JPH11512760A - ラベル及び接着テープ用感圧ホットメルト接着剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、a）少なくとも１種のエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体またはエチレン−アクリル酸ブチル共重合体b)固体粘着付与樹脂c)液体粘着付与樹脂d)酸化防止剤、及びe)任意に希釈剤を含むことを特徴とする感圧ホットメルト接着剤組成物に関する。本発明は、該感圧ホットメルト接着剤組成物をラベル及び接着テープ、特に皮膚との接触を意図したテープの製造に使用することにも関する。

Description

【発明の詳細な説明】 ラベル及び接着テープ用感圧ホットメルト接着剤 本発明は、感圧ホットメルト接着剤組成物に関するものであり、ラベル及び接 着テープ、特に皮膚との接触を意図したテープの製造に前記組成物を用いること にも関する。 接着テープの製造には、通常、有機溶剤に懸濁または溶解させた接着剤を用い る。これらの接着剤を使用する場合、溶剤を蒸発させる工程を行う必要があり、 これにより一方では生産速度が制限され、他方では毒性を有する排液が生成し、 この排液の除去には経費と技術を要することが判っている。 溶剤の使用を回避するために、感圧ホットメルト接着剤の使用が提案されてい る。 WO 93/23488 には、表面エネルギーの低い材料（例えば、ポリエチレンフィル ムや不織布）を接着結合させる接着剤が提案されている。この接着剤には、７５ 〜９８％のジブロック共重合体(diblock copolymer)Ａ−Ｂ(式中、Ａは主にポリ スチレンまたはその誘導体からなり、Ｂはポリ−１，３−ブタジエンである)、 並びに固体の粘着付与樹脂と液体または油状の粘着付与樹脂とからなる混合物が 含まれる。 米国特許第5,290,842号には、ラベルを接着糊貼するための組成物が記載され ており、該組成物は周囲温度で良好な凝集力を示す。この組成物には、第一エラ ストマー（例えば、ポリブタジエン）及び第一エラストマーよりもガラス転移温 度の高い第二エラストマー（例えば、ポリイソプレン）及び第二エラストマーと 混和性の粘着付与剤が含まれる。 EP 0104005-Aには、女性用衛生用品(female protection)を衣服へ接着結合さ せる接着剤組成物が記載されている。この組成物には、Ａ−Ｂ−Ａ型の粘弾性重 合体［式中、Ｂはポリオレフィン（例えば、エチレン−ブチレン共重合体）を表 し、Ａはポリスチレンを表す］及び粘着付与剤が含まれる。 さらに、WO 93/10734には、女性用衛生用品を絹、綿及び合成繊維上に固定 (positioning)する接着剤が提案されている。この接着剤には、６〜２５％の式 （Ａ−Ｂ）_n−Ｙの共重合体（式中、Ｙは多価カップリング剤であり、Ａは芳香 族基で置換されたビニルモノマーであり、Ｂはポリブタジエンである）及び３０ 〜７０％の相溶性粘着付与樹脂及び１０〜４０％の可塑化用油が含まれる。 上述の感圧熱可塑性接着剤は、溶剤の使用を回避することが可能であるが、完 全に満足のいくものではない。従って、この接着剤で被覆された接着テープには 、剥がす際に接着剤が支持体上へ移行する傾向がある。さらに、該接着テープは 皮膚に接触している状態では発汗に対する耐性が弱い。 本発明は、凝集力に優れ、耐湿性の良好な新規な感圧ホットメルト接着剤組成 物を提案する。この組成物は、 a）少なくとも１種のエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸 メチル共重合体またはエチレン−アクリル酸ブチル共重合体 b)固体粘着付与樹脂 c)液体粘着付与樹脂 d)酸化防止剤、及び e)任意に希釈剤 を含むことを特徴とする。 本明細書中「固体粘着付与樹脂」とは、６０℃よりも高い環球式軟化点を示す 粘着付与樹脂を意味する。 本明細書中「液体粘着付与樹脂」とは、６０℃よりも低い環球式軟化点を示す 粘着付与樹脂を意味する。 本発明の他の主題は、前記感圧ホットメルト接着剤組成物をラベル及び接着テ ープの製造に使用することであり、特に、例えば包帯(bandage)や包帯(dressing )等の皮膚に接着結合させることを意図した接着テープの製造に使用することで ある。 本発明の共重合体は、通常、酢酸ビニルまたはアクリル酸メチルもしくはブチ ルの含有量が１５〜６５重量％、好ましくは３０〜５０重量％である共重合体か ら選択する。 メルトインデックスが１〜１０００、好ましくは２〜５００の共重合体を用い るのが好ましい。 このような共重合体は、エチレン及び酢酸ビニルまたはアクリル酸メチルもし くはブチルから高圧ラジカル重合によって通常得ることができる(例えば、米国 特許第5,298,582号参照)。 本発明の固体粘着付与樹脂は、通常、天然または改質（例えば、二量化、水素 化または高分子化）したロジンエステル(ペンタエリスリトール、ジエチレング リコール及びグリセロールエステル等)、ポリテルペン樹脂(α−ピネンジペンテ ン等)、テルペンとスチレン、ビニルトルエン及びα−メチルスチレン等の芳香 族モノマーとの共重合体、テルペンフェノール樹脂(DRT 製 Dertophene T 等)、 水素化されていないかまたは部分的にもしくは完全に水素化されている脂肪族及 び／または芳香族の性質の炭化水素樹脂、並びにこれらの化合物の混合物から選 択する。 特に、接着剤を皮膚に接触させることを意図する場合には、好ましくは炭化水 素樹脂を用いる。 環球式軟化点が６０〜１４０℃、好ましくは８０〜１２０℃であるこのような 固体樹脂を用いるのが有利である。 本発明の液体粘着付与樹脂は、通常、天然または改質（例えば、二量化、水素 化または高分子化）したロジンエステル(グリセロール並びにジ−及びトリ−エ チレングリコールエステル等)、ポリテルペン樹脂(α−ピネンジペンテン等)、 テルペンとスチレン、ビニルトルエン及びα−メチルスチレン等の芳香族モノマ ーとの共重合体、テルペンフェノール樹脂、水素化されていないかまたは部分的 にもしくは完全に水素化されている脂肪族及び／または芳香族の性質の炭化水素 樹脂、並びにこれらの化合物の混合物から選択する。 特に、接着剤を皮膚に接触させることを意図する場合には、好ましくはポリテ ルペン樹脂及び炭化水素樹脂を用いる。 環球式軟化点が４０℃よりも低いこのような液体樹脂を用いるのが好ましい。 酸化防止剤は、通常、立体障害フェノール型化合物(Ciba Geigy 製 Irganox 等)、アミン類、ホスフィット類及びこれらの化合物の混合物から選択する。 本発明の希釈剤は、使用する共重合体に相溶性の希釈剤であればいずれのタイ プのものからも選択することができる。ポリブテン、ジオクチルフタレート(DOP )、ジイソノニルフタレート(DINP)またはジイソデシルフタレート(DIDP)等のフ タレート、並びにナフテン系またはパラフィン系の油を用いるのが好ましい。 本発明の感圧ホットメルト接着剤組成物は、通常１２０℃〜１５０℃の温度に て上述の各種成分を混合することにより得られる。 本発明の感圧ホットメルト接着剤組成物は、通常、３０〜５０重量％、好まし くは３０〜４０重量％の共重合体、１０〜４０重量％、好ましくは１５〜３５重 量％の固体粘着付与剤、１０〜４０重量％、好ましくは１５〜３５重量％の液体 粘着付与樹脂、０．１〜２重量％の酸化防止剤及び０〜２０重量％の希釈剤を含 む。 該組成物を皮膚に接触させることを意図する場合には、希釈剤の使用を避ける のが好ましい。 本発明の感圧ホットメルト接着剤組成物は、いずれのタイプのラベル及び接着 テープの製造にも用いることができる。単なる例示として、ポリエチレン、ポリ プロピレン及びポリ塩化ビニルをベースとするフィルム等の基材の、例えばブッ クノズルを用いた被覆を挙げることができる。 発汗に対する耐性を有するため、本発明の組成物は、特に接着包帯やばんそう こう等の皮膚に使用する接着テープの製造に推奨される。さらに、このようなテ ープは、周囲温度よりも３７℃付近の温度で使用する方が接着力が大きいため、 誤って貼付しても皮膚上でテープを容易に固定し直すことが可能である。 以下の実施例により本発明を例示することにする。 実施例では、応力下での剪断強さ（定着力）をPSTC標準７に従って測定する。 １８０°剥離をPSTC標準１に従って測定する。 Ｔ形剥離試験は、試験すべき接着剤で被覆した基材を基材自身の上へ折り返し 、折り返した基材を適度に指圧し、接着結合した部分を剥がす方法により測定す る。試験は、基材が結合前の外観と接着特性を保持すれば合格である。実施例１ 以下の化合物（重量％）を混合することにより感圧ホットメルト接着剤組成物 を調製した。 −EVA 4055 ３２．０ （エチレン−酢酸ビニル共重合体；酢酸ビニル：４０％、メルトインデッ クス：５５；Bayer製） −液体石油樹脂（ECR 2520; Exxon製） ３８．８ −固体石油樹脂（ECR 368 LC;Exxon製） ２９．０ −酸化防止剤（IRGANOX 1010; Ciba Geigy製） ０．２ このようにして得られた組成物をポリ塩化ビニルフィルム上に４０g/m²の速度 で被覆し、包帯を形成した。 被覆基材の定着力は５０mmに等しく、１８０°剥離は２３℃で１８Ｎ／２５mm であり、４０℃で３６Ｎ／２５mmであった。 Ｔ形剥離試験に合格した。 包帯を皮膚へ貼付すると、接着剤が皮膚上へ移行することなく皮膚の裂傷が癒 合することが判明した。実施例２ 以下の化合物（重量％）の存在下にて実施例１の条件に従った。 −EVA4055 ３０．０ （エチレン−酢酸ビニル共重合体；酢酸ビニル：４０％、メルトインデッ クス：５５；Bayer製） −液体石油樹脂（ECR 2520; Exxon製） ３６．８ −固体石油樹脂（Escorez 5320; Exxon製） ３３．０ −酸化防止剤（Irganox 1010; Ciba Geigy製） ０．２ 被覆基材（包帯）の定着力は８０mmに等しく、１８０°剥離は２３℃で１９Ｎ ／２５mmであった。 Ｔ形剥離試験に合格した。 被覆基材を皮膚へ貼付すると、接着剤が皮膚上へ移行することなく皮膚の裂傷 が癒合することが判明した。実施例３ 以下の化合物（重量％）の存在下にて実施例１の条件に従った。 −Lotryl 28MA175 ３２．０ （エチレン−アクリル酸メチル共重合体；アクリル酸メチル：２８％、メ ルトインデックス：１７５；Elf Atochem S.A.製） −液体石油樹脂（ECR 2520; Exxon製） ２９．０ −固体石油樹脂（ECR 385; Exxon製） ３８．８ −酸化防止剤（IRGANOX; Ciba Geigy製） ０．２ 被覆基材（包帯）の定着力は７mmであり、１８０°剥離は２３℃で２５Ｎ／２ ５mmであった。 Ｔ形剥離試験に合格した。 被覆基材を皮膚へ貼付すると、接着剤が皮膚上へ移行することなく皮膚の裂傷 が癒合することが判明した。実施例４ 以下の化合物（重量％）を混合することにより、粘着ホットメルト組成物を調 製した。 −Lotryl 28MA175 ３０．０ （エチレン／アクリル酸メチル共重合体；２８％アクリル酸メチル；メル トインデックス：１７５；Elf Atochem S.A.製） −Lotryl 35BA320 １５．０ （エチレン／アクリル酸ブチル共重合体；３５％アクリル酸ブチル；メル トインデックス：３２０；Elf Atochem S.A.製） −液体石油樹脂（ECR 2520; Exxon製） ２５．０ −固体石油樹脂（ECR 6372; Exxon製） ２９．８ −酸化防止剤（Irganox 1010; Ciba Geigy製） ０．２ このようにして得られた組成物のブルックフィールド粘度は１６０℃で６００ ０mPaに等しく、環球式軟化点は６６℃に等しかった。 この組成物をポリ塩化ビニルフィルム上に４０g/m²の速度で被覆し、包帯を形 成した。 Ｔ形剥離試験に合格した。 包帯を皮膚へ貼付すると、接着剤が皮膚上へ移行することなく皮膚の裂傷が癒 合することが観察された。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｃ０９Ｊ 133/08 Ｃ０９Ｊ 193/04 193/04 Ａ６１Ｌ 15/06 (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，Ｉ Ｓ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ， ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，Ｓ Ｄ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 ボルダト，ジーン−マリー フランス国 エフ−60170 ベリー ル ド ラ バテリー−ヘネクイン 19

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． a）少なくとも１種のエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ ル酸メチル共重合体またはエチレン−アクリル酸ブチル共重合体 b)固体粘着付与樹脂 c)液体粘着付与樹脂 d)酸化防止剤、及び e)任意に希釈剤 を含むことを特徴とする感圧ホットメルト接着剤組成物。 ２．前記共重合体において、酢酸ビニル、アクリル酸メチルまたはアクリル酸ブ チルの含有量が３０〜５０％であることを特徴とする請求項１記載の組成物。 ３．前記共重合体のメルトインデックスが１〜１０００であることを特徴とする 請求項２記載の組成物。 ４．前記固体粘着付与樹脂の環球式軟化点が６０〜１４０℃であることを特徴と する請求項１〜３のいずれか一項に記載の組成物。 ５．前記樹脂が、ロジンエステル、ペンタエリスリトールエステル、ポリテルペ ン樹脂、テルペンと芳香族モノマーの共重合体、テルペンフェノール樹脂、脂肪 族及び／または芳香族の性質の炭化水素樹脂並びにこれらの化合物の混合物から 選択されることを特徴とする請求項４記載の組成物。 ６．前記液体粘着付与樹脂の環球式軟化点が４０℃よりも低いことを特徴とする 請求項１〜５のいずれか一項に記載の組成物。 ７．前記樹脂が、ロジンエステル、グリセロール、ジ−またはトリ−エチレング リコールエステル、ポリテルペン樹脂、テルペンと芳香族モノマーの共重合体、 テルペンフェノール樹脂、脂肪族及び／または芳香族の性質の炭化水素樹脂並び にこれらの化合物の混合物から選択されることを特徴とする請求項６記載の組成 物。 ８．３０〜５０重量％の共重合体、１０〜４０重量％の固体粘着付与剤、１０〜 ４０重量％の液体粘着付与樹脂、０．１〜２重量％の酸化防止剤及び０〜２０重 量％の希釈剤を含むことを特徴とする請求項１〜７のいずれか一項に記 載の組成物。 ９．ラベル及び接着テープを製造するための請求項１〜８のいずれか一項に記載 の組成物の使用。 10．前記テープが皮膚への貼付を意図したものであることを特徴とする請求項９ 記載の使用。 11．請求項１〜８のいずれか一項に記載の組成物を含んでなる接着テープ。 12．請求項１〜８のいずれか一項に記載の組成物を含んでなる接着包帯。 13．請求項１〜８のいずれか一項に記載の組成物を含んでなる接着ばんそうこう 。 14．請求項１〜８のいずれか一項に記載の組成物を含んでなる接着ラベル。