JPH1152048A - 水中探知装置 - Google Patents

水中探知装置

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JPH1152048A
JPH1152048A JP9218970A JP21897097A JPH1152048A JP H1152048 A JPH1152048 A JP H1152048A JP 9218970 A JP9218970 A JP 9218970A JP 21897097 A JP21897097 A JP 21897097A JP H1152048 A JPH1152048 A JP H1152048A
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敏実 山下
Naoki Horino
直己 堀野
Toshio Shibusawa
利夫 澁澤
Atsushi Sato
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 魚群探知機を用いて海底底質を判断しようと
する場合、海底反射残響波形が飽和してしまい正確な判
断ができない。 【解決手段】 魚群探知用の感度,TVG設定手段1
1,12,13とは別に底質判断用の感度,TVG設定
手段14,15,16を設ける。また海底反射残響波形
か否かを判断する閾値を送受波器の指向角情報を基に設
定する手段17を設ける。さらに予めサンプル波形記憶
部18に記憶させておいたサンプル波形と比較して海底
底質の判断を行う構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水中に超音波を送受
波して、魚群やプランクトンだけでなく海底底質の明確
な表示を行う水中探知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばエビやカニ等の甲殻類や回流しな
い魚等は、それぞれ好んで生息する底質場所が定まって
いる。従ってこれらの漁においては、そのような底質の
場所を探知することが重要になる。すなわち海底が泥な
のか、またはシルト,砂,玉石なのか、或は岩で形成さ
れているのか探知できれば、これらの漁を効率良く行え
るようになる。従来、このような海底底質の探知は一般
的な魚群探知機を用いて海底から反射する音波の残響時
間を基に判断している。
【0003】図4は、従来のこの種の魚群探知機の構成
の概略を示すブロック図である。図において、21は送
受波器、22は送受切換器、23は送信部、24は受信
部、25はA/D変換部、26は受信信号記憶部、27
は魚探信号映像表示制御部、28は底質表示制御部、2
9は受信制御部、30は表示制御部、31は表示器、3
2は感度ボリューム、33はTVG(減衰量補正)ボリ
ュームである。
【0004】送信部23から送信信号が送受切換器22
を経由し送受波器21に加えられ、送受波器21から水
中へ超音波が発射される。発射された超音波は、その送
受波器21特有の指向角を以て拡がり、魚群や海底に当
たって反射し、反射波が送受波器21で受波され、電気
信号に変換されて送受切換器22を経由して受信部24
で受信される。受信部24では、受信制御部29を介し
て感度ボリューム32,TVGボリューム33で受信信
号の感度とTVGとが適切な値に調整され、A/D変換
部25でディジタル信号に変換され、受信信号記憶部2
6に記憶される。
【0005】受信信号記憶部26に記憶されたデータ
は、魚探信号映像表示部27で映像表示用信号として読
み出され、表示制御部30でその強度に応じた表示色の
データに変換され、CRT表示に同期した信号に変換さ
れて表示器31に映像表示される。
【0006】また受信信号記憶部26に記憶されたデー
タは、底質表示制御部28でも読み出され、図5(A)
に示すように、海底からの反射信号を区別できる適当な
閾値(X)を基準に、図5(B)に示すように二値化
し、送受波器21から海底までの時間(L)と、海底反
射の残響時間(w)とを求め、海底底質の判断基準
(M)を、 M=(w/L)・α (αは定数)により
求め、表示制御部30を介して数値またはグラフに変換
して表示器に表示する。
【0007】次に、海底底質の判断基準(M)を求める
原理について図6,図7を用いて説明する。図6(A)
に示すように、送受波器21から発射された音波は、そ
の送受波器に特有の指向角を以て拡がり、海底で反射し
て同じ指向角で受波される。従って海底に垂直に当たっ
た音波S1は、垂直に反射して受波されるが、海底に或
る入射角を以て当たった音波S2は同じ反射角を以て反
射される。ところが図6(B)に示すように、海底が岩
等で形成され平坦でない場合、この岩に当たった音波は
そこで乱反射し、本来は受波できない角度で入射した音
波の反射波も受波できるようになる。
【0008】これを別の面から見れば図7(A)に示す
ように、例えば海底が泥等の平坦な場合、乱反射は生じ
ず、受波できる幅(w1)は小さく、玉石などの場合に
は小さな乱反射により受波できる幅(w2)は少し拡が
り、岩等の場合には大きな乱反射により受波できる幅
(w3)が更に拡がることになる。これを時間で考えれ
ば、拡がった部分からの反射波はより遅く受波されるた
め、図5(B)に示すように、海底底質の相違によって
海底反射残響時間がw1〜W3と、それぞれ相違するこ
とになる。従って海底底質の判断基準(M)を、 M=
(w/L)・α で求めることができる。なお海底反射
残響時間wを海底までの時間Lで除算しているのは、海
底までの距離の相違からくる反射幅の相違を補正するた
めである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような魚群探知
機を用いて海底残響時間を基に海底底質を判断する場
合、以下のような問題が生じる。漁業を目的とする水中
探知では、上述のように魚群やプランクトンの探知と海
底底質の判断の両方を行う必要があるが、反射強度の弱
い魚群を適切に探知するためには、受信感度やTVGの
レベルを魚群やプランクトンに合わせておく必要があ
る。然しながら、このようにすると海底からの反射信号
が飽和してしまい、従って海底底質に相違があっても、
図7,図8に示すように飽和により海底反射残響時間の
差異が殆どなくなってしまい(すなわち海底が泥のよう
な平坦面であってもその反射強度が強いため乱反射の幅
が拡がってしまい)、海底底質の明確な区別ができなく
なる。
【0010】また音波の反射特性は、入射角度やその周
波数を相違させることによって底質の相違をより的確に
捕らえられることが知られいる。然しながら従来の魚群
探知機では、入射角度(すなわち送受波器の指向角)や
その周波数の相違を底質判断のパラメータとしていない
ので、海底底質の的確な判断が行えないという問題点が
あった。
【0011】本発明はかかる問題点を解決するためのな
されたものであり、従来の魚群探知機としての機能はそ
のまま備えると共に、海底底質の明確な判断が可能な水
中探知装置を得ることを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる水中探知
装置は、水中直下へ超音波送受波器を用いて超音波パル
スを送受波し、得られた反射信号データから魚群の存在
を表示器に映像表示すると共に、海底底質を判断して底
質情報を表示器に表示する水中探知装置において、反射
信号データを記憶する受信信号記憶部と、前記受信信号
記憶部に記憶された反射信号データを読み出して魚群探
知用の感度設定とTVG(減衰量補正)とを行い前記表
示器に映像表示するためのデータを出力する魚探信号映
像表示制御部と、前記受信信号記憶部に記憶された反射
信号データを読み出して前記感度設定,TVGとは異な
る底質判断用の感度設定とTVGを行って海底底質を判
断するためのデータ(このデータを底質判断用データと
称する)を出力する底質表示制御部とを備えたことを特
徴とする。従って反射レベルの異なる魚群と底質とを、
別々の感度とTVGとを用いて調整することで、魚群の
映像表示と底質判断用データの両方を適切なレベルとす
ることが可能となる。
【0013】また前記底質表示制御部は、さらに前記送
受波器の指向角情報および振動子データ(音圧,感度,
周波数)をも加味して波形レベルの調整を行い、海底反
射残響波形に飽和のない底質判断用データを出力する手
段を備えたことを特徴とする。海底反射残響波形を飽和
させないので、その微妙な相違を判断できるようにな
る。また底質判断には、入射補角30〜40度の間が好
ましいことが知られているので、この範囲の波形を強調
させて表示する等の波形レベルの調整が可能となる。
【0014】また前記海底底質の判断は、前記底質判断
用データを閾値(Y)を以て二値化し、海底までの時間
(L)と海底反射残響時間(w’)とを求め、 判断基準(M)=(w’/L)・α (αは定数) を用いて判断する構成としたことを特徴とする。正確な
海底反射残響時間(w’)で判断基準(M)を算出する
こととしたので、より正確な判断が可能となる。
【0015】また前記閾値(Y)は、前記送受波器の指
向角情報を基に定められる構成としたことを特徴とす
る。海底反射残響波形か否かの正確な区別が可能とな
る。
【0016】また前記海底底質の判断は、予め種々の底
質の前記判断基準(M)及び前記海底反射残響波形をサ
ンプリングして記憶部に記憶させておき、前記底質表示
制御部から出力される前記底質判断用データの前記判断
基準(M)及び前記海底反射残響波形を、記憶したサン
プルと比較することにより行う手段を備えたことを特徴
とする。予め記憶したサンプルとの比較で判断するの
で、より正確な判断が可能となる。
【0017】さらに、判断された海底底質は前記サンプ
ルと一致する底質を表す文字あるいは平坦度を表す数値
で前記表示部に表示する手段を備えたことを特徴とす
る。サンプルと比較して判断することとしたので、その
表示も容易に行えるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。図1は、本発明の水中探知装置の装置
構成の一実施形態を示すブロック図である。図におい
て、1は送受波器、2は送受切換器、3は送信部を示
す。また4は受信部で、一般的な魚群探知機では40d
B程度のダイナミックレンジを持つ受信器を使用してい
るが、本実施形態では100dB程度のダイナミックレ
ンジを持つ高ダイナミックレンジの受信器を使用する。
【0019】5はA/D変換部、6は受信信号記憶部、
7は魚探信号映像表示制御部、8は底質表示制御部、9
は表示制御部、10は表示器、11は魚群用感度設定
部、12は魚群用TVG設定部、13は設定された感度
やTVGをディジタル値で出力するためのROMテーブ
ル、14は底質表示用感度設定部、15は底質表示用T
VG設定部であり、ここで設定された感度やTVGがR
OMテーブル16からデイジタル値で出力される。なお
この感度とTVGとは、固定値をROMテーブル16に
記憶させておいても良い。
【0020】また17は使用されている送受波器1の指
向角情報に基づいて波形レベルの補正を行う補正値と、
その送受波器1の振動子データ(音圧,感度,周波数)
に基づいて波形レベルの補正を行う補正値と、指向角情
報に基づいて後述する閾値(Y)を出力するためのRO
Mデーブル、18はサンプル波形記憶部で、各海底底質
(泥,シルト,砂,岩等)の波形および上述の判断基準
(M)の値を、各底質に対応させて予めサンプルして記
憶しておき、底質表示制御部8から入力された波形と
(M)の値とを、サンプルと比較して、その底質判断情
報を出力する。なお図1では説明を解り易くするため、
ROMテーブルを複数設けた構成としているがROMテ
ーブルは通常1つで良く、また図1では省略しているが
実際の構成には演算手段や装置全体を制御する制御手段
等が設けられている。
【0021】次に動作について説明する。高ダイナミッ
クレンジを持つ受信部4で受信された反射信号は、A/
D変換部5でディジタルデータに変換されて受信信号記
憶部6に記憶される(これを図2(A)に示す)。受信
信号記憶部6に記憶された反射信号データは、魚探信号
映像表示制御部7で読み出され、魚群やプランクトンか
らの反射波形が適切に表示されるように、感度レベルの
設定とTVGの設定とが、感度設定部11,TVG設定
部12で行われて(これを図6(B)に示す)、表示制
御部9を介して表示器10に表示される。表示される魚
探映像は従来の魚群探知機と同様の映像となる。
【0022】また、受信信号記憶部6に記憶された反射
信号データは、底質表示制御部8でも読み出され、先ず
ROMテーブル16から読み出される底質用感度調整値
と、底質用TVG値(例えば、TVG値=20・log2R
+2βR R=距離,β=定数)とが加算され、次に現
在使用している送受波器1の振動子データ(送信音圧レ
ベル,受波感度,送信周波数)のパラメータがROMテ
ーブル17から補正値として入力されて、海底底質の判
断が明確に行えるような反射信号データに補正される。
これを図6(C)に示す(このデータを本明細書では底
質判断用データとも言う)。具体的には反射信号データ
が、海底底質が何であってもその残響波形が、(P)に
示すように飽和せずにその絶対値を表すデータに補正さ
れる。
【0023】次に、図3に示すように閾値(Y)を基準
に、従来の装置と同様に海底底質の判断基準(M)を、
M=(w’/L)・α で求める。なお、この場合の閾
値(Y)は、ROMテーブル17から読み出される送受
波器1の指向角情報および送信音波の周波数情報により
決定される。すなわち本実施形態における装置では、上
述のように海底からの残響波形(P)が飽和せずに絶対
値を表すデータとし、送受波器1の指向角情報により決
定した閾値(Y)を以て判断基準(M)で海底底質を判
断することとしたので、より正確な判断が行えるように
なる。
【0024】また海底底質を正確に表した残響波形
(P)と算出された判断基準(M)とは、サンプル波形
記憶部18に送られ、予め記憶された種々の底質におけ
る波形(およびM)との比較が行われる。そしてどのサ
ンプル波形(およびM)と一致するかによって、この反
射信号データの底質を判断し、当該底質を、泥,シル
ト,砂,岩等の文字表示で、あるいは平坦度を表す数値
で表示するためのデータとして出力し、表示制御部9を
介して表示器10で表示する。すなわち本実施形態の装
置では、上述の判断基準(M)で判断するだけでなく、
海底底質の情報をより正確に表した残響波形(P)をサ
ンプル波形と比較して底質を判断して、その情報を出力
する。そして残響波形(P)には、音波の入射角度(指
向角データ)や周波数がパラメータとして取り入れてい
るので、より正確な底質判断情報を出力できるようにな
る。また出力される情報は、「泥」,「シルト」,
「砂」,「岩」等の文字表示、或は平坦度「1」,
「2」,・・・の数値表示で表示されるので、誰にでも
容易に理解できるようになる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明の水中探知装
置は、海底からの反射信号を、魚群探知用とは異なる独
自の感度設定,TVG設定を行い、さらに送受波器の指
向角や振動子データで補正し、海底底質の如何に関わら
ず飽和してない残響波形を得て海底底質を判断すること
としたので海底底質の正確な判断が可能となる。また海
底反射残響時間だけでなく、底質情報が正確に乗った残
響波形をサンプル波形と比較して判断することとしたの
で、さらに正確な判断が可能となる。さらに海底底質を
その名称や平坦度を表す数値で表示器に表示する構成と
したので、誰にでも容易にその判断が可能となる等の効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水中探知装置の装置構成の一実施形態
を示すブロック図である。
【図2】図1に示す装置の動作を説明するための図であ
る。
【図3】同じく図1に示す装置の動作を説明するための
図である。
【図4】従来のこの種の魚群探知機を示すブロック図で
ある。
【図5】海底底質の判断原理を説明するための図であ
る。
【図6】海底底質の判断原理を説明するための図であ
る。
【図7】海底底質の判断原理を説明するための図であ
る。
【図8】従来の魚群探知機で海底底質を判断する場合の
問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1 送受切換器 2 送受切換器 3 送信部 4 受信部 5 A/D変換部 6 受信信号記憶部 7 魚探信号映像表示制御部 8 底質表示制御部 9 表示制御部 10 表示器 11 魚群用感度設定部 12 魚群用TVG設定部 13,16,17 ROMテーブル 14 底質表示用感度設定部 15 底質表示用TVG設定部 18 サンプル波形記憶部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 篤 東京都三鷹市下連雀5丁目1番1号 日本 無線株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中直下へ超音波送受波器を用いて超音
    波パルスを送受波し、得られた反射信号データから魚群
    の存在を表示器に映像表示すると共に、海底底質を判断
    して底質情報を表示器に表示する水中探知装置におい
    て、 反射信号データを記憶する受信信号記憶部と、 前記受信信号記憶部に記憶された反射信号データを読み
    出して魚群探知用の感度設定とTVG(減衰量補正)と
    を行い前記表示器に映像表示するためのデータを出力す
    る魚探信号映像表示制御部と、 前記受信信号記憶部に記憶された反射信号データを読み
    出して前記感度設定,TVGとは異なる底質判断用の感
    度設定とTVGを行って海底底質を判断するためのデー
    タ(このデータを底質判断用データと称する)を出力す
    る底質表示制御部と、 を備えたことを特徴とする水中探知装置。
  2. 【請求項2】 前記底質表示制御部は、さらに前記送受
    波器の指向角情報および振動子データ(音圧,感度,周
    波数)をも加味して波形レベルの調整を行い、海底反射
    残響波形に飽和のない底質判断用データを出力する手段
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の水中探知装
    置。
  3. 【請求項3】 前記海底底質の判断は、前記底質判断用
    データを閾値(Y)を以て二値化し、海底までの時間
    (L)と海底反射残響時間(w’)とを求め、 判断基準(M)=(w’/L)・α (αは定数) を用いて判断する構成としたことを特徴とする請求項2
    記載の水中探知装置。
  4. 【請求項4】 前記閾値(Y)は、前記送受波器の指向
    角情報を基に定められる構成としたことを特徴とする請
    求項3記載の水中探知装置。
  5. 【請求項5】 前記海底底質の判断は、予め種々の底質
    の前記判断基準(M)及び前記海底反射残響波形をサン
    プリングして記憶部に記憶させておき、前記底質表示制
    御部から出力される前記底質判断用データの前記判断基
    準(M)及び前記海底反射残響波形を、記憶したサンプ
    ルと比較することにより行う手段を備えたことを特徴と
    する請求項3記載の水中探知装置。
  6. 【請求項6】 判断された海底底質は前記サンプルと一
    致する底質を表す文字あるいは平坦度を表す数値で前記
    表示部に表示する手段を備えたことを特徴とする請求項
    5記載の水中探知装置。
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