JPH11512290A - Polima CMS細胞質を有し、高温及び低温において雄性不稔性である細胞質雄性不稔性Brassica oleracea植物 - Google Patents

Polima CMS細胞質を有し、高温及び低温において雄性不稔性である細胞質雄性不稔性Brassica oleracea植物

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JPH11512290A JP9511901A JP51190197A JPH11512290A JP H11512290 A JPH11512290 A JP H11512290A JP 9511901 A JP9511901 A JP 9511901A JP 51190197 A JP51190197 A JP 51190197A JP H11512290 A JPH11512290 A JP H11512290A
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    • A01H6/20Brassicaceae, e.g. canola, broccoli or rucola
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、Polima CMS細胞質を有する細胞質雄性不稔性Brassica oleracea植物を包含する。この植物は高温においても不稔性に留まる。本発明のBrassica oleracea植物は従来の育種技術で作出可能である。このような本発明の植物を用いて異なる種類のBrassica属種を、従来の育種技術の使用によってかまたはプロトプラスト融合によって作出し得る。

Description

【発明の詳細な説明】Polima CMS細胞質を有し、高温及び低温において雄性不稔性である細 胞質雄性不稔性Brassica oleracea植物 発明の分野 本発明は、Polima CMS細胞質を有し、高温及び低温において雄性不 稔性であり、かつ優れた雌性稔性を示す細胞質雄性不稔性Brassica o leracea植物に係わる。発明の背景及び概要 植物及び食用作物の生産性を高める努力において、植物育種者は通常、丈が高 い、成長が早い、収穫量が多いなどといった幾つかの望ましい特性を具えた栽培 品種を開発する。この開発を可能にする方法の一つでは、植物に望ましい特性を 導入(infuse)して優れた植物系統を作製する。その後、優れた系統同士 を組み合わせて、望ましい特性を具えたF1雑種を形成する。このような優れた 雑種は多くの方法で開発可能である。 優れた雑種を作出する一般的な方法の一つでは、雑種形成したい植物の一つに 雄性不稔性を適用する。雄性不稔性 系統は、育種者が植物の花における他家受精を制御することによってより経済的 に雑種種子を作製することを可能にする。他家受精の制御は雌親の自家受精を防 止することによって行ない得る。自家受精は植物を雄性不稔性とすることによっ て排除する。植物が雄性不稔性であれば、受精のための花粉は製造され得ない。 雄性不稔性となった植物が得られたら、これと、所望の特性を具えた遺伝子提供 植物との雑種を形成する。 雄性不稔性を実現する一方法では細胞質雄性不稔性を利用する。目下のところ 、細胞質雄性不稔性(CMS)を制御する遺伝因子は細胞質、特にミトコンドリ アDNAの遺伝子中に見出されると考えられる。 Brassica属種において最も普通に認められる細胞質雄性不稔性に、 1)Raphanus sativusのOgura雄性不稔性細胞質、 2)Brassica napusのPolima雄性不稔性細胞質、及び 3)Brassica napusのNap雄性不稔性細胞質 の三つが有る。 Brassica属では、細胞質雄性不稔性は交雑によって伝達可能である。 雌親(卵)が細胞質に寄与するので、CMS雌との交雑によってCMS後代を作 出できる。しかし、核遺伝子は異型接合性である。従って、核形質に関して同型 接合性であるCMS系統育種のためには6〜8世代の「戻し交雑」が必要である 。代替案として、細胞質雄性不稔性系統をプロトプラスト融合によって作製する ことも可能である。プロトプラスト融合では、商業的に望ましい特性を具えた植 物から得たプロトプラストをCMS系統のプロトプラストと組み合わせる。CM S系統の核物質(nuclear material)は融合前に除去または不 活性化し、それによって前記系統からは細胞質しか提供されないようにする。得 られる細胞質雑種はCMS細胞質を有し、雄性不稔性である。例えば米国特許第 5,254,802号には、Ogura CMS細胞質を有するB. oler acea植物が開示されている。この植物はプロトプラスト融合によって得られ た。 冬型セイヨウアブラナ(oil seed rape;Brassica n apus)などの変種をCMSとす るのにPolima CMS細胞質が用いられている(Barsby等, Pl ant Science 53,pp.243−248, 1987参照)。し かし、Polima CMS細胞質による細胞質雄性不稔性発現に伴う重大な問 題点の一つに、Polima細胞質は環境条件の影響を受けるということが有る 。Z. Fan等, Can. J. Plant Sci. 66, pp. 221−227, 1985参照。更に言えば、Polima CMS細胞質を 有する雄性不稔性植物は野外で高温下に稔性となることが知られている。上掲誌 、及びT. D.Fu, Encarpia Cruciferea News letter 6, pp.6−7, 1981も参照されたい。 本発明は、Polima CMS細胞質を有するBrassica oler acea植物であって、高温及び低温において雄性不稔性に留まり、かつ優れた 雌性稔性を示すものを包含する。本発明のBrassica oleracea 植物は従来の育種方法で作出可能である。その後更に交雑もしくは戻し交雑また はプロトプラスト融合を行なうことによって、異なる種類のBrassica属 種を 開発し得る。 本発明のBrassica oleracea植物を従来の育種技術によって 得るべく、Brassica campestris栽培品種87110とBr assicaoleracea栽培品種87101とを種間交雑した。この交雑 から得られた種子を回収して播き、再生させる。得られた植物はBrassic a napusであり、一倍体の染色体組を有する。このBrassica n apusの保有染色体数(chromosomal content)は、該植 物をコルヒチンで処理することによって倍加させなければならない。 Brassica napus栽培品種87118をBrassica ol eracea栽培品種87101と交雑することによって第二の種間交雑を行な う。この交雑から得られた種子を回収して播き、再生させる。上段に述べた交雑 の場合同様、得られた植物はBrassica napusであり、一倍体の染 色体組を有する。この植物をコルヒチンで処理し、それによってその保有染色体 数を倍加させる。 第二の種間交雑の結果として得られたBrassica napus植物を次に、Polima CMS細胞質を有する雄性不稔性のBr assica napus栽培品種87102と交雑する。この交雑の結果得ら れた種子を回収して播き、再生させる。再生した植物はBrassica na pusであり、Polima CMS細胞質を有する。 続いて、上述のようにして得られた植物を、第一の種間交雑の結果として得ら れたBrassica napus植物と交雑する。この交雑の結果得られた種 子を回収して播き、再生させる。再生した植物はBrassica napus であり、Polima CMS細胞質を有し、雄性不稔性である。 次に、上述のようにして得られた植物を正常なBrassica olera ceaと交雑する。この交雑の結果として長角果が生じるので、これを回収して 種子について調べる。種子を胚救済のために回収し、なぜなら上記のような種間 雑種形成の結果生じる胚は典型的には成熟せずに退化するが、胚救済技術を用い れば種間雑種植物を作出することができるからである。得られたF1植物は雌親 のBrassica napusに由来するPolima C MS細胞質を有するが、核DNAの内容(nuclear DNA conte nt)はBrassica napus(n=19)とBrassica ol eracea(n=9)との組み合わせである。 次に、上述のようにして得られた植物をBrassica oleracea と戻し交雑する。再び長角果が生じ、これを回収して種子について調べる。種子 を胚救済のために回収する。救済した胚を、上段に述べた交雑の場合と同様にし て再生させる。得られた植物は、染色体数に関しては中間であり、Polima CMS細胞質を有する。この植物の核DNAの内容はBrassica na pusとBrassica oleraceaとの組み合わせである。 次に、上述のようにして得られた植物をBrassica oleracea と戻し交雑する。再び長角果が生じ、これを回収して種子について調べる。種子 を播く。得られた植物は、Polima CMS細胞質を有する雄性不稔性Br assica oleraceaである。 場合によっては、上記雄性不稔性Brassica oleracea植物を 更に交雑または戻し交雑して異なる 種類のBrassica属種を作出することも可能である。その場合も長角果が 生じるので、これを回収して種子について調べる。種子を播く。得られる植物は 、Polima細胞質を有する雄性不稔性Brassica oleracea である。 異なる種類のBrassica属種はプロトプラスト融合によっても作出可能 である。Polima CMS細胞質と、不活性化された核とを有する雄性不稔 性Brassica oleraceaから得たプロトプラストを、商業的に望 ましい特性を具えたBrassica属種のプロトプラストと融合させる。融合 後、同種(allogenic)細胞を再生させてCMS Brassica属 植物を得る。得られた植物は雄性不稔性で、Polima細胞質を有する。再生 したCMS Brassica属植物はPolima細胞質を有し、商業的に望 ましい特性を具えた他のBrassica属種との交雑に用いることができる。図面の簡単な説明 図1は、Polima CMS供与体、Brassica oleracea 904005−1、及びCMS特 性の受容体として用いたBrassica oleracea育種系統の核DN Aを含有するエンドヌクレアーゼ消化物中のBglI消化DNAとプローブE5 との様々なハイブリダイゼーションパターンを示す説明図である。レーン1にλ ファージHindIII消化DNA断片(MW標準)を示す。レーン2及び3には Polima CMS Brassica oleracea 904005− 1 DNAを示す。レーン4及び5にはBrassica oleracea受 容体系統K14を示す。レーン6及び7にはBrassica olerace a受容体系統DE70を示す。 図2は、Polima CMS植物のミトコンドリアDNA及び受容体育種系 統植物由来のミトコンドリアDNAを含有するエンドヌクレアーゼ消化物中のB glII消化DNAとプローブCMS BRAS 4との様々なハイブリダイゼー ションパターンを示す説明図である。レーン8及び18にλファージHindII I消化DNA断片を示す。レーン1〜7にはPolima CMS Brass ica oleracea 904005−1 DNAを示す。レーン9〜17 にはBrassica oleracea受 容体系統K14を示す。レーン19〜24にはBrassica olerac ea受容体系統DE70を示す。発明の詳細な説明 Polima細胞質を有する細胞質雄性不稔性Brassica napus 植物は「漏出」することが知られている。漏出性は、この植物が或る一定の温度 条件下にその不稔性を喪失する傾向を有することを意味する。例えば、Poli ma細胞質を有するCMS Brassica napus植物は高温下には部 分的にしか不稔性でないことが諸研究により判明している。Z. Fan等, Can. J. Plant Sci. 66, pp.221−227, 1 985を参照されたい。 本発明は、Polima細胞質を有するCMS Brassica oler acea植物を包含する。この植物は高温及び低温において雄性不稔性であり、 かつ優れた雌性稔性を示す。この植物に対して更に交雑及び戻し交雑またはプロ トプラスト融合を用いることにより、異なる種類のCMS Brassica属 種を開発することも可能である。 育種プログラム 従来の育種技術を用いて、本発明のBrassica oleracea植物 を開発した。本発明者はここに、本発明のBrassica oleracea 植物の創出に用いた育種プログラムを説明する。育種プログラムは、登録番号8 7110のBrassica campestris(別名: Brassic a rapa)(n=10)と、登録番号87101のBrassica ol eracea(n=19)との種間交雑を行なうことによって開始した。登録番 号87110はCentre for Plant Research(CPR O), P.O.Box 16, 6700 AA, Wageningen, The Netherlandsから登録番号IVT 86007 paar 3MSとして入手し、この植物は遺伝的に雄性不稔性であった。87110は ブダペスト条約下にAmerican Type Culture Colle ction(ATCC), 12301 Parklawn Drive, R ockville, Maryland, 20852に寄託されている。87 110は1995年8月23日付で寄託され、ATCC受託番号第97246号 を付与された。登録番号87101は、 the Department of Plant Pathology, 1 630 Linden Drive, University of Wisc onsin, Madison, WisconsinのCrucifer G enetics Cooperative(CrGC)からCrGC #3−3 (Ccc)として入手可能な急速成長(rapid cycling)Bras sica oleraceaである。交雑後、長角果(種子)が生じた。長角果 を回収して種子について調べ、播種する。得られた植物は一倍体のBrassi ca napus(ac; n=19)であった。この植物を、コルヒチン処理 を施すことによりその染色体を倍加させて二倍体(aacc; 2n=38)と した。このようにして得られた植物は、aaccゲノムを有する「人工的な」B rassica napusであった。この植物に番号87116を付した。 87110と同じ特性を有する第二のBrassica campestri s 87118も87101と交雑した。87118はCPROからIVT 8 6017 paar 3MSとして入手した。87118はブダペスト条 約下にAmerican Type Culture Collection( ATCC), 12301 Parklawn Drive, Rockvil le, Maryland, 20852に寄託されている。87118は19 95年8月23日付で寄託され、ATCC受託番号第97247号を付与された 。上段に述べた交雑の場合同様、種子を回収して播いた。得られた植物にコルヒ チン処理を施し、それによって染色体を倍加させた。このようにして得られた植 物は、aaccゲノムを有する「人工的な」Brassica napusであ った。この植物に番号87119を付した。 次に、番号87119の植物を、Polima CMS細胞質を有する雄性不 稔性Brassica napus(aacc; 番号87102)と交雑した 。87102はCrucifer Genetics Cooperative からCrGC #5−4(AClaacc)として入手可能な、「Polima 」CMS細胞質を有する急速成長Brassica napusである。長角果 が生じ、これを回収して種子について調べた。種子を播き、得られた植物に番号 88102を付した。この植物はBra ssica napusであり、aaccゲノムと、Polima CMS細胞 質とを有した。 次に、87116と88102との交雑を行なった。長角果が生じ、これを回 収して種子について調べた。種子を播いた。得られた植物はBrassica napus(aacc)であり、これに番号88125を付した。Brassi ca napus(aacc)は、Brassica oleracea(n= 9; ccゲノム)とBrassica rapa(n=10; aaゲノム) とに由来する複二倍体種である。88125は、Polima CMS細胞質を 有する雄性不稔性Brassica napus(aacc)である。 88125(aacc)と、正常な雄性不稔性Brassica olera cea(cc)のブロッコリー植物との種間交雑を行なった。この交雑に任意の 雄性不稔性Brassica oleracea植物を用い得ることは、当業者 には認識されよう。長角果が生じた。この長角果を回収して種子について調べた 。種子が存在した場合は(1個以上の)胚を救済した。前記胚を救済したのは、 上記のような種間雑種形成の結果生じる胚は典型的には成熟せず に退化するが、胚を救済すれば種間雑種植物を作出することができるからである 。 胚の救済は、胚を長角果から取り出すことを含む。このような救済は胚が可能 なかぎり大きくなってから行なうことが好ましい。通常、交雑から18〜19日 後が胚救済の好機である。しかし、肝の救済を上記時点以前に、または種皮が未 だ硬化しない間であれば上記時点以後にも行ない得ることは、当業者には認識さ れよう。 胚の救済では、最初に長角果を10%次亜塩素酸塩(hypochlorat e)(次亜塩素酸ナトリウムまたはカリウムなど)溶液中で約20分間消毒し、 2.5分及び10分経過時点で滅菌水で3回濯ぐ。 次に、長角果を長手方向に切断する。幼若種子を取り出し、顕微鏡下に種子か ら胚を取る。得られた胚を、実施例11に述べるBLKC培地などの、成長を促 進する適当な培地上に載置する。培地は成長を促進するものであればいずれを用 いてもよい。4500ルックスの光を1日に16時間照射しながら、胚を20℃ で少なくとも2週間成長させる。発根後、実生を可能なかぎり速やかに土に植え る。 得られたF1植物に番号88132−1から88132 −84までを付した。これらの植物は雌親のBrassica napus植物 に由来するPolima CMS細胞質を有したが、核DNAの内容はBras sica napus(n=19)とBrassica oleracea(n =9)との組み合わせであった。実質的に、得られた植物は混合ゲノムを有した 。そのゲノムが混合体であるために、前記植物は雄性不稔性であり、かつ部分的 に雌性不稔性であった。得られた植物が雄性不稔性であったのは、雌親(卵)の Brassica napus 88125に由来するPolima CMS細 胞質を有したからである。 表現型選択を用いて88132−1〜84の中から、ほぼ正常なDNA内容を 有する植物(aaccまたはcc)を選択した。表現型選択によって、育種者が Brassica oleracea(ccゲノム)に最も類似する植物を選択 することが可能となる。異常なDNA内容を有する植物は正常なDNA内容を有 する植物と見た目に相違する。選択した植物を正常なBrassica ole racea(cc)のブロッコリーまたはカリフラワーと戻し交雑した(BC1 )。しかし、任意のBrassica oleraceaを用い得ることは当業者には認識されよう。交雑後、再び胚を 救済した。発生した植物に番号89015〜89040及び89046〜890 56を付した。これらの植物は、染色体数に関しては中間であり、Polima CMS細胞質を有した。これらの植物の場合も、核DNAの内容はBrass ica napusとBrassica oleraceaとの組み合わせであ った。得られた植物は雄性不稔性であり(Plima CMS)、かつ部分的に 雌性不稔性であった(染色体数)。 表現型選択を用いて89015〜89040及び89046〜89056の中 から、ほぼ正常なDNA内容を有する植物を選択した。選択した植物を正常なB rassica oleracea(cc)のブロッコリーまたはカリフラワー と戻し交雑した(BC2)。しかし、任意のBrassica olerace aを用い得ることは当業者には認識されよう。この場合も長角果が生じたが、幾 分かの種子は胚の救済を必要としなかった。それらの種子を回収して播いた。こ の交雑の結果得られた植物に番号89070〜89141を付した。これらの植 物のほとんどは正常なBrassica oleraceaの染色体組(2 n=18)を有し、Polima細胞質を有し、雄性不稔性であった。前記植物 の花の葯及び花弁は減少した。得られた植物は高温及び低温において不稔性に留 まり、かつ正常な雌性稔性を示した。 このようにして得られた植物をブロッコリー、カリフラワー、キャベツ(ムラ サキキャベツ、シロキャベツ(white cabbage)、チリメンキャベ ツ)、メキャベツ、コールラビー、ケール等といった他の種類のBrassic a属種と交雑してCMS系統を作製することが可能である。例えば、「Poli ma」CMS植物との戻し交雑やプロトプラスト融合によって、異なる種類のB rassica属種を作出し得る。 後続の交雑、並びに雄性不稔性、雌性稔性及び 花形態に関する選択過程 続いて、番号89015〜89040、89046〜89056、及び890 70〜89141の植物を正常なブロッコリー及び/またはカリフラワーと戻し 交雑し、野外に植えた。長角果が生じ、これを回収して種子について調べた。種 子を回収して播いた。Polima不稔性植物の畝と交互にブロッコリー保持系 統の畝を配置した。「保持 系統」という語が、雄性不稔性である雌親の不稔性を保持する後代を作出する交 雑に用いられる系統を意味することは、当業者には理解される。保持系統植物は 稔性であるが、それ以外は、雄性不稔性系統から種子を得るべく上記保持系統植 物と共に、典型的には交互に帯状に配置して成長させるCMS植物と遺伝的に同 等の対応物である。成長期後、自然選択(ミツバチ/ハエ等による)を用いて、 雄性不稔性と、優れた雌性稔性と、最良の花形態、即ち優れた花弁寸法とを示す 植物を選択した。選択した植物に番号CPO−1、−2等を付した。これらの植 物はBrassica oleraceaであり、Polima CMS細胞質 を有し、雄性不稔性であり、かつ優れた雌性稔性を示した。 成長期後、雄性不稔性と優れた雌性稔性とを示す、CPO番号を付した植物を クローン化し、典型的な保持系統と共にケージに入れた。ケージ生産では、植物 の周囲にメッシュテント(防虫網)またはケージを建てる。これは野外に存在す る他の植物からの、昆虫を介しての他家受粉を防止するためである。典型的には 、植物と共にミツバチの巣箱または他の昆虫コロニーを中に入れる。生じた長角 果を回収し、種子を播いた。得られた植物は、Polima CMS細胞質を有し、雄性不稔性であり、かつ優れた雌性稔性を示すBrass ica oleraceaであった。 プロトプラスト融合 異なる種類のCMS Brassica属種はプロトプラスト融合によっても 作出できる。プロトプラストは、Polima CMS細胞質を有する雄性不稔 性Brassica oleracea植物から取得し得る。例えば、番号89 070〜89111の植物及びCPOシリーズの植物などの、先に述べた育種プ ログラムによって得られるBrassica oleracea植物を用い得る 。プロトプラスト融合は、膜を融合させる融合緩衝液即ち高pH溶液の存在下に 凝集を惹起するポリエチレングリコール(PEG)を用いることによって実現し 得る。このような体細胞交雑は、本明細書に参考として含まれる、Sundbe rg等によって開示された種間雑種作出またはその改変のための条件(Plan t Science 43,p.155, 1986)下に行ない得る。しかし 、プロトプラスト融合がポリエチレングリコール(PEG)を用いる以外の方法 でも実現可能であることは、当業者には認識されよう。例えば、本明細書に参考 として含まれるKo op等, “Electric Field−Induced Fusion and Cell Reconstruction―with Presel ected Single Protoplasts and Subprot oplasts of Higher Plants,” Electropo ration and Electrofusion in Cell Bio loy , Neuman等編, pp.355−365,1989に記載されて いる電場誘導融合技術を用いてもプロトプラストは融合させ得る。また、本明細 書に参考として含まれるHauptmann等, “Carrot × Tob acco Somatic Cell Hybrids Selected b y Amino Acid Analog Resistance Compl ementation,” 6th International Proto plast Symposium, Basel, August 12−16 , 1983に開示されているように、デキストラン及びポリビニルアルコール を用いてプロトプラスト融合を実現することもできる。 プロトプラスト融合をポリエチレングリコールを用いて 実現するべきである場合には、次に述べる操作を用い得る。 プロトプラスト融合は後述する洗浄液(W5′)中で好ましく実現し、前記洗 浄液は浸透圧調節物質(osmoticum)、例えばマンニトール、ソルビト ール、グルコースまたはスクロースといった炭水化物と、カリウム塩及びカルシ ウム塩とを含有する。pHは5.2〜10であり得、好ましくは5.7である。 起源の異なるプロトプラスト同士を混合して濃縮し、最終濃度を好ましくは105 〜108原形質/mlとする。 得られたプロトプラスト混合物は少なくとも10分間静置し、それによってプ ロトプラストをペトリ皿の底に沈澱させるべきである。その後、混合物を、好ま しくは1500〜6000の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG) で処理する。通常、18.8重量%のPEGを含有する水溶液(PFS)をW5 ′対PFSの体積比10:1から1:1で用いると良好な結果が得られる。PF Sに浸透圧調節物質及びカルシウム塩を含有させると都合が好い。プロトプラス トは細胞の脆弱さに応じて15〜20分間PFS中に存在させる。 融合は、浸透圧調節物質(例えばグルコース)をPFS より低いオスモル濃度をもたらす濃度で含有し、かつカリウム塩、ナトリウム塩 及びカルシウム塩を含有する洗浄液(W5′)でプロトプラストを、例えば3回 洗浄することによって実現させる。融合操作は16〜20℃、好ましくは18℃ の温度で行なう。融合混合物中のPEGの濃度は、連続する各洗浄ステップ毎に 漸次低下する(例えば実施例6参照)。各洗浄ステップには少なくとも5分を掛 け、それによってプロトプラストを媒質のより低いオスモル濃度へとゆっくり調 節し、細胞の破裂を回避するべきである。洗浄ステップ完了後、融合したプロト プラストは105〜106プロトプラスト/mlとなるべきである。得られた融合 生成物は、融合しなかった親プロトプラストの存在下に、または培養物からの光 学的選択後に再生させ得る。前記光学的選択は細胞の顕微操作により、例えば本 明細書に参考として含まれるPatnaik等, Plant Science Letters 24, p.105,1982に開示された、植物ヘテロカ リオンの入手による単離及び同定のための操作に従って行ない得る。 上記選択操作を用いる場合は親プロトプラストを、例えばフルオレセインジア セテートなどの螢光性色素で染色す る。フルオレセインジアセテートを胚軸由来のプロトプラストに対して用いると 、前記プロトプラストはUV光下に黄色に染まる。葉由来のプロトプラストは葉 緑体を含有し、この葉緑体はUV光下に赤色の自己螢光を示す。 得られた融合生成物を、十分にバランスの取れたプロトプラスト成長用栄養素 補充物質を含有する適当な培地中で培養する。培地には微量元素及び多量元素、 ビタミン、アミノ酸、並びに少量の炭水化物、例えばグルコースなどの様々な糖 を含有させる。グルコースは、炭素源として機能すると共に浸透圧調節物質とし ても機能する。培地には、細胞分裂及び苗条再生を調節し得る植物ホルモン(オ ーキシン及びサイトカイニン)も含有させる。適当なオーキシンの例に、ナフチ ル酢酸(NAA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)及びインド ール酢酸(IAA)が含まれる。適当なサイトカイニンの例にはベンジルアミノ プリン(BAP)、ゼアチン(Zea)及びジベレリン酸(GA3)が含まれる 。通常、NAA及び2,4−DをBAPと組み合わせて用いて細胞分裂を開始さ せる。その際、オーキシン/サイトカイニンの比は大きくなければならず、例え ば1を上回らなければならない。融合処理 の2、3日後、培地のほとんどをアガロース含有培地(BP)と交換し、この培 地で融合生成物及び親プロトプラストを被覆する。 14日後、オーキシンを全く又は実質的に殆ど含まない他の培養基を加えてオ ーキシンの濃度を稀釈する。一般に3〜4週間後に星形微小カルスが形成される 。次いで、そのような微小カルスを再分化培地に移植し、好ましくは中間再分化 培地中で培養基と再分化培地の組成及び物性の違いに適合させてから苗条形成を 開始する。苗条形成には、再分化培地中のオーキシン/サイトカイニン比を低く (例えば、1:10以下)するのが良い。一般に、苗条の再分化には、オーキシ ンNAAとサイトカイニンZea及びBAPを組み合わせて用いるのが好ましい 。再分化培地BR及びK3は、培養基に比べ比較的栄養分の乏しい培地である。 再分化培地は、ビタミン含有量や炭素源含有量が低く、炭素源としてはスクロー スとキシロースのみで、アミノ酸を含まない。さらに再分化培地は培養基より高 い粘性を有する。再分化培地Brは固体培地であり、生長調節物質2,4−D、 NAA及びBAPを含んでおり、オーキシンとサイトカイニンの比率は1未満で ある。培地K3は、Zea、 GA3の他に、苗条の生育を促進する硝酸銀をさらに含む。 Br培地で2週間再分化させた後、直径約3mmのカルスを低濃度のスクロー スを含むK3再分化培地に移植する。この段階で、苗条は2〜3週間以内に生育 する。次いで、生育した苗条を、ホルモンを加えないB5のような塩基性培地で 発根させる。次いで、得られた小植物の核DNA及びミトコンドリアDNAを、 それ自体公知の方法、例えば、適当な制限エンドヌクレアーゼを用いて、得られ た融合細胞のDNA消化パターンを親系のDNA消化パターンと比較することで 同定することができる。 本発明で出発物質として用いたBrassica oleraceaのプロト プラスト及びPolima CMS Brassica oleracea植物 の不活化プロトプラストは、それ自体公知の方法を用いて対応植物細胞から得る ことができる。細胞壁を取り除いた細胞、即ちプロトプラストは、Glimel ius,Physiologia Plantarum 61(1984)38 (本明細書に参照として組み込むものとする)により開示された胚軸プロトプラ ストの再分化法に従って、緑色植物材料(例えば葉材料)や、白色植物材料(例 えばもやし)から 得られる。融合細胞を光学的に選択する場合、出発物質は緑色植物から選択する のが便利であるが、白色植物材料から選択する場合には、染色して選択を容易に するのが有利である。Polima CMS Brassica olerac ea植物の不活化プロトプラストは、Polima CMS Brassica oleracea植物細胞又はプロトプラストに対応するそれ自体公知の方法 (例えば照射)により得られる。 照射による核の不活化は、ガンマ線、紫外線又はX線を用いて実施し得る。X 線源を用いて照射を行う場合、核の不活化は一般に、例えば10キロラドの線量 を3〜20分間照射することに達成される。適切なX線線量は、例えば、プロト プラスト集団を100%死滅させる最少レベルのX線照射量を測定して決定し得 る。死滅細胞の百分率は、培養中で10〜20日後に形成されるコロニーの数を 計数して予測する。 上記のように、融合後、同種細胞を再分化させて、CMS細胞質を含むBra ssica oleracea植物体を作出する。その後で、これらの植物体を 他のBrassica oleracea植物体と交雑することができ る。 本発明のBrassica oleracea植物体は、in vivo及び /又は交雑技法により、Polima CMSを有する他のBrassica olerace変種を作出するための出発物質として用い得るものと理解された い。そのようなin vivo及び交雑技法は熟練した育種業者には公知である 。 用いた溶液には以下が含まれる: 本発明を以下の非限定的実施例により例示する。 実施例1:種子の不稔化及び発芽 Polima CMSを有するブロッコリ、Brassica olerac ea(以下、B.oleracea、904005−1と称する)の種子を70 %アルコールに約10秒間浸漬し、1.5%次亜塩素酸ナトリウム溶液中20℃ で10分間の不稔化を2回行う。その後、滅菌蒸留水による十分なリンスを必要 とする。3%スクロースを含みホルモンを含まないMS栄養培地(表1参照)に 種子を植え込む。不稔性緑色植物を得るために、25℃(日中) 及び20℃(夜間)の温度で光(8,000ルクス)下にガラスジャー中16時 間の光周期で種子を生育させる。不稔性苗条をプラスチック容器中同一条件下に 副次培養する。プロトプラストを単離するための白色組織(例えば胚軸)を得る ために、暗所でペトリ皿中25℃で種子を生育させる。 実施例1a:904005−1を得る交雑 904005−1は、登録番号904005の植物第1号から収穫した種子で ある。904005は、CMS Polima 892731−2と正常な稔性 ブロッコリの戻し交雑である。892731−2は、登録番号892731の植 物選択第2号から収穫した種子である。これは、CMS Polima 890 94−2と正常な稔性ブロッコリの戻し交雑である。 89094−2は、登録番号89094の植物選択第2号から収穫した種子で ある。これは、CMS Polima 89022と正常な稔性ブロッコリの戻 し交雑である。 89022−4は、登録番号89022の植物選択第4号から収穫した種子で ある。 実施例2 実施例1と類似の手順で、Brassica oleracea、栽培品種D E70の種子を不稔化し、発芽させる。栽培品種DE70は親系として用いられ る完全稔性の近交系カリフラワーである。しかし、プロトプラストの融合には任 意の典型的なBrassica oleracea植物を用いてよい。 実施例3:プロトプラストの単離 実施例1の植物材料の4週齢の苗条の葉を小片に切断し、酵素溶液中25℃で 16時間40rpmの回転振とう盤上でインキュベートする。懸濁液をナイロン メッシュ(40μm)を通して濾過し、2/3の容量のCPW 16S溶液で洗 浄し、817rpmで5分間遠心する。それによって、無傷のプロトプラストが 浮上する。プロトプラストを回収し、W5溶液でリンスし、708rpmで5分 間遠心する。融合実験に用いる前に、プロトプラストをW5溶液1ml当たり1 ×105プロトプラストの密度に稀釈する。 実施例4 実施例2の植物材料の6〜8日齢の胚軸を、酵素処理中に3μg/mlのフル オレセインジアセテートを添加することを除いて、実施例3の方法により単離す る。手作業に よる選別及び融合頻度を測定するための染色したプロトプラストを得る。 実施例5:プロトプラストの照射 新たに単離された実施例3のプロトプラストを6cmペトリ皿中のW5溶液( 2〜3ml)中で培養する。X線源(Baltograph CE100)を用 い、3500Gyの線量で20分間プロトプラストを照射する。照射後、不活化 プロトプラストをW5溶液で洗浄し、708rpmで5分間遠心する。融合実験 に用いる前に、プロトプラストをW5溶液1ml中1×105プロトプラストの 密度に稀釈する。 実施例6:融合手順 実施例4のプロトプラストと実施例5のプロトプラストを、W5溶液1ml当 たり1×105プロトプラストの最終濃度で1:3の比率で混合する。コーティ ングを施していない6cmペトリ皿に該混合物を3滴(各100μl)たらし、 プロトプラストを5〜10分間定着させる。3滴の中心にPFS溶液300μl を加えて15分間凝集を誘導する。その後、混合物にW5溶液300μlを加え 、さらに10分後にもう一度、さらにその5分後にもう一度該 溶液を添加する。W5培地を2倍濃縮8P溶液に取り換え、プロトプラストを2 5℃で1〜3日間暗所で培養する。 実施例7 実施例6の全融合混合物を25℃で1〜3日間暗所で培養する。細胞を548 rpmで5分間遠心して回収し、2倍濃縮8P培地1ml当たり1×105プロ トプラストの密度に稀釈する。等容量のハンドウォームSPA培地を加え、コー ティングを施したペトリ皿中の5滴(各100μl)中で細胞を培養する。さら に、支持細胞を含む5滴(各100μl)を加える。2週間後、支持細胞を含む 液滴を除去し、ペトリ皿1個当たり2mlのMAC培地を加える。2週間後、液 滴を固体Br培地上に分散させる。2〜3週間後、個々のコロニーを固体K3培 地を含むペトリ皿に移植する。微小カルスを25℃で弱光(2500ルクス)下 に18時間の光周期で培養する。 実施例8:融合細胞の選択及び増殖 複蛍光の存在により視覚的に認識し得る融合細胞をマイクロマニピュレーター を用いて取り出す。雑種細胞を100μlのアガロース液滴(1%SeaPla que)中1ml当たり2,000〜50,000プロトプラストの密 度で培養する。支持細胞を含む液体保護培養系(Costar−Transwe ll col)中に液滴を移し、暗所にて25℃でインキュベートする。2週間 後、液滴を固体Br培地上に分散させる。微小カルスを固体K3培地に移植し、 25℃で弱光(2500ルクス)下に16時間の光周期でインキュベートする。 実施例9:植物体の再分化 直径2〜5mmのサイズに生育した実施例7及び8のカルスを新鮮なK3培地 に移植し、25℃で通常光(8000ルクス)下に16時間の光周期で培養する 。小さな苗条を1%スクロースを含みホルモンを含まないB5培地に移植し、同 培地で発根させる。 実施例10:融合細胞の分子分析 (a)核DNAの組成 特異的DNAプローブを用い、融合細胞の核DNAの組成の特性決定を行う。 カリフラワーの核DNA由来の820kbpのBgl 1フラグメントを含むク ローン、プローブESを、CMS形質の受容体として用いられるBrassic a oleracea育種系、Polima CMSドナーの核DNAのエンド ヌクレアーゼ消化パターン の種々のバンドとハイブリダイズさせる(図1参照)。 (b)ミトコンドリアDNAの組成 カリフラワーのミトコンドリアDNA由来の1950bpのBgl IIフラグ メントを含むクローン、CMS Bras 4 DNAを用いて特性決定を行う 。このクローンは、CMS PolimaミトコンドリアDNAの4kbpのバ ンドと、受容体育種系、例えばDE70由来のミトコンドリアDNAの6kbp のバンドを生成させた(図2参照)。 プライマー94RSO1及び94RSO2を用い、500bpのDNAフラグ メントのPCR増幅により、特性決定も行う。前プライマー94RSO1の配列 は、5′−GAA CCA ACT GCT TTC ACA CCG−3′で あり、逆プライマー94RSO2の配列は、5′−CTT GGC TCT C TG CGA ATG TC−3′である。この500bpのフラグメントは、 CMS PolimaミトコンドリアDNAからは増幅するが、受容体系、例え ばDE70のミトコンドリアDNAからは増幅しない。 実施例11:胚の救済 一般に、胚は、交雑を行ってから18〜19日後に救済する。胚の救済には長 角果が必要である。要求される長角果は、まだ硬化していない種皮を有する出来 るだけ大きな胚を有するものである。 胚を取り出す前に、先ず、長角果を消毒しなければならない。長角果は、塩化 ナトリウム又は塩化カリウムのような10%塩化物溶液に約20分間浸漬して消 毒する。長角果を滅菌水中で2分、5分及び10分間経過時点で3回リンスする 。 長角果を縦に切り開き、生育した種子を取り出し、次いで顕微鏡下に種子から 胚を分離して、胚を救済する。 胚を種子から切り出した後、胚を適当な増殖培地で培養する。胚の成長を容易 にする任意の培地を用いてよい。例えば、3%スクロース、0.4mg/lのチ アミン及び0.2mg/lのIDAを含むMS培地を用い得る。 実施例12: 高温及び低温下のCMS Brassica oleracea植物体の不稔性の維持 Polima CMS細胞質を含む細胞質雄性不稔性植物体が高温及び低温下 に不稔性を維持するか否かを確認す るために、ブロッコリの栽培品種915095、915107、915100及 び915144を赤キャベツ(ムラサキキャベツ)とハイブリダイズさせ、10 0%の雑種性が得られるかどうかを調べた。栽培品種915095〜91514 4を赤キャベツと交雑した。これらの栽培品種の種子を正常なブロッコリ保持系 統で受粉させ、播種した場合には、実生の胚軸の色と葉の色は正常な緑色である 。これらの栽培品種を赤キャベツと交雑した場合には、雑種種子は中間形質であ り、実生は強烈なアントシアン(紫色)を示すが、近交系は緑色のままである。 915095、915107、915100及び915144の種子を蒔き、各 栽培品種からの20本の植物を赤キャベツ植物と一緒にプラスチックで被覆した 屋外ケージ中で生育させた。ケージ温度は夏季には日中15〜40℃の範囲で変 化した。ケージ温度を1週間に1回記録した。915095、915107、9 15100及び915144から収穫した種子試料を蒔くと、得られた植物は全 て雑種であったが、これは、自殖が存在せず且つPolima CMS細胞質の 漏出がないことを示している。いずれの植物も決して部分雄性不稔性とはならな かった。 915095、915107、915100及び915144を得る交雑を以 下に示す。 1つの交雑から2つ以上の矢印が出ている場合(即ち、88132×bc)、 各矢印は異なるブロッコリ遺伝子型との交雑を表す。 実施例13:雌性稔性 以下のリストは、CMS「Polima」型とブロッコリを人工交雑して得ら れた種子収量のデータである。該データは、CMS「Polima」の種子収量 がブロッコリ近交系のものより高いことを示している。これは、自己複製される 同系交配が稔性に影響を与えるからである。ブロッコリF1とCMS Ogura の交雑を比 較するとさらによくわかる。結果は、CMS Polimaの種子収量が他の2 つの交雑型と同範囲内にあることを示している。 ブロッコリの種子収量1991−1994(人工受粉) 主として特定且つ好ましい実施態様に関連して本発明を説明したが、本発明は 、その範囲を逸脱せずに改変を行い得るものと理解されたい。以下の請求の範囲 は、一般に本発明の原理に従い且つ本発明が属する分野における公知及び慣用的 な実践の範囲内に含まれるか又は当業者には自明であるような呈示された開示か ら得られるものを含む、本発明の全ての変形、使用又は適合を包含するものとす る。
【手続補正書】 【提出日】1998年3月18日 【補正内容】請求の範囲 1. Polima CMS細胞質を有し、高温及び低温において不稔性である 細胞質雄性不稔性Brassica oleracea植物を作出する方法であ って、 a)Brassica campestris栽培品種87110をBrass ica oleracea栽培品種87101と交雑し、この交雑から得られた 種子を回収するステップ、 b)前記種子を再生させて、一倍体の染色体組を有するBrassica na pus植物を得るステップ、 c)ステップbの植物の染色体を倍加させ、それによって二倍体の染色体組を有 するBrassica napus植物を得るステップ、 d)Brassica campestris栽培品種87118をBrass ica oleracea栽培品種87101と交雑し、この交雑から得られた 種子を回収するステップ、 e)前記種子を再生させて、一倍体の染色体組を有するBrassica na pus植物を得るステップ、 f)ステップeの植物の染色体を倍加させ、それによって 二倍体の染色体組を有するBrassica napus植物を得るステップ、 g)ステップfの植物を、Polima CMS細胞質を有する雄性不稔性Br assica napus栽培品種87102と交雑し、この交雑から得られた 種子を回収するステップ、 h)前記植物を再生させて、Polima CMS細胞質を有するBrassi ca napus植物を得るステップ、 i)ステップcの植物をステップhの植物と交雑し、この交雑から得られた種子 を回収するステップ、 j)前記植物を再生させて、Polima CMS細胞質を有する雄性不稔性B rassica napus植物を得るステップ、 k)ステップjの植物をBrassica oleracea栽培品種と交雑し 、この交雑から得られた種子を回収するステップ、 l)前記種子から胚を取り出し、この胚を再生させて、Polima CMS細 胞質を有する雄性不稔性F1植物を得るステップ、 m)ステップ1で得られた植物をBrassica oleracea栽培品種 と戻し交雑し、この戻し交雑から得られた種子を回収するステップ、 n)前記種子から胚を取り出し、この胚を再生させて、Polima CMS細 胞質を有する雄性不稔性植物を得るステップ、 o)ステップnで得られた植物をBrassica oleracea栽培品種 と戻し交雑し、この戻し交雑から得られた種子を回収するステップ、及び p)前記種子を再生させて、Polima CMS細胞質を有する雄性不稔性B rassica oleracea植物を得るステップ を含む方法。 2. ステップpで得られた植物をBrassica oleraceaと交雑 するステップ、前記交雑から得られた種子を回収するステップ、及び前記種子を 再生させて、Polima CMS細胞質を有する雄性不稔性Brassica oleracea植物を得るステップをも含むことを特徴とする請求項1に記 載の方法。 3. 植物をカリフラワー、メキャベツ、キャベツ、ケー ル、コールラビー及びブロッコリーの中から選択することを特徴とする請求項1 に記載の方法。 4. Polima CMS細胞質を有し、高温及び低温において不稔性である 細胞質雄性不稔性Brassica oleracea植物を作出する方法であ って、 a)請求項1に記載の方法に従って作出した、Polima CMS細胞質を有 し、高温及び低温において不稔性に留まる雄性不稔性Brassica ole raceaから得たプロトプラストを、商業的に望ましい特性を具えたBras sica oleraceaから得たプロトプラストと融合させて同種細胞を作 製するステップ、及び b)得られた同種細胞を再生させて、Polima細胞質を有するCMS Br assica oleracea植物を得るステップ を含む方法。 5. Brassica oleraceaをカリフラワー、メキャベツ、キャ ベツ、ケール、コールラビー及びブロッコリーの中から選択することを特徴とす る請求項4に記載の方法。 6. Polima細胞質を有する再生CMS Brassica olera ceaを商業的に望ましい特徴を有するBrassica oleracea植 物と交雑するステップを更に含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。 7. 請求項1に記載の方法で作出した、Polima CMS細胞質を有しか つ高温及び低温において不稔性である細胞質雄性不稔性Brassica ol eracea植物。 8. 請求項4に記載の方法で作出した、Polima CMS細胞質を有しか つ高温及び低温において不稔性である細胞質雄性不稔性Brassica ol eracea植物。 9. 植物がカリフラワー、メキャベツ、キャベツ、ケール、コールラビー及び ブロッコリーの中から選択されることを特徴とする請求項7または8に記載の植 物。 10. 雄性不稔性Brassica oleraceaから得たプロトプラス トが不活性化された核を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。 11. 請求項7に記載の植物に生じる種子。 12. 請求項8に記載の植物に生じる種子。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. Polima CMS細胞質を有し、高温及び低温において不稔性である 細胞質雄性不稔性Brassicaoleracea植物を作出する方法であっ て、 a)Brassica campestris栽培品種87110をBrass ica oleracea栽培品種87101と交雑し、この交雑から得られた 種子を回収するステップ、 b)前記種子を再生させて、一倍体の染色体組を有するBrassica na pus植物を得るステップ、 c)ステップbの植物の染色体を倍加させ、それによって二倍体の染色体組を有 するBrassica napus植物を得るステップ、 d)Brassica campestris栽培品種87118をBrass ica oleracea栽培品種87101と交雑し、この交雑から得られた 種子を回収するステップ、 e)前記種子を再生させて、一倍体の染色体組を有するBrassica na pus植物を得るステップ、 f)ステップeの植物の染色体を倍加させ、それによって 二倍体の染色体組を有するBrassica napus植物を得るステップ、 g)ステップfの植物を、Polima CMS細胞質を有する雄性不稔性Br assica napus栽培品種87102と交雑し、この交雑から得られた 種子を回収するステップ、 h)前記植物を再生させて、Polima CMS細胞質を有するBrassi ca napus植物を得るステップ、 i)ステップcの植物をステップhの植物と交雑し、この交雑から得られた種子 を回収するステップ、 j)前記植物を再生させて、Polima CMS細胞質を有する雄性不稔性B rassica napus植物を得るステップ、 k)ステップjの植物をBrassica oleracea栽培品種と交雑し 、この交雑から得られた種子を回収するステップ、 l)前記種子から胚を取り出し、この胚を再生させて、Polima CMS細 胞質を有する雄性不稔性F1植物を得るステップ、 m)ステップlで得られた植物をBrassica oleracea栽培品種 と戻し交雑し、この戻し交雑から得られた種子を回収するステップ、 n)前記種子から胚を取り出し、この胚を再生させて、Polima CMS細 胞質を有する雄性不稔性植物を得るステップ、 p)ステップnで得られた植物をBrassica oleracea栽培品種 と戻し交雑し、この戻し交雑から得られた種子を回収するステップ、及び q)前記種子を再生させて、Polima CMS細胞質を有する雄性不稔性B rassica oleracea植物を得るステップ を含む方法。 2. ステップqで得られた植物をBrassica oleraceaと交雑 するステップ、前記交雑から得られた種子を回収するステップ、及び前記種子を 再生させて、Polima CMS細胞質を有する雄性不稔性Brassica oleracea植物を得るステップをも含むことを特徴とする請求項1に記 載の方法。 3. 植物をカリフラワー、メキャベツ、キャベツ、ケー ル、コールラビー及びブロッコリーの中から選択することを特徴とする請求項1 に記載の方法。 4. Polima CMS細胞質を有し、高温及び低温において不稔性である 細胞質雄性不稔性Brassica oleracea植物を作出する方法であ って、 a)請求項1に記載の方法に従って作出した、Polima CMS細胞質を有 し、高温及び低温において不稔性に留まる雄性不稔性Brassica ole raceaから得たプロトプラストを融合させるステップ、及び b)得られた同種細胞を再生させて、Polima細胞質を有するCMS Br assica oleracea植物を得るステップ を含む方法。 5. Brassica oleraceaをカリフラワー、メキャベツ、キャ ベツ、ケール、コールラビー及びブロッコリーの中から選択することを特徴とす る請求項4に記載の方法。 6. Polima細胞質を有する再生CMS Brassica olera ceaを商業的に望ましい特徴を有 するBrassica oleracea植物と交雑するステップを更に含むこ とを特徴とする請求項4に記載の方法。 7. 請求項1に記載の方法で作出した、Polima CMS細胞質を有しか つ高温及び低温において不稔性である細胞質雄性不稔性Brassica ol eracea植物。 8. 請求項4に記載の方法で作出した、Polima CMS細胞質を有しか つ高温及び低温において不稔性である細胞質雄性不稔性Brassica ol eracea植物。 9. 植物がカリフラワー、メキャベツ、キャベツ、ケール、コールラビー及び ブロッコリーの中から選択されることを特徴とする請求項7または8に記載の植 物。
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