JP2888228B2 - 荷電粒子線用部分一括マスクの構造 - Google Patents

荷電粒子線用部分一括マスクの構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数の所望パターン
を一括して転写する荷電粒子ビーム露光に用いる荷電粒
子線用部分一括マスクの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の製造には、高いスル
ープットが要求されており、これは、微細パターンを半
導体ウェハ上に形成するリソグラフィーにおいても、例
外ではない。このため、紫外光を用いる光リソグラフィ
ーや、X線を用いるX線リソグラフィーばかりでなく、
電子線を用いる電子線リソグラフィーにおいても、予め
所望パターンが形成された光やX線用マスク、レチクル
と同等である荷電粒子ビームマスクを使用する転写法が
提案されている。
【0003】この転写法で使用する荷電粒子線用部分一
括マスクには、通常、可変成型用の開口とデバイス設計
データから抽出されたコンタクトパターンやラインアン
ドスペース(Line&Space)パターン等の繰り
返しパターンの開口が複数個形成されている。図4は、
従来のマスクの製造工程を順に模式的に示した断面図で
ある。
【0004】ここで、従来の荷電粒子線用部分一括マス
クの製作に当たって、マスク上の上記パターンの開口
は、20μmもの厚さのSi基板をトレンチエッチング
した後(図4(B)参照)、KOHなどを用いて裏面か
らバックエッチングすることにより、形成されている
(図4(C)参照)。
【0005】また、これらの荷電粒子線用部分一括マス
クは、通常、Siウェハ上に複数個形成した後に、ダイ
シングされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の荷電粒子線用部
分一括マスクのデバイスパターン開口は、20μmもの
厚さのSi基板をトレンチエッチングすることにより形
成されている(図4(B)参照)。しかし、このマスク
上に搭載されている種々のパターンそれぞれの開口面積
に応じて、トレンチエッチングの最適なエッチング時間
は異なっている。
【0007】従来、エッチング条件(ガスの組成、流
量、エッチング時間、等)を最適化することにより、加
工精度の向上を図ってきているが、デバイスパターン
(図4(B)の2)によっては、その開口面積率は、7
0%以上も異なる場合がある。また、ウェハ面内でのエ
ッチング条件の差も無視することはできない。
【0008】このため、パターン開口のでき上がり寸法
にばらつきが生じていた。
【0009】これらのマスクを用いて描画した場合、パ
ターン開口が設計値より小さいときには、コンタクトの
抜け不良、部分一括間での接続不良が生じ、最悪の場合
は、断線等の致命的な欠陥となっていた。
【0010】そして、また断線等の致命的な欠陥が生じ
た場合にも、マスクの修正加工は困難であった。
【0011】したがって、本発明は、上記問題点に鑑み
てなされたものであって、その目的は、複数の所望パタ
ーンを一括して転写する電荷粒子ビーム露光において、
マスクの開口の加工精度不足による描画精度の劣化を防
ぎ、精度良く描画を行うことを可能とする荷電粒子線用
部分一括マスクの構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、前記電子銃から放出された電子ビームも
しくはイオン源から放出されたイオンビームを、所望の
形状に成形するための、荷電粒子ビーム描画装置用一括
マスクにおいて、所望のパターン開口と共に、補助パタ
ーン開口を有する、ことを特徴とする。
【0013】また、本発明においては、前記補助パター
ン開口が、前記所望パターン開口の端部、もしくはコー
ナー部に備えられており、補助パターン開口は、前記所
望パターン開口のコーナー部もしくは端部との距離が、
集束イオンビーム(FIB)、レーザー等を用いて、加
工削除することが可能な位置に配置されている。
【0014】本発明においては、前記補助パターン開口
部が、電子ビームあるいはイオンビームの照射により解
像しない大きさである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下
に説明する。本発明は、その好ましい実施の形態におい
て、マスクの加工精度不足により開口寸法が設計値と異
なることを考慮して、マスク上に、予め、マスク再加工
用の補助パターン(図1、図3の5参照)を作り込むよ
うにしたものである。
【0016】本発明の実施の形態において、補助パター
ンとして用いるパターンは、各装置の限界解像度にも左
右されるが、電子ビーム(EB)直描の際にも、パター
ンとして解像しない、好ましくは0.2μm以下の小さ
なパターンからなる。
【0017】そして、本発明の実施の形態においては、
マスクのでき上がり寸法が設計値より小さく、断線等の
致命的な接続不良が生じる場合には、例えばFIB(Fo
cused Ion Beam;集束イオンビーム)もしくはレーザ
等を用いて補助パターンとメインパターンをつなげるこ
とにより、開口サイズの修正を行う。なおFIBリペア
(集束イオンビーム修正)装置は、電子に較べ質量の重
いイオンを加速、集束してマスクを修正するものであ
る。
【0018】このように、補助パターンを用いることに
より、比較的容易にマスク開口の再加工が可能であり、
部分一括ショット接続部での断線及びコンタクト抜け不
良等の欠陥を低減できる。
【0019】
【実施例】上記した本発明の実施の形態について更に詳
細に説明すべく、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0020】図1は、本発明の荷電粒子線用部分一括マ
スクの構造の一実施例を示した図であり、図1(A)は
平面図、図1(B)は図1(A)のX−Y線の断面を示
す図である。なお、図2はゲートパターンを例に示した
ものである。
【0021】図1を参照すると、本実施例において、デ
バイスパターン(メインパターン)4である開口Aの端
部近傍に、マスク再加工用の補助パターン5(開口B)
が配置されている。
【0022】これらの補助パターン4は、0.1μm程
度の大きさのパターンであり、通常の電子ビーム(E
B)直描では、解像することはない。
【0023】メインパターン4である開口Aのでき上が
り寸法が、設計値よりも小さく、断線等の致命的な欠陥
が生じる場合には、図2(B)に示すように、メインパ
ターン開口Aと補助パターン開口Bをつなげることによ
り、断線等の欠陥の発生を回避する。
【0024】図2は、本発明の荷電粒子線用部分一括マ
スクの構造の一実施例を示した図であり、図2(A)は
平面図、図2(B)は図2(A)のX−Y線の断面を示
す図である。図2(B)に示すように補助パターンB
は、再加工されて除去されメインパターン開口Aとつな
げられている。
【0025】次に本発明の第2の実施例について図面を
参照して説明する。図3は、本発明の荷電粒子線用部分
一括マスクの構造を第2の実施例を示した図であり、図
3(A)は平面図、図3(B)は図3(A)のX−Y線
の断面を示す図である。
【0026】図3を参照すると、本実施例において、デ
バイスパターン(メインパターン)である開口Aのコー
ナー部近傍に、マスク再加工用の補助パターンBが配置
されている。
【0027】これらの補助パターンは、0.1μm程度
の大きさのパターンであり、通常のEB直描では解像す
ることはない。
【0028】メインパターン開口Aのでき上がり寸法が
設計値より小さく、スカムが発生する場合には、図3を
参照して説明したように、メインパターン開口Aと補助
パターン開口Bをつなげることにより、コンタクト抜け
不良の発生を回避する。なお、図4はコンタクトパター
ンを例に示したものである。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
マスク開口の再加工を容易に行うことを可能とし、断
線、コンタクト抜け不良等の致命的な欠陥を低減するこ
とができるという効果を奏する。
【0030】その理由は、本発明においては、荷電粒子
線用部分一括マスクに、デバイスパターン開口と共に、
補助パターン開口を有し、断線等の致命的な欠陥が生じ
る場合には、補助パターン開口を再加工してメインパタ
ーン開口と補助パターン開口をつなげることにより開口
サイズを修正し、断線等の欠陥の発生を回避可能とした
ことによる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す図であり、
(A)は平面図、(B)は(A)のX−Y線の断面図で
ある。
【図2】本発明の一実施例の構成を示す図であり、
(A)は平面図、(B)は(A)のX−Y線の断面図で
ある。
【図3】本発明の第2の実施例の構成を示す図であり、
(A)は平面図、(B)は(A)のX−Y線の断面図で
ある。
【図4】従来技術を説明する図である。
【符号の説明】
1 荷電粒子ビーム用マスク基板 2 デバイスパターン 3 裏面開口 4 メインパターン(開口A) 5 補助パターン(開口B) 6 再加工(除去)部分

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子銃から放出された電子ビーム、もしく
    は、イオン源から放出されたイオンビームを、所望の形
    状に成形するための、荷電粒子ビーム描画装置用一括マ
    スクにおいて、 所望のパターン開口と共に、補助パターン開口を有す
    る、ことを特徴とする荷電粒子線用部分一括マスクの構
    造。
  2. 【請求項2】前記補助パターン開口が、前記所望パター
    ン開口の端部、もしくはコーナー部に備えられたことを
    特徴とする請求項1記載の荷電粒子線用部分一括マスク
    の構造。
  3. 【請求項3】前記補助パターン開口が、前記所望パター
    ン開口のコーナー部もしくは端部との距離が、集束イオ
    ンビーム(FIB)もしくはレーザー等を用いて、加工
    削除することが可能な位置に配置されている、ことを特
    徴とする請求項1又は2記載の荷電粒子線用部分一括マ
    スクの構造。
  4. 【請求項4】前記補助パターン開口の大きさを、電子ビ
    ームあるいはイオンビームの照射により解像しない大き
    さとした、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一
    に記載の荷電粒子線用部分一括マスクの構造。
  5. 【請求項5】請求項1記載の荷電粒子線用部分一括マス
    クを用いて、パターンの描画を行うことを特徴とする荷
    電粒子線露光方法。
  6. 【請求項6】複数の所望パターンを一括して転写する荷
    電粒子ビーム露光に使用するマスクに、所望のメインパ
    ターン開口に加えて、再加工用の補助パターン開口を配
    置しておき、 前記メインパターン開口が設計値に満たない場合には、
    前記補助パターン開口を再加工して前記メインパターン
    開口につなげ開口サイズの修正を行い、 前記メインパターン開口が設計値に満たないことによる
    断線等の接続不良の発生を回避可能としたことを特徴と
    する荷電粒子線用部分一括マスクの構造。
  7. 【請求項7】複数の所望パターンを一括して転写する電
    子線ビーム露光に使用する電子ビーム描画装置用部分一
    括マスクにおいて、 所望のメインパターン開口に対して、電子ビームの照射
    により解像しないサイズの補助パターン開口が、前記メ
    インパターン開口の端部もしくはコーナー部において、
    前記補助パターン開口を再加工して削除し前記メインパ
    ターン開口に繋がるような位置に、配置されている、 ことを特徴とする電子ビーム描画用部分一括マスクの構
    造。
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