JPH11512608A - Aavベクターを用いて心臓に遺伝子を導入する方法 - Google Patents

Aavベクターを用いて心臓に遺伝子を導入する方法

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JPH11512608A
JPH11512608A JP9513637A JP51363797A JPH11512608A JP H11512608 A JPH11512608 A JP H11512608A JP 9513637 A JP9513637 A JP 9513637A JP 51363797 A JP51363797 A JP 51363797A JP H11512608 A JPH11512608 A JP H11512608A
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マーティン ジェイ カプリット
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マイケル ジー カプリット
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ザ ロックフェラー ユニヴァーシティ
マーティン ジェイ カプリット
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、心臓と血管系に遺伝子を導入するためのアデノ随伴ウイルスベクターの使用に関する。該ベクターは、心不全の心臓と血管機能を改善するタンパク質をコード化する遺伝子を含むことが好ましい。個々の実施態様においては、該ベクターは蛍光透視法によってカテーテルを介して心臓と血管系に導入される。それに使用する該方法とベクターは、導入した遺伝子の安全で安定な遺伝子発現を与える。

Description

【発明の詳細な説明】 AAVベクターを用いて心臓に遺伝子を導入する方法 発明の技術分野 本発明は、一般的には、心臓と血管に遺伝子を導入する方法に関する。更に詳 細には、本発明は、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いて哺乳動物の 心臓と血管に遺伝子を導入する方法に関する。 発明の背景 心臓と血管に遺伝子を送達する能力及びその発現を操作する能力は、多くの心 臓疾患の治療を可能にすることができる。残念ながら、心臓と血管への遺伝子導 入には、相対的に心臓組織に到達しにくいこと及び心臓の細胞が分裂せず最終的 な分化細胞である事実を含むいくつかの問題がある。体細胞の遺伝子導入、即ち 、レトロウイルスベクターの標準方法は、レトロウイルス仲介の遺伝子導入が組 込みと発現に少なくとも1回の細胞分裂を必要とするので心臓には適さない。 従って、“裸”プラスミドDNAを心臓に直接注入するような非レトロウイル スベクター及び非ウイルス法が心臓における遺伝子導入に用いられた。“裸”D NAの使用は心臓に遺伝子を送達するのに効率が極めて悪く、その方法で導入さ れた遺伝子の発現はほとんど一時的なものであった。更に、裸DNAは、外科手 術で心筋に直接針注射した後に生体内で心臓細胞を形質導入するために巧く用い られたに過ぎなかった。それは、広範な心臓遺伝子治療に実用的でなく、心筋の 小さな範囲に影響するに過ぎない。 レトロウイルスベクター及び裸DNAの直接注入の代替としてリポソームと複 合体を形成したhemagglutinating virus of Japan(HVJ)に由来するウイルス ベクターが用いられた(Sawaら(1994)Circulation 90:I-46,Abstract 0239)。し かしながら、その系は、後に移植される単離した心臓に用いられ、心臓移植の新 しい治療法を与えるであろうと考えられたに過ぎなかった。 アデノウイルスベクターも心臓に遺伝子を導入するために用いられたが、同様 に、心筋への直接針注射(Dubocら(1994)Circulation 90:I-517,Abstract 2784; Frenchら(1994)Circulation 90:I-517,Abstract 2785)又は該ベクターを含む溶 液が血管内で実際にインキュベートされるラット頸動脈バルーン損傷モデルを用 いること(Guzmanら(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:10732-10736)によ り適用されたに過ぎなかった。アデノウイルスベクターは成体心臓に遺伝子を導 入する点では裸DNAより効率がよいが、その発現は同様に一時的に過ぎなかっ た。 更に、アデノウイルスベクターは1種以上の真性ウイルス遺伝子(即ち、アデ ノウイルスEla即時型初期遺伝子)を欠くように設計されて複製が不十分であ るが、問題の異種遺伝子のほかにウイルスタンパク質の発現を生じる多数のウイ ルス遺伝子を保持する。従って、標的細胞内のウイルスタンパク質の連続した生 産の結果として有意な炎症が発生することがある。かかる炎症は、異種遺伝子発 現の寿命を制限する重要な要因となり得る。更に、その炎症は健康な組織に損傷 を与えることがあり、ベクターが既に危険な状態にある健康な組織を防御するも のである場合又は近傍の損傷組織において失われた機能を置き換えるために健康 な組織の機能が増加されようとしている場合には望ましくない。いずれにしても 、炎症がないときでさえウイルス遺伝子産物は受容細胞に直接毒性を与えてしま う。更に、アデノウイルスベクターによって導入した遺伝子の長時間発現の安定 性は、高頻度の非分裂宿主細胞のゲノムにおいて個々のウイルス組込みの機序が ないので現在不明である。 アデノ随伴ウイルス(AAV)は、ゲノムが一本鎖DNA分子として包膜され る欠陥パルボウイルスである。別個のウイルス粒子においてであるが、正負の極 性鎖が共に詰込まれている。生産的感染には、AAVの複製とパッケージングに 必要なタンパク質を与えるアデノウイルス又はヘルペスウイルスのような非AA Vヘルパーウイルスによる同時感染が必要である。AAVベクター系においては 、DNAの複製とパッケージングの認識シグナルのみを含む末端反復配列だけが 残るように96%の親ゲノムが欠失したものであった。AAV構造タンパク質は 、失われたAAV遺伝子を含むが複製/パッケージングシグナルを欠くヘルパー プラスミドを同時移入することにより輸送中に得られる。 AAVはヘルパーウイルスの存在しないときの特殊な状況下で複製することが できるが、効率のよい複製にはヘルペスウイルスかアデノウイルスファミリーの ヘルパーウイルスを同時移入することが必要である。ヘルパーウイルスの存在し ないときにAAVは潜在的感染を確立し、ウイルスゲノムは宿主細胞内に組込ま れたプロウイルスとして存在する。潜在的感染を確立するためにAAV遺伝子発 現は必要としない。ウイルスの組込みは、部位特異的(染色体19)である。総 体的には、ウイルスの組込みは細胞増殖又は形態に明らかな影響がないと考えら れている。Samulski,Curr.Op.Gen.Devel.3:74-80(1993)を参照されたい。 潜在的に感染した細胞系に適切なヘルパーウイルスを後で重感染する場合には、 AAVプロウイルスが切除され、ウイルスが生活環の“増殖”期に入る。しかし ながら、ある種のAAV由来導入ベクターはアデノウイルス重感染によって救済 されないことが報告された。 AAVは、急性アデノウイルス感染症の糞、眼及び呼吸試料から非病原性同時 移入物質として単離され、他の病気のものから単離されなかった。AAVはヒト ウイルスであるが、溶菌増殖の宿主範囲は非常に幅広い。AAV潜在的感染は、 ヒト細胞と非ヒト細胞の双方で同定された。適切なヘルパーウイルスが用いられ るならば(例えば、イヌ細胞においてイヌアデノウイルス)、試験したほとんど 全ての種からの細胞系(ヒト、サル、イヌ、ウシ及びげっ歯類の様々な細胞系を 含む)にAAVを生産的に感染させることができる。それにもかかわらず、ヒト 或いは他の動物集団においてHSV及びアデノウイルスの両者と異なり疾患はA AVと関連がなかった。 AAV−2のゲノムは長さが4,675塩基であり、各々145塩基の逆方向 末端反復配列が隣接している。それらの反復配列は、DNA複製開始点として作 用すると思われる。2つの主要オープンリーディングフレームがある。左のフレ ームは、少なくとも4つの非構造タンパク質をコード化する(Repグループ) 。それらのタンパク質の発現を制御する2つのプロモーターP5とP19がある 。微分スプライシングの結果として、P5プロモーターはタンパク質Rep78 とRep68の生産を特定し、P19プロモーターはタンパク質Rep52とR ep40の生産を特定する。Repタンパク質は、ウイルスDNA複製、ウイル スプロモーターからの転写のトランス活性化、及び異種エンハンサーとプロモー タ ーの抑制に関係すると思われる。P40プロモーターによって制御される右のO RFは、キャプシドタンパク質Vp1(91kDa)、Vp2(72kDa)及 びVp3(60kDa)をコード化する。Vp3は80%のビリオン構造を含み 、Vp1とVp2は少量成分である。マップ単位95にポリアデニル化部位があ る。AAV−2ゲノムの完全配列については Vastavaら(1983)J.Virol.45:555 -64を参照されたい。 McLaughlinら(1988)J.Virol.62:1963-73 は、2つのAAVベクター:AA Vrep遺伝子を保持するdl52−91、及びAAVコード配列の全部が欠失 しているdl3−94を調製した。しかしながら、2つの145塩基末端反復配 列、及びAAVポリアデニル化シグナルを含む追加の139塩基を保持している 。制限部位をシグナルの両側に導入した。ネオマイシン耐性をコード化する異種 遺伝子を双方のベクターに挿入した。組換えAAVゲノムで補足することにより ウイルス株を調製し、失われたAAV遺伝子産物を供給したがそれ自体大き過ぎ て詰込むことができなかった。残念ながら、おそらく欠陥ウイルスと補足ウイル ス間の相同的組換えの結果としてウイルス株は野生型AAV(dl3−94の場 合には10%)で汚染された。 Samulskiら(1989)J.Virol.63:3822-28 は、検出可能な野生型ヘルパーAA Vを含まない組換えAAV株の作製方法を開発した。AAVベクターは、AAV 染色体の末端191塩基のみを保持した。ヘルパーAAVでは、AAV染色体の 末端191塩基をアデノウイルス末端配列で置き換えた。ベクターとヘルパーA AV間の配列相同性がこのように実質的に除去されたので、検出可能な野生型A AVは相同的組換えによって生じなかった。更に、ヘルパーDNA自体は複製及 び包膜されなかった。AAV末端がその過程に必要であるためである。従って、 AAV系ではHSV系と異なりヘルパーウイルスが完全に除去されてヘルパーを 含まないAAVベクター株が残った。 Muro-Cachoら(1992)J.Immunother.11:231-237は、Tリンパ球とBリンパ球 の双方に遺伝子導入するためにAAV系ベクターを用いた。Walshら(1992)Proc .Nat.Acad.Sci.(USA)89:7257-61は、ヒト赤白血病細胞にヒトγグロブリン遺 伝子を導入するためにAAVベクターを用いた。遺伝子は発現した。 Flotteら(1993)J.Biol.Chem.268:3781-90は、AAVベクターによって気道上 皮細胞に嚢胞性線維症経膜伝達調節遺伝子を送達した。Flotteら(1992)Am.J.R espir.Cell.Mol.Biol.7:349-56; Flotte ら(1993)Proc.Nat.Acad.Sci.( USA)90:10613-17; Kaplittら(1994)Nature Genetics 8:148-154も参照されたい 。 心臓と血管に異種遺伝子を送達する従来技術の方法に伴う上記の不十分な点を 考慮すれば、安全で安定な遺伝子発現を好ましくは侵入手術を含まずに与える方 法が求められていることは明らかである。 発明の要約 本発明によれば、AAVベクターを用いて心臓と血管の細胞に遺伝子を効率よ く導入する方法及びそれに使用するベクターが提供される。該方法により、その ように導入した遺伝子の安全で安定な発現がもたらされる。 最も広範囲の態様においては、本発明は、AAVベクターを用いて心臓と血管 に遺伝子を導入する方法に関する。かかる方法としては、心臓組織及び/又は冠 動脈の直接注入によるAAVベクターの送達、及び末梢動脈に挿入したカテーテ ルによる送達が含まれる。 個々の実施態様においては、AAVベクターは遺伝子を発現し、心不全の心臓 がより良く機能すること及び/又は心筋の活性を促進することを可能にする。か かる遺伝子は、チロシンヒドロキシラーゼ、芳香族酸デカルボキシラーゼ及びア デノシンA1レセプターを含むがこれらに限定されない酵素をコード化すること ができる。同様に、血液凝固又はその阻止に関係する因子をコード化するDNA 、例えば、組織プラスミノーゲン活性化因子、ストレプトキナーゼ又はウロキナ ーゼがAAVベクターに含まれる。実施態様においては、AAVベクターは、更 に、血小板由来増殖因子(PDGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、トラン スフォーミング増殖因子(TGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、表皮増 殖因子(EGF)等の増殖因子をコード化するDNAが含まれる。態様において は、本発明は、更に、コレステロールの代謝、循環、蓄積、例えば、低密度リポ タンパク質レセプター(LDLR)に関係するタンパク質をコード化するDNA を含むAAVベクターに関する。他の実施態様においては、AAVベクターは、 血管 形成に関係するタンパク質、又はアンギオテンシン、レニン等の血圧の制御に関 係するタンパク質又はペプチドをコード化する遺伝子をコード化するDNAが含 まれる。別の実施態様においては、AAVベクターは、ストレスを受けている細 胞に防御効果がある熱ショックタンパク質であるHSP−70、又はフリーラジ カル損傷から細胞を防御するスーパーオキドジスムターゼ又はカタラーゼのよう な防御因子をコード化する遺伝子が含まれる。別の実施態様においては、AAV ベクターは、チミジンキナーゼのような具体的な薬剤に対して細胞を感受性にす ることができるタンパク質をコード化する遺伝子が含まれる。本発明は、また、 上記の遺伝子を含むAAVベクターに関する。 他の実施態様においては、本発明は、発現した場合にアンチセンスRNAとし て作用し細胞内の内在性タンパク質の発現を阻止するmRNAをコード化する遺 伝子を含むAAVベクターに関する。本発明は、また、かかるアンチセンスベク ターを送達する方法に関する。 心臓に遺伝子を導入するためのAAVベクターの使用は、他の方法より特に有 利である。特に、AAVコートタンパク質がヘルパーアデノウイルスのものと構 造的に異なることから、混入しているアデノウイルス粒子はAAV単離物から完 全に除去される。従って、ウイルス遺伝子を含まない問題の遺伝子のみを含有し かつ混入しているヘルパーウイルスを完全に含まないので、AAVベクターは現 在のDNAウイルスベクターの中でユニークである。従って、病原性の主要原因 が排除され、本系をヒト遺伝子治療に特に適したものにする。 更に、AAVベクターが宿主染色体へ直接組込む研究が示されている(Walshら (1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7257-7261; Russellら(1994)Proc.Natl .Acad.Sci.USA 91:8915-8919)。サザンブロット法を用いて、AAVベクター を安定に導入した細胞が単コピー方式で宿主染色体内に組込まれたゲノムを含む 研究が示された。更に、ベクターDNAは導入した細胞内で持続している。これ により、AAVベクターがDNAの長時間発現を確立することの安全な手段を与 え、本系をヒト遺伝子治療に特によく適したものにする概念が支持される。 長時間発現をもたらす、心筋又は血管内皮細胞に遺伝子を導入するAAVの能 力は、発明者の知識に対してAAVが心筋に感染することは当然であるという以 前の報告にないことを考慮すれば予想できない。AAVのレセプターは現在不明 であるので、成体心筋細胞がAAVによって感染することができるかは明らかで なかった。実際に、本発明者らはAAVベクターが他系を用いて認められなかっ た長時間発現を与え得ることを証明した。更に、本ベクター系は、ベクター自体 が最後の分化細胞内で70kDaの内在性細胞熱ショックタンパク質(HSP) の発現を誘導しないという利点がある。そのタンパク質は細胞ストレス又は損傷 のマーカーとして一般に用いられ、誘導しないことはAAVベクターが最後の分 化細胞を安全に形質導入することを意味する。対照的に、アデノウイルスベクタ ーは、70kDa熱ショックタンパク質の発現を誘導し、免疫系が存在しないと きでさえ、非複製アデノウイルスベクターまでも細胞に対してストレスを誘導す ることを意味する。 上述のように心臓に遺伝子を導入する従来の方法は、心筋への直接注入が必要 であった。しかしながら、直接注入は(1)大きな面積に遺伝子の広範な送達が できない;及び(2)直視下心臓手術の補助として効率よく行われるに過ぎない ので、心臓疾患の遺伝子治療において実用価値を制限した。対照的に、本発明の 具体的な実施態様は、冠動脈への液体の注入を可能にするために蛍光透視法によ って冠動脈へカテーテルを経皮挿入する方法を与える。かかる方法は、対照色素 を送達して冠動脈解剖を見えるようにするために又は血管腔内で作用するストレ プトキナーゼのような薬剤を送達するために過去に用いられたものであった。 更に、本発明により、広範囲の心筋に対して遺伝子導入及び発現がもたらされ る。このことは、アデノウイルス遺伝子導入と発現が心臓内の血管壁に制限され 心筋細胞への導入がほとんどない従来の報告とは対照的である。心筋細胞に遺伝 子を導入する本発明の能力は、ウイルスベクターとそのレセプターの相互作用を おそらく妨害するであろう冠動脈中の高血流量及び心臓の一定の動きを考慮すれ ば驚くべきことである。これに関して従来技術のベクターよりAAVベクターの 方が有利な点は、AAVがアデノウイルスやヘルペスウイルスベクターより小さ いという事実であり、これにより筋肉自体へ毛細管を通過させることが促進され る。 従って、本発明の主要な目的は、実質的にAAVの複製とパッケージングのシ グナル配列だけを表すAAV配列、及び心筋細胞又は血管内皮細胞内で発現した 場合に心臓又は血管の機能を改善するタンパク質をコード化する遺伝子を含むA AV由来ベクターを提供することである。 本発明の目的は、更に、アデノ随伴ウイルス及び哺乳動物心臓又は循環系標的 細胞の双方に外因性であるDNAを送達する方法であって、外因性DNAを含む ように修飾されたアデノ随伴ウイルス由来ベクターを供給する段階及び該ベクタ ーに該細胞を形質導入させる段階を含む方法を提供することである。 本発明の目的は、更に、心臓又は血管系の遺伝的に決定された、素因がある又 は罹患した疾患を予防、治療又は改善する方法であって、心臓又は血管系の細胞 に外因性DNAを送達する段階を含み、該送達が該心臓又は血管系の該遺伝的に 決定された、素因がある又は罹患した疾患を予防、治療又は改善するように該外 因性DNAが選ばれる方法を提供することである。 他の目的及び利点は、下記の図面に関して進行する次の説明を調べることから 当業者に明らかになるであろう。 図面の簡単な説明 図1は、プラスミドpAAVlacの概略図である。 図2は、カテーテルを挿入したブタ心臓の血管撮影像である(3回繰り返しの 1回)。ブタ心臓に最初に色素を注入し、次に、AAVlacを注入したカテー テル、及び色素で満たされた回旋冠状動脈が見られる。色素を食塩水で流し、A AVlac(1mlの107ベクター/ml)を注入した。 図3は、ブタ心臓におけるβ−gal陽性細胞を示す写真である。 図4は、AAV−Hsp70のウェスタンブロットである。レーン1、2、4 、5、7及び8は陰性であり(AAVlac)、3、6及び9は陽性である(A AV−Hsp70)。 図5は、pAAV−CMV−Hsp70の概略図である。 詳細な説明 本発明によれば、当該技術の範囲内で慣用の分子生物学、微生物学及び組換え DNA技術が用いられる。かかる技術は、文献に十分に説明されている。例えば 、Maniatis,Fritsch & Sambrook,“Molecular Cloning: A Laboratory Manual ” (1982); “DNA Cloning: A Practical Approach",Vols.I & II(D.N.Glovere d.1985); “Oligonucleotide Synthesis”(M.J.Gait ed.1984); “Nucleic A cid Hybridization”[B.D.Hames & S.J.Higgins eds.(1985)]; “Transcripti on And Translation”[B.D.Hames & S.J.Higgins,eds.(1984)]; “Animal Ce ll Culture”[R.I.Freshney,ed.(1986)]; “Immobilized Cells And Enzymes ”[IRL Press,(1986)]; B.Perbal,“A Practical Guide To Molecular Cloni ng”(1984)を参照されたい。 従って、下記の用語が本明細書中に出てくる場合には下記に示される定義を有 するものとする。 本AAVベクターによってコード化されたタンパク質は、特に示されない変異 体を含むものとしてみなされるべきであり、本明細書中で同じ意味に用いられ、 本願書と請求の範囲全体に用いられるように単一又は複数のタンパク質を含むタ ンパク質性の物質を意味し、本説明及び請求の範囲に示される活性のプロファイ ルをもつタンパク質に関する。従って、実質的な等価物又は活性の変化を示すタ ンパク質も同様に企図される。これらの修飾は、部位特定突然変異誘発により得 られた修飾のように計画的なものであり、複合体又はその名前のサブユニットの 生産者である宿主の突然変異により得られたもののように偶然のものでもある。 かかるタンパク質は、本明細書に特に示されたタンパク質及び実質的に相同な類 縁体及び対立遺伝子変化全てをその範囲内に包含するものである。 本明細書に記載されるタンパク質を含むアミノ酸残基は、“L”異性体の形で あることが好ましい。しかしながら、免疫グロブリン結合の所望の機能性がポリ ペプチドによって保持される限りL−アミノ酸残基を“D”異性体の形の残基に 置き換えることができる。NH2は、ポリペプチドのアミノ末端に存在する遊離 アミノ基を意味する。COOHは、ポリペプチドのカルボキシ末端に存在する遊 離カルボキシ基を意味する。標準ポリペプチド命名法,J.Biol.Chem.,243: 3 552-59(1969)に従うに当たり、アミノ酸残基の略号を下記の対応表に示す。 全てのアミノ酸残基配列は、本明細書において左右の向きがアミノ末端からカ ルボキシ末端へ慣用の方向にある式で表されることは留意されるべきである。更 に、アミノ酸残基配列の始め又は終わりのダッシュは、1個以上のアミノ酸残基 の配列のペプチド結合を意味することは留意されるべきである。上記の表は、本 明細書に交互に出てくる3文字と1文字の記号の相関を示す。 “レプリコン”は、生体内でDNA複製の自己単位として機能する、即ち、そ れ自体の制御の下で複製することができる遺伝要素(例えば、プラスミド、染色 体、ウイルス)である。 “ベクター”は、プラスミド、ファージ又はコスミドのようなレプリコンであ り、他のDNAセグメントが連結されて結合したセグメントの複製を生じる。 “DNA分子”は、一本鎖の形或いは二本鎖ヘリックスのデオキシリボヌクレ オチド(アデニン、グアニン、チミン又はシトシン)のポリマーの形を意味する 。この用語は、分子の一次構造と二次構造のみを意味し、具体的な三次構造を限 定しない。従って、この用語は、特に線状DNA分子(例えば、制限断片)、ウ イルス、プラスミド及び染色体に見出される二本鎖DNAが含まれる。具体的な 二本鎖DNA分子の構造を述べるに当たり、本明細書では非転写DNA鎖(即ち 、mRNAに相同な配列をもつ鎖)に沿って5’→3’の向きでのみ配列を示す 典型的な慣例に従って配列が記載される。 “複製開始点”は、DNA合成に関与するDNA配列を意味する。 DNA“コード配列”は、適切な調節配列の制御の下に置かれた場合に生体内 でポリペプチドに転写及び翻訳される二本鎖DNA配列である。コード配列の境 界は、5’(アミノ)末端の開始コドンと3’(カルボキシル)末端の翻訳停止 コドンによって求められる。コード配列は、原核配列、真核mRNAからのcD NA、真核(例えば、哺乳動物)DNAからのゲノムDNA配列及び合成DNA 配列さえも含まれるがこれらに限定されない。ポリアデニル化シグナル配列と転 写終結配列は、通常、3’からコード配列までに位置する。 転写及び翻訳制御配列は、宿主細胞内でコード配列の発現を与えるプロモータ ー、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、ターミネーター等のDNA調節配 列である。 “プロモーター配列”は、細胞内でRNAポリメラーゼを結合することができ かつ下流(3’方向)コード配列の転写を開始することができるDNA調節領域 である。本発明を定義するために、プロモーター配列は転写開始部位によって3 ’末端で結合され、バックグラウンドより大きい検出可能なレベルで転写を開始 するのに必要な塩基又は因子の最少数を含むように上流(5’方向)に伸長する 。プロモーター配列の中には、転写開始部位(ヌクレアーゼS1でマッピングす る ことにより便利に定義される)、及びRNAポリメラーゼの結合に関与するタン パク質結合ドメイン(共通配列)が見出される。真核プロモーターは、いつもで はないがたいてい“TATA”ボックス及び“CAT”ボックスを含む。原核プ ロモーターは、−10及び−35共通配列のほかにシャイン−ダルガルノ配列を 含む。 “発現制御配列”は、他のDNA配列の転写と翻訳を制御及び調節するDNA 配列である。RNAポリメラーゼがコード配列をmRNAに転写し、次に、それ がコード配列によってコード化されたタンパク質に翻訳される場合、コード配列 は細胞内で転写と翻訳の制御配列の“制御の下に”ある。 “シグナル配列”は、コード配列の前に含まれる。この配列は、ポリペプチド を細胞表面に向けるか又はポリペプチドを培地に分泌するように宿主細胞に伝達 するシグナルペプチド、N末端からポリペプチドまでをコード化し、このシグナ ルペプチドが宿主細胞によって切り取られた後にタンパク質が細胞を離れる。シ グナル配列は、原核生物及び真核生物に天然のさまざまなタンパク質と関連があ ることがわかる。 本明細書に用いられる“オリゴヌクレオチド”という用語は、本発明のプロー ブを意味し、2個以上、好ましくは3個以上のリボヌクレオチドを含む分子とし て定義される。その正確なサイズは、多くの要因に関係し、オリゴヌクレオチド の最後の機能及び使用に関係する。 本明細書に用いられる“プライマー”という用語は、精製した制限消化物中の ように天然に存在するか合成で生産されるかのオリゴヌクレオチドを意味し、核 酸鎖に相補的なプライマー拡張産物の合成が誘導される条件下に、即ち、ヌクレ オチド及びDNAポリメラーゼのような誘導物質の存在下及び適当な温度とpH に置かれた場合に合成開始点として作用することができる。プライマーは、一本 鎖或いは二本鎖とすることができ、誘導物質の存在下に所望の拡張産物の合成を 十分に開始するだけ長くなければならない。プライマーの正確な長さは、温度、 プライマー源及び方法の使用を含む多くの要因に関係する。例えば、標的配列の 複雑さに依存する診断用途については、オリゴヌクレオチドプライマーは、典型 的には15〜25個以上のヌクレオチドを含むがそれより少ないヌクレオチドを 含んでもよい。 本明細書中のプライマーは、具体的な標的DNA配列の種々の鎖に対して“実 質的に”相補的であるように選ばれる。これは、プライマーがそれぞれの鎖とハ イブリッド形成するのに十分に相補的でなければならないことを意味する。従っ て、プライマー配列は鋳型の正確な配列を反映する必要がない。例えば、非相補 的ヌクレオチド断片はプライマーの5’端に連結され、プライマー配列の残りは 鎖に対して相補的である。また、プライマー配列が鎖の配列と十分な相補性があ りハイブリッド形成して拡張産物の合成の鋳型をつくるならば、非相補的塩基又 は長い配列をプライマー中に点在させることができる。 本明細書に用いられる“制限エンドヌクレアーゼ”及び“制限酵素”という用 語は、細菌酵素を意味し、各々が二本鎖DNAを特定のヌクレオチド配列で又は その近傍で切断する。 DNAが細胞内に導入された場合、細胞は外因性又は非相同DNAによって“ 形質転換”又は“形質導入”された。形質転換DNAは、細胞のゲノムをつくる 染色体DNAに組込まれても組込まれなくてもよい(共有結合)。原核生物、酵 母及び哺乳動物細胞においては、形質転換DNAはプラスミドのようなエピソー ム要素上に維持される。真核細胞については、安定に形質転換した細胞は、染色 体複製により娘細胞によって遺伝されるように形質転換DNAが染色体に組込ま れたものである。この安定性は、形質転換DNAを含む娘細胞の集団を含む細胞 系又はクローンを確立する真核細胞の能力によって証明される。“クローン”は 、有糸分裂によって単細胞又は共通の祖先に由来する細胞の集団である。“細胞 系”は、試験管内で多くの世代について安定に増殖できる初代細胞のクローンで ある。 ヌクレオチドの少なくとも約75%(好ましくは少なくとも約80%、最も好 ましくは少なくとも約90又は95%)がDNA配列の特定の長さにわたって適 合している場合、2つのDNA配列は“実質的に相同”である。実質的に相同な 配列は、配列データバンクで入手可能な標準ソフトウェアを用いて又は具体的な 系について特定した、例えば、緊縮条件下のサザンハイブリッド形成実験におい て配列を比較することにより同定される。適切なハイブリッド形成条件を定義す ることは、当該技術の範囲内である。例えば、上記 Maniatis ら; 上記 DNA Clo ning,Vols.I & II;上記 Nucleic Acid Hybridization を参照されたい。 DNA構築物の“非相同”領域は、天然には大分子と共に見出されないDNA 大分子内のDNAの同定可能なセグメントである。従って、非相同領域が哺乳動 物遺伝子をコード化する場合、遺伝子は、通常、供給源生物のゲノム内で哺乳動 物ゲノムDNAを隣接しないDNAが隣接する。非相同コード配列の他の例は、 コード配列自体が天然には見出されない構築物である(例えば、ゲノムコード配 列がイントロンを含むcDNA、又は天然遺伝子と異なるコドンを有する合成配 列)。対立遺伝子変化又は天然に存在する突然変異事象は、本明細書に定義され たDNAの非相同領域には起こらない。 “抗体”は、特定のエピトープを結合する抗体及びその断片を含む免疫グロブ リンである。ポリクローナル、モノクローナル及びキメラ抗体を包含し、最後の ものは米国特許第 4,816,397号及び同第 4,816,567号に詳述されている。 “抗体結合部位”は、抗原を特異的に結合する重鎖及び軽鎖可変領域及び超可 変領域を含む抗体分子の構造部分である。 本明細書に用いられる文法上さまざまな形の“抗体分子”という用語は、無傷 免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分の両者を企 図する。 具体的な抗体分子は無傷免疫グロブリン分子、実質的な無傷免疫グロブリン分 子及びパラトープを含む免疫グロブリン分子部分であり、Fab、Fab’、F (ab')2及びF(v)として当該技術において既知の部分を含み、これらの部分 は本明細書に記載される治療法に使用するのに好ましい。 抗体分子のFab及びF(ab')2部分は、周知の方法による実質的に無傷の抗 体分子上で各々パパイン及びペプシンのタンパク質分解反応により調製される。 例えば、Theofilopolousらの米国特許第 4,342,566号を参照されたい。Fab’ 抗体分子部分も周知であり、F(ab')2部分から作製され、次に、メルカプトエ タノールとのように2つの重鎖部分を結合するジスルフィド結合が還元され、次 に、得られたタンパク質メルカプタンがヨードアセトアミドのような試薬でアル キル化される。本明細書では無傷抗体分子を含む抗体が好ましい。 文法上さまざまな形の“モノクローナル抗体”という用語は、具体的な抗原と 免疫反応することができる単一種類の抗体結合部位を有する抗体を意味する。従 って、モノクローナル抗体は、典型的には、免疫反応する抗原に対して単結合親 和性を示す。従って、モノクローナル抗体は、各々が異なる抗原に免疫特異的な 複数の抗体結合部位を有する抗体分子を含むことができる、例えば、二重特異性 (キメラ)モノクローナル抗体。 “薬学的に許容しうる”という用語は、生理的に許容しうる及び、典型的には 、ヒトに投与した場合にアレルギー又は胃の不調、めまい等の都合の悪い反応を 生じない分子及び組成物を意味する。 本明細書に用いられる“治療的に有効な量”という用語は、標的細胞集団のS 相活性、又は血圧上昇、熱又はその存在及び活性を伴うものである白血球数のよ うな他の病原様相の臨床的に有意な変化を防止する及び好ましくは少なくとも約 30%、更に好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも90%だ け減少するのに十分な量を意味する。 発現制御配列がDNA配列の転写と翻訳を制御及び調節する場合、DNA配列 は発現制御配列に“作用的に結合”される。“作用的に結合”という用語は、発 現されるべきDNA配列の前に適切な出発シグナル(例えば、ATG)を有する こと及び発現制御配列の制御の下でDNA配列の発現及びDNA配列によってコ ード化された所望の産物の生産を可能にする正しいリーディングフレームを維持 することが含まれる。組換えDNA分子に挿入することを希望する遺伝子が適切 な出発シグナルを含まない場合には、出発シグナルは遺伝子の前に挿入される。 “標準ハイブリッド形成条件”という用語は、ハイブリッド形成及び洗浄の双 方の5×SSC及び65℃に実質的に等価な塩及び温度条件を意味する。 主要な態様においては、本発明は、心臓と血管系の細胞に遺伝子を送達するた めのAAV由来ベクターの使用に関する。 個々の実施態様においては、本発明は、特に心不全の心臓と血管の機能を改善 するタンパク質をコード化する遺伝子に関する。 他の実施態様においては、具体的な刺激又は因子から生じる遺伝子活性を低下 又は阻害することが望ましい場合には、内在性遺伝子のmRNAに結合するアン チセンスRNAをコード化するAAV由来ベクターが導入されて標的遺伝子産物 の活性を阻害する。同様に、不十分な遺伝子活性化が起こっている場合は問題の 遺伝子、その化学又は薬学同族体、類縁体、断片等の追加量を導入することによ り治療される。 本明細書に用いられる“pg”はピコグラムを意味し、“ng”はナノグラムを意 味し、“ug”又は“μg”はマイクログラム、“mg”はミリグラム、“ul”又は “μl”はマイクロリットルを意味し、“ml”はミリリットル、“l”はリットル を意味する。 本発明の他の特徴は、心臓又は血管の機能に効果があるタンパク質又はペプチ ドをコード化するDNA配列の発現である。当該技術において周知のようにDN A配列は発現制御配列に作用的に結合することにより発現される。本発明のDN A配列を発現制御配列に作用的に結合することは、既にDNA配列の一部でない 場合にはDNA配列上流の正しいリーディングフレームに開始コドン、ATGを 供給することが含まれることは当然のことである。 本発明のDNA配列を発現させるためにこれらのベクターにおいて、種々の発 現制御配列−作用的に結合したDNA配列の発現を制御する配列−が用いられる 。有用な発現制御配列としては、例えば、SV40の初期又は後期プロモーター 、CMV、ワクシニア、ポリオーマ、アデノウイルス、ヘルペスウイルス及び哺 乳動物細胞の遺伝子の発現を制御する既知の他の配列、及びその種々の組合わせ が含まれる。 発現制御配列を選択するに当たり、通常はさまざまな要因が考慮される。例え ば、系の相対強度、その制御性、及び発現されるべき具体的なDNA配列又は遺 伝子との適合性、特に潜在的な二次構造についての適合性が挙げられる。これら 及び他の要因を考慮すると、当業者は、本発明のDNA配列を発現するさまざま なベクター/発現制御配列の組合わせを構築することができる。 更に、本発明の範囲内で心臓と血管の機能に効果があるタンパク質をコード化 するヌクレオチド配列から類縁体が調製されることも企図される。突然変異タン パク質のような類縁体は、遺伝子のコード配列の標準部位特定突然変異によって 生産される。小分子のような心臓又は血管の機能に対して活性を示す類縁体がプ ロモーターとして機能するかインヒビターとしてかは既知の生体内及び/又は試 験管内分析によって同定される。 上記のように、遺伝子をコード化するDNA配列はクローン化よりは合成で調 製される。DNA配列は、所望のアミノ酸配列に適したコドンで設計される。完 全配列は、標準法で調製したオーバーラップオリゴヌクレオチドから構築され、 完全コード配列に構築される。例えば、Edge,Nature,292:756(1981); Nambair ら,Science,223:1299(1984); Jay ら,J.Biol.Chem.,259:6311(1984)を参 照されたい。 合成DNA配列は、類縁体又は“突然変異タンパク質”を発現する遺伝子の便 利な構築を可能にする。また、DNAコード化突然変異タンパク質は天然遺伝子 又はcDNAの部位特定突然変異によってつくられ、突然変異タンパク質は慣用 のポリペプチド合成を用いて直接つくられる。 非天然アミノ酸をタンパク質へ部位特異的に取込ませる一般法は、Christophe r J.Noren,Spencer J.Anthony-Cahill,Michael C.Griffith,Peter G.Sch ultz,Science,244:182-188(Apr.1989)に記載されている。この方法は、非天 然アミノ酸で類縁体をつくるために用いられる。 本発明は、翻訳レベルの標的遺伝子の発現を妨害するために用いられるアンチ センスヌクレオチド及びリボチームの調製に関する。この方法は、アンチセンス 核酸及びリボザイムを用いてmRNAをアンチセンス核酸で遮蔽するか或いはリ ボザイムで切断することにより特定のmRNAの翻訳を阻止する。 アンチセンス核酸は、特定のmRNA分子の少なくとも一部に相補的なDNA 又はRNA分子である。(Weintraub,1990; Marcus-Sekura,1988 を参照された い。)細胞中でmRNAに対してハイブリッド形成し、2本鎖分子を生じる。細 胞は、この二本鎖型ではmRNAを翻訳しない。従って、アンチセンス核酸はm RNAのタンパク質への発現を妨害する。アンチセンス法は、試験管内で多くの 遺伝子の発現を妨害するために用いられた(Marcus-Sekura,1988; Hamborら,19 88)。 リボザイムは、DNA制限エンドヌクレアーゼに似た方法で他の一本鎖RNA 分子を特異的に切断する能力を有するRNA分子である。ある種のmRNAがそ れ自体のイントロンを切除する能力を有する所見からリボザイムを発見した。こ れらのRNAのヌクレオチド配列を修飾することにより、研究者らはRNA分子 内の特定のヌクレオチド配列を認識しかつ切断する分子を操作することができた (Cech,1988)。配列特異的であることから、具体的な配列を有するmRNAのみ が失活する。 研究者らは、2種類のリボザイム、テトラヒメナ型及び“ハンマーヘッド”型 を同定した(Hasselhoff & Gerlach,1988)。テトラヒメナ型リボザイムは4塩基 配列を認識し、“ハンマーヘッド”型は11〜18塩基配列を認識する。認識配 列が長いほど、標的mRNA鎖にのみ起こるようである。従って、ハンマーヘッ ド型リボザイムは特定のmRNA鎖を失活するテトラヒメナ型リボザイムより好 ましく、18塩基認識配列は短い認識配列より好ましい。 従って、標的タンパク質及びそのリガンドに対するアンチセンス分子、及びそ れらに対するmRNAを切断するリボザイムを調製するために本明細書に記載さ れるDNA配列が用いられる。 本発明は、また、心臓と血管系を画像診断する方法並びに血流、及び血管に導 入されるAAVの最後を追跡する方法を含むさまざまな診断用途に関する。リポ ーター遺伝子を単独で或いは心臓又は血管系の機能を変える遺伝子と組合わせて 用いることにより、適当な画像診断系を用いてベクターで効率よく導入された細 胞の位置を検出することができる。それだけで血流及び心臓と血管系における形 態変化が洞察される。かかるリポーター遺伝子としては、例えば、ルシフェラー ゼ遺伝子、β−ガラクトシダーゼ遺伝子、又は存在が検出される他の遺伝子が含 まれる。使用した標識の種類から明らかなように、ある標識は遺伝子産物の存在 を検出するために組織が被検者から切除されることを必要とする。従って、好ま しい方法としては、侵入手術をせずに検出される標識が含まれる。例えば、マー カーとしてHSVチミジンキナーゼ遺伝子及び代替品としてガンシクロビル又は デオキシウリジンの放射性類縁体を用いることが含まれる。 細胞中の導入遺伝子産物の存在は、そのような定量に適用できる通常の免疫学 的方法によって確認される。多くの有用な方法が既知である。特に有効な方法は 、検出可能な遺伝子産物自体の先天性の特性を用いるか或いは検出可能な標識で 標 識された遺伝子産物に特異的なリガンド又は抗体、検出可能な標識で標識した抗 体Ab1又は検出可能な標識で標識した抗体Ab2を必要とする。該方法は次式で まとめられ、*は粒子が標識されることを示し、“GP”は遺伝子産物を示す。 A.GP*+Ab1=GP*Ab1 B.GP +Ab*=GPAb1 * C.GP +Ab1+Ab2 *=GPAb1Ab2 * 該方法及びその適用は全て当業者によく知られており、本発明の範囲内で用い られる。“競合的”方法の方法Aは、米国特許第 3,654,090号及び同第3,850,75 2 号に記載されている。“サンドイッチ”法の方法Cは、米国特許第RE31,006号 及び同第 4,016,043号に記載されている。“二重抗体”又は“DASP”法のよ うな他の方法も既知である。 各々の場合において、遺伝子産物は1種以上の抗体又は結合パートナーと複合 体を形成し、その複合体の1部分が検出可能な標識で標識される。複合体が形成 したという事実及び所望される場合のその量は、標識の検出に適用できる既知の 方法で求められる。 上記のことからAb2の特徴的性質がAb1と反応することであることがわかる 。これは、ある哺乳動物種に生じたAb1が他の種では抗原として用いられて抗 体Ab2を生じたからである。例えば、抗原としてウサギ抗体を用いてヤギにA b2が生じる。従って、Ab2はヤギに生じた抗ウサギ抗体である。本説明及び請 求の範囲のために、Ab1は一次抗体又は抗GP抗体と呼ばれ、Ab2は二次抗体 又は抗Ab1抗体と呼ばれる。 これらの実験に最も共通して用いられる標識は、放射性元素、酵素、紫外光に 曝露した場合に蛍光発光する化学薬剤、ルシフェラーゼ等である。 多数の蛍光物質が既知であり、標識として用いられる。例えば、フルオレセイ ン、ローダミン、オーラミン、テキサスレッド、AMCAブルー及びルシファイエロ ーが挙げられる。具体的な検出物質は、ヤギで調製しイソチオシアネートを介し てフルオレセインと結合した抗ウサギ抗体である。 遺伝子産物又はその結合パートナーも放射性元素又は酵素で標識される。放射 性ラベルは、現在有効な計数方法によって検出される。好ましい同位元素は、3H 、14 C 、32P 、35S 、36Cl、51Cr、57Co、58Co、59Fe、90Y 、125I、131I及び186R e より選ばれる。 同様に、酵素標識も有効であり、現在用いられている比色分析法、分光光度法 、蛍光分光光度法、電流滴定法又は気体定量法によって検出される。酵素は、カ ルボジイミド、ジイソシアネート、グルタルアルデヒド等の架橋分子と反応する ことにより選ばれた粒子に結合される。これらの方法に用いられる多くの酵素が 既知であり使用される。ペルオキシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、β−D−グ ルコシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダー ゼ+ペルオキシダーゼ及びアルカリホスファターゼが好ましい。米国特許第3,65 4,090 号、同第 3,850,752号及び同第 4,016,043号には、例として他の標識物質 及び方法の開示が示されている。 同様に、遺伝子の存在を同定するためにサザンブロット法及びPCR法が用い られ、mRNAを検出するためにPCR法、プライマーエクステンション法及び ノーザンブロット法が用いられる。かかる手法は、当該技術において周知であり 、プロトコールは上記Sambrookらに示されている。 従って、下記のものを含む形質導入した遺伝子の存在を求めるための試験キッ トが調製される。 (a)遺伝子産物又は特定の結合パートナーを検出可能な標識に直接又は間接結 合することにより得られた少なくとも1種の標識した免疫化学的反応成分の所定 量; (b)他の試薬;及び (c)前記キットの使用説明書。 上記によれば、遺伝子産物の活性をモジュレートするのに有効な潜在的薬剤を スクリーニングする分析系が調製される。予想薬剤が被検者に導入され、その後 に、予想薬剤のみの添加に基づくか或いは既知の遺伝子産物の添加量の影響に基 づく細胞の転写活性の変化を観察するために被検者が試験される。 血液疾患における遺伝子導入の原理及び手順は、 Nabelら(1994)Cardiovas cular Research 28:445-455に詳述されており、この文献の記載は本願明細書に 含まれるものとする。更に、哺乳動物神経系に遺伝子を導入するための AAVベクターの使用は、Kaplittら(1994)Nature Genetics 8:148-154及びKapl itt & During(1995)“Transfer and Expression of Potentially Therapeutic G enes into the Mammalian Central Nervous System in Vivo Using Adeno-Assoc iated Viral Vectors",Viral Vectors,Academic Pressに述べられており、こ れらの文献の記載は本願明細書に含まれるものとする。 下記の実施例は、本発明の好適実施態様を十分に説明するために示される。し かしながら、本発明の広い範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。 実施例 血管と心臓にAAV構築物を導入するためにブタを用いた。動脈系への到達は 、右大腿動脈を切開することにより得られた。セルディンガー法により動脈に8 Fr.の外管を入れた。ヘパリン、2−3000単位を全身系投与した。8 Fr.の 線刺誘導ホッケーカテーテルを用いて左主冠動脈をかみ合わせた。メドトロニッ ク導入カテーテルを0.014インチのハイトルクフロッピー交換ガイドワイヤ 、ACSを用いて進めた。ガイドワイヤを回旋冠動脈中央に入れた。導入カテー テルをガイドワイヤを用いて回旋冠動脈に進めた。次に、ガイドワイヤを取り除 いた。ガイドカテーテルと導入カテーテル双方の配置を確かめるためにイソブエ -370の注入を用いた。次に、1〜3cc分割量を用いてウイルスを注入した。次に 、導入カテーテルから残留物質を取り除くために食塩水の灌流を用いた。次に、 カテーテルを全てはずし、外管もはずした。次に、大腿動脈を結紮し、断続縫合 を用いて皮膚を閉じた。結果を図2及び図3に示す。 本発明は、その真意又は固有の特徴から逸脱することなく他の形で具体化され 他の方法でも行われる。従って、本開示は全ての点で例示としてみなされ限定す るものでなく、本発明の範囲は下記の請求の範囲によって示され、等価物の意味 及び範囲の中に入る変化は全て包含されるものとする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 35/76 A61K 35/76 48/00 48/00 (72)発明者 カプリット マーティン ジェイ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 11005 フローラルパーク イースト グランド セントラル パークウェイ 271−32 (72)発明者 ディートリック エドワード ビー アメリカ合衆国 アリゾナ州 85253 パ ラダイスヴァリー ノース ドラグーン レーン 5815 (72)発明者 カプリット マイケル ジー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10021 ニューヨーク イースト シックスティ サード ストリート 504 アパートメン ト 23−ピー

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.a.実質的にAAVの複製とパッケージングのシグナル配列からなるAAV 配列;及び b.心筋細胞又は血管内皮細胞内で発現した場合に心臓又は血管の機能を改善 するタンパク質をコード化する遺伝子: を含むAAV由来ベクター。 2.該遺伝子が酵素をコード化する請求項1記載のAAV由来ベクター。 3.該遺伝子が、血液の1種以上の成分について活性を有するタンパク質をコー ド化する請求項1記載のAAV由来ベクター。 4.該タンパク質がストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ又は組織プラスミノーゲ ン活性化因子である請求項3記載のAAV由来ベクター。 5.該酵素がスーパーオキシドジスムターゼである請求項2記載のAAV由来ベ クター。 6.該遺伝子がストレス下の細胞を防御するタンパク質をコード化する請求項1 記載のAAV由来ベクター。 7.該タンパク質が熱ショックタンパク質である請求項6記載のAAV由来ベク ター。 8.該熱ショックタンパク質の見掛け上の分子量が約70kDである請求項7記 載のAAV由来ベクター。 9.該遺伝子が増殖因子をコード化する請求項1記載のAAV由来ベクター。 10.該増殖因子が血小板由来増殖因子、線維芽細胞増殖因子、表皮増殖因子、ト ランスフォーミング増殖因子又はインスリン様増殖因子である請求項9記載のA AV由来ベクター。 11.該遺伝子がコレステロールの代謝、循環又は蓄積に関係するタンパク質をコ ード化する請求項1記載のAAV由来ベクター。 12.該タンパク質が低密度リポタンパク質レセプターである請求項11記載のAA V由来ベクター。 13.該遺伝子が血管形成に関係するタンパク質をコード化する請求項1記載のA AV由来ベクター。 14.該遺伝子が血圧を制御するのに関係するポリペプチドをコード化する請求項 1記載のAAV由来ベクター。 15.該タンパク質がレニン、アンギオテンシン、又はレニン又はアンギオテンシ ンの活性化に関係する酵素である請求項14記載のAAV由来ベクター。 16.アデノ随伴ウイルス及び哺乳動物心臓又は循環系標的細胞の双方に外因性で あるDNAを送達する方法であって、前記外因性DNAを含むように修飾された アデノ随伴ウイルス由来ベクターを供給する段階及び前記ベクターに前記細胞を 形質導入させる段階を含む方法。 17.該外因性DNAが発現可能な遺伝子を含み、前記遺伝子が構成的に或いは調 節可能な条件下で前記標的細胞内で発現する請求項16記載の方法。 18.該発現可能な遺伝子が、前記細胞に内在性の遺伝子から転写されたメッセン ジャーRNAについてはアンチセンスであるメッセンジャーRNAをコード化す る請求項17記載の方法。 19.該発現可能な遺伝子が増殖因子をコード化する請求項17記載の方法。 20.該発現可能な遺伝子がフリーラジカルのレベルを低下させる酵素をコード化 する請求項17記載の方法。 21.該発現可能な遺伝子がチミジンキナーゼをコード化する請求項17記載の方法 。 22.該ベクターが機能型のAAV遺伝子を含まない請求項16記載の方法。 23.該ベクターが実質的にAAVの逆方向末端反復配列のみを保持する請求項16 記載の方法。 24.該発現可能な遺伝子がコード配列及び前記コード配列に作用可能に結合した 調節配列を含み、前記調節配列が活性化される場合にメッセンジャーRNA転写 物が前記コード配列から転写される請求項17記載の方法。 25.該標的細胞が、霊長類、げっ歯類、食肉類及び偶蹄類からなる群より選ばれ た哺乳類目の哺乳動物細胞である請求項16記載の方法。 26.該標的細胞がヒト細胞である請求項25記載の方法。 27.心臓又は血管系の遺伝的に決定された、素因がある又は罹患した疾病を予防 、治療又は改善する方法であって、請求項16記載の方法によって心臓又は血管系 の細胞に外因性DNAを送達する段階を含み、前記送達が心臓又は血管系の前 記遺伝的に決定された、素因がある又は罹患した疾病を予防、治療又は改善する ように前記外因性DNAが選ばれる方法。 28.哺乳動物心臓の細胞にウイルスベクターを送達する方法であって、末梢動脈 に挿入したカテーテルを介して前記ウイルスベクターを投与する段階及び前記ウ イルスベクターに前記細胞を形質導入させる段階を含む方法。 29.該ウイルスベクターが、該ウイルスベクターが由来するウイルス及び哺乳動 物心臓の細胞の双方に外因性であるDNAを含む請求項28記載の方法。 30.該ウイルスベクターがアデノ随伴ウイルス由来ベクターである請求項29記載 の方法。 31.該外因性DNAが発現可能な遺伝子を含み、前記遺伝子が構成的に或いは調 節可能な条件下で哺乳動物心臓の前記細胞内で発現する請求項30記載の方法。 32.該発現可能な遺伝子が、前記細胞に内在性の遺伝子から転写されたメッセン ジャーRNAについてはアンチセンスであるメッセンジャーRNAをコード化す る請求項31記載の方法。 33.該発現可能な遺伝子が増殖因子をコード化する請求項31記載の方法。 34.該発現可能な遺伝子がフリーラジカルのレベルを低下させる酵素をコード化 する請求項31記載の方法。 35.該発現可能な遺伝子がチミジンキナーゼをコード化する請求項31記載の方法 。 36.該ベクターが機能型のAAV遺伝子を含まない請求項30記載の方法。 37.該ベクターが実質的にAAVの逆方向末端反復配列のみを保持する請求項30 記載の方法。 38.該発現可能な遺伝子がコード配列及び前記コード配列に作用可能に結合した 調節配列を含み、前記調節配列が活性化される場合にメッセンジャーRNA転写 物が前記コード配列から転写される請求項31記載の方法。 39.該標的細胞が、霊長類、げっ歯類、食肉類及び偶蹄類からなる群より選ばれ た哺乳類目の哺乳動物細胞である請求項28記載の方法。 40.該標的細胞がヒト細胞である請求項39記載の方法。 41.心臓の遺伝的に決定された、素因がある又は罹患した疾病を予防、治療又は 改善する方法であって、請求項28記載の方法によって心臓の細胞に外因性DN Aを送達する段階を含み、前記送達が心臓の前記遺伝的に決定された、素因があ る又は罹患した疾病を予防、治療又は改善するように前記外因性DNAが選ばれ る方法。
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