【発明の詳細な説明】
PTC 素子を含む表面実装可能な電気装置発明の説明 関連発明への参照
本願は、1996年1月22日付けで出願された米国仮出願No.60/010,320および60
/010,420と、1996年5月3日付けで出願された米国出願No.08/642,597および08
/642,655との各優先権を主張するものである。技術分野
本発明は表面実装可能な電気回路保護装置及び該装置の製法に係わる。発明の背景
多くの導電性材料の抵抗率が温度と共に変化することは公知である。正温度係
数(“PTC ”)材料の抵抗率は、その材料の温度が上昇するに従って増大する。
導電性充填材を分散させることによって導電性を付与された結晶重合体の多くは
、このPTC 効果を有する。このような重合体としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン/プロピレン共重合体などのようなポリオレフィンがある。チ
タン酸バリウムのようなドーピング処理されたセラミックもPTC 特性を有する。
所定値以下の温度、即ち、臨界またはスイッチング温度以下の温度において、
PTC 材料は比較的低い、一定した抵抗率を示す。しかし、PTC 材料の温度がこの
点以上に上昇すると、温度上昇が僅かで
も抵抗率は急激に増大する。
PTC 特性を有する重合体やセラミック材を使用する電気装置は、回路を過電流
から保護するのに利用されている。回路が正常な動作条件下にある時、負荷及び
PTC 装置の抵抗は、比較的小さい電流がPTC 装置を流れるような状態にある。従
って、I2R 加熱に起因する装置温度は、PTC 装置の臨界またはスイッチング温度
以下に保たれる。この場合、装置は平衡状態(即ち、I2R 加熱による発熱率が、
装置が周囲にむかって熱を発散できる熱損失率に等しい状態)にあると言われる
。
負荷が短絡したり、回路に電力サージが加わると、PTC 装置を流れる電流が増
大し、(I2R 加熱に起因する)PTC 装置の温度が急速に臨界温度まで上昇する。
この臨界点に達すると、多量の電力がPTC 装置内に放散され、PTC 装置は不安定
になる(即ち、装置からの発熱率が、装置から周囲への熱損失率よりも大きくな
る)。この電力放散が起こる時間は極めて短い(即ち、秒の分数)。しかし増大
する電力放散がPTC 装置の温度を、PTC 装置の抵抗が高くなる程の温度にまで上
昇させるであろうから、回路を流れる電流は比較的低い値に制限される。この新
しい電流値は、PTC 装置を新たな高温/高抵抗平衡点に維持するのに充分である
が、回路部品の損傷を招くことはない。従って、PTC 装置はヒューズとして作用
し、PTC 装置がその臨界温度域まで加熱されると、短絡負荷を流れる電流を安全
な、比較的低い値にまで低下させるヒューズとして作用する。回路中の電流が遮
断されるか、または短絡(または電力サージ)の原因が除かれると、PTC 装置は
その臨界温度以下に冷却し、正常動作時の低抵抗状態に戻る。この効果はリセッ
ト可能な、回路保護効果である。
この種の特に有用な装置は、1対の薄板状電極間にPTC 素子を挿
入した構造を呈するのが普通である。この種の装置を他の電気装置に接続するた
め、電極に端子をはんだ付けする方式が広く採用されている。しかし、はんだ付
けは重合体PTC 素子の抵抗に悪影響を及ぼすおそれがある。さらに、電気的接続
が、PTC 素子の互いに対向する側で行われることが多いため、この種の装置は、
PCボード上で必要以上のスペースを取ることが多い。発明の概要
本発明者は、PTC 装置の同一の側から両電極への電気的接続を可能にすること
が極めて有意であることに着目した。本発明のPTC 装置に固有の包み込み(wrap
−around)構成は、反対側の電極への電気的接続を可能にする。さらにまた、本
発明の電気装置はPTC 素子の開口を通して導電層を挿入するのではなく、PTC 素
子を導電層で包み込むことによって電気的接続を行うから、PTC 素子全体を利用
することができる。また、本発明装置の製法では、同時に多数の帯状片を加工し
、加工された帯状片を最後に複数の電気装置に分割する。この製法を採用するこ
とで、本発明の電気装置のサイズを、従って、抵抗を小さくすることができる。
本発明は第1に、
頂面、底面、第1側及び第2側を有し、頂面及び底面がそれぞれ中央部によっ
て分離された2つの端部を有する抵抗素子と;
抵抗素子の頂面と電気的に接触する第1電極、及び抵抗素子の底面と電気的に
接触する第2電極と;
第1及び第2電極と接触し、第1及び第2電極から一部除去されて第1及び第
2接触部を形成する絶縁層と;
絶縁層上に形成され、それら接触部において第1及び第2電極と電気的に接触
し、一部を除去されて非導電ギャップによって分離さ
れた第1及び第2終端部を形成する導電層
から成る電気装置を提供する。
本発明は第2に、
重合体要素及び導電性充填材要素から成り、頂面、底面、第1側及び第2側を
有し、頂面及び底面がそれぞれ中央部によって分離されている2つの端部を有す
る薄板状PTC 素子と;
PTC 素子の頂面と接触する第1電極及びPTC 素子の底面と接触する第2電極と
;
第1及び第2電極上とPTC 素子の第1及び第2側上とに形成され、PTC 素子頂
面の一方の端部近傍で一部を除去されて第1接触部を画成し、第1接触部と対向
するPTC 素子底面の端部近傍で一部を除去されて第2接触部を画成する絶縁層と
;
絶縁層上に形成され、第1及び第2接触部において第1及び第2電極と接触し
、PTC 素子頂面の中央部近傍で絶縁層から一部除去されて第1非導電ギャップを
形成し、PTC 素子底面の中央部近傍で絶縁層から一部除去されて第2非導電ギャ
ップを形成する第1導電層と;
第1導電層上に形成された第2導電層から成る電気装置を提供する。
本発明は第3に、本発明の電気装置の製法において、
頂面、底面、頂面に形成された第1電極及び底面に形成された第2電極を有す
る中実の積層PTC シートを用意し;
積層PTC シート中に規則的なパターンで複数の帯状部分を形成し;
積層PTC シートの帯状部分を絶縁層で被覆し;
積層PTC シートの各帯状部分の頂面及び底面に規則的なパターンで複数の接触
部を形成し;
積層PTC シートの帯状部分を、各接触部において電極と接触する第1導電層で
被覆し;
積層PTC シートの各帯状部分の頂面及び底面において、第1導電層中に規則的
なパターンで複数の非導電ギャップを形成し;
積層PTC シートの各帯状部分を複数の電気装置に分割する
工程から成る製法を提供する。
本発明は第4に、本発明の電気装置の製法において、
頂面、底面、第1側及び第2側を有し、頂面及び底面がそれぞれ中央部によっ
て分離されている2つの端部を有する薄板状PTC 素子を用意し;
PTC 素子の頂面に第1電極を形成し;
PTC 素子の底面に第2電極を形成し;
第1及び第2電極とPTC 素子の第1及び第2側と絶縁層で被覆し;
絶縁層の第1部分を除去することによって第1接触部を形成し;
絶縁層の第2部分を除去することによって第2接触部を形成し;
絶縁層、第1接触部及び第2接触部を、第1導電層で被覆し;
第1導電層の一部を除去することにより、非導電ギャップで分離されている第
1及び第2終端部を形成し;
第1導電層を第2導電層で被覆する工程から成る製法を提供する。図面の簡単な説明
本発明の詳細を添付の図面に沿って以下に説明する。図中、各素子のサイズ及
び厚さは本発明の電気装置を判り易く示すため実際よりも大きくしてある。
図1は本発明の電気装置の頂面図である。
図2は図1に示した電気装置の第1実施例のa−a線における断面図である。
図3は図1に示した電気装置の第2実施例のa−a線における断面図である。
図4は規則的なパターンで形成された複数条の帯状部分(strip)を有する薄板
状PTC シートの斜視図である。
図4Aは各帯状部分に複数の破断部が形成されている、図4に示した薄板状PT
C シートの斜視図である。
図5は図4に示すような複数条の帯状部分を有する薄板状PTC シートの部分拡
大斜視図である。
図6A−6Hは本発明の電気装置を製造する好ましい方法を、図4Aに示した
PTC シートの1条の帯状部分の断面によって工程を追って示す図である。
図7A−7Dは本発明の電気装置を製造する第2の好ましい方法の各工程を、
図6Eに示す装置から順を追って示す図である。
図8はPCボードにはんだ付けされた、図1に示した装置の好ましい実施例の断
面図である。発明の詳細な説明
本発明の実施態様は多様であるが、ここでは本発明の好ましい実施例を図示し
、詳細に説明する。ただし、以下の説明はあくまでも本発明の原理を例示するに
過ぎない。例えば、頂面及び底面に電極が形成されている重合体を素材とするPT
C 素子との関連において本発明を説明するが、本発明はセラミック製PTC 素子ま
たはPTC 特性を示さない抵抗素子を有する電気装置をも念頭に置いている。
一般的には、本発明の抵抗素子は重合体成分と導電性充填材成分から成るPTC
組成物で形成される。重合体成分は単一の重合体でも
よいし、2種類以上の重合体の混合物であってもよい。重合体成分としては、少
なくとも40%の結晶性を有するポリオレフィンが考えられる。好適な重合体とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリエチレンアクリレ
ート、エチレンアクリル酸共重合体、及びエチレンプロピレン共重合体が挙げら
れる。好ましい実施例においては、重合体成分がポリエチレンと、(Du Pont 社
によって製造され、商品名Fusabond(商標)で市販されているような)無水マレ
イン酸とから成る。この重合体成分中に、導電性充填材成分を、得られる組成物
にPTC 特性を発揮させるに充分な量だけ均一に分散させる。その代りに、導電性
充填材を重合体にグラフト(graft)してもよい。多くの場合、PTC 組成物中に含
まれる導電性充填材成分は約25〜75重量%である。本発明に使用できる適当な導
電性充填材としては、以下に挙げる金属の粉末、フレークまたは球体を挙げるこ
とができる:即ち、ニッケル、銀、金、銅、銀メッキ銅または合金。導電性充填
材にはカーボンブラック、カーボン・フレーク、カーボン球体またはグラファイ
トをも含むことができる。好ましい実施例においては、(Columbian Chemicals
によって製造され、商品名 Raven(商標)で市販されている)カーボンブラック
を本発明における導電性充填材成分として使用する。
特に有用なPTC 組成物は約25℃において、10オームcm以下、特に5オームcm以
下、さらに特に3オームcm以下の抵抗率を有する。本発明に使用するのに好適な
PTC 組成物は、米国特許出願第08/614,038号、及び米国特許第 4,237,441号、第
4,304,987号、第 4,849,133号、第 4,880,577号、第 4,910,389号及び第 5,190
,697号に開示されている。
PTC 素子は、頂面と電気的に接触する第1電極と、底面と電気的に接触する第
2電極を有する。各電極はPTC 素子の頂面及び底面と
直接物理的に接触させてもよいが、本発明の電気装置は各電極とPTC 素子の間に
導電性接着剤組成物を介在させてもよい。
好ましい実施例においては、2枚の金属ホイル電極の間にPTC 素子を挾むこと
によって積層体を形成する。あるいは、公知の化学メッキまたは電解メッキ工程
を利用してPTC 素子の頂面及び底面上に電極を形成してもよい。第1及び第2電
極はニッケル、銅、銀、錫、金及びこれらの合金から成るグループから選択され
た金属から成ることが好ましい。
図1〜3に示すように、本発明の電気装置10は、頂面30、底面40、第1側面50
及び第2側面60を有する抵抗素子20をそなえる。頂面30も底面40もともに中央部
分90,90’によって分離された2つの端部70,80及び70’,80’を有する。抵抗
素子20の頂面30には第1電極100 が形成されており、抵抗素子20の底面40には第
2電極110 が形成されている。すでに述べたように、抵抗素子20は重合体を素材
とするPTC 組成物から成ることが好ましい。
電極100,110と、抵抗素子20の第1側面50及び第2側面60とに絶縁層120 を形
成する。絶縁層120 はフォトレジスト材、誘電体材料、セラミック材、はんだマ
スク、または任意の非導電材で形成すればよい。絶縁層120 の一部を第1電極10
0 から除去することによって第1接触点130 を画成し、絶縁層120 の一部を第2
電極110 から除去することによって第2接触点140 を画成する。図2〜3に示す
好ましい実施例の場合、第1接触点130 は抵抗素子20の頂面30の端部70に近い位
置にあり、第2接触点140 は抵抗素子20の底面40の端部80’に近い位置にある(
即ち、第1及び第2接触点130,140は電気装置10の反対側及び反対の端部に位置
する)。この構成を採用するのが好ましいが、電気装置の同じ側から両電極との
電気的接続を確立できるなら、第1及び第2電極に沿ったいかなる位置に接触点
を配置した電気装置も本発明の範囲に含まれる。
絶縁層120 上に第1導電層150 を形成し、第1及び第2接触点130,140におい
て第1及び第2電極100,110と電気的に接触させる。導電層150 の素材は導電性
の材料であれば特に限定されないが、好ましくは銅、錫、銀、ニッケル、金及び
これらの合金から成るグループから選択した金属で形成する。第1導電層は電気
装置の各側面を包み込むようにする(wrap−around)ことが重要である。この包
み込みの構成により、電気装置の同じ側から両電極との電気的接続を確立するこ
とができる。
第1導電層150 を絶縁層120 から部分的に除去することによって終端部155,1
56を形成する。各終端部は接触点を含む。終端部155,156は非導電ギャップ160
,170によって分離されている。図2〜3に示す電気装置10の場合、非導電ギャ
ップ160,170は抵抗素子20の頂面30及び底面40の中央部90,90’付近に形成され
ている。ただし、非導電ギャップが終端部155,156を分離し、各終端部が接触点
を含む限り、第1導電層150に形成する非導電ギャップ160,170の位置は特に限
定されないことが理解されるべきである。このように構成すれば、電気装置の周
りを循環するように電流が流れることはない。その代りに、電流は一方の終端部
を介して電気装置のいずれかの端部から第1接触点へ流れ、次いで抵抗素子を貫
流し、電気装置の反対側に形成されている第2接触点へ流れる。
非導電ギャップ160,170は公知のエッチングプロセスによって形成することが
できる。図2〜3においては、非導電ギャップ160,170が空隙のままであり、従
って、絶縁層120 が露出している。これに代わる実施態様として、非導電ギャッ
プ160,170に何らかの非導電材を充填してもよい。
図3に示す本発明の好ましい実施例においては、第1導電層150
上に第2導電層180 を形成する。第2導電層は非導電ギャップ160,170を橋絡し
てはならない。あるいは非導電ギャップ160,170に何らかの非導電材を充填する
必要がある。第2導電層180 は、装置10をPCボードの導電端子に容易に接続する
ことを可能にするはんだ組成物で形成するのが好ましい。第1導電層150 を第2
導電層180 で完全に被覆することにより、好ましい実施態様の電気装置10は対称
形態となる。従って、それをPCボードに取付けたり、追加の電気素子に接続する
前に、装置10の方向を特殊の態様に方向付けしなくてもよい。ただし、本発明は
第2導電層180 が第1導電層150 の一部とだけ接触するか、または装置の片面だ
けで第1導電層150 と接触する、即ち、非対称の電気装置10をも包含することが
理解されるべきである。
本発明の電気装置は約25℃において、1オーム以下、好ましくは 0.5オーム以
下、さらに特に 0.2オーム以下の抵抗値を有する。
本発明の電気装置は種々の方法で製造することができる。しかし、図4に示す
ように、好ましい製法としては、複数の帯状部分186,186',188''などを有する
比較的大きい薄板状シート185 を一連の処理工程にかけ、最終処理工程において
前記帯状部分を複数の電気装置に分割する。従って、抵抗値の低い極めて小型の
電気装置を経済的に製造することができる。
好ましい方法としては、適当なサイズの中実の薄板状PTC シートの頂面及び底
面上に各電極を形成する。すでに述べたように、PTC シートを2つの金属ホイル
電極間に積層することが好ましい。あるいは、公知の電解または化学メッキ工程
を利用してPTC シートの頂面及び底面上に各電極を直接メッキしてもよい。図4
に示すように、終端された薄板状PTC シートを経路付けする(routed)か又は打
抜くことによって複数の帯状部分186,186',186''などを形成する
。各帯状部分は規則的なパターンで形成され、好ましくは最終的な電気装置の所
望の長さにほぼ相当する幅Wを有する。例えば、幅、長さ、厚さがそれぞれほぼ
6インチ、8インチ、0.0150インチの薄板状PTC シートを経路付けするかまたは
打抜くことによって、長さ約7インチ、幅約 0.160〜0.180 インチまたはそれ以
下の複数の帯状部分186,186',186''などが生成される。各帯状部分の頂面及び
底面は第1及び第2電極100,110から成る。各帯状部分の側面は経路付けまたは
打抜き手順の結果としてPTC 素子20で形成されることになる。
積層PTC シートを経路付けしたのち、各帯状部分を水平に横断する複数の破断
部187,187',187''…187a,187a',187a'' …187b,187b',187b'' …などを形
成する(図4A)。各破断部に極めて小さい圧力を加えることによって、最終加
工を施された帯状部分を複数の電気装置に分割することができる。このようにし
て、最終加工を施された帯状部分を、パチンと折るか、または帯状部分をエッジ
に押当てるだけで能率良く複数の電気装置に分割することができる。実験室での
試験によれば、もし破断部を形成していなければ、公知の格子状剪断法(dicing
and shearing techniques)で帯状部分を電気装置に分割すると、(詳しくは後
述する)導電層が傷付き易い。傷付いた導電層は電気装置の欠陥につながり、短
絡回路の可能性が増大する。
一般的には、各帯状部分の頂面及び底面上の各電極を部分的に除去することに
よって破断部を形成する。このことは、図4に示す経路付けされ終端されたPTC
シートをドライフィルムフォトレジスト材と積層することによって達成すること
ができる。フォトレジスト材の現像または硬化(cure)されるべき部分にマスク
材を施し、各帯状部分を水平方向に横断する厚さ約5ミルの複数の露出領域(un
masked region)を残す。好ましくは、PTC 組成物が押出された方向と同じ方向に
、経路付けされ終端された薄板状PTC シートに露出領域を形成する。PTC 組成物
中の重合体チェーンは押出しの方向に伸長するから、PTC シートの脆さは異方性
である。即ち、PTC シートは一つの方向(すなわち押出し方向と直交する方向)
において、押出しと平行な方向におけるよりも強度が高い。従って、押出し方向
と平行に破断部を形成することにより、最終加工を施された帯状部分を容易に複
数の電気装置に分割することができる。
露出領域を形成する際には、最終加工を施された電気装置の所望の幅にほぼ相
当する寸法、例えば、0.100〜0.150 インチまたはそれ以下の複数被覆部分(mas
ked portion)を残さねばならない。次いで、帯状部分に紫外線を照射すること
によってフォトレジスト材の露出領域を劣化させる。劣化したフォトレジスト材
を洗い落として電極表面の一部を露出させる。次いで、各電極のこの露出部分を
公知のエッチング工程(例えば、露出した電極面を塩化鉄溶液で処理)によって
除去して複数の破断部を形成する。最後に、PTC シートを水酸化カリウムのよう
な溶媒に浸漬することによって現像された、または硬化したドライフィルムフォ
トレジスト材を化学的に除去する。
図5は薄板状PTC シートの数条の帯状部分を示す部分拡大断面図である。経路
付けされたPTC シート上に破断部を形成したのち、いくつかの工程が行われるが
、繁雑になるのを避けるため、(図6A−図6H及び図7A−図7Dに示される
)一条の帯状部分の断面を参照しながら、これらの工程を説明する。
経路付けされ、終端された薄板状PTC シートの各帯状部分(図6A)に破断部
を形成したのち、薄板状PTC シートの帯状部分を絶縁層120 で被覆する(図6B
)。絶縁層120 は次に列記する公知の技
術のいずれかを利用して形成すればよい:刷毛塗り、積層、浸漬、スクリーン印
刷またはスプレー。絶縁層120 は非導電材ならその種類は特に限定されないが、
フォトレジスト材、セラミック材、誘電体材料、またははんだマスクなどが好ま
しい。
各帯状部分の頂面及び底面上に規則的なパターンで複数の接触点130,140を形
成する(図6C−図6D)。なお、接触点130,140を形成するため、初めから電
極100,110の一部を露出させるように帯状部分に絶縁層120 を適用するように行
う方法も本発明の範囲に含まれることが理解されるべきである。さらに、先ず各
帯状部分の全面に絶縁層120 を適用するように行う方法も本発明の範囲に含まれ
る。この場合、絶縁層120 の一部を除去することによって接触点130,140を形成
する。絶縁層120 としては、例えば、図6B−図6Dに示すようにポジティブ型
フォトレジスト材を使用する。図6Cに参照記号Mで示すマスクを、フォトレジ
スト材の、各帯状部分の表面上で現像されるか、または硬化させるべき部分に施
し、(図6Cにおいて絶縁層のクロスハッチングが施されている部分として示さ
れる)接触点130,140を形成するフォトレジスト材の部分を露出したままに残す
。次いで帯状部分に紫外線を照射することにより、フォトレジスト材の露出部分
を劣化させる。劣化したフォトレジスト材を洗い落として電極表面を露出させ(
図6D)、こうして各帯状部分の頂面及び底面に複数の接触点を形成する。ネガ
ティブ型フォトレジストを利用すればこの工程を逆にすることができる(即ち、
紫外線を照射すると露出部分が現像されるか、または硬化する)。
複数の接触点130,140を形成したのち、帯状部分に第1導電層150 を形成する
(図6E)。導電層150 は(例えば、化学メッキのような)公知のメッキ技術に
よって形成すればよい。あるいは、液状の導電材を帯状部分にスプレーするか、
刷毛塗りするか、または浸
漬することによって導電層を形成してもよい。好ましい実施例においては、第1
導電層150 はニッケル、銅、錫、銀、金またはそれらの合金を含むグループから
選択した金属から成る。第1導電層150 は帯状部分上に形成された各接触点にお
いて電極100,110と電気的に接触しなければならない。
図2〜図3及び図6Eに示すように、第1導電層150 は電気装置10の各終端部
を包み込んでいる。この包み込み(wrap−around)構成は電気装置の同じ側から
両電極に対する電気的接触を可能にする。
次の工程において、各帯状部分の頂面及び底面上に、規則的パターンで第1導
電層150 に複数の非導電ギャップ160,170を形成する(図6F〜図6G)。非導
電ギャップ160,170は最初から絶縁層120 の一部が露出したままになるように第
1導電層150 を適用することによって形成すればよい。ただし、各帯状部分を第
1導電層150 で完全に被覆し、各帯状部分の頂面及び底面上に規則的パターンで
第1導電層150 の一部を除去することによって非導電ギャップ160,170を形成す
るように行う方法も本発明の範囲に含まれる。いずれの工程を採用しても、非導
電ギャップ160,170によって分離された複数の第1及び第2終端部155,156が各
帯状部分に形成される。
例えば、図6E−図6Gに示すように、所定の部分を露出したまま残すように
導電層150 に保護マスクM(図6F)を適用する(図6Fではこの露出部分を導
電層150 のクロスハッチングを施した断面で示した)。次いで、公知のエッチン
グ工程、例えば、露出部分を塩化鉄溶液で処理することによって露出部分を除去
する。
非導電ギャップ160,170及び終端部155,156は下記方法によって形成すること
もできる。即ち、各帯状部分に第1導電層150 を形成して絶縁層120 及び接触点
130,140を被覆する(図6E)。図7A
−図7Dに示すように、導電層150 にフォトレジスト材190 を適用する。フォト
レジスト材を利用して絶縁層120 を形成する場合には、この工程で使用される第
2のフォトレジスト材190 は紫外線に対して逆の反応を示すものでなければなら
ない(即ち、絶縁層を形成するのにネガティブ型フォトレジスト材を使用した場
合、導電層に非導電ギャップを形成するのにポジティブ型フォトレジスト材を使
用しなければならず、逆の場合も同様である)。外側フォトレジスト層190 を、
該層190 の頂面及び底面の複数部分を規則的なパターンで露出した状態に残すよ
うに、図7Bに参照記号Mで示すマスク材で被覆する。次いで、帯状部分に紫外
線を照射することによって外側フォトレジスト層190 の露出部分を劣化させる。
フォトレジスト材190 の劣化した部分を洗い落とすことにより、第1導電層150
の複数部分を各帯状部分の頂面及び底面上に規則的なパターンで露出させる(図
7C)。次いで、(図7Cに導電層のクロスハッチングを施した断面として示す
)導電層150 の露出部分を、帯状部分を標準エッチング溶液に浸漬することによ
って除去する。その結果、絶縁層120 の一部が露出する。次いで、帯状部分を更
に紫外線処理することによって外側フォトレジスト材190 を除去する(図7D)
。この工程中、絶縁層120 の一部は露出しているから、絶縁層120 の形成に使用
されたフォトレジスト材とは逆の反応を紫外線に対して示すフォトレジスト材19
0 を使用することが重要である。
いずれかの工程、即ち、(1)帯状部分の全面を導電層で被覆してから該導電
層の一部を除去するか、または、(2)絶縁層の一部を露出したままに残すよう
に最初から導電層を被覆するか、によって、第1及び第2終端部155,156を形成
する(図6G)。
図3及び図6Hに示す好ましい実施例では、第1の導電層150 に第2の導電層
180 を適用する。第2の導電層180 としてははんだ組
成物で構成するのが好ましく、公知の工程、例えば、電解メッキまたははんだ浸
漬によって形成することができる。はんだ層は本発明の電気装置10をPCボードの
導電端子に容易に接続することを可能にする。
最終工程において、帯状部分を各破断部において分割し、各装置がその両面(
即ち、頂面と底面)に接触点及び非導電ギャップを有するような複数の電気装置
を得る。すでに述べたように、各破断部に極めて小さい圧力を加えるだけで帯状
部分を複数の電気装置に分割することができる。
図8において、矢印は装置を流れる電流の流れを示す。各終端部は電流がPCボ
ードの導電素子から(第1終端部を介して)装置の外縁を経て第1電極の第1接
触点へ流れることを可能にする。電流は次にPTC 素子を貫流して第2電極に達す
る。電流は第2終端部の接触点から装置外へ流れ、回路の残り部分を流れる。
【手続補正書】
【提出日】1998年11月30日
【補正内容】
(1) 明細書第5頁第13行〜第14行に「第1及び第2電極…絶縁層で被覆し;」
とあるのを、『第1及び第2電極とPTC 素子の第1及び第2側とを、絶縁層で被
覆し;』と補正する。
(2) 明細書第11頁第3行に「6インチ、8インチ、0.0150インチ」とあるのを
、『15.24cm(6インチ)、20.32cm(8インチ)、0.0381cm(0.0150インチ)
』と補正する。
(3) 明細書第11頁第4行〜第5行に「長さ約7インチ、幅約 0.160〜0.180 イ
ンチ」とあるのを、『長さ約 17.78cm(7インチ)、幅約0.4064〜0.4572cm(0.1
60〜0.180 インチ)』と補正する。
(4) 明細書第11頁末行に「厚さ約5ミル」とあるのを、『厚さ約0.0127cm(5
ミル)』と補正する。
(5) 明細書第12頁第10行に「0.100〜0.150 インチ」とあるのを、『0.254〜0.
381cm(0.100〜0.150 インチ)』と補正する。
(6) 請求の範囲を、別紙の通り補正する。
(7) 図面(第1図〜第3図)を、別紙の通り補正する。
請求の範囲
1.頂面、底面、第1側及び第2側を有し、頂面及び底面がそれぞれ中央部に
よって分離された2つの端部を有する抵抗素子と;
該抵抗素子の頂面と電気的に接触する第1電極、及び該抵抗素子の底面と電気
的に接触する第2電極と;
該第1及び第2電極と接触し、該第1及び第2電極から一部除去されて第1及
び第2接触部を形成する絶縁層と;
該絶縁層上に形成され、該第1及び第2接触部において該第1及び第2電極と
電気的に接触し、一部を除去されて非導電ギャップによって分離された第1及び
第2終端部を形成する第1導電層と
から成る電気装置。
2.該抵抗素子がPTC 特性を有する請求の範囲第1項に記載の電気装置。
3.該抵抗素子が導電性重合体から成る請求の範囲第2項に記載の電気装置。
4.該第1及び第2終端部の表面に、第2導電層を形成する請求の範囲第1項
に記載の電気装置。
5.該第1接触部が該抵抗素子の頂面の端部近傍に位置し、該第2接触部が該
第1接触部と対向する該抵抗素子の底面の端部近傍に位置する請求の範囲第1項
に記載の電気装置。
6.第1の該非導電ギャップが該抵抗素子の頂面の中央部近傍に位置し、第2の該
非導電ギャップが該抵抗素子の底面の中央部近傍に位置する請求の範囲第1
項に記載の電気装置。
7.該第1導電層を、錫、銀、銅、ニッケル、金及びこれらの合金から成るグ
ループから選択された金属で形成する請求の範囲第1項に記載の電気装置。
8.該第2導電層を、はんだで形成する請求の範囲第4項に記載の電気装置。
9.該絶縁層を、フォトレジスト、誘電体、セラミック及びはんだマスクから
成るグループから選択された材料で形成する請求の範囲第1項に記載の電気装置
。
10.重合体要素及び導電性充填材要素から成り、頂面、底面、第1側及び第2
側を有し、頂面及び底面がそれぞれ中央部によって分離されている2つの端部を
有する薄板状のPTC 素子と;
該PTC 素子の頂面と接触する第1電極及び該PTC 素子の底面と接触する第2電
極と;
該第1及び第2電極上と該PTC 素子の該第1及び第2側上とに形成され、該PT
C 素子の頂面の一方の端部近傍で一部を除去されて第1接触部を画成し、該第1
接触部と対向する該PTC 素子の底面の端部近傍で一部を除去されて第2接触部を
画成する絶縁層と;
該絶縁層上に形成され、該第1及び第2接触部において該第1及び第2電極と
接触し、該PTC 素子の頂面の中央部近傍で該絶縁層から一部除去されて第1非導
電ギャップを形成し、該PTC 素子の底面の中央部近傍で該絶縁層から一部除去さ
れて第2非導電ギャップを形成する第1導電層と;
該第1導電層上に形成された第2導電層と
から成る電気装置。
11.該電気装置が、約25℃において1オームより小さい抵抗を有する請求の範
囲第10項に記載の電気装置。
12.該PTC 素子が約25℃において3オームcmより小さい抵抗率を有する請求の
範囲第10項に記載の電気装置。
13.該第1及び第2電極を、ニッケル、銅、銀、錫、金及びこれらの合金から
成るグループから選択された金属で形成する請求の範囲第10項に記載の電気装置
。
14.該絶縁層を、フォトレジスト、誘電体、セラミック及びはんだマスクから
成るグループから選択された材料で形成する請求の範囲第10項に記載の電気装置
。
15.該第1導電層を、ニッケル、銅、銀、錫、金及びこれらの合金から成るグ
ループから選択された金属で形成する請求の範囲第10項に記載の電気装置。
16.該第2導電層が、該第1導電層と接触し、かつ、これを完全に被覆する請
求の範囲第10項に記載の電気装置。
17.該第2導電層がはんだから成る請求の範囲第10項に記載の電気装置。
18.電気装置を製造する方法において、
頂面、底面、頂面に形成された第1電極及び底面に形成された第2電極を有す
る中実の積層PTC シートを用意し;
該積層PTC シート中に規則的なパターンで複数の帯状部分を形成し;
該積層PTC シートの該帯状部分を絶縁層で被覆し;
該積層PTC シートの各該帯状部分の頂面及び底面に規則的なパターンで複数の
接触部を形成し;
該積層PTC シートの該帯状部分を、各該接触部において該第1及び第2電極と
接触する第1導電層で被覆し;
該積層PTC シートの各該帯状部分の頂面及び底面において、該第1導電層中に
規則的なパターンで複数の非導電ギャップを形成し;
該積層PTC シートの各該帯状部分を複数の電気装置に分割する
各工程から成る方法。
19.該帯状部分を絶縁層で被覆する前に、各該帯状部分の頂面及び底面に複数
の破断部を形成する請求の範囲第18項に記載の方法。
20.該積層PTC シートを複数の電気装置に分割する前に、該第1導電層上に第
2導電層を形成する請求の範囲第18項に記載の方法。
21.当該PTC シートの頂面及び底面に該第1及び第2電極を形成する工程が、
1対の金属ホイル間に該PTC シートを積層させる工程である請求の範囲第18項に
記載の方法。
22.当該PTC シートの頂面及び底面に該第1及び第2電極を形成する工程が、
無電解メッキを行う工程である請求の範囲第18項に記載の方法。
23.当該PTC シートの頂面及び底面に該第1及び第2電極を形成する工程が、
電解メッキを行う工程である請求の範囲第18項に記載の方法。
24.該絶縁層を、フォトレジスト、誘電体、セラミック及びはんだマスクから
成るグループから選択された材料で形成する請求の範囲第18項に記載の方法。
25.該積層PTC シートの該帯状部分を該絶縁層で被覆する工程が、該帯状部分
に該絶縁層をスクリーン印刷する工程である請求の範囲第18項に記載の方法。
26.該第1導電層を、銅、錫、ニッケル、銀、金及びこれらの合金から成るグ
ループから選択された金属で形成する請求の範囲第18項に記載の方法。
27.該第1導電層の一部をエッチング処理によって除去して該絶縁層を露出さ
せることにより、複数の該非導電ギャップを形成する請求の範囲第18項に記載の
方法。
28.該第2導電層をはんだで形成し、電解メッキまたははんだ浸漬によって該
第1導電層に重ねる請求の範囲第20項に記載の方法。
29.該積層PTC シートに形成される該帯状部分が0.508cm(0.20 インチ)より小
さい幅Wを有する請求の範囲第18項に記載の方法。
30.各該帯状部分を複数の電気装置に分割する工程が、該破断部に圧力を加え
る工程である請求の範囲第19項に記載の方法。
31.形成される各該電気装置が、0.1524cm(0.060 インチ)より小さいエリアを 有する
請求の範囲第18項に記載の方法。
32.電気装置を製造する方法において、
頂面、底面、第1側及び第2側を有し、頂面及び底面がそれぞれ中央部によっ
て分離されている2つの端部を有する薄板状の抵抗素子を用意し;
該抵抗素子の頂面に第1電極を形成し;
該抵抗素子の底面に第2電極を形成し;
該第1及び第2電極と該抵抗素子の第1及び第2側とを、絶縁層で被覆し;
該絶縁層の第1部分を除去することによって第1接触部を形成し;
該絶縁層の第2部分を除去することによって第2接触部を形成し;
該絶縁層、該第1接触部及び第2接触部を、第1導電層で被覆し;
該第1導電層の一部を除去することにより、非導電ギャップで分離されている
第1及び第2終端部を形成し;
該第1導電層を第2導電層で被覆する
各工程から成る方法。
33.該抵抗素子がPTC 特性を有する請求の範囲第32項に記載の方法。
34.該抵抗素子が、重合体要素及び導電性充填材要素から成る請求の範囲第32
項に記載の方法。
35.該重合体要素が、ポリエチレンである請求の範囲第34項に記載の方法。
36.該重合体要素が、ポリエチレン及び無水マレイン酸から成る請求の範囲第
34項に記載の方法。
37.該第2導電層がはんだから成る請求の範囲第32項に記載の方法。
38.該第1及び第2電極が、ニッケルから成る請求の範囲第32項に記載の方法
。
39.電気装置を製造する方法において、
頂面、底面、頂面に形成された第1電極及び底面に形成された第2電極を有す
る中実の積層導電シートを用意し;
該積層導電シート中に規則的なパターンで複数の帯状部分を形成し;
該積層導電シートの該帯状部分を絶縁層で被覆し;
該積層導電シートの各該帯状部分の頂面及び底面に、規則的なパターンで複数
の接触部を形成し;
該積層導電シートの該帯状部分を、各該接触部において該第1及び第2電極と
接触する第1導電層で被覆し;
該積層導電シートの各該帯状部分の頂面及び底面において、該第1導電層に規
則的なパターンで複数の非導電ギャップを形成し;
該積層導電シートの各該帯状部分を複数の電気装置に分割する
各工程から成る方法。
40.該積層導電シートが、PTC 特性を有する請求の範囲第39項に記載の方法。
41.各該帯状部分を該絶縁層で被覆する前に、各該帯状部分の頂面及び底面に
複数の破断部を形成する請求の範囲第39項に記載の方法。
42.該積層導電シートの各該帯状部分を複数の電気装置に分割する前に、該第
1導電層上に第2導電層を形成する請求の範囲第39項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(31)優先権主張番号 08/642,597
(32)優先日 1996年5月3日
(33)優先権主張国 米国(US)
(31)優先権主張番号 08/642,655
(32)優先日 1996年5月3日
(33)優先権主張国 米国(US)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,
CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G
E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR
,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,
MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P
L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK
,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN