左上の頂点と
右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割し、斜
交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分割された斜交
座標系ベクトル図における三角形領域のどの領域に存在
するかを判定し、その判定結果に応じて領域に対応する
出力ベクトルVnを選択することにより、全ての出力ベ
クトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算する
ことなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標
値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクト
ルに最も近い出力ベクトルを選択できるため、出力ベク
トルの選択に要する演算時間を短縮して、高性能化を図
ることができる。
【0046】以上により、空間ベクトル比較によるPW
M制御を高速に実行することが可能となる。
【0047】上記の目的を達成するため、請求項5に対
応する発明は、直流電圧源を少なくともn(nは3以上
の整数)個に分割した分割電圧源と、前記直流電圧源に
並列に接続され、それぞれにダイオードが逆並列に接続
された自己消弧形スイッチング素子を(2・n)個直列
に接続してなり、前記直流電圧源の正極側からn番目の
自己消弧形スイッチング素子と(n+1)番目の自己消
弧形スイッチング素子との間から前記直流電圧源の電圧
を変換した電圧を出力する変換電圧出力端子を持つ直列
回路を3組有し、前記変換電圧出力端子を交流負荷に接
続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換
装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段
と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全て
の出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトル
に応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択
手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力
ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の
通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、
空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90
度、90度〜150度、150度〜210度、210度
〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割し
て、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場
合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクト
ルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令
ベクトルを所定角度回転させる手段と、前記回転させた
電圧指令ベクトルを、直交座標系の−30度の方向のベ
クトルと、+30度の方向のベクトルの二つを単位ベク
トルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段
と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30
度〜+30度の範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交
座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升
目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に
出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに左
下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については左
上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に
分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指令ベクト
ルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル図におけ
る升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存在するか
を判定する手段と、前記判定結果に応じて、升目領域も
しくは三角形領域に対応する出力ベクトルを選択する手
段と、前記選択された出力ベクトルを所定角度回転させ
た出力ベクトルを算出する手段と、を備えて構成した電
力変換装置の制御装置である。
【0048】従って、請求項5に係る発明の電力変換装
置の制御装置においては、マルチレベル変換器に対する
電圧指令ベクトルが存在する範囲番号VTHを算出し、
電圧指令ベクトルを所定角度回転させ、回転させた電圧
指令ベクトルを、直交座標系の−30度方向のベクトル
と、+30度方向のベクトルの二つを単位ベクトルとし
た斜交座標系でのベクトルに座標変換し、出力ベクトル
を配した空間ベクトル図の−30度〜+30度の範囲を
単位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変
換器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、も
しくは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるよう
に升目に分割し、さらに、左下と右上の両方に出力ベク
トルを持つ升目については左上の頂点と右下の頂点を結
ぶ線分で二つの三角形領域に分割し、斜交座標変換した
電圧指令ベクトルが領域分割された斜交座標系ベクトル
図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存
在するかを判定し、その判定結果に応じて領域に対応す
る出力ベクトルVnxを選択し、出力ベクトルVnxを
所定角度回転させた出力ベクトルVnを算出することに
より、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベク
トル偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧
指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみ
で、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択で
きるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間を短縮
して、高性能化を図ることができる。
【0049】上記の目的を達成するため、請求項6に対
応する発明は、直流電圧源を少なくともn(nは3以上
の整数)個に分割した分割電圧源と、前記直流電圧源に
並列に接続され、それぞれにダイオードが逆並列に接続
された自己消弧形スイッチング素子を(2・n)個直列
に接続してなり、前記直流電圧源の正極側からn番目の
自己消弧形スイッチング素子と(n+1)番目の自己消
弧形スイッチング素子との間から前記直流電圧源の電圧
を変換した電圧を出力する変換電圧出力端子を持つ直列
回路を3組有し、前記変換電圧出力端子を交流負荷に接
続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換
装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段
と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全て
の出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトル
に応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択
手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力
ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の
通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、
空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90
度、90度〜150度、150度〜210度、210度
〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割し
て、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場
合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクト
ルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令
ベクトルを所定角度回転させる手段と、前記回転させた
電圧指令ベクトルを、直交座標系の−30度の方向のベ
クトルと、+30度の方向のベクトルの二つを単位ベク
トルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段
と、前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30
度〜+30度の範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交
座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升
目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に
出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに各
升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角
形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電圧指
令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベクトル
図における三角形領域のどの領域に存在するかを判定す
る手段と、前記判定結果に応じて、三角形領域に対応す
る出力ベクトルを選択する手段と、前記選択された出力
ベクトルを所定角度回転させた出力ベクトルを算出する
手段と、を備えて構成した電力変換装置の制御装置であ
る。
【0050】従って、請求項6に係る発明の電力変換装
置の制御装置においては、斜交座標変換したベクトル図
のマルチレベル変換器出力可能部分を、各升目の左上、
もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力可能ベ
クトルが配されるように升目に分割し、さらに各升目を
左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域
に分割し、斜交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分
割された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のど
の領域に存在するかを判定し、その判定結果に応じて領
域に対応する出力ベクトルVnxを選択し、出力ベクト
ルVnxを所定角度回転させた出力ベクトルVnを算出
することにより、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクト
ルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系に
おける電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的
な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクト
ルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算
時間を短縮して、高性能化を図ることができる。
【0051】上記の目的を達成するため、請求項7に対
応する発明は、直流電圧源を少なくともn(nは3以上
の整数)個に分割した分割電圧源と、前記直流電圧源に
並列に接続され、それぞれにダイオードが逆並列に接続
された自己消弧形スイッチング素子を(2・n)個直列
に接続してなり、前記直流電圧源の正極側からn番目の
自己消弧形スイッチング素子と(n+1)番目の自己消
弧形スイッチング素子との間から前記直流電圧源の電圧
を変換した電圧を出力する変換電圧出力端子を持つ直列
回路を3組有し、前記変換電圧出力端子を交流負荷に接
続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換
装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段
と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全て
の出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトル
に応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択
手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力
ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の
通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、
空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90
度、90度〜150度、150度〜210度、210度
〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割し
て、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場
合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクト
ルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令
ベクトルを、第1の所定角度の方向のベクトルと、第2
の所定角度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとす
る斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記
出力ベクトルを配した空間ベクトル図の内の前記電圧指
令ベクトルが存在する60度範囲を、前記単位ベクトル
を用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能
部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と
右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割
し、さらに左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目
については左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの
三角形領域に分割する手段と、前記斜交座標変換した電
圧指令ベクトルが、前記領域分割された斜交座標系ベク
トル図における升目領域もしくは三角形領域のどの領域
に存在するかを判定する手段と、前記判定結果に応じ
て、升目領域もしくは三角形領域に対応する出力ベクト
ルを選択する手段と、を備えて構成した電力変換装置の
制御装置。である。
【0052】従って、請求項7に係る発明の電力変換装
置の制御装置においては、マルチレベル変換器に対する
電圧指令ベクトルが存在する範囲番号VTHを算出し、
電圧指令ベクトルを、第1の所定角度の方向のベクトル
と、第2の所定角度の方向のベクトルの二つを単位ベク
トルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換し、出力
ベクトルを配した空間ベクトル図の内の電圧指令ベクト
ルが存在する60度範囲を、単位ベクトルを用いて斜交
座標変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升
目の左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に
出力ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに、
左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については
左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域
に分割し、斜交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分
割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしく
は三角形領域のどの領域に存在するかを判定し、その判
定結果に応じて領域に対応する出力ベクトルVnを選択
することにより、全ての出力ベクトルと電圧指令ベクト
ルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標系に
おける電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的
な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクト
ルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算
時間を短縮して、高性能化を図ることができる。
【0053】上記の目的を達成するため、請求項8に対
応する発明は、直流電圧源を少なくともn(nは3以上
の整数)個に分割した分割電圧源と、前記直流電圧源に
並列に接続され、それぞれにダイオードが逆並列に接続
された自己消弧形スイッチング素子を(2・n)個直列
に接続してなり、前記直流電圧源の正極側からn番目の
自己消弧形スイッチング素子と(n+1)番目の自己消
弧形スイッチング素子との間から前記直流電圧源の電圧
を変換した電圧を出力する変換電圧出力端子を持つ直列
回路を3組有し、前記変換電圧出力端子を交流負荷に接
続する電力変換装置の制御装置であって、前記電力変換
装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを与える手段
と、前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全て
の出力ベクトルを与える手段と、前記電圧指令ベクトル
に応じて前記出力ベクトルを選択する出力ベクトル選択
手段と、前記出力ベクトル選択手段により選択した出力
ベクトルに応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の
通電状態を制御する制御手段とを備えたものにおいて、
空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90
度、90度〜150度、150度〜210度、210度
〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割し
て、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場
合、前記出力ベクトル選択手段を、前記電圧指令ベクト
ルが存在する範囲番号を算出する手段と、前記電圧指令
ベクトルを、第1の所定角度の方向のベクトルと、第2
の所定角度の方向のベクトルの二つを単位ベクトルとす
る斜交座標系でのベクトルに座標変換する手段と、前記
出力ベクトルを配した空間ベクトル図の内の前記電圧指
令ベクトルが存在する60度範囲を、前記単位ベクトル
を用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力可能
部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と
右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割
し、さらに各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分
で二つの三角形領域に分割する手段と、前記斜交座標変
換した電圧指令ベクトルが、前記領域分割された斜交座
標系ベクトル図における三角形領域のどの領域に存在す
るかを判定する手段と、前記判定結果に応じて、三角形
領域に対応する出力ベクトルを選択する手段と、を備え
て構成した電力変換装置の制御装置である。
【0054】従って、請求項8に係る発明の電力変換装
置の制御装置においては、斜交座標変換したベクトル図
のマルチレベル変換器出力可能部分を、各升目の左上、
もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力ベクト
ルが配されるように升目に分割し、さらに、各升目を左
上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に
分割し、斜交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分割
された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のどの
領域に存在するかを判定し、その判定結果に応じて領域
に対応する出力ベクトルVnを選択することにより、全
ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差
を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベク
トルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧
指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを選択できるた
め、出力ベクトルの選択に要する演算時間を短縮して、
高性能化を図ることができる。
【0055】以上により、空間ベクトル比較によるPW
M制御を高速に実行することが可能となる。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0057】(第1の実施の形態:請求項1に対応)本
発明を適用する多重電圧形変換器の主回路構成は、前述
した図44、図45と同一であるので、ここではその説
明を省略する。
【0058】また、変換器5〜変換器8に印加される直
流電圧は、それぞれ等しいか、または等しく制御されて
いるものとする。
【0059】図1は、本実施の形態による電力変換装置
の制御装置の構成例を示すブロック図であり、前述した
図47と同一部分には同一符号を付して示している。
【0060】図1において、交流電圧指令値発生器45
は、変換器5〜8に対する交流電圧指令値(RVU1,
RVV1,RVW1)を発生する。
【0061】ここでは、規格化して考えるため、交流電
圧指令値(RVU1,RVV1,RVW1)は、各ブリ
ッジの直流入力電圧の大きさを1.0とした時の変換器
全体のU相,V相,W相出力電圧指令値とする。また、
多重数をMLTとした時、変換器全体として各相が出力
できる電圧の最大値は、MLTまたは−MLTである。
【0062】実際の装置では、有効/無効電力制御、モ
ータ制御等の制御演算の結果、変換器5〜8への電圧指
令が発生されるため、制御演算結果として過渡的に大き
い値を取ることがあり得るが、適切なリミット処理によ
って、交流電圧指令値(RVU1,RVV1,RVW
1)に対応するベクトルは、前述した図46の空間ベク
トル図の出力可能領域、すなわち一番外側の正六角形の
内側に入っているものとする。
【0063】勿論、 RVU1+RVV1+RVW1=0 である。
【0064】また、3相→2相変換器46は、交流電圧
指令値発生器45が発生した交流電圧指令値(RVU
1,RVV1,RVW1)を、
【数2】
【0065】を用いて、直交座標系の電圧指令ベクトル
(RVA1,RVB1)に変換する。
【0066】さらに、範囲番号検出器47は、空間ベク
トル図を、−30度〜+30度、30度〜90度、90
度〜150度、150度〜210度、210度〜270
度、270度〜330度の6つの範囲に分割して、各分
割範囲に0〜5の範囲番号を付した場合に、電圧指令ベ
クトルが存在する範囲の範囲番号VTHを検出する。
【0067】一方、回転座標変換器48は、範囲番号検
出器47で検出した範囲番号VTHを使って、3相→2
相変換器46で2相に変換した電圧指令ベクトル(RV
A1,RVB1)を、
【数3】
【0068】を用いて、−60deg*VTHだけ回転
し、電圧指令ベクトルを直交座標系の角度−30度〜+
30度の範囲に移す。
【0069】また、斜交座標変換器49は、回転座標変
換器48で変換した電圧指令ベクトルを含む、空間ベク
トル図の−30度〜+30度の部分を、直交座標系の−
30度方向のベクトルと、+30度方向のベクトルの二
つを単位ベクトルとした斜交座標系でのベクトル図に斜
交座標変換する。
【0070】ここで、図2乃至図6を用いて、上記斜交
座標変換器49の動作について詳しく説明する。
【0071】図2は、図46に示す空間ベクトル図を、
各出力ベクトルが選択されるような電圧指令ベクトルが
存在し得る小領域に分割した図である。
【0072】図示のように、各小領域は、出力ベクトル
を囲む正六角形になる。
【0073】図3は、図2の角度−30度〜+30度の
範囲を切り出したものである。
【0074】図4は、図3に、角度−30度の方向の補
助線および角度+30度の方向の補助線を書き加えたも
のである。
【0075】図示のように、各出力ベクトルを囲む小正
六角形は、平行四辺形と三角形に分割されている。
【0076】例えば、回転座標変換器48にて回転され
た電圧指令ベクトルが、図4におけるベクトルVAの場
合、VAは図示の平行四辺形の領域に存在しているの
で、この電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルはV
112であることがわかる。
【0077】また、回転座標変換器48にて回転された
電圧指令ベクトルがVBの場合、VBは図示の三角形の
領域に存在しているので、この電圧指令ベクトルに最も
近い出力ベクトルはV61であることがわかる。
【0078】なお、図4における−30度方向のベクト
【数4】
【0079】と、+30度方向のベクトル
【数5】
【0080】の大きさは、異なっていてもよい。
【0081】以下に述べるように、斜交座標変換した後
のベクトル図を、各升目の左上、もしくは右下、もしく
は左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升
目に分割できればよいのであるが、ここでは代表的な変
換の例として、上記のように単位ベクトルを取る。
【0082】直交座標上の点(a,b)を上記の単位ベ
クトルupとuqの線形結合で表すと、
【数6】
【0083】となるので、逆に[p q]T は、
【数7】
【0084】となる。
【0085】図5は、上記(6)式を用いて、図4を座
標変換したものである。
【0086】出力ベクトルは、白抜きの丸で示してい
る。図4における平行四辺形は正方形に、図4における
正三角形は直角三角形に、それぞれ変換されている。
【0087】ここで、実数p,qの小数点以下を切り捨
てた整数値を、それぞれvp,vqとする。
【0088】図6は、図5を正方形の升目に区切り、各
升目の中の(p,q)に対応する(vp,vq)を書き
込んだものである。
【0089】図5、図6を見比べると、例えば電圧指令
ベクトルが(vp,vq)=(1,0)の升目に存在す
る時は、出力ベクトルとして(1,1)を選択すればよ
い。
【0090】また、(vp,vq)=(2,0)の升目
に存在する時は、出力ベクトルとして(3,0)を選択
する。
【0091】さらに、(vp,vq)=(0,0)のマ
ス目に存在する時は、右下がりの直線の上にあるか、下
にあるかに応じて、(1,1)または(0,0)を選択
する。
【0092】これらの例から明らかなように、左下から
右上へと並ぶ正方形の列を、3つのグループに分けて考
える。
【0093】グループ1 列{(1,0),(2,1),(3,2),…} 列{(0,2),(1,3),(2,4),…} 等を
含むグループ このグループの各升目のvpとvqの間には、 vp=vq+1 (mod3) の関係がある。
【0094】ここで、「x=y (mod3)」は、3
の整数倍の差を除いてxとyが等しいことを示す。
【0095】このグループの升目に電圧指令ベクトルが
落ちた時は、升目の左上の座標を出力ベクトルとして選
択すればよい。
【0096】すなわち、選択すべきベクトルを(vp
x,vqx)とすると、 (vpx,vqx)=(vp,vq+1) (7) グループ2 列{(2,0),(3,1),(4,2),…} 列{(0,1),(1,2),(2,3),…} 等を
含むグループ このグループの各升目のvpとvqの間には、 vp=vq+2 (mod3) の関係がある。
【0097】このグループの升目に電圧指令ベクトルが
落ちた時は、升目の右下の座標を出力すればよい。
【0098】すなわち、 (vpx,vqx)=(vp+1,vq) (8) グループ3 列{(0,0),(1,1),(2,2),…} 列{(3,0),(4,1),(5,2),…} 等を
含むグループ このグループの各升マス目のvpとvqの間には、 vp=vq (mod3) の関係がある。
【0099】このグループの升目に電圧指令値が落ちた
時は、直線 p+q=vp+vq+1 より左下にあるか、右上にあるかで場合を分ける。
【0100】左下の場合は升目の左下、右上の場合は升
目の右上の座標を、それぞれ出力ベクトルとして選択す
ればよい。
【0101】すなわち、 p+q<vp+vq+1の場合 (vpx,vqx)=(vp,vq) (9) p+q≧vp+vq+1の場合 (vpx,vqx)=(vp+1,vq+1) (10) 一方、図1において、領域判定および斜交ベクトル選択
器50は、上記のロジックを用いて斜交座標変換器49
で変換した電圧指令ベクトルが、升目領域もしくは三角
形領域のどの領域に存在するかを判定し、斜交系での出
力ベクトル座標(vpx,vqx)を算出する。
【0102】また、ベクトル選択器51は、領域判定お
よび斜交ベクトル選択器50で算出された(vpx,v
qx)に応じて、出力ベクトルVnxを選択する。
【0103】この場合、出力ベクトルV0,V1,V6
1,V11,V12,V611,V111,V112,
V6611,V6111,V1111,V1112,V
1122の内の一つが選択される。
【0104】さらに、ベクトル回転器52は、ベクトル
選択器51で得られた出力ベクトルVnxを60deg
*VTHだけ回転することで、3相→2相変換器46で
算出された電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルV
nを算出する。
【0105】例えば、3相→2相変換器46が算出した
元の電圧指令ベクトルが、図2においてVTH=1の範
囲にあり、ベクトル選択器51にてベクトルV1112
が選択された場合には、ベクトル回転器52によって6
0degだけ回転することで、ベクトルV2223が得
られる。
【0106】一方、ベクトル→点弧信号変換器68は、
ベクトル回転器52で算出された出力ベクトルVnに対
応する点弧信号を算出する。例えば、ベクトルV222
3に対しては、4つのブリッジの内3つのブリッジに対
してU,V,Z相、1つのブリッジに対してX,V,Z
相を点弧する信号を発生する。
【0107】また、ゲート信号発生回路54は、ベクト
ル→点弧信号変換器68で発生した点弧信号に基づい
て、図44、図45の変換器5〜8で構成される多重電
圧形変換器55の自己消弧形スイッチング素子の点弧パ
ルスを発生する。
【0108】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置の制御装置では、電圧指令ベクトルが斜交座標系の
どの領域に存在するかを簡単な計算で求めて、その計算
値から出力ベクトルを算出するようにしているので、全
ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差
を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベク
トルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧
指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを高速に選択する
ことが可能となる。
【0109】これにより、空間ベクトル比較によるPW
M制御を高速に実行することができ、引いては電力変換
装置の応答性能の向上、波形の改善を図ることができ
る。
【0110】(第1の実施の形態の変形例)図7は、前
記第1の実施の形態による電力変換装置の制御装置の変
形例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一
符号を付して示している。
【0111】図7において、交流電圧指令値発生器45
は、交流電圧指令値(RVU1,RVV1,RVW1)
を発生する。
【0112】また、範囲番号検出器56は、交流電圧指
令値(RVU1,RVV1,RVW1)から、図2の空
間ベクトル図の60度毎に区分した範囲の範囲番号VT
Hを検出する。
【0113】この場合、範囲番号VTHを検出するに
は、例えば下記のような論理を用いる。
【0114】
【数8】
【0115】一方、回転座標変換器57は、下記のよう
な式を用いて、交流電圧指令値発生器45が発生した交
流電圧指令値(RVU1,RVV1,RVW1)を、範
囲番号検出器56で検出された範囲番号VTHに応じ
て、−60deg*VTHだけ回転させた電圧指令ベク
トル(RVUX,RVVX,RVWX)を算出する。
【0116】
【数9】
【0117】また、斜交座標変換器58は、
【数10】
【0118】を用いて、回転座標変換器57で変換され
た電圧指令ベクトル(RVUX,RVVX,RVWX)
を、空間ベクトル図の−30度方向のベクトルと+30
度方向のベクトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標
系でのベクトル(p,q)に変換する。
【0119】以下、前記図1の第1の実施の形態で説明
した場合と同様に、領域判定および斜交ベクトル選択器
50が、斜交座標系電圧指令ベクトル(p,q)が存在
する領域を判定し、斜交系での出力ベクトル座標(vp
x,vqx)を算出する。
【0120】さらに、斜交座標変換器59は、
【数11】
【0121】を用いて、領域判定および斜交ベクトル選
択器50で算出された斜交系での出力ベクトル座標(v
px,vqx)から、−60deg*VTHだけ回転さ
せた座標系におけるU相素子/V相素子/W相素子点弧
ブリッジ仮個数(vvux,vvvx,vvwx)を算
出する。
【0122】例えば、4多重でVTH=0,vvux=
3の場合、3個のブリッジで素子Uを点弧し、4−3=
1個のブリッジで素子Xを点弧する。vvvx=0の場
合、4個のブリッジで素子Yを点弧する。vvwxも同
様である。
【0123】一方、回転座標変換器60は、下記のよう
な式を用いて、上記の素子点弧ブリッジ仮個数(vvu
x,vvvx,vvwx)を、範囲番号検出器56で検
出された範囲番号VTHに応じて、+60deg*VT
Hだけ回転させ、実際の素子点弧ブリッジ個数(vv
u,vvv,vvw)を算出する。
【0124】
【数12】
【0125】以下、前記図1の第1の実施の形態で説明
した場合と同様に、ゲート信号発生回路54は、素子点
弧ブリッジ個数(vvu,vvv,vvw)に基づい
て、図44、図45の変換器5〜8で構成される多重電
圧形変換器55の自己消弧形スイッチング素子の点弧パ
ルスを発生する。
【0126】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置の制御装置では、前記図1の第1の実施の形態の場
合に比べて、座標計算がより一層簡単になっているた
め、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルをより一
層高速に選択することが可能となる。
【0127】これにより、空間ベクトル比較によるPW
M制御をより一層高速に実行することができ、引いては
より一層電力変換装置の応答性能の向上、波形の改善を
図ることができる。
【0128】(第2の実施の形態:請求項2に対応)図
8は、本実施の形態による電力変換装置の制御装置の構
成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一
符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分に
ついてのみ述べる。
【0129】図8において、領域判定および斜交ベクト
ル選択器61は、前記斜交座標変換器49で算出された
斜交系での電圧指令ベクトル(p,q)に応じて、電圧
指令ベクトルに最も近い出力ベクトルに対応する斜交系
での出力ベクトル座標(vpx,vqx)を算出する
が、前記図1の第1の実施の形態で説明した領域判定お
よび斜交ベクトル選択器50と、若干動作が異なる。
【0130】以下、図9を用いて領域判定および斜交ベ
クトル選択器61の動作について説明する。
【0131】図9は、図5の各升目を、左上の頂点と右
下の頂点を結ぶ線分で三角形に分割し、(vp,vq,
vr)を記入した図である。
【0132】ここで、vrは、p+q−vp−vqの小
数点以下を切り捨てた値であり、升目の左下側の三角形
ではvr=0、升目の右上側の三角形ではvr=1であ
る。
【0133】図9において、電圧指令ベクトル(p,
q)がどの三角形領域にあるかによって、選択すべき出
力ベクトルは自動的に決まる。
【0134】例えば、(p,q)=(5.5,1.2)
の場合には、(vp,vq,vr)=(5,1,0)で
あり、選択すべき出力ベクトルは、(vpx,vqx)
=(5,2)である。
【0135】図9の三角形は、vp+vq+vrが一定
値のグループに分割できる。
【0136】例えば、(0,1,0),(0,0,
1),(1,0,0)の並びはvp+vq+vr=1、
(0,2,0)(0,1,1),(1,1,0),
(1,0,1),(2,0,0)の並びはvp+vq+
vr=2、(0,3,0),(0,2,1),…,
(3,0,0)の並びはvp+vq+vr=3である。
【0137】このvp+vq+vrが、同じ値のグルー
プの中の連続して並ぶ三角形の高々3個は、選択される
出力ベクトル(vpx,vqx)が同じである。
【0138】例えば、vp+vq+vr=3のグループ
内では、(3,0,0),および(2,0,1)の領域
では、vp−vq>=2であり、(vpx,vqx)=
(3,0)が選択され、(2,1,0),(1,1,
1),および(1,2,0)の領域では、−1<=vp
−vq<=1であり、(vpx,vqx)=(2,2)
が選択される。
【0139】また、(0,2,1),(0,3,0)の
領域では、vp−vq<=−2であり、(vpx,vq
x)=(0,3)が選択される。
【0140】さらに、他のvp+vq+vr=cons
t.の並びについても、同様にして(vpx,vqx)
を算出できる。
【0141】領域判定および斜交ベクトル選択器61
は、以上のようにして斜交系での電圧指令ベクトル
(p,q)から、出力ベクトル(vpx,vqx)を算
出する。
【0142】なお、領域判定および斜交ベクトル選択器
61以外の本実施形態の動作は、前記図1の第1の実施
の形態で説明した場合と同様である。
【0143】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置の制御装置でも、全ての出力ベクトルと電圧指令ベ
クトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標
系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付
加的な計算のみで、同様に電圧指令ベクトルに最も近い
出力ベクトルを高速に選択することが可能となる。
【0144】これにより、空間ベクトル比較によるPW
M制御を高速に実行することができ、引いては電力変換
装置の応答性能の向上、波形の改善を図ることができ
る。
【0145】また、図7の場合と同様に、座標変換をよ
り一層簡単に実行する実施の形態も有り得ることは同様
である。
【0146】(第3の実施の形態)図10は、本実施の
形態による電力変換装置の制御装置の構成例を示すブロ
ック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してそ
の説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べ
る。
【0147】前記図9では、斜交座標系に変換したベク
トル図を三角形に分割して、電圧指令ベクトルがどの三
角形に属するかで出力ベクトルを選択できるが、図11
および図12では、(vp,vq,vr)に対応する出
力ベクトル(vpx,vqx)を、ベクトル選択テーブ
ルの形にまとめたものである。
【0148】図10において、領域判定および斜交ベク
トル選択器62は、前記斜交座標変換器49で算出され
た斜交系での電圧指令ベクトル(p,q)から(vp,
vq,vr)を算出し、図11および図12のベクトル
選択テーブルを用いて、斜交座標系での出力ベクトル
(vpx,vqx)を算出する。
【0149】なお、領域判定および斜交ベクトル選択器
62以外の本実施形態の動作は、前記図1の第1の実施
の形態で説明した場合と同様である。
【0150】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置の制御装置でも、全ての出力ベクトルと電圧指令ベ
クトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標
系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付
加的な計算のみで、同様に電圧指令ベクトルに最も近い
出力ベクトルを高速に選択することが可能となる。
【0151】これにより、空間ベクトル比較によるPW
M制御を高速に実行することができ、引いては電力変換
装置の応答性能の向上、波形の改善を図ることができ
る。
【0152】(第3の実施の形態の変形例)図13は、
前記第3の実施の形態による電力変換装置の制御装置の
変形例を示すブロック図であり、図1および図7と同一
部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは
異なる部分についてのみ述べる。
【0153】図14〜図17のベクトル選択テーブル
は、前述した(14)式,(15)式に従って、(vp
x,vqx)に対応する(vvux,vvvx,vvw
x)を計算し、図11および図12のベクトル選択テー
ブルに書き加えたものである。
【0154】図13において、領域判定および3相ベク
トル選択器63は、前記斜交座標変換器58で変換され
た電圧指令ベクトル(p,q)から(vp,vq,v
r)を算出し、図14〜図17のベクトル選択テーブル
を用いて、直接(vvux,vvvx,vvwx)を求
める。
【0155】なお、領域判定および斜交ベクトル選択器
63以外の本実施形態の動作は、前記図7の実施の形態
で説明した場合と同様である。
【0156】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置の制御装置でも、全ての出力ベクトルと電圧指令ベ
クトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標
系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付
加的な計算のみで、同様に電圧指令ベクトルに最も近い
出力ベクトルを高速に選択することが可能となる。
【0157】これにより、空間ベクトル比較によるPW
M制御を高速に実行することができ、引いては電力変換
装置の応答性能の向上、波形の改善を図ることができ
る。
【0158】(第4の実施の形態:請求項3に対応)図
18は、本実施の形態による電力変換装置の制御装置の
構成例を示すブロック図であり、図1および図7と同一
部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは
異なる部分についてのみ述べる。
【0159】図18において、斜交座標変換器64は、
範囲番号検出器56で算出された範囲番号VTHに対し
て、交流電圧指令値発生器45が発生する交流電圧指令
値(RVU1,RVV1,RVW1)を含む、空間ベク
トル図の範囲番号VTHの60度範囲を、角度(VTH
−0.5)*60degの方向のベクトルと、角度(V
TH+0.5)*60degの方向のベクトルを単位ベ
クトルとする斜交座標系に変換する。
【0160】以下、図19および図20の例を用いて、
斜交座標変換器64の動作について説明する。
【0161】いま、電圧指令ベクトルが、範囲番号VT
H=1の範囲にある場合を考える。図19は、前記図2
の空間ベクトル図の範囲番号VTH=1の部分を切り出
し、補助線を書き加えたものである。
【0162】図19の30度方向のベクトル
【数13】
【0163】と、90度方向のベクトル
【数14】
【0164】を単位ベクトルとする斜交座標系を考え
る。
【0165】
【数15】
【0166】となるので、逆に[p q]T は、
【数16】
【0167】となる。
【0168】前述した(1)式、(20)式より、交流
電圧指令値(RVU1,RVV1,RVW1)を斜交座
標系の点(p,q)に変換する式は、
【数17】
【0169】となる。
【0170】実際に、図19を斜交変換すると、図20
に示すようになる。図20は、ベクトル番号V2,V1
2,V22,…を除けば、前記図5と全く同様のもので
ある。
【0171】なお、ここでは、VTH=1の例を用いて
説明したが、他のVTHの場合も含めた斜交座標変換器
64の動作は、下記のような論理で表わされる。
【0172】
【数18】
【0173】いずれのVTHの場合にも、空間ベクトル
図の範囲番号VTHの部分を斜交座標変換した図は、ベ
クトル番号を除いて前記図5と全く同様になる。
【0174】以下、前記図1の第1の実施の形態におけ
る領域判定および斜交ベクトル選択器50で説明した場
合と全く同様の動作により、斜交座標系での電圧指令ベ
クトル(p,q)が存在する升目領域または三角形領域
を判定することができ、斜交座標系での出力ベクトル座
標(vpx,vqx)を算出することができる。
【0175】図18の領域判定および斜交ベクトル選択
器50は、上記の動作を実行して、(vpx,vqx)
を算出する。
【0176】また、ベクトル選択器65は、(vpx,
vqx)と範囲番号VTHに応じて、ベクトル番号Vn
を選択する。
【0177】例えば、範囲番号がVTH=1の場合に
は、ベクトル選択器65は、ベクトルV2,V12,V
22,V23,V122,V222,V223,V11
22,V1222,V2222,V2223,V223
3の中から、(vpx,vqx)に対応するベクトル番
号を選択する。
【0178】ベクトル→3相変換器53は、前記図1の
第1の実施の形態におけるベクトル→3相変換器53と
同様のものであり、ベクトル番号Vnから3相素子点弧
ブリッジ個数(vvu,vvv,vvw)を算出する。
【0179】このベクトル→3相変換器53から出力さ
れる3相素子点弧ブリッジ個数(vvu,vvv,vv
w)を、ゲート信号発生回路54に与えて、多重電圧形
変換器55の自己消弧形スイッチング素子への点弧信号
を発生する。
【0180】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置の制御装置でも、全ての出力ベクトルと電圧指令ベ
クトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標
系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付
加的な計算のみで、同様に電圧指令ベクトルに最も近い
出力ベクトルを高速に選択することが可能となる。
【0181】これにより、空間ベクトル比較によるPW
M制御を高速に実行することができ、引いては電力変換
装置の応答性能の向上、波形の改善を図ることができ
る。
【0182】(第4の実施の形態の変形例)図21は、
前記第4の実施の形態による電力変換装置の制御装置の
変形例を示すブロック図であり、図18と同一部分には
同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部
分についてのみ述べる。
【0183】図21において、斜交座標変換器66は、
斜交座標系における出力ベクトル座標(vpx,vq
x)を、範囲番号VTHに応じて3相素子点弧ブリッジ
個数(vvu,vvv,vvw)に変換する。実際に
は、下記のような論理演算を実行する。
【0184】
【数19】
【0185】この斜交座標変換器66から出力される3
相素子点弧ブリッジ個数(vvu,vvv,vvw)
を、ゲート信号発生回路54に与えて、多重電圧形変換
器55の自己消弧形スイッチング素子への点弧信号を発
生する。
【0186】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置の制御装置でも、全ての出力ベクトルと電圧指令ベ
クトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標
系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付
加的な計算のみで、同様に電圧指令ベクトルに最も近い
出力ベクトルを高速に選択することが可能となる。
【0187】これにより、空間ベクトル比較によるPW
M制御を高速に実行することができ、引いては電力変換
装置の応答性能の向上、波形の改善を図ることができ
る。
【0188】(第5の実施の形態:請求項4に対応)図
22は、本実施の形態による電力変換装置の制御装置の
構成例を示すブロック図であり、図18と同一部分には
同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部
分についてのみ述べる。
【0189】本実施の形態では、図22に示すように、
空間ベクトル図の範囲番号VTHの部分を、前記図18
の第4の実施の形態で説明した場合と同様に、角度60
deg*(VTH−0.5)のベクトルと角度60de
g*(VTH+0.5)のベクトルを単位ベクトルとし
て、斜交座標変換した図の全ての升目を三角形に分割し
た図を用いる。これは、ベクトル番号を除けば、前記図
9の場合と全く同様になる。
【0190】すなわち、図8の前記第2の実施の形態に
おける領域判定および斜交ベクトル選択器61の場合と
全く同様の動作により、斜交座標系での電圧指令ベクト
ル座標(p,q)から(vp,vq,vr)を算出し
て、どの三角形領域に電圧指令ベクトルが存在するかを
判定し、出力ベクトルの斜交系座標(vpx,vqx)
を算出する。
【0191】以下、ベクトル選択器65にて、(vp
x,vqx)と範囲番号VTHに対応するベクトルVn
を選択し、ベクトル→3相座標変換器53にて、3相素
子点弧ブリッジ個数(vvu,vvv,vvw)を算出
するのは、前記図18の第4の実施の形態で説明した場
合と同様である。
【0192】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置の制御装置でも、全ての出力ベクトルと電圧指令ベ
クトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標
系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付
加的な計算のみで、同様に電圧指令ベクトルに最も近い
出力ベクトルを高速に選択することが可能となる。
【0193】これにより、空間ベクトル比較によるPW
M制御を高速に実行することができ、引いては電力変換
装置の応答性能の向上、波形の改善を図ることができ
る。
【0194】(第6の実施の形態)図23は、本実施の
形態による電力変換装置の制御装置の構成例を示すブロ
ック図であり、図18と同一部分には同一符号を付して
その説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述
べる。
【0195】図23において、領域判定および斜交ベク
トル選択器62は、前記図10の第3の実施の形態にお
ける領域判定および斜交ベクトル判定器62の場合と同
様に、斜交座標系に変換し三角形領域に分割したベクト
ル図において、斜交座標系での電圧指令ベクトル座標
(p,q)から(vp,vq,vr)を算出し、前記図
11および図12のベクトル選択テーブルを用いて、出
力ベクトルの斜交系座標(vpx,vqx)を算出す
る。
【0196】また、斜交座標変換器66は、図21の実
施の形態における斜交座標変換器66と同様に、(vp
x,vqx)と範囲番号VTHとから、3相素子点弧ブ
リッジ個数(vvu,vvv,vvw)を算出する。
【0197】この斜交座標変換器66から出力される3
相素子点弧ブリッジ個数(vvu,vvv,vvw)
を、ゲート信号発生回路54に与えて、多重電圧形変換
器55の自己消弧形スイッチング素子への点弧信号を発
生する。
【0198】前述したように、本実施の形態の電力変換
装置の制御装置でも、全ての出力ベクトルと電圧指令ベ
クトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標
系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付
加的な計算のみで、同様に電圧指令ベクトルに最も近い
出力ベクトルを高速に選択することが可能となる。
【0199】これにより、空間ベクトル比較によるPW
M制御を高速に実行することができ、引いては電力変換
装置の応答性能の向上、波形の改善を図ることができ
る。
【0200】(第6の実施の形態の変形例)図24は、
前記第6の実施の形態による電力変換装置の制御装置の
変形例を示すブロック図であり、図18と同一部分には
同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部
分についてのみ述べる。
【0201】図24において、領域判定および3相ベク
トル選択器67は、斜交座標系における電圧指令ベクト
ル(p,q)と範囲番号VTHとから、出力ベクトルの
3相素子点弧ブリッジ個数(vvu,vvv,vvw)
を算出する。
【0202】以下、図11、図12および図25を用い
て、領域判定および3相ベクトル選択器67の動作につ
いて説明する。
【0203】図11、図12は、(vp,vq,vr)
に対応する(vpx,vqx)を記入したベクトル選択
テーブルであったが、さらに前述した(23)式を用い
て、範囲番号VTHに応じて(vpx,vqx)を座標
変換して得られる(vvu,vvv,vvw)を記入し
たベクトル選択テーブルも作成することができる。
【0204】図25は、そのベクトル選択テーブルの始
めの部分を示す図である。
【0205】本ベクトル選択テーブルを用いることによ
り、(vp,vq,vr)および範囲番号VTHから、
直ちに電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルの3相
素子点弧ブリッジ個数を求めることができ、より一層高
速に出力ベクトルを選択することができる。
【0206】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置の制御装置では、(vp,vq,vr)および範囲
番号VTHから、直ちに電圧指令ベクトルに最も近い出
力ベクトルの3相座標を求められるため、電圧指令ベク
トルに最も近い出力ベクトルをより一層高速に選択する
ことが可能となる。
【0207】これにより、空間ベクトル比較によるPW
M制御をより一層高速に実行することができ、引いては
より一層電力変換装置の応答性能の向上、波形の改善を
図ることができる。
【0208】(第7の実施の形態:請求項5に対応)前
記各実施の形態では、4多重電圧形変換器の場合のベク
トル選択アルゴリズムについて本発明を適用する場合に
ついて説明したが、以下に述べるマルチレベル変換器で
の選択アルゴリズムについても、本発明を同様に適用す
ることが可能であることは言うまでもない。マルチレベ
ル変換器は、直流電圧源を少なくともn(nは3以上の
整数)個に分割した分割電圧源と、前記直流電圧源に並
列に接続され、それぞれにダイオードが逆並列に接続さ
れた自己消弧形スイッチング素子を(2・n)個直列に
接続してなり、前記直流電圧源の正極側からn番目の自
己消弧形スイッチング素子と(n+1)番目の自己消弧
形スイッチング素子との間から前記直流電圧源の電圧を
変換した電圧を出力する変換電圧出力端子を持つ直列回
路を3組有し、前記変換電圧出力端子を交流負荷に接続
するものである。
【0209】これは例えば図26に示すマルチレベル変
換器の一例である5レベルインバータを指している。以
下5レベルインバータの主回路について説明する。図中
P,Nは直流入力端子、u,v,wは交流出力端子、C
1〜C4はコンデンサ、U1〜U4,V1〜V4,W1
〜W4,X1〜X4,Y1〜Y4,Z1〜Z4はスイッ
チング素子例えばIGBT、D40〜D47,D50〜
D57,D60〜D67,D70〜D75,D80〜D
85,D90〜D95はダイオードである。
【0210】図27は、u,v,またはw相アームの素
子のスイッチ状態(厳密には点弧信号状態)とアーム出
力の関係を示している。いま、直流端子側の2番目と3
番目のコンデンサC2,C3の間の点の電位を0とし、
各コンデンサC1〜C4の電圧をEとすると、SxにE
を乗じたものが相出力電圧になる。この場合、インバー
タ全体の出力電圧は、(Su,Sv,Sw)で表わすこ
とができる。
【0211】図28は、図26の5レベルインバータの
空間ベクトルを示すもので、この場合も4多重の正六角
形になるという点は、前述の実施形態と同様であるが、
ベクトル実現方法の“バラエティ”という点では異な
る。例えば、図2のベクトルV1122を実現するため
には、多重インバータの4つのブリッジのうち、2つの
ブリッジにV1、残り2つのブリッジにV2のベクトル
を割り当てればよいので、組み合わせとして6通りあ
る。
【0212】一方、図28の5レベルインバータにおい
て、図2のV1122に対応するベクトルを実現するに
は、(Su,Sv,Sw)=(2,0,−2)の1通り
しかない。
【0213】図29にマルチレベル変換器の制御装置の
構成例を示す。これは、多重電圧形変換器に対する図1
の実施形態をマルチレベル変換器に適用したものであ
る。図29において、図1と同じ部分には同一符号を付
してその説明は省略する。交流電圧指令値発生器45に
よって、交流電圧指令(RVU1,RVV1,RVW
1)が発生された後、順次演算が進み、ベクトル回転器
52がべクトルVnを出力するところまでは図1と同じ
である。
【0214】図29においては、べクトル→点弧信号変
換器68が選択ベクトルVnに応じて、マルチレベル変
換器70が取るべき点弧状態信号(SSu,SSv,S
Sw)を出力する。例えば、ベクトルV611に対して
は、(2,−2,−1)を出力する。また、べクトルV
611が選択された場合、(2,−1,0)を出力す
る。変換器としては、べクトルV611に対応する点弧
状態は(2,−1,0)と(1,−2,−1)の二つが
有り得るが、べクトル→点弧信号変換器68は代表的な
点弧状態を一つのみ出力する。
【0215】他のべクトルの場合も同様である。中性点
電位変動抑制やスイッチング回数の低減等を考慮して複
数の点弧状態の中から実際の点弧状態を選択するのは、
後述するゲート信号発生回路69が実行する。ゲート信
号発生回路69は点弧状態信号(SSu,SSv,SS
w)に応じてゲート信号を発生し、図26に示すマルチ
レベル変換器70の自己消弧型スイッチング素子の点弧
パルスを発生する。
【0216】以上述べた第7の実施形態によれば、マル
チレベル変換器に対する電圧指令ベクトルが存在する範
囲番号VTHを算出し、電圧指令ベクトルを所定角度回
転させ、回転させた電圧指令ベクトルを、直交座標系の
−30度方向のベクトルと、+30度方向のベクトルの
二つを単位ベクトルとした斜交座標系でのベクトルに座
標変換し、出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−3
0度〜+30度の範囲を単位ベクトルを用いて斜交座標
変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の
左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力
ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに、左下
と右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については左上
の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分
割し、斜交座標変換した電圧指令ベクトルが領域分割さ
れた斜交座標系ベクトル図における升目領域もしくは三
角形領域のどの領域に存在するかを判定し、その判定結
果に応じて領域に対応する出力ベクトルVnxを選択
し、出力ベクトルVnxを所定角度回転させた出力ベク
トルVnを算出することにより、全ての出力ベクトルと
電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算することな
く、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標値の計
算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最
も近い出力ベクトルを選択できるため、出力ベクトルの
選択に要する演算時間を短縮して、高性能化を図ること
ができる。
【0217】(第7の実施の形態の変形例)図30は前
記第7の実施の形態によるマルチレベル変換器の制御装
置の変形例を示すブロック図であり、図29と同一部分
には同一符号を付して示している。これは、多重電圧形
変換器に対する実施形態の図7に対応するものである。
【0218】本実施形態においても、交流電圧指令値
(RVU1,RVV1,RVW1)に対し、(11)式
を用いて範囲番号VTHが検出され、(12)式を用い
て交流電圧指令値(RVU1,RVV1,RVW1)が
(RVUX,RVVX,RVWX)に回転座標変換さ
れ、(13)式を用いて電圧指令べクトル(RVUX,
RVVX,RVWX)が(p,q)に斜交座標変換さ
れ、領域判定及び斜交べクトル選択器50によって斜交
系での出力ベクトル座標(vpx,vqx)が算出され
るのは、図7で示した実施形態と同様である。
【0219】図30において、斜交座標変換器71は、
【数20】
【0220】を用いて、斜交系での出力べクトル座標
(vpx,vqx)から、−60deg*VTHだけ回
転させた座標系における仮点弧状態信号(SSux,S
Svx,SSwx)を算出する。
【0221】一方、回転座標変換器72は、下記のよう
な式を用いて、上記の仮点弧状態信号(SSux,SS
vx,SSwx)を、範囲番号検出器56で検出された
範囲番号VTHに応じて、+60deg*VTHだけ回
転させ、点弧状態信号(SSu,SSv,SSw)を算
出する。
【0222】
【数21】
【0223】以下、前記図29の実施の形態で説明した
場合と同様に、ゲート信号発生回路69は、点弧状態信
号(SSu,SSv,SSw)に基づいて、図26に示
すマルチレベル変換器70の自己消弧型スイッチング素
子の点弧パルスを発生する。上述したように、本実施の
形態の電力変換装置の制御装置では、電圧指令ベクトル
が斜交座標系のどの領域に存在するかを簡単な計算で求
めて、その計算値から出力べクトルを算出するようにし
ているので、全ての出力ベクトルとで電圧指令ベクトル
との偏差を計算することなく、斜交座標系における電圧
指令べクトルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみ
で、電圧指令ベクトルに最も近い出力べクトルを高速に
選択することが可能となる。
【0224】(第8の実施の形態:請求項6に対応)図
31及び図32は、多重電圧形変換器に対して図8及び
図10で示した実施形態をマルチレベル変換器に適用し
たものである。図31及び図32においては、ベクトル
回転器52から出力されたべクトルVnから、ベクトル
→点弧信号変換器68によって、点弧状態信号(SS
u,SSv,SSw)が出力され、ゲート信号発生回路
69では、点弧状態信号(SSu,SSv,SSw)に
基づいて、マルチレベル変換器70の自己消弧型スイッ
チング素子の点弧パルスが発生される。
【0225】図33は、多重電圧形変換器に対して図1
3で示した実施形態をマルチレベル変換器に適用したも
のである。図34〜図37のベクトル選択テーブルは、
前述した式(24)式に従って、(vpx,vqx)に
対応する仮点弧状態(SSux,SSvx,SSwx)
を訃算し、図11及び図12のベクトル選択テーブルに
書き加えたものである。
【0226】図33において、領域判定及び3相ベクト
ル選択器73は、斜交座標変換器58で変換された電圧
指令べクトル(p,q)から(vp,vq,vr)を算
出し、図34〜図37のベクトル選択テーブルを用い
て、直接(SSux,SSvx,SSwx)を求める。
以下、回転座標変換器72によって、範囲番号VTHに
応じて仮点弧状態信号(SSux,SSvx,SSw
x)から点弧状態信号(SSu,SSv.SSw)が算
出され、ゲート信号発生回路69にてゲート信号が発生
されるのは、図30の実施の形態で説明した場合と同様
である。
【0227】以上述べた第8の実施形態によれば、斜交
座標変換したベクトル図のマルチレベル変換器出力可能
部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下と
右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分割
し、さらに、各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線
分で二つの三角形領域に分割し、斜交座標変換した電圧
指令ベクトルが領域分割された斜交座標系ベクトル図に
おける三角形領域のどの領域に存在するかを判定し、そ
の判定結果に応じて領域に対応する出力ベクトルVnを
選択することにより、全ての出力ベクトルと電圧指令ベ
クトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座標
系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付
加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベ
クトルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要する
演算時間を短縮して、高性能化を図ることができる。以
上により、空間ベクトル比較によるPWM制御を高速に
実行することが可能となる。
【0228】(第9の実施の形態:請求項7に対応)図
39は、多重電圧形変換器に対して図18で示した実施
形態をマルチレベル変換器70に適用したものである。
図39においては、べクトル選択器65で選択されたベ
クトルVnから、ベクトル→点弧信号変換器68によっ
て、点弧状態信号(SSu,SSv,SSw)が出力さ
れ、ゲート信号発生回路69では、点弧状態信号(SS
u,SSv,SSw)に基づいて、マルチレベル変換器
70の自己消弧型スイッチング素子の点弧パルスが発生
される。
【0229】以上述べた第9の実施形態によれば、マル
チレベル変換器に対する電圧指令ベクトルが存在する範
囲番号VTHを算出し、電圧指令ベクトルを、第1の所
定角度の方向のベクトルと、第2の所定角度の方向のベ
クトルの二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベク
トルに座標変換し、出力ベクトルを配した空間ベクトル
図の内の電圧指令ベクトルが存在する60度範囲を、単
位ベクトルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換
器出力可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もし
くは左下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように
升目に分割し、さらに、左下と右上の両方に出力ベクト
ルを持つ升目については左上の頂点と右下の頂点を結ぶ
線分で二つの三角形領域に分割し、斜交座標変換した電
圧指令ベクトルが領域分割された斜交座標系ベクトル図
における升目領域もしくは三角形領域のどの領域に存在
するかを判定し、その判定結果に応じて領域に対応する
出力ベクトルVnを選択することにより、全ての出力ベ
クトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差を計算する
ことなく、斜交座標系における電圧指令ベクトルの座標
値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧指令ベクト
ルに最も近い出力ベクトルを選択できるため、出力ベク
トルの選択に要する演算時間を短縮して、高性能化を図
ることができる。
【0230】(第9の実施の形態の変形例)図40は、
前記第9の実施の形態によるマルチレベル変換器の制御
装置の変形例を示すブロック図であり、多重電圧形変換
器に対して図21で示した実施形態をマルチレベル変換
器に適用したものである。図40において、斜交座標変
換器74は、斜交座標系における出力ベクトル座標(v
px,vqx)を、範囲番号VTHに応じて点弧状態信
号(SSu,SSv.SSw)に変換する。実際には、
下記のような(26)式に示す論理演算を実行する。
【0231】
【数22】
【0232】この斜交座標変換器74から出力される点
弧状態信号(SSu,SSv,SSw)を、ゲート信号
発生回路69に与えて、マルチレベル変換器70の自己
消弧型スイッチング素子への点弧信号を発生する。
【0233】本実施形態においても、斜交座標系におけ
る電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の付加的な計
算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを
選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間
を短縮して、高性能化を図ることができるのは、同様で
ある。
【0234】(第10の実施の形態:請求項8に対応)
図41は、多重電圧形変換器に対して図22で示した実
施形態をマルチレベル変換器に適用したものである。図
41において、ベクトル選択器65で選択されたベクト
ルVnに応じて、ベクトル→点弧信号変換器68は、点
弧状態信号(SSu,SSv,SSw)を算出する。そ
の点弧状態信号(SSu,SSv,SSw)を、ゲート
信号発生回路69に与えて、マルチレベル変換器70の
自己消弧型スイッチング素子への点弧信号を発生する。
【0235】以上述べた第10の実施形態によれば、斜
交座標変換したベクトル図のマルチレベル変換器出力可
能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左下
と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に分
割し、さらに、各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ
線分で二つの三角形領域に分割し、斜交座標変換した電
圧指令ベクトルが領域分割された斜交座標系ベクトル図
における三角形領域のどの領域に存在するかを判定し、
その判定結果に応じて領域に対応する出力ベクトルVn
を選択することにより、全ての出力ベクトルと電圧指令
ベクトルとのベクトル偏差を計算することなく、斜交座
標系における電圧指令ベクトルの座標値の計算と若干の
付加的な計算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力
ベクトルを選択できるため、出力ベクトルの選択に要す
る演算時間を短縮して、高性能化を図ることができる。
【0236】(第11の実施の形態)図42は、多重電
圧形変換器に対して図23で示した実施形態をマルチレ
ベル変換器に適用したものである。図42において、領
域判定及び斜交ベクトル選択器62は、前記図10の領
域判定及び斜交ベクトル選択器の場合と同様に、斜交座
標系に変換し、三角形領域に分割したべクトル図におい
て、斜交座標系での電圧指令べクトル座標(p,q)か
ら(vp,vq,vr)を算出し、前記図11及び図1
2のベクトル選択テーブルを用いて出力べクトルの斜交
系座標(vpx,vqx)を算出する。
【0237】また、斜交座標変換器74は、図40の実
施の形態における斜交座標変換器74と同様に、(vp
x,vqx)と範囲番号VTHから、点弧状態信号(S
Su,SSv,SSw)を算出する。この点弧状態信号
(SSu,SSv,SSw)を、ゲート信号発生回路6
9に与えて、マルチレベル変換器70の自己消弧型スイ
ッチング素子への点弧信号を発生する。
【0238】(第11の実施の形態の変形例)図43
は、多重電圧形変換器に対して図24で示した実施例を
マルチレベル変換器に適用したものである。図43にお
いて、領域判定及び3相ベクトル選択器75は、斜交座
標系における電圧指令べクトル(p,q)と範囲番号V
THから、出力べクトルの点弧状態信号(SSu,SS
v,SSw)を算出する。
【0239】図11、図12は(vp、vq、vr)に
対応する(vpx、vqx)を記入したベクトル選択テ
ーブルであったが、さらに前述した(26)式を用い
て、範囲番号VTHに応じて(vpx,vqx)を座標
変換して得られる(SSu,SSv,SSw)を記入し
たテ一ブルも作成することができる。
【0240】図38は、そのベクトル選択テーブルの始
めの部分を示す図である。本ベクトル選択テーブルを用
いることにより、(vp,vq,vr)およぴ範囲番号
VTHから、直ちに電圧指令ベクトルに最も近い出力べ
クトルの点弧状態信号を求めることができる。
【0241】本実施形態においても、斜交座標系におけ
る電圧指令ベクトルの座標値の計算ど若干の付加的な計
算のみで、電圧指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを
選択できるため、出力ベクトルの選択に要する演算時間
を短縮して、高性能化を図ることができるのは、同様で
ある。以上により、空間ベクトル比較によるPWM制御
を高速に実行することが可能となる。
【0242】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、全
ての出力ベクトルと電圧指令ベクトルとのベクトル偏差
を計算することなく、斜交座標系における電圧指令ベク
トルの座標値の計算と若干の付加的な計算のみで、電圧
指令ベクトルに最も近い出力ベクトルを高速に選択し
て、空間ベクトル比較によるPWM制御を高速に実行す
ることが可能な高性能の電力変換装置の制御装置が提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電力変換装置の制御装置の第1の
実施の形態を示すブロック図。
【図2】図25の空間ベクトル図を、各出力ベクトルが
選択されるような電圧指令ベクトルが存在し得る小領域
に分割した状態を示す図。
【図3】図2の空間ベクトル図の角度−30〜+30度
の範囲を切りだした状態を示す図。
【図4】図3に補助線を書き加えた状態を示す図。
【図5】図4の空間ベクトル図を斜交座標変換した状態
を示す図。
【図6】図5を正方形の升目に区切り、各升目の中の
(p,q)に対応する(vp,vq)を書き込んだ状態
を示す図。
【図7】本発明による電力変換装置の制御装置の第1の
実施の形態の他の実施の形態を示すブロック図。
【図8】本発明による電力変換装置の制御装置の第2の
実施の形態を示すブロック図。
【図9】同第2の実施の形態の電力変換装置の制御装置
における動作を説明するための図。
【図10】本発明による電力変換装置の制御装置の第3
の実施の形態を示すブロック図。
【図11】同第3の実施の形態の電力変換装置の制御装
置で用いられるベクトル選択テーブルの一例を示す図。
【図12】同第3の実施の形態の電力変換装置の制御装
置で用いられるベクトル選択テーブルの一例を示す図。
【図13】本発明による電力変換装置の制御装置の第3
の実施の形態の他の実施の形態を示すブロック図。
【図14】同第3の実施の形態の他の実施の形態の電力
変換装置の制御装置で用いられるベクトル選択テーブル
の一例を示す図。
【図15】同第3の実施の形態の他の実施の形態の電力
変換装置の制御装置で用いられるベクトル選択テーブル
の一例を示す図。
【図16】同第3の実施の形態の他の実施の形態の電力
変換装置の制御装置で用いられるベクトル選択テーブル
の一例を示す図。
【図17】同第3の実施の形態の他の実施の形態の電力
変換装置の制御装置で用いられるベクトル選択テーブル
の一例を示す図。
【図18】本発明による電力変換装置の制御装置の第4
の実施の形態を示すブロック図。
【図19】図18の斜交座標変換器の動作を説明するた
めの図。
【図20】図18の斜交座標変換器の動作を説明するた
めの図。
【図21】本発明による電力変換装置の制御装置の第4
の実施の形態の変形例を示すブロック図。
【図22】本発明による電力変換装置の制御装置の第5
の実施の形態を示すブロック図。
【図23】本発明による電力変換装置の制御装置の第6
の実施の形態を示すブロック図。
【図24】本発明による電力変換装置の制御装置の第6
の実施の形態の変形例を示すブロック図。
【図25】同第6の実施の形態の他の実施の形態の電力
変換装置の制御装置で用いられるベクトル選択テーブル
の一例を示す図。
【図26】本発明による電力変換装置の制御装置の第7
の実施の形態を説明するための5レベルインバータの主
回路図。
【図27】図26の5レベルインバータのスイッチング
素子IGBTと出力の関係を示す図。
【図28】図26の5レベルインバータの空間ベクトル
図。
【図29】本発明による電力変換装置の制御装置の第7
の実施の形態を示すブロック図。
【図30】本発明による電力変換装置の制御装置の第7
の実施の形態の変形例を示すブロック図。
【図31】本発明による電力変換装置の制御装置の第8
の実施の形態を示すブロック図。
【図32】本発明による電力変換装置の制御装置の第8
の実施の形態の変形例を示すブロック図。
【図33】本発明による電力変換装置の制御装置の第8
の実施の形態の更に異なる変形例を示すブロック図。
【図34】同第8の実施の形態の電力変換装置の制御装
置で用いられるベクトル選択テーブルの一例を示す図。
【図35】同第8の実施の形態の電力変換装置の制御装
置で用いられるベクトル選択テーブルの一例を示す図。
【図36】同第8の実施の形態の電力変換装置の制御装
置で用いられるベクトル選択テーブルの一例を示す図。
【図37】同第8の実施の形態の電力変換装置の制御装
置で用いられるベクトル選択テーブルの一例を示す図。
【図38】同第11の実施の形態の変形例の電力変換装
置の制御装置で用いられるベクトル選択テーブルの一例
を示す図。
【図39】本発明による電力変換装置の制御装置の第9
の実施の形態を示すブロック図。
【図40】本発明による電力変換装置の制御装置の第9
の実施の形態の変形例を示すブロック図。
【図41】本発明による電力変換装置の制御装置の第1
0の実施の形態を示すブロック図。
【図42】本発明による電力変換装置の制御装置の第1
1の実施の形態を示すブロック図。
【図43】本発明による電力変換装置の制御装置の第1
1の実施の形態の変形例を示すブロック図。
【図44】従来の多重電圧形電力変換装置の概略構成を
示す回路図。
【図45】図44の電力変換器の主回路構成を示す回路
図。
【図46】図44の多重電圧形電力変換装置が発生でき
る出力ベクトルの一例を示す図。
【図47】図44の多重電圧形電力変換装置の制御装置
の構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
5〜8…変換器 9〜32…GTO C1〜C4…コンデンサ U1〜U4、V1〜V4、W1〜W4、X1〜X4、Y
1〜Y4、Z1〜Z4…IGBT D40〜D47、D50〜D57、D60〜D67、D
70〜D75、D80〜D85、D90〜D95…ダイ
オード 45…交流電圧指令値発生器 46…3相→2相変換器 47…範囲番号検出器 48…回転座標変換器 49…斜交座標変換器 50…領域判定および斜交ベクトル選択器 51…ベクトル選択器 52…ベクトル回転器 53…ベクトル→3相変換器 54…ゲート信号発生回路 55…多重変換器 56…範囲番号検出器 57…回転座標変換器 58…斜交座標変換器 59…斜交座標変換器 60…回転座標変換器 61…領域判定および斜交ベクトル選択器 62…領域判定および斜交ベクトル選択器 63…領域判定および3相ベクトル選択器 64…斜交座標変換器 65…ベクトル選択器 66…斜交座標変換器 67…領域判定および3相ベクトル選択器 68…ベクトル→点弧信号変換器 69…ゲート信号発生回路 70…マルチレベル変換器 71…斜交座標変換器 72…回転座標変換器 73…領域判定および3相ベクトル選択器 74…斜交座標変換器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自己消弧形スイッチング素子をブリッジ
    接続してなり、該各自己消弧形スイッチング素子に対し
    て帰還ダイオードがそれぞれ逆並列接続され、直流電力
    を交流電力に変換するn個の変換器と、前記n個の変換
    器の各出力を入力とするn個の変圧器と、前記n個の変
    圧器の二次側端子を直列に接続して交流負荷に接続する
    電力変換装置の制御装置であって、 前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを
    与える手段と、 前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出
    力ベクトルを与える手段と、 前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択
    する出力ベクトル選択手段と、 前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトル
    に応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態
    を制御する制御手段とを備えたものにおいて、 空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90
    度、90度〜150度、150度〜210度、210度
    〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割し
    て、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場
    合、 前記出力ベクトル選択手段を、 前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手
    段と、 前記電圧指令ベクトルを所定角度回転させる手段と、 前記回転させた電圧指令ベクトルを、直交座標系の−3
    0度の方向のベクトルと、+30度の方向のベクトルの
    二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座
    標変換する手段と、 前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30度〜
    +30度の範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標
    変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の
    左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力
    ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに左下と
    右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については左上の
    頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割
    する手段と、 前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分
    割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしく
    は三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段
    と、 前記判定結果に応じて、升目領域もしくは三角形領域に
    対応する出力ベクトルを選択する手段と、 前記選択された出力ベクトルを所定角度回転させた出力
    ベクトルを算出する手段と、 を備えて構成したことを特徴とする電力変換装置の制御
    装置。
  2. 【請求項2】 自己消弧形スイッチング素子をブリッジ
    接続してなり、該各自己消弧形スイッチング素子に対し
    て帰還ダイオードがそれぞれ逆並列接続され、直流電力
    を交流電力に変換するn個の変換器と、前記n個の変換
    器の各出力を入力とするn個の変圧器と、前記n個の変
    圧器の二次側端子を直列に接続して交流負荷に接続する
    電力変換装置の制御装置であって、 前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを
    与える手段と、 前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出
    力ベクトルを与える手段と、 前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択
    する出力ベクトル選択手段と、 前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトル
    に応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態
    を制御する制御手段とを備えたものにおいて、 空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90
    度、90度〜150度、150度〜210度、210度
    〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割し
    て、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場
    合、 前記出力ベクトル選択手段を、 前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手
    段と、 前記電圧指令ベクトルを所定角度回転させる手段と、 前記回転させた電圧指令ベクトルを、直交座標系の−3
    0度の方向のベクトルと、+30度の方向のベクトルの
    二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座
    標変換する手段と、 前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30度〜
    +30度の範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標
    変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の
    左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力
    ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに各升目
    を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領
    域に分割する手段と、 前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分
    割された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のど
    の領域に存在するかを判定する手段と、 前記判定結果に応じて、三角形領域に対応する出力ベク
    トルを選択する手段と、 前記選択された出力ベクトルを所定角度回転させた出力
    ベクトルを算出する手段と、 を備えて構成したことを特徴とする電力変換装置の制御
    装置。
  3. 【請求項3】 自己消弧形スイッチング素子をブリッジ
    接続してなり、該各自己消弧形スイッチング素子に対し
    て帰還ダイオードがそれぞれ逆並列接続され、直流電力
    を交流電力に変換するn個の変換器と、前記n個の変換
    器の各出力を入力とするn個の変圧器と、前記n個の変
    圧器の二次側端子を直列に接続して交流負荷に接続する
    電力変換装置の制御装置であって、 前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを
    与える手段と、 前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出
    力ベクトルを与える手段と、 前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択
    する出力ベクトル選択手段と、 前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトル
    に応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態
    を制御する制御手段とを備えたものにおいて、 空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90
    度、90度〜150度、150度〜210度、210度
    〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割し
    て、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場
    合、 前記出力ベクトル選択手段を、 前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手
    段と、 前記電圧指令ベクトルを、第1の所定角度の方向のベク
    トルと、第2の所定角度の方向のベクトルの二つを単位
    ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する
    手段と、 前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の内の前記電
    圧指令ベクトルが存在する60度範囲を、前記単位ベク
    トルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力
    可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左
    下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に
    分割し、さらに左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ
    升目については左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二
    つの三角形領域に分割する手段と、 前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分
    割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしく
    は三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段
    と、 前記判定結果に応じて、升目領域もしくは三角形領域に
    対応する出力ベクトルを選択する手段と、 を備えて構成したことを特徴とする電力変換装置の制御
    装置。
  4. 【請求項4】 自己消弧形スイッチング素子をブリッジ
    接続してなり、該各自己消弧形スイッチング素子に対し
    て帰還ダイオードがそれぞれ逆並列接続され、直流電力
    を交流電力に変換するn個の変換器と、前記n個の変換
    器の各出力を入力とするn個の変圧器と、前記n個の変
    圧器の二次側端子を直列に接続して交流負荷に接続する
    電力変換装置の制御装置であって、 前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを
    与える手段と、 前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出
    力ベクトルを与える手段と、 前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択
    する出力ベクトル選択手段と、 前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトル
    に応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態
    を制御する制御手段とを備えたものにおいて、 空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90
    度、90度〜150度、150度〜210度、210度
    〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割し
    て、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場
    合、 前記出力ベクトル選択手段を、 前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手
    段と、 前記電圧指令ベクトルを、第1の所定角度の方向のベク
    トルと、第2の所定角度の方向のベクトルの二つを単位
    ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する
    手段と、 前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の内の前記電
    圧指令ベクトルが存在する60度範囲を、前記単位ベク
    トルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力
    可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左
    下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に
    分割し、さらに各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ
    線分で二つの三角形領域に分割する手段と、 前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分
    割された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のど
    の領域に存在するかを判定する手段と、 前記判定結果に応じて、三角形領域に対応する出力ベク
    トルを選択する手段と、 を備えて構成したことを特徴とする電力変換装置の制御
    装置。
  5. 【請求項5】 直流電圧源を少なくともn(nは3以上
    の整数)個に分割した分割電圧源と、前記直流電圧源に
    並列に接続され、それぞれにダイオードが逆並列に接続
    された自己消弧形スイッチング素子を(2・n)個直列
    に接続してなり、前記直流電圧源の正極側からn番目の
    自己消弧形スイッチング素子と(n+1)番目の自己消
    弧形スイッチング素子との間から前記直流電圧源の電圧
    を変換した電圧を出力する変換電圧出力端子を持つ直列
    回路を3組有し、前記変換電圧出力端子を交流負荷に接
    続する電力変換装置の制御装置であって、 前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを
    与える手段と、 前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出
    力ベクトルを与える手段と、 前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択
    する出力ベクトル選択手段と、 前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトル
    に応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態
    を制御する制御手段とを備えたものにおいて、 空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90
    度、90度〜150度、150度〜210度、210度
    〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割し
    て、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場
    合、 前記出力ベクトル選択手段を、 前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手
    段と、 前記電圧指令ベクトルを所定角度回転させる手段と、 前記回転させた電圧指令ベクトルを、直交座標系の−3
    0度の方向のベクトルと、+30度の方向のベクトルの
    二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座
    標変換する手段と、 前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30度〜
    +30度の範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標
    変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の
    左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力
    ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに左下と
    右上の両方に出力ベクトルを持つ升目については左上の
    頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領域に分割
    する手段と、 前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分
    割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしく
    は三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段
    と、 前記判定結果に応じて、升目領域もしくは三角形領域に
    対応する出力ベクトルを選択する手段と、 前記選択された出力ベクトルを所定角度回転させた出力
    ベクトルを算出する手段と、 を備えて構成したことを特徴とする電力変換装置の制御
    装置。
  6. 【請求項6】 直流電圧源を少なくともn(nは3以上
    の整数)個に分割した分割電圧源と、前記直流電圧源に
    並列に接続され、それぞれにダイオードが逆並列に接続
    された自己消弧形スイッチング素子を(2・n)個直列
    に接続してなり、前記直流電圧源の正極側からn番目の
    自己消弧形スイッチング素子と(n+1)番目の自己消
    弧形スイッチング素子との間から前記直流電圧源の電圧
    を変換した電圧を出力する変換電圧出力端子を持つ直列
    回路を3組有し、前記変換電圧出力端子を交流負荷に接
    続する電力変換装置の制御装置であって、 前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを
    与える手段と、 前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出
    力ベクトルを与える手段と、 前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択
    する出力ベクトル選択手段と、 前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトル
    に応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態
    を制御する制御手段とを備えたものにおいて、 空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90
    度、90度〜150度、150度〜210度、210度
    〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割し
    て、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場
    合、 前記出力ベクトル選択手段を、 前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手
    段と、 前記電圧指令ベクトルを所定角度回転させる手段と、 前記回転させた電圧指令ベクトルを、直交座標系の−3
    0度の方向のベクトルと、+30度の方向のベクトルの
    二つを単位ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座
    標変換する手段と、 前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の−30度〜
    +30度の範囲を、前記単位ベクトルを用いて斜交座標
    変換したベクトル図の変換器出力可能部分を、各升目の
    左上、もしくは右下、もしくは左下と右上の両方に出力
    ベクトルが配されるように升目に分割し、さらに各升目
    を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二つの三角形領
    域に分割する手段と、 前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分
    割された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のど
    の領域に存在するかを判定する手段と、 前記判定結果に応じて、三角形領域に対応する出力ベク
    トルを選択する手段と、 前記選択された出力ベクトルを所定角度回転させた出力
    ベクトルを算出する手段と、 を備えて構成したことを特徴とする電力変換装置の制御
    装置。
  7. 【請求項7】 直流電圧源を少なくともn(nは3以上
    の整数)個に分割した分割電圧源と、前記直流電圧源に
    並列に接続され、それぞれにダイオードが逆並列に接続
    された自己消弧形スイッチング素子を(2・n)個直列
    に接続してなり、前記直流電圧源の正極側からn番目の
    自己消弧形スイッチング素子と(n+1)番目の自己消
    弧形スイッチング素子との間から前記直流電圧源の電圧
    を変換した電圧を出力する変換電圧出力端子を持つ直列
    回路を3組有し、前記変換電圧出力端子を交流負荷に接
    続する電力変換装置の制御装置であって、 前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを
    与える手段と、 前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出
    力ベクトルを与える手段と、 前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択
    する出力ベクトル選択手段と、 前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトル
    に応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態
    を制御する制御手段とを備えたものにおいて、 空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90
    度、90度〜150度、150度〜210度、210度
    〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割し
    て、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場
    合、 前記出力ベクトル選択手段を、 前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手
    段と、 前記電圧指令ベクトルを、第1の所定角度の方向のベク
    トルと、第2の所定角度の方向のベクトルの二つを単位
    ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する
    手段と、 前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の内の前記電
    圧指令ベクトルが存在する60度範囲を、前記単位ベク
    トルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力
    可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左
    下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に
    分割し、さらに左下と右上の両方に出力ベクトルを持つ
    升目については左上の頂点と右下の頂点を結ぶ線分で二
    つの三角形領域に分割する手段と、 前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分
    割された斜交座標系ベクトル図における升目領域もしく
    は三角形領域のどの領域に存在するかを判定する手段
    と、 前記判定結果に応じて、升目領域もしくは三角形領域に
    対応する出力ベクトルを選択する手段と、 を備えて構成したことを特徴とする電力変換装置の制御
    装置。
  8. 【請求項8】 直流電圧源を少なくともn(nは3以上
    の整数)個に分割した分割電圧源と、前記直流電圧源に
    並列に接続され、それぞれにダイオードが逆並列に接続
    された自己消弧形スイッチング素子を(2・n)個直列
    に接続してなり、前記直流電圧源の正極側からn番目の
    自己消弧形スイッチング素子と(n+1)番目の自己消
    弧形スイッチング素子との間から前記直流電圧源の電圧
    を変換した電圧を出力する変換電圧出力端子を持つ直列
    回路を3組有し、前記変換電圧出力端子を交流負荷に接
    続する電力変換装置の制御装置であって、 前記電力変換装置の交流出力電圧の電圧指令ベクトルを
    与える手段と、 前記電力変換装置が発生できる交流出力電圧の全ての出
    力ベクトルを与える手段と、 前記電圧指令ベクトルに応じて前記出力ベクトルを選択
    する出力ベクトル選択手段と、 前記出力ベクトル選択手段により選択した出力ベクトル
    に応じて、前記自己消弧形スイッチング素子の通電状態
    を制御する制御手段とを備えたものにおいて、 空間ベクトル図を、−30度〜30度、30度〜90
    度、90度〜150度、150度〜210度、210度
    〜270度、270度〜330度の6つの範囲に分割し
    て、当該6つの分割範囲に0〜5の範囲番号を付した場
    合、 前記出力ベクトル選択手段を、 前記電圧指令ベクトルが存在する範囲番号を算出する手
    段と、 前記電圧指令ベクトルを、第1の所定角度の方向のベク
    トルと、第2の所定角度の方向のベクトルの二つを単位
    ベクトルとする斜交座標系でのベクトルに座標変換する
    手段と、 前記出力ベクトルを配した空間ベクトル図の内の前記電
    圧指令ベクトルが存在する60度範囲を、前記単位ベク
    トルを用いて斜交座標変換したベクトル図の変換器出力
    可能部分を、各升目の左上、もしくは右下、もしくは左
    下と右上の両方に出力ベクトルが配されるように升目に
    分割し、さらに各升目を左上の頂点と右下の頂点を結ぶ
    線分で二つの三角形領域に分割する手段と、 前記斜交座標変換した電圧指令ベクトルが、前記領域分
    割された斜交座標系ベクトル図における三角形領域のど
    の領域に存在するかを判定する手段と、 前記判定結果に応じて、三角形領域に対応する出力ベク
    トルを選択する手段と、 を備えて構成したことを特徴とする電力変換装置の制御
    装置。
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CNB011411554A CN1270434C (zh) 1997-08-04 1998-08-04 电力变换装置的控制装置
CA002507731A CA2507731C (en) 1997-08-04 1998-08-04 Controller for power converter
CNB011411562A CN1270435C (zh) 1997-08-04 1998-08-04 电力变换装置的控制装置
CN98116217A CN1084078C (zh) 1997-08-04 1998-08-04 电力变换装置的控制装置
US09/128,660 US6151227A (en) 1997-08-04 1998-08-04 Controller for power converter
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104836466A (zh) * 2015-05-28 2015-08-12 哈尔滨理工大学 基于60°坐标系的三相vienna整流器及控制方法
CN114142758A (zh) * 2021-12-07 2022-03-04 浙江大学先进电气装备创新中心 一种适用于线电压级联型三重化变流器的新型调制方法

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