JPH11512034A - 押圧手段を備えたブラスト装置及びその使用のための方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ブラスト装置は、壁面の吹付けの間、ブラスト材により壁面から押し離され、その結果、壁面とジェットノズル（６）との間隙間が大きくなる。これは、周囲環境を汚染するため好ましくない。ブラスト装置を壁面に対して押し付けるために必要な圧力は、ブラスト装置に固定されたガイドローラ（９、１２）に沿って伸びるベルト（１８）に、壁面に沿って張力をかけることによって得られる。ベルトやガイドローラを弾性的に固定することにより、装置の壁面に沿った移動の結果としてのベルトの長さ変化を吸収し、充分な程度の圧力を常に存在させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 押圧手段を備えたブラスト装置及びその使用のための方法 本発明は、ほぼ垂直の壁面の吹付作業のためのブラスト装置であって、ジェッ トノズルを介してブラスト材を、壁面に対して高速で吹付けることができる駆動 手段と、ブラスト装置を壁面に沿って移動させることができる巻き上げ手段と、 ジェットノズルを壁面に沿って密閉しながらほぼ一定の距離をおいて案内するこ とができる誘導手段と、圧力をもって誘導手段を壁面に対して押圧するための押 圧手段とを備えたブラスト装置に関する。 この種のブラスト装置は、特に、同一出願人によるオランダ出願ＮＬ１０００ ５７６号（先行刊行物ではない）に開示されている。公知のブラスト装置は、鋼 鉄の壁面に沿って移動し、その移動の間、壁面への押圧力は、磁石を用いて鋼鉄 の壁面に装置を引き寄せることにより達成される。このようなブラスト装置は、 壁面が鋼鉄の場合で、例えば壁面が垂直である場合のように押圧力が大きい必要 のない状況にのみ用いることができる。 上記出願明細書には、ジェットノズルが、スプリング力により壁面に押圧され る装置が開示されており、そのスプリングは、マニピュレータ等の上に配置され たフレームに支持されている。フレームの大きさが限られているため、壁面の小 さな部分しか作業できないことが多く、その後でマニピュレータを再び移動させ なければならない。このことは、多大な時間のロスを招く。 本発明によるブラスト装置の目的は、上記の欠点を回避することであり、その 目的のため、押圧手段は、２つの取付点の間に壁面に沿って張架されるベルトと 、装置に固定された１つ以上のガイドローラとを有し、このベルトは、ガイドロ ーラに押圧力を加えている。 装置を壁面に向かって押しつけるベルトを用いることにより、取り付けが容易 で且つコンクリートその他の非磁性壁面の場合にも用いることができ、さらに、 迅速に取り付けることのできる押圧手段が得られる。このような押圧手段は、例 えば、船の紬先の後方傾斜面の吹付け中などのように、磁力が低すぎてブラスト 装置を壁面に引き寄せることができないような用途においても有用である。また 、より小さな壁面を効率的に作業することも可能である。なぜなら、押圧力を得 るために、複雑な構造を一切使用していないからである。 本発明の改良によれば、ベルト及び／またはガイドローラは、弾性的に固定さ れる。 これにより、ブラスト装置が壁面に沿って移動した結果として、一方の取付点 からガイドローラまでの距離と、もしあれば個々のガイドローラ間の距離と、ガ イドローラから第２の取付点までの距離の合計が変化しても、ブラスト装置が常 に圧力をもって壁面に押しつけられることが保証される。 本発明のさらなる改良によれば、ガイドローラは、アーム上に固定され、スプ リングにより、ベルトの壁面に面した側に押しつけられる。 この設計により、ブラスト装置が壁面に沿って移動した結果として生じるガイ ドローラと取付点の間の距離の大きな変化を容易に適応できる。 本発明の別の実施例によれば、スプリングは、ベルトの一端と取付点との間に 取りつけられている。 ベルトをスプリングによって壁面に固定することは、ベルトに対して十分な張 力が常に維持され、しかも、ブラスト装置を取付点間で壁面に沿って移動させる ために十分な長さ変化が生じ得ることを意味する。 本発明の好ましい実施例によれば、取付点は、締付ストリップによって、壁面 に対して固定される。 このことにより、例えば高速道路のコンクリート支柱のような柱に吹付けを行 なわなければならない場合に、そのための固定点を柱に設ける必要なしに、下部 支点を柱の下側に簡単な手段により設けることができる。これにより、時間や労 力が節約でき、より効率的に作業を行うことができる。 本発明のさらなる改良によれば、巻き上げケーブル及びベルトの上側は、壁面 に対して支持することのできる巻き上げブラケットから懸下される。 このことにより、ブラスト装置を壁面の異なる部分に沿って容易に移動させる ることができ、したがって壁面を広い範囲にわたって容易に作業することができ る。 本発明のさらなる改良によれば、巻き上げブラケットを、壁面に対して支持す ることのできるレールに沿って、駆動装置によって、移動させることができる。 このことにより、安定した、しかも移動可能な取付点が得られ、その結果とし て、壁面に沿ってブラスト装置を正確に制御することが可能となる。 本発明のさらなる改良によれば、巻き上げブラケット及びレールは、移動装置 によって壁面に対して支持されている。 このことにより、装置を容易に操作することができ、より効率的に用いること ができる。移動装置は、壁面に沿って、或いは柱の別々の側に沿って容易に移動 できる。 本発明は、さらに、ブラスト装置の使用方法をも含んでおり、それによれば、 ブラスト装置を壁面の前に懸下し、ベルトをガイドローラに沿って案内し、作業 高さに固定されたベルトバックルによりベルトに張力をかけることによって押圧 力を得るものである。 作業高さに固定されたベルトバックルによりベルトに張力をかけることによっ て、ブラスト装置を位置決めするための迅速な方法が得られる。 本発明のさらなる改良によれば、ベルトの長さは、壁面に沿った移動の間に、 ベルトバックルによって調節される。 このことは、壁面に沿った移動の間のベルトの大きな長さの差を容易に修正で きることを意味している。 以下、複数の実施例について、図面を参照して本発明を説明する。 第１図は、正方形の柱の吹付けに用いる、本発明の第１の実施例によるブラス ト装置の側面図である。 第２図は、第１図のブラスト装置の背面図である。 第３図は、円柱の吹付けに適した、本発明の第１の実施例によるブラスト装置 の側面図である。 第４図は、第３図のブラスト装置の上面図である。 第５図は、壁面の吹付けに用いる、本発明の第２の実施例によるブラスト装置 の側面図である。 第６図は、第５図のブラスト装置の背面図である。 第７図は、第５図のブラスト装置の正面図である。 第８図は、ブラスト装置が吹付け作業中にベルトに沿って水平方向に移動可能 である、本発明の第３の実施例の背面図である。 第９図は、第８図のブラスト装置の上面図である。 第１０図は、第５図のブラスト装置を、船の傾斜面の吹付け作業などの用途に 用いた場合を示す図である。 これらの図面及び実施例において、対応する部分には、可能な限り同一の参照 番号を付してある。 第１図は、ブラスト材を、柱２２の表面に対して高速で吹付けるブラスト装置 １を示している。柱２２は、コンクリート柱であり、本例では正方形の断面をも ち、その表面には、そこから取り除くべき塗料や汚物等がある。この目的のため 、ブラスト装置１を、巻き上げケーブル１３によって、壁面に沿って移動させる 。 ブラスト装置１は、吹付けホイールモータ１１によって駆動される吹付けホイ ール（図示せず）を備え、貯蔵タンク４に貯蔵されたブラスト材は、吹付けホイ ールに運ばれ、その後、吹付けホイールを斜め下方に向けることにより、吹付け 路５を介して、ジェットノズル６の位置において、壁面に対して高速で吹付けら れるように設計されている。 壁面から跳ね返るブラスト材は、そこに混入した汚物とともに、戻り通路７を 通り、コンベヤ３によって貯蔵タンク４に戻るように循環する。汚物は、この間 に、図示しない方法によって、そこから取り除かれる。この目的のため、真空ク リーナー（図示せず）があり、これは、ブラスト装置を詳細に説明し、本件出願 の一部を構成している上記オランダ出願ＮＬ１０００５７６号中により詳細に述 べられている。 ジェットノズル６と壁面の間には、汚物及び塵埃が周囲に及ぶことを可能な限 り防ぐためのシールが嵌め込まれている。このシール機能を良好にするためには 、ジェットノズル６から壁面への距離を小さくし、その変化を可能な限り小さく することが重要である。この目的のため、回転ガイドホイール２及びガイドホイ ー ル８が、装置に取り付けられている。 ブラスト装置１は、巻き上げブラケット１４に固定された巻き上げケーブル１ ３から懸下され、ウインチ１０によって垂直方向に移動される。巻き上げブラケ ット１４は、第２図に示したレール２３から懸下され、このレールは、支持バー １５から懸下されている。支持バー１５は、アーム１７によって移動装置（図示 せず）に固定された機械的ショベルバケット１６に固定されている。支持バー１ ５は、柱２２の壁面に当接されているため、上記バーは安定した状態にあり、ウ インチ１０によるブラスト装置１の移動を正確に行うことができる。図示の実施 例においてはウインチ１０はブラスト装置内に位置しているが、ウインチ１０を 例えば地面の上に配置することも可能である。この場合には、ウインチ１０の巻 き上げケーブル１３は、巻き上げブラケット１４に固定されたブロックによりブ ラスト装置１に案内される。 ブラスト装置１は、壁面に対してブラスト材を吹付けることにより、壁面から 離される。このことは、ジェットノズル６と壁面との間の隙間が容認できないく らい大きくなり、周囲環境の汚染を生じるために、望ましくない。この理由から 、ベルト１８により構成される押圧手段が設けられる。ベルトの上部は巻き上げ ブラケット１４に固定され、下部はベルトバックル１９によってスプリング２０ に固定されている。スプリング２０は、ベルト２１によって柱に対して引っ張ら れている。ベルト１８は、ブラスト装置１の一部を構成している上部ガイドロー ラ１２及び下部ガイドローラ９に押しあてられている。スプリング２０の作用の もとで、ベルトは、２つのガイドローラ９及び１２に押しあてられている。ガイ ドローラの上側のベルトの長さをａ、ローラ間の長さをｂ、ガイドローラの下側 の長さをｃとする。合計の長さａ＋ｂ＋ｃは、ウインチ１０の作用のもとでの壁 面に沿った移動の結果として変化し、この長さの変化はスプリング２０によって 吸収される。 第２図は、柱２２の背面図であり、巻き上げブラケット１４がレール２３に沿 ってＡ方向に移動することにより、ブラスト装置１が壁面に沿ってどのように移 動するかを示している。 第３図及び第４図は、移動可能な機械的ショベル２４によってブラスト装置１ を柱２２の壁面の前に設置した例を示し、ブラスト装置は、ここでは、円形断面 をもつ柱２２の吹付けができるように改造されている。この目的のため、ガイド ホイール２５は、ブラスト装置１が水平方向に容易に移動できるようにして取り 付けられている。この目的のため、従動ガイドローラ２６がさらに設けられてい る。 第５図には、ブラスト装置１の別の実施例が示され、この装置は、ケーブルプ ーリー２７を経てウインチ１０に続く巻き上げケーブル１３から懸下され、した がって、垂直方向に移動可能である。この実施例においては、スイベルベアリン グ２９のまわりを回転するようにそれぞれレバー２８によりブラスト装置１に固 定されたガイドローラ９及び１２によって、ベルト１８は、緊張状態に保たれて いる。レバー２８がかなりの長さをもつことから、ブラスト装置１が壁面に沿っ て移動した結果として起こるベルト１８の長さの大きな変化を、容易に吸収する ことができる。 第６図は、第５図のブラスト装置１の背面図である。ここでは、レバー２８が どのように、スプリング３０によるバネ張力下に置かれているかが示されている 。 第７図は、同一のブラスト装置１の正面図である。ここでは、ジェットノズル ６の形状及びガイドホイール２及び８の位置が示されている。 第８図及び第９図は、水平方向に主移動を行なうように改造されたブラスト装 置１を示している。ここで、巻き上げブラケット１４は、水平駆動装置３３によ ってレール２３内を移動することができる。この場合、ベルト１８は壁面３４に 沿って水平方向に引っ張られ、垂直軸のまわりを回転するガイドローラ３１がレ バー２８に固定され、ガイドホイール３２も垂直回転軸を有している。 第１０図は、船の傾斜壁３５に吹付けを行なうために第５図の装置がどのよう に用いられるかを示している。第１０図の右側に示されている船の舳先の壁面３ ５の傾斜は、第１０図の左側に示されている船の中央部分よりも急勾配である。 側壁面３７及びドック床３８をもつドック内で、船は、支持ブロック３６上に位 置している。ベルト１８及び巻き上げケーブル１３の上側は、必要に応じて船の 長さに沿って移動可能な可動取付点３９に固定されている。下側では、ベルトは 、 取付点４０において支持ブロックに固定されている。スプリング３０（第１０図 には図示せず）を、十分重くすれば、壁面３５が極度な負の傾斜を有している場 合でも、ブラスト装置１を十分な力で壁面に押しつけることができる。 ブラスト材を吹付けホイールによって壁面に対して吹付ける図示の実施例の外 に、例えば圧縮空気などの別の方法により、ブラスト材に十分な速度を与えるこ とも勿論考えられる。その場合も、ブラスト材を選択し壁面に対するシールと組 み合わせることにより、壁面への吹付けの間ダストフリーシールを提供すること ができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ジェットノズル（６）を介してブラスト材を壁面に対して高速で吹付けるこ とができる駆動手段（１１）と、前記ブラスト装置を壁面に沿って移動させるこ とができる巻き上げ手段（１０、１３）と、前記ジェットノズルを壁面に沿って 密閉しながらほぼ一定の距離をおいて案内することができる誘導手段（２、８； ２５、２６；３２）と、圧力をもって前記誘導手段を壁面に対して押圧するため の押圧手段とを備えたブラスト装置（１）において、前記押圧手段は、２つの取 付点（１４、１９、２０）の間に壁面に沿って張架されるベルト（１８）と、装 置に固定された１つ以上のガイドローラ（９、１２；３１）とを有し、前記ベル トは、前記ガイドローラ上に押圧力を加えていることを特徴とするブラスト装置 。 ２．前記ベルト及び／または前記案内ローラは、弾性的に固定されることを特徴 とする請求項１記載のブラスト装置。 ３．前記ガイドローラは、アーム（２８）上に固定され、スプリング（３０）に より、ベルトの壁面に面した側に押しつけられることを特徴とする請求項１又は ２記載のブラスト装置。 ４．スプリング（１９）は、前記ベルトの一端と取付点との間に装着されている ことを特徴とする請求項１、２又は３記載のブラスト装置。 ５．前記取付点は、締付ストリップ（２１）によって壁面に対して固定されてい ることを特徴とする前掲請求項の１つに記載のブラスト装置。 ６．巻き上げケーブル（１３）及び前記ベルトの上側は、壁面に対して支持する ことのできる巻き上げブラケット（１４）から懸下されていることを特徴とする 前掲請求項の１つに記載のブラスト装置。 ７．前記巻き上げブラケットを、壁面に対して支持することのできるレール（２ ３）に沿って駆動装置（３３）によって、移動させることができることを特徴と する請求項６記載のブラスト装置。 ８．前記巻き上げブラケット又は前記レールは、移動装置（２４）によって壁面 に対して支持されていることを特徴とする請求項６又は７記載のブラスト装置。 ９．ブラスト装置を壁面の前に懸下し、ベルトをガイドローラに沿って案内し、 作業高さに固定されたベルトバックル（２０）によってベルトに張力をかけるこ とにより圧力を形成することを特徴とする、本発明のブラスト装置を用いて壁面 の吹付けを行なうための方法。 １０．前記ベルトの長さは、前記壁面に沿った移動の間に前記ベルトバックルに よって調節されることを特徴とする請求項９記載の方法。