JPH1150951A - 斜板式油圧ポンプ - Google Patents

斜板式油圧ポンプ

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Publication number
JPH1150951A
JPH1150951A JP9206705A JP20670597A JPH1150951A JP H1150951 A JPH1150951 A JP H1150951A JP 9206705 A JP9206705 A JP 9206705A JP 20670597 A JP20670597 A JP 20670597A JP H1150951 A JPH1150951 A JP H1150951A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
swash plate
recess
pressure
hydraulic oil
tilt
Prior art date
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Pending
Application number
JP9206705A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Haba
勉 羽場
Yasuo Omi
康生 大見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Heavy Industries Ltd filed Critical Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority to JP9206705A priority Critical patent/JPH1150951A/ja
Publication of JPH1150951A publication Critical patent/JPH1150951A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 斜板と斜板支持台との接触面圧の低減を図る
とともに、製造コストの低減を図る。 【解決手段】 斜板支持台27には、一端面側第2凹所
61と、他端面側第2凹所62とから成る第2凹所60
が形成される。したがって斜板26が各傾転方向に傾転
したとき、一端面側第2凹所61および/または他端面
側第2凹所62に第1凹所52を介して作動油が導かれ
て、斜板26と斜板支持台27との接触面圧を低減させ
ることができる。また一端面側第2凹所61および他端
面側第2凹所62はたとえば機械加工によって形成され
るので、一端面側および他端面側第2凹所61,62を
受面57に容易に形成することができ、製造コストを低
減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、斜板式油圧ポンプ
に関し、さらに詳しくは、建設機械および一般産業機械
などの油圧源として好適に用いられる斜板式油圧ポンプ
に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は従来の技術の斜板式油圧ポンプ2
0の断面図であり、図8は図7に示される斜板式油圧ポ
ンプ20に備えられる斜板1を簡略化して示す正面図で
あり、図9は図7に示される斜板式油圧ポンプ20に備
えられる斜板支持台2を簡略化して示す正面図である。
斜板式油圧ポンプ(以下、斜板ポンプと略称する場合が
ある)20は、基本的にシリンダブロック12と複数の
ピストン13と斜板1と斜板支持台2とを含んで構成さ
れる。シリンダブロック12には、内燃機関などの回転
駆動源からの回転力が伝達されて回転軸線L10まわり
に回転駆動され、周方向に間隔を開けて複数のピストン
室14が形成される。複数のピストン13は、前記シリ
ンダブロック12の各ピストン室14に伸長方向および
縮退方向に変位自在に収納される。
【0003】斜板1は、たとえば球状黒鉛鋳鉄から成
り、斜板本体3とこの斜板本体3の長手方向に垂直な幅
方向両端部に設けられる一対の支持部4,5とから成
り、シリンダブロック12の回転軸線L10に直交する
傾転軸線L11まわりに傾転自在に設けられ、各ピスト
ン13をシリンダブロック12の回転に伴って前記伸長
方向および縮退方向に案内する案内面19を有する。斜
板本体3には、斜板1が傾転可能な状態で、回転駆動源
からの回転力をシリンダブロック12に伝達する回転軸
100が挿通する挿通孔6が形成される。各支持部4,
5は、傾転軸線L11を中心とする直円筒面内に形成さ
れる摺動面7,8をそれぞれ有し、後述の斜板支持台2
の受面15,16に臨んで開放し、前記摺動面7,8が
形成される領域の傾転方向C1,C2両端部7a,7
b;8a,8b間の中間部に凹所9,10がそれぞれ形
成される。各凹所9,10は、通路11によってそれぞ
れ連通している。斜板1は、前記回転軸線L10と前記
傾転軸線L11に直交し、かつ前記案内面19を含む仮
想平面に直交する軸線L12とのなす角度である傾転角
度αが大きくなる傾転方向C1および傾転角度αが小さ
くなる傾転方向C2に傾転自在である。
【0004】斜板支持台2は、たとえば球状黒鉛鋳鉄か
ら成る。また斜板支持台2には、各摺動面7,8が摺動
自在に接触し、斜板1を前記傾転軸線L11まわりに傾
転自在に支持する2つの受面15,16を有し、前記回
転軸100が挿通する挿通孔17が形成される。一方の
受面15は作動油が吸入される側に設けられ、他方の受
面16は作動油が吐出される側に設けられる。他方の受
面16には、前記凹所10に臨んで開口し、各ピストン
室14から吐出される作動油の一部を前記凹所10に供
給する圧油供給口18が形成される。また凹所10に導
かれた作動油は、通路11を介して凹所9に導かれる。
さらに各凹所9,10は、各凹所9,10が各受面1
5,16に常に臨んだ状態で作動油が導かれる。
【0005】このように構成された斜板ポンプ20は、
各ピストン13を斜板1の案内面19に前記伸長方向お
よび縮退方向に案内した状態でシリンダブロック12を
回転させることによって、各ピストン13を各ピストン
室14内で前記縮退方向に変位させて作動油の吸入動作
を行い、前記伸長方向に変位させて作動油の排出動作を
行って作動油を送出す。
【0006】図10は、斜板1が斜板支持台2に支持さ
れた状態を簡略化して示す図である。図10(1)は斜
板1の傾転角度αが比較的小さい、たとえば0°程度で
あるときを示し、図10(2)は斜板1の傾転角度αが
比較的大きい、たとえば16°程度であるときを示す。
シリンダブロック12の各ピストン室14から作動油を
吐出するとき、斜板1には作動油が各ピストン13に与
える押圧力の合力ΣFが作用する。
【0007】図10(1)において、凹所10には吐出
圧pの作動油が導かれて、凹所10の底面10aには一
様に分布する油圧pの合力P1が作用し、斜板1の凹所
10が形成される領域では、この油圧pの合力P1によ
って押圧力の合力ΣFに抗して支持されている。凹所1
0に導かれた作動油は、凹所10が形成される領域より
も各傾転方向C1,C2下流側の領域において、摺動面
8と受面16との間に染み込むように導かれる。凹所9
の底面9aにも通路11を介して導かれた作動油の圧力
pが作用し、凹所9が形成される領域よりも各傾転方向
C1,C2下流側の領域においても摺動面7と受面15
との間に染み込むように導かれる。しかしながら作動油
を強制的に導いているのではなく、作動油の圧力pによ
って摺動面7,8と受面15,16との間に染み込んで
いるので、その圧力損失によって、作動油の圧力分布は
凹所9,10からの距離に比例して圧力pが減少する分
布を示す。このように圧力pが減少するけれども、摺動
面7,8の凹所9,10よりも傾転方向C1下流側の領
域にも作動油による油圧の合力P2が作用するととも
に、摺動面7,8と受面15,16とが直接接触して、
摺動面7,8には押圧力の合力ΣFの反力R1が作用
し、この押圧力の合力ΣFの反力R1と油圧の合力P2
とによって、摺動面7,8は押圧力の合力ΣFに抗して
受面15,16に支持されている。
【0008】同様に、摺動面7,8の凹所9,10より
も傾転方向C2下流側の領域にも作動油による油圧の合
力P3が作用するとともに、摺動面7,8と受面15,
16とが直接接触して、摺動面7,8には押圧力の合力
ΣFの反力R2が作用し、この押圧力の合力ΣFの反力
R2と油圧の合力P3とによって摺動面7,8は押圧力
の合力ΣFに抗して受面15,16に支持されている。
【0009】作動油が吐出される側の凹所10よりも傾
転方向C2下流側の領域において、作動油の圧力が作用
する領域は狭くなり、これによって油圧の合力P3が小
さくなり、したがって押圧力の合力ΣFの反力R2が大
きくなってしまう。このとき摺動面8の凹所10よりも
傾転方向C1下流側の領域に作用する押圧力の合力ΣF
の反力R1の大きさと、摺動面8の凹所10よりも傾転
方向C2下流側の領域に作用する押圧力の合力ΣFの反
力R2の大きさとの大小関係はR1<R2であり、摺動
面8の凹所10よりも傾転方向C1下流側の領域に作用
する油圧の合力P2の大きさと、摺動面8の凹所10よ
りも傾転方向C2下流側の領域に作用する油圧の合力P
3の大きさとの大小関係はP2>P3である。
【0010】また作動油が吸入される側の摺動面7およ
び受面15には、作動油が吐出される側の押圧力の合力
ΣFよりも小さな力が作用するので、吸入側の押圧力の
合力ΣFの反力R1,R2は小さくなり、前記摺動面7
および受面15には、斜板1の傾転時に部分的なかじり
または焼付きが生じにくい。
【0011】図10(2)において、斜板1が傾転方向
C1に傾転して傾転角度がαとなったとき、作動油の吐
出圧pが上昇してピストン13に作用する力が上昇し、
押圧力の合力ΣFが大きくなる。凹所9,10の底面9
a,10aに一様に分布する油圧pの合力P1は、凹所
9,10に導かれれる作動油の圧力pの上昇に伴って大
きくなる。凹所9,10に導かれた作動油は、凹所9,
10が形成される領域よりも各傾転方向C1,C2下流
側の領域において、摺動面7,8と受面15,16との
間に染み込むように導かれる。しかしながら作動油を強
制的に導いているのではなく、作動油の圧力pによって
摺動面7,8と受面15,16との間に染み込んでいる
ので、その圧力損失によって、作動油の圧力分布は、凹
所9,10からの距離に比例して圧力が減少する分布を
示す。このように圧力が減少するけれども、摺動面7,
8の凹所9,10よりも傾転方向C2下流側の領域にも
作動油による油圧の合力P3が作用するとともに、摺動
面7,8と受面15,16とが直接接触して、摺動面
7,8には押圧力の合力ΣFの反力R2が作用し、この
押圧力の合力ΣFの反力R2と油圧の合力P3とによっ
て、摺動面7,8は押圧力の合力ΣFに抗して受面1
5,16に支持されている。
【0012】同様に、摺動面7,8の凹所9,10より
も傾転方向C1下流側の領域にも作動油による油圧の合
力P2が作用するとともに、摺動面7,8と受面15,
16とが直接接触して、摺動面7,8には押圧力の合力
ΣFの反力R1が作用し、この押圧力の合力ΣFの反力
R1と、油圧の合力P2とによって、摺動面7,8は押
圧力の合力ΣFに抗して受面15,16に支持されてい
る。
【0013】作動油が吐出される側の凹所10よりも傾
転方向C1下流側の領域において、作動油の圧力が作用
する領域は狭くなり、これによって油圧の合力P2が小
さくなり、したがって押圧力の合力ΣFの反力R1が大
きくなってしまう。このとき摺動面8の凹所10よりも
傾転方向C1下流側の領域に作用する押圧力の合力ΣF
の反力R1の大きさと、摺動面8の凹所10よりも傾転
方向C2下流側の領域に作用する押圧力の合力ΣFの反
力R2の大きさとの大小関係はR1>R2であり、摺動
面8の凹所10よりも傾転方向C1下流側の領域に作用
する油圧の合力P2の大きさと、摺動面8の凹所10よ
りも傾転方向C2下流側の領域に作用する油圧の合力P
3の大きさとの大小関係はP2<P3である。
【0014】また作動油が吸入される側の摺動面7およ
び受面15には、作動油が吐出される側の押圧力の合力
ΣFよりも小さな力が作用するので、吸入側の押圧力の
合力ΣFの反力R1,R2は小さくなり、前記摺動面7
および受面15には斜板1の傾転時に部分的なかじりま
たは焼付きが生じにくい。
【0015】以上のように、斜板1の傾転角度αが小さ
いときには、摺動面7,8の傾転方向C2下流側で押圧
力の合力ΣFの反力R2が大きくなり、斜板1の傾転角
度αが大きいときには、摺動面7,8の傾転方向C1下
流側で押圧力の合力ΣFの反力R1が大きくなる。これ
は摺動面7,8と受面15,16との接触によって、摺
動面7,8と受面15,16との間隔が小さくまたはな
くなり、作動油がこの隙間に入り込みにくくなって作動
油の圧力が作用する領域が狭くなるためである。特に、
斜板1の傾転角度αが大きいときには吐出される作動油
の圧力が高くなるとともに、押圧力の合力ΣFも大きく
なり、摺動面8の凹所10よりも傾転方向C1下流側の
領域に作用する押圧力の合力ΣFの反力R1が非常に大
きくなってしまう。この状態で斜板1を傾転させると、
特に作動油が吐出される側の摺動面8および受面16の
各傾転方向C1,C2下流側の領域に部分的なかじりま
たは焼付きが生じてしまうという問題がある。
【0016】この問題を解決するために、基材に耐摩耗
性を有する銅合金、たとえば燐青銅から成る表層を形成
してこの表層によって受面16を形成して部分的なかじ
りまたは焼付きを防止している。
【0017】また他の従来の技術は、たとえば特開昭6
3−90676号公報に開示されている。この従来の技
術は、斜板であるスワッシュプレートに設けられる給油
路によってシリンダブロックの回転時、一対の円形受面
と一対の円形滑り面との各対向面間に、ピストンによっ
てピストン室から押出された高圧油が間欠的に給油さ
れ、各対向面間の圧力をつねに変化させてスワッシュプ
レートの傾転開始時の動きが滑らかにできるとともに、
各対向面間の圧力を給油路の大きさおよび数などによっ
て制御して目詰まりが発生しないようにしている。
【0018】さらに他の従来の技術は、たとえば特開平
1−130073号公報に開示されている。この従来の
技術は、斜板であるスワッシュプレートが傾転角度を変
更するとき、給油路を介して円筒受面と滑り面との間に
その傾転角度を変更させる制御圧力ラインからの油を供
給し、スワッシュプレートの滑り面を受面から浮上させ
るとともに、受面と滑り面との間に油膜を形成し、スワ
ッシュプレートを流体潤滑させた状態で滑らかに傾転さ
せ、この給油を正に受面と滑り面との間で摺動するとき
だけ行って給油に伴う無駄な油消費を抑制して効率低下
を防いでいる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術において、当接面8および受面16の部分的なかじ
りまたは焼付きを防ぐために耐摩耗性を有する銅合金、
たとえば燐青銅によって受面16を形成しているが、こ
の銅合金の表層を表層の部分的な剥離などがないように
高精度で斜板支持台2に取付けたり、またそのために取
付け状態を検査することが困難であり、手間がかかると
ともに製造コストが増大するという問題がある。
【0020】また、特開昭63−90676号公報およ
び特開平1−130073号公報に開示される従来の技
術において、ともに受面と滑り面との対向面間に給油を
行っているが、これらの技術では、部分的ながじりまた
は焼付きが生じやすい傾転方向両端部付近にまで油を供
給することはできず、受面および滑り面に作用する力が
大きくなり、この状態でスワッシュプレートを傾転させ
ると、受面および滑り面の傾転方向両端部付近に部分的
なかじりまたは焼付きが生じるという問題がある。
【0021】本発明の目的は、斜板と斜板支持台との接
触面圧の低減を図り、部分的なかじりまたは焼付きを防
止するとともに、製造コストの低減を図ることができる
斜板式油圧ポンプを提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、回転軸線まわりに回転駆動され、周方向に間隔をあ
けて複数のピストン室が形成されるシリンダブロック
と、シリンダブロックの各ピストン室に伸長方向および
縮退方向に変位自在に収納される複数のピストンと、シ
リンダブロックの回転軸線に直交する傾転軸線まわりに
傾転自在に設けられ、各ピストンをシリンダブロックの
回転に伴って前記伸長方向および縮退方向に案内する案
内面、および傾転軸線を中心とする直円筒面内に形成さ
れる摺動面を有する斜板と、斜板の摺動面が摺動自在に
接触し、この斜板を前記傾転軸線まわりに傾転自在に支
持する受面を有する斜板支持台とを含み、前記斜板に
は、斜板支持台の受面に臨んで開放し、各ピストン室か
ら吐出される作動油の一部が導かれる第1凹所が、前記
摺動面が形成される領域の傾転方向両端部間の中間部に
形成される斜板油圧ポンプにおいて、前記斜板支持台に
は、斜板が各傾転方向に傾転したとき、前記第1凹所に
連通する第2凹所が第1凹所の各傾転方向両端面よりも
各傾転方向下流側に延びて形成されることを特徴とする
斜板式油圧ポンプである。
【0023】本発明に従えば、前記斜板支持台には、斜
板が各傾転方向に傾転したとき、第1凹所に連通する第
2凹所が形成される。各ピストン室から吐出される作動
油の一部が前記第1凹所に導かれ、斜板が各傾転方向に
傾転したときに第1凹所と第2凹所とが連通して、吐出
される作動油の一部が第2凹所に導かれるので、各傾転
方向両端部付近の領域の摺動面と受面との間に作動油を
積極的に導いて、作動油の油圧が作用する領域を増加さ
せて、吐出される作動油の一部を各傾転方向両端部付近
の領域まで導き、傾転時に部分的なかじりまたは焼付き
が生じやすい領域、すなわち第2凹所に臨む領域の摺動
面およびこの摺動面に臨む受面の接触面圧を低減させ、
摺動面および受面における斜板の傾転時の部分的なかじ
りまたは焼付きを防ぐことができるとともに、作動油を
潤滑油として用いることができ、斜板を滑らかに傾転さ
せることができる。
【0024】また、前記第2凹所はたとえば機械加工に
よって形成されるので、前記第2凹所を容易に形成する
ことができ、手間がかからず製造コストを低減すること
ができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある斜板式油圧ポンプ21の構成を簡略化して示す断面
図である。斜板式油圧ポンプ(以下、斜板ポンプと略称
する場合がある)21は、基本的に、シリンダブロック
22と、ピストン23と、シュー24と、押え板25
と、斜板26と、斜板支持台27とを含み、これらはハ
ウジング28内に収納されている。また斜板ポンプ21
は、軸線方向一端部をハウジング28から部分的に突出
させた回転軸29を有している。回転軸29は、ハウジ
ング28に設けられる軸受によって軸線L1まわりに回
転自在に支持され、この回転軸29は、回転駆動源、た
とえばエンジンの出力軸に連結されたフライホイールに
カップリング部材を介して連結される。これによって回
転軸29は、回転駆動源によって軸線L1まわりに回転
駆動され、たとえば600〜2400rpmで回転駆動
される。
【0026】シリンダブロック22は、回転軸29に相
互に回転が阻止された状態で装着されて、回転軸29か
らの回転力が伝達される。このシリンダブロック22
は、周方向に間隔をあけて複数(本実施形態において
9)のピストン室31および各ピストン室31に連通す
る油通路32がそれぞれ形成されている。このシリンダ
ブロック22の軸線方向一端部に隣接してバルブプレー
ト33が設けられている。このバルブプレート33に
は、回転駆動源側から見てシリンダブロック22が時計
まわりに回転駆動されるときに、後述の図4に示される
ように作動油を吸入する吸入ポート34および作動油を
吐出する吐出ポート35が形成されており、シリンダブ
ロック22の角度位置に応じて、各油通路32は吸入ポ
ート34および吐出ポート35に連通する。
【0027】各ピストン23は略円筒状であり、シリン
ダブロック22の各ピストン室31に、各ピストン室3
1からその軸線方向一端部36を部分的に突出させた状
態で、伸長方向および縮退方向に変位自在に収納され
る。各ピストン23の各ピストン室31から外方へ突出
する軸線方向一端部36の外表面は、略球面状に形成さ
れる。各シュー24は、その軸線方向一端部に軸線に垂
直な当接面が形成されるフランジ部37を有するととも
に、軸線方向他端部側で開放する嵌合凹所が形成され、
この嵌合凹所の内表面は、略球面状に形成される。この
嵌合凹所に各ピストン23の軸線方向一端部36を嵌合
させて、各シュー24は、各ピストン23の軸線方向一
端部36に回動自在に連結される。押え板25は、平行
な両側面を有する部分に複数の嵌合孔25aを有し、各
シュー24は、押え板25の嵌合孔25aに嵌込んだ状
態で、押え板25によって斜板26に向けて押圧されて
いる。また押え板25は、外表面が略球面状の支持体3
8によって回動自在に支持されている。
【0028】斜板26は、各ピストン23の各ピストン
室31から外方に突出する軸線方向一端部36に設けら
れる各シュー24が支持されて、各ピストン23をシリ
ンダブロック22の回転に伴って前記伸長方向および縮
退方向に案内する案内面39を有し、ハウジング28に
設けられる斜板支持台27によって支持されている。斜
板26は、シリンダブロック22の回転軸線L1に直交
する(図1の紙面に垂直)傾転軸線L2まわりに傾転自
在に設けられ、ハウジング28に設けられる斜板26を
予め定める吐出量に対応する角度αに配置する傾転角度
調整手段40によって傾転駆動され、斜板26は前記軸
線L2まわりに傾転駆動される。斜板26は、前記回転
軸線L1と前記傾転軸線L2に直交し、かつ前記案内面
39を含む仮想平面に直交する軸線L3とのなす角度で
ある傾転角度αが大きくなる傾転方向D1および傾転角
度αが小さくなる傾転方向D2に傾転自在である。
【0029】ハウジング28には、前記吸入ポート34
および吐出ポート35に連通する吸入路(図示せず)お
よび吐出路41が設けられる。吐出路41と斜板支持台
27とは、高圧の作動油を導く導油路42によって連通
している。
【0030】図2は図1に示される斜板式油圧ポンプ2
1に備えられる斜板26を簡略化して示す正面図であ
り、図3は図1に示される斜板式油圧ポンプ21に備え
られる斜板支持台27を簡略化して示す正面図である。
斜板26は、たとえば球状黒鉛鋳鉄から成り、斜板本体
45と、この斜板本体45の長手方向に垂直な幅方向両
端部に設けられる一対の支持部46,47とから成る。
斜板本体45には、回転軸29が斜板26を傾転可能に
挿通する挿通孔48が設けられる。各支持部46,47
には、傾転軸線L2を中心とする直円筒面内に形成され
る摺動面49,50をそれぞれ有する。また各支持部4
6,47には、後述の斜板支持台27の受面56,57
に臨んで開放し、各摺動面49,50が形成される領域
の傾転方向D1,D2両端部49a,49b;50a,
50b間の中間部に第1凹所51,52がそれぞれ形成
される。各第1凹所51,52は、通路53によってそ
れぞれ連通している。
【0031】斜板支持台27は、たとえば球状黒鉛鋳鉄
から成る。また斜板支持台27には、各摺動面49,5
0が摺動自在に接触し、斜板26を前記傾転軸線L2ま
わりに傾転自在に支持する2つの受面56,57を有
し、前記回転軸29が挿通する挿通孔58が形成され
る。吐出ポート35側の受面57には、前記第1凹所5
2に臨んで開口し、各ピストン室31から吐出される前
記導油路42を介して前記第1凹所52に供給する圧油
供給口59が形成される。
【0032】前記斜板支持台27には、斜板26が各傾
転方向D1,D2に傾転したときに、第1凹所52に連
通し、各ピストン室31から吐出される作動油の一部が
導かれる第2凹所60が形成される。前記第2凹所60
は、斜板26が各傾転方向D1,D2に傾転し、かつ斜
板26の傾転角度αが比較的小さいときに前記第1凹所
52に連通し、第1凹所52の傾転方向D2一端面52
bよりも傾転方向D2下流側に延びて形成される一端面
側第2凹所61と、斜板26が各傾転方向D1,D2に
傾転し、かつ斜板26の傾転角度αが比較的大きいとき
に前記第1凹所52に連通し、第1凹所52の傾転方向
D2他端面52cよりも傾転方向D1下流側に延びて形
成される他端面側第2凹所62とから成る。ここで他端
面側第2凹所62の開口面積は、一端面側第2凹所61
の開口面積よりも大きく選ばれる。一端面側および他端
面側第2凹所61,62の深さは、たとえば0.1〜
4.0mm程度に選ばれる。第1凹所52は、一端面側
および他端面側第2凹所61,62が摺動面50に常に
臨んだ状態で、一端面側第2凹所61と他端面側第2凹
所62とに連通する。また一端面側および他端面側第2
凹所61,62は、たとえば機械加工によって形成され
る。
【0033】図4は、図1に示される斜板式油圧ポンプ
21に備えられるバルブプレート33を簡略化して示す
正面図である。バルブプレート33は、略円板状に形成
され、前記吸入ポート34および前記吐出ポート35が
形成される。またバルブプレート33には、前記回転軸
29が挿通する挿通孔65が設けられる。
【0034】斜板26を軸線L1に垂直な平面から傾斜
させた状態で、回転駆動源によってシリンダブロック2
2を回転駆動させると、吸入路に導かれる作動油は、バ
ルブプレート33の吸入ポート34および吸入ポート3
4に連通する各油通路32を介して各ピストン室31に
導かれ、各ピストン23の伸長方向および縮退方向への
変位によって高圧の作動油が前記油通路32およびバル
ブプレート33の吐出ポート35を介して吐出路41に
導かれる。このようにして斜板式油圧ポンプ21は、斜
板26の傾転角度αを変化させて各ピストンの伸長方向
および縮退方向の変位量を変化させることによって容量
を変化させ、その斜板26の角度位置に対応した容量で
作動油を送り出すことができる。吐出される作動油の一
部は、導油路42を介して斜板26の支持部47に設け
られる一方の第1凹所52に導かれる。一方の第1凹所
52に導かれた作動油は通路53を介して斜板26の支
持部46に設けられる他方の第1凹所51に導かれる。
斜板26の傾転角度αが、たとえば0〜8°の角度範囲
に選ばれるときには、前記第1凹所52と一端面側第2
凹所61とが連通して作動油が導かれる。また斜板26
の傾転角度αが、たとえば7〜16°の位置範囲に選ば
れるときには、前記第1凹所52と前記他端面側第2凹
所62とが連通し、作動油が導かれる。
【0035】図5は、斜板26が斜板支持台27に支持
された状態を簡略化して示す図である。図5(1)は斜
板26の傾転角度αが比較的小さい、たとえば0°程度
であるときを示し、図5(2)は斜板26の傾転角度α
が比較的大きい、たとえば16°程度であるときを示
す。シリンダブロック22の吐出側の各ピストン室31
から作動油を吐出するとき、斜板26には作動油が吐出
側の各ピストン23に与える押圧力の合力ΣFが作用す
る。
【0036】図5(1)において、第1凹所52には、
吐出圧pの作動油が導かれ、第1凹所52の底面52a
には一様に分布する油圧pの合力P11が作用し、斜板
26の第1凹所52が形成される領域では油圧pの合力
P11によって押圧力の合力ΣFに抗して支持されてい
る。また他方の第1凹所51には一方の第1凹所52に
導かれた作動油が通路53を介して導かれ、他方の第1
凹所51の底面51aには一様に分布する油圧pの合力
P11とほぼ等しいまたは小さい油圧pの合力が作用す
る。一方の第1凹所52に導かれた作動油は、第1凹所
52が形成される領域および一端面側第2凹所61に臨
む領域よりも傾転方向D2下流側の領域において、摺動
面50と受面57との間に染み込むように導かれる。他
方の第1凹所51に導かれた作動油は、第1凹所51が
形成される領域よりも各傾転方向D1,D2下流側の領
域において摺動面49と受面56との間に染み込むよう
に導かれる。しかしながら作動油を強制的に導いている
のではなく、作動油の圧力によって摺動面50と受面5
7との間に染み込んでいるので、その圧力損失によっ
て、作動油の圧力分布は、第1凹所61からの距離に比
例して圧力が減少する分布を示す。
【0037】このように圧力が減少するけれども、摺動
面50の第1凹所52よりも傾転方向D2下流側の領域
にも作動油による油圧の合力P12が作用するととも
に、摺動面49,50と受面56,57とが直接接触し
て、摺動面49,50には押圧力の合力ΣFの反力R1
1が作用し、この押圧力の合力ΣFの反力R11と油圧
の合力P12とによって摺動面49,50は押圧力の合
力ΣFに抗して受面56,57に支持されている。
【0038】同様に、摺動面49,50の第1凹所5
1,52よりも傾転方向D1下流側の領域にも作動油に
よる油圧の合力P13が作用するとともに、摺動面4
9,50と受面56,57とが直接接触して摺動面4
9,50には押圧力の合力ΣFの反力R12が作用し、
この押圧力の合力ΣFの反力R12と油圧の合力P13
とによって、摺動面49,50は押圧力の合力ΣFに抗
して受面56,57に支持されている。また他端面側第
2凹所62に臨む摺動面50には、第1凹所52の底面
52aおよび一端面側第2凹所61に臨む摺動面50に
作用する油圧よりも小さな油圧がほぼ一定に分布してい
る。
【0039】したがって吐出ポート35側の第1凹所5
2よりも傾転方向D2下流側の領域において、作動油の
圧力が作用する領域が増加して、摺動面50の第1凹所
52よりも傾転方向D2下流側の領域に作用する油圧の
合力P11が大きくなるとともに摺動面50の第1凹所
52よりも傾転方向D2下流側の領域に作用する押圧力
の合力ΣFの反力R11は小さくなり、摺動面50の第
1凹所52よりも傾転方向D2下流側の領域に作用する
押圧力の合力ΣFの反力R11の大きさと摺動面50の
第1凹所52よりも傾転方向D1下流側の領域に作用す
る押圧力の合力ΣFの反力R12の大きさとはほぼ同じ
大きさとなり、摺動面50の第1凹所52よりも傾転方
向D2下流側の領域に作用する油圧の合力P12の大き
さと摺動面50の第1凹所52よりも傾転方向D1下流
側の領域に作用する油圧の合力P13の大きさとはほぼ
同じ大きさとなって、斜板26に作用する力がほぼ均衡
する。
【0040】また吸入ポート34側の受面56には第2
凹所60が形成されていないけれども、この受面56お
よび摺動面49に作用する押圧力の合力ΣFは吐出ポー
ト35側の押圧力の合力ΣFよりも小さいので、吸入ポ
ート34側の押圧力の合力ΣFの反力R11,R12は
小さくなり、前記摺動面49および受面56には斜板2
6の傾転時に部分的なかじりまたは焼付きが生じにく
く、第2凹所60を形成しなくても斜板26の傾転時の
部分的なかじりまたは焼付きを防ぐことができる。
【0041】図5(2)において、斜板26が傾転して
傾転角度がαとなったとき、第1凹所52は他端面側第
2凹所62に連通する。斜板26が傾転した状態では、
作動油の吐出圧pが上昇してピストン23に作用する力
が上昇し、押圧力の合力ΣFが大きくなる。第1凹所5
1,52の底面51a,52aに一様に分布する油圧p
の合力P11は第1凹所51,52に導かれる作動油の
圧力pの上昇に伴って大きくなる。第1凹所51,52
に導かれた作動油は、第1凹所51,52が形成される
領域および第2凹所62に臨む領域よりも傾転方向D1
下流側の領域において、摺動面49,50と受面56,
57との間に染み込むように導かれる。しかしながら作
動油を強制的に導いているのではなく、作動油の圧力p
によって摺動面49,50と受面56,57との間に染
み込んでいるので、その圧力損失によって、作動油の圧
力分布は、第1凹所51,52からの距離に比例して圧
力が減少する分布を示す。
【0042】このように圧力が減少するけれども、摺動
面49,50の第1凹所51,52よりも傾転方向D1
下流側の領域にも作動油による油圧の合力P13が作用
するとともに、摺動面49,50と受面56,57とが
直接接触して摺動面49,50には押圧力の合力ΣFの
反力R12が作用し、この押圧力の合力ΣFの反力R1
2と油圧の合力P13とによって、摺動面49,50は
押圧力の合力ΣFに抗して受面56,57に支持されて
いる。
【0043】同様に、摺動面49,50の第1凹所5
1,52よりも傾転方向D2下流側の領域にも作動油に
よる油圧の合力P13が作用するとともに、摺動面4
9,50と受面56,57とが直接接触して摺動面4
9,50には押圧力の合力ΣFの反力R11が作用し、
この押圧力の合力ΣFの反力R11と油圧の合力P13
とによって、摺動面49,50は押圧力の合力ΣFに抗
して受面56,57に支持されている。一端面側第2凹
所61に臨む摺動面50には、作動油の吐出圧よりも小
さな油圧がほぼ一定に分布している。
【0044】したがって吐出ポート35側の第1凹所5
2よりも傾転方向D1下流側の領域において、作動油の
圧力が作用する領域が増加して、摺動面50の第1凹所
52よりも傾転方向D1下流側の領域に作用する油圧の
合力P12が大きくなるとともに摺動面50の第1凹所
52よりも傾転方向D1下流側の領域に作用する押圧力
の合力ΣFの反力R12は小さくなり、摺動面50の第
1凹所52よりも傾転方向D2下流側の領域に作用する
押圧力の合力ΣFの反力R11の大きさと摺動面50の
第1凹所52よりも傾転方向D1下流側の領域に作用す
る押圧力の合力ΣFの反力R12の大きさとはほぼ同じ
大きさとなり、摺動面50の第1凹所52よりも傾転方
向D2下流側の領域に作用する油圧の合力P12の大き
さと摺動面50の第1凹所52よりも傾転方向D1下流
側の領域に作用する油圧の合力P13の大きさとはほぼ
同じ大きさとなって、斜板26に作用する力が均衡す
る。
【0045】また吸入ポート34側の受面56には第2
凹所60が形成されていないけれども、この受面56お
よび摺動面49に作用する押圧力の合力ΣFは吐出ポー
ト35側の押圧力の合力ΣFよりも小さいので、吸入ポ
ート34側の押圧力の合力ΣFの反力R11,R12は
小さくなり、前記摺動面49および受面56には斜板2
6の傾転時に部分的なかじりまたは焼付きが生じにく
く、第2凹所60を形成しなくても斜板26の傾転時の
部分的なかじりまたは焼付きを防ぐことができる。
【0046】図6は、斜板26の傾転角度αと接触面圧
との関係を示すグラフである。ラインL5は図10
(1)および図10(2)に示される凹所10よりも傾
転方向C1下流側の領域Aにおける接触面圧を示し、ラ
インL6は図10(1)および図10(2)に示される
凹所10よりも傾転方向C2下流側の領域Bにおける接
触面圧を示す。ラインL7は図5(1)および図5
(2)に示される第1凹所52よりも傾転方向D1下流
側の領域Aにおける接触面圧を示し、ラインL8は図5
(1)および図5(2)に示される第1凹所52よりも
傾転方向D2下流側の領域Bにおける接触面圧を示す。
ラインL5において、傾転角度αが小さいときには接触
面圧は小さいが、傾転角度αが大きくなるにつれて接触
面圧が大きくなっている。ラインL6において、傾転角
度αが小さいときには接触面圧は大きくなり、傾転角度
αが大きくなるにつれて接触面圧は小さくなっている。
したがってこの状態で斜板26を傾転させると、傾転角
度αが小さいときには、領域B付近で部分的なかじりま
たは焼付きが生じ、傾転角度αが大きいときには、領域
A付近で部分的なかじりまたは焼付きが生じる。しかし
ながら本発明の斜板式油圧ポンプ21では、ラインL7
において、傾転角度αが小さいときには接触面圧は小さ
く、傾転角度αが、たとえば7°付近に達すると第1凹
所52と他端面側第2凹所62とが連通して作動油が他
端面側第2凹所62に導かれる。傾転角度αがさらに大
きくなってもほぼ一定の接触面圧が保たれる。またライ
ンL8において、傾転角度αがたとえば8°付近までは
前記第1凹所52と一端面側第2凹所61とが連通して
おり、ほぼ一定の接触面圧となっている。さらに傾転角
度αが大きくなると、傾転角度αが8°付近においては
若干上昇するが、傾転角度αが大きくなるにつれて減少
している。
【0047】このように本発明の斜板式油圧ポンプ21
は従来の斜板式油圧ポンプと比べて、領域Aにおける接
触面圧が約1/3に低減し、領域Bにおける接触面圧が
約2/3に低減する。
【0048】以上のように、前記斜板支持台27には、
斜板26が各傾転方向D1,D2に傾転したとき、各ピ
ストン室31から吐出される作動油の一部が導かれる第
2凹所60が形成される。各ピストン室31から吐出さ
れる作動油の一部は前記第1凹所52に導かれ、斜板2
6が各傾転方向D1,D2に傾転したときに第1凹所5
2と第2凹所60とが連通して、吐出される作動油の一
部が第2凹所60に導かれるので、各傾転方向D1,D
2両端部50a,50b付近の摺動面50と受面57と
の間に作動油を積極的に導いて、作動油の油圧が作用す
る領域を増加させて、吐出される作動油の一部を各傾転
方向D1,D2両端部付近の領域まで導き、傾転時に部
分的なかじりまたは焼付きが生じやすい領域、すなわち
第2凹所60に臨む領域の摺動面50およびこの摺動面
50に臨む受面57の接触面圧を低減させ、摺動面50
および受面57における斜板26の傾転時の部分的なか
じりまたは焼付きを防ぐことができるとともに、作動油
を潤滑油として用いることができ、斜板を滑らかに傾転
させることができる。
【0049】また、前記第2凹所はたとえば機械加工に
よって形成されるので、前記第2凹所60を容易に形成
することができ、手間がかからず、製造コストを低減す
ることができる。
【0050】前記第2凹所60は、斜板26が各傾転方
向D1,D2に傾転し、かつ斜板26の傾転角度αが比
較的小さいときに前記第1凹所52に連通し、斜板26
の摺動面50の傾転方向D2下流側の領域に臨んで開放
する一端面側第2凹所61と、斜板26が各傾転方向D
1,D2に傾転し、かつ斜板26の傾転角度αが比較的
大きいときに前記第1凹所52に連通し、斜板26の摺
動面50の傾転方向下流側の領域に臨んで開放する他端
面側第2凹所62とから成るので、斜板26の傾転角度
αが比較的小さいときには一端面側第2凹所61に作動
油を導いて、傾転方向D2下流側の油圧が作用する領域
を増加させて斜板26の作用する力を均衡させ、傾転時
に部分的なかじりまたは焼付きの生じやすい斜板26の
傾転方向上流側の領域の摺動面50と受面57との接触
面圧を低減することができ、斜板26の傾転角度αが比
較的大きいときには、他端面側第2凹所62に作動油を
導いて、傾転方向D1下流側の油圧が作用する領域を増
加させて斜板26に作用する力を均衡させ、傾転時に部
分的なかじりまたは焼付きが生じやすい斜板26の傾転
方向D1下流側の領域の摺動面50と受面57との接触
面圧を低減することができ、これによって斜板26の傾
転動作にかかわらず、一端面側および他端面側第2凹所
61,62に臨む摺動面50およびこの摺動面50に臨
む受面57における斜板26の傾転時における部分的な
かじりまたは焼付きを防ぐことができる。
【0051】他端面側第2凹所62の開口面積は一端面
側第2凹所61の開口面積よりも大きく選ばれるので、
斜板26が傾転角度αが比較的大きいときに他端面側第
2凹所62に臨む摺動面50に作用する油圧の合力P1
2を従来の油圧の合力P2よりも大きくすることがで
き、これによって押圧力の合力ΣFの反力R11を従来
の押圧力の合力ΣFの反力R1よりも小さくすることが
でき、斜板26が傾転したときに、特に部分的かじりま
たは焼付きが生じやすい傾転方向D1下流側の領域の摺
動面50と受面57との間の摩擦力を小さくして、摺動
面50および受面57における斜板26の傾転時の部分
的なかじりまたは焼付きを防ぐことができる。
【0052】一端面側および他端面側第2凹所61,6
2が吐出ポート35側の受面57に形成されるので、接
触面圧が高くなる側に大きな油圧の合力を作用させ、バ
ランスよく支持することができる。さらに吐出ポート3
5側の受面57に一端面側および他端面側第2凹所6
1,62を形成するので、加工の手間を少なくすること
ができる。
【0053】ピストン室31から吐出される作動油を第
1凹所49,50に導いているので、この作動油によっ
て得られる油圧の合力P11,P12,P13はピスト
ン23から作用する押圧力の合力ΣFに対応しており、
押圧力の合力ΣFに効率よく抗して斜板26を支持する
ことができる。
【0054】圧油供給口59は、吐出ポート35側の一
方の第1凹所52に臨んで開口しているので、圧力損失
ができるだけ小さい状態で作動油を他の第1凹所51よ
りも高い圧力で一方の第1凹所52に導くことができ、
作動油の圧力を効率よく利用することができる。
【0055】斜板式油圧ポンプ21を油圧モータとして
用いるときには、吐出路41側からシリンダブロック2
2の各ピストン室31に作動油を導いてシリンダブロッ
ク22を回転させる。このようにして作動油の圧力から
回転軸29を介して回転力を取出すことができる。
【0056】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、各ピス
トン室から吐出される一部の作動油は前記第1凹所に導
かれ、斜板が各傾転方向に傾転したときに第1凹所と第
2凹所とが連通して、吐出される作動油の一部が第2凹
所に導かれるので、摺動面と受面との間に作動油を積極
的に導いて、作動油の油圧が作用する領域を増加させ
て、吐出される作動油の一部を各傾転方向両端部付近の
領域まで導き、傾転時に部分的なかじりまたは焼付きが
生じやすい領域の摺動面および受面の接触面圧を低減さ
せ、摺動面および受面における斜板の傾転時の部分的か
じりまたは焼付きを防ぐことができるとともに、作動油
を潤滑油として用いることができ、斜板を滑らかに傾転
させることができる。
【0057】また、前記第2凹所は、たとえば機械加工
によって形成されるので、前記第2凹所を容易に形成す
ることができ、手間がかからず、製造コストを低減する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である斜板式油圧ポンプ
21の構成を簡略化して示す断面図である。
【図2】図1に示される斜板式油圧ポンプ21に備えら
れる斜板26を簡略化して示す正面図である。
【図3】図1に示される斜板式油圧ポンプ21に備えら
れる斜板支持台27を簡略化して示す正面図である。
【図4】図1に示される斜板式油圧ポンプ21に備えら
れるバルブプレート33を簡略化して示す正面図であ
る。
【図5】斜板26が斜板支持台27に支持された状態を
簡略化して示す図である。
【図6】斜板26の傾転角度αと接触面圧との関係を示
すグラフである。
【図7】従来の技術の斜板式油圧ポンプ20の断面図で
ある。
【図8】図7に示される斜板式ポンプ20に備えられる
斜板1を簡略化して示す正面図である。
【図9】図7に示される斜板式油圧ポンプ20に備えら
れる斜板支持台2を簡略化して示す正面図である。
【図10】斜板1が斜板支持台2に支持された状態を簡
略化して示す図である。
【符号の説明】
21 斜板式油圧ポンプ 22 シリンダブロック 23 ピストン 26 斜板 27 斜板支持台 31 ピストン室 39 案内面 49,50 摺動面 51,52 第1凹所 56,57 受面 60 第2凹所

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸線まわりに回転駆動され、周方向
    に間隔をあけて複数のピストン室が形成されるシリンダ
    ブロックと、シリンダブロックの各ピストン室に伸長方
    向および縮退方向に変位自在に収納される複数のピスト
    ンと、シリンダブロックの回転軸線に直交する傾転軸線
    まわりに傾転自在に設けられ、各ピストンをシリンダブ
    ロックの回転に伴って前記伸長方向および縮退方向に案
    内する案内面、および傾転軸線を中心とする直円筒面内
    に形成される摺動面を有する斜板と、斜板の摺動面が摺
    動自在に接触し、この斜板を前記傾転軸線まわりに傾転
    自在に支持する受面を有する斜板支持台とを含み、前記
    斜板には、斜板支持台の受面に臨んで開放し、各ピスト
    ン室から吐出される作動油の一部が導かれる第1凹所
    が、前記摺動面が形成される領域の傾転方向両端部間の
    中間部に形成される斜板油圧ポンプにおいて、 前記斜板支持台には、斜板が各傾転方向に傾転したと
    き、前記第1凹所に連通する第2凹所が第1凹所の各傾
    転方向両端面よりも各傾転方向下流側に延びて形成され
    ることを特徴とする斜板式油圧ポンプ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008072338A1 (ja) 2006-12-15 2008-06-19 Kabushiki Kaisha Kawasaki Precision Machinery 斜板式ピストンポンプ・モータ
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