JPH05196733A - 魚群探知機の単体魚判別回路 - Google Patents

魚群探知機の単体魚判別回路

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JPH05196733A
JPH05196733A JP31088592A JP31088592A JPH05196733A JP H05196733 A JPH05196733 A JP H05196733A JP 31088592 A JP31088592 A JP 31088592A JP 31088592 A JP31088592 A JP 31088592A JP H05196733 A JPH05196733 A JP H05196733A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 魚群探知機において、単体魚からの反射パル
スのパルス幅は送信パルス幅に略等しいという点に着眼
して、単体魚エコーを魚群エコーや海底エコーやその他
干渉や雑音と確実に判別する。 【構成】 送信制御部5が送信部1にパルス幅τ1 とパ
ルス幅τ2 の送信を指定の順序で行わせる。受波信号は
いずれの場合も波形整形回路(スレッショルド部)7で
矩形波状に整形される。整形された信号は、送信パルス
幅がτ1 のときは第1の記憶回路9へ記憶され、送信パ
ルス幅がτ2 のときは第2の記憶回路10へ記憶される。
判定回路11は両記憶回路から信号を読み出し、同じ目標
物から反射受波信号同士のパルス幅の比を算出し、その
値が(τ1 /τ2 )±許容範囲内にあるか否かを判定
し、判定信号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、魚群探知機において、
魚群や海底からの反射信号や雑音などと1匹の魚(単体
魚)からの反射信号を判別する判別回路に関する。
【0002】
【従来の技術】水産資源の利用上、魚群の分布状態や資
源の管理あるいは漁撈の効率化のために魚体の計量測定
は極めて重要なことである。魚体の計量測定は従来から
計量用魚群探知機を用いて行われている。まず従来の計
量用魚群探知機の原理を説明する。魚種の音響的性質は
よく研究されている。送受波器で送波された音波が魚体
で反射する強度は魚種によって多少異なるが、概ね大き
な魚からは大きな反射強度の信号が帰来し小さな魚から
は小さな反射強度の信号が帰来する。同様に密度の濃い
魚群からは大きな反射強度の信号が帰来し密度の濃い魚
群からは小さな反射強度の信号が帰来する。
【0003】一方帰来する反射波の強度は魚体又は魚群
が近い地点にあれば大きく、遠い地点であれば小さい。
したがって魚体又は魚群の量を計量する場合は、魚体又
は魚群から帰来する反射波の強度が送受波器から魚体又
は魚群までの距離に関係なく魚体の大きさ又は魚群の密
度のみに依存するように補正できれば魚体又は魚群の計
量が可能になる。
【0004】そこで上記のように、水深又は距離に影響
されず魚体の大きさ又は魚群の密度にのみ依存して変る
信号を得るために、伝搬時間によって受信機利得を所定
の特性で変化させて時間補正又は距離補正することので
きるTVG(Time Varied Gain)付受信増幅器が使用さ
れる。即ちTVG付受信増幅器を利用すれば距離に関係
なく魚体又は魚群密度のみによる情報を得ることができ
る。従来の計量用魚群探知機は上記のような原理を利用
したもので、図3の従来の計量用魚群探知機のブロック
図に示すような方式で行っていた。
【0005】図3において1は送信信号を発生する送信
部である。2は送信部から受けた送信信号を音波に変換
し所定の海域に送波し反射されて帰来した反射波を受波
して電気信号に変換する送受波器である。3は伝搬時間
で増幅率が制御される単体魚を対象としたTVG付受信
増幅部である。4は伝搬時間で増幅率が制御される魚群
を対象としたTVG付受信増幅部である。5′は送信の
パルス幅を制御する送信制御部である。送信制御部5′
からの送信パルス信号により、送信部1は送信信号を発
生し、その送信信号を送受波器2へ伝える。
【0006】魚体を計量しようとする場合は送信制御部
5′で発生するパルス幅の間送信部1が送信信号を発生
させその送信信号を送受波器2に入力させる。送受波器
2は送信部1からの送信信号を受けて調査海域に音波を
送波し、帰来した反射波を受波して、電気信号に変換し
その電気信号をTVG付受信増幅部3および同4に伝え
る。TVG付受信増幅部3では、単体魚の音波反射によ
る帰来信号の距離減衰を補正するTVG増幅を行い、増
幅部4では、魚群の帰来信号の距離減衰を補正するTV
G増幅を行い、魚体用TVG付受信増幅部3の出力レベ
ルの電圧値から魚体の反射強度を知っていた、又は、そ
の電圧を色に変換するカラーCRTや濃淡に変換する記
録機などに表示して魚体の反射強度を知っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の計量用魚群探知機においては、TVG付受
信増幅部3の出力信号には、魚体1尾からの反射信号だ
けではなく、複数の魚体が近接しているためにエコーが
合成されて魚群エコーとしての信号や、海底のエコー、
さらにはエコーではない雑音などをも含んでいる。この
ため従来は魚体1尾からの単体エコーだけをそれらの中
から識別するために、記録機や、CRT画面に表示しエ
コー記録や、画像の形状を観て判定、識別を行ってい
た。
【0008】図4にその状況を示す。図(a)は魚群探
知機が単体魚を捕捉した状況を示し、図(b)は魚群を
捕捉した状況を示し、図(c)は表示器上に現れた映像
を示す図で、12は単体魚エコーを示し、13は魚群エ
コーを示す。また14は他の魚群探知機からの干渉映像
を示す。しかしながら、このような映像による判断には
経験を要し、エコー記録又は画像の連続性を基に判定を
行うために時間を必要とし、また表示器を必要とするな
どの欠点を有していた。
【0009】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決するために、送信のパルス幅と、反射波のパルス幅
が略々等しい場合は、単体魚からのエコーに限定される
という事に着目して魚群エコーや海底エコーやその他干
渉や雑音と単体魚エコーとを判別する単体魚判別回路を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために次の手段構成を有する。即ち、本発明の
魚群探知機単体魚判別回路は、送信部に、パルス幅τ1
の超音波送信パルスとパルス幅τ2 の超音波送信パルス
を指定された順序で送信させる送信制御部と; 受波信
号を矩形波状に整形する波形整形回路と; 送信パルス
幅がτ1 のときの受波信号の波形整形信号を記憶する第
1の記憶回路と; 送信パルス幅がτ2 のときの受波信
号の波形整形信号を記憶する第2の記憶回路と;第1の
記憶回路に記憶された信号と第2の記憶回路に記憶され
た信号を読み出し、対応する矩形波同士の幅を比較し、
その比が(τ1 /τ2 )±許容範囲内にあるか否かを判
定し判定信号を出力する判定回路と; を具備すること
を特徴とするものである。
【0011】
【作用】以下、上記手段構成を有する魚群探知機単体魚
判別回路の作用を説明する。魚群探知は送受波器から所
定のパルス幅の超音波を水中へ周期的に送波している。
今この送波パルス幅をτとする。反射体が超音波の進行
方向における奥行き即ち厚みがない場合には反射して戻
って来た受波パルスのパルス幅もやはりτである。今1
匹の魚体の奥行きがlであるとすると反射受波パルスの
パルス幅τR
【0012】
【数1】τR =τ+(2l/C) 但し、Cは超音波の水中音速
【0013】となる。そして通常は(2l/C)《τで
あるから
【0014】
【数2】τR ≒τ
【0015】となる。一方、超音波の進行方向における
2匹の単体魚の距離をrとしたとき、r〉(Cτ/2)
であれば、2匹の単体魚からの反射波は時間的に分離し
て受波されそのパルス幅はそれぞれτとなる。これに対
して、r≦(Cτ/2)のときには2匹の単体魚からの
反射波は時間的に接着して受波されその受波パルス幅τ
R
【0016】
【数3】τR =τ+(2r/C)
【0017】更に、超音波の進行方向に複数の単体魚が
Cτ/2以下の間隔r1 ,r2 ,r3,…,rN を置い
て存在しているときの受波パルス幅τR
【0018】
【数4】
【0019】で表される。魚群から反射受波パルスはこ
のように幅の広いものになる。このように、単体魚から
の反射波と魚群からの反射波とでは受波パルス幅が異な
るがこのパルス幅だけから単体魚か魚群かを区別するの
は困難である。それは受波波形が理想的な矩形波ではな
いこと、受波レベルが異なること、TVGにより受信機
利得が距離により異なることなどにより受波パルスのパ
ルス幅を正確に抽出することが困難だからである。本発
明では送信パルス幅を長短2種類設定し、長パルスで送
信したときの反射受波信号と短パルスで送信したときの
反射受波信号の同じ目標からの反射信号同士のパルス幅
の比をみることにより単体魚からの反射受波信号か、魚
群からの反射受波信号その他海底反射信号、雑音、干渉
信号かを判別している。
【0020】今、送信パルス幅の長パルス幅をτ1
し、短パルス幅をτ2 とし、その比がτ1 /τ2 =mで
あるとする。前述のように受波レベルや受信利得の状況
によってパルス幅の絶対値を正確に知ることはできなく
とも、パルス幅を変える以外は同一の状況で、同一の目
標物からの反射波を受波し、増幅、波形整形等の受信処
理をしても受波パルス幅の比は維持される。単体魚から
の反射パルス幅は送信パルス幅にほぼ等しいから長パル
ス幅送信のときの受波パルス幅はτ1 であり、短パルス
幅送信のときの受波パルス幅はτ2 である。従って受信
処理後のパルス幅比はmとなる。これに対して、魚群の
場合の長パルス幅送信のときの受波パルス幅は数式4よ
【0021】
【数5】τ1 +(2R/C)
【0022】となり、短パルス幅送信のときの受波パル
ス幅は同じく数式4より
【0023】
【数6】τ2 +(2R/C)
【0024】となり、数式5と数式6の比は
【0025】
【数7】 {τ1 +(2R/C)}/{τ2 +(2R/C)}≠m
【0026】のようにmとはならない。同様に海底反射
も海底表面からだけではなく地層内からも反射されるの
で、送信パルス幅よりも広い反射パルス幅となり反射パ
ルス幅の比はmとはならない。また、雑音は全くランダ
ムであるから比の値を維持することはないし、干渉は自
送信のパルス幅と無関係であるから比の値を維持するこ
とはない。
【0027】従って、パルス幅が長短の送信を行ったと
きの受信処理後のパルス幅比がm±許容範囲であればそ
の受信信号は単体魚からの反射波によるものであること
になるし、m以外の或る値を示す場合には魚群からの反
射波であることを示すことになる。以下、前記手段構成
に沿って作用を説明する。
【0028】本発明では送信制御部が送信部にパルス幅
τ1 とパルス幅τ2 の送信を指定の順序で行わせる。受
波信号はいずれの場合も波形整形回路で矩形波状に整形
される。整形された信号は、送信パルス幅がτ1 のとき
は第1の記憶回路へ記憶され、送信パルス幅がτ2 のと
きは第2の記憶回路へ記憶される。判定回路は両記憶回
路から信号を読み出し、同じ目標物から反射受波信号同
士のパルス幅の比を算出し、その値が(τ1 /τ2 )±
許容範囲内にあるか否かを判定し、判定信号を出力す
る。かくして、従来技術よりは確実に単体魚と魚群や海
底信号その他とを判別し得る。
【0029】
【実施例】以下、本発明回路の実施例を図面を参照して
説明する。図1は本発明回路の実施例の構成ブロック図
である。1は送信信号を発生する送信部、2は送信信号
を受けて海中に音波を送受波する送受波器、3は受信信
号を魚体1尾(単体魚)からの反射強度を距離に無関係
にするための魚体用TVG受信増幅部、5は送信パルス
幅を、任意の基準τと、それの任意の倍数m・τで送信
毎に交互に切換えて送信部1に送る送信制御部、6はT
VG付受信増幅部3の受信出力信号電圧をDC化してデ
ィジタル化するA/D変換器、7はA/D変換された受
信器出力信号電圧を、任意設定のスレッショルドレベル
値以上か否かを判定し、以下を雑音とみなして捨て、以
上をエコーのパルス幅とみなすスレッショルド部、8は
送信制御部5の送信パルス幅τとm・τに応じて切り替
わるスイッチよりなる切換部、9は切換部8の切換によ
り選択されたτの送信パルス幅による受信エコーを記憶
するためのメモリ、10はm・τの送信パルス幅による
受信エコーを記憶するためのメモリ、11はメモリ9と
メモリ10のメモリ内容のパルス幅を同一水深毎に連続
的に比較し、1:mのパルス比に近似しているエコーの
みを単体エコーと判定する単体エコー判定部である。
【0030】送信制御部5では、一般の魚探および計量
用魚探と同様にある周期で送信用のパルス時間幅τを送
信部1に送る。但し、本実施例では送信毎にパルス幅
を、τとm・τで交互に送る。しかし、送信の順序は交
互に限定されるものではない。この制御によって送受波
器2で出力する受信信号は、図2に示すように、魚体
と、魚群、雑音に対してパルス幅の変化がある。ここに
特徴として、送信パルス幅に比例しているのは、魚体1
尾だけからの反射信号である。この信号をTVG付受信
増幅部3、A/D変換器6を通し、スレッショルド部7
を出力することにより反射波のパルス幅(雑音も含む)
を検出する。本実施例ではスレッショルドレベルを設け
て波形を整形しているがパルス幅情報が残る他の波形整
形回路であってもよい。
【0031】切換部8は、送信制御部5がτのパルス幅
を出力した時の受信エコーをメモリ9に入力し、m・τ
のパルス幅による受信エコーをメモリ10に入力する。
又これらのメモリは、常に新しい入力により書き換えら
れる。この両者のメモリを、音波の発射時から、パルス
幅に比べて充分短い時間幅(Δr)で水深方向に比較す
る。この比較値が1:mに近似しているパルスを抽出す
ることにより、単体エコーを抽出することになる。
【0032】図2は、上記説明の概略を図示したもので
ある。(イ)の条件の如く魚が分布していた場合で、パ
ルス幅τと、前記説明のm・τのmを2とした2τで交
互に送信した例である。(ロ)はパルス幅τでの反射
波、(ハ)は2τでの反射波、(ニ)はパルス幅τでの
A/D変換器6の出力(ディジタルを説明用にアナログ
化して記してある)、(ホ)はパルス幅2τでの出力で
あり、各々任意のスレッショルドレベルを鎖線で併記し
てある。(ヘ)はパルス幅τでのスレッショルド部7の
出力、(ト)はパルス幅2τでの出力であり、各々、メ
モリ9とメモリ10の内容である。
【0033】ここに両データを単体エコー判定部11で
パルス幅の判定を行うと、図2から明らかなように、同
一水深からの立上りによるパルス幅の比が1:2すなわ
ち送信パルス幅の比と等しいのは、単体エコーだけであ
る。尚、図中(ヘ)(ト)には、雑音パルスも記してあ
る。これも明らかに送信パルス幅とは関連性がなく、判
定により捨てられる。
【0034】尚、実際の装置化においては、τとm・τ
の比すなわち1:mの判定においては、適当なる許容値
の幅を単体エコー抽出にて持たせて、エコーの変動によ
り、単体エコーを非単体エコーと判断してしまう誤計測
を防ぐようにしている。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の単体魚判
別回路は、長短2種類のパルス幅で送信した場合、受波
信号におけるパルス幅比は、単体魚からの反射受波信号
の場合には送信パルス幅比になり、魚群や海底からの反
射受波信号では送信パルス幅比にならない点に着眼し、
長パルス幅送信のときの反射受波信号と短パルス幅送信
のときの受波信号の同じ目標からの反射信号同士のパル
ス幅比が送信パルス幅比±許容範囲内に入るか否かを判
定するようにしたので受波レベルや、受信利得や、目標
までの距離に関係なく従来よりも確実に単体魚からの反
射受波信号を判別抽出することができるという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施例における動作説明波形図であ
る。
【図3】従来の計量用魚群探知機のブロック図である。
【図4】単体魚と魚群の従来装置における表示画像によ
る判定状況説明図である。
【符号の説明】
1 送信部 2 送受波器 3 魚体用TVG付受信増幅部 4 魚群用TVG付受信増幅部 5,5′ 送信制御部 6 A/D変換器 7 スレッショルド部 8 切換部 9,10 メモリ 11 単体エコー判定部 12 単体魚エコー 13 魚群エコー 14 干渉雑音

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信部に、パルス幅τ1 の超音波送信パ
    ルスとパルス幅τ2の超音波送信パルスを指定された順
    序で送信させる送信制御部と; 受波信号を矩形波状に
    整形する波形整形回路と; 送信パルス幅がτ1 のとき
    の受波信号の波形整形信号を記憶する第1の記憶回路
    と; 送信パルス幅がτ2 のときの受波信号の波形整形
    信号を記憶する第2の記憶回路と; 第1の記憶回路に
    記憶された信号と第2の記憶回路に記憶された信号を読
    み出し対応する矩形波同士の幅を比較し、その比が(τ
    1 /τ2 )±許容範囲内にあるか否かを判定し判定信号
    を出力する判定回路と; を具備することを特徴とする
    魚群探知機の単体魚判別回路。
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