JPH11512619A - 新しい血小板活性化タンパク質 - Google Patents

新しい血小板活性化タンパク質

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JPH11512619A JP9514450A JP51445097A JPH11512619A JP H11512619 A JPH11512619 A JP H11512619A JP 9514450 A JP9514450 A JP 9514450A JP 51445097 A JP51445097 A JP 51445097A JP H11512619 A JPH11512619 A JP H11512619A
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Abstract

(57)【要約】 配列番号:1と少なくとも70%相同な配列を有する実質的に純粋な血小板活性化ポリペプチド、及びこのようなポリペプチドをコードするDNAについて開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 新しい血小板活性化タンパク質 関連出願の相互参照 本出願は、1995年10月6日出願の、米国特許出願第60/005,074号にもとづく優 先権を請求するものである。 連邦支援研究としての申告 本発明は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)に付与された 認可番号HL-02348の下、政府支援により成された。 発明の背景 本発明は血小板活性化タンパク質に関する。 正常な止血システムは、血管壁を構成する成分、循環血液中の血小板及び血漿 タンパク質の間の一連の複雑な相互作用によって、出血および血栓症を調節する 。 血管の損傷は、血液のタンパク質、液体、及び細胞性成分の急速な消失を引き 起こすため、動物は、血管につぎをあて、その修復を開始する素早い反応を発達 させてきた。これらの素早い反応は、血管損傷に反応するために高度に専門化し た細胞である血小板によって開始される。通常、血小板は、休止状態で接着性を 持たない細胞として血液中を循環しており、血管の健全な状態を監視している。 血管損傷に反応して、血小板は内皮のはがれた領域に接着し活性化する。血小板 の活性化によって、細胞内では、著しい形態的及び機能的な変化が誘導される。 血小板は形を変化させ、他の血小板と凝集し、他の細胞に接着する。完全に活性 化されると、血小板は、リソソーム、アルファ、及びデンス顆粒の内容物を分泌 し、それによって接着分子、増殖因子、凝固酵素およびそのほかの特殊な分子を 発現する。活性化状態の血小板により発現される分子は、血液の損失を食い止め る複雑な細胞学的及び生化学的な多くの過程を引き起こし、血管修復過程を開始 させる。 血管損傷に反応して血小板によって開始される細胞学的及び生化学的な過程は 、生命を救うこともできるが、こうした損傷がない場合には、これらの同様の過 程が有害にもなりうる。例えば、動脈での無制御な血小板血栓症は、器官への血 液供給を阻害し、脳梗塞、心臓発作、および四肢の壊死を引き起こすことがある 。 発明の概要 活性化状態のヒト血小板に優先的に発現し、休止状態の血小板では発現しない 、活性化血小板タンパク質-2(APP-2)と命名された新規ポリペプチドが発見さ れた。 本発明は、分子量約25キロダルトン(kDa)の血小板活性化ポリペプチドをコ ードする、実質的に純粋なDNAを含む。非還元条件のもとでは、このタンパク質 は、他の2つのタンパク質と共有結合した145 kDaの複合体として、天然に見ら れる。ヒト血小板で発現される25 kDaのポリペプチドは、少なくとも2つの推定 リン酸化部位を有する。本発明のタンパク質は、モノクローナル抗体(MAb)3B2 に結合する1つのエピトープを含むものとして特徴づけられる。 好ましくは、コードされるポリペプチドはヒトAPP-2であり、これは、配列番 号:4(例えば配列番号:1でコードされるタンパク質)のアミノ酸配列の少な くとも95%を含んでいる。こうしたDNAの好ましい実施例は、配列番号:3の塩 基配列または配列番号:3のあらゆる縮重変異体をも含む。 最も好ましくは、このDNAは配列番号:2の塩基配列または配列番号:2のあ らゆる縮重変異体をも含む。 少なくとも12塩基の配列、例えば少なくとも20塩基、50塩基、100塩基または それ以上の、配列番号:2の配列を有するDNAまたはその相補鎖に対して、スト リンジェンシーの高い条件でハイブリダイズするプローブを含む、実質的に純粋 なDNAもまた、本発明に含まれる。細胞でのAPP-2の発現は、(a)細胞から得たm RNAを、標識したハイブリダイゼーションプローブ、例えばAPP-2の断片をコード する単離DNAを1本鎖セグメントと接触させ、(b)プローブとこのmRNAとのハイ ブリダイゼーションを検出することによって、検出できる。 「ストリンジェンシーが高い」とは、以下のDNAハイブリダイゼーションおよ び洗浄の条件を意味する:50%ホルムアミド存在下で、42℃でハイブリダイゼー ション;1%SDSを含む2 x SSCを用い、65℃で最初の洗浄;続いて0.1 x SSCを用 い、65℃で2度目の洗浄。 「実質的に純粋なDNA」とは、本発明のDNAが由来する生物の天然のゲノムでは 、対象となるDNA配列に接している遺伝子から遊離していることを意味する。そ れ故この用語には、例えば、ベクター、自律的に複製するプラスミドもしくはウ イルス、または原核細胞または真核細胞のゲノムDNAに組み込まれた組換えDNA、 または他の配列とは独立した、分離された分子として存在する組換えDNA(例え ば、cDNAもしくはゲノムDNAまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)もしくは制限酵 素エンドヌクレアーゼでの消化によって作成されたcDNA断片が含まれる。これは また、(a)例えば融合タンパク質のような、付加的なポリペプチド配列をコー ドするハイブリッド遺伝子の一部、または(b)自然には発生しない塩基配列( 例えば、天然の配列の縮重変異体または天然には発生しない突然変異を含む配列 )を有する組換えDNAも含んでいる。また、配列番号:2の一部を含み、例えば 配列番号:1のアミノ末端とは異なるアミノ末端を有するポリペプチドのような 、APP-2の選択的スプライシング変異体をコードする組換えDNAも含む。 このDNAは、配列番号:1または3のコード配列と少なくとも約50%相同で、 および好ましくは少なくとも70%(例えば80%、90%または95%)一致する。2 つの核酸またはポリペプチド配列間の相同性とは、適合する位置または同一の位 置にあるものの数の直接的な関数である。たとえば、2つの配列において、とも に、サブユニットの位置が、同一の単量体からなるサブユニットである場合、例 えば2つのDNA分子の各々の位置がアデニンである場合に、これらはその位置で 一致する。例えば半分、例えば10塩基の長さの配列のうち5つの位置において一 致する場合、これらの配列は50%の配列相同性を有する。比較する配列の長さは 、一般的に少なくとも50塩基、好ましくは少なくとも60塩基、より好ましくは少 なくとも75塩基、最も好ましくは100塩基である。配列の相同性は、典型的には 配列解析ソフトウエア(例えば、Genetics Computer Groupの配列解析ソフトウ エアパッケージ(Sequence Analysis Software Package)、Wisconsin大学バイ オテクノロジーセンター、1710 University Avenue、Madison、WI 53705)を用 いて測定される。配列相同性の百分率を計算する目的では、ギャップはミスマッ チと考えられる。 本発明はまた、配列番号:1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする DNAを含むベクター、例えば、このポリペプチドを発現するためのプロモーター または他の調節配列にコード配列を機能的に結合させた構築物、およびこうした ベクターを含む細胞をも含む。この細胞は、原核細胞または真核細胞(例えばヒ ト細胞のような哺乳類細胞)であり、好ましくは配列番号:2でコードされる組 換えポリペプチドを発現している細胞でありうる。 本発明は、上記のような、実質的に純粋な血小板活性化ポリペプチドをも含む 。「血小板活性化ポリペプチド」とは、動物の休止状態の血小板と比べて、活性 化状態の血小板で天然に優先的に発現しているタンパク質のアミノ酸配列を有す るポリペプチドを意味する。好ましくは、この動物は脊椎動物、例えばヒトを含 む霊長類のような咄乳類である;または、哺乳類は、ラット、マウス、ウサギ、 モルモット、ハムスター、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、イヌまたはネコで ある。 好ましくは、このポリペプチドは、例えばFlag-APP-2融合タンパク質の形態で 、ヒトAPP-2のアミノ酸配列(配列番号:1)を含む。「ポリペプチド」という 用語は、長さや翻訳後修飾(例えばグリコシル化またはリン酸化)とは無関係に 、アミノ酸のいかなる鎖をも意味する。このポリペプチドのアミノ酸配列は、保 存的なアミノ酸置換、例えば、同じクラスの他のアミノ酸の一つへの置換(例え ばバリンをグリシンへ、アルギニンをリジンへ等)によって、またはタンパク質 の機能(たとえばMAb 3B2への結合または145 kDa複合体中での共有結合)を破壊 しないアミノ酸配列の位置での1つまたはそれ以上の非保存的な置換、欠失また は挿入によってのみ、配列番号:1とは異なっている。好ましくは、血小板活性 化ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号:1と、少なくとも50%、より好ま しくは70%、更により好ましくは85%または90%、最も好ましくは95%相同であ る。 「実質的に純粋なポリペプチド」とは、天然でそれに付随している構成要素か ら分離したポリペプチドを意味する。典型的には、そのポリペプチドが天然で付 随しているタンパク質およびその他の天然の有機分子から、重量で少なくとも60 %分離されているときに、ポリペプチドが実質的に純粋であるという。好ましく は、調製物の純度は、重量で少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%、 最も好ましくは99%である。実質的に純粋なAPP-2ポリペプチドは、例えば天然 材料(例えば哺乳類の血小板)からの抽出によって;APP-2ポリペプチドをコー ドする組換え核酸の発現によって;細胞または無細胞系中で;または化学的にタ ンパク質を合成することによって、得ることができる。純度は、例えばMAb 3B2 を用いた免疫親和性クロマトグラフィーのようなカラムクロマトグラフィー、ポ リアクリルアミドゲル電気泳動、またはHPLC分析のような、いかなる適当な方法 によっても測定できる。 タンパク質が天然の状態で付随している夾雑物から分離されているとき、その タンパク質は天然で付随している構成要素から実質的に分離されているという。 このため、化学的に合成されたタンパク質、またはそのタンパク質が天然に由来 する細胞とは異なる細胞系で産生されたタンパク質は、天然で結合している構成 要素を実質的に含まないといえる。従って、実質的に純粋なポリペプチドとは、 真核生物に由来するものだけでなく、大腸菌または他の原核生物で合成されたも のも含む。 実質的に完全長のポリペプチドに加えて、本発明は、これらのポリペプチドの 断片も含む。本明細書中で用いられるように、ポリペプチドに対して「断片」と は、通常少なくとも10残基、より典型的には少なくとも20残基、および好ましく は少なくとも60残基の長さである。APP-2ポリペプチドの断片は、当業者には公 知の方法で作成することができる。候補となる断片が、APP-2の特徴を示すこと ができるか否か(例えばMAb 3B2または他の抗体APP-2抗体との結合)は、本明細 書に記載の方法によって測定できる。配列番号:2の一部分によりコードされる APP-2ポリペプチド、例えば選択的mRNAスプライシングまたは選択的タンパク質 プロセッシングの産物、または膜貫通ドメインおよび/もしくは細胞内ドメイン のようなAPP-2の配列の一部が削除されたものも本発明に含まれる。膜貫通ドメ インの配列は、通常、膜貫通ドメインに特徴的な疎水性残基が優先的に含まれて いる部分を同定することにより決定される。 本発明は、APP-2の少なくとも20アミノ酸を含むポリペプチドも含む。好まし くは、このポリペプチドはAPP-2の少なくとも50アミノ酸を、より好ましくは少 なくとも100アミノ酸を、更に好ましくは少なくとも200アミノ酸を、最も好まし くは 少なくとも300アミノ酸を含んでいる。好ましくは、このポリペプチドは、APP-2 の抗原性断片またはAPP-2の膜貫通ドメインを欠くAPP-2の可溶性断片である。 APP-2は、非還元条件下では、見かけの分子量が145 kDaの位置に移動する複合 体(APCOM)に共有結合した状態で発見された。この複合体は、APP-2に加えて少 なくとも2つのタンパク質を含む:1つは約45 kDaであり、1つは約15 kDaであ る。これらのタンパク質およびAPCOMは、全て本発明に含まれる。活性化されて いない血小板とは反対に、活性状態の血小板とこれが特徴的に結合することを利 用して、APCOMおよびその構成タンパク質は、活性化状態の血小板および血栓症 を診断するのに用いられる抗体(MAb 3B2のような)を産生するために用いるこ とができる。 本発明は、本発明の血小板活性化ポリペプチドに特異的に結合するポリクロー ナル抗体またはモノクローナル抗体をも含む。好ましくは、抗体はMAb 3B2であ るかまたはMAb 3B2と同一のエピトープに結合するものである。本発明は、完全 なモノクローナル抗体だけでなく、免疫学的に活性な抗体断片、例えばFabもし くは(Fab)2断片;操作された一本鎖Fv分子;または例えばマウス由来のある抗 体の結合特異性と、例えばヒト由来の別の抗体のその他の部分とを含む抗体など のキメラ分子をも含む。好ましい態様において、その抗体は、検出可能な標識、 例えば放射性標識、蛍光標識、常磁性体標識、または色素標識に結合している可 能性がある。 本発明は、生物学的試料中の活性化状態の血小板を検出する方法も含み、これ には、標識された抗体、例えば放射性標識されたMAb 3B2を試料と接触させる段 階、および該抗体が試料の構成要素に結合するか否かを検討する段階も含まれる 。抗体の結合により、試料がAPP-2ポリペプチド、従って活性化状態の血小板を 含んでいることが示される。 標識された抗体は、診断目的に用いることもできる。例えば、標識された抗体 、例えばMAb 3B2を動物に投与し、標識が動物体内のどこに局在するかを調べる ことによって、動物、例えば望ましくない血栓が疑われるヒトの患者において、 血小板血栓がどこにあるかを決めることができる。動物体内のある部位で標識が 検出されることにより、その部位に血小板血栓が存在することが示される。 本発明の抗体は、例えば動物体内の活性化状態の血小板に化合物を運ぶ方法の ような治療目的にも用いることができ、該方法には、抗APP-2抗体、例えばMAb 3 B2に結合させた化合物を含む組成物を動物に投与する段階が含まれる。好ましく は、この化合物とは、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、 組織型プラスミノーゲンアクチベーター、スタフィロキナーゼ、または吸血こう もり組織プラスミノーゲンアクチベーターのような、血栓を溶かす血栓溶解剤; ヘパリン、ヒルジンまたは第Xa因子もしくは第5a因子の阻害剤のような、血栓 の形成を阻害する抗血栓剤;血小板由来増殖因子またはヘパリン結合性増殖因子 阻害剤のような、血栓部位での細胞増殖、例えば平滑筋細胞の増殖を阻害する抗 増殖剤;または、平滑筋細胞の移動の阻害剤、たとえば、抗体または他の特異的 なウロキナーゼもしくはインテグリンの機能の阻害剤のような、血栓部位での血 管腔の閉塞に寄与する細胞の移動を予防または阻害する、抗細胞移動剤である。 治療用の薬剤は、抗APP-2 MAb、例えばMAb 3B2に対して、共有結合、例えばジ スルフィド結合または共有結合架橋剤を用いて結合させることができる。MAbお よび治療用の薬剤は、また、ペプチド結合で化合物の2つの構成要素を結合させ ることにより、遺伝子組換えによっても作り出すことができる。 本発明のこのほかの特徴および利点は、以下の詳細な説明および請求の範囲か ら明らかになると思われる。 図面の簡単な説明 図1aは、活性化状態の血小板を、対照抗体の抗ジゴキシンとインキュベートし た際の、免疫蛍光標識の実験結果を示す顕微鏡写真である。 図1bは、活性化状態の血小板をMAb 3B2とインキュベートした、免疫蛍光標識 の実験結果を示す顕微鏡写真である。 図2は、細胞を活性化させる前後に、MAb 3B2で検出したAPP-2の発現と、細胞 を活性化させる前後に抗P-セレクチン抗体で検出したP-セレクチン(活性化状態 の血小板の表面で選択的に発現する血小板活性化分子)の発現とを比較した棒グ ラフである。 図3は、MAb 3B2を用いて、ヒト血栓中におけるAPP-2の免疫学的検出を示す顕 微鏡写真である。 図4は、配列番号:1の塩基配列を示す。 図5は、配列番号:2のアミノ酸配列を示す。 図6は、配列番号:3の塩基配列を示す。 図7は、配列番号:4のアミノ酸配列を示す。 詳細な説明 APP-2 の性状解析 APP-2は、最初に2次元ゲル電気泳動を用いて同定し、単離した。APP-2は、非 還元状態および還元状態のもとで、それぞれ、145および25kDaの見かけの分子量 を示す位置に泳動された。APP-2は、活性化状態の血小板の表面上に、MAb 3B2が 結合することにより、検出することができる。血小板結合試験により、抗APP-2 は、活性化状態の血小板に優先的に結合し、しかもこの結合は飽和性であること が示された。スキャッチャー解析により、4.19 nMの結合定数を有する単一種の 結合部位が、血小板1個当たり約5000個存在することが示される。APP-2と血小 板細胞膜との結合に関する研究から、APP-2は膜に組み込まれたタンパク質であ ることが示唆される。APP-2をクローニングしたところ、APP-2は、既知のタンパ ク質の配列のいずれとも相同性を持たない配列を有する新規のタンパク質である ことが明らかになった。 以下に記述する実験手順を用いて、ヒトAPP-2のクローニングおよび性状解析 を行った。血小板の調製およびビオチン化 期限切れの血小板濃厚血漿を、血液バンクより入手した。分別遠心法により、 血小板を単離した後、1 mM EDTAを含む緩衝液A(3 mM Hepes、5.5 M グルコース 、137 mM No.Cl、2.7 mM KCl、3 mM NaH2PO4)の溶液で2回洗浄した。血小板を 二分して計数した。活性化させる分の血小板を緩衝液Aで洗浄し、1010細胞/mlの 濃度で、緩衝液B(2 mM CaCl2および1 mM MgCl2を含む緩衝液A)に再懸濁した。 ウシトロンビン(2 U/ml、Parke-Davis、Morris Plains、NJ)を加え37℃で30分 間インキュベートすることによって、血小板を活性化させた。第2の(休止状態 の)分の血小板は、並行して、ウシトロンビンを加えずに同様にインキュベート した。遠心(2500 rpm、20分)後、上清を回収して-80℃に凍結した。血小板の ペ レットを緩衝液Aで2回洗浄した。洗浄後、血小板を緩衝液Aに再懸濁した。新鮮 なNHS-LC-ビオチン(Pierce、IL; 40 mg/ml)を、血小板再懸濁液1 ml当たり10 μgの濃度で(休止状態または活性化状態の)血小板に加え、21℃で2時間撹拌 して標識した。標識後、血小板を遠心し、緩衝液Aで2回洗浄した後、20 mlの緩 衝液Aに再懸濁して、-80℃に保存した。調製用の2次元(2-D)ゲル電気泳動 2-D電気泳動用に、休止状態または活性化状態のビオチン化した血小板(期 限切れの血漿20ユニットより、上述の方法で調製したもの)を、試料用緩衝液( 0.125 M Tris Base、20% グリセロール、2% ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)) で、1:1(v/v)の濃度で希釈し、5分間煮沸した後、遠心した(3000 rpm、3 0分)。上清中のタンパク質は、21℃10分間のアセトン処理(1:4 v/v)で沈 殿させた後、遠心した(14,000 rpm、20分)。その後ペレットを10 mlの等電点 電気泳動用緩衝液[9.9 M 尿素、4% NP-40、2.2% 両性電解質(BIO-RAD Laborato ries、Hercules、CA;pH3〜10)、100 mM ジチオスレイトール]に再懸濁した。Ro tofor(登録商標)等電点電気泳動装置(BIO-RAD Laboratories)を用いて、調 製のための等電点電気泳動を行った。予備泳動は、45 mlの等電点電気泳動緩衝 液で、6Wで1時間行った。試料を加え、12Wで4時間の等電点電気泳動を行っ た。分画を65 x 12 mmのプラスティック製試験管に回収した。実験中に形成され たpH勾配を測定し、休止状態および活性化状態の血小板分画の比較を容易にする ため、各試験管のpHを測定した。上述の条件下では、等電点電気泳動により、再 現性を持って、3-10のpH勾配が形成された。休止状態および活性化状態の血小板 から得た、同様のpHの等電点電気泳動分画を、アセトン沈殿し、12%のSDS-ポリ アクリルアミドゲルで分離した。タンパク質を、2フッ化ポリビニリジン膜(PV DF)(Millipore、Bedford、MA)に電気的に転写し、5%脱脂粉乳で1時間ブロ ックした。ビオチン化したタンパク質を、0.1%BSAを含むアルカリホスファター ゼ緩衝液(0.1 M NaCl、0.1 M Tris、Base、0.005 M MgCl2、pH9.5)で希釈した ストレプトアビジン−アルカリホスファターゼ(Pierce、Rockford、IL;1μg/m l)で、30分間インキュベートすることにより検出した。膜を0.1%Tween-20(Sig ma、St.Louis、MO)を含むアルカリホスファターゼ緩衝液で3回洗浄した後、ニ トロブルーテトラ ゾリウム(330 μg/ml)および5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルリン酸(165 μ g/ml)を含むアルカリホスファターゼ緩衝液で発色させた。休止状態および活性 化状態の血小板から得たブロットを比較し、活性化状態の血小板でのみ特異的に 発現しているタンパク質のバンドを同定した。関心対象のタンパク質バンドを同 定した後、試料を2回に分けて、SDS-PAGEにより分離した。うち1組の試料のゲ ルの一部を、可逆的な陰性染色(Diversified Biotech、MA)で染色し、一方で 、2組の試料についてのビオチンの検出を、上述のように行った。ビオチン化タ ンパク質のバンドと適合する陰性染色のバンドをゲルから切り出し、4℃で、試 験管当たり10 mAmpで、一晩電気的に溶出した(25 mM Tris Base、192 mM グリ シン、0.1% SDS)。電気的に溶出したタンパク質をアセトン沈殿し、リン酸緩衝 食塩水(PBS)に再懸濁した。タンパク質試料の濃度は、クマシーブルー染色お よび銀染色により測定した。モノクローナル抗体の産生および精製 メスのBalb/Cマウス(Charles River、MA)に、電気的に溶出したタンパク質 を精製して皮下注射し、免疫した。免疫したマウスの抗体価が1/1250より高い希 釈度で検出可能になったとき、1匹のマウスの脾細胞を、標準的な融合パートナ ー細胞系、例えばsp2/0メラノーマ細胞系と融合させ、当技術分野において既知 の方法を用いて、ハイブリドーマ細胞を作成した。次に、ハイブリドーマ細胞が 、活性化状態の血小板に対する抗体を産生しているかどうかを、ラジオイムノア ッセイにより調べた。細胞培養液の上清(25μl)を、100 μlの緩衝液A中で107 トロンビン活性化血小板と共にインキュベートし、21℃で1時間反応させた。血 小板を、冷却した2 mlの緩衝液Aで洗浄した後、3000 rpmで15分間遠心した。そ の後、125Iで標識したヤギ抗マウス抗体(50,000 cpm)を各血小板ペレットに加 え、21℃で1時間インキュベートした。血小板を、再度洗浄し、遠心して上清を 除去した。血小板ペレットを、ガンマ計数器で計数した。選択したハイブリドー マを、限界希釈法によりクローン化した。モノクローナル抗体のアイソタイプは 、市販の試薬(Zymed、CA)を用いて決定した。例えばMAb 3B2を産生するような ハイブリドーマ細胞を増殖させ、マウスに接種して、腹水を産生させた。既知の 方法により、腹水からMAbを精製した。 精製したAPP-2ポリペプチド(APP-2の抗原性断片を含む)を、活性化状態の血 小板を休止状態の血小板と区別することのできる他のMAbを産生するための抗原 として用いることができる。MAb 3B2と同じまたは類似のエピトープに結合するM Abを同定するためには、精製したAPP-2ポリペプチド(または活性化状態の血小 板)を、検査するMAb、例えばハイブリドーマの組織培養上清または特異性の決 定されていないMAbを含む腹水、および、検出可能なマーカーで標識したMAb 3B2 と共に、同時または連続的のいずれかでインキュベートする。その後、活性化状 態の血小板または精製したAPP-2に対する、MAb 3B2の結合を測定する。被検抗体 の存在下における3B2抗体の結合の減少により、被検抗体がAPP-2上で、3B2と同 じまたは類似のエピトープに対して競合することが示される。抗体の放射性標識 精製したMAb 3B2を、放射性ヨードで、抗体1 ng当たり約15,000 cpmの比活性 に標識した。免疫蛍光法 クエン酸塩を添加した血液から、SEPHAROSE(登録商標)2Bアガロースビーズカ ラムを用いたゲル濾過により、血小板を回収した。血小板を緩衝液Bで希釈し、1 07個の血小板を、ガラス製の顕微鏡用スライドチャンバー(Nunc、Naperville、 IL;8穴/スライド)に入れた。細胞を21℃で2時間吸着させた。ウェルをPBS で3回洗浄し、ホルムアルデヒド中で5分間固定した後、PBSで4回洗浄した。 一次抗体を、21℃で90分間(1% BSAを含むPBS中、濃度1μg/mlで)インキュベー トした。各ウェルをPBSで3回洗浄した。37℃で二次抗体(ヤギ抗マウスFITC 1 :500、Boehringer、Germany)を1時間インキュベートした後、ウェルを更に3 回PBSで洗浄し、スライドに抗褪色剤(antifade)溶液(90%グリセロール、10 %PBS、1,4-ジアゾビシクロ[2,2,2]オクタン(25g/l))をマウントした。ス ライドを、カメラを搭載したニコンの倒立顕微鏡で、200xの倍率で観察した。ヒト血栓中のAPP-2の免疫学的検出 ヒトの大動脈血栓を、パラホルムアルデヒドで固定し、パラフィン包埋した。 パラフィンの連続切片を、対照の(抗ジゴキシン)MAb、抗P-セレクチンMAb、ま たはMAb 3B2でプローブした。結合したMAbは、ペルオキシダーゼを結合したヤギ 抗マウス抗体により検出した。発色後、切片を光学顕微鏡で可視化した。血小板活性化の検出 本発明のモノクローナル抗体は、血小板の活性化を、確実且つ正確に検出する ことができる。患者血液のような、生物学的試料中の血小板の活性化を検出する ためには、試料を、例えばMAb 3B2のような、血小板活性化特異的抗体と共にイ ンキュベートする。非結合抗体を洗浄除去し、結合抗体を、いずれかの標準的な 標識、または、例えば、酵素、放射性同位元素、蛍光化学物質および金属キレー ト剤のような、当技術分野では既知の抗体標識法を用いて、検出する。例えば、 本発明の抗体は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)に用いることができる。モノクローナル抗体の血小板への結合: 比較結合試験 クエン酸塩を添加したウサギ血液より血小板を単離し、上述の方法でゲル濾過 した。血小板(90 μl、107細胞)を、65 x 12 mmのプラスティック製試験管に 分注した。血小板の一部を、トロンビン(10 μl、1.5 U/ml)で活性化させ、37 ℃で10分間インキュベートした。別の一部(休止状態)の血小板を、トロンビン の非存在下で並行してインキュベートした。血小板を、0.4%の新たに調製した ホルムアルデヒドを含むリン酸緩衝液(pH 7.2、10 μl)で、30分間固定した。 中和溶液(20 mM NH4Cl、0.15 M NaCl、0.3 M Tris Base、pH 7.2)10 μlを加 えた後、血小板を、2 mlの緩衝液Aで洗浄した。遠心(3000 rpm、10分間)して 上清を除去した後、血小板を125Iで標識した抗APP-2抗体(100,000 cpm/試験管 )と共に30分間インキュベートした。洗浄後、結合抗体を、遠心して(3000 rpm 、10分)ペレットとして回収した。その後、ペレットをガンマ計数器で計数した 。飽和結合アッセイ 新鮮なヒト血液から、ゲル濾過により、血小板を単離した。血小板を、緩衝液 Bで、2.5 x 107mlに希釈し、各チューブに50 μlずつ分注した。緩衝液B中で、5 0 μlのトロンビン(0.3 U/ml)で、37℃15分間、細胞を活性化した。次に、阻 害剤としての非標識抗体(0.5 μg)の存在下および非存在下で、放射性標識し た抗体(50 μl、6260〜1,400,000 cpm)を、2組ずつ、各試験管に、次第に増 量して加えた。21℃で45分間インキュベートした後、冷却した緩衝液A(2 ml) を各試験 管に加え、試験管を3700 rpmで15分間遠心した。上清を除去した後、血小板に結 合した放射活性を、ガンマ計数器で計数した。免疫ブロッティング法 血小板、平滑筋細胞、CCRF-CEMリンパ芽球性白血病細胞(ATCC CCL 119)、DA MI巨核芽球細胞(Greenbergら、1988、Blood 72:1968-1977)、および赤血球細 胞(1から5 μgの間)を、試料緩衝液に再懸濁し、5分間煮沸した(還元状態の 試料には、β-メルカプトエタノールを加えた)。SDS-PAGEの後、タンパク質をP VDF膜に電気的に転写し、ブロッキングした。PVDF膜を、21℃で90分間、または4 ℃で一晩、一次抗体と共にインキュベートした。ブロットをTBSで洗浄し、二次 抗体(ヤギ抗マウスアルカリホスファターゼ 1:2000[KPL、Gaithersburg、MD] )と共に1時間インキュベートした。0.1% Tween-20を含むアルカリホスファタ ーゼ緩衝液で3回洗浄した後、結合抗体を、上述したように、比色計で検出した 。APP-2 の血小板細胞膜との結合 血小板濃厚血漿(PRP)(4 x 108、1 ml)中の血小板を、2 μMのカルシウム イオノフォア、A23187(Sigma)の存在下、37℃で1時間活性化させた。遠心(2 000rpm、20分)後、血小板を再懸濁し、1 mlの緩衝液Aで2回洗浄した。血小板 を、80 μlの、以下の溶液のいずれか一つに再懸濁した:緩衝液A;2 mM EDTAを 含む緩衝液A;1 M尿素;1 M MNaCl;0.1 M グリシンpH 2.8;0.1 M グリシンpH 11;または0.1%Triton-X 100を含む緩衝液A。21℃で1時間インキュベートした 後、試料を2000 rpmで20分間遠心した。血小板のペレットをそのままにして上清 を50 μl回収し、アセトン沈殿によって濃縮した後、試料緩衝液に再懸濁して、 7.5%のSDSゲルで電気泳動した。溶出液中に存在するAPP-2または対照のCD63を 、抗CD63モノクローナル抗体(1 μg/ml;Biodesign、Kennebunkport、ME)およ び抗APP-2を用いたイムノブロッティングにより検出した。血小板凝集に対する抗APP-2の効果 450 μlの緩衝液Aに懸濁した108個の血小板を、撹拌子を入れた血小板凝集計 キュベットに加えた。MAb 3B2(50 μl、最終濃度 5 または 50 μg/ml)をキュ ベットに加え、記録が光散乱に変わるまでの数分間インキュベートした(血小板 凝集計、Chrono-Log)。次に、5 μlのA23187(Sigma、最終濃度2μM)をキュベ ッ トに加え、血小板の凝集を、当技術分野では既知の標準的な方法を用いて測定し た。リン酸化実験 新たに単離したヒト血小板濃厚血漿(〜3 x 108細胞/mlで3.5 ml)を、〜950 μCiのH3 32PO4と混合し、37℃で1時間インキュベートした。次に、カルシウム イオノフォアA23187(2 μM)を加え、37℃で15分間インキュベートした。4℃で 、3000 rpmで10分間遠心して血小板を分離し、0.5%SDS、50 mM Tris-HCl(pH8. 0)、および1 mM ジチオスレイトールを含む溶液中で速やかに溶解させ、15分間 煮沸した。溶解液を、ラジオイムノアッセイ緩衝液で希釈し、13,000 rpmで60分 間、微量遠心機で遠心した。上清を、セファロースに結合させたMAb 64C5と共に 2時間インキュベートすることにより前処理した。次に上清を二分して、1 mlを 、セファロースに結合させたMAb 3B2またはMAb 64C5、各200 μlと、4℃で90分 間インキュベートした。上清を除去し、MAb-セファロースを、冷却したRIPA緩衝 液で2回洗浄した。遠心後、5%β-メルカプトエタノールを含む150 μlの試料 緩衝液を加え、ビーズを5分間煮沸した。試料を12.5%のSDS-ポリアクリルアミ ドゲルで電気泳動した。ヒト血小板溶解液を、対照として別のレーンに載せた。 2フッ化ポリビニリジン膜に電気的に転写した後、血小板溶解液をMAb 3B2で免 疫ブロットし、免疫沈降物をフォスフォールイメージャー(phosphorimager)( Molecular Devices、Sunnyvale、CA)で感光させた。APP-2 の分子クローニング ヒト骨髄由来のcDNAを含むλgt11のファージ(5'ストレッチ付き、cDNAライブ ラリー、Clontech、Palo Alto、CA)を、大腸菌Y1090細胞に感染させた後、LBア ンピシリンプレート上で、形成されたプラークが見られるまで、42℃で増殖させ た。イソプロピルチオβ-ガラクトシダーゼ(IPTG;10 mM)に前もって浸した後 乾燥させたニトロセルロースフィルターで細菌叢を覆い、37℃で3.5時間放置し た。TBSで数回洗浄した後、フィルターを5%ミルクでブロックし、モノクローナ ル抗体と共に一晩インキュベートした。次にフィルターを上述の方法で免疫ブロ ットのため処理した。この方法を用いて、全部で980,000のファージをスクリー ニングした。抗APP-2抗体で認識されるタンパク質を発現しているファージを、 スクリ ーニングを数回繰り返すことによって、均一になるまで精製した。例えばSambro okら、1989のような、周知のDNAハイブリダイゼーション法を用いて、さらに他 のcDNA配列を含むクローンを単離した。cDNAプローブは、確立された方法を用い て、ランダムプライミング(Boehringer Mannheim、Indianapolis、IN)により 標識した。放射性標識したプローブを、プレハイブリダイズ(42 ℃で2時間) したフィルターに加え、42 ℃で一晩インキュベートした。次に、0.1%SDSを含 む2 x SSC溶液で、37 ℃、42 ℃、48℃および65 ℃の一連の温度で、フィルター を洗浄した。フィルターを、その後、-80 ℃で、X線フィルムに感光させた。抗 体によるスクリーニングまたはcDNAハイブリダイゼーションのいずれかによって 単離されたファージに含まれるcDNAを、pUC18ベクターにサブクローニングした 。cDNA内部の塩基配列に特異的なプライマーの組み合わせを用いて、既知の方法 に従って、cDNAクローンの両鎖の塩基配列を決定した。塩基配列を、MacVector プログラム(IBI、New Haven、CT)およびNCBIデータベース(NIH、MD)を用い て、解析した。 配列番号:2の一部または全てを含むAPP-2のcDNAクローンに由来する試薬を 用いて、あらゆる脊椎動物種から全長のAPP-2のcDNAの単離は、分子生物学分野 の熟練者には周知である。例えば、既知のcDNA挿入配列から放射性標識したcDNA プローブを作成し、これを用いて、血小板のcDNAライブラリーから、これらのcD NAと配列上の相同性を有する領域を含むcDNAを同定し、単離することができる。 放射性標識したcDNAプローブでcDNAライブラリーをスクリーニングすることは、 分子生物学分野においては日常的な技術である(Sambrookら、1989、分子クロー ニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning:a Laboratory Manual)、第2 版、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、N.Y 参照)。cDNAを単離 してプラスミドベクターにサブクローニングし、プラスミドDNAを標準的な技術 により精製することができる。cDNA挿入配列は、当技術分野においては周知のジ デオキシチェーンターミネーション法(SaJnbrookら、前出)を用いて、塩基配 列を決定する。以前に単離されたcDNAクローンから調製されたプライマーと同様 に、ベクターとの接続領域に相当するオリゴヌクレオチドプライマーを、遺伝子 全体の塩基配列を決定するために用いることができる。 この結果、ヒトAPP-2と相同な活性化血小板タンパク質の、アミノ酸配列の一 部 または全てをコードする配列を含むDNAは、当技術分野において既知の様々な方 法を用いて、例えば以下に述べるpFlagベクターシステムのような発現ベクター に、再度クローン化する事ができる。例えば、大腸菌で産生されるFlag-融合タ ンパク質として、組換えポリペプチドを発現させることができる。APP-2のエピ トープに結合する抗体(またはその断片)は、この結果、cDNAクローンでのAPP- 2ポリペプチドの発現を検出するために用いることができる。APP-2 の細菌での発現 APP-2をコードするcDNAを、pFlagベクター(IBI、New Haven、CT)にクローニ ングし、これを用いて大腸菌のDH5α細胞(Gibco、Grand Island、NY)を形質転 換させた。クローンを選択培地(LB + アンピシリン)で増殖させた。培養を新 鮮な培地で1/100に希釈して滅菌フラスコに入れ、37℃で撹拌しつつ、A600=0.5 になるまで増殖させた。IPTG(0.3 mM)を細胞懸濁液に加えてタンパク質の発現 を誘導し、細胞を37℃で更に2時間増殖させた。細胞を3000 rpmで30分間遠心し 、ペレットを、5%のβ-メルカプトエタノールを含む1/10容の試料緩衝液に再懸 濁し、ゲル電気泳動で解析した。寄託 特許出願の為の微生物の寄託に関する国際的認識についてのブダペスト条約( the Budapest Treaty on the International Recognition of the Deposit of M icroorganisms for the Purpose of Patent Procedure)の約定のもとに、ハイ ブリドーマ3B2およびプラスミドAPP-2(pFlagベクターに入っている)は、1995 年10月6日、アメリカ合衆国メリーランド州ロックビルのアメリカンタイプカル チャーコレクション(the American Type Culture Collection)(ATCC)に寄託 された。2つの寄託物は、ATCCにより、それぞれCRL-11986および97314の名称を 与えられた。 出願者の受託者であるHarvard Collageの学長およびフェローは、ATCCが寄託 の永久寄託権を有し、および特許が認可されれば、それらを簡単に利用できるよ う公開することを表明する。当該寄託物の公共利用性に関する全ての制限は、特 許の認可に伴い、最終的に排除される。当該物質は、特許出願の係属中は、権利 を与えられるコミッショナーにより認可された者については、37 CFR 1.14およ び3 5 U.S.C.§ 122の下で利用することができる。寄託された物質については、寄 託プラスミドに対する最も最新の供与請求以後、少なくとも5年間、およびいか なる場合でも、寄託日の少なくとも30年後までの期間、または特許の有効期間中 のうち最も長期となるものの間は、それらを生きた状態かつ混入物のない状態に 保つのに必要な全てのケアが継続される。出願者の受託者は、寄託物の状態によ り、請求に対して試料を供与する事が不可能な状態の寄託物を取り替える責務を 承認されている。2-D 技術によるAPP-2の同定 分析的2-Dゲル電気泳動により、休止状態の血小板と活性化状態の血小板との 間には、血小板細胞活性化タンパク質のパターンに、いくつかの相違点があるこ とが明らかとなった。分析的2-D電気泳動の解像度は素晴らしいが、μg程度の量 しかないタンパク質の解像度には限界がある。この限界要因を克服し、かつ2-D システムの解像度を保持するため、調製用の2-D電気泳動によって血小板タンパ ク質の分離を行った。この技術により、そのものに対する抗体を産性するのに十 分な量の抗原、例えばAPP-2を、単離することが可能となる。APP-2を、20ユニッ トの血小板からくり返し精製した。これは、分析的2-Dシステムで分離を行う際 に用いる量の約10,000倍に当たる。 活性化状態の血小板で特異的に発現するタンパク質を同定するために、休止状 態および活性化状態の血小板の細胞膜外部のタンパク質を放射性ヨードで標識し 、2-Dゲルで解析した。これらの研究から、活性化状態の血小板でのみ発現する 主な2種のタンパク質が認められた。これらの活性化状態の血小板タンパク質を 同定するため、調製用の2-Dゲル電気泳動法を用いて、同様の方法で行った。休 止状態および活性化状態の血小板からビオチン化した表面タンパク質を回収し、 調製用の等電点電気泳動の後、SDS-PAGEを行い、電気的に転写して、ストレプト アビジン-アルカリホスファターゼで検出した。 休止状態および活性化状態の両方の血小板分画に由来する等電点分画には、同 じ分子量を有するビオチン化タンパク質が多数同定された。さらに、休止状態の 血小板の相当する等電点分画には存在しない活性化状態の血小板において、約25 kDaのビオチン化タンパク質が同定された。このタンパク質をAPP-2と名付けた 。 等電点電気泳動の後、APP-2を電気的に溶出し、MAb作成のための抗原として用い た。体細胞融合の後、1960穴のマイクロタイタープレートのウェルのうち170で 、ハイブリドーマの増殖が示された。これらのうち11%が、活性化状態の血小板 に結合する抗体を産生していた。一つの抗-APP-2抗体、MAb 3B2は、明らかに強 力なため、これを選択し、クローニングした。この抗-APP-2 MAbは、IgG1カッパ のアイソタイプを有することが判明した。血小板およびその他の細胞におけるAPP-2の検出 血小板溶解液中に存在するタンパク質を解析するため、イムノブロッティング の実験を行った。還元状態のもとでは、抗-APP-2 MAbは、25 kDaの見かけの分子 量の位置に泳動されるタンパク質を検出し、これは2次元の技法により同定され たAPP-2の分子量に相当した。非還元状態のもとでは、APP-2は、見かけの分子量 145 kDaの位置に泳動された。抗-APP-2抗体カラムを用いた免疫親和性クロマト グラフィーによって、Tx-100血小板溶解液から精製を行うと、非還元状態下での 分子量は、やはり145 kDaであった。 イムノブロッティングの実験から、APP-2は、活性化状態の血小板のタンパク 質複合体(APCOM)中で、ジスルフィド結合により他のペプチドに結合している ことが示唆された。APCOMのその他の構成ペプチドを同定するため、免疫親和性 クロマトグラフィーおよびSDS-PAGEにより、APP-2を精製した。次にこの複合体 を還元し、SDS-PAGEを繰り返して、銀染色により、構成成分のポリペプチドを検 出した。還元後のAPCOMの解析により、構成成分は、それぞれ45 kDa(APP-45) 、25 kDa(APP-2)および15 kDa(APP-15)の、3つの異なる大きさのポリペプ チドを含むことが示される。 平滑筋細胞、赤血球細胞、および巨核芽球細胞系DAMI細胞についても、イムノ ブロッティングの実験を行った。APP-2は、血小板およびDAMI細胞由来の溶解液 中にのみ、検出された。活性化状態の血小板によるAPP-2の発現 APP-2(および、その延長として、APP-2を含むAPCOM)が活性化状態の血小板 の表面に検出できるか否かを調べるため、抗APP-2精製抗体を用いて免疫蛍光実 験を行った。同じアイソタイプの対照(抗-ジゴキシン)モノクローナル抗体に 比べて 、抗APP-2だけが、活性化状態の血小板に特異的な結合を示した(図1aおよび図1 b)。 APP-2が休止状態または活性化状態の血小板のいずれで優先的に発現されるか を調べるため、実験を行った。細胞活性化前後のAPP-2およびP-セレクチン(活 性化状態の血小板上に選択的に発現する血小板活性化分子)の発現を、各々のタ ンパク質に対する特異的なMAbにより検出し、比較した結果を図2に示す。休止 状態の血小板では、P-セレクチンの発現レベルと比較して、APP-2の発現は微量 であった。 細胞を活性化させると、APP-2の発現は、休止状態の血小板と比較して有意に 増加した。P-セレクチンの発現もまた、細胞の活性化に伴って増加した。活性化 状態の血小板に対する抗P-セレクチンMAbの結合が増加する程度は、抗APP-2 MAb でみられたよりも有意に大きく、このことから、活性化状態の血小板1個当たり で発現するP-セレクチンの分子数のほうが、より多いことが示唆される。 活性化状態の血小板上にあるMAb 3B2の結合部位の数を調べるため、抗APP-2モ ノクローナル抗体を用いて、飽和結合の実験を行った。活性化状態の血小板に対 する抗APP-2の結合は、飽和させることができ、過剰量の非標識抗APP-2 MAbによ り阻害することができた。結合データを解析した結果、活性化状態の血小板1個 当たり、4683±784分子の、1種の結合部位があることが示され、これは活性化 状態の血小板上にあるP-セレクチンの分子数の、約40〜50%に相当する。抗APP- 2抗体は、血小板に、解離定数4.19 nMで結合した。 これらのデータから、MAb 3B2が、特異的且つ優先的に、活性化状態の血小板 に結合することが示される。その結合は飽和性で、非標識抗体により競合的に阻 害することができた。スキャッチャー解析により、血小板1個当たり約5000個の 、ただ1種の抗原があることが示された。血小板細胞膜とのAPP-2の結合の性質 APP-2が膜に組み込まれた形または膜に接する形のいずれにより血小板の外部 表面と物理的に結合しているタンパク質なのかを調べるために、実験を行った。 APP-2は、血小板細胞膜からTriton X-100で溶出されたが、以下の溶液では、殆 ど溶出できなかった:緩衝液A;2 mM EDTA;1 M 尿素;1 M NaCl;0.1 M グリシ ンp H 2.8;または0.1M グリシン pH 11。溶出特性は、組み込み型の膜タンパク質で あるCD63で得られたものと類似していた。これらの結果から、APP-2(および、 その延長としてのAPCOM)は、血小板細胞膜に組み込まれたタンパク質として、 血小板表面に結合していることが示唆される。血小板凝集に対する抗APP-2MAbの効果 A23187で血小板を刺激する前後の血小板濃厚血漿に、払APP-2 MAbを加えた。M Ab 3B2(5または50μg/mlの濃度)単独では、血小板凝集を誘発することはなか った。A23187で血小板を刺激した後の凝集の程度や割合に対しても、抗APP-2MAb は、明らかな影響を与えなかった。これらの結果は、休止状態の血小板にMAb 3B 2を加えても、血小板の凝集は誘発されず、血小板活性化剤であるA23187を加え た後の凝集を阻害することもないことを示す。APP-2 をコードするcDNA分子のクローニング APP-2をコードするcDNA配列を単離するために、ヒト骨髄、ラムダgt11発現ラ イブラリーを、抗APP-2 MAbでスクリーニングした。約970,000個のファージプラ ークをスクリーニングして、1つの陽性クローンを単離した。このクローンのサ ブクローニングを繰り返して、均一に精製した。単離されたcDNAがAPP-2をコー ドすることを確認するために、細菌中で発現させる目的でpFlagベクターに挿入 した。Flag-APP-2融合タンパク質または陰性対照のFlag融合タンパク質を含む細 菌溶解液を、免疫ブロット法で解析した。抗APP-2モノクローナル抗体は、誘導 されたFlag-APP-2融合タンパク質に特異的に結合したが、対照のFlag融合タンパ ク質には結合しなかった。更に、抗APP-2 MAbと同一のアイソタイプの対照モノ クローナル抗体は、Flag-APP-2融合タンパク質と結合しなかった。Flag-APP-2融 合タンパク質は、還元条件下で47 kDaの分子量を持ち、このことはDNA配列から 予想されるオープンリーディングフレームと一致していた。 APP-2ポリペプチドは、エンテロキナーゼ(IBI、New Haven、CT)を用いるこ とで、融合タンパク質から酵素的に切断できる。切断産物は、さらにクロマトグ ラフィーを行って、融合タンパク質のFlag部分からAPP-2ポリペプチドを精製す ることができる。例えば、Flag切断産物は、Flagポリペプチドに結合する市販の 薬剤(IBI、New Haven、CT)を用いて、混合物から取り除くことができる。また は、 MAb 3B2を用いた免疫親和性クロマトグラフィーによって、混合物からAPP-2切断 産物を精製することができる。APP-2 の配列相同性およびモチーフ 両方向での特異的内部プライマーを用いて単離cDNAの塩基配列を決定し、幾つ かの部分配列を整列させた(MacVector Assembylign、IBI、New Haven、CT)。 コンセンサス配列を、NIH GenBankに報告されている全ての配列に対して解析し た。部分配列で、APP-2配列と相同性を示すものはあったが、APP-2配列に一致す る既知の遺伝子の特徴的な配列はなかった。塩基配列の解析から、APP-2は、新 規タンパク質であることが明らかとなった:そのアミノ酸配列は、報告されてい るタンパク質配列のいかなるものとも一致しない。 APP-2をコードするDNA配列の全長は、単離cDNAをプローブとして、同じライブ ラリーをスクリーニングすることにより得られた。免疫ブロット法により、組換 えポリペプチドはMAb 3B2で認識されるエピトープを発現していることが確認さ れた。活性化状態の血小板におけるAPP-2のリン酸化 APP-2がリン酸化を受ける可能性のある部位が、活性化状態の血小板において 機能を有するかを検討するために、免疫沈降を行った。32PO4を加えて培養し活 性化させた、活性化状態の血小板において、25 kDaのバンドが、陰性対照(抗フ ィブリン)MAbによってではなく、抗APP-2MAb 3B2によって、特異的に免疫沈降 された。同じゲルの血小板の免疫ブロッティングを行うことによって検出される ように、MAb 3B2で同定されるバンドは、APP-2と同じ位置に移動した。本アッセ イのための実験条件は、典型的な血小板の活性化を引き起こすものであるため、 この条件下では、休止状態の血小板でAPP-2がリン酸化されるか否かを検討する ことはできなかった。ヒト血栓中のAPP-2の免疫学的検出 MAb 3B2が血栓中のAPP-2を特異的に検出できるかを検討するために、固定した 大動脈血栓の連続切片を、MAb 3B2、抗P-セレクチンMAb、または抗ジゴキシンMA bのいずれかで検索した。図3は、MAb 3B2および抗P-セレクチンは、どちらもヒ ト血栓を検出するが、抗ジゴキシンMAbは検出しないことを示す。この結果、MAb 3 B2は、P-セレクチンと同様に、ヒト血栓を特異的に認識できることが示唆される 。診断的および治療的用途 ヒト患者に対して投与する際、MAb例えばMAb 3B2は、当技術分野において既知 の方法、例えば望ましい結合特異性を有するMAbを、市販の手段でヒト化する方 法(Scotgene、Scotland;Oxford Molecular、Palo Alto、CA)によって、ヒト 化できる。モノクローナル抗体は、例えば固定したプロテインAへの吸着または 免疫親和性クロマトグラフィーのような既知の方法で精製できる。精製した後に 、本発明のMAb、または免疫学的に活性なその断片、例えばFab、(Fab)2、ま たはFvを、生理食塩水のような薬理学的に許容される賦形剤を用いて、患者に投 与することができる。本発明のMAbおよび/または抗体に基づく化合物、例えば 検出可能な標識または治療用の薬剤に結合したMAbは、腹腔内、筋肉内、皮下ま たは静脈内を含むいかなる標準的な経路によっても投与できる。好ましい投与経 路は、静脈内であると考えられる。これらの化合物は、血栓を形成した部位の血 管腔内への局所投与と同時に、血流中に入れて全身的にも投与できる。 医学の領域ではよく知られているように、ある患者に対する投与量は、患者の 全身状態、性別、体格、体表面積、年齢を含む多くの因子と、投与される特定の 化合物、投与時間および経路、並びにその他の同時に投与されている薬剤により 決まる。本発明の化合物の投与量は様々であろうが、静脈内投与による好ましい 投与量は、約1 μgから500 μg/ml/血流体積である。ある適用における適切な投 与量を決定することは、薬理学の技術分野における通常の熟達者によって、容易 に成されるものである。 本発明の化合物、例えばMAbまたは抗血栓剤、血栓溶解剤、抗増殖剤、または 抗細胞移動剤のような治療用薬剤に結合したMAbは、こうした薬剤と同時に、連 続的にも投与できうる。好ましい血栓溶解剤としては、ウロキナーゼ、プロウロ キナーゼ、ストレプトキナーゼ、組織型プラスミノーゲンアクチベーター、スタ フィロキナーゼまたは吸血こうもり組織プラスミノーゲンアクチベーターのよう なプラスミノーゲンアクチベーターや、たとえば一本鎖ウロキナーゼプラスミノ ーゲンアクチベーター(scu-PA)のような、生理学的活性を有するそれらの断片 、お よびハイブリッドが含まれる。血栓溶解剤は、体重1 kg当たり約 0.1 〜2.0 mg を、経静脈的に投与することが期待される。至適投与量は、患者の状態および患 者の治療への反応性に従って調整されると考えられる。 他の態様は、以下の請求の範囲に含まれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 39/395 A61K 49/00 A C07K 14/435 45/00 16/18 49/00 C12N 1/21 51/00 A61K 37/54 C07K 14/435 37/64 16/18 37/02 C12N 1/21 43/00

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.配列番号:1記載の配列と少なくとも70%相同な配列を含む天然の血小板 活性化ポリペプチドをコードする、実質的に純粋なDNA。 2.配列番号:4記載の配列と少なくとも95%相同なアミノ酸配列を含むポリ ペプチドをコードする、実質的に純粋なDNA。 3.配列番号:3記載の配列を含む、請求項2記載のDNA。 4.配列番号:3記載のコード配列に相補的なDNAに、高いストリンジェンシ ーでハイブリダイズする、少なくとも20ヌクレオチドの鎖を含む、実質的に純粋 なDNA。 5.配列番号:3記載のコード配列に相補的な50ヌクレオチドの配列を含むDN Aプローブに、高いストリンジェンシーでハイブリダイズする、請求項2記載のD NA。 6.請求項2記載のDNAを含むベクター。 7.ポリペプチドを発現させるための、プロモーターを含む調節配列に機能的 に結合されている、請求項2記載のDNA。 8.請求項7記載のDNAを含む細胞。 9.配列番号:4記載の配列と少なくとも95%相同な配列を含む、実質的に純 粋なポリペプチド。 10.配列番号:3記載の配列にコードされるアミノ酸配列を含む、請求項9記 載のポリペプチド。 11.請求項9記載のポリペプチドに特異的に結合する抗体。 12.MAb 3B2と同一のエピトープに結合する、請求項11記載の抗体。 13.検出可能な標識に結合されている、請求項11記載の抗体。 14.試料を請求項11記載の抗体と接触させ、該抗体が該試料の成分と結合す るか否かを判定することを含み、その結合により、該試料が活性化状態の血小板 を含むことが示される、生物学的試料中の活性化状態の血小板を検出する方法。 15.動物に請求項13記載の抗体を投与し、該動物体内の該標識の位置を検出 することを含み、該動物体内で該標識が検出されることにより、該位置に血小板 血栓が存在することが示される、動物体内における血小板血栓の位置を同定する 方法。 16.請求項11記載の抗体と結合された化合物を含む組成物を動物に投与する ことを含む、動物体内において、活性化状態の血小板に化合物を送達する方法。 17.化合物が、抗血栓剤、血栓溶解剤、抗増殖剤、または抗細胞移動剤である 、請求項16記載の方法。 18.請求項9記載のポリペプチドの抗原性断片を含むポリペプチド。 19.MAb 3B2に結合するエピトープを含む、天然の血小板活性化ポリペプチド の配列を有する、実質的に純粋なポリペプチド。 20.試料を請求項11記載の抗体と接触させ、該抗体が、非還元状態下で約14 5 kDaの分子量を有する該試料の成分に結合するか否かを判定することを含む、 生物学的試料中の活性化状態の血小板タンパク質複合体を検出する方法。 21.請求項1記載の抗体と結合するポリペプチドを含む、実質的に純粋な活性 化状態の血小板複合体(APCOM)。
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