JPH11511868A - パターン構造を有するマスクの製造方法 - Google Patents

パターン構造を有するマスクの製造方法

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アイエムエス イオネン ミクロファブリカティオーンス システメ ゲゼルシャフト エム・ベー・ハー
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Abstract

(57)【要約】 イオン・ビーム・リソグラフィーにとりわけ使用される電磁照射または粒子照射によってマスクのパターン構造を対象物に写す目的のために、パターン構造を有するマスクを製造する方法において、20μm以上の肉厚を有する二次元的な平坦な基板を選択し、該基板においてその端縁から離れた部分を0.5μmから20μmの肉厚にエッチングすることにより、引張応力が5Mpa以上の薄膜を形成し、次いで、5Mpa以上の引張応力のもとに、リソグラフィーを使用して該薄膜の中央部にパターン構造を形成し、該薄膜にマスクのパターン構造をなす複数の孔をエッチングし、該マスクパターン構造を実質的に囲むところの薄膜部分内の有効肉厚を減少させ、その際に、マスクパターン構造を含む中央部を基板の端縁に弾性的に連結し、その中央部内の平均引張応力が5Mpa以下の数値に減少するようになす。有効肉厚減少部分はより好ましくは少なくとも円周形状の溝または少なくとも穿孔により形成される。

Description

【発明の詳細な説明】 パターン構造を有するマスクの製造方法 本発明は、イオン・ビーム・リソグラフィーにとりわけ使用される電磁照射ま たは粒子照射によってマスクのパターン構造を対象物に写す目的のために、パタ ーン構造を有するマスクの製造方法に関する。 リソグラフィーに使用されるマスクは表面積の大きい略円盤状の構造物であり 、肉厚が約1μmから20μm程の薄膜からなり、同薄膜を囲繞する外枠によっ て保持されている。一般にステンシル・マスクと呼ばれているマスクの場合、マ スク中央の設計領域内において薄膜に複数の孔を形成する。このとき、その孔が マスクのパターン構造を構成する。電磁放射線または粒子放射線をステンシル・ マスクに照射するビームが薄膜における複数の孔を遮断されることなく通過し、 一方、孔以外15の薄膜部分では吸収される。 この種のマスクを製造する主な方法として、適当なエッチング−ストップ法に よりシリコン・ウエハ等の基板を所定肉厚にエッチング薄膜加工する方法がある 。この方法では、基板の外周端を加工せずにそのまま残して摘み用の隆起状端部 になし、後の工程で該隆起状端部を介してマスクをフレームに締結できるように している。そして、薄膜の上面側には電子ビーム・リソグラフィー等のリソグラ フィー工法によりマスクのパターン構造が施され、エッチングによって複数の孔 が薄膜に形成される。 以上の工程から、ステンシル・マスクの製造には、薄膜が機械的負荷を受ける 一連の加工過程を要することになる。したがって、薄膜はそれ相当の引張応力の 状況に置かれることを余儀なくされる。その引張応力の要因としては熱反応が原 因する応力やドーピング工程で起きる応力などが考えられる。ドーピング工程で の引張応力が起きる場合は基板もしくは薄膜をその原子の直径より小さい原子直 径を有するドーピング物質を用いてドーピング処理する際に起きる。例えば、シ リコンをホウ素またはリンでドーピング処理する場合に起きる。この種のドーピ ング工程は、基板のエッチング薄膜加工を行う際、効果的なエッチング・ストッ プ(電気化学的なもの、または化学的ウェット式なもの)を生じさせるために多 くの場合必要とされ、またその技法で肉厚の均一な薄膜を製造できることからも 必要性は高い。エッチングによるシリコン基板の薄膜加工法の詳細な記述は、特 に、エックステンデッド・アブストラクトのアブストラクトNo.122、第8 2−1巻(1992年度)の「超薄膜シリコンダイヤフラムのためのホウ素及び ホウ素−ゲルマニウムでドーピング処理したエピタキシアル・シリコン・フィル ムに関する研究」(著者:ブラック その他)(Extended Abstract,vol 82-1 (1992)in abstract No.122 entitled”Studies of Boron and Boron-Germaniu m doped Epitaxial Silicon Films for Ultrathin Silicon Diaphragms”(Blac k et all))や、ベル・システム・テクニカル・ジャーナルの1970年3月発 行版、473ff頁の「電気化学的制御によるシリコンの薄膜加工」(The Bell System Technical Journal,March 1970 on pages 473ff entitled”Electro-c hemically Controlled Thinning of Silicon”)に記述がある。 ステンシル・マスクとして使用する薄膜の製造方法は本願出願人の所有する欧 州特許公報第EP−A−367 750号からも公知である。この公報に記載さ れた方法によれば、薄膜を製造する際にマスクに生じる応力を考えるときに、基 板をドーピング処理してエッチング・ストップを起こす工程で、所定のドーピン グ材料を所定のドーピング濃度のもとで使用する点を考慮することがうたわれて いる。パターン構造を有するマスクにおいて、複数の孔の密度の程度によって、 同マスクの局部的な応力は薄膜の応力に対し変わっていく。従来のマスクにおけ る孔の密度範囲は数%から50%程である。 上記の方法で製造された全てのマスクはその製造過程の様式上ある程度の引張 応力を生じさせ、それが原因でステンシル・マスクの複数の孔が所定位置より互 いにずれることがある。その結果、マスクにおいて高密度の孔を有する部分は低 密度の孔を有する部分に極めて近接している場合、孔の位置ずれは甚大となる。 加えて、マスクのパターン構造は所定位置からほぼ外方へ大きく偏向していく。 これらの理由から暫くの間いろいろな努力が払われ上記製法で製造される薄膜の 応力をできる限り低レベルに減少させマスクパターン構造のずれを最小限に少な くさせようとしていた。マスクの歪みに関しより正確な実験が、特に、マイクロ エレクトロニック・エンジニアリング 11(1990)363−366発行の 「EBPステンシル・マスクにおけるパターンの歪み」(著者:ケイサー及びク ルッケ)("Pattern Distortions in EBP Stencil Masks”(Keyser and Kulcke) ,published in Microelectronic Engineering,11(1990)363-366)及びジェー .ヴアック.シー.テクノール.B12(6),1994年11/12月版 3 528ff頁における「応力より誘発する薄膜マスクのパターン装着誤差」(著 者:リッドル及びヴォルカート、エーテー アンド テー ベル ラボラトリイ ズ所属)("Stress Induced Pattern-Placement Error in Thin Membrane Masks "(Liddle and Volkert,AT & T Bell Laboratories),J.Vac.Sci.Technol.B 1 2(6),Nov/Dec 1994,3528ff.)から報告されている。この中で、後者の発行物 では、ステンシル・マスクを使用して0.25μmのサブミクロンの範囲でレイ アウトをとる場合、所定の許容誤差を保つことは可能と主張している。 現今ではマスク製造において未加工の薄膜の応力を10MPa以下の数値に下 げるとスピンニング・フォトレジスト等のマスク製造工程中に生ずる機械的負荷 により薄膜自体が耐えれなくなり、10MPa以下の数値はマスクの製造に技術 的な困難があることが判ってきている。したがって、従来の製造方法ではいまの ところマスクパターン構造のある程度の歪みとなる応力に対し若干の下限を提供 する程度であり、それは極小電子回路に許容できるものではない。このような従 来技術のマスク製造方法(10MPa応力での)は、例えばジェー.ヴァック. シー.テクノール. B 10(6), 1992年11/12月版 2819 ff頁における「イオン投影露光による0.25μm以下のリソグラフィー用の シリコーン・ステンシル・マスク」(J.Vac.Sci.Technol.B 10(6),Nov/Dec 1 992,2819ff under the title"Silicon Stencil Masks for Lithography below 0.25μm by Ion-Projection Exposure)で記載されている。 本願出願人の所有する米国特許第US−PS−780 382号では、可能な 解決策として、マスクの全設計領域に格子状支持構造を設けて、この格子状支持 構造によりマスクパターン構造を保持し所定の位置からずれないようにしている 。本特許ではさらに該格子状支持構造の肉厚を局部的な孔の密度に合わせて調整 しマスクの全設計領域内に均一な有効肉厚を設定することを提案している。また 、欧州特許公報第EP−A−330 330号(米国特許第4 827 138 号と対応)では、上記問題の解決策としてキャリアー材から極めて細かな格子状 構造に作成したものをマスク全体とし、そこに異なる材料で所定の複数の孔を満 たしてマスクに複数の不透明部分を設けることを提案している。しかしながら、 以上の解決策はとりわけキャリアー構造が電子回路のレイアウト設計に好ましく ない制限をもたらし、マスク製造においても工程を踏む手順がかなり多くなり、 不具合がある。また、そのようなマスクをリソグラフィーに使用する際に格子状 構造までもが不具合な状態で基板に刻まれることになる。これでは、写し出す像 の焦点がぼやけるか、ビームの進路が傾いてしまい、どちらにせよ線幅を増加さ せて解像力の低下を招く結果となるので、改善策を講じなければならない。 本願出願人の所有する未公告のオーストリア特許出願第A1585/94では 、上述してきたマスクパターン構造の歪みを引き起こす引張応力の問題解決とし て、マスクの製造後マスクの設計領域内に均一した平均応力が生じるようマスク の肉厚及び/又はドーピング濃度を同マスクの局部的な孔の密度に応じて変更す ることを提案している。例えば、孔の高密度な部分を低密度な部分より肉厚を若 干厚くして形成することではほぼ均一な有効肉厚を得るようにしている。同様に 、孔の高密度な部分を低密度な部分より高い程度のドーピング処理することによ り肉厚が均一な平均応力を得ることもできる。しかし、この場合も、そのような マスクの製造には製造中にマスクが破損しないように所定の最低応力を設定する 必要がある。また、マスクのぼぼ四角形または矩形形状の設計領域とはぼ円形の 薄膜端縁との間には、三日月形状の薄膜部分があり、この薄膜部分の引張応力は 一定で、例えば、10MPaの値に固定され、一方、該マスク設計領域の中央で はそこに形成される複数の孔のためにマスク自体の割合が若干数値的に減少して おり それに応じて同マスク設計領域の平均引張応力も減少する。その結果、必然的に マスク設計領域に応力が強く生じてマスクパターン構造が端縁方向へずれていっ てしまう。 以上のマスク応力を最小限にする別の対策についてオーストリア特許第383 438号は記載している。そのマスク製造方法によれば、マスク設計領域を格 納する内側薄板金をマスク素材より熱膨張係数が高い補強リングに連結し、その 膨張係数の違いを利用して製造中温度が高くなってもマスクの応力が一定に保た れるようにしている。しかしながら、これは結局、今日ではとても容認できない 極めて大きな歪みをマスクに生じさせることになる。また、そのような補強リン グによる内側薄板金の応力対策がマスクの固い端部によって妨害されないよう、 補強リングの外側にも薄い外側薄板金を設け、かつ、その外側薄板金に複数のジ グザク状ウェブをエッチングすることにより補強リングと内側薄板金の膨張を吸 収する。 本発明の目的は、パターン構造を有するマスクの製造方法を改良し、製造した 後に応力の極めて低いマスクを得られるようにし、かつ、マスクの歪みが無視で きる程小さくなるようにするとともに、写し出されるパターン構造に悪影響がな いようにすることを目的とする。この問題の一解決手段として、製造中にマスク の機械的負荷が非常に小さくなるような新しい製造技術、例えば、新しいエッチ ング方法等を開発することが考えられる。しかしながら、その製造工程を考慮す ると費用的に高い負担が強いられ実際には適していない。したがって、できるな らば、確立された製造技術を使用して上記目的を達成し、費用の掛からない信頼 あるマスク製造工程を得ることが望まれる。 以上の目的を達成するために、一実施例として、次の製造方法を行う。すなわ ち、イオン・ビーム・リソグラフィーにとりわけ使用される電磁照射または粒子 照射によってマスクのパターン構造を対象物に写す目的のために、パターン構造 を有するマスクを製造する方法において、 a) 20μm以上の肉厚を有する二次元的な基板を選択し、 b) 該基板においてその端縁から離れた部分を約0.5μmから20μmの 肉厚にエッチングすることにより、引張応力が5MPa以上の薄膜を形成し、 c) 5MPa以上の引張応力のもとに、リソグラフィーを使用して該薄膜の 中央部にパターン構造を形成し、 d) 同薄膜に、マスクのパターン構造をなす複数の孔をエッチングし、 e) 該マスクパターン構造を実質的に囲むところの薄膜部分内の有効肉厚を 減少させ、その際に、マスクパターン構造を含む薄膜中央部を基板を端縁に弾性 的に連結し、同薄膜中央部内にて平均引張応力を5MPa以下の数値に減少する ようになす。 上記方法において、前記工程d)とe)を同時に行い、マスクパターン構造を 伴って前記工程c)を行えば、薄膜にも前記有効肉厚を減少した部分のマスクパ ターン構造が設けられ、特に効果的なことが判っている。 同様な方法で上記目的を達成する方法として、以下の方法がある。すなわち、 a’) 20μm以上の肉厚を有する二次限的な平坦な基板を選択し、 b’) リソグラフィーを使用して該基板の上面側にマスクのパターン構造を形 成し、少なくともその基板上面側に近接し薄膜を作るための層において引張応力 が5MPa以上であるようになし、 c’) 該マスクパターン構造をなす複数の凹部を0.5μmから20μmの深 さで前記基板上面側にエッチングし、 d’) 同基板上面側部分において、実質的に該マスクパターン構造を囲む部分 での有効肉厚を減少させ、 e’) 基板の下面側においてその端縁から離れた部分を約0.5μmから20 μmの肉厚にエッチングし、その後、有効肉厚の減少した前記部分を介して基板 の端縁に前記マスクパターン構造を含む薄膜中央部を弾性的に連結し、該有効肉 厚減少部分内のマスクの平均引張応力を5MPa以下の数値に減少するようにな す。 この場合も、前記工程c’)とd’)を同時に行い、マスクパターン構造を伴 って前記工程b’)を行えば、基板にも有効肉厚を減少した前記部分のマスクパ ターン構造が設けられ、特に効果的なことが判っている。 以上で述べた方法とその好ましい実施例は全て共通して、マスク設計領域の外 側、すなわち、マスクパターン構造と薄膜の固い端縁との間に、弾性的な機能を 生じるよう有効肉厚を減少させた連結部分を設けており、それにより、パターン 構造を有する部分が該端縁より弾性的な状態で実質的に非連結の様相をなしてい る。そのため、マスク設計領域内の平均引張応力が5MPa以下の所定数値に減 少することができる。本発明の方法によれば、リソグラフィーによるマスクパタ ーン構造形成工程の後に有効肉厚のみを減少させればよいので、応力が予め充分 生じている薄膜(5MPa以上、通常約10MPaの引張応力を有する薄膜)を 必要とする従来利用され確立されている全ての製法をマスクパターン構造形成に 使用することができる。したがって、本発明で製造したマスクには歪みが極く僅 かしか生じない。ここで、歪みとはマスクパターン構造のずれで直線的特性を有 して外方へ直線的に増大する。したがって、その歪みは増大した分だけ調整する ことにより相殺することができる。これに関しては、特に本願出願人の所有する 米国特許第US−PS−4 985 634号で詳細に記載されている。この歪 み補正方法は、投影光学機器(IPLすなわち、イオン投影リソグラフィー)と 陰影投射設備(MIBL、すなわち、マスク・イオン・ビーム・リソグラフィー )の双方の場合に適用できる。換言すれば、マスクを適切な方法で製造し使用す れば、非直線的な歪みまたはずれが極く僅かしか残らない。これは、本明細書の 冒頭部分で挙げた「応力により誘発するパターン装着誤差・・・」という題名の 公報とは異なり、確実に0.1μm範囲でのマスクの使用を可能としてくれる。 本発明の範囲では、前述の有効肉厚減少部分を相違した方法で形成することが できる。その方法の一つとして、相当する薄膜部分をより薄い肉厚に、例えば、 円周方向の溝の形状にエッチングする方法がとれる。同様に、相当する薄膜部分 に複数の孔をエッチングして有効肉厚減少部分を形成することができる。 その有効肉厚減少部分の有効肉厚は、パターン構造を形成していない薄膜の肉 厚の1%と40%の間に数値がくるようにすることが好ましい。また、この領域 での有効肉厚を20%以下の数値に減少すると良好な結果が得られる。 本発明では、さらに、上記の二通りの方法のいずれかによって製造した投影露 光用マスク(projection mask)も発明主題としている。この種のマスクでは、 パターン構造を形成した領域を円形に囲む少なくとも一つの穿孔によって、上述 した有効肉厚減少部分を形成できる利点がある。その穿孔を二つ以上設ければ、 同穿孔自体をほぼ水平にまたは同心円上に配設しかつ穿孔をスリット状に接線方 向に互いにずらすことにより、穿孔の間の部分に曲げ負荷を掛けることができる 利点もある。したがって、この実施例の場合、引張負荷に加え曲げ負荷が掛かる ことから、有効肉厚減少部分の弾性効果は著しく高くなり、有効肉厚が実質上減 少しても、マスク設計領域内の引張応力を充分に減少させることができる。 また、本発明の好ましい実施例として、複数の孔を一列に配設して、その孔を 上記有効肉厚減少部分の構成要素としている。その孔の間で、マスクのパターン 構造領域と薄膜の端縁をウェブを介して連結している。ウェブを放射状に形成す れば、引張負荷のみを受けることになるが、それに応じて単に大きさを決めて同 ウェブを形成することができる。また、ウェブに放射状部分のみならず接線方向 部分を構成すれば、様々な負荷(引張負荷及び曲げ負荷)が混合して掛かる場合 に、当該有効肉厚減少部分に極めて強い弾性効果が期待できる。 本発明における他の特徴や利点については、添付の図面を参照して以下に記載 する具体的な実施例の説明で更に判る。図面において、 図1は本発明の方法により製造した円周方向の溝を有するマスクの非現尺大の 概略図を示し、 図1aは図1のマスクが円周方向の環状穿孔を有する状態の一実施例を示し、 図2は本発明による同心上に配設した環状穿孔を有する態様のマスクを示し、 図3はマスクの部分断面の具体的な平面図を示し、有効肉厚減少部分が複数の ウェブと孔の態様をとっていることを示し、 図4はマスクの擬態的な横断面図を示し、有効肉厚減少部分が同心円上に設け た三つの溝の態様をとっていることを示し、 図5a、5b及び5cはマスクの製造方法と製造後のマスクの使用状態を示す 。図5aは本製造方法におけるリソグラフィー工程を示し、図5bは製造終了後 のマスクを示し、図5cはマスクがイオン・ビーム・リソグラフィーに使用され ている状態を示す。 最初に、本製造方法の主要な工程を詳細な実施態様に基づき再度説明する。こ こで、図5a、5b及び5cを参照しイオン・ビーム・リソグラフィーに使用す る表面積の大きいシリコン・マスクの製造について説明する。 本製造方法の第一工程では、適当な基板、例えば、市販のシリコン・ウエハ( n型またはp型)を選択する。そして、電気化学的エッチング・ストップ製法を 行うために、該シリコン・ウエハをドーピング処理してマスクに適した薄膜肉厚 上にpn転移またはnp転移を生じさせる必要がある。このドーピング処理に際 し、薄膜に引張応力を生じさせるためにもドーピング物質の原子の直径がシリコ ン原子の直径(1.10オングストローム以下)より小さくすることに留意する 。また、そのためにシリコン・ウエハとしてはホウ素またはリンを使用すること が好ましい。すなわち、n型ウエハにはホウ素をp型ドーパントとして、p型ウ エハにはリンをn型ドーパントとして使用するとよい。本ウエハはイオン打ち込 み法によってドーピング処理することが望ましく、その用量及びエネルギー量に ついては、エッチング・ストップに重要な前記pn転移部を2μm−3μmの深 さに形成し、ドーパント濃度を約10MPaの引張応力が生じる程度のものとし て、以後の工程で薄膜をスムーズに処理できるようなものとする。なお、この1 0MPaの応力は以後の製造工程における用件に合わせて個々のケースで調整し その数値を上下させてもよい。 上記ドーピング用量と得られる応力との数値的な関係は本願出願人が所有する 欧州特許公報第EP−A−367 750号に詳細に記載されていて、その記載 内容にしたがい、10MPaの応力に必要なドーパント濃度を予め正確に設定す ることができる。また、上述したようにウエハをエッチング薄膜加工するには電 気化学的エッチング・ストップ法を扱うが、その製法は本明細書の導入部で説明 したベル.システム.テクニカル.ジャーナルの1970年3月発行版、473 ff頁の「電気化学的制御によるシリコンの薄膜加工」という発行物に具体的な 説明があるので詳しい説明は省く。 ここで、既に述べたように本願出願人の所有する前記オーストリア特許出願第 A1585/94号に基づく方法をとる場合、マスク設計領域内で局所、局所に ウエハ基板のドーパントの用量及び/または深さを適宜に変更調整しなければな らない。このような処置は、二段階または多段階ドーピング加工法、すなわち、 工 程を進む毎にそれぞれの工程に先立ちその都度リソグラフィーによるウエハ表面 の所定パターン構造形成をする加工法によって行う。この方法であれば、本発明 において扱う種類のマスクに何ら問題なく適用できる。しかし、必ずしもその方 法が必要ということではない。なお、当該オーストリア特許第A1585/94 号で使用しているマスクにつき、その組成は本明細書のものとすべて同一と判断 されたい。 さて、上記エッチング薄膜加工の終了時には、ウエハはほば図5aに示すよう な外形となる。すなわち、同ウエハにおける外方端2側の肉厚はそのままの肉厚 である一方、この外方端の内側における全領域3は所定の肉厚、例えば、約2μ m−3μmにエッチングされている。これによって、実際マスク製造中に引張応 力が20MPaなどの高い値に直ちに上がることを鑑みれば、この製造中にもっ と薄いマスクでもかなりの安定度を保持することは可能であり、該マスク領域の 肉厚を例えば1μmまでに薄くすることができる。 次に、マスクパターン構造を付与するためリソグラフィーによる薄膜表面のパ ターン構造形成工程に入る。そのため、まず、前記エチングした薄いウエハに薄 い酸化膜層を設ける。その酸化膜層は、薄膜の応力特性を大幅に変えないように 極力均質で薄いものにすべきである。特に、良質な酸化膜層を作る方法として例 えばLPCVD(低圧化学気相堆積法)がある。また、酸化膜層は次の工程で所 定温度のもとに窒素により処理してその引張応力をシリコン薄膜の引張応力の数 値、例えば、10MPaまでに正確に下げることができる。このマスク製造工程 は長時間長引く場合には、ウエハを窒素の雰囲気に留めておくとよい。 一般に、ウエハはこの段階でフレーム2’に締結して以後のリソグラフィー工 程を容易に進めさせるようにする。また、通常、該フレームは熱膨張係数を考え 薄膜と同じ材料、例えば、この場合シリコンから形成する。シリコン・ウエハの 場合、ピレックス(Pyrex)リングも必要に応じて使用してよい。図5aは この状態のマスクを示している。 続いて、公知様式で薄膜の上面側にリソグラフィー法によるパターン構造形成 を行う。このとき、なるべく薄く均質で応力のない層に適当なフォトレジスト材 を適用し、ついで、市販の電子ビーム描画装置、例えば、MEBES IIIを 使用して該フォトレジスト層を電子ビームe”で露光する。 ここで、本発明では、マスク設計領域を囲むウエハ部分について、その有効肉 厚を減らしてウエハにおける該マスク設計領域と端縁との間に弾性的な結合状態 を生み出すことを考え、そのため該ウエハ部分に複数のウェブで互いに分離した 複数の孔(図1a、2及び3を参照)を構成させている。この場合、電子ビーム 描画工程でマスク自体のパターン構造を描画できるだけでなく、かかるマスク設 計領域を囲むウエハ部分もパターン構造を同時に描画できる。 さて、まず初めに、電子ビームで露光した前記レジスト層を現像する。ポジ型 レジストを使うか、ネガ型レジストを使うかで露光部分または未露光部分が生じ るが、レジスト層の現像後、そうした露光部分または未露光部分について前記酸 化膜層を、薄膜表面並びに他にまだ残ているレジストを除去するまで、完全にエ ッチングする。その次の工程として、マスクのパターン構造をなす複数の孔をエ ッチングする。この工程を効果的に行う手段に、反応性イオン・ビーム・エッチ ング(RIE、すなわち、反応性イオンエッチング)がある。ここで述べている 工程に関する技術的なパラメータは当該技術の専門家に周知のことであり詳しい 説明は省略する。反応性イオン・ビーム・エッチングの工程でとり得る好ましい 態様として、レジストの作成後から孔のエッチングまでの全ての工程を反応性イ オン・ビーム・エッチング反応装置内で多段階工程を行うことにより単純な手順 で済むことができる。そのような目的に適したエッチング反応装置と同装置の操 作条件については、特に、ジェ.ヴァック.シー.テクノール. B 10(6 ),1992年11/12月版 2716ff頁における「分子臭素プラズマに おける大面積シリコン薄膜に対する磁力強化三極管によるエッチング」(J.Vac .Sci.Technol.B 10(6),Nov/Dec 1992,2716ff under the title”Magnetic ally enhanced triode etching of large area silicon membranes in amolecul ar bromine plasma”)より正確で詳細な説明がある。 上記工程に従えば、前記ウエハ部分を正確に5MPa以下の値、好ましくはも っと低い値の約2MPaになるような形状にすると、マスクの平均応力は最初の 数値例えば、10Mpaより減少するので、薄膜におけるマスク設計領域に不具 合な歪みは生じない。この場合、該ウエハ部分の材料に応力がかなり増加してマ スク設計領域の引張応力より高い数値レベルに上がることもある。しかし、例え ば、シリコン材の破壊点は100Mpaの範囲にあるので、本薄膜を続けて使用 していくことに何ら問題はない。また、薄膜の有効肉厚が未加工時の肉厚の1% に減少しても、前記100Mpaの限界値に達することはない。マスクそのもの の製造時に比べ、投影式または陰影投射式リソグラフィー設備(projection or shadow-casting lithography installation)でマスクを使用するときのほうが それ程大きい機械的負荷を受けることはなく、そのため、有効肉厚の減少した部 分を所望形状に形成するためのゆとりが多く得られる。これまで述べてきた種類 のステンシル・マスクにおける設計領域内の引張応力には下限があり、その概ね の理由として、薄膜がパターンを写すリソグラフィー装置の電界と相互作用して 一定の水平状態を保てないことからくる。しかし、計算によれば現今で使用して いる100×100mm寸法の設計領域を有するマスクの場合、かかる引張応力 の下限は平均有効引張応力の2Mpa以下の範囲である。このことは特に本願出 願人の所有するPCT国際出願第PCT/AT/00003号より明らかとなっ ている。 以上の反応性イオン・ビーム・エッチング工程を終了した後、残りの酸化膜層 を、例えば、通常のHF(高周波)による酸化物除去法で簡単に取り除く。こう してマスクの製造はほぼ完了し、次に、有効肉厚減少部分に複数の孔とウェブを 形成する工程へと向けられる。 一方、例えば、図1及び図4に示されているように、有効肉厚減少部分の形成 のため該当する部分の薄膜肉厚を減らす方法をとる場合、反応性イオン・ビーム ・エッチング工程において、まず、マスク設計領域内のみにパターン構造を形成 する。この場合、マスク設計領域内の引張応力は低い値に落ちて、この時点です ぐにもマスクパターン構造にある程度のずれを起こしてしまう。そのため、この 反応性イオン・ビーム・エッチング工程の終了時に、更にリソグラフィー工程を 踏んで前記有効肉厚減少部分にパターン構造を形成する。マスク自体のパターン 構造とは違って該有効肉厚減少部分のパターン構造は高い解像力を必要としない ので、リソグラフィー工程は光学的な工程かまたは単純なシャドー・マスクを使 用した工程で行える。このリソグラフィー工程の後に、薄膜をエッチングして肉 厚を減少させる工程では、様々な方法が取れるが、例えば、反応性イオン・ビー ム・エッチング法、エッチング・ストップを伴う電気化学的エッチング法、化学 的ウェット・エッチング法またはスパッタ・エッチング法等がある。このうち、 方向性があるイオン・ビームによりスパッタ・エッチング法を行えばリソグラフ ィー工程なしでイオン・ビームを前記有効肉厚減少部分に向けられるので、リソ グラフィー工程は省くことができる。また、その場合、単純なシャドー・マスク により、エッチングする有効肉厚減少部分に対してのみエッチング工程を限定す ることが可能である。そのような方法を取れば、マスク設計領域内の引張応力は 5Mpa以下の平均値に減少し、上述したマスクパターン構造のずれをなくすこ とができる。確かに、薄膜の有効肉厚減少部分には極めて高い歪みと応力を生じ やすい。しかし、その問題はエッチングのパターン構造形式そのものの質に何ら 影響はない。なぜなら、上述したように、該有効肉厚減少部分はエッチングによ るパターン構造形成工程に関与しないからである(図5c参照)。 また、更に、上記二つの方法様式を組み合わせることも可能である。すなわち 、ウェブで互いに離反した複数の孔を薄膜のエッチングした薄い部分にも設け、 その部分を前記有効肉厚減少部分としてもよい。 本発明では、他に代わる実施例として、以上述べた方法と同じであるが、製造 工程の順序を変えた方法がある。その実施例によれば、まず、比較的肉厚の大き いウエハにマスクのパターン構造を用意し、ついで、同ウエハを以後製造する薄 膜の肉厚に少なくとも一致する深さにエッチングする。この時点で、必要に応じ て前記有効肉厚減少部分も同時に形成する。そして、最後に行う工程として、該 ウエハを薄膜と同じ肉厚にエッチング薄膜加工する。この工程では、例えば、電 気化学的エッチング・ストップ法によって行い、そのエッチング工程の終了時に は、引張応力が5Mpa以下の所定数値に減少させる。この効果は、本実施例の 前に既に説明した方法で前記有効肉厚減少部分にも実現することができる。さら に、他の方法として、薄膜をエッチング薄膜加工した後、該有効肉厚減少部分の みを形成してもよい。結果として二段階のリソグラフィー工程を必要とするが、 エッチング薄膜加工工程全体を通し、かつ、その工程後も、薄膜は所定の引張応 力、例えば、10Mpaとなし、極めて安定している利点がある。本製造方法を 終了すると、マスクはほぼ図5bに示す態様となり、このとき、マスク設計領域 内の平均引張応力は約2MPaとなっている。そして、図5cに概略断面で示す リソグラフィー装置へ他の処理手段を一切必要とせずに、本マスクを使用するこ とができる。図5cより、マスクの上方に、マスクを放射冷却するいわゆる冷却 シリンダー20が配設されており、それによりマスクを一定温度に保っている。 また、図5cには開口絞り21が示され、放射されるビームiがその開口絞りに よってマスク設計領域のみに絞られている。必要であれば複数の開口で絞りを調 節してもよい。この開口絞りで、リソグラフー装置の下に置かれる対象物にマス ク部分7のパターン構造、例えば、穿孔が写されるのを防止できる。図5cから 、本マスクが投影式リソグラフィー装置、例えば、IPLにも陰影投射式リソグ ラフィー装置、例えば、MIBLにもその双方等しく適応できることが判る。 以上説明した本発明による方法はシリコン・マスク使用に限定されないのはい うまでもない。同様に、本発明の方法によれば、使用する素材として他の材料、 例えば、Si2 、Poly−Si、Si34、SiCまたはダイヤモンド薄膜 等の適当な炭素改良素材も使用することができる。 マスク設計領域内における孔の平均密度に応じてマクスパターン構造を囲む部 分の有効肉厚を減少させると、次にような結果が見られる。すなわち、その有効 肉厚を例えば70%に小さく減少させた場合、マスクパターン構造はそれを囲む 部分の方向へと外方にずれる可能性がなおもある。一方、該有効肉厚を例えば1 %に非常に大きく減少させた場合、マスクパターン構造は内方へとずれる可能性 がある。したがって、その二通りの場合の減少割合の数値の間に、マスクパター ン構造が外方へも内方へもずれない有効肉厚減少のポイントの値がある。よって 、孔の平均密度と初めの段階の引張応力値に応じて平均値引張応力を所定数値に 減少させるようにする。なお、本発明の範囲では、その平均引張応力をその所定 数値より多少上下する数値に減少させることも可能であり、したがって、マスク パターン構造をその所定位置からある程度ずらすことができる。しかし、このマ スクパターン構造をずらすに際し、そのずれの程度は半径方向に直線的に増大し ていくので、パターン構造のレイアウトを設計するときにそのことを考慮に入れ るか、マスクを追って使用するときにレンズ装置によってパターン構造のずれに 応じてレンズ装置を拡大又は縮小して調整するとよい。 図1では、本発明による方法に基づき製造したマスク1(非現尺大)の一態様 の例を概略示している。円形状ウエハ基板より形成したこのマスク1には持ち運 びに必要な比較的肉厚の厚い端縁2が設けられている。その端縁の内側にウエハ 基板をエッチング薄膜加工し形成した薄膜3が配設されている。該端縁2と該薄 膜3との間に、薄膜より若干肉厚の厚い、例えば2倍の厚みの遷移領域4が介在 している。この遷移領域はこの部分で起こる切欠き効果によって薄膜が亀裂しな いためのものである。 薄膜の中央部には破線で境界を示したマスク設計領域5が設けられ、そのマス ク設計領域内に概略図示するように、マスクのパターン構造が複数の孔6a、6 b、6c、6dとして形成されている。本発明によれば、マスク1には破線で示 すように領域7が構成されている。この領域7は減少した有効肉厚をなし、かつ 、前記マスク設計領域5を囲繞している。同領域7は前記薄膜3と前記端縁2と を弾性的に連結し、それによって、マスク設計領域中央における引張応力が5M P a以下の平均値に減少してマスクの不具合なずれや歪みを起こさないようにして いる。図1に示すように、この実施例では領域7は円周方向の溝8として形成さ れている。その円周方向の溝8はマスク1の下側においてマスク設計領域として 同心円上に形成している。しかし、本発明の範囲では、該溝はマスクの上側に形 成してよいし、また、マスクの上側下側の双方に形成してもよい。 図1aに示されるマスクの場合、図1のものと酷似しているが、この実施例で は、領域7は円周上に配設される一列の複数の同一形状の孔9として形成されて いる。該孔はウェブ10によってそれぞれ離反されており、そのため放射状に延 びる複数のウェブ10が薄膜3と端縁2との間を単純に結ぶ連結部分となし、さ らに、弾性効果を生み出している。したがって、領域7の外観は環状穿孔状態を 呈している。図1及び図1aに示す実施例は、ともに該領域7内に残る素材部分 に引張力が負荷される点で共通している。 図2に示す実施例の場合、本発明によるマスク1の断片部分のみが描かれ、そ こに領域7が具体的に示されている。この実施例で、該領域7は孔12a、12 b、12c及び放射状ウェブ13a、13b、13cを有して同心円上に配列し てなる三列の環状穿孔11a、11b、11cを構成している。ここで、二つの 隣接する環状穿孔11aと11bまたは11bと11cのそれぞれ対応する二つ の放射状ウェブ13aと13bまたは13bと13cは所定角度でずれて、それ らウェブ13a、13b及び13b、13cは接線方向の横架片14a、14b を介して交互した状態で連結し合っている。このように本実施例では、孔12a 、12b、12cを領域7に形成したので、該放射状ウェブ13a、13b、1 3cが引張力の負荷を受けるのみならず、該接線方向横架片14a、14bに曲 げ応力が生じ、それによって、同領域7の有効弾性力が実質的に増大するように なっている。この結果として、本実施例より前に述べた実施例とは異なり、有効 肉厚の減少が多少少なくともマスク設計領域内の引張応力を十分に減少させるこ とができる。この効果はあらゆる形状のウェブに対し、少なくとも部分的に接線 方向の構成要素があれば同様に得られる。特に、この図2の実施例の利点として 、 外周縁と薄膜それぞれにおけるウェブ13aと13cの接点が放射状に一致して 並んでいるため、前記領域に負荷が掛かっても、マスク設計領域を歪める接線方 向の力が全く生じない。 図3では、さらにこの種の他の実施例を示し、有効肉厚を減らした領域7の平 面図が描かれている。この領域7は一列の環状穿孔のみで構成され、そこにウェ ブ15a、15bが角度を付けた形状で形成されている。本実施例においても、 該ウェブ15a、15bにおける接線方向構成部分に曲げ応力が生じて確実に弾 性力を増すようにしている。同ウェブ15a、15bの角度を大きくすると曲げ 応力部分が増大する。主にその曲げ応力要素のおかげで弾力性に関して領域7の 特性を決定できるまで、ウェブの角度を大きくすることができる。本実施例では 、隣接する二つのウェブ15a、15bが放射状に延びる直線上を左右対称に交 互に形成されることにより、支障となる接線方向の力を生じなくさせている。 このように、簡単な製造工程であり、さらに素材の肉厚を小さくしても良好な 弾性効果が得れらるために、図2及び図3に示す種類の実施例は好ましい実施例 として考えることができる。しかし、本発明はその実施例に限定されないことは いうまでもない。 有効肉厚を減らした領域7について、さらに他の実施例が図4に示されている 。この実施例では、図1に示す実施態様に基づき円周方向の溝16を設けている 。しかし、図1の実施例とは異なり、図4の本実施例は、薄膜の下側においてさ らに二つの溝17a、17bを前記溝16の両側に設け、溝16と17aの間ま たは溝16と17bとの間に、薄い縦方向の壁部18a、18bを形成してなり 、同壁部はその下端において溝16の基部に連結されている。また、該壁部18 a、18bはその上端において、一方を薄膜部分19a、19bを介してマスク 設計領域へ連結し、他方を端縁に連結している。この構造によって、負荷が掛か ると、引張力を受けるとともに(薄膜部分19a、19b、19cにおいて)、 曲げ応力を生じ(壁部18a、18bにおいて)、それによって、極めて高いレ ベルの 弾性力を得ることができる。 本発明による装置の大きな利点は、マスク設計領域内の引張応力が極めて低い ことに加えて、特に、外部からの諸々の力の影響、例えば、端縁における不均一 な熱負荷やフレームの不均一な機械的負荷等を受けても、上記弾性的結合のため 、マスク設計領域の引張応力の変化は非常に少ないことである。 図に示すように、有効肉厚減少部分は必ずしも円形形状でなくてもよい。本発 明の範囲では、該有効肉厚減少部分は四角形等のどのような形状でもよい。また 、この部分の幅並びに有効肉厚は常に一定である必要はなく、マスク設計領域と 端縁の間に要求される局部的な弾性力に合わせて調整してもよい。もちろん、マ スク設計領域と端縁の間の全域を有効肉厚減少部分として形成することも可能で ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レシュナー,ハンス オーストリア国 エイ−1190 ヴィーン フェガガッセ 6

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. イオン・ビーム・リソグラフィーにとりわけ使用される電磁照射または粒 子照射によってマスクのパターン構造を対象物に写す目的のために、パターン構 造を有するマスクを製造する方法において、 a) 20μm以上の肉厚を有する二次元的な基板を選択し、 b) 該基板においてその端縁から離れた部分を約0.5μmから20μmの 肉厚にエッチングすることにより、引張応力が5MPa以上の薄膜を形成し、 c) 5MPa以上の引張応力のもとに、リソグラフィーを使用して該薄膜の 中央部にパターン構造を形成し、 d) 同薄膜に、マスクのパターン構造をなす複数の孔をエッチングし、 e) 該マスクパターン構造を実質的に囲むところの薄膜部分内の有効肉厚を 減少させ、その際に、マスクパターン構造を含む薄膜中央部を基板を端縁に弾性 的に連結し、同薄膜中央部内にて平均引張応力を5MPa以下の数値に減少する ようになす、 パターン構造を有するマスクの製造方法。 2. 前記工程b)とc)を行う際に、薄膜内の前記平均引張応力が8MPaと 12MPaの間にあり、前記工程e)の終了時には、同平均引張応力が約2MP aに減少することを特徴とする請求の範囲1項の方法。 3. 前記工程e)、すなわち、マスクパターン構造を囲む部分内の有効肉厚を 減少させる工程を、例えば、複数の孔の形状でかかるマスクパターン構造を囲む 部分にパターン構造を形成することにより行うことを特徴とする請求の範囲1項 または2項のいずれかの方法。 4. 前記工程d)とe)を同時に行い、マスクパターン構造を伴って前記工程 c)を行うことにより、有効肉厚を減少した前記部分のマスクパターン構造を薄 膜にも設けることを特徴とする請求の範囲3項の方法。 5. イオン・ビーム・リソグラフィーにとりわけ使用される電磁照射または粒 子照射によってマスクのパターン構造を対象物に写す目的のために、パターン構 造を有するマスクを製造する方法において、 a’) 20μm以上の肉厚を有する二次元的な平坦な基板を選択し、 b’) リソグラフィーを使用して該基板の上面側にマスクのパターン構造を形 成し、その際、少なくともその基板における層、すなわち、基板上面側に近接し 薄膜を作るための層の引張応力が5MPa以上であるようになし、 c’) 該マスクパターン構造をなす複数の凹部を0.5μmから20μmの深 さで前記基板上面側にエッチングし、 d’) 同基板上面側において、実質的にマスクパターン構造を囲む部分内での 有効肉厚を減少させ、 e’) 基板下面側においてその端縁から離れた部分を約0.5μmから20μ mに肉厚にエッチングして薄膜を形成するとともに、マスクパターン構造を複数 の孔として形成し、その孔からなるパターン構造を含む該薄膜の中央部を上述の 有効肉厚を減少した部分を介して基板の端縁に弾性的に連結 し、かつ、その有効肉厚を減少した部分内のマスクの平均引張応力が5MPa以 下の数値に減少するようになす、 パターン構造を有するマスクの製造方法。 6. 前記b’)とd’)の工程の終了後、前記基板上面側の引張応力が8MP aと12MPaの間の数値、好ましくは10MPaとなり、前記e’)の工程の 終了後、前述した有効肉厚減少部分内のマスクの平均引張応力を2MPa以下に 下げることを特徴とする請求の範囲5項の方法。 7. 前記工程d’)、すなわち、マスクパターン構造を囲む部分内の有効肉厚 を減少させる工程を、例えば、複数の孔または凹部の形状でかかるマスクパター ン構造を囲む部分にパターン構造を形成することにより行うことを特徴とする請 求の範囲5項または6項のいずれかの方法。 8. 前記工程c’)とd’)を同時に行い、マスクパターン構造を伴って前記 工程b’)を行うことにより、肉厚を減少した前記部分のマスクパターン構造を 薄膜にも設けることを特徴とする請求の範囲7項の方法。 9. 前記工程e’)の後に、前記工程d’)を行うことを特徴とする請求の範 囲5項から6項のいずれかの方法。 10.ドーパントの原子が前記基板における少なくとも一種類の原子と比べ原子 の直径が小さく、少なくとも前述した基板薄膜形成層をドーピング処理すること により、基板の所定引張応力を生じさせることを特徴とする請求の範囲1項から 9項のいずれかのの方法。 11.前記基板として、ホウ素原子またはリン原子でドーピング処理して円盤状 シリコン材を使用することを特徴とする請求の範囲10項の方法。 12.電気化学的エッチング・ストップ法により前記薄膜を形成することを特徴 とする請求の範囲11項の方法。 13.電子ビーム・リソグラフィーによって前記薄膜パターン構造を形成し、か つ、同薄膜のために設けてなる前述した基板の層にもパターン構造を形成するこ とを特徴とする請求の範囲1項から12項のいずれかの方法。 14.反応性イオン・エッチングによって前記孔のエッチングと前記凹部のエッ チングを行うことを特徴とする請求の範囲1から13項のいずれかの方法。 15.前記有効肉厚減少部分を形成する方法として、その部分にあたる薄膜を所 定肉厚に減少するようにエッチングすることを特徴とする請求の範囲1から14 項のいずれかの方法。 16.前記有効肉厚減少部分を形成する方法として、その部分にあたる薄膜に複 数の孔をエッチングすることを特徴とする請求の範囲1から14項のいずれかの 方法。 17.前記有効肉厚減少部分内の有効肉厚をパターン構造を形成していない薄膜 の有効肉厚の1%と40%の間の範囲の数値に減少させることを特徴とする請求 の範囲15または16項のいずれかの方法。 18.前記有効肉厚減少部分内の有効肉厚を20%以下の数値に減少させること を特徴とする請求の範囲17項の方法。 19.請求の範囲1項から18項の方法に従って製造してなる投影露光用マスク 。 20.有効肉厚減少部分がマスクのパターン構造を形成した部分を円形に囲む溝 からなることを特徴とする請求の範囲19項の投影露光用マスク。 21.有効肉厚減少部分がマスクのパターン構造を形成した部分を円形に囲う穿 孔からなることを特徴とする請求の範囲19項の投影露光用マスク。 22.少なくとも二つの穿孔をほぼ水平にまたは同心上に設け、スリット状の該 穿孔を接線方向に互いにずらして配設することにより、それら穿孔の間の部分に 曲げ負荷が掛かるようにしてなることを特徴とする請求の範囲21項の投影露光 用マスク。 23.前記有効肉厚減少部分がマスクのパターン構造部分を円形に囲むように列 をなして配設される複数の孔からなり、その孔の間において、マスクパターン構 造形成部分と薄膜の端縁とをウェブにより交互に連結してなることを特徴とする 請求の範囲19項の投影露光用マスク。 24.複数の前記ウェブを放射状に形成してなることを特徴とする請求の範囲2 3項の投影露光用マスク。 25.複数の前記ウェブを放射状かつ接線方向に延びる部分からなることを特徴 とする請求の範囲23項の投影露光用マスク。 26.前記有効肉厚減少部分を円形形状に形成し、かつ、その有効肉厚減少部分 が前記マスクパターン構造の外周縁と同心円上に配設してなることを特徴とする 請求の範囲23項の投影露光用マスク。
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