JPH11509770A - 多重らせん管形フィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 管形フィルタは、孔が開けられた少なくとも１つのフィルタ・エレメント（１５）からなり、フィルタ・エレメント（１５）の外側はらせん状に旋回している溝（２）を有し、溝（２）の間の表面は、好ましくは円弧状に外向きに湾曲している。

Description

【発明の詳細な説明】 多重らせん管形フィルタ 本発明は、孔が開けられた少なくとも１つのフィルタ・エレメントからなり、 フィルタ・エレメントの外側がらせん状に旋回する溝を備えている管形フィルタ に関する。 ドイツ特許 ＤＥ−ＯＳ１５３６９２８は、フィルタ・カートリッジならびに このフィルタ・カートリッジに適用するためのフィルタ・エレメントを記載して いる。 フィルタ・カートリッジは合成樹脂でできた支持スリーブからなり、この支持 スリーブは、フェルト材料でできた管形のフィルタ・スリーブ中に差し込まれ、 これによってぴったりと取り囲まれている。ろ過液を排出するために、支持スリ ーブは孔が開けられている。他の構造形式では、支持スリーブは一種の網状の外 観を呈する。その外表面上に、らせん状に曲げられた２群の線材が、これらの昇 り勾配で互いに反対方向になるように配置されている。交点では、これらの線材 はそれぞれ互いに結合し、これによって網状の構造を呈することになる。支持ス リーブは、非自立ニードル・フェルトでできたフィルタ・スリーブの中に挿入さ れ、この場合、ニードル・フェルトは、フィルタ・スリーブの形状が変形しない ために十分な強度を有するほど高い特有の剛性を持っている。 このようなフィルタ・カートリッジにおける欠点は、フィルタ・スリーブの上 に形成されるフィルタ・ケーキが保持されないことである。これによって、フィ ルタ・ケーキが乾燥収縮状態で自然に崩れ落ちるという危険性がある。さらに、 フィルタ・ケーキの洗浄は 限定される可能性があり、このため洗浄液が主にフィルタの覆われていない領域 に流出し、フィルタの下部領域にあるフィルタ・ケーキは流されない。 したがって、本発明の課題は、ドイツ特許ＤＥ−ＯＳ１５３６９２８のように 、フィルタ・ケーキが乾燥収縮状態においても十分安定化されるので、後続の溶 剤による洗浄を問題なく実施することができる、管形フィルタのためのフィルタ ・エレメントを利用可能にすることである。 この課題は、表面の形状が、溝に対して垂直と仮定する断面において、溝の間 で円弧状に外向きに湾曲させることによって解決される。 フィルタ・ケーキがフィルタ・エレメントに付着する表面が、それによって有 利に増大し、その上、追加的にフィルタ・ケーキを重力の方向に対して支える。 さらに乾燥の後に、すなわちフィルタ・ケーキにき裂が生じた後に、フィルタ・ ケーキは十分に支えられ、自然に崩壊することはない。したがって、乾燥に続く 洗浄を問題なく行うことができる。 フィルタ・エレメントの製造は、フィルタ・エレメントの外面を少なくとも１ つのらせん状に形成された管の部分表面によって構成したため、コストが低くな る。管を低いコストで製造するために、フィルタ・エレメントの製造に利用する ことのできる方法が使用可能である。 中央軸が真っ直ぐな中央管として形成されるので、フィルタ・エレメントの構 造はさらに追加的に安定化される。中央管の端部には各々キャップが挿入され、 キャップはフィルタ・エレメントを上と 下で密閉する。中央管は、操作中には差圧によって生ずる力に耐えうる。 それから、らせん状に旋回する溝が５°〜６０°の昇り勾配を有する場合には 、フィルタ・ケーキの良好な保持が達成され、らせん状に回る溝が３０°の昇り 勾配を有する場合には、この保持は最良になる。 管の外側が重なり合って結合される場合には、フィルタ・エレメントの製造を さらに簡単にすることができる。この方法では、管束をまとまった部材として１ つの作業ステップで、例えば押出し加工によって製造することができる。 フィルタ・エレメントは、ポリマー合成物質、好ましくはポリフッ化ビニリデ ンまたはポリプロピレンからなるので、腐食性化学薬品に対して特に高い耐性を 有する。 複数の管が１つの管束にまとめられて、この管束が好ましくは同じ直径の管か ら構成される場合には、フィルタ・エレメントの製造をさらに簡単にすることが できる。 管束を６本の管で構成することによって、フィルタ・エレメントは特に安定し たものになる。管束は６本の管により、個別の管の最も密度の高い詰め物として まとめられる。 管束は、６本の管と１本の中央管によって構成される場合に特に安定したもの になる。 フィルタ・エレメントがその外側にリブを有することによって、ろ過液の排出 はさらに改善される。リブによって、排出されるろ過液が通過できる導管がさら に形成される。 フィルタ・ケーキの振り落しは、フィルタ・エレメントの外側を 靴下状の好ましくは弾性のフィルタ・クロスで覆うことによって容易になる。フ ィルタ・エレメントの逆洗浄の場合に、フィルタ・クロスはふくれ上がる。この 動作の場合にフィルタ・ケーキが落とされる。フィルタ・クロスは弾性であるか ら、しわになることがなくフィルタ・エレメントに順応する。 本発明を、好ましい一実施形態において図面を参照して説明する。ただし、そ の他の有利な詳細は図面の各図から推察される。また、機能的に同じ部分には同 じ参照記号を付ける。 次に図を個別に説明する。 図１は、１個の部材として形成された管形フィルタのためのフィルタ・エレメ ントの図２におけるＩ−Ｉ線に沿った断面図である。 図２は、管形フィルタのためのフィルタ・エレメントの側面図である。フィル タ・クロスは、フィルタ・エレメントの正面が良く見えるように除かれている。 図３は、６本の管と１本の中央管とからなる構成群として形成された管形フィ ルタのためのフィルタ・エレメントの図４における、III−IIIに沿った断面図で ある。 図４は、管形フィルタのためのフィルタ・エレメントの側面図である。フィル タ・クロスは、フィルタ・エレメントの正面が良く見えるように除かれている。 図１には、押出成型可能な材料１１から形成され、内部に円形断面を有する７ 本の導管３、５を持つ管が１２で示されている。この実施例であ、中央導管５の 周りに最も密な円の詰込み構造で６本の結合の導管３が配置されている。管１２ は、その外側にらせん状に 延びる溝２を有し、溝側に孔が開けられた外表面１４が円弧状に外向きに湾曲し ている。この丸く外向きに湾曲した外表面１４は、溝２に平行に外表面に沿って 延びるリブ４を有する。管の外側には、靴下状のフィルタ・クロス１が被せられ ている。１はろ過中の状態を示し、この場合に流体は管１２の外側から導管３の 中に流れ込む。逆洗浄中のフィルタ・クロスの状態は１’で示されている。導管 ３から外に向かって流れ出る流体はフィルタ・クロス１’を持ち上げ、そしてフ ィルタ・ケーキは除かれる。 図２には、フィルタ・エレメントをそれぞれ下方および上方で密閉するキャッ プが８と９で示されている。キャップ９は開口１５を有し、ろ過液はこれを通っ て中央管５から外側へ流出する。中央管の下端では中央導管５が広がって窪み状 の空所１３となり、この中に導管３も連通する。らせん状に曲げられた導管３は 、ろ過液を排出するために開口６、７を有し、これらの開口は適用に応じて円形 状６またはスリット状７に形成することができる。管の外側はフィルタ・クロス １で覆われ、この図では、位置１はろ過中のフィルタ・クロスの状態を示し、位 置１’は逆洗浄中の状態を示す。フィルタ・クロスは、つば１０によってキャッ プ９に固定されている。ろ過中は、ろ過液はフィルタ・エレメントの外面にフィ ルタ・ケーキを形成して開口６、７を通過して導管３に流出し、ここから空所１ ３を通じて中央導管５に集められ、開口１５を通じてフィルタ・エレメントから 流出する。逆洗浄のために流れ方向が逆転され、フィルタ・エレメントから流れ る流体によってフィルタ・クロスが膨張し、フィルタ・エレメントの外面１４か ら分離される。この動作によって、フィルタ・ケーキはフィルタ・エレメントの 外面から除 かれる。 図３は、７本の個別管からなる管束として形成されたフィルタ・エレメントを 示す。この場合、６本の結合されたらせん状管２３は最も密に詰め込まれて中央 管２５の周りに配置されている。管の外壁は、各々互いに接触し、これによって フィルタ・エレメントの表面上に溝２が形成され、これらの溝はフィルタ・エレ メントの外面２４に沿ってらせん状に延びている。接触点において、管２３は溶 接、融着、または接着剤２２によって互いに接合される。管束の外面は靴下状の フィルタ・クロス１で覆われている。位置１によってろ過中のフィルタ・クロス の状況が示され、この場合、フィルタ・ケーキは溝２の中に集められる。位置１ ’によって逆洗浄過程中のフィルタ・クロスの状態が示され、これによってフィ ルタ・ケーキはほとんど管束の外面２４から除かれれる。 図４は、真っ直ぐな中央管２５の状況を示す。これは、管２３によって形成さ れた束から突き出て、キャップ９を貫通している。これは反対側の端では、キャ ップ８によって閉じられた窪み状の空所２６にまで達している。管２３は中央管 ２５の周りにらせん状に配置され、窪み状の空所２６に連通している。管２３の 間には、溝２２が表面２４に沿ってらせん状に延びている。管２３は開口６、７ を有し、これらの開口は円形６またはスリット形７のいずれにも形成することが できる。フィルタ・エレメントはフィルタ・クロス１で覆われ、フィルタ・クロ スはつば１０によってキャップ９に固定されている。位置１はろ過過程中のフィ ルタ・クロスの状況を示す。フィルタ・クロスはフィルタ・エレメントの表面２ ４にぴったりくっついている。位置１’は、逆洗浄過程中のフィルタ・クロスの 状 況を示す。ろ過中は、ろ過液はフィルタ・エレメントの外面にフィルタ・ケーキ を形成して開口６、７を通過して導管２３に流出し、ここから空所２６を通じて 中央導管２５に集められ、開口１５を通じてフィルタ・エレメントから流出する 。逆洗浄のために流れの方向が逆転され、フィルタ・エレメントから流れ出る流 体によってフィルタ・クロスが膨張し、フィルタ・エレメントの外面２４から分 離される。この動作によって、フィルタ・ケーキはフィルタ・エレメントの外面 から落とされる。 符号の説明 １ フィルタ・クロス ２ 溝 ３ 結合導管 ４ リブ ５ 中央導管 ６ 円形開口 ７ スリット形開口 ８ キャップ ９ キャップ １０ つば １１ 材料 １２ 管 １３ 窪み状空所 １４ 外面 １５ 開口 ２２ 溶接、融着、または接着による接合 ２３ 結合管 ２４ 外面 ２５ 中央管 ２６ 窪み状空所

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９７年７月７日 【補正内容】 新しい請求項１ １．孔が開けられた外壁を有する少なくとも１つのフィルタ・エレメントからな り、外壁の外側にらせん形状に旋回している溝が備えられた管形フィルタであっ て、溝（２）が円弧状に外向きに湾曲して互いに隣接した断面の外壁で形成され ている、管形フィルタ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．孔が開けられた少なくとも１つのフィルタ・エレメント（１５）からなり、 フィルタ・エレメント（１５）の外側がらせん状に旋回している溝（２）を有す る管形フィルタであって、表面の形状が溝に対して垂直と仮定する断面において 、溝（２）の間で円弧状に外向きに湾曲していることを特徴とする、管形フィル タ。 ２．フィルタ・エレメント（１５）の外面が少なくとも１つのらせん状に形成さ れた管（２３）の部分表面からなることを特徴とする、請求項１に記載の管形フ ィルタ。 ３．中央軸が真っ直ぐな中央管（２５）として形成されていることを特徴とする 、請求項１または２に記載の管形フィルタ。 ４．旋回している溝（２）が５°〜６０°の昇り勾配、好ましくは３０°の昇り 勾配を有することを特徴とする、請求項１、２、または３のいずれかに記載の管 形フィルタ。 ５．管（２３、２５）の外側が互いに結合されていることを特徴とする、請求項 １、２、３、または４のいずれかに記載の管形フィルタ。 ６．フィルタ・エレメント（１５）がポリマー合成物質、好ましくはポリフッ化 ビニリデンまたはポリプロピレンからなることを特徴とする、請求項１、２、３ 、４、または５のいずれかに記載の管形フィルタ。 ７．複数の管（２３、２５）が１つの管束にまとめられ、この管束は好ましくは 同じ直径の管によって構成されていることを特徴とする、請求項１、２、３、４ 、５、または６のいずれかに記載の管形フィルタ。 ８．管束が６本の管（２３）によって構成されていることを特徴とする、請求項 １、２、３、４、５、６、または７のいずれかに記載の管形フィルタ。 ９．管束が６本の管（２３）と１本の中央管（２５）によって構成されているこ とを特徴とする、請求項１、２、３、４、５、６、７、または８のいずれかに記 載の管形フィルタ。 １０．フィルタ・エレメント（１５）がその外側にリブ（４）を有することを特 徴とする、前記請求項の１つまたは複数項のいずれかに記載の管形フィルタ。 １１．フィルタ・エレメント（１５）の外側が、靴下状の好ましくは弾性のフィ ルタ・クロス（１）で覆われていることを特徴とする、前記請求項の１つまたは 複数項のいずれかに記載の管形フィルタ。