JPH11507888A - 簡素化された補償体積を備えたブースタ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ふたつの空気圧力源を用い、かつ、気密の可動壁（４）で少なくともふたつの部屋（３ａ、３ｂ）に分割された剛性ケーシング（３）を包含している空気圧ブレーキブースタ装置に関し、この可動壁は、弁（７）の作動によってもたらされた圧力差で付勢されることが可能であり、この弁は、ピストンの内面（５１０）と共に、第２の部屋（３ｂ）に永久的に接続された補償体積（７４）の範囲を定める管状の遮断部材（７０）を包含している。本発明によれば、ふたつのシート（７１、７２）に面している弁（７）の遮断部材（７０）は、連続する気密面を表わし、そして、補償体積（７４）は、空気圧ピストン（５）の円筒状の壁（５１）のより大きな厚さの部分（Ｓ）の軸方向の穿設によって、第２の部屋（３ｂ）に接続される。

Description

【発明の詳細な説明】 簡素化された補償体積を備えたブースタ装置 本発明は、第１及び第２のそれぞれの、しかも異なる圧力を排出する第１及び 第２の空気圧力源を用いている空気圧ブレーキブースタ装置であって、この装置 が、剛性ケーシングと、剛性ケーシングを密封形態に少なくともふたつの部屋に 分割し、その第１の部屋が第１の圧力源に接続されている少なくともひとつの可 動壁と、可動壁に連結されかつケーシング内を密封形態でスライドする少なくと も部分的に円筒形の壁を表わしている空気圧ピストンと、空気圧ピストンの内側 をスライドできるように装備されたプランジャーと、第２の部屋をふたつの圧力 源のいずれか一方に選択的に接続するために、そして可動壁を圧力差に選択的に さらすためにプランジャーによって操作され、この弁が、管状の遮断部材と、プ ランジャーに連結された第１シート及び第１シートの外側でピストンに連結され た第２シートを含んでいるふたつの環状シートとを包含し、遮断部材が、プラン ジャーにより動作させられた時軸方向に移動できかつふたつのシートのいずれか 一方と相互作用することができる動作面を表わしている三方弁と、そして、ピス トンの壁の内面と遮断部材との間を気密形態で範囲を定められ、空気圧ピストン に形成されかつ第２シートに向けて接触させられた遮断部材の動作面によって第 １の部屋から分離された、永久的に第２の部屋と連通する補償体積と、を包含す る自動車用のブレーキブースタ装置に関する。 この型式の装置、特に米国特許ＵＳ ５ ２３３ ９０７号は、この分野の専 門家によく知られている。 この従来の装置は、ブースタ装置の第２の部屋に放出するか又は広がっている 圧力の、補償体積への不変の入口のおかげで弁のバランスを達成することの利点 を述べており、このことは、第２の部屋の内部圧力しだいである操作特性がブー スタ装置に表われることを回避する。 しかしながら、その広く賞賛された利益にもかかわらず、この従来装置は、そ れを生みだすために、補償体積の範囲を定める働きをする補助ピストンディスク の使用を必要とし、オリフィスがふたつのシートに面している弁の動作面に設け られるであろうことを当然と思い、何かがふたつのシートをクローザーと共にも たらすことの可能性を限定している。 本発明の目的は、少なくともこの従来のブースタ装置のものと全く同じ閉鎖の 性能レベルを有し、しかし実質的により簡単な構造を有するブースタ装置を提供 することにある。 この結果、本発明のブースタ装置は、本質的に、ふたつのシートに面している 弁の動作面が連続する気密面を表わし、そして、補償体積と第２の部屋との間の 通路が空気圧ピストンの円筒状の壁に直接穿設されたことを特徴とするものであ る。 性能を得るために、補償体積と第２の部屋との間の通路は、空気圧ピストンの 円筒状の壁のより大きな厚さの部分の軸方向の穿設よりなる。 本発明のさらなる特徴及び利点は、添付図面を参照し限定されることのない表 示例として以下に与えられたその記載から、明確に明らかとなるだろう。 図１は、非常に一般的なブースタ装置を用いた空気圧昇圧制動システムの断面 線図であり、上述した米国特許ＵＳ ５ ２３３ ９０７号に先行している。 図２は、本発明によるブースタ装置の部分断面線図である。 本発明が単に空気圧昇圧制動システムになされる改良に関するものであり、か つ、後の全般的な構成及び操作がそれらの当業者に公知である限りにおいて、こ のようなシステムは、単に本発明が述べる改良の完璧な理解を与えるために、こ こにすぐに思い起こされるだろう。 概略では、この型式のシステムは、ブースタ装置１とマスターシリンダ装置２ とを包含する。 このブースタ装置はそれ自体、少なくとも部分的に円筒状の壁５１によって部 分的に範囲を定められかつケーシング３に関して移動可能な空気圧ピストン５を 移動させることができる可動壁４で、密封形態にふたつの部屋３ａ及び３ｂに分 割された剛性ケーシング３を包含する。 その前面がマスターシリンダ装置によって密封形態に閉じられた前方室３ａは 、逆止弁６を介して低圧力源Ｄに不変に接続されている。 一方、後方室３ｂは、低圧力源Ｄ又はたとえば大気圧Ａのような高圧力源のい ずれか一方に選択的に接続できる。 この結果、後方室３ｂへの通路はピストン５の中に格納された三方弁７及びプ ランジャー８によって制御され、プランジャーは、操作ロッド１０を介してブレ ーキペダル９に連結されかつ弁７を制御している。 さらに、ブースタ装置は一般的に、空気圧ピストンの内側５０の、弁７のそし て後方室３ｂの大気圧Ａによるあらゆる汚染を妨げるために設計された浄化フィ ルタ１４を包含する。 操作ロッド１０がその休止位置にある時、この場合右側へ引張られ、弁７は通 常ブースタ装置のふたつの部屋３ａ、３ｂ間の連通を確立する。 後方室３ｂはその後、前方室３ａと同様の低圧にさらされるので、ピストン５ は、リターンスプリング１１によって休止位置へと右側へ押し戻される。 操作ロッド１０の移動（図の左側へ向けた）によるプランジャー８の作動は、 まず第１に、弁７の作動の結果部屋３ａ及び３ｂを互いに分離させ、そしてその 後、第２に、この弁が作動することによって後方室３ｂを大気圧Ａに開くという 効果を有する。 その後可動壁４が作用を受けるふたつの部屋間の圧力差は、後にそれを左へシ フトしかつそれがスプリング１１を押しながらシフト変化中のピストン５を移動 させることを許す傾向にある推力を及ぼす。 操作ロッド１０によってプランジャー８に及ぼされた制動力、あるいは「入力 」と、そして、可動壁４の推力の結果である制動昇圧力、あるいは「昇圧力」と は、プッシュロッド１３を介してマスターシリンダへ伝達される作動力を構成す るために、反動ディスク１２で合成される。 図１よりも詳細な図２に示されたように、実際に弁７は、それ自体が公知の方 法で、管状遮断部材７０とふたつの環状シート、すなわちプランジャー８に連結 された第１シート７１と第１シートの外側でピストン５に連結された第２シート ７２とを包含し、遮断部材７０は、プランジャーによって作動させられた時に軸 方向へ移動できかつふたつのシートのそれぞれと相互作用することができる動作 面７３を表している。 さらに、同じく公知の方法で、ブースタ装置は、ピストン５の壁の内面５１０ と遮断部材７０との間に密封形態で範囲を定められ、空気圧ピストン５に形成さ れかつ第２シート７２に向けて接触させられた遮断部材の動作面７３によって第 １の部屋３ａから分離された少なくともひとつの通路５２を通って第２の部屋３ ｂと永久的に連通している補償体積７４を包含する。 本発明によれば、ふたつのシート７１及び７２に面している弁７の動作面７３ が、図１に示された型式の、補償体積を有していないブースタ装置のように、連 続する気密面を表わし、そして、補償体積７４を第２の部屋３ｂに連結している 通路５２は、空気圧ピストン５の円筒状の壁５１に直接穿設されている。 図２が示すように、この通路５２は、好適には空気圧ブースタ５の円筒状の壁 ５１のより大きな厚さの部分Ｓの軸方向の穿設よりなる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 第１及び第２のそれぞれの、しかも異なる圧力を排出する第１及び第２の 空気圧力源（Ｄ、Ａ）を用いている空気圧ブレーキブースタ装置であって、この 装置が、 − 剛性ケーシング（３）と、 − 剛性ケーシングを密封形態に少なくともふたつの部屋（３ａ、３ｂ）に分 割し、その第１の部屋（３ａ）が第１の圧力源（Ｄ）に接続されている少なくと もひとつの可動壁（４）と、 − 可動壁に連結されかつケーシング内を密封形態でスライドする少なくとも 部分的に円筒形の壁（５１）を表わしている空気圧ピストン（５）と、 − 空気圧ピストンの内側をスライドできるように装備されたプランジャー（ ８）と、 − 第２の部屋（３ｂ）をふたつの圧力源（Ｄ、Ａ）のいずれか一方に選択的 に接続するために、そして可動壁（４）を圧力差に選択的にさらすためにプラン ジャーによって操作され、この弁が、管状の遮断部材（７０）と、プランジャー （８）に連結された第１シート（７１）及び第１シートの外側でピストン（５） に連結された第２シート（７２）を含んでいるふたつの環状シートとを包含し、 遮断部材（７０）が、プランジャー（８）により動作させられた時軸方向に移動 できかつふたつのシート（７１、７２）のいずれか一方と相互作用することがで きる動作面（７３）を表わしている三方弁（７）と、そして、 − ピストン（５）の壁（５１）の内面（５１０）と遮断部材（７０）との間 を気密形態で範囲を定められ、空気圧ピストン（５）に形成されかつ第２シート （７２）に向けて接触させられた遮断部材（７０）の動作面（７３）によって第 １の部屋（３ａ）から分離された、永久的に第２の部屋（３ｂ）と連通する補償 体積（７４）と、を包含するものにおいて、 ふたつのシート（７１、７２）に面している弁（７）の動作面（７３）が連続 する気密面を表わし、そして補償体積（７４）と第２の部屋（３ｂ）との間の通 路（５２）が空気圧ピストン（５）の円筒状の壁（５１）に直接穿設されたこと を特徴とする空気圧ブースタ装置。 ２． 補償体積（７４）と第２の部屋（５２）との間の通路（５２）が空気圧ピ ストン（５）の円筒状の壁（５１）のより大きな厚さの部分（Ｓ）の軸方向の穿 設よりなることを特徴とする請求項１記載のブースタ装置。