【発明の詳細な説明】複素環式化合物並びにそれらの製造および使用 発明の分野
本発明は治療活性を有するアザ三環式化合物、それの製造方法、および該化合
物を含んで成る医薬組成物または獣医学組成物に関する。この新規化合物は、ム
スカリン性コリン作動性系の機能不全により引き起こされる中枢神経系の病気を
治療する際に有用である。発明の背景
西側諸国での一般に改善された健康事情のために、現在は老人に関連した病気
が今までよりもずっと多くなっており、将来更にもっと多くなると思われる。
老人に関連した症状の1つは、認識機能の減退である。この症状は、アルツハ
イマー病として知られる病理生理学的疾患において特に顕著である。この病気は
、無名質の一部である基底核中のコリン作動性ニューロンの90%までの変性と関
係しており、おそらく該変性により引き起こされるようである。それらのニュー
ロンは前前頭皮質と海馬に突き出ており、前脳および海馬の認識機能、即ち学習
、連想、統合および認識に対して一般刺激作用を有する。
コリン作動性ニューロンは退化しても、前脳および海馬のシナプス後受容体は
まだ存在するというのが、アルツハイマー病の特徴である。従って、コリン作動
性アゴニストは、アルツハイマー病の治療に、アルツハイマー病の進行停止に、
および老人の認識機能の改善に有用である。
本発明の化合物は有用な鎮痛剤でもあり、従って重い苦痛状態の
治療に有用である。
更に、本発明の化合物は、緑内障、精神病、躁病、双極性障害、精神分裂病も
しくは分裂病様状態、うつ病、膀胱機能不全、不安、睡眠障害、癲癇、大脳虚血
および胃腸運動性障害の治療に有用である。発明の要約
本発明の目的は、新規ムスカリン性コリン作動性化合物を提供することである
。
本発明の新規化合物は、式Iの複素環式化合物:
〔上式中、
Rは水素、ハロゲン、−NR1R2、−R3、−OR3、−SR3、−SOR3、−
SO2R3、C3-8シクロアルキル、C4-12(シクロアルキルアルキル)、−Z−
C3-10シクロアルキルまたは−Z−C4-12(シクロアルキルアルキル)であり、
ここでR3は水素、直鎖もしくは枝分かれC1-15アルキル、直鎖もしくは枝分か
れC2-15アルケニル、直鎖もしくは枝分かれC2-15アルキニルまたは直鎖もしく
は枝分かれC4-15アルケニニルであってこれらの各基はハロゲン、−CF3、−
CN、−OH、Y、フェニルまたはフェノキシから選ばれた1もしくは複数の置
換基により置換されることがあり、前記フェニルまたはフェノキシはハロゲン、
−OH、−CF3、−CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチ
オ、
−SCF3、−OCF3、−CONH2または−CSNH2から選ばれた1もしくは
複数の置換基により置換されることがあり;あるいは
Rはフェニルまたはベンジルオキシカルボニルであってその各基はハロゲン、
−OH、−CF3、−CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチ
オ、−SCF3、−OCF3、−CONH2または−CSNH2から選ばれた1もし
くは複数の置換基により置換されることがあり;あるいは
Rは−OR4ZY、−SR4ZY、−OR4ZR3または−SR4ZR3であり、こ
こでZは酸素または硫黄であり、R4は直鎖もしくは枝分かれC1-15アルキレン
、直鎖もしくは枝分かれC2-15アルケニレン、直鎖もしくは枝分かれC2-15アル
キニレンまたは直鎖もしくは枝分かれC4-15アルケニニレンであってこれらの各
基はハロゲン、−CF3、−CN、−OH、Y、フェニルまたはフェノキシから
選ばれた1もしくは複数の置換基により置換されることがあり、前記フェニルま
たはフェノキシはハロゲン、−OH、−CF3、−CN、C1-4アルキル、C1-4
アルコキシ、C1-4アルキルチオ、−SCF3、−OCF3、−CONH2または−
CSNH2から選ばれた1もしくは複数の基により置換されることがあり;
Yは5員または6員の複素環式基であり、前記複素環式基は1もしくは複数の
炭素原子もしくは窒素原子のところでハロゲン、−OH、−CF3、−CN、C1 -4
アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチオ、−SCF3、−OCF3、−
CONH2、−CSNH2、フェニル、ベンジルまたはチエニルから選ばれた1も
しくは複数の置換基により置換されることがあり、あるいは複素環式基の中の1
個の炭素原子が1個の酸素原子と一緒になってカルボニル基を形成し、あるいは
前記複素環式基はフェニル環と縮合環
を形成することがあり;
R1およびR2は独立に水素もしくはC1-6アルキルであるか、またはR1および
R2は窒素原子と一緒になって4〜6員環を形成することがある〕;または医薬
上許容される塩もしくは溶媒和物である。
本明細書中で用いる時、「ハロゲン」という語はF,Cl,BrおよびIを意味す
る。特に好ましいハロゲンとしてはCl,BrおよびFが挙げられる。
本明細書中で用いる時、「C1-n'アルキル」(ここでn’は2〜15であること
ができる)という語は、1から指摘した数までの炭素原子を有する直鎖または枝
分かれアルキル基を表す。典型的なC1-6アルキル基としては、メチル、エチル
、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブ
チル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書中で用いる「C2-n'アルケニル」(ここでn’は3〜15であることが
できる)という語は、2から指摘した数までの炭素原子と少なくとも1個の二重
結合を有するオレフィン性不飽和直鎖または枝分かれ基を表す。そのような基の
例としては、1−プロペニル、2−プロペニル、1,3−ブタジエニル、1−ブ
テニル、ヘキセニル、ペンテニルなどが挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書中で用いる「C2-n'アルキニル」(ここでn’は3〜15であることが
できる)という語は、2から指摘した数までの炭素原子と少なくとも1個の三重
結合を有する不飽和直鎖または枝分かれ基を表す。そのような基の例としては、
1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニ
ル、2−ペンチニルなどが挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書中で用いる「C4-n'アルケニニル」(ここでn’は5〜
15であることができる)という語は、4から指摘した数までの炭素原子並びに少
なくとも1個の二重結合と少なくとも1個の三重結合の両方を有する不飽和直鎖
または枝分かれ炭化水素基を表す。そのような基の例としては、1−ペンテン−
4−イン、3−ペンテン−1−イン、1,3−ヘキサジエン−5−インなどが挙
げられるが、それらに限定されない。
本明細書中で用いる「C3-n'シクロアルキル」(ここでn’は4〜10であるこ
とができる)という語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シ
クロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルなどを表す。
本明細書中で用いる「C4-12(シクロアルキルアルキル)」という語は、炭素
のところでシクロアルキル基により置換された技分かれまたは直鎖アルキル基を
表す。そのような基の例としては、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル
、2−(シクロヘキシル)エチル、シクロヘキシルメチル、3−(シクロペンチ
ル)−1−プロピルなどが挙げられる。
本明細書中で単独でまたは組み合わせて用いる「C1-4アルコキシ」という語
は、エーテル酸素からの自由原子価結合を有するエーテル酸素を通して連結され
たC1-4アルキル基を含み且つ1〜4個の炭素原子を有する直鎖または枝分かれ
鎖一価置換基を指す。そのような基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、イソプロポキシ、ブトキシなどが挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書中で単独でまたは組み合わせて用いる「C1-4アルキルチオ」という
語は、硫黄酸素からの自由原子価結合を有する二価硫黄原子を通して連結された
C1-4アルキル基を含み且つ1〜4個の炭素原子を有する直鎖または枝分かれ鎖
一価置換基を指す。そのような基の例としては、メチルチオ、エチルチオ、プロ
ピルチオ、イ
ソプロピルチオ、ブチルチオなどが挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書中で用いる「R1およびR2が窒素原子と一緒になって4〜6員環を形
成することがある」という言い方は、例えば、非限定的に下記のものを包含する
:
本明細書中で用いる「5員または6員の複素環式基」という用語は、1〜4個
のN,OもしくはS原子またはその組合せを含有する基を意味し、前記複素環式
基は場合により炭素原子もしくは窒素原子のところでハロゲン、−OH、−CF3
、−CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチオ、−SCF3
、−OCF3、−CONH2、−CSNH2、フェニル、ベンジルもしくはチエニ
ルにより置換されることがあり、または複素環式基中の炭素原子が酸素原子と一
緒になってカルボニル基を形成し、または前記複素環式基はフェニル基と縮合環
を形成することがある。「5員または6員の複素環式基」としては、非限定的に
、1個のヘテロ原子を有する5員複素環(例えばチオフェン、ピロール、フラン
);1,2位または1,3位に2個のヘテロ原子を有する5員複素環(例えばオ
キサゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、プリン);3個のヘテロ
原子を有する5員複素環(例えばトリアゾール、チアジアゾール);4個のヘテ
ロ原子を有する5員複素環;1個のヘテロ原子を有する6員複素環(例えばピリ
ジン、キノリン、イソキノリン、フェナントリジン、シクロヘプタ〔b〕ピリジ
ン);2個のヘテロ原子を有する6員複素環(例えばピリダジン、シンノリン、
フタラジン、ピラジン、ピリミジン、キナゾリン);
3個のヘテロ原子を有する6員複素環(例えば1,3,5−トリアジン);およ
び4個のヘテロ原子を有する6員複素環が挙げられる。
本明細書中で用いる「カルボキシ」という語は、当業者が理解する一般的な意
味を有する置換基であり、ここで結合箇所はカルボニル基の炭素原子経由かまた
は酸素原子経由であることができる。
「〜から選ばれた1もしくは複数の置換基」という語は、より好ましくは1〜
3個の置換基を意味する。この用語は更に好ましくは1〜2個の置換基を指す。
好ましい態様では、本発明は、Rが−OR3,−SR3,−OR4ZY,−SR4
ZY,−OR4ZR3または−SR4ZR3であり、ここでR3,R4,YおよびZは
前に定義した通りである、式Iの化合物に関する。
別の好ましい態様では、本発明は、Rが−OR3または−SR3であり、ここで
R3は前に定義した通りである、式Iの化合物に関する。
別の好ましい態様では、本発明はRが−OR4ZY,−SR4ZY,−OR4Z
R3または−SR4ZR3であり、ここでR3,R4,YおよびZは前に定義した通
りである、式Iの化合物に関する。
別の好ましい態様では、本発明は、Rが−OR3または−SR3であり、ここで
R3は直鎖もしくは枝分かれC1-15アルキル、直鎖もしくは枝分かれC2-15アル
ケニル、直鎖もしくは枝分かれC2-15アルキニルまたは直鎖もしくは枝分かれC4-15
アルケニニルであってこれらの各基は1もしくは複数のハロゲン、−CF3
、−CN、−OH、Yまたはフェニルにより置換されることがあり、前記フェニ
ルはハロゲン、−OH、−CF3、−CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、
C1-4アルキルチオ、−SCF3、−OCF3、−CONH2または−CSNH2か
ら選ばれた1もしくは複数の置
換基により置換されることがあり、そしてYは5員または6員の複素環式基であ
り、前記複素環式基は1もしくは複数の炭素原子もしくは窒素原子のところでハ
ロゲン、−CF3、−CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチ
オ、−SCF3または−OCF3から選ばれた1もしくは複数の置換基により置換
されることがある、式Iの化合物に関する。
別の好ましい態様では、本発明はRが−OR4ZY,−SR4ZY,−OR4Z
R3または−SR4ZR3であり、ここでZは酸素または硫黄であり、R3は直鎖も
しくは枝分かれC1-15アルキル、直鎖もしくは枝分かれC2-15アルケニル、直鎖
もしくは枝分かれC2-15アルキニルまたは直鎖もしくは枝分かれC4-15アルケニ
ニルであり、R4は直鎖もしくは枝分かれC1-15アルキレン、直鎖もしくは枝分
かれC2-15アルケニレン、直鎖もしくは枝分かれC2-15アルキニレンまたは直鎖
もしくは枝分かれC4-15アルケニニレンであり、ここでR3およびR4は独立に1
もしくは複数のハロゲン、−CF3、−CN、−OH、Yまたはフェニルにより
置換されることがあり、前記フェニルはハロゲン、−OH、−CF3、−CN、
C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチオ、−SCF3、−OCF3
、−CONH2または−CSNH2から選ばれた1もしくは複数の置換基により置
換されることがあり、そしてYは5員または6員の複素環式基であり、前記複素
環式基は炭素原子または窒素原子のところでハロゲン、−CF3、−CN、C1-4
,アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチオ、−SCF3または−OCF3
から選ばれた1もしくは複数の置換基により置換されることがある、式Iの化合
物に関する。
別の好ましい態様では、本発明は、Rが−OR3または−SR3であり、ここで
R3はフェニルによりまたはYにより置換された
C2-8アルキニル、好ましくはプロピニルであり、好ましくはYはチオフェン、
フラン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、オキサジアゾー
ルまたはチアジアゾールであり、特に好ましくはチオフェン、ピリジン、ピリミ
ジンまたはフランであり、その各々は−OH、ハロゲン、−NO2、−CN、C1 -4
アルキル、C1-4アルキルチオ、C1-4アルコキシ、−SCF3、−OCF3、−
CF3、−CONH2または−CSNH2から選ばれた1もしくは複数の置換基に
より、好ましくはハロゲン、−CN、C1-4アルコキシまたは−OCF3から選ば
れた1もしくは複数の置換基により置換されることがある、式Iの化合物に関す
る。
本発明は、本発明の化合物の立体異性体並びに本発明の化合物の純粋なジアス
テレオマー、純粋な鏡像体およびラセミ体形のいずれにも及ぶということを理解
すべきである。
説明した方法のための出発物質は、何も言及していなくても、商業的に入手可
能であるかまたは当業者に既知の方法を使って調製することができる。
本発明は、上述した化合物の製造方法にも関し、該方法は、
a) 式IIの三環式ニトリル(WO 92/11261 中に記載)
を、トルエン中のDIBAL-H を使って、式IIIのアルデヒド
に還元し、次いで従来の条件下で、例えば式IIIのアルデヒドをシアン化カリウ
ムと塩化アンモニウムの溶液に添加することにより(StrecKer条件)式IVの対応
するアミノニトリルに変換し、または式IIIのアルデヒドをシアン化カリウムと
反応させてシアノヒドリンを形成せしめ、それを単離した後で塩基性水性条件下
で塩化アンモニウムと反応させてアミノニトリルを与えることにより段階的に式
IVの対応するアミノニトリルに変換し、
続いて非プロトン性溶媒、例えばジメチルホルムアミド中で一塩化硫黄を使って
前記アミノニトリルを環化せしめ、Rがハロゲンである式Iの化合物を形成せし
め;または
b) a)に記載した通りに調製した式Vの化合物
(ここでHal はハロゲンである)を、非プロトン性溶媒、例えばジメチルホルム
アミド中でヒドロ亜硫酸ナトリウムと反応させ、次いで適当なハロゲン化アルキ
ルと反応させて、Rが−SR3、−S−C3-10シクロアルキル、−S−C4-12シ
クロアルキルアルキル、−SR4ZYまたは−SR4ZR3(R3,R4,Yおよび
Zは前に定義した通りである)である式Iの化合物を形成せしめ;または
c) Rが−SR3(R3は前に定義した通りである)である式Iの化合物を酸化し
て、Rが−SOR3または−SO2R3(R3は前に定義した通りである)である式
Iの化合物を形成せしめ、この方法の酸化剤としてはオキソンが特に好ましく;
または
d) c)に記載した通りに調製した式VIのスルホン
(ここでR3は前に定義した通りである)を、非プロトン性溶媒、例えばジメチ
ルホルムアミド中でヒドロ亜硫酸ナトリウムと反応させ、次いで適当なハロゲン
化アルキルと反応させて、Rが−SR3、−S−C3-10シクロアルキル、−S−
C4-12シクロアルキルアルキル、−SR4ZYまたは−SR4ZR3(R3,R4,
YおよびZは前に定義した通りである)である式Iの化合物を得;または
e) 上述した通りに調製した式VIのスルホン
(ここでR3は前に定義した通りである)を、適当なアルコールおよび塩基、例
えば水素化ナトリウムと反応させて、Rが−OR3、−O−C3-10シクロアルキ
ル、−O−C4-12シクロアルキルアルキル、−OR4ZYまたは−OR4ZR3(
R3,R4,YおよびZは前に定義した通りである)である式Iの化合物を得;ま
たは
f) a)に記載した通りに調製した式Vの化合物
(ここでHal はハロゲンである)を、適当なアルコールおよび塩基、例えば水素
化ナトリウムと反応させて、Rが−OR3、−O−C3-10シクロアルキル、−O
−C4-12シクロアルキルアルキル、−OR4ZYまたは−OR4ZR3(R3,R4
,YおよびZは前に定義した通りである)である式Iの化合物を得;または
g) a)に記載した通りに調製した式Vの化合物
(ここでHal はハロゲンである)を、適当なアミンと反応させて、Rが−NR1
R2(ここでR1とR2は前に定義した通りである)である式Iの化合物を得;ま
たは
h) a)に記載した通りに調製した式Vの化合物
(ここでHal はハロゲンである)を還元して、Rが水素である式Iの化合物を得
;または
i) a)に記載した通りに調製した式Vの化合物
(ここでHal はハロゲンである)を、テトラヒドロフランのような溶媒中で適当
なグリニャール試薬と反応させて、RがR3、C3-8
シクロアルキル、C4-12シクロアルキルアルキル、フェニルまたはベンジルオキ
シカルボニルである式Iの化合物を得;または
j) a)に記載した通りに調製した式Vの化合物
(ここでHal はハロゲンである)を亜硫酸水素ナトリウムと反応させて、Rが−
SHである式Iの化合物を得;または
k) 上記に記載した通りに調製した式VIIの化合物
を、リン(III)化合物、例えばトリフェニルホスフィンの存在下で、適当なア
ルコール、およびアゾジカルボン酸のジエステル、例えばアゾジカルボン酸ジエ
チルエステルと反応させて、Rが−SR3,−SR4ZYまたは−SR4ZR3(こ
こでR3,R4,ZおよびYは前に定義した通りである)である式Iの化合物を得
る
ことを含んで成る。
化学の場合には常にそうであるように、反応速度は種々の要因、例えば温度、
調製すべき正確な化合物などに依存する。反応経過を薄層クロマトグラフィー(
TLC)、高性能液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)、ガスクロマトグラフィー(GC)および核磁気共鳴分光法(N
MR)のような方法を使って追跡し、反応の完結度を検出することができる。作
業者は反応時間を延長することにより該方法を使った最大収率を得てもよい。あ
るいは、作業者は、反応が経済的な完結度に達した時点で反応を打ち切ることに
よって最大処理容量を得たいと思うかもしれない。
下記の方法中の一段階の生成物が油状物である時は、標準法によりそれを単離
することができる。そのような方法としては、蒸留、フラッシュクロマトグラフ
ィー、HPLCなどが挙げられる。
本発明は更に、式Iの化合物およびそれのための1または複数の医薬上許容さ
れる希釈剤、担体または賦形剤を含んで成る組成物を提供する。そのような組成
物は好ましくは経口投与単位または非経口投与単位形態である。
本発明は、コリン作動性ムスカリン受容体系の機能不全に関連した状態を処置
する方法であって、それが必要をとする患者に、医薬上有効な量の本発明の化合
物を投与することを含んで成る方法を提供する。本発明の化合物を使って処置す
ることができる状態としては、アルツハイマー病、認識機能不全、重度の苦痛状
態、緑内障、精神病、精神分裂病、膀胱機能不全、不安、睡眠障害、並びにムス
カリン受容体の転形に関連した他のそういった状態が挙げられるが、それらに限
定されない。
本明細書中で使用する「処置する」という語は、身体的および/または精神的
状態の予防、または一端確立された後の発達した身体的および/または精神的状
態の改善もしくは除去、またはそのような状態に特徴的な症状の緩和を包含する
。
本明細書中で使用する「ムスカリン性コリン作動性系」という語は、当業者に
より解釈される意味(通義)である。例えば、この語
は、緑内障、精神病、精神分裂病または分裂病様状態、うつ病、睡眠障害、癲癇
および胃腸運動性障害のような状態を指すが、決してそれらに限定されない。他
のこのような状態には、アルツハイマー病および失禁が含まれる。
本明細書中で用いる「ムスカリン性コリン作動性受容体と相互作用する」とい
う言い方は、ムスカリン性コリン作動性受容体をブロックするかまたはそのよう
な受容体を転形させる化合物を含む。この言い方は、化合物がムスカリン性コリ
ン作動性受容体を目当てにアゴニスト、部分アゴニストおよび/またはアンタゴ
ニストとして作用する時に観察される効果を含む。
医薬上許容される塩の例としては、無機および有機酸付加塩、例えば塩酸塩、
臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、クエン
酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩または同様の医薬上許容される無機もしく
は有機酸付加塩が挙げられ、当業者に公知であるJournal of Pharmaceutical Sc ience,
66,2(1977)の中に列挙された医薬上許容される塩を包含する。本発明
の化合物は、当業者に周知の方法を使って標準的な低分子量溶媒との溶媒和物を
形成することができる。
本発明の化合物の薬理学的性質は、3H−オキソトレモリン−M(3H−Oxo)の特
異結合を阻害する能力を測定することにより例証することができる。Birdsdall
,N.J.M.,Hulme E.C.およびBurgen A.S.V.(1980),“The Character of Musc
arinic Receptors in Different Regions of the Rat Brain”,Proc.Roy.Soc
.London(Series B)207,1。
3H−Oxo は、CNS中のムスカリン受容体を標識する(該受容体のアゴニスト
ドメインに優先的に)。3つの異なる部位が3H−Oxo により標識される。それら
の部位はそれぞれ 1.8,20および3000
nMの親和性を有する。本発明の実験条件を使うと、高および中親和性部位のみが
測定される。
3H−Oxo 結合に対する化合物の阻害効果は、ムスカリン性アセチルコリン受容
体に対する親和性を反映する。
全ての調製は別に指摘しない限り0〜4℃で実施する。雄Wistarラット(150
〜250g)からの新鮮な皮質(0.1 〜1g)を、Ultra-Turraxホモジナイザーを
使って、10mlの20 mM Hepes pH 7.4中で5〜10秒間ホモジナイズする。ホモジナ
イザーを10mlの緩衝液ですすぎ、合わせた懸濁液を40,000×gで15分間遠心する
。ペレットを緩衝液で3回洗浄する。各洗浄段階において、ペレットを2×10ml
の緩衝液中で上記と同様にホモジナイズし、次いで40,000×gで10分間遠心する
。
最終ペレットを、20 mM Hepes pH 7.4(元の組織1gにつき100 ml)中でホモ
ジナイズし、そして結合アッセイに使用する。0.5 mlのアリコートを25μlの試
験溶液および25μlの3H−オキソトレモリン(1.0 nM,最終濃度)に加え、混
合しそして25℃で30分間インキュベートする。試験物質としてアレコリン(1μ
g/ml,最終濃度)を使った三重反復試験において非特異結合を測定する。インキ
ュベーション後、試料を5mlの氷冷緩衝液に加え、吸引しながらWhatman GF/Cガ
ラス繊維フィルターに直接注ぎ、すぐに5mlの氷冷緩衝液で2回洗浄する。通常
の液体シンチレーションカウンティングによりフィルター上の放射能の量を測定
する。特異結合は全結合から非特異結合を引いたものである。
試験物質を2.2 mg/mlの濃度で10mlの水に溶かす(必要なら蒸気浴上で5分間
未満加熱して)。IC50の計算前に特異結合の25〜75%阻害が得られなければな
らない。
試験値はIC50〔3H−Oxo の特異結合を50%阻害する試験物質の
濃度(nM)〕として与えられる。
IC50=(適用した試験物質濃度)×(Cx/Co−Cx)nM
ここで、Coは対照アッセイでの特異結合であり、Cxは試験アッセイでの特異
結合である。(計算は標準質量作用速度論を仮定する)。
更に、本発明の化合物の薬理学的性質は、ラット大脳皮質膜への3H−PRZ(ピ
レンゼピン、〔N−メチル−3H〕)結合を阻害するそれらの能力を測定すること
によって、例証することもできる。ピレンゼピンはムスカリン受容体のサブタイ
プに選択的に結合する。歴史的にこのタイプはM1部位と名付けられているが、
ピレンゼピン感受性部位の方がよりふさわしいだろう。ピレンゼピンはM1部位
に選択的であるけれども、M2部位とも相互作用する。
全ての調製は別に指摘しない限り0〜4℃で実施する。雄Wistarラット(150
〜200g)からの新鮮な皮質(0.1 〜1g)を、Ultra-Turraxホモジナイザーを
使って、10mlの20 mM Hepes pH 7.4中で5〜10秒間ホモジナイズする。ホモジナ
イザーを2×10mlの緩衝液ですすぎ、合わせた懸濁液を40,000×gで15分間遠心
する。ペレットを緩衝液で3回洗浄する。各洗浄段階において、ペレットを3×
10mlの緩衝液中で上記と同様にホモジナイズし、次いで40,000×gで10分間遠心
する。
最終ペレットを、20 mM Hepes pH 7.4(元の組織1gにつき100 ml)中でホモ
ジナイズし、そして結合アッセイに使用する。0.5 mlのアリコートを20μlの試
験溶液および25μlの3H−ピレンゼピン(1.0 nM,最終濃度)に加え、混合し
そして20℃で60分間インキュベートする。試験物質としてアトロピン(1μg/ml
,最終濃度)を使った三重反復試験において非特異結合を測定する。インキュベ
ーション後、試料を5mlの氷冷緩衝液に加え、吸引しながらWhatman
GF/Cガラス繊維フィルターに直接注ぎ、すぐに5mlの氷冷緩衝液で2回洗浄する
。通常の液体シンチレーションカウンティングによりフィルター上の放射能の量
を測定する。特異結合は全結合から非特異結合を引いたものである。
試験物質を0.22mg/mlの濃度で10mlの水に溶かす。IC50の計算前に特異結合
の25〜75%阻害が得られなければならない。
試験値はIC50〔3H−PRZ の特異結合を50%阻害する試験物質の濃度(nM)〕と
して与えられる。
IC50=(適用した試験物質濃度)×(Cx/Co−Cx)nM
ここで、Coは対照アッセイでの特異結合であり、Cxは試験アッセイでの特異
結合である。(計算は標準質量作用速度論と仮定する)。
本発明の幾つかの化合物を試験することにより得られた試験結果は下記の表1
から明らかであろう。
本発明の化合物は広い用量範囲に渡って有効である。例えば、成人の処置の場
合、約0.05〜約100 mg/日、好ましくは約0.1〜約100 mg/日の用量を用いるこ
とができる。最も好ましい用量は約0.1 〜約70mg/日である。ムスカリン性コリ
ン作動性系の機能不全により引き起こされた中枢神経系の病気を有する患者に対
する治療法を選択する際、約20〜約70mg/日の用量から始めて、そして状態が制
御状態になった時に用量を約0.1 〜約10mg/日くらいの低用量に減らすことがし
ばしば必要かもしれない。正確な用量は投与の方法、投与形態、処置すべき患者
、および担当の医師または獣医の好みと経験によるだろう。
投与の経路は、適当なまたは所望の作用部位に活性化合物を効率的に輸送する
任意の経路であることができ、例えば経口または非経口、例えば直腸、経皮、デ
ポ、皮下、静脈内、尿道内、筋肉内、鼻内、眼科用の液剤または軟膏であること
ができるが、経口投与が好ましい。
典型的な組成物は、担体もしくは希釈剤であるか、または担体により希釈する
ことができるか、またはカプセル、サッシェ、紙もしくは他の容器の形であるこ
とができる担体の中に封入することができる、医薬上許容される賦形剤と組み合
わせて式Iの化合物または医薬上許容されるその塩を含んで成る。該組成物を製
造する場合、医薬組成物の調製のための常用技術を用いることができる。例えば
、活性化合物を普通は担体と混合するか、担体により希釈するか、またはアンプ
ル、カプセル、サッシェ、紙もしくは他の容器の形であることができる担体の中
に封入する。担体が希釈剤として働く時、それは佐剤、賦形剤または活性化合物
のための媒質として作用する固体、半固体または液体材料であることができる。
活性化合物は例えばサッシェ中の粒状固形内容物上に吸着させることができる。
適
当な担体の幾つかの例は、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、
ポリヒドロキシエトキシル化ヒマシ油、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ス
テアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリ
セリド、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース並
びにポリビニルピロリドンである。該製剤は更に湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤
、保存剤、甘味剤または矯味剤を含んでもよい。本発明の製剤は、当業界で周知
の方法を使うことにより、患者への投与後に活性成分の迅速放出、持続放出また
は遅延放出を提供するように製剤化することができる。
医薬製剤は所望であれば滅菌することができ、そして活性化合物と不利に反応
しない補助剤、乳化剤、浸透圧を調整するための塩、緩衝剤および/または着色
物質などと混合することができる。
非経口投与用に特に適当であるのは、注射可能な溶液または懸濁液、好ましく
はポリヒドロキシル化ヒマシ油に溶解した活性化合物を有する水性溶液である。
タルクおよび/または炭水化物担体または結合剤などを有する錠剤、糖剤また
はカプセル剤は特に経口投与に適する。錠剤、糖剤またはカプセル剤用の好まし
い担体としては、ラクトース、トウモロコシ澱粉および/またはジャガイモ澱粉
が挙げられる。甘味を付けた賦形剤を使用できる場合には、シロップ剤またはエ
リキシル剤を使うことができる。
一般に、化合物は1回量(単位用量)あたり医薬上許容される担体中に約0.1
〜約100 mgを含んで成る1回量形態に調剤される。
本方法での使用に適当な典型的な錠剤は、常用の錠剤成形技術により調製する
ことができ、次の成分を含有する:
活性化合物 5.0 mg
Lactosum 67.8 mg 欧州薬局方
Avicel(登録商標) 31.4 mg
Amberlite(登録商標) 1.0 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.25 mg 欧州薬局方
本発明の化合物は動物への投与にも適する場合がある。そのような動物は、家
畜(例えば家禽、実験動物および家庭用ペット)と、非家畜動物(例えば野性動
物)の両方を包含する。より好ましくは、動物は脊椎動物である。最も好ましく
は、本発明の化合物は哺乳動物に投与される。動物が家畜動物またはヒトである
のが特に好ましい。最も好ましい哺乳動物はヒトである。そのような目的には、
本発明の化合物は飼料添加物としてまたは塊状形態で投与することができる。
本発明を下記の実施例を参照しながら更に具体的に説明することにする。この
実施例は例示目的で与えられるのであって、決して本発明の範囲を限定するもの
と解釈してはならない。
実施例1
A.1−ホルミル−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン
乾燥THF(150 ml)中の1−シアノ−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6
〕ヘプタン(WO 92/11261)(5.0 g,42 ミリモル)を窒素下で0℃にて水素
化ジイソブチルアルミニウム(ヘキサン中の1M溶液を84ml、84ミリモル)で処
理した。3時間後、反応混合物を室温まで温め、4N HClでクエンチングした。真
空中で濃縮することによりTHFを除去し、残渣を酢酸エチルで抽出した(2×
、廃棄)。水性相を炭酸カリウムで塩基性(pH 10-11)にし、混合物をジクロロ
メタンで抽出した(6×)。ジクロロメタン抽出液を乾
燥し(MgSO4)そして濾過した。溶媒を蒸発せしめて 2.8 g(55%)の表題化合
物を得た。
B.2−アミノ−2−(4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタ−1
−イル)アセトニトリル
水(5ml)中の1−ホルミル−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘ
プタン(3.56 g,29ミリモル)の氷冷溶液に、水(5ml)中のシアン化カリウム
(2.08 g,31.9ミリモル)の溶液を30分間に渡り添加した。更に1時間後、冷却
浴を取り外し、反応液を室温で16時間攪拌した。次いでシアノヒドリン生成物を
25%水性アンモニア(4.0 ml,52ミリモル)と塩化アンモニウム(7.76 g,145
ミリモル)に加えた。反応混合物を室温で18時間攪拌し、次いでイソプロパノー
ル/ジクロロメタン(1:10)(10×75ml)で抽出した。有機相を乾燥し、蒸発さ
せて、オイルとして表題化合物を得た(2.5g,58%)。
C.1−(3−クロロ−1,2,5−チアジアゾール−4−イル)−4−アザト
リシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン
DMF(5ml)中の一塩化硫黄(3.2 ml,40.2ミリモル)の溶液に、5〜10℃
においてDMF(5ml)中の粗製2−アミノ−2−(4−アザトリシクロ〔2.
2.1.02,6〕ヘプタ−1−イル)アセトニトリル(3.0 g,20.1 ミリモル)
の溶液を30分間に渡り添加した。反応混合物を5〜10℃で更に1時間攪拌した後
、氷水(12ml)を反応液に加えた。硫黄が沈澱したため、混合物を濾過した。濾
液を4N NaOH で塩基性(pH〜10)にした。生成物をジクロロメタンで抽出した(
4×)。有機相を乾燥し、蒸発させ、そして溶離剤としてジクロロメタンからジ
クロロメタン/メタノール(9:1)に進む勾配を使って、残渣をシリカゲル上での
カラムクロマトグラフィーにより精製した。オイルとして 2.1 g(48%)の収量
で表題化合
物が得られた。(化合物1)。
実施例2
1−(3−プロピルチオ−1,2,5−チアジアゾール−4−イル)−4−アザ
トリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン、シュウ酸塩
DMF(20ml)中の1−(3−クロロ−1,2,5−チアジアゾール−4−イ
ル)−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン(700 mg,3.3 ミリ
モル)と亜硫酸水素ナトリウム一水和物(730 mg,9.9 ミリモル)の溶液を窒素
下で室温にて1時間攪拌した。1−プロピルブロミド(900 μl,9.9 ミリモル
)と炭酸カリウム(4.6 g,33 ミリモル)を加え、反応混合物を室温で30分間攪
拌した。4N HClを加え(pH〜2.0 )た後、混合物をエーテルで抽出した(2×、
廃棄)。水性相を2N NaOH で塩基性(pH 10-11)にし、混合物をエーテルで抽出
した(3×)。エーテル相を乾燥し、蒸発させた。残渣をシュウ酸と共にアセト
ンから結晶化させると、935 mg(82%)の収量で表題化合物が得られた。m.p.1
51-154℃。(化合物2)。
実施例3
適当なアルキルブロミドを使って、実施例2に記載したのと全く同じ方法で次
の化合物を製造した:
1−(3,3,3−トリフルオロプロピルチオ−1,2,5−チアジアゾール
−4−イル)−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン、シュウ酸
塩。収率79%。m.p.147-150℃。(化合物3)。
1−〔3−(4−シアノベンジルチオ)−1,2,5−チアジアゾール−4−
イル〕−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン、シュウ酸塩。収
率43%。m.p.102-105℃。(化合物4)。
実施例4
1−(3−プロピルスルホニル−1,2,5−チアジアゾール−4−イル)−4
−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン、シュウ酸塩
1−(3−プロピルチオ−1,2,5−チアジアゾール−4−イル)−4−ア
ザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン(化合物2)(585 mg,1.7 ミリ
モル)を水(20ml)と1N HCl(2ml)に溶かし、その溶液を氷水の中で冷却した
。水(10ml)に溶かしたオキソン(1.57 g,2.55ミリモル)を攪拌しながら添加
した。冷却浴を取り外し、反応液を2.5 時間攪拌した。反応液を5N NaOH で塩基
性(pH 10-11)にし、次いでエーテルで抽出した(6×)。有機相を乾燥し(Mg
SO4)、溶媒を蒸発させた。残渣をシュウ酸と共にアセトンから結晶化させると
、545 mg(83%)の収量で表題化合物が得られた。m.p.187-191℃。(化合物5
)。
実施例5
1−{3−〔3−(4−フルオロフェニル)−2−プロピニル−1−オキシ〕−
1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1.
02,6〕ヘプタン、シュウ酸塩
乾燥THF(10ml)中の3−(4−フルオロフェニル)−2−プロピン−1−
オール(430 mg,2.10ミリモル)の溶液に、窒素下で且つ攪拌しなから水素化ナ
トリウム(80%)(80mg,2.7 ミリモル)をゆっくり添加した。1時間後、乾燥
THF(3ml)中の1−(3−プロピルスルホニル−1,2,5−チアジアゾー
ル−4−イル)−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン(化合物
5)(200 mg,0.7 ミリモル)を添加した。攪拌を5日間続けた。6 NHCl(pH 2)
の添加により反応をクエンチングし、溶媒を蒸発させた。残渣を水に溶かした後
、エーテルで抽出した(3×,廃棄)。水性
相を4N NaOH で塩基性(pH 10-11)にし、混合物をエーテルで抽出した(4×)
。抽出液を乾燥し、溶媒を蒸発させた。生成物をアセトン中に取り出し、シュウ
酸と共にアセトン中で沈澱させ、235 mg(80%)の表題化合物を得た。収率80%
。m.p.185-187℃。(化合物6)。
実施例6
適当なアルコールを使って、実施例5に記載したのと同じ方法で次の化合物を
製造した:
1−〔3−(3−フェニル−2−プロピニル−1−オキシ)−1,2,5−チ
アジアゾール−4−イル〕−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタ
ン、シュウ酸塩。収率76%。m.p.182-185℃。(化合物7)。
1−{3−〔3−(3−チエニル)−2−プロピン−1−イルオキシ〕−1,
2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02, 6
〕ヘプタン、シュウ酸塩。収率67%。m.p.180-182℃。(化合物8)。
1−{3−〔3−(2−チエニル)−2−プロピン−1−イルオキシ〕−1,
2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02, 6
〕ヘプタン、シュウ酸塩。収率77%。m.p.156-158℃。(化合物9)。
1−{3−〔3−(3−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−イルオキシ
〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.
1.02,6〕ヘプタン、塩酸塩。収率61%。m.p.108-111℃。(化合物10)。
1−{3−〔3−(3−ピリジル)−2−プロピン−1−イルオキシ〕−1,
2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02, 6
〕ヘプタン、シュウ酸塩。収率40%。
m.p.169-172℃。(化合物11)。
1−{3−〔3−(3−フリル)−2−プロピン−1−イルオキシ〕−1,2
,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6
〕ヘプタン、シュウ酸塩。収率69%。m.p.166-167℃。(化合物12)。
1−{3−〔3−(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−イルオキシ
〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.
1.02,6〕ヘプタン、シュウ酸塩。収率69%。m.p.155-158℃。(化合物13)
。
1−{3−〔3−(2−ピリジル)−2−プロピン−1−イルオキシ〕−1,
2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02, 6
〕ヘプタン、シュウ酸塩。収率20%。m.p.158-160℃(化合物14)。
1−{3−〔3−(2−チエニル)−4−メチル−1−ペンチン−3−イルオ
キシ〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.
2.1.02,6〕ヘプタン、シュウ酸塩。収率39%。m.p.164-165℃。(化合物1
5)。
1−{3−〔3−(4−クロロフェニル)−2−プロピン−1−イルオキシ〕
−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1
.02,6〕ヘプタン、シュウ酸塩。収率60%。m.p.172-173.5℃。(化合物16)
。
1−{3−〔3−(3−クロロフェニル)−2−プロピン−1−イルオキシ〕
−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1
.02,6〕ヘプタン、シュウ酸塩。収率78%。m.p.160-162℃。(化合物17)。
1−{3−〔3−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−プロピン−1−イル
オキシ〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}
−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン、シュウ酸塩。収率48%
。m.p.173-175℃。(化合物18)。
1−{3−〔3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−2−プロピン−1−
イルオキシ〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ
〔2.2.1.02,6〕ヘプタン、シュウ酸塩。収率44%。m.p.143-144℃。(
化合物19)。
1−{3−〔3−(5−クロロ−2−チエニル)−2−プロピン−1−イルオ
キシ〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.
2.1.02,6〕ヘプタン、シュウ酸塩。収率80%。m.p.155-157℃。(化合物2
0)。
1−{3−〔3−(3,5−ジクロロフェニル)−2−プロピン−1−イルオ
キシ〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.
2.1.02,6〕ヘプタン、シュウ酸塩。収率22%。m.p.121-124℃。(化合物2
1)。
1−{3−〔3−(トリフルオロメトキシフェニル)−2−プロピン−1−イ
ルオキシ〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔
2.2.1.02,6〕ヘプタン、シュウ酸塩。収率58%。m.p.121-124℃。(化
合物29)。
実施例7
1−〔3−(3−フェニル−2−プロピンチオ)−1,2,5−チアジアゾール
−4−イル〕−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン、シュウ酸
塩
乾燥DMF(20ml)中の1−(3−プロピルスルホニル−1,2,5−チアジ
アゾール−4−イル)−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン(
化合物5)(450 mg,1.5 ミリモル)の溶液を亜硫酸水素ナトリウム一水和物(
390 mg,5.3 ミリモル)に添加した。窒素下で90℃にて2時間攪拌した後、混合
物を20℃に冷却
し、炭酸カリウム(2.1 g,15 ミリモル)と乾燥DMF(2ml)中の3−フェニ
ル−2−プロピニルメタンスルホネート(945 mg,4.5 ミリモル)の溶液を添加
した。10分間攪拌後、反応は完結した。氷水を加え、4N HCl(pH 2)の添力によ
りpHを調整した。混合物をエーテルで抽出した(3×,廃棄)。水性相をアンモ
ニア溶液で塩基性(pH 10-11)にし、次いでエーテルで抽出した(3×)。抽出
液を乾燥し(MgSO4)、溶媒を蒸発させた。生成物をアセトン中に取り、シュウ
酸と共にアセトン中で沈澱させると、475 mg(73%)の表題化合物が得られた。
m.p.154-157℃。(化合物22)。
実施例8
適当なメタンスルホネートを使って、実施例7に記載したのと同じ方法で次の
化合物を製造した。下記化合物は塩酸塩として単離した。
1−{3−〔3−(4−クロロフェニル)−2−プロピン−1−イルチオ〕−
1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1.
02,6〕ヘプタン、塩酸塩。収率72%。m.p.154-156℃。(化合物23)。
1−{3−〔3−(3−クロロフェニル)−2−プロピン−1−イルチオ〕−
1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1.
02,6〕ヘプタン、塩酸塩。収率66%。m.p.175-177℃。(化合物24)。
1−{3−〔3−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−プロピン−1−イル
オキシ〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2
.2.1.02,6〕ヘプタン、塩酸塩。収率62%。m.p.173-175℃。(化合物25
)。
実施例9
4−(4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタ−1−イ
ル)−1,2,5−チアジアゾール−3−チオール
乾燥DMF(80ml)中の1−(3−クロロ−1,2,5−チアジアゾール−4
−イル)−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン(3.0 g,14 ミ
リモル)と亜硫酸水素ナトリウム一水和物(3.14 g,42ミリモル)の溶液を窒素
下で室温にて1時間攪拌した。溶媒を蒸発させた後、水を加え、4N HClの添加に
よりpH調整(pH 9)した。混合物を氷上で冷却し、生成物を濾過により単離して
、1.7g(58%)の表題化合物を得た。m.p.205-207℃(化合物26)。
実施例10
1−{3−〔3−(5−クロロ−2−チエニル)−2−プロピン−1−イルチオ
〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.
1.02,6〕ヘプタン、シュウ酸塩
乾燥THF(10ml)中の4−(4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘ
プタ−1−イル)−1,2,5−チアジアゾール−3−チオール(211 mg,1.0
ミリモル)に窒素下でトリフェニルホスフィン(262 mg,1.0 ミリモル)を添加
しそして攪拌した。混合物を氷冷し、そこに乾燥THF(5ml)に溶かした3−
(5−クロロチオフェン−2−イル)プロパ−2−イン−1−オール(259 mg,
1.5 ミリモル)に続いてアゾジカルボン酸ジエチル(174 mg,1.0 ミリモル)を
添加した。混合物を0℃から出発して16時間攪拌して室温にまで温めた。氷水を
加え、4 N HCl を使ってpH 2.0にpH調整した。反応混合物をジエチルエーテルで
洗浄した(2×)。水性相を25%水性アンモニアで塩基性(pH 10-11)にした後
、ジエチルエーテルで抽出した(3×)。エーテル抽出液を乾燥し(MgSO4)、
蒸発させた。残渣をシュウ酸と一緒にアセトンから結晶化させると、168 mg(37
%)の収量で表題化合物が得られた。m.p.138-141℃。(化合物27)。
実施例11
適当なアルコールを使って、実施例10に記載したのと同じ方法で次の化合物を
製造した。下記化合物はフラッシュクロマトグラフィーにより精製した後、シュ
ウ酸塩として沈澱させた。
1−{3−〔3−(5−ピリミジル)−2−プロピン−1−イルチオ〕−1,
2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02, 6
〕ヘプタン、シュウ酸塩。収率45%。m.p.174-176℃。(化合物28)。
【手続補正書】
【提出日】1998年12月1日
【補正内容】
請求の範囲
1.式I:
〔上式中、
Rは水素、ハロゲン、−NR1R2、−R3、−OR3、−SR3、−SOR3、−
SO2R3、C3-8シクロアルキル、C4-12(シクロアルキルアルキル)、−Z−
C3-10シクロアルキルまたは−Z−C4-12(シクロアルキルアルキル)であり、
ここでR3は水素、直鎖もしくは枝分かれC1-15アルキル、直鎖もしくは枝分か
れC2-15アルケニル、直鎖もしくは枝分かれC2-15アルキニルまたは直鎖もしく
は枝分かれC4-15アルケニニルであってこれらの各基はハロゲン、−CF3、−
CN、−OH、Y、フェニルまたはフェノキシから選ばれた1もしくは複数の置
換基により置換されることがあり、前記フェニルまたはフェノキシはハロゲン、
−OH、−CF3、−CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチ
オ、−SCF3、−OCF3、−CONH2または−CSNH2から選ばれた1もし
くは複数の置換基により置換されることがあり;あるいは
Rはフェニルまたはベンジルオキシカルボニルであってこれらの各基はハロゲ
ン、−OH、−CF3、−CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキ
ルチオ、−SCF3、−OCF3、−CONH2または−CSNH2から選ばれた1
もしくは複数の置換基により置換されることがあり;あるいは
Rは−OR4ZY、−SR4ZY、−OR4ZR3または−SR4ZR3であり、
ここでZは酸素または硫黄であり、R4は直鎖もしくは枝分かれC1-15アルキレ
ン、直鎖もしくは枝分かれC2-15アルケニレン、直鎖もしくは枝分かれC2-15ア
ルキニレンまたは直鎖もしくは枝分かれC4-15アルケニニレンであってこれらの
各基はハロゲン、−CF3、−CN、−OH、Y、フェニルまたはフェノキシか
ら選ばれた1もしくは複数の置換基により置換されることがあり、前記フェニル
またはフェノキシはハロゲン、−OH、−CF3、−CN、C1-4アルキル、C1- 4
アルコキシ、C1-4アルキルチオ、−SCF3、−OCF3、−CONH2または
−CSNH2から選ばれた1もしくは複数の置換基により置換されることがあり
;
Yは5員または6員の複素環式基であり、前記複素環式基は1もしくは複数の
炭素原子もしくは窒素原子のところでハロゲン、−OH、−CF3、−CN、C1 -4
アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチオ、−SCF3、−OCF3、−
CONH2、−CSNH2、フェニル、ベンジルまたはチエニルから選ばれた1も
しくは複数の置換基により置換されることがあり、あるいは前記複素環式基の中
の1個の炭素原子が1個の酸素原子と一緒になってカルボニル基を形成し、ある
いは前記複素環式基はフェニル環と縮合環を形成することがあり;
R1およびR2は独立に水素もしくはC1-6アルキルであるか、またはR1および
R2が窒素原子と一緒になって4〜6員環を形成することがある〕
により表される化合物;またはそれの医薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
2.Rが−OR3,−SR3,−OR4ZY,−SR4ZY,−OR4ZR3または
−SR4ZR3であり、ここでR3,R4,YおよびZは前に定義した通りである、
請求項1に記載の化合物。
3.Rが−OR3または−SR3であり、ここでR3は前に定義した通りである
、請求項1に記載の化合物。
4.Rが−OR4ZY,−SR4ZY,−OR4ZR3または−SR4ZR3であり
、ここでR3,R4,YおよびZは前に定義した通りである、請求項1に記載の化
合物。
5.Rが−OR3または−SR3であり、ここでR3は直鎖もしくは枝分かれ
C1-15アルキル、直鎖もしくは枝分かれC2-15アルケニル、直鎖もしくは枝分か
れC2-15アルキニルまたは直鎖もしくは枝分かれC4-15アルケニニルであってこ
れらの各基は1もしくは複数のハロゲン、−CF3、−CN、−OH、Yまたは
フェニルにより置換されることがあり、前記フェニルはハロゲン、−OH、−C
F3、−CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチオ、−SCF3
、−OCF3、−CONH2または−CSNH2から選ばれた1もしくは複数の置
換基により置換されることがあり、そしてYは5員または6員の複素環式基であ
り、前記複素環式基は1もしくは複数の炭素原子もしくは窒素原子のところでハ
ロゲン、−CF3、−CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチ
オ、−SCF3または−OCF3から選ばれた1もしくは複数の置換基により置換
されることがある、請求項1,2または3に記載の化合物。
6.Rが−OR4ZY,−SR4ZY,−OR4ZR3または−SR4ZR3であり
、ここでZは酸素または硫黄であり、R3は直鎖もしくは枝分かれC1-15アルキ
ル、直鎖もしくは枝分かれC2-15アルケニル、直鎖もしくは枝分かれC2-15アル
キニルまたは直鎖もしくは枝分かれC4-15アルケニニルであり、R4は直鎖もし
くは枝分かれC1-15アルキレン、直鎖もしくは枝分かれC2-15アルケニレン、直
鎖もしくは枝分かれC2-15アルキニレンまたは直鎖もしくは枝分かれC4-15アル
ケニニレンであり、ここでR3およびR4は独立に1もしくは複数のハロゲン、−
CF3、−CN、−OH、Yまたはフェニルにより置換されることがあり、前記
フェニルはハロゲン、−OH、−CF3、−CN、C1-4アルキル、C1-4アルコ
キシ、C1-4アルキルチオ、−SCF3、−OCF3、−CONH2または−CSN
H2から選ばれた1もしくは複数の置換基により置換されることがあり、そして
Yは5員または6員の複素環式基であり、前記複素環式基は1もしくは複数の炭
素原子もしくは窒素原子のところでハロゲン、−CF3、−CN、C1-4アルキル
、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチオ、−SCF3または−OCF3から選ばれ
た1もしくは複数の置換基により置換されることがある、請求項1,2または4
に記載の化合物。
7.Rが−OR3または−SR3であり、ここでR3はフェニルによりまたはY
により置換されたC2-8アルキニルであり、前記フェニルまたはYの各々は−
OH、ハロゲン、−CN、C1-4アルキル、C1-4アルキルチオ、C1-4アルコキ
シ、−SCF3、−OCF3、−CF3、−CONH2または−CSNH2から選ば
れた1もしくは複数の置換基により置換されることがある、請求項1,2,3ま
たは5に記載の化合物。
8.Rが−OR3または−SR3であり、ここでR3はフェニル、チオフェン、
フラン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、オキサジアゾー
ルまたはチアジアゾールにより置換されたC2-8アルキニルであり、前記各置換
基はハロゲン、−CN、C1-4アルコキシまたは−OCF3から選ばれた1もしく
は複数の基により置換されることがある、請求項7に記載の化合物。
9.Rが−OR3または−SR3であり、ここでR3はフェニル、チオフェン、
ピリジン、ピリミジンまたはフランにより置換されたC2-8アルキニルであり、
前記各置換基はハロゲン、−CN、C1-4アルコキシまたは−OCF3から選ばれ
た1もしくは複数の基により置換されることがある、請求項8に記載の化合物。
10.Rが−OR3または−SR3であり、ここでR3はフェニルによりまたはY
により置換されたプロピニルであり、前記フェニルまたはYの各々は−OH、ハ
ロゲン、−CN、C1-4アルキル、C1-4アルキルチオ、C1-4アルコキシ、−S
CF3、−OCF3、−CF3、−CONH2または−CSNH2から選ばれた1も
しくは複数の置換基により置換されることがある、請求項7に記載の化合物。
11.Rが−OR3または−SR3であり、ここでR3はフェニル、チオフェン、
フラン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、オキサジアゾー
ルまたはチアジアゾールにより置換されたプロピニルであり、前記各置換基はハ
ロゲン、−CN、C1-4アルコキシまたは−OCF3から選ばれた1もしくは複数
の基により置換されることがある、請求項10に記載の化合物。
12.Rが−OR3または−SR3であり、ここでR3はフェニル、チオフェン、
ピリジン、ピリミジンまたはフランにより置換されたプロピニルであり、前記各
置換基はハロゲン、−CN、C1-4アルコキシまたは−OCF3から選ばれた1も
しくは複数の基により置換されることがある、請求項11に記載の化合物。
13.次の化合物:
1−(3−クロロ−1,2,5−チアジアゾール−4−イル)−4−アザトリ
シクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン、
1−(3−プロピルチオ−1,2,5−チアジアゾール−4−イル)−4−ア
ザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン、
1−(3,3,3−トリフルオロプロピルチオ−1,2,5−チアジアゾール
−4−イル)−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン、
1−〔3−(4−シアノベンジルチオ)−1,2,5−チアジアゾール−4−
イル〕−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン、
1−(3−プロピルスルホニル−1,2,5−チアジアゾール−4−イル)−
4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(4−フルオロフェニル)−2−プロピニル−1−オキシ〕
−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1
.02,6〕ヘプタン
1−〔3−(3−フェニル−2−プロピニル−1−オキシ)−1,2,5−チ
アジアゾール−4−イル〕−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタ
ン、
1−〔3−(3−フェニル−2−プロピニルチオ)−1,2,5−チアジアゾ
ール−4−イル〕−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(3−チエニル)−2−プロピン−1−イルオキシ〕−1,
2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02, 6
〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(2−チエニル)−2−プロピン−1−イルオキシ〕−1,
2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02, 6
〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(3−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−イルオキシ
〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.
1.02,6〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(3−ピリジル)−2−プロピン−1−イルオキシ〕−1,
2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02, 6
〕
ヘプタン、
1−{3−〔3−(3−フリル)−2−プロピン−1−イルオキシ〕−1,2
,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6
〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−イルオキシ
〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.
1.02,6〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(2−ピリジル)−2−プロピン−1−イルオキシ〕−1,
2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02, 6
〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(2−チエニル)−4−メチル−1−ペンチン−3−イルオ
キシ〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.
2.1.02,6〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(4−クロロフェニル)−2−プロピン−1−イルオキシ〕
−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1
.02,6〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(3−クロロフェニル)−2−プロピン−1−イルオキシ〕
−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1
.02,6〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−プロピン−1−イル
オキシ〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2
.2.1.02,6〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−2−プロピン−1−
イルオキシ〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ
〔2.2.1.02,6〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(5−クロロ−2−チエニル)−2−プロピン−1−イルオ
キシ〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.
2.1.02,6〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(3,5−ジクロロフェニル)−2−プロピン−1−イルオ
キシ〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.
2.1.02,6〕ヘプタン、
1−〔3−(3−フェニル−2−プロピンチオ)−1,2,5−チアジアゾー
ル−4−イル〕−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(4−クロロフェニル)−2−プロピン−1−イルチオ〕−
1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1.
02,6〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(3−クロロフェニル)−2−プロピン−1−イルチオ〕−
1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1.
02,6〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−プロピン−1−イル
オキシ〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2
.2.1.02,6〕ヘプタン、
4−(4−アザトリシクロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタ−1−イル)−1,
2,5−チアジアゾール−3−チオール、
1−{3−〔3−(5−クロロ−2−チエニル)−2−プロピン−1−イルチ
オ〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2
.1.02,6〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(5−ピリミジル)−2−プロピン−1−イルチオ〕−1,
2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシクロ〔2.2.1.02, 6
〕ヘプタン、
1−{3−〔3−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−2−プロピン−1
−イルオキシ〕−1,2,5−チアジアゾール−4−イル}−4−アザトリシク
ロ〔2.2.1.02,6〕ヘプタン、
またはそれらの塩もしくは溶媒和物から選ばれる、請求項1〜12のいずれか一項
に記載の化合物。
14.請求項1に記載の化合物の製造方法であって、
a) 式IIの三環式ニトリル
を、トルエン中のDIBAL-H を使って、式IIIのアルデヒド
に還元し、次いで式IIIのアルデヒドをシアン化カリウムと塩化アンモニウムの
溶液に添加することにより(Strecker条件)式IVの対応するアミノニトリルに変
換するか、または式IIIのアルデヒドをシアン化カリウムと反応させてシアノヒ
ドリンを形成せしめ、それを単離した後で塩基性水性条件下で塩化アンモニウム
と反応させてアミノニトリルを与えることにより段階的に式IVの対応するアミノ
ニトリルに変換し、
続いてジメチルホルムアミド中で一塩化硫黄を使って前記アミノニトリルを環化
して、Rがハロゲンである式Iの化合物を形成せしめ;または
b) a)に記載の通りに調製した式Vの化合物
(ここでHal はハロゲンである)を、ジメチルホルムアミド中でヒドロ亜硫酸ナ
トリウムと反応させ、次いで適当なハロゲン化アルキルと反応させて、Rが−S
R3、−S−C3-10シクロアルキル、−S−C4-12シクロアルキルアルキル、−
SR4ZYまたは−SR4ZR3(R3,R4,YおよびZは前に定義した通りであ
る)である式Iの化合物を形成せしめ;または
c) Rが−SR3(R3は前に定義した通りである)である式Iの化合物をオキソ
ンを使って酸化して、Rが−SOR3または−SO2R3(R3は前に定義した通り
である)である式Iの化合物を形成せしめ;または
d) c)に記載の通りに調製した式VIのスルホン
(ここでR3は前に定義した通りである)を、ジメチルホルムアミド中でヒドロ
亜硫酸ナトリウムと反応させ、次いで適当なハロゲン化アルキルと反応させて、
Rが−SR3、−S−C3-10シクロアルキル、−S−C4-12シクロアルキルアル
キル、−SR4ZYまたは−SR4ZR3(R3,R4,YおよびZは前に定義した
通りである)である式Iの化合物を得;または
e) 上述した通りに調製した式VIのスルホン
(ここでR3は前に定義した通りである)を、アルコールおよび水素化ナトリウ
ムと反応させて、Rが−OR3、−O−C3-10シクロアルキル、−O−C4-12シ
クロアルキルアルキル、−OR4ZYまたは−OR4ZR3(R3,R4,Yおよび
Zは前に定義した通りである)である式Iの化合物を得;または
f) a)に記載の通りに調製した式Vの化合物
(ここでHal はハロゲンである)を、アルコールおよび水素化ナトリウムと反応
させて、Rが−OR3、−O−C3-10シクロアルキル、−O−C4-12シクロアル
キルアルキル、−OR4ZYまたは−OR4ZR3(R3,R4,YおよびZは前に
定義した通りである)である式Iの化合物を得;または
g) a)に記載の通りに調製した式Vの化合物
(ここでHal はハロゲンである)をアミンと反応させて、Rが−NR1R2(ここ
でR1とR2は前に定義した通りである)である式Iの化合物を得;または
h) a)に記載の通りに調製した式Vの化合物
(ここでHal はハロゲンである)を還元して、Rが水素である式Iの化合物を得
;または
i) a)に記載の通りに調製した式Vの化合物
(ここでHal はハロゲンである)を、テトラヒドロフラン中でグリニャール試薬
と反応させて、RがR3、C3-8シクロアルキル、C4-12シクロアルキルアルキル
、フェニルまたはベンジルオキシカルボニルである式Iの化合物を得;または
j) a)に記載の通りに調製した式Vの化合物
(ここでHal はハロゲンである)を亜硫酸水素ナトリウムと反応させて、Rが−
SHである式Iの化合物を得;または
k) 上記に記載の通りに調製した式VIIの化合物
を、リン(III)化合物およびアゾジカルボン酸のジエステルの存在下で適当な
アルコールと反応させて、RがSR3,SR4ZYまたはSR4ZR3(ここでR3
,R4,ZおよびYは前に定義した通りである)である式Iの化合物を得る
ことを特徴とする方法。
15.1もしくは複数の医薬上許容される担体または希釈剤と共に有効量の請求
項1に記載の化合物を含んで成る医薬組成物。
16.ムスカリン性コリン作動性系の機能不全により引き起こされる中枢神経系
の病気を処置するのに使われる医薬組成物であって、1もしくは複数の医薬上許
容される担体または希釈剤と共に有効量の請求項1に記載の化合物を含んで成る
医薬組成物。
17.経口投与単位または非経口投与単位の形の、請求項15に記載の医薬組成物
。
18.前記投与単位が0.1 〜100 mgの請求項1に記載の化合物を含んで成る、請
求項16に記載の方法。
19.ムスカリン性コリン作動性系の機能不全により引き起こされる中枢神経系
の病気の処置のための医薬の製造における、請求項1に記載の化合物またはその
医薬上許容される塩の使用。
20.ムスカリン性コリン作動性受容体の転形に関連した状態を処置する医薬の
製造における、請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩の使用。
21.ムスカリン性コリン作動性受容体と相互作用せしめる医薬の製造における
、請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩の使用。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/00 626 A61K 31/00 626G
626L
626K
626H
626B
627 627C
643 643D
31/41 31/41
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ
,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU
,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,
CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G
B,GE,CH,HU,IL,IS,JP,KE,KG
,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,
LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N
O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG
,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,
UZ,VN,YU
(72)発明者 ソアーベルク,ペール
デンマーク国,デーコー―3520 ファル
ム,シレンベンゲト 27