【発明の詳細な説明】
新規置換アザ環式またはアザ二環式化合物 発明の分野
本発明は、ニューロンのニコチン性チャネル受容体に対して選択的なコリン作
動性リガンドである複素環式化合物、それらの製造法、それらよりなる医薬組成
物、ならびにコリン作動性機能の低下により特徴付けられる痴呆および不安のご
とき認識障害、神経障害および精神障害の治療におけるそれらの使用に関する。
また本発明は、ドーパミン分泌のプロセスを調節することによりパーキンソン病
を治療する方法、タバコ製品の常習的または長期間の使用を停止することにより
起こる禁断症状を治療または予防する方法、ならびに肥満を治療する方法に関す
る。発明の背景
ニコチン性およびムスカリン性受容体は、それぞれムスカリンおよびニコチン
に対するそれらの選択性にちなんで命名された2つの明確に異なるタイプのコリ
ン作動性受容体である。コリン作動系は、記憶および認識機能と最も関連のある
神経伝達系である。伝統的には、アルツハイマー型の老人性痴呆症(SDAT)
に対するコリン作動性の仮説はムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR
)に焦点が当てられてきたが、ほんの最近になって、SDATにおけるニコチン
性アセチルコリン受容体(nAChR)の役割への関心が持ち上がってきた。こ
の関心は、nAChRが骨格筋に存在するばかりではなく、脳においても存在す
るという比較的最近の知見によって更に増大した。
nAChRの数はSDAT患者では減少するということが示されている(Nord
bergら、J.Neurosci.Res.31巻、103-111頁(1992);Giacobini,Advances in Exp
e
rimental Medicine and Biology,296巻、9205-9295頁、(1993);Schroederら、N
eurobiol.of Aging,12巻、259-262頁、(1991); Whitehouseら、Neurology,38
巻、720-723頁、(1988); Flynn およびMash,J.Neurochem,47巻、8702-8702頁
、(1993))。コリンアセチルトランスフェラーゼ活性およびアセチルコリン合成
における類似の欠乏は、コリン作動性神経末端のシナプス前受容体がSDATに
おいては優先的に失われていることを示唆する(Nordberg,J.Reprod.Fert.Su
ppl.,46巻、145-154頁、(1993))。従って、nAChRの欠失は、記憶および
認識機能の疾患の年齢に関係した発症と相関している可能性があり、更にニコチ
ンの補充治療はSDATにおいて有益であることが判明する可能性のあることが
仮定される。事実、ニコチンは、健康なヒトにおいて(Warburton,Prog.Neuro
. Psychopharmacol.Biol.Psychiatry,16巻、181-191頁、(1992))ならびにア
ルツハイマー病の患者において(Jonesら、Psychopharmacology,108巻、485-494
頁、(1992); GitelmanおよびProhovnik,Neurobiol.of Aging,13巻、313-318頁
、(1992); Newhouseら、Psychopharmacology,95巻、171-175頁、(1988); Sahak
ianら、Br.J.Psychiatry,154巻、9004-904頁(1993))、注意力および記憶力を
改善する。さらにニコチンのアンタゴニストであるメカミラミンは、年齢に関連
するような認識障害を引き起こすことが示されている(Newhouseら、Neuropsycho
pharmacology,10巻、93-107頁、(1994))。
パーキンソン病(PD)は、現在のところ病因のわからない、振せんと筋肉の
硬直によって特徴付けられる、衰弱による神経退行性疾患である。またニコチン
はPDにおいても有益な効果を有するという証拠がある。研究により、喫煙がP
Dの進展を防ぐかもしれないこと(IshikawaおよびMmiyatake,J.Neurol.Sci.,1
17巻、28-32頁、(1993);Godwin-Austenら、J.Neurol.Neurosurg.Psychiat.,
45巻、577-581頁、(1982);Rleavill,in Nicotine psychopharmacology: Molecu
lar,cellular and behaioral aspects,307-340頁、オックスフォード大学出版
部(1990))、および長期に亘るニコチン摂取が障害により引き起こされた黒質の
細胞欠損を防ぐかもしれないこと(JansonおよびMoller,Neuroscience,57巻、9
31-941頁(1993))が示された。またニコチンは、トウレット症候群(Tourrette's
syn
drome)においても有益な効果を示している。(Sanbergら、Biomed.Phamacother.
, 43巻、19−23頁(1989))。ニコチンが線条より側座核においてさらに強力にド
ーパミンの放出を刺激することを示すデータ(Rowellら、J.Neurochem.,49巻
、1449-1454頁、(1987);Giorguieff-Chesseletら、Life Science,25巻、1257-
1262頁、(1979));前頭葉前部ニューロンの不活性化のニコチンの逆転(Svenso
nら、In the Biology of Nicotine dependence.,169-185頁、New York,(1990)
)、およびニコチンが種々の行動モデルにおいてドーパミン作動効果を増強する
であろう観察によって(Reavill,in Nicotine psychopharmacology: Molecular
,cellular and behavioral aspects,307-340頁、オックスフォード大学出版部
、(1990); Rosecransら、Psychopharmacol.Commmun.,2巻、349-356頁、(1976);
ReavillおよびStolerman, J.Psychopharmacol.,1巻、264頁、(1987))、精神
分裂病においてハイポフロンタリティ(hypofrontality)症候群として知られて
いるネガティブ精神異常症状のニコチン様作用薬により緩和されることが示唆さ
れている。
近年、ラットおよびヒトにおいてニコチンの効果および食物の消費並びにこれ
に関連する体重変化に関するいくつかの研究がある(Greenbergら、Additive be
haviours,7巻、317-331頁、(1982)およびGreenbergら、Psychopharmacology,9
0巻、101-105頁(1984))。ニコチンの食欲に対する効果は、視床下部室傍核に
おけるCCKペプチドの調節を介して調節されると示唆されている(Fuxeら、Acta
Physiologica Scandinavica,125巻、437-443頁、(1985))。発明の説明
本発明の目的は、ニコチン性コリン作動性受容体に対する親和性および選択性
を有する新規複素環式化合物、それらの製造法、それらを含む医薬組成物、およ
びアルツハイマー病、パーキンソン病、トウレット症候群、潰瘍性大腸炎、肥満
、他の中枢神経系疾患および胃腸疾患ならびに激しい痛みの治療におけるそれら
の使用を提供することである。
本発明は、以下より選択される式Ia、IbおよびIc:
[式中、xは1、2、3、4または5であり;かつ
nは1、2または3であり;かつ
mは1、2または3であり;かつ
pは0、1または2であり;かつ
sは0、1または2であり;かつ
tは0、1または2であり;かつ
uは0、1または2であり;かつ
Rは水素またはC1-6−アルキルであり;かつ
R1は水素、C1-6−アルキル、C2-6−アルケニル、C2-6−アルキニル、C3-6
−シクロアルキル、C1-6−ポリフルオロアルキル、C2-6−アルコキシアルキル
、C2-6−アルキルチオアルキル、またはC2-6−アルキルアミノアルキルである
]
で示される新規置換アザ環式またはアザ二環式化合物、またはその薬学的に許容
される塩に関する。
かかる塩の例には、塩酸塩、臭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩
、マレイン酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩のごとき無機酸付
加塩および有機酸付加塩、または類似の薬学的に許容される無機酸付加塩または
有機酸付加塩が含まれ、ならびに出典明示して本明細書の一部とみなすJournal
of Pharmaceutical science,66,2(1977)に挙げられた薬学的に許容される塩が
含まれる。
式Ia、IbまたはIcの化合物は、幾何異性体および光学異性体として存在
することができ、すべての異性体およびそれらの混合物が本発明に含まれる。異
性体は、クロマトグラフィー技術または適当な塩の分別晶出のごとき標準法によ
って分離され得る。
本明細書で、単独でもしくは組み合わせて用いられる「C1-3−アルキル」お
よび「C1-6−アルキル」なる用語は、「C1-3−アルキル」に対してはメチル、
エチル、n−プロピルおよびイソプロピル、また「C1-6−アルキル」に対して
はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イ
ソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、
n−ヘキシル、4−メチルペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシルおよび2,2
−ジメチルプロピルなどのごとき表示された数の炭素を有する直鎖または分枝飽
和炭化水素鎖をいう。
本明細書で用いられる「C3-6−シクロアルキル」なる用語は、シクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルなどのごとき3ないし
6個の炭素原子を有する飽和環状炭化水素基をいう。
本明細書で用いられる「C2-6−アルケニル」なる用語は、ビニル、1−プロ
ペニル、アリール、イソプロペニル、n−ブテニル、n−ペンテニルおよびn−
ヘキシルなどのごとき2ないし6個の炭素原子および少なくとも1個の二重結合
を有する不飽和炭化水素鎖をいう。
「C1-6−ポリフルオロアルキル」の「ポリフルオロ」とは、−CF3、−CH2
−CF3、−CH2−CH2−CF3およびCH2−CH2−CH2−CF3などのご
とき2ないし13個のフッ素原子で置換されたC1-6−アルキルを意味する。
本明細書で用いられる「C2-6−アルキニル」なる用語は、−C≡CH、−C
≡CCH3、−CH2C≡CH、−CH2−CH2−C≡CH、−CH(CH3)≡
CH
などのごとき2ないし6個の炭素原子および少なくとも1個の三重結合を有する
不飽和炭化水素鎖をいう。
本明細書で用いられる「C2-6アルコキシアルキル」とは、−CH2−O−CH3
、−CH2−CH2−O−CH3、−CH2−O−CH2−CH3などのごときOに
よって遮られた2ないし6個の炭素基を意味する。
「C2-6−アルキルチオアルキル」とは、−CH2−S−CH3、−CH2−CH2
−S−CH3、−CH2−S−CH2−CH3などのごときSによって遮られた2
ないし6個の炭素基を意味する。
「C2-6−アルキルアミノアルキル」とは、−CH2−NH−CH3、−CH2−
CH2−NH−CH3、−CH2−NH−CH2−CH3などのごときNによって遮
られた2ないし6個の炭素基を意味する。
本発明の好ましい態様では、RはHまたはC1-3−アルキルを示す。xに対す
る好ましい値は2、3、または4であり、n、mおよびPは好ましくは各々2、
1および0、または2、2および0、または3、1および0であり、かつs,t
およびuは好ましくは各々1、1および0、または1、2および0、または1、
2および1である。
好ましい化合物には
(Z)−3−アセチルメチレン−1−アザ二環式[2.2.2]オクタン、
(E)−3−アセチルメチレン−1−アザ二環式[2.2.2]オクタン、
(Z)−3−アセチルメチレン−1−アザ二環式[2.2.1]ヘプタン、
(E)−3−アセチルメチレン−1−アザ二環式[2.2.1]ヘプタン、
(Z)−3−プロピオニルメチレン−1−アザ二環式[2.2.1]ヘプタン、
(E)−3−プロピオニルメチレン−1−アザ二環式[2.2.1]ヘプタン、
(Z)−3−プロピオニルメチレン−1−アザ環式[2.2.2]オクタン、
(E)−3−プロピオニルメチレン−1−アザ環式[2.2.2]オクタン、
またはその薬学的に許容される塩が含まれる。
また本発明は、前記した式Ia、IbまたはIcの化合物の製造法に関する。
これらの方法は:
a)R、x、n、m、p、s、tおよびuが前記で定義した意味を有する、以
下の式IIa、IIbまたはIIcから選択される化合物:
を、R2、R3、R4、R5およびR6が独立して直鎖または分枝のC1-6アルキルで
あり、かつR1が前記で定義した意味を有する式IIIのリンイリドまたは式IVで示
されるホスホネート:
と反応させて、式Ia、IbまたはIcの化合物を得るか;または
b)式IIa、IIbまたはIIcの化合物を、R1が前記で定義した意味を有する
式Vで示される化合物:
と反応させ、続いて脱水して、一般式Ia、IbまたはIcで示される化合物を
得ることを特徴とする。
本発明の化合物の薬理学的な特性は、3H−メチルカルバミルコリン(3H−M
CC)の特異的結合を阻害する能力を測定することによって示すことが可能であ
る。(AboodおよびGrassi,Biochem.Pharmacol.,35巻、4199-4202頁、(1988))。
3H−MCCは、CNSにおけるニコチン性受容体をラベルする。3H−MCC
結合における阻害効果は、ニコチン性アセチルコリン受容体に対する親和性に影
響を及ぼす。
新鮮または冷凍ラットの脳組織(海馬または皮質)をアッセイ緩衝液(50m
M Tris−HCl、pH7.4、120mM NaCl、5mM KCl、
2mM CaCl2,1mM MgCl2)中でホモジナイズし、10分間、40
,000 x gで遠心した。次いで、ペレットをアッセイ緩衝液中に再懸濁し
、適量の組織サンプルを3H−メチルカルバミルコリン(NEN、NET−95
1;最終濃度2nM)および試験薬剤とともにチューブ中で混合した。該チュー
ブを0℃で60分間インキュベートした。0.5%ポリエチレンイミンにあらか
じめ浸漬させたGF/Bフィルターを通す吸引濾過によって、結合していないリ
ガンドを結合したリガンドから分離した。フィルターを5mlの洗浄緩衝液(5
0mM Tris−HCl、pH7.4)で3回洗浄して、バイアルに移した。
4mlのシンチレーション液を添加し、放射能をシンチレーションカウンティン
グによって測定した。非特異的結合は10μMニコチンで測定した。
試験化合物のIC50値を、非線形回帰分析によって決定した(GraphPad inPlo
t)。
さらにまた、本発明の化合物の薬理学的な特性を、それらの3H−オキソトレ
モリン−M(3H−Oxo)の特異的結合を阻害する能力を測定することにより示
することが可能である。Birdsdall N.J.M..Hulme E.C.,およびBurgen A.S.V.(1
980).″The Character of Muscarinic Receptors in Different Regions of th
e Rat Brain″,Proc.Roy.Soc.London(シリーズB)207,1。
3H−OxoはCNSにおいてムスカリン性受容体を(該受容体のアゴニスト
ドメインを優先して)ラベルする。3つの異なる部位を3H−Oxoによってラ
ベルする。これらの部位は、各々1.8、20および3000nMの親和性を有
する。本実験条件のみを使用しても、高および中程度の親和性部位が決定される
。
3H−Oxo結合への化合物の阻害効果は、ムスカリン性アセチルコリン受容
体に対する親和性に影響を及ぼす。
特に断らない限り、すべての調製は0−4℃で行う。雄性ウィスターラット(
150−250g)の新鮮な皮質(0.1−1g)をUltra−Turrax
ホモジナイザーを用いて、10ml 20mMのHepes pH:7.4中で
、5−10秒間ホモジナイズする。該ホモジナイザーを10mlの緩衝液ですす
ぎ、合わせた懸濁液を40,000×gで15分間遠心する。ペレットを緩衝液
で3回洗浄する。各々の過程で、先のとおりに、ペレットを2×10mlの緩衝
液中でホモジナイズし、40,000×gで10分間遠心する。
最終ペレットを20mMのHepes pH:7.4(最初の組織1g当たり
100ml)中でホモジナイズし、結合アッセイに用いる。その0.5mlのア
リコートを25μlの試験溶液に添加し、25μlの3H−オキソトレモリン(
最終濃度1.0nM)を混合し、25℃で30分間インキュベートする。非特異
的
結合を、試験物質としてアレコリン(最終濃度1ug/ml)を用いてトリプリ
ケートにて決定する。インキュベーション後、サンプルを5mlの氷冷緩衝液に
添加して、吸引下で直接にワットマン GF/Cグラスファイバーフィルターに
注いで、直ちに5mlの氷冷緩衝液で2回洗浄する。該フィルターの放射能量を
、従来の液体シンチレーションカウンティングによって決定する。特異的結合は
、全結合から非特異的結合を差し引いた値である。
試験物質を10mlの水(必要ならば5分より短い時間で蒸気浴で加熱して)
に2.2mg/mlの濃度で溶解させる。IC50の計算前に特異的結合の25%
−75%阻害が得られるはずである。該試験値はIC50(3H−Oxoの特異的結
合を50%阻害する試験物質の濃度(nM))として得られる。
IC50=(適用した試験物質濃度)×(Cx/Co−Cx)nM
ここで、Coは対照アッセイでの特異的結合であり、Cxは試験アッセイでの特異
的結合である。(計算は通常の質量作用速度論を前提とする)。
表1は、ラット皮質受容体への3H−MCCおよび3H−Oxoの結合により決
定した、本発明の化合物のニコチン性およびムスカリン性受容体に対する親和性
を示す。しかしながら、該化合物は、ムスカリン性受容体と比べてニコチン性受
容体に対する選択的親和性、すなわちOXO/MCC>1を示す。
本発明の化合物は広い用量範囲にわたって効果的である。例えば、成人の治療
において、一日当たり用量約0.05ないし約100mg、好ましくは約0.1
ないし約100mgを用いることが可能である。最も好ましい用量は一日当たり
約10mgないし約70mgである。ニコチン性コリン作動系の機能不全によっ
て引き起こされる中枢神経系の疾患を患う患者の治療レジメの選択において、し
ばしば1日当たり約30ないし約70mgの用量で始め、症状を制御しながら一
日当たり約1ないし約10mgまで低く用量を減じることが必要とされるかも知
れない。厳密な用量は投与様式、投与形態、治療対象および治療対象の体重、な
らびに担当の医師または獣医師の選択および経験に依存する。
投与経路は、経口または非経口、例えば直腸、経皮、皮下、静脈内、尿道内、
筋肉内、局所性、鼻腔内、眼病用の溶液、または軟膏のごとき、活性化合物を適
当なまたは所望の作用部位に効果的に輸送するいずれの経路であってもよい。
典型的な組成物は、薬学的に許容される担体と組み合わされた式Ia、Ib若
しくはIcまたはその薬学的に許容される酸付加塩を含む。該組成物の作成にお
いて、医薬組成物の製造のための常法を用いることができる。例えば、活性化合
物は通常担体と混合、または担体で希釈、またはアンプル、カプセル、サチェッ
ト(sachet)、紙若しくは他の容器の形態であってもよい担体中に封入される。
担体が希釈剤として働く場合は、それは活性化合物のためのビヒクル、賦形剤、
または媒体として働く固体、半固体、若しくは液体物質であってよい。該活性化
合物は粒状固体容器、例えば、サチェットに収められ得る。適した担体のいくつ
かの例は水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエ
トキシル化ひまし油、ゼラチン、乳糖、アミロース、ステアリン酸マグネシウム
、タルク、ケイ酸、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、ペンタエリトリ
トール脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロースおよびポリビニルピロリド
ンである。
該薬学的製剤は所望により、補助剤、乳化剤、浸透圧を調整するための塩、緩
衝液および/または着色物質などとともに滅菌および混合でき、それらは該活性
化合物と有害に反応しない。
非経口投与については、注射剤としての使用が可能な溶液または懸濁液、好ま
しくはポリヒドロキシル化ひまし油に溶解させた該活性化合物を伴う水溶液が特
に適している。
タルクおよび/または炭水化物担体または結合剤などを有する錠剤、糖衣剤、
またはカプセル剤は経口投与に特に適している。錠剤、糖衣剤、またはカプセル
剤として好ましい担体は、乳糖、コーンスターチ、および/またはジャガイモデ
ンプンを含む。甘味をつけたビヒクルを使用し得る場合は、シロップ剤またはエ
リキシル剤を使用できる。
一般的に、該化合物は単位投与当たり薬学的に許容される担体中、約1ないし
100mgからなる単位形態にて調剤される。
本方法での使用に適当な典型的な錠剤は、通常の錠剤形成技術によって調剤す
ることができ、以下のものを含む。
以下、実施例を参照して本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1 (Z)−3−アセチルメチレン−1−アザ二環式[2.2.2]オクタンオキサレ ート
−5℃まで冷却した水(7.7ml)中の3−キヌクリジノン(2.0g、1
6ミリモル)および水酸化カリウム(1.93g、30ミリモル)溶液にジメチ
ル2−オキソプロピルホスホネート(4.9g、30ミリモル)を滴下により加
えた。反応混合物を0℃ないし−5℃の間の温度にて90時間攪拌した。反応混
合物を1M塩酸溶液(50ml)で反応を停止し、エーテルで3回洗浄し、固体
炭酸カリウムで塩基性にし、次いで塩化メチレン(5×50ml)で抽出した。
硫酸マグネシウム上での乾燥後、溶媒を除去した。粗化合物をエタノール(10
0ml)からシュウ酸塩として結晶化させ、次いでエタノール(50ml)から
再結晶化させて、21%の収率で標題の化合物を得た。融点189−190℃。
(化合物1)(E)−3−アセチルメチレン−1−アザ二環式[2.2.2]オクタンオキサレ ート
(Z)−3−アセチルメチレン−1−アザ二環式[2.2.2]オクタンオキサレ
ート(化合物1)の結晶化からの母液を蒸発させ、次いでアセトンで粉砕して純
度80%、13%の収率で標題の化合物を得た。融点178−179℃(化合物
2)
全く同様の方法にて以下の化合物を調製した。
1−アザ二環式[2.2.1]ヘプタン−3−オンおよびジメチル2−オキソプ
ロピルホスホネートから(Z)−3−アセチルメチレン−1−アザ二環式[2.
2.1]ヘプタンオキサレート。融点176−177℃。(化合物3)
1−アザ二環式[2.2.1]ヘプタン−3−オンおよびジメチル2−オキソプ
ロピルホスホネートから(E)−3−アセチルメチレン−1−アザ二環式[2.
2.1]ヘプタンオキサレート。融点168−170℃。(化合物4)
1−アザ二環式[2.2.1]ヘプタン−3−オンおよびジメチル2−オキソブ
チルホスホネートから(Z)−3−プロピオニルメチレン−1−アザ二環式[2
.2.1]ヘプタンオキサレート。化合物5。融点150−51℃。
1−アザ二環式[2.2.1]ヘプタン−3−オンおよびジメチル2−オキソブ
チルホスホネートから(E)−3−プロピオニルメチレン−1−アザ二環式[2
.2.1]ヘプタンオキサレート。化合物6。融点129−130℃。
1−アザ二環式[2.2.2]オクタン−3−オンおよびジメチル2−オキソブ
チルホスホネートから(Z)−3−プロピオニルメチレン−1−アザ二環式[2
.2.2]オクタンオキサレート。化合物7。融点157−58℃。
1−アザ二環式[2.2.2]オクタン−3−オンおよびジメチル2−オキソブ
チルホスホネートから(E)−3−プロピオニルメチレン−1−アザ二環式[2
.2.2]オクタンオキサレート。化合物8。融点142−43℃。
N−ベンジドリルアジチジン−3−オンおよびジメチル2−オキソプロピルホ
スホネートからN−ベンジドリル−3−(アセチルメチレン)アゼチジン。
実施例2 3−(アセチルメチレン)アゼチンジン塩酸塩
ジクロロメタン(10ml)中のN−ベンジドリル−3−(アセチルメチレン
)アゼチンジン(0.35g、1.1ミリモル)溶液にクロロギ酸1−クロロエ
チル(0.2g、1.3ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で20分間攪拌
した。反応混合物を蒸発させ、次いでメタノール(30ml)を加えた。反応混
合物を還流下で40分間加熱し、次いで蒸発させた。エーテルを加え、次いで分
離した結晶を濾過した。化合物9。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/00 626 A61K 31/00 626
31/395 602 31/395 602
31/40 31/40
31/435 608 31/435 608
C07D 453/02 C07D 453/02
487/08 487/08
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,
CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G
E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR
,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,
MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P
L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK
,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,
VN