JPH11512507A - 油圧制御装置をシールする機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 自動変速機（１）の油圧制御装置（１２）において、ポンプの吸込み通路（７）を１つの分配通路（９）によって囲み、これによってシール不全に際しても空気の吸込みが防止されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】 油圧制御装置をシールする機構 本発明は、自動変速機の下側に組み付けられる油圧制御装置をシールする機構 に関する。油圧制御装置内には電磁調整部材及び油圧弁が設けられている。 分類概念としての自動変速機の名のもとには有段の自動変速機も無段の自動変 速機も含まれる。一般に電気油圧式の自動変速機は次のような構造グループから 構成されている。即ち、発進ユニット例えば流体コンバータ、クラッチ・ブレー キ、油圧制御装置及び電子式変速制御装置等である。電子式変速制御装置は入力 量から自動変速機の制御に必要なパラメータを形成する。入力量はセンサによっ て供給される信号及び別の電子式制御器例えば機関制御器によって供給される信 号である。電子式変速制御装置は出力信号を介して油圧制御装置内の電磁調整部 材を制御する。この電磁調整部材を介して切り替えがなされ、その際には相応の クラッチ・ブレーキの組合わせが選択される。付加的にこの電磁調整部材を介し て切り替え時の圧力経過及び切り替え時以外の圧力レベルが制御される。 例えばドイツ国特許出願公開第４０４１２５３号明細書に、下部に油圧制御装 置が組み付けられた自動変速機が示されている。この油圧制御装置は、吸込みシ ュノーケル、弁ケーシング、シール部材付きの挿入薄板及び通路板から成ってい る。この場合通路板と変速機ケーシングとが２つの面を介して互いに接触してい る。これら両方の面はシール面として形成されている。ところで、このシール面 は結合ねじのセッテイング状態、初張力の変化に起因してシール不全を呈するこ とがある。油圧制御装置は部分的にしか潤滑剤溜めに浸かってないので、このシ ール不全の結果として、ポンプが吸込み通路を介して潤滑剤溜めから圧力油を吸 わずに、変速機内部から空気を吸い込むことになる。 本発明の課題は、油圧制御装置において確実な圧力油吸込みを保証することで ある。 この課題を本発明は次のようにして解決した。即ち、通路板が少なくとも１つ の吸込み通路、主圧力通路、測定通路及び分配通路を有しており、吸込み通路は 少なくとも部分的に１つの分配通路によって囲まれているのである。分配通路は 吸込み通路よりも高い圧力レベルを呈する。この分配通路は吸込み通路と通路板 の外周側との間に位置している。このような本発明の解決策によれば、通路板・ 変速機ケーシング箇所におけるシール不全が空気吸込みにつながることはないと いう利点が得られる。即ち、吸込み通路はより高い圧力レベルの分配通路によっ て囲まれているので、この分配通路から圧力油を吸い込むことになる。 本発明の別の構成によれば、主圧力通路が少なくとも部分的に複数の無圧の補 助通路によって囲まれており、これらの補助通路は主圧力通路と１つの測定通路 との間に配置されている。このような構成による利点として、シール不全に伴っ て測定通路内の圧力レベルに誤りが生ずるようなことが効果的に防止される。即 ち、シール不全の場合圧力油は主圧力通路から無圧の補助通路へ達する。圧力油 が測定通路へ達することはない。 次に、図面に示す実施例に沿って本発明を説明する。 第１図は油圧制御装置の配置並びに構造の概略図、 第２図は通路板の平面図である。 第１図は油圧制御装置１２の配置並びに構造を示している。この油圧制御装置 １２は自動変速機１の構成部分であって、変速機ケーシング２の下側に位置して いる。この油圧制御装置１２は変速機ケーシング２にねじ１３によって固定され ていて、この場合シール面Ａが形成される。油圧制御装置１２はフィルタ付きの シュノーケル３、弁ケーシング４、シール部材付きの挿入薄板５及び通路板６か ら成っている。また、油圧制御装置１２は部分的に潤滑剤溜めに浸かっている。 周知のようにこの潤滑剤溜めのレベルは、シュノーケル３があらゆる走行状況に おいても潤滑剤中に浸かるように設定される。第１図においてこのレベルは符号 Ｂで示されている。この潤滑剤レベルＢはシール面Ａまでは達していない。自動 変速機１内に配置されているポンプ（図示せず）がシュノーケル３を介して油圧 制御装置１２を通して潤滑剤溜めから潤滑剤を吸い込む。弁ケーシング４と通路 板６との間にシール部材付きの挿入薄板５が位置している。変速機ケーシング２ に対する通路板６のシール、即ちシール面Ａのシールは純然たる金属材によって なされる。通路板６と変速機ケーシング２との間にはねじ１３のセッテイングに 基づいて別のシールを施すことはできない。 第２図は通路板６を平面図で示している。シール面Ａはハッチングで示されて いる。符号７は吸込み通路を示し、この吸込み通路７を通してポンプがシュノー ケル３を介して潤滑剤溜めから潤滑剤を吸い込む。吸込み通路７内には負圧が支 配している。ねじ１３のセッテイング状態に基づいてシール不全が派生すること がある。公知例にはおいてはこのような場合吸込み通路７が変速機ケーシング２ の内部から空気を吸い込むことになった。これに対して本発明による解決策にお いては、吸込み通路７が通路板６の外周側に沿って分配通路９によって囲まれて いる。この分配通路９は吸込み通路７よりも高い圧力レベル、例えば２バールを 呈する。かくして、シール不全の場合にも吸込み通路７は分配通路９から圧力油 を吸い込む。 第２図にはさらに別の構成も示されている。符号８は、例えば１６バールの圧 力レベルを呈する主圧力通路を示している。符号１０は、例えばコンバータクラ ッチ内の圧力レベルを測定するために役立てられる１つの測定通路を示している 。公知例の場合、シール不全の結果として圧力油が主圧力通路から測定通路１０ の方向へ移動し、これによって測定結果を偽ることになる。本発明による解決策 は、主圧力通路８と測定通路１０との間に１つの補助通路１１を配置した点にあ る。 この補助通路１１は無圧である。従って、シール不全に際しても圧力油は主圧力 通路８から補助通路１１へ移動し、測定通路１０へ達することはない。 以上本発明の構成は次のようなケースに適用することができる。 − 負圧の吸込み通路シール箇所が常に又は特定の走行状態時に潤滑剤溜め内 には位置しないケース − 並んで延びる通路が例えば１６バールの主圧力通路と５バールの測定通路 のように大きな圧力差を有している臨界圧力通路のケース 代表的な適用範囲は有段並びに無段の自動変速機における油圧制御装置である 。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９７年５月２１日 【補正内容】 請求の範囲 １． 油圧制御装置をシールする機構であって、油圧制御装置（１２）は自動 変速機（１）の下側に組み付けられていて部分的に潤滑剤溜めに浸かっており、 油圧制御装置（１２）は吸込みシュノーケル（３）、弁ケーシング（４）、シー ル部材付きの挿入薄板（５）及び通路板（６）から成っていて変速機ケーシング （２）にねじ結合されており、通路板（６）と変速機ケーシング（２）とが２つ のシール面を介して互いに接触しており、１つのポンプが圧力油を潤滑剤溜めか ら油圧制御装置（１２）内を通して吸い込むかもしくは高圧レベルの圧力油を弁 ケーシング（４）へ圧送し、弁ケーシング（４）内には電磁調整部材及び油圧弁 が設けられていてこれらを介して自動変速機のクラッチ・ブレーキが制御される 形式のものにおいて、 前記通路板（６）は少なくとも１つの吸込み通路（７）、１つの主圧力通路（ ８）、複数の分配並びに測定通路（９、１０）を有しており、吸込み通路（７） は少なくとも部分的に１つの分配通路（９）によって囲まれていて、この分配通 路（９）は吸込み通路（７）よりも高い圧力レベルを呈し、分配通路（９）は吸 込み通路（７）と通路板（６）の外周側との間に位置していることを特徴とする 、油圧制御装置をシールする機構。 ２． 主圧力通路（８）が少なくとも部分的に無圧の補助通路（１１）によっ て囲まれており、補助通路（１１）は主圧力通路（８）と１つの測定通路（１０ ）との間に配置されていることを特徴とする、請求の範囲第１項記載の油圧制御 装置をシールする機構。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 油圧制御装置をシールする機構であって、油圧制御装置（１２）は自動 変速機（１）の下側に組み付けられていて部分的に潤滑剤溜めに浸かっており、 油圧制御装置（１２）は吸込みシュノーケル（３）、弁ケーシング（４）、シー ル部材付きの挿入薄板（５）及び通路板（６）から成っていて変速機ケーシング （２）にねじ結合されており、通路板（６）と変速機ケーシング（２）とが２つ のシール面を介して互いに接触しており、１つのポンプが圧力油を潤滑剤溜めか ら油圧制御装置（１２）内を通して吸い込むかもしくは高圧レベルの圧力油を弁 ケーシング（４）へ圧送し、弁ケーシング（４）内には電磁調整部材及び油圧弁 が設けられていてこれらを介して自動変速機のクラッチ・ブレーキが制御され、 通路板（６）は少なくとも１つの吸込み通路（７）、主圧力通路（８）、分配並 びに測定通路（９、１０）を有しており、吸込み通路（７）は少なくとも部分的 に１つの分配通路（９）によって囲まれていて、この分配通路（９）は吸込み通 路（７）よりも高い圧力レベルを呈し、分配通路（９）は吸込み通路（７）と通 路板（６）の外周側との間に位置している、油圧制御装置をシールする機構。 ２． 主圧力通路（８）が少なくとも部分的に無圧の補助通路（１１）によっ て囲まれており、補助通路（１１）は主圧力通路（８）と１つの測定通路（１０ ）との間に配置されていることを特徴とする、請求の範囲第１項記載の油圧制御 装置をシールする機構。