JPH11507539A - 真核生物における誘導的遺伝子発現のための自己制御性テトラサイクリン調節系 - Google Patents

真核生物における誘導的遺伝子発現のための自己制御性テトラサイクリン調節系

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JPH11507539A
JPH11507539A JP9502206A JP50220697A JPH11507539A JP H11507539 A JPH11507539 A JP H11507539A JP 9502206 A JP9502206 A JP 9502206A JP 50220697 A JP50220697 A JP 50220697A JP H11507539 A JPH11507539 A JP H11507539A
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Abstract

(57)【要約】 テトラサイクリン調節系であって、自己制御性誘導的遺伝子発現を培養細胞中およびトランスジェニック動物において提供するシステムが記載される。自己制御性フラスミドpTet-tTAkにおいて、tTAkと称される修飾tTA遺伝子がTetpの制御下に配置された。テトラサイクリンは、tTAがTetp-へ結合することを妨げ、tTAおよびルシフェラーゼ両者の発現を妨げる。この負のフィードバックサイクルにより、テトラサイクリンの存在下にtTAがほとんど生産されないかまたは全く生産されないことが保証され、これにより、考え得る毒性効果は低減または排除される。しかしながら、テトラサイクリンが除去されると、この戦略は、微量のtTAタンパク質(これは、おそらく最小プロモーターの漏れから生じるものであり得る)が、Tet-opに結合し、tTAk遺伝子の発現を促進するであろうことを予想させるものである、正のフィードフォーワードループが開始され、これにより次に、より高レベルのtTAの、よって、ルシフェラーゼの発現が導がれる。自己制御性システムをコードするポリヌクレオチド分子、および所望の遺伝子の発現を高めまたは低減させる方法、並びにこれらの方法を実施するためのキットが記載される。

Description

【発明の詳細な説明】 真核生物における誘導的遺伝子発現のための自己制御性テトラサイクリン調節系 発明の背景 米国国家の援助を受けた研究および開発のもとでなされた発明の権利に関する陳 述 本発明の開発中に行われた仕事の一部は、米国政府の資金を利用している。米 国政府は、本発明において一定の権利を有する。 発明の分野 本発明は、組換えDNA技術に関する。培養細胞およびトランスジェニック動 物において自己制御性誘導的遺伝子発現(autoregulatory inducible geneexpres sion)を引き起こす、テトラサイクリンにより調節される系を記載する。 関連技術 誘導的哺乳動物遺伝子発現のための系は、典型的には、基底漏出、誘導剤また は誘導処理の毒性または非特異的作用、限定された細胞型の適用性、低レベルの 発現のような限界に直面している(Yarranton,G.T.,Curr.Opin.Biotec h.3:506-511(1992)中で論評されている)。最近、Tn10のテトラサイクリン耐性 オペロンからの調節配列(tetO)の制御下に標的遺伝子を置くことにより、こ れらの難点の多くを克服する系が開示された(Gossen,M.およびBujard.H. ,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5547-5551(1992))。細菌では、この 短い配列には、テトラサイクリンリプレッサータンパク質(tetR)が強固に結 合し、この結合は、抗生物質テトラサイクリンにより遮断される(Hillen,W. およびWissmann,A.,Protein-Nucleic Acid Interaction,Topics in Molecular and Structural Biology,Saenger,W.およびHeinemann,U. 編,Macmillan,London(1989),pp.143-162)。ハイブリッド融合タンパク質 であるテトラサイクリントランスアクチベーター(tTA)は、tetO配列を含有 する最小プロモーターにtTAが結合すると、標的遺伝子の転写が活性化される ように、tetR DNA結合ドメインをVP-16の転写活性化ドメインと合体させ る。テトラサイクリンはtTAに結合して活性化を妨 げるが、これはおそらく、tetOにtTAが結合するのを遮断するtTAのtetR部 分にコンホメーション変化を引き起こすことによるものであろう(Hinrichs,W .ら,Science 264:418-420(1994))。テトラサイクリンを除去することにより 、遺伝子の活性化が得られる(Gossen,M.およびBujard,H.,Proc.Natl .Acad.Sci.USA 89:5547-5551(1992))。 この系の主な限界は、tTAタンパク質の発現が、たとえそれが中度であって も困難なことである(ウエスタンブロット法では検出不可能であり、ゲル電気泳 動移動シフトアッセイではほとんど検出できない(Gossen,M.およびBujard, H.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5547-5551(1992)))。Gossenおよ びBujardの推論によると、これは、VP16トランスアクチベータードメインに よる転写の「鎮圧(squelching)」(Gill,G.およびPtashne,M.,Nature( London)334:721-724(1988))によるものであり、これは、tTAタンパク質を 適度に発現する細胞でさえも死に至らしめる。これらの結果を、この系を用いる 誘導性ルシフェラーゼ導入遺伝子の見掛け上低レベルの発現の観察(Furth,P. A.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:9302-9306(1994))と組み合わせ ると、tTAの発現不全がこのような難点の一因となっていると示唆される。 発明の概要 tetOを含有するプロモーターの制御下にtTA遺伝子を置くことにより、高レ ベルのtTA発現を可能にする自己制御性tTA発現ベクターを作製する。この戦 略により、構成的な系(constitutive system)よりもはるかに高い効率を有する 高度に誘導可能なトランスフェクション化細胞の作製が可能となることが本明細 書において示されている。さらに、この戦略により、動物の飲料水中のテトラサ イクリン濃度を変えることによりルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を制御 できるトランスジェニックマウスの作製が可能となる。トランスアクチベーター タンパク質の自己制御性発現により、テトラサイクリン系は、誘導的哺乳動物遺 伝子発現が必要な多数の広範な課題に適用しうるものとなるはずである。 本発明の第1の実施態様は、テトラサイクリントランスアクチベーター融合タ ンパク質をコードするポリヌクレオチド分子を含んでなる組成物であって、該タ ンパク質が、原核性tetリプレッサーおよび真核性転写アクチベータータンパク 質を含み、該ポリヌクレオチド分子が、誘導性最小プロモーターに作動可能的に 結合しており(operably linked)、該プロモーターが、少なくとも1つのtetオペ レーター配列を含有することを特徴とする組成物に関する。テトラサイクリント ランスアクチベーター融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド分子のオー プンリーディングフレームは、翻訳開始のために最適な環境(contex)を付与する ために、その5'末端で修飾されている。本発明の好ましい実施態様では、それ は、HindIIIのような唯一の制限部位を付与するために修飾されている。本発明 の最も好ましい実施態様では、テトラサイクリントランスアクチベーター融合タ ンパク質をコードするポリヌクレオチド分子のオープンリーディングフレームは 、配列番号で識別されるオリグヌクレオチドをコードするように、その5'末端 で修飾されている。好ましい実施態様では、テトラサイクリントランスアクチベ ーター融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド分子は、DNAである。 本発明の第2の実施態様は、本発明のポリヌクレオチド分子を含有するクロー ニングベクターに関する。本発明の最も好ましい実施態様は、プラスミドpTet- SpliceおよびpTet-tTAKに関する。 本発明の第3の実施態様は、本発明のポリヌクレオチド分子でトランスフェク ションされた真核細胞に関する。好ましい実施態様では、該真核細胞は、前記誘 導性最小プロモーターに対するテトラサイクリントランスアクチベーター融合タ ンパク質の結合を抑制するために十分な量のテトラサイクリンを含有する。本発 明のもう1つの好ましい実施態様では、前記真核細胞はさらに、少なくとも1つ のtetオペレーター配列を含有する誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合 した異種タンパク質をコードするポリヌクレオチド分子でトランスフェクション されている。本発明の最も好ましい実施態様では、該ポリヌクレオチド分子の少 なくとも1つは、最小プロモーターおよび7個のtetオペレーター配列に作動可 能的に結合している。さらに好ましい実施態様では、テトラサイクリントランス アクチベーター融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド分子は、該異種タ ンパク質をコードするポリヌクレオチド分子の発現をテトラサイクリンの不存在 下で駆動するのに十分な量で発現される。もう1つの好ましい実施態様では、テ トラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質は、該異種タンパク質の 発現を駆動するのに十分な量で存在する。 本発明の第4の実施態様は、異種タンパク質の発現を減少または停止させる方 法であって、 (a) 真核細胞を、 (i) テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質をコードする 第1のポリヌクレオチド分子であって、該タンパク質が原核性tetリプレッサー および真核性転写アクチベータータンパク質を含み、該ポリヌクレオチド分子が 誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合しており、該プロモーターが少なく とも1つのtetオペレーター配列を含有する分子、 (ii) 異種タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチド分子であって、 該タンパク質が誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合しており、該プロモ ーターが少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有する分子により形質転換 することと、 (b) テトラサイクリンまたはテトラサイクリン類似体を含む培地中で該真核細 胞を培養することを含んでなる方法に関する。好ましい実施態様では、第2のポ リヌクレオチド分子は、最小プロモーターおよび7個のtetオペレーター配列に 作動可能的に結合している。 本発明の第5の実施態様は、異種タンパク質の発現を活性化または高める方法 であって、 (a) 真核細胞を、 (i) テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質をコードする 第1のポリヌクレオチド分子であって、該タンパク質が原核性tetリプレッサー および真核性転写アクチベータータンパク質を含み、該ポリヌクレオチド分子が 誘導性プロモーターに作動可能的に結合しており、該プロモーターが少なくとも 1つのtetオペレーター配列を含有する分子、 (ii) 異種タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチド分子であって、 該タンパク質が誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合しており、該プロモ ーターが少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有する分子により形質転換 することと、 (b) テトラサイクリンまたはテトラサイクリン類似体を欠く培地中で該真核細 胞を培養することを含んでなる方法に関する。 本発明の第6の実施態様は、少なくとも2つの収容手段を内部に密閉的に有す る担体手段を含んでなるキットであって、第1の収容手段が、テトラサイクリン トランスアクチベーター融合タンパク質をコードする第1のポリヌクレオチド分 子であって、該タンパク質が原核性tetリプレッサーおよび真核性転写アクチベ ータータンパク質を含み、該ポリヌクレオチド分子が誘導性最小プロモーターに 作動可能的に結合しており、該プロモーターは、少なくとも1つのtetオペレー ター配列を含有する分子を含有し、第2の収容手段が、前記誘導性最小プロモー ターであって、該プロモーターが少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有 し、該tetオペレーター配列がポリペプチドをコードする異種ポリヌクレオチド 配列に作動可能的に結合するよう効果的に(strategically)配置されるプロモー ターをコードする第2のポリヌクレオチド分子を含有することを特徴とするキッ トに関する。 本発明の第7の実施態様は、少なくとも2つの収容手段を内部に密閉的に有す る担体手段を含んでなるキットであって、第1の収容手段が、テトラサイクリン トランスアクチベーター融合タンパク質をコードする第1のポリヌクレオチド分 子であって、該タンパク質が原核性tetリプレッサーおよび真核性転写アクチベ ータータンパク質を含み、該ポリヌクレオチド分子が誘導性最小プロモーターに 作動可能的に結合しており、該プロモーターが少なくとも1つのtetオペレータ ー配列を含有する分子によりトランスフェクションされた真核細胞を含有し、第 2の収容手段が、誘導性最小プロモーターであって、該プロモーターが少なくと も1つのtetオペレーター配列を含有し、該tetオペレーター配列が異種ポリペプ チドをコードする異種ポリヌクレオチド配列に作動可能的に結合するよう効果的 に配置されるプロモーターを含む第2のポリヌクレオチド分子を含有することを 特徴とするキットに関する。 本発明で説明するポリヌクレオチド、および該ポリヌクレオチドを含有する細 胞系は、多種多様な遺伝子の発現を厳密かつ定量的に制御することを可能にする 研究手段である。これは、基礎研究および応用研究の広範な領域において重要 である。 本発明はまた、生産物(RNAまたはタンパク質)の合成がtet調節系により 制御される真核生産細胞系および株の構築に関する。これらの細胞系および株に より、発酵プロセスの間の一定の時点または時間枠(time window)内でタンパ ク質合成を誘導することが可能となる。この制御により、持続的に存在すれば細 胞に致死的となる遺伝子産物を大規模培養で合成するのが可能となる。あるいは 、種々の細胞の働き(cellular task)、調節および機能を達成するために使用さ れるRNA分子を産生することを所望する場合、該細胞を使用することにより、 RNA産生の誘導が可能となる。例えば、細胞に対して同種または異種のいずれ かの遺伝子の機能を抑制するためにRNAをアンチセンスオリゴヌクレオチド(o ligo)として使用する場合に、RNA産生の誘導を制御することができる。 本発明はまた、薬学的またはその他の商業的な価値がある化合物を同定するた めのスクリーニング系で使用することができる細胞系の構築に関する。そのよう な系では、長期的に存在すると(特に、高コピー数で存在する場合)しばしば細 胞傷害性となる受容体(例えば、GABAまたはエストロゲン受容体)など(こ れらに限定されるものではない)の標的分子の発現を、一時的かつ定量的に制御 することができる。 本発明はまた、単一の遺伝子の発現をtet調節系により外的に制御することが できるトランスジェニック動物の作製に関する。そのような遺伝子には、ヒト遺 伝子のうち、その発現、発現の欠如、または他の欠陥がヒト疾患に関与するもの が含まれる。そのようなトランスジェニック動物は、治療研究におけるヒト疾患 モデルとして、および薬学的に関心のある化合物をスクリーニングするためのヒ ト疾患モデルとして使用することができる。また本発明は、薬学的またはその他 の商業的な関心のある化合物を製造するためのトランスジェニック動物の作製に 関する。 この系のもう1つの重要な適用は、遺伝子発現の一時的な制御を可能とし、こ の場合、例えば、関心のある遺伝子を細胞、動物または植物中に導入して、該導 入遺伝子(transgene)内のある遺伝子の致死的な破壊を補償する。抑制または不 活性化されている遺伝子のコピーを導入する系を用いると、遺伝子の産生を停 止させ前記遺伝子の致死的な破壊を必要とする操作を行なうことが望ましい時ま で、細胞または植物または動物の成長および発育を可能にするために十分なタン パク質またはRNAを産生させることができる。 図面の簡単な説明 図1は、誘導的遺伝子発現の自己制御的戦略の概略図である。tTAの自己制 御性発現は、TATAボックスと転写開始部位(黒丸)とを含有する最小ヒトサ イトメガロウイルス(hCMV)プロモーター領域の上流のテトラサイクリンオ ペレーター配列(Tet-op;濃い陰影の付いた箱)の7個のコピーよりなるTetp の制御下にtTAk遺伝子(白の箱)を配置することにより、pTet-tTAkにおい て達成される。pUHC13-3のルシフェラーゼレポーター遺伝子(陰影の付いた 箱)も、Tetpプロモーターに制御される。tTAタンパク質は、該タンパク質の 2つのドメイン(DNA結合とトランス活性化のためのもの)を表す2つの隣接 する縞状の箱として示されている。テトラサイクリンの存在下(左パネル)では 、最小hCMVプロモーターの基礎活性により、非常に低レベルのtTAタンパク 質(小さなtTAアイコンとして表されている)の発現が生じるが、産生された すべてのtTAタンパク質は、Tet-opに対する結合から遮断される。したがって 、ルシフェラーゼおよびtTAの発現は共に、低レベルに維持される(細い短い 破線)。テトラサイクリンが除かれると(右パネル)、存在する少量のtTAが 、Tet-opに結合し、tTA遺伝子の発現を刺激する。tTAタンパク質が高レベ ルになるほど、より高レベルのtTAの発現、そしてより高レベルのルシフェラ ーゼの発現を刺激する(太い長い破線)。 図2Aおよび2Bは、NIH3T3繊維芽細胞における誘導可能なV(D)J組換 えを示す棒グラフである。 図2Aは、pcDNA-tTAkを含有するクローンの棒グラフ分析を示す(構成的 tTA発現)。17個の安定なトランスフェクション体クローン(S1-1からS1-17 )を誘導化し、V(D)J組換え基質とTetp制御性RAG-1およびRAG-2発現 ベクターとによる一過性コトランスフェクションによりV(D)J組換えを行なう 能力に関してアッセイする。「材料および方法」に記載されているとおり、増殖 培地中のテトラサイクリンの存在下(Tet+)および不存在下(Tet-)で平行ト ランスフェ クションを行い、V(D)J組換え頻度(%で表す)を測定した。また、比較のた めに、NIH3T3細胞において行なった以下の4つの対照アッセイを示す(最初 の2つのサンプル):テトラサイクリンの存在下および不存在下での、RAG-1 およびRAG-2の不存在下での該組換え基質のトランスフェクション、およびテ トラサイクリンの存在下および不存在下での構成的RAG発現ベクターによる該 組換え基質のコトランスフェクション。構成的hCMVプロモーターからRAG- 1およびRAG-2を発現させた場合には、テトラサイクリンはV(D)J組換え頻 度に影響を及ぼさなかった。テトラサイクリンを除くことにより得られた誘導の 倍率を、明らかに検出可能な組換えが認められた場合に棒の上に示す。 図2Bは、pTet-tTAkを含有するクローンの棒グラフ分析を示す(自己制御 性tTA発現)。10個の安定なトランスフェクション体クローン(S2-1からS2-10 )、およびpTet-tTAk、pTet-R1A/CおよびpTet-R2Aを含有する2つのク ローン(S4-9およびS4-5)を、前記のとおり、V(D)J組換えを行なう能力に関 してアッセイした。最初の2つのサンプルは、図2Aで記載したものと同じ対照 サンプルである。図2Aと図2Bとで、組換え頻度についての縦軸の目盛りが異 なっていることに注意すべきである。アステリスク(*)は、得られたアンピシ リン耐性コロニーが非常に少数であり算出組換え頻度に信頼性のない2つのTet +トランスフェクションを示す。そのため、これらのコロニーについての誘導倍 率は示していない。アンピシリン耐性コロニーの数は、これらの実験では少なか った(350〜55,550の範囲)。該細胞系のいくつかについての追加的なアッセイに 基き、本発明者らは、報告されている組換え頻度は、図2Aおよび図2Bの両方 において2倍も過大評価されていると推定している。 図3A、3Bおよび3Cは、誘導的自己制御系を用いて活性化されたmRNA およびタンパク質の発現の検出を示すRNAブロットおよびウエスタンブロット の写真である。 図3Aは、テトラサイクリンの存在下または不存在下で23時間培養されたS4- 9(pTet-tTAk、pTet-R1A/CおよびpTet-R2Aの安定なコトランスフェク ション体)、およびpTet-R1またはpTet-R2のいずれかにより一過性にトラン スフェクションされ、テトラサイクリンの存在下および不存在下で48時間培養さ れた S2-6(pTet-tTAkの安定なトランスフェクション体)からの全細胞RNAの RNAブロットの写真である。ブロットを、tTAK、RAG-1および/または RAG-2およびγ-アクチンmRNAを検出するプローブと順次ハイブリダイズさ せた。 図3Bは、テトラサイクリンの存在下または不存在下で48時間培養されたS2- 6細胞からの細胞抽出物のウエスタンブロットの写真である。ブロットを、tTA タンパク質を検出する抗tetR抗体含有ハイブリドーマ上清でプローブした。染 料先端が示されている。 図3Cは、飲料水中のテトラサイクリンの存在下または不存在下で7日間維持 されたpTet-tTAk/Tet-ルシフェラーゼトランスジェニックマウスの胸腺(T )および肺(L)からの全細胞RNAのブロットの写真である。各レーンに約20 μgのRNAをロードした。 図4は、トランスジェニックマウスの組織中の誘導ルシフェラーゼ活性を示す グラフである。値は、飲料水中のテトラサイクリンの存在下または不存在下で7 〜8日間維持された4〜7週齢のマウスからの組織ライゼート(lysate)中のタン パク質1mg当たりの相対光単位(rLU)(溶解緩衝液バックグラウンドを差し 引いている)を表す。白三角は、導入遺伝子陰性マウスであり、白丸は非誘導導 入遺伝子陽性マウスであり、黒丸は誘導された導入遺伝子陽性マウスである。マ ウスは、導入遺伝子に関して遺伝的に同一である。結果は、3つの独立した実験 をまとめたものである。 図5は、トランスフェクションされた繊維芽細胞系においてpTet-tTAkがル シフェラーゼ活性の発現を誘導する能力を示すグラフである。pUHC13-3を、p Tet-tTAkまたはpcDNA-tTAkのいずれかと共にNIH3T3繊維芽細胞中に コトランスフェクションし、48時間後に該細胞を収穫し、該抽出物中に存在する ルシフェラーゼ光単位を測定した。pTet-tTAkのトランスフェクションはテト ラサイクリン(tet)の存在下および不存在下で行ない、一方、pcDNA-tTAkの トランスフェクションはtetの不存在下のみで行なった。トランスフェクション 効率に関してルシフェラーゼ値が補正されていないことに注意することが重要で ある。さらに、用いた条件下では、pcDNA-tTAkは細胞内で複製するが、pT et-tTAkは複製しないであろう。したがって、pTet-tTAkとpcDNA-tTAk とで得られた 値を比較することは、無意味である。 図6は、S2-6細胞におけるテトラサイクリン不存在下での16日目のtTAタン パク質の喪失を示すオートラジオグラフの写真である。図6は、培養されたS2- 6およびS2-1細胞系からの細胞抽出物のウエスタンブロットの写真である。第1 レーン:マーカータンパク質(バンドは見えない);第2および第3レーン:tet の不存在下で16日間成長させたS2-6細胞;第4および第5レーン:0.5μg/mltet の存在下で16日間成長させたS2-6細胞;第6レーン:0.5μg/ml tetの存在下で 16日間成長させたS2-1細胞;および第7レーン:tetの不存在下で2日間成長さ せたS2-6細胞。tTAタンパク質のシグナルは、tetの不存在下で2日間成長さ せたS2-6細胞で認められるが、tetの不存在下で16日間培養された同じ細胞では 認められない。レーン2〜7の底部で認められるバンド(「タンパク質先端」) は、染料先端であり、非特異的シグナルを表す。 図7は、pCMV-tTA、pcDNAI-neoおよびpcDNA-tTAkの概略図であ る。 図8は、pTet-SpliceおよびpTet-tTAkの構成の概略図である。 図9は、pTet-Spliceの制限地図を表す。クローニング部位は、肉太の印刷 で示す。EcoRI部位が2つあることに注意すべきである。 図9B〜9Gは、pTet-Spliceのヌクレオチド配列(配列番号)を示す。 図10Aは、pTet-tTAkの制限地図を示す。 図10B〜10Gは、pTet-tTAkのヌクレオチドおよび部分アミノ酸配列(配列 番号)を示す。 図11Aは、pUHD15-1の制限地図を示す。 図11B〜11Fは、pUHD15-1のヌクレオチドおよび部分アミノ酸配列を示す 。 図12Aは、pUHC-13-3の制限地図を示す。 図12B〜12Fは、pUHC-13-3のヌクレオチドおよび部分アミノ酸配列(配列 番号)を示す。 好ましい実施態様の詳細な説明 テトラサイクリンリプレッサーのDNA結合ドメインとVP16の転写活性化ド メインとよりなるトランスアクチベーター融合タンパク質(tTA)の構成的発現( constitutive expression)に依存するテトラサイクリン調節誘導的遺伝子発現の ための系が、最近記載された(引用によりその全体を本明細書に取り込む米国特 許出願第08/076,726号;Gossen,M.およびBujard,H.,Proc.Natl.Aca d.Sci.USA 89:5547-5551(1992))。この系は、低レベルのトランスアクチ ベータータンパク質を与えるにすぎないが、これはおそらく、tTAが毒性であ るためであろう。この難点を避けるために、tTAが結合する誘導性プロモータ ーの制御下にtTA遺伝子を置いて、tTA自体の発現を誘導可能かつ自己制御性 とした。 該自己制御系は、組換え活性化遺伝子RAG-1およびRAG-2の発現を駆動す るために使用されると、実質的により高レベルのV(D)J組換え活性(平均で70 倍)およびはるかに高い割合のトランスフェクション化細胞(自己制御性90%対 構造性18%)における誘導的発現の両方を与える。さらに、この系により、ルシ フェラーゼ導入遺伝子の発現が、調べたほとんどの組織で基底レベルの数十倍〜 数百倍で誘導された誘導性トランスジェニックマウスが作製された。発現の誘導 レベルは、胸腺および肺で最高であり、構成的な系で作製された既に報告されて いる誘導性ルシフェラーゼトランスジェニックマウスにおけるものよりも実質的 に高いと考えられる。この修飾された系を用いて、誘導性トランスアクチベータ ーmRNAおよびタンパク質が、RNAおよびウエスタンブロット法により細胞 系で容易に検出され、トランスアクチベーターmRNAが、トランスジェニック マウスのいくつかの組織においてRNAブロット法により検出された。この自己 制御系は、培養細胞およびトランスジェニック動物の双方におけるテトラサイク リン調節遺伝子発現のための改良された戦略の一例である。 前記のとおり、最近記載された誘導的テトラサイクリン発現系(Gossen,M .およびBujard,H.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5547-5551(199 2))は、完全に機能的なヒトサイトメガロウイルス(hCMV)プロモーターか らのtTA遺伝子および誘導性プロモーターTetpの制御下のルシフェラーゼレポ ーター遺伝子の構成的発現に依存する。この系では、テトラサイクリンは、ルシ フェラーゼ遺伝子発現の活性化を妨げるが、tTAタンパク質が細胞に対して潜 在的な悪影響を及ぼすことを妨げない(Gill,G.およびPtashne,M.,Natur e(London)334:721-724(1988))。 したがって、自己制御性プラスミドpTet-tTAkでは、tTAkと称される修飾 さ れたtTA遺伝子を、Tetpの制御下に置いた(図1)。テトラサイクリンは、tT AがTetpに結合することを妨げ、tTAおよびルシフェラーゼの両方の発現を妨 げる。この負のフィードバックサイクルは、テトラサイクリンの存在下ではtT Aがほとんど又は全く産生されず、そのため、考えうる毒性作用が抑制または除 去されることを保証するものである。しかしながら、この戦略では、テトラサイ クリンが除去された場合、微量のtTAタンパク質(これは最小プロモーターの 漏出から生じうる)がTet-opに結合し、tTAk遺伝子の発現が刺激されると予 想される。正のフィードフォーワードループが開始すると、今度は、tTAの、 そしてルシフェラーゼーのより高レベルの発現につながる(図1)。tTAの構成 的発現の場合には、hCMVプロモーターおよびそれに続くtTA転写物のRNA スプライシングおよびポリアデニル化を指令する追加的配列の制御下にtTAk遺 伝子を置いた。また、このプラスミド(pcDNA-tTAk)には、哺乳動物細胞 中のプラスミドの選択を可能とするneo遺伝子が含まれる。 本発明は、真核細胞において、200〜3700倍を超える個々の遺伝子の発現の調 節を可能とする自己制御性制御系に関する。この系は、例えば、大腸菌(E.coli )のTn10(HillenおよびWissmann,“Topics in Molecular and Structural Biology”Protein-Nucleic Acid Interaction,SaegerおよびHeinemann 編,Macmillan,London,1989,Vol.10,pp.143-162)(この場合、耐性媒介 遺伝子の転写は、テトラサイクリンリプレッサー(tetR)により負に調節され る)などのテトラサイクリン耐性オペロンの調節要素に基く。テトラサイクリン またはテトラサイクリン類似体の存在下では、tetRは、オペロンのプロモータ ー領域内に位置するそのオペレーターに結合せず、転写が可能となる。真核生物 において転写を活性化しうるタンパク質ドメイン、例えば(i)酸性ドメイン(例え ば、HSVからのVP16のC末端ドメイン(Triezenbergら,Genes Dev.2:7 18-729(1988))または遺伝的手段により同定され実験的に決定された非真核性酸 性ドメイン(GinigerおよびPtashne,Nature 330:670-672(1987)))または(i i)プロリンに富むドメイン(例えば、CTF/NF-1(Mermodら,Cell 58:741 -753(1989))のもの)または(ii)セリン/トレオニンに富むドメイン(例えば、 Oct-2(TanakaおよびHerr,Cell 60:375-386(1990))のもの)または(iv) グルタミンに富むドメイン(例えば、 Sp1(CoureyおよびTjian,Cell 55:867-898(1988))のもの)とtetRとを組 み合わせることにより、テトラサイクリンオペレーター(tetO)配列と融合し た最小プロモーターを刺激するハイブリッドトランスアクチベーターが得られる 。これらのプロモーターは、テトラサイクリンにより制御されるトランスアクチ ベーター(tTA)がtetO配列に結合することを妨げる低濃度のテトラサイクリ ンの存在下では、実質的に沈黙している。 tetRのオペレーター配列に対するtetRの特異性(HillenおよびWissmann, “Topics in Molecular and Structural Biology”,Protein-Nucleic Ac id Interaction,SaegerおよびHeinemann編,Macmillan,London,1989, Vol.10,pp.143-162)およびtetRに対するテトラサイクリンの高い親和性(Tak ahashiら,J.Mol.Biol.187:341-348(1986))および十分研究されているテ トラサイクリンの化学的および生理的特性は、lacR/O/IPTG系よりもはる かに優れた、真核細胞における自己制御性誘導的発現系の基礎を構成する。 特に、本発明は、tetリプレッサー(tetR)と真核生物において転写を活性化 しうるタンパク質ドメインとを含むトランスアクチベーター融合タンパク質をコ ードする第1のポリヌクレオチド分子であって、少なくとも1つのtetオペレー ター配列を含有する誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合している第1の ポリヌクレオチド分子に関する。tetRをコードするポリヌクレオチドは、Post leら,Nucl.Acids Res.12:4849-4863(1984)(その内容の全体を引用によ り本明細書に取り込むものとする)に従い得ることができる。他のtetR配列お よびこれらのリプレッサーのそれぞれの結合部位が、同定されており(Watersら ,Nucl.Acids Res.11:6089-6105(1983); Postleら,Nucl.Acids Res .12:4849-4863(1984); Ungerら,Gene 31:103-108(1984); Ungerら,Nucl .Acids Res.12:7693-7703(1984); Tovarら,Mol.Gen.Genet.215:76- 80(1988); 比較および概観のためには、HillenおよびWissmann,Protein-Nu cleic Acid Interaction,Topics in Molecular and Structural Biology ,SaengerおよびHeinemann(編),Macmillan,London,Vol.10,pp.143-1 62(1989)を参照されたし)、記載されている発現系に使用することができる。 真核生物における強力な転写トランスアクチベーターであることが知られて いるタンパク質HSV-16の負に荷電したC末端ドメインをコードするポリヌク レオチドは、Triezenbergら,Genes Dev.2:718-729(1988)(その内容の全 体を引用により本明細書に取り込むものとする)に従い得ることができる。好ま しくは、該活性化ドメインには、ビリオンタンパク質16のC末端の130アミノ酸 が含まれる。 連結のための平滑末端化または付着末端化末端、適当な末端を得るための制限 酵素消化、適宜行なう付着末端のフィルイン(filling)、望ましくない結合を避 けるためのアルカリホスファターゼ処理、および適当なリガーゼによる連結など を含む従来の技術により、tetRをコードするポリヌクレオチド分子を、HSV- 16の活性化ドメインをコードするポリヌクレオチド分子に結合させ、そしてベク ターDNAと再結合させることができる。 tetO配列は、例えば、HillenおよびWissmann,“Topics in Molecular an d Structural Biology”,Protein-Nucleic Acid Interaction,Saeger およびHeinemann編,Macmillan,London,1989,Vol.10,pp.143-162(そ の内容の全体を引用により本明細書に取り込むものとする)に従い得てもよい。 本発明を実施するにおいて使用しうる他のtetO配列は、以下に記載する文献か ら入手することができる(Watersら,Nucl.Acids Res.11:6089-6105(1983) ; Postleら,Nucl.Acids Res.12:4849-4863(1984); Ungerら,Gene 31: 103-108(1984); Ungerら,Nucl.Acids Res.12:7693-7703(1984); Tovar ら,Mol.Gen.Genet.215:76-80(1988); 比較および概観のためには、Hill enおよびWissmann,Protein-Nucleic Acid Interaction,Topics in Mol ecular and Structural Biology,SaengerおよびHeinemann(編),Macmilla n,London,Vol.10,pp.143-162(1989)を参照されたし(それらの開示の全体 を引用により本明細書に取り込むものとする))。tetオペレーター配列の1、2 、3、4、5、6、7、8、9または10個またはそれを超えるコピーを使用する ことができ、そのような配列の数が多いほど、調節範囲を高めることができる。 tetオペレーター配列の複数のコピーは、異種タンパク質の発現を制御する能力 に対して相乗効果をもたらす。 サイトメガロウイルスプロモーターを特定するポリヌクレオチド配列は、Bos hartら,Cell 41:521-530(1985)(その内容の全体を引用により本明細書に取 り込むものとする)に従い得ることができる。好ましくは、該プロモーター−エ ンハンサーの+75〜−53位または+75〜−31位を使用し得る。該プロモーターの後 にはポリリンカー、ついでテトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパ ク質をコードする遺伝子が続き得る。 本発明はまた、真核生物において遺伝子発現を誘導するための自己制御性テト ラサイクリン調節系であって、第2のポリヌクレオチド分子が該宿主中に導入さ れる自己制御性テトラサイクリン調節系に関する。該第2のポリヌクレオチド分 子は、関心のあるタンパク質をコードしており、該ポリヌクレオチドは、少なく とも1つのtetオペレーター(tetO)配列に作動可能的に結合した最小プロモー ターに作動可能的に結合している。少なくとも1つのtetO配列に結合した最小 プロモーターは、第1のポリヌクレオチド分子に関して前記したとおりに得られ る。第1のポリヌクレオチド分子と第2のポリヌクレオチド分子との違いは、該 プロモーターの後にポリリンカー、ついで関心のあるタンパク質をコードする遺 伝子が続き得る点にある。該調節系の作動能を示すために、ルシフェラーゼ遺伝 子または他のレポーター遺伝子を使用することができるが、本発明はそのように 限定されることを意図するものではない。 本発明はさらに、発生および分化過程ならびに代謝経路(細胞の機能および伝 達を確保するもの)に関与する同種および異種遺伝子に関する。本発明はさらに 、免疫グロブリン、細胞骨格成分、細胞接着タンパク質、受容体、サイトカイン ペプチドホルモン、および酵素など(これらに限定されるものではない)の商業 的に関心のある物質の製造に使用される細胞系に関する。 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド分子によりトランスフェクションさ れた真核細胞に関する。特に、本発明は、 (a) 原核性tetリプレッサーと真核生物において転写を活性化しうるタンパク 質とを含むトランスアクチベーター融合タンパク質をコードする第1のポリヌク レオチド分子であって、該第1のポリヌクレオチド分子が最小プロモーターおよ び少なくとも1つのtetオペレーター配列に作動可能的に結合している分子、お よび (b) タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチド分子であって、該第2 のポリヌクレオチド分子が最小プロモーターおよび少なくとも1つのtetオペレ ーター配列に作動可能的に結合している分子によりトランスフェクションされた 真核細胞に関する。 その2つのポリヌクレオチド分子は、同じまたは別々のベクター上に位置し得 る。好ましい実施態様では、第1のポリヌクレオチドを、真核細胞またはトラン スジェニック動物の染色体に組込み、第2のポリヌクレオチドを、ベクターの一 部として導入する。組込みは、入ってくるポリヌクレオチドと特定のゲノムとの 間で共有される相同性領域で乗換えがある場合に行い得る。 そのようなトランスフェクション化真核細胞からの異種タンパク質の発現は、 厳密に調節し得る。意外なことに、構成的発現系を使用した場合に認められる50 〜100倍を超える増加と比較すると、本発明の自己制御性発現系を使用すると、2 00〜3700倍を超える発現を誘導しうることが確認された。さらに、本発明の発現 系により、異種遺伝子の発現のスイッチを可逆的に迅速に開閉することが可能と なることが見出された。さらに、本発明の発現系により、テトラサイクリンまた はテトラサイクリン類似体の使用量に応じて所望のレベルの発現を達成すること が可能となることが見出された。このように、本発明の自己制御性発現系は、当 該分野における大きな進歩である。 本発明はまた、ポリヌクレオチドにコードされるタンパク質の発現を減少また は停止(不活性化)する方法であって、本発明のトランスフェクションされた真 核細胞を、テトラサイクリンまたはテトラサイクリン類似体を含む培地中で培養 することを含んでなる方法に関する。培地中のテトラサイクリンまたはテトラサ イクリン類似体の濃度を注意深く制御することにより、発現の程度を厳密に制御 することが可能である。ポリペプチド(ルシフェラーゼ)発現の減少は、わずか 0.0001μg/mlのテトラサイクリンで生じ始めるであろう。約0.1〜1.0μg/mlで、 該発現は本質的に停止する。発現レベルの調節に使用することができるテトラサ イクリンまたはテトラサイクリン類似体の濃度は、約0.0001〜約1μg/mlの範囲 であり得る。 本発明はまた、ポリヌクレオチドにコードされるタンパク質の発現を作動させ る(活性化する)または増加させる方法であって、テトラサイクリンまたはテ トラサイクリン類似体を欠く培地中で、本発明の真核細胞を培養することを含ん でなる方法に関する。 本発明の実施において使用し得る培地には、本発明のトランスフェクションさ れた真核細胞に適合するいずれもの培地が含まれる。そのような培地は、商業的 に入手可能である(Gibco/BRL)。 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド分子の1または2を含んでなるトラ ンスジェニック動物に関する。そのようなトランスジェニック動物は、例えば、 受精卵中に該ポリヌクレオチドを注入し、それを成体動物に発生させることによ り入手し得る。特に、数百個のDNA分子を1細胞受精卵の前核中に注入する。 ついで、微量注入された卵を、偽妊娠した仮母の卵管に移し、発生させる。Bri nsterら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:4438-4442(1985)(その内容 の全体を引用により本明細書に取り込むものとする)では、発生するマウスの約 25%が、微量注入されたDNAの1以上のコピーを受け継ぐと報告されている。 あるいは、該トランスジェニック動物は、Gosslerら,Proc.Natl.Acad. Sci.USA 83:9065-9069(1986)(その内容の全体を引用により本明細書に取 り込むものとする)に記載されているとおりに、導入遺伝子を作製するために組 換えES細胞を使用することにより入手し得る。前記の少なくとも1つのTet-o p配列の転写制御下のtetR/転写アクチベータードメイン融合タンパク質をコー ドする遺伝子および/またはこの調節タンパク質の制御下の遺伝子が導入されて いる動物は、例えば、その2つのポリヌクレオチド分子の共注入により作製する ことができる。あるいは、記載されているポリヌクレオチドの1つのみが導入さ れている別々の動物系統を第1の行程で作製することができる: (i) 該トランスアクチベーターに制御されるべき所望の異種タンパク質をコー ドする遺伝子のみが導入されている動物を、所望の不活性化発現レベルに関して 選別することができる。これには、所望の、一般には、低レベルの基底発現を示 す組込み部位に関して選別することが容易な、最小プロモーターに依存性のtet R/転写アクチベータードメイン融合タンパク質の転写制御下のレポーター遺伝 子(例えば、cat、luc、lacZ)が導入されている指示動物が含まれる。都合が よければ、これらの実験的に決定された遺伝子座を相同的組換えアプローチ (Mansourら,Nature 336:348-352(1988))で引き続き使用し、それにより、 該レポーター遺伝子を、既に分析されている組込み部位で、関心のあるそれぞれ の遺伝子と置換する。 (ii) tetR/転写アクチベータードメイン融合タンパク質をコードする遺伝子 のみが導入された動物は、該調節タンパク質の所望の発現パターンに関して分析 することができる。 ついで、その2つの補完的なトランスジェニック動物系統を交配することによ り、所望のダブルトランスジェニック動物が得られる。 定義 以下の説明では、組換えDNA技術において使用される多数の用語を頻繁に使 用する。そのような用語が表す範囲などの本明細書および請求の範囲の理解が明 確で一貫したものとなるよう、以下にそれらの定義を記載する。 発現:発現は、ポリペプチドが構造遺伝子から産生されるプロセスである。こ のプロセスには、該遺伝子からmRNAへの転写、およびそのようなmRNAから ポリペプチド(単数または複数)への翻訳が含まれる。 自己制御性発現ベクター:それは、本明細書で記載する本発明を意味する。tT Akと称される修飾されたtTA遺伝子を、Tetpの制御下に置く(図1)。テトラ サイクリンは、tTAがTetpに結合することを妨げ、それにより、tTAの、そ して所望のタンパク質の両方の発現を妨げる(例えば、図1におけるルシフェラ ーゼ)。この負のフィードバックサイクルは、テトラサイクリンの存在下ではtT Aがほとんど又は全く産生されず、そのため、考えうる毒性作用が抑制または除 去されることを保証するものである。しかしながら、この戦略においては、テト ラサイクリンが除かれると、微量のtTAタンパク質(これは最小プロモーター の漏出から生じうる)がTet-opに結合し、tTAk遺伝子の発現が刺激されると 予想される。正のフィードフォーワードループが開始すると、今度は、tTAの 、そしてルシフェラーゼーのより高レベルの発現につながる(図1)。 翻訳開始のための最適な環境:これは、ATGメチオニン開始コドンおよびフ ランキングヌクレオチド(Kozak,M.,Cell 44:283-292(1986)で定義されて いるとおり)よりなる。該配列は、CC(AまたはG)CCATGG(該開始コド ンを太字 で示している)である。この配列は、翻訳装置による最も効率的な翻訳開始を付 与する。 プロモーター:転写開始部位付近に位置する、遺伝子の5'領域として一般に 記載されるDNA配列。隣接遺伝子の転写は、プロモーター領域で開始する。プ ロモーターが誘導性プロモーターの場合、転写速度は、誘導剤に応答して増加す る。これに対し、プロモーターが構成的プロモーターの場合は、転写速度は、誘 導剤により調節されない。 誘導性最小プロモーター:それは、他の調節要素と一緒になって転写を開始し うるプロモーター配列からの核酸の最小数を意味する。最小プロモーターは、転 写開始部位を最低限度で定めるが、それ自体は、たとえあったとしても、転写を 効率的に開始することができない。そのような最小プロモーターの活性は、作動 可能的に結合する結合部位へのアクチベーター(例えば、テトラサイクリンによ り制御されるトランスアクチベーター)の結合により左右される。 V(D)J組換え:それは、組換えにおいて使用される可変(V)、多様性(D)お よび連関(joining)(J)遺伝子セグメントに関してそのように称され、限られた 量の遺伝情報から、発生中のリンパ球がそれらの莫大な範囲の結合特異性を生成 し始めるプロセスである。発生中のリンパ球においては、7つの異なる遺伝子座 (B細胞ではμ、κおよびλ、そしてT細胞ではα、β、γおよびδ)の組み合 わせとなることが公知である。(再検討のためには、BlackwellおよびAlt(1988 ),Immunoglobulin genes,In Molecular Immunology,HamesおよびGlove r編(Washington,D.C.: IRL Press),pp.1-60; DavisおよびBjorkman ,Nature 334:395-402(1988);Raulet,D.H.,Annu.Rev.Immunol.7:175 -207(1989)を参照されたし)。 RAG-1およびRAG-2:RAG-1(組換え活性化遺伝子−1)およびRAG -2は、成熟中のリンパ球内で共発現される遺伝子である。V(D)J組換えおよび リンパ球発生のためには、両遺伝子の発現が絶対に必要である。RAG-1とRA G-2とが一緒に繊維芽細胞中へトランスフェクションされると、それらはV(D) J組換え活性を誘導する。RAG-1およびRAG-2遺伝子は、脊椎動物のゲノム 中に互いに隣接して存在し、無関係なタンパク質をコードする。RAG-1および RAG-2は共に、 V(D)J組換えを行なう種の間で保存されており、それらの発現パターンは、V (D)J組換え活性のものと厳密に相関する。 始祖(founder):それは、もとの(第1世代の)トランスジェニック動物、す なわち、受精卵のゲノムを操作し、その卵を偽妊娠動物中に移植することにより 作製された、導入遺伝子を担持する動物である。 オペレーター:それは、隣接するプロモーターで転写が開始することを妨げる ために、リプレッサータンパク質が結合するDNA上の部位である。 オペロン:それは、調節遺伝子産物により認識されるDNA中の構造遺伝子お よび制御要素を含む、細菌の遺伝子発現および調節の単位である。 リプレッサー:それは、DNA上のオペレーターまたはRNAに結合して、そ れぞれ転写または翻訳を妨げるタンパク質である。 抑制:ある酵素の産物が存在する場合、その酵素の合成を妨げる生物の能力で ある。より一般的には、DNA(またはmRNA)上の特異的部位に対するリプ レッサータンパク質の結合による転写(翻訳)の阻害を意味する。 オープンリーディングフレーム(ORF):それは、アミノ酸に対する一連の トリプレットコードを含有し、終結コドンは含まない。配列は、タンパク質へ( 潜在的に)翻訳されうる。 異種タンパク質:それが存在する特定の宿主生物内で天然には生じないタンパ ク質である。 唯一の制限部位:制限酵素に認識される核酸上の部位が単一に存在することを 意味する。 テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質:ハイブリッド融合 タンパク質であるテトラサイクリントランスアクチベーター(tTA)は、tetR DNA結合ドメインとVP16の転写活性化ドメインとを合体させ、それにより、 tetO配列を含有する最小プロモーターにtTAが結合すると、該標的遺伝子の転 写が活性化される。テトラサイクリンがtTAに結合すると活性化を妨げるのは 、おそらく、tTAがtetOに結合するのを遮断するtTAのtetR部分のコンホメ ーション変化を引き起こすことによるものであろう(Hinrichs,Wら,Science 264:418-420(1994))。テトラサイクリンを除くことにより、遺伝子の活性化が 得られる(Gossen,M.およびBujard,H.,Proc.Natl.Acad.Sci.US A 89:5547-5551(1992))。 ドメイン:タンパク質のドメインは、特定の機能に対応しうるアミノ酸配列の 別個の連続的部分である。 クローニングベクター:宿主細胞中で自律複製能を有し、1つまたは少数の制 限エンドヌクレアーゼ認識部位により特徴づけられるプラスミドまたはファージ DNΛまたは他のDNA配列であり、該制限エンドヌクレアーゼ認識部位におい て、そのようなDNA配列を、該ベクターの本質的な生物機能を失うことなく決 定可能な態様で切断し得、該制限エンドヌクレアーゼ認識部位中へ、DNA断片 を挿入(splice)して、その複製およびクローニングを引き起こしてもよい。該ク ローニングベクターは、それにより形質転換された細胞の同定に使用するのに適 したマーカーをさらに含有していてもよい。 発現ベクター:クローニングベクターに類似しているが、その中へクローニン グされた遺伝子の発現を宿主中への形質転換の後で高め得るベクター。そのクロ ーニングされた遺伝子は、通常、ある制御配列(例えば、プロモーター配列)の 制御下に置かれる(すなわち、その配列に作動可能的に結合している)。プロモ ーター配列は、構成的または誘導的のいずれであってもよい。 真核細胞:本発明では、真核細胞は、酵母、植物細胞、昆虫細胞、例えばシュ ナイダーおよびSf9細胞;哺乳動物細胞、例えばリンパ系およびHeLa細胞(ヒ ト)、NIH3T3および胚幹細胞(マウス)およびRK13(ウサギ)細胞を含む (これらに限定されるものではない)いずれもの真核生物の細胞であり得る。 組換え真核宿主:本発明では、組換え真核宿主は、発現ベクターまたはクロー ニングベクター上に本発明のポリヌクレオチド分子を含有するいずれもの真核細 胞であり得る。この用語は、その生物の染色体、ゲノムまたはエピソーム中に所 望のポリヌクレオチド分子を含有するよう遺伝的に操作されている真核細胞をも 包含する意である。したがって、組換え真核宿主細胞は、タンパク質を安定発現 または一過性発現する能力を有する。 組換えベクター:本発明のポリヌクレオチド分子を含有するいずれものクロー ニングベクターまたは発現ベクター。 宿主:複製可能なベクターの受容細胞であるいずれもの原核または真核細胞。 本発明で使用する「宿主」なる語には、その染色体またはゲノム上に所望の遺伝 子(単数または複数)を含有するよう、よく知られている技術により遺伝的に操 作することができる原核または真核細胞をも含まれる。そのような宿主の具体例 に関しては、Sambrookら,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,第 2版,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New Yo rk(1989)を参照されたし。 遺伝子:ポリペプチドへ翻訳されずRNAとして機能するRNA分子(例えば 、リボソーム遺伝子)を含む、ポリペプチドまたはRNA分子を発現させるのに 必要な情報を含有するDNA配列。 構造遺伝子:メッセンジャーRNA(mRNA)に転写されるDNA配列。該m RNAはついで、特定のポリペプチドに特徴的なアミノ酸配列へ翻訳される。 ポリヌクレオチド分子:ポリヌクレオチド分子は、ポリデオキシリボ核酸分子 (DNA)またはポリリボ核酸分子(RNA)であり得る。 相補的DNA(cDNA):「相補的DNA」または「cDNA」遺伝子には、 mRNAの逆転写により合成され、介在配列(イントロン)が除去されている組 換え遺伝子が含まれる。 断片:ポリペプチドまたはポリヌクレオチド分子の「断片」は、その分子のい ずれものポリペプチドまたはポリヌクレオチドのサブセットを意味する。 テトラサイクリン類似体:「テトラサイクリン類似体」は、テトラサイクリン と密接に関連しており、少なくとも約106-1のKaでtetリプレッサーと結合す る多数の化合物のいずれか1つである。好ましくは、テトラサイクリン類似体は 、約109-1以上(例えば、1011-1)の親和性で結合する。そのようなテトラ サイクリン類似体としては、例えば、HlavkaおよびBoothe,“The Tetracycl ines”,Handbook of Experimental Pharmacology 78,R.K.Blackwoodら( 編),Springer-Verlag,Berlin-New York,1985; L.A.Mitscher,“Th e Chemistry of the Tetracycline Antibiotics”,Medicinal Reseach 9, Dekker,New York,1978; Noyee Development Corporation,“Tetracycl ine Manufacturing Processes”,Chemical Process Reviews,Park Ridg e,N.J.,2 volumes,1969; R.C. Evans,“The Technology of the Tetracyclines”,Biochemical Referenc e Series 1,Quadrangle Press,New York,1968; およびH.F.Dowling ,“Tetracycline”,Antibiotics Monographs,no.3,Medical Encycloped ia,New York,1955(これらそれぞれの内容の全体を引用により本明細書に取 り込むものとする)に開示されているもの(これらに限定されるものではない) などが挙げられる。 培養細胞にける構成的発現系と自己制御性誘導的発現系との比較 pcDNA-tTAkおよびpTet-tTAkがルシフェラーゼ活性の高レベルの発現 を指令し、pTet-tTAkにより指令される発現が誘導可能であることを確認した 後(図5を参照されたし)、これらのプラスミドの機能特性(組換え活性化遺伝子 RAG-1およびRAG-2によりコードされる高レベルのタンパク質を発現する能 力)を、より厳密なアッセイで比較した(Schatz,D.G.ら,Cell 59:1035-104 8(1989); Oettinger,M.A.ら,Science 248:1517-1523(1990))。リンパ系の 発生の間に、RAG-1およびRAG-2は、可変(V)、多様性(D)および連関(J) 遺伝子セグメント成分から機能的免疫グロブリンおよびT細胞受容体遺伝子が集 合する(V(D)J組換えとして公知の過程である)ことに関与する。ここで記載 する実験で最も重要なのは、RAG-1およびRAG-2が、非リンパ系細胞におい てV(D)Jリコンビナーゼを活性化するために必要かつ十分であり(Schatz,D .G.ら,Annu.Rev.Immunol.10:359-383(1992)で論評されている)、V(D) Jリコンビナーゼの活性が、染色体外組換え基質を用いて定量的にアッセイでき ることである(Hesse,J.E.ら,Cell 49:775-783(1987))。 種々のプロモーターを使用してNIH3T3繊維芽細胞においてRAG-1および RAG-2を発現するために広範な努力がなされているが、標準的な染色体外組換 え基質を用いてアッセイした場合に数パーセントを超える組換え頻度(Rn)を 得るのは困難であることが示されている(Sadofskyら,Nuc.Acids.Res.22 :1805-1809(1994); Sadofskyら,Nuc.Acids.Res.21:5644-5650(1993); CuomoおよびOettinger,Nuc.Acids.Res.22:1810-1814(1994))。他の研 究者らにより開発された高力価のRAGレトロウイルスのみが、再現性よく10% ものRnを獲得する能力を示している(Silver,D.P.ら,Proc.Natl.Acad .Sci.USA 90:6100-6104(1993))。しかしながら、明らかなことは、Rnが 、少なくとも3 桁を超えるオーダーでRAG発現レベルと強く相関しているということである(0 .01%がら10%を優に超えるRn;Oltz,E.M.ら,Mol.Cell.Biol.13(10 ):6223-6230(1993))。したがって、V(D)Jリコンビナーゼの活性により測定さ れるRAGタンパク質の発現能は、該タンパク質の発現に伴う難点と該アッセイ の感度および範囲の両方故に、誘導的発現系の適当な指標となる。 pcDNA-tTAk(17個のクローン)またはpTet-tTAk(10個のクローン) により安定にトランスフェクションされたNIH3T3繊維芽細胞クローンを、組 換え基質およびTetp調節RAG-1およびRAG-2による一過性トランスフェク ションの後にV(D)J組換えを行なう能力に関して試験した。各クローンを、テ トラサイクリンの存在下(非誘導状態)または不存在下(誘導状態)で平行して アッセイし、その結果を、RAG-1またはRAG-2を欠く(図2Aおよび2Bの 最初のサンプル)か又は非常に活性な構成的なRAG発現構築物(この場合、R AG発現はhCMVプロモーターにより駆動される;図2Aおよび2Bの2番目 のサンプル)を含有する対照トランスフェクションと比較した。さらに、pTet- tTAkおよびTetp調節RAG発現ベクターにより安定にトランスフェクション された2つのNIH3T3クローンを、テトラサイクリンの存在下または不存在下 での組換え基質の一過性トランスフェクション(図2Bの最後の2つのサンプル )によりアッセイした。 該自己制御性発現系(pTet-tTAk)は、構成的発現系(pcDNA-tTAk) を越える実質的な改良を表す。17個のpcDNA-tTAkトランスフェクション体 のうちの3個(18%)だけが、明らかに検出可能なレベルのV(D)J組換えを有 しており(図2A)、組換えの最高レベル(クローンS1-17)は、構成的に活性な RAG発現ベクターを用いる陽性対照で認められるものの3倍である(第2サン プル;図2A)。テトラサイクリンを除くと、これらの3つクローン(S1-12、 S1-13、S1-17)において、50〜100倍を超える組換えが誘導された。これに対 して、10個のpTet-tTAkトランスフェクション体のうちの9個(90%)(図2B )で、高レベルの組換えが示され(図2Aと図2Bとで目盛りが異なることに注 意されたし)、最高レベル(S2-1での28%)は、該陽性対照(図2B、第2サン プル)よりも約50倍高かった。これらの9個のクローンにおける誘導能は非常に 優れており、 200〜3700倍を超える範囲であった。pTet-tTAkおよびTetp調節RAGプラス ミドにより安定にトランスフェクションされたクローンにおいて得られた、認め られた組換え頻度は同等に高かった(S4-9およびS4-5;図2Bの最後の2つの サンプル)。 pTet-tTAkトランスフェクション体S2-6およびpTet-tTAk+pTet-R1A /C+pTet-R2Aトランスフェクション体S4-9のさらなる特徴づけから、高レベ ルのV(D)Jリコンビナーゼ活性を誘導する能力が再現性あるものであり、組換 えが0.01μg/mlテトラサイクリンで3倍、0.1μg/mlテトラサイクリンで20倍減 少することが示された。10日以内に50%を超える細胞死が認められ、検出可能な tTAタンパク質の喪失が3週間までにテトラサイクリンの不存在下で培養され たS2-6細胞においてみられた(図6)。 図3Aは、tTAを安定に発現する誘導細胞系ならびにRAG-1および/また はRAG-2を安定にまたは一過性に発現する誘導細胞系において、tTAk並びに RAG-1およびRAG-2遺伝子に対応するmRNAが検出されることを示す。図 3Bは、テトラサイクリンの除去により48時間誘導されたS2-6細胞において、t TAタンパク質がウエスタンブロット法により容易に検出可能であることを示す 。 誘導性トランスジェニックマウスの作製 自己制御性テトラサイクリン系をトランスジェニックマウスで使用できる可能 性を評価するために、pTet-tTAkpおよびUHC13-3の関連部分を精製し、受 精卵に同時微量注入し、ついでそれを偽妊娠雌マウスに移植した。5匹の導入遺 伝子陽性の始祖を、3〜18日間テトラサイクリンを除去されたマウスからの末梢 血単核細胞(PBMC)中のルシフェラーゼレベルを測定することにより、誘導 能に関して選別した。3匹の始祖(#17、#19および#20)は、誘導後に高レベ ルのルシフェラーゼ活性を示し、それは、同じ実験で導入遺伝子陰性マウスから のPBMCの抽出物で得られたものの70〜900倍であった(表1)。始祖#11は漏 出性であり、#12は、PBMCにおいて誘導性ルシフェラーゼを示さなかった。 種々の始祖における導入遺伝子の誘導能および漏出の多様性は、その組込まれた 導入遺伝子の組込み部位および/または構造から生じると推定される。PBMC におけるルシフェラーゼ発現または漏出のレベルと、該導入遺伝子のコ ピー数との間に、明らかな相関性はなかった。特に重要なのは、テトラサイクリ ン不存在下で前もって7日間誘導した後、テトラサイクリンを含有する水をマウ ス#20に再び18日間与えたところ、ルシフェラーゼレベルが実質的にバックグラ ウンドにまで低下したことであり、このことは、導入遺伝子の誘導が可逆的であ ることを示すものである(表1)。導入遺伝子の生殖細胞系伝達は、始祖#17と# 20とからは達成されたが、#19からは達成されなかった。 aサザンブロット法から推定された、pTet-tTAおよびpUHC13-3(pTet-lu c)z導入遺伝子のおよそのコピー数。 b値は、示されている日数だけテトラサイクリンを除いたマウスからのPBM Csの細胞抽出物で測定した、106個の細胞当たりの光単位(溶解緩衝液バックグ ラウンドが差し引かれている)を表す。括弧内の値は、同じ日に行なったアッセ イにおける導入遺伝子陰性マウスからの細胞抽出物の場合に対する、ルシフェラ ーゼ活性の増加または減少倍率である。 7日*は、飲料水のテトラサイクリンを7日間除き、ついでそれを18日間戻し たマウスからの細胞抽出物で測定されたルシフェラーゼ活性を示す。 トランスジェニックマウスにおけるルシフェラーゼの誘導能をより注意深く分 析するために、始祖#17および#20(C57B1/6と戻し交雑した)の第2または 第3世代の導入遺伝子陽性の子孫の種々の組織および器官から、7または8日間 テトラサイクリンを除き、テトラサイクリン上で維持された導入遺伝子が同一の 陽 性子孫と比較した。図4および表2に示すとおり、マウス#51(始祖#17からの もの)の子孫は、調べたすべての器官においてルシフェラーゼ活性を示した。ル シフェラーゼ活性のレベルは、組織により実質的に異なっており、発現は、胸腺 および肺で一貫して高く、肝臓および腎臓で低かった。誘導は、精巣における2 倍から胸腺における150倍までの範囲であった。また、テトラサイクリンの不存 在下で発生した導入遺伝子陽性マウスの17日の胎児脳および肝臓において、ルシ フェラーゼ活性(105〜4×106rLU/mgタンパク質)が検出された。さらに、テ トラサイクリンの不存在下で発生し、妊娠から3.5ヶ月まで維持された導入遺伝 子陽性マウスは、最適レベルのルシフェラーゼを発現し続け、正常と思われた。 また、始祖#20からの子孫は、胸腺および肺において、最高レベルの誘導性ルシ フェラーゼ活性を示し、一方、ルシフェラーゼの誘導能および組織分布は、始祖 #17の子孫の場合よりも限られていた。テトラサイクリンを除いた後、マウス# 51の子孫からの胸腺および肺において、tTA mRNAレベルが明らかに誘導さ れることが、ノーザンブロット法から示された(図3C)。6ヶ月までの間テトラ サイクリンを除かれたマウスは、健康に見えたが、これは、tTAタンパク質の インビボでの誘導が、無毒性であり、致死性でないことを示すものである。また 、誘導マウスからの胸腺においては、mRNAが、ルシフェラーゼ遺伝子に特異 的なプローブとハイブリダイズすることが認められた。 /a この平均値は、図4に示す実験からのデーターと合致する。各群のマウスの 数を括弧内に示す。各組識についての誘導の平均倍率を示す。値は、溶解緩衝液 バックグラウンド(130rLU〜180rLU)を差し引いたrLU/mgタンパク質を示 す。 ここに記載される自己制御系(pTet-tTAk)は、培養細胞における構成的発 現戦略(pcDNA-tTAk)を越える実質的な改良を表すが、これはおそらく、 それが、非誘導状態のトランスアクチベーターの毒性作用を妨げ、誘導後により 高レベルのトランスアクチベーターを許容するためであろう。構成的発現の戦略 は、以下の2点で、それほど効果的ではない:何らかの発現を与えるクローンの フラクション(fraction)はより少なく(18%対90%)、誘導されたV(D)Jリコン ビナーゼレベルは、はるかに低い(すべてのクローンにわたる平均で、70倍を超 える)。その2つの系による遺伝子発現の誘導の速度論は、比較しうるものであ ると考えられる。自己制御系による予備実験では、トランスアクチベーターmR NAの強力な発現が、誘導の12時間後に認められ、これは、構成的系の24時間の 時点で認められるタンパク質発現の最適レベルと一致する(Gossen,M.および Bujard,H.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5547-5551(1992))。pT et-tTAkの安定なトランスフェクションにより、後続する一過性または安定な トランスフェクションにより種々の遺伝子を誘導的に発現しうるアクチベーター 細胞系の容易な誘導化(derivation)が可能となるはずである。 重金属イオンまたは芳香族炭化水素により活性化された遺伝子を使用して誘導 性トランスジェニックマウスを作製するためのこれまでの試みは、漏出、比較的 低レベルの誘導、限定された組織特異性、および誘導剤の毒性または発癌性によ り妨げられている(Jones,S.N.ら,Nucl.Acids Res.19(23):6547-6551(1 991); Goodnow,C.C.ら,Nature 342:385-391(1989); およびYarranton, G.T.,Curr.Opin.Biotech.3:506-511(1992)で論評されている)。誘導性 トランスジェニックマウスを作製するために、構成的テトラサイクリン系が使用 されており(Furth,P.A.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:9302-9 306(1994))、これは、これまでの これらのアプローチの難点のいくつかを回避するものである。同等感度のルシフ ェラーゼ測定法を使用するとすると、該自己制御系は、およそ2桁倍大きなルシ フェラーゼ活性を、胸腺(該構成系での最大1.1×104rLU/mgタンパク質対該自 己制御系での2.5×106rLU/mgタンパク質)および肺(該構成系での最大1.5×1 03rLU/mgタンパク質対該自己制御系での1.7×105rLU/mgタンパク質)におい て与える。該自己制御系のさらなる利点は、胸腺におけるルシフェラーゼ活性の より大きな誘導(150倍対67倍)、および該非修飾系で活性をほとんど又は全く 示さない組織(例えば、肺、腎臓および脳)における容易に検出可能なレベルの ルシフェラーゼ活性にあると考えられる。さらに、胸腺、脾臓およびリンパ腺に おいて活性が検出されるため、この系は免疫系の研究に特に適しているであろう 。受精後にテトラサイクリンの不存在下に維持されたルシフェラーゼを発現する 成体トランスジェニックマウスからのヘマトキサリン/エオシン染色組織切片で は、脾構造のひどい破壊は認められなかった。非修飾系で認められるとおり、漏 出は胸腺では構成系よりも自己制御系において高いが、組織によって異なる。 ルシフェラーゼタンパク質標準との比較により、胸腺で認められたルシフェラ ーゼ活性は、1細胞当たり平均約30分子のルシフェラーゼに相当する。しかしな がら、いずれのフラクションの細胞がルシフェラーゼ活性を発現するか、あるい は、発現細胞間において発現レベルがどのように異なるのかについては知られて いない。この系におけるtTA発現の誘導は、tTA導入遺伝子の低レベルの漏出 に左右されるため、個々の細胞型および分化段階の転写プロフィールによって誘 導能が異なると予想される。したがって、ルシフェラーゼタンパク質の1細胞当 たりの計算は、個々の細胞で誘導された実際のレベルを過少表示している。 これらの結果は、Tetpに制御されるレポーター導入遺伝子からの高度に誘導 可能で可逆的な発現を、pTet-tTAk構築物を使用することにより得ることがで きることを示し、テトラサイクリンおよびこれらの導入遺伝子の存在下で、マウ スが正常に発生できることを示唆し、テトラサイクリンの除去による誘導は、該 マウス、その繁殖能力または胎児発生に対する明らかな悪影響に全くつながらな いことを示唆する。したがって、tTAタンパク質のインビボでの潜在的な毒性 は、 重要な問題ではあり得ない。誘導されたマウスは、テトラサイクリン除去の3.5 ヶ月後においても依然として最適レベルのルシフェラーゼを発現し、テトラサイ クリンの不存在下でも少なくとも6ヶ月は生存可能なままであり、このことは、 導入遺伝子発現が許容され(torelate)、ダウンレギュレーションされないことを 示唆するものである。 該pTet-tTAk系は、いずれもの所望する遺伝子(単数または複数)の発現を 誘導的に指令する能力を有するはずである。この発現系は、トランスフェクショ ンされた細胞およびインビボでの遺伝子機能の研究、治療剤の試験のための疾患 モデルの作製、および哺乳動物生物の発生の理解のための検討に広範に適用可能 であるはずである。それは、それを用いなければ非常に毒性で該生物が発生の間 許容できない遺伝子の調節的トランスジェニック発現を可能とするのに特に有用 であろう。 実施例 以下の実施例は、本発明のある好ましい実施態様をさらに例示するものであり 、本発明を何ら限定するものではない。 材料および方法 プラスミド構築物の詳細: プラスミドpUHC13-3(GossenおよびBujard,Proc.Natl.Acad.Sci .USA:89:5547-5551(1992)に記載されている)は、5157塩基対のサイズであ り、診断的制限消化に使用しうる3個のEcoRI制限部位(454、667および4036 位)を有する。該プラスミドは、以下の3個の主要断片よりなる:(1)colE1 複製起点、Tn2661(HincII部位およびPstI部位が除去されている)のPbla/ p3 を有するβ−ラクタマーゼ耐性遺伝子を含むpBR322配列;(2)7量体化し たtetオペレーターを上流に有するhCMV最小プロモーター(開始部位に対して −53)を有する調節領域;および(3)pSV-2-luc(de Wetら,Mol.Cell .Biol.7:725-37(1987))からの3'フランキング領域を有するルシフェラーゼ 遺伝子。pUHC13-3の地図に関しては図12Aを、pUHC13-3の配列に関しては 図12B〜12Fを参照されたし。 pUHD15-1(図11を参照されたし)(GossenおよびBujard,Proc.Natl. Acad. Sci.USA:89:5547-5551(1992))のEcoRI部位とXbaI部位との間の配列 を、二本鎖オリゴヌクレオチド(その配列は図7の右上部に示されている)で置 換して、pCMV-tTAkを作製した(工程1)。該挿入配列は、該tTA遺伝子に 、翻訳開始のための最適な環境を付与し(Kozac,M.,Nuc.Acids Res.12: 857-872(1984))、tTAタンパク質(2位のアラニン)中にアミノ酸を挿入し、 そして後続のクローニング工程のための唯一のHindIII部位を付与する。この修 飾されたtTA遺伝子は、本明細書では、tTAkと称される。ついで、tTAk遺 伝子を含有するpCMV-tTAkのHindIIIからBamHIまでの断片を、pcDNA I-neo(Invitrogen Corporation)のHindIIIからBamHIまでの部位内にク ローニングして、pcDNA-tTAkを作製する(図7の工程2)。 プラスミドpTet-tTAkは、tTAk(コンセンサスなコザック翻訳開始部位が 挿入されているtTA遺伝子に関して本明細書で使用する略称)と称される修飾 されたtTA遺伝子を、pUHC-13-3(GossenおよびBujard,Proc.Natl. Acad.Sci.USA:89:5547-5551(1992))のTetプロモーターの制御下に置く 。したがって、該構築物は、自己制御性である。 まず、SV40スプライスおよびポリA部位を有するベクター中にpUHC13-3 のTetプロモーターを有するベクターを構築し、ついで該Tetプロモーターと該 スプライス/ポリAとの間にtTAkを挿入することにより、pTet-tTAkを構築 した。SV40介在配列は、スモールT抗原[MboI(0.56mu=4100)からMboI (0.44mu=4710)]に由来する。SV40ポリA配列は、BclI(0.19mu=2770)か らEcoRI(0mu=1782)までのSV40であり、初期ポリアデニル化配列およびS V40後期領域の3'末端配列を含有する(与えられている同等物はSV40について のものである)。該スプライス領域のすぐ上流には、細菌CAT遺伝子(非翻訳 配列)の3'末端に由来する125bpがある:これらの配列は何ら悪影響を及ぼさな いと考えられ、それらが便利な制限部位を付与するというだけの理由で含めるこ ととした。pTet-tTAkの地図に関しては図10Aを、pTet-tTAkの配列に関し ては図10B〜10Gを参照されたし。 pTet-tTAk、pSplice-PAの構築のための開始プラスミドは、EcoRI部 位のクレノウフィルインの後でXbaIリンカーを連結することにより、pHAV- CAT(Jones ら,Nuc.Acids Res.19:6547-6551(1991))のScaIからEcoRIまでの断 片をpBKSII+(Stratagene)のXbaI部位中に挿入することにより構築した 。図8に示すとおり、pSplice-PAプラスミドは、スモールT抗原に由来する SV40介在配列およびSV40初期ポリアデニル化配列を含有する。最小ヒトサイ トメガロウイルス(hCMV)プロモーターの上流のtetオペレーターの7個のコ ピーを含有するpUHC13-3(GossenおよびBujard,Proc.Natl.Acad.S ci.USA:89:5547-5551(1992))のXhoIからSalIまでの断片を、pSplice- PAのユニークXhoI部位中にクローニングして、pTet-Spliceを得た(図8 、工程1)。このtetオペレーター含有プロモーターを、本明細書では、Tetpと 称する。pTet-Spliceは、関心のある遺伝子をTetp配列と該スプライス/ポリ A配列との間へ容易に挿入するための多数の唯一の制限部位を含有する。pTet- Spliceの地図に関しては図9Aを、pTet-Spliceの配列に関しては図9B〜9 Gを参照されたし。ついで、tTAk遺伝子を含有するpCMV-tTAkのHindIII からBamHI(クレノウで平滑化)までの断片を、pTet-SpliceのHindIIIか らEcoRVまでの部位中にクローニングして、pTet-tTAkを得た(図8、工程 2)。 これらの実験で使用されるTetpに制御されるマウスRAG-1発現構築物は、p R1A/Cのコード領域をBamHI(クレノウで平滑化)からXbaIまでの断片と してpTet-SpliceのEcoRVからSpeIまでの部位中に挿入して、pTet-R1/ Cを得ることにより構築した。しかしながら、RAG-1をコードする核酸分子は 、当該分野で公知の方法を用いて化学的に合成することができるし、あるいはい ずれもの他の起源から単離することができる。RAG-1の完全な配列に関しては 、Schatz,D.G.ら,Cell 59:1035-1048(1989)を参照されたし。pR1A/Cの RAG-1コード領域は、アミノ酸2〜89およびアミノ酸1009〜1040の欠失、第2 コドンの直後への6個のヒスチジンの付加、該ヒスチジンの直後へのアラニンお よびセリンコドンの挿入によるNheI部位の導入、およびAUG開始コドンを囲 む(surround)コンセンサス翻訳開始環境の付加により、完全長のマウスRAG-1 と比べて改変されている。RAG-1のこの欠失突然変異体は、完全長マウスRA G-1よりも有意に大きなV(D)Jリコンビナーゼ活性を有する。 本明細書において使用するテトラサイクリン制御性マウスRAG-2発現構築物 は、pR2A-CDM8のXholからXbalまでの断片をpTet-SpliceのSalIから SpeIまでの部位中に挿入してpTet-R2Aを得ることにより構築した。しかし ながら、RAG-2をコードする核酸分子は、当該分野で公知の方法を用いて化学 的に合成することができるし、あるいはいずれかの他の入手可能な起源から単離 することができる。RAG-2の完全な配列に関しては、1992年10月27日付け発行 の米国特許第5,159,066号またはOettinger,M.A.ら,Science 248:1517-152 3(1990)を参照されたし。pR2A-CDM8のRAG-2コード領域は、アミノ酸492 〜527のC末端欠失、AUG開始コドンを囲むコンセンサス翻訳開始環境の付加 、および2位におけるアラニンコドンの挿入により、完全長のマウスRAG-2に 対して改変されている。このRAG-2突然変異体は、完全長マウスRAG-2より もある程度高いV(D)Jリコンビナーゼ活性を有する。 実施例1:プラスミドの構築 tTAオープンリーディングフレーム(ORF)を含有するpUHD15-1(Gossen ,M.およびBujard,H.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA:89:5547-5551 (1992))のEcoRI-BamHI断片を、翻訳開始のための最適環境を付与する30bp オリゴヌクレオチド(配列番号)(Kozak,M.,Nucl.Acids Res.12:857- 872(1984))および後続のクローニングのための唯一のHindIII部位の付加によ り、その5'末端で修飾した。その付加されたヌクレオチドは、図7の右上部に 示されているものである。付加されたヌクレオチドの数は、EcoRIおよびXba I酵素部位のヌクレオチドを計数するか否かで異なる。単純化のために、該OR Fの修飾された5'末端を、本明細書では、30bpオリゴと称することにする。以 下、該修飾tTA遺伝子をtTAkと称する。HindIII-BamHI tTAk断片を、p cDNAI-neo(Invitrogen Corporation)のHindIII-BamHI部位中にクロー ニングして、pcDNA-tTAkを得る。pcDNAーtTAkでは、tTAk遺伝子は、 ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)の前初期遺伝子(immediate early gene) のエンハンサーおよびプロモーター配列の転写制御下にある。プラスミドpSpli ce-PAは、SV40スモールT抗原介在配列およびSV40初期ポリアデニル化配 列(pHAV-CAT(Jones,S.N.ら,Nucl.Acids Res.19:6547-6551(19 91))からのもの)をpBKSII+(Stratagene)中に挿入することにより構築し た。最小プロモーター(以下、Tetpと称する)の上流のtetオ ペレーターの7個のコピーを含有するpUHC13-3(Gossen,M.およびBujard ,H.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA:89:5547-5551(1992))のXhoI-Sal I断片を、pSplice-PAのスプライス/ポリA配列の上流にクローニングして 、pTet-Spliceを得た。tTAk遺伝子を、pTet-Splice中にクローニングして pTet-tTAkを得、該転写開始部位をtTAkAUGの143bp上流に置いた(図1 )。 Tetp制御性マウスRAG-1発現構築物(pTet-R1A/C)は、pR1A/Cのコ ード領域をpTet-Splice中に挿入することにより構築した。pR1A/CのRAG -1コード領域は、V(D)Jリコンビナーゼ活性の少なくとも2倍の増加(すなわ ち、VDJが、R1A/CによりR1Aに対して、そしてR2AによりR2に対して の2倍増加)を引き起こす小さなNおよびC末端欠失により、完全長マウスRA G-1と比べて改変されている。該Tetp制御性マウスRAG-2発現構築物(pTet -R2A)は、pR2A-CDM8のコード領域をpTet-Splice中に挿入することに より構築した。このRAG-2コード領域は、V(D)Jリコンビナーゼ活性の小さ な増加を引き起こす小さなC末端欠失により、完全長マウスRAG-2に対して改 変されている。pTet-R1およびpTet-R2は、pTet-splice部位中に挿入されて いるそれぞれ完全なRAG-1およびRAG-2のORFよりなる。 実施例2:トランスフェクションされた細胞系の細胞培養および誘導化 既に記載されているとおりに(Schatz,D.G.ら,Cell 59:1035-1048(1989) )、10μgの線状化プラスミドを0.5×106個のNIH3T3繊維芽細胞中にリン酸カ ルシウム/グリセロールショックでトランスフェクションし、トランスフェクシ ョンの48時間後に0.75mg/ml G418および0.5μg/mlテトラサイクリン中で細胞を プレーティングすることにより、pcDNA-tTAkの安定なトランスフェクショ ン体を作製した。12日後に拾い上げた単一のコロニーを、0.5mg/ml G418、0.5 μg/mlテトラサイクリン中で成長させた。 10μgの各線状化プラスミドを1μgの線状化pSV2-Hisと共にトランスフェ クションし、ついで、L−ヒスチジノールを含有するがヒスチジンを欠く培地中 で選択する(既に記載されているとおりに行なった(Schatz,D.G.ら,Cell 59:1035-1048(1989)))ことにより、pTet-tTAk単独のあるいはpTet-tTAkと pTet-R1A/CとpTet-R2Aとの安定なトランスフェクション体を作製した。 トラ ンスフェクションされた細胞は、トランスフェクションの開始時から0.5μg/ml テトラサイクリンの存在下で維持した。 実施例3:V(D)Jリコンビナーゼ活性のアッセイ 他の研究者により記載されているとおりに(Lewis,S.M.およびHesse,J. E.,EMBO J.10(12):3631-3639(1991))、染色体外レポータープラスミドp D243(シグナルジョイント(joint)欠失基質)を使用してV(D)Jリコンビナ ーゼ活性を測定した。簡単に言えば、NIH3T繊維芽細胞系を、リン酸カルシ ウム/グリセロールショックトランスフェクション法により、10μgのpD243を 用いて、および示されている場合には6μgのpTet-R1A/Cおよび4.8μgのpT et-R2Aを用いてトランスフェクションした。「tet-」と示されているサンプル では、トランスフェクション後に該細胞培養からテトラサイクリンを除いた。他 の場合(「tet+」)には、0.5μg/mlテトラサイクリンを含有する培地中に細胞を 維持した。トランスフェクションの48時間後に該細胞の急速アルカリ溶解により 染色体外プラスミド分子を収穫し、その単離されたDNAの小さなアリコートを MC1061細菌中にエレクトロポレーションした。そのエレクトロポレーションさ れた細菌を、100μg/mlアンピシリン(A)を含有するLB寒天平板上および11 μg/mlクロラムフェニコールおよび100μg/mlアンピシリン(CA)を含有する 平板上に広げた。37℃で16時間増殖させた後、CA耐性コロニーの総数をA耐性 コロニーの総数で割り100倍することにより、組換えの割合(%)(Rn)を算出 した。トランスフェクションの48時間後にNIH3T3繊維芽細胞から収穫された プラスミドの99%よりも多くが、少なくとも1回複製しており(DpnIによる消 化に対する抵抗性により示される)、このことは、収穫されたプラスミド分子の 実質的にすべてが、トランスフェクションされた細胞の核内に入り、したがって 組換えに利用(accessible)されたと考えられることを示すものである(Lieber M.R.ら,Genes and Devel.1:751-761(1987))。 実施例4:RNAブロット分析 全細胞RNAを1〜1.2%アガロース/ホルムアルデヒドゲル中で電気泳動し た後、ナイロン膜(Zetabind,CUNOまたはGenescreen Plus,NEN)へ ブロッティングし、ついで、ランダムヘキサマー標識キット(Boehringer Man nheim) を用いて調製されたDNAプローブとハイブリダイズさせた。RAG-1およびR AG-2のmRNAを検出するプローブを、それぞれRAG-1またはRAG-2コー ド領域の断片から調製した(Schatz,D.G.ら,Cell 59:1035-1048(1989); Oettinger,M.A.ら,Science 248:1517-1523(1990))。アクチンのためのプ ローブは、既に記載されている(Schatz,D.G.ら,Cell 59:1035-1048(1989) )。 実施例5:ウエスタンブロット分析 1レーン当たり1.5×107個の細胞からのタンパク質を、8%ポリアクリルアミ ドゲル上のSDS-PAGEに付し、0.2ミクロンのPVDF膜(BIO-RAD Laboratories)へエレクトロブロットした。膜をTTBS(トリス緩衝塩液+0 .1%Tween-20)中の1%BSA、0.5%ゼラチンの溶液中室温(RT)で一晩ブ ロッキングし、TTBS中で2×5分間洗浄し、モノクローナル抗tetR抗体(9 F10)含有ハイブリドーマ上清(S.Freundlieb and H.Bujard,Heidelber g,Germany)で一晩プローブし、TTBS中1%BSA中で1:4に希釈した。 該ブロットを、TTBS中で4×10分間洗浄し、ヤギ抗マウス抗体(TTBS中 1:10,000)(Amersham)で40分間インキュベートし、TTBS中で4×10分 間およびTBS中で2×10分間洗浄し、ついでECLウエスタンブロッティング キット(Amersham)で展開することによりtTAタンパク質を検出した。 実施例6:トランスジェニックマウスおよびルシフェラーゼに関するアッセイ ゲル精製されたDNA(0.5μg/mlテトラサイクリンの存在下)をF1(C57B L/6×C3H)受精卵中に同時微量注入し、ついでそれを偽妊娠雌の子宮内に移植 することにより、pTet-tTAk(XhoIからNotIまでの断片)およびpUHC13- 3(XhoIからAseIまでの断片)が導入されたダブルトランスジェニックマウ スを作製した。妊娠した雌に、100μg/mlテトラサイクリンおよび5%ショ糖を 含有する水を与えた。尾部DNAのサザンブロットを、前記のとおりα-32P-d CTPで標識されたtTA(761bpのXbaI-SalI)またはルシフェラーゼ(136 5bpのHindIII-EcoRV)断片でプローブすることにより、子孫を選別した。サ ザンブロットシグナルをプラスミドDNA断片の希釈から得られたものと比較す ることにより、導入遺伝子のコピー数を推定した。 アッセイ系を製造業者の指示(#E1500,Promega Corporation)に従い用 いる ことにより、トランスジェニックマウスの組織中のルシフェラーゼ活性を測定し た。末梢血単核細胞(PBMCs)(0.1〜1.0×106細胞)を、50μlの溶解緩衝 液中に室温で15分間溶解し、不溶物を14,000rpmで5秒間ペレット化した後、20 μlの上清を100μlのルシフェリン試薬と混合し、10秒で生じた光をルミノメー ター(Berthold,Lumat LB9501,Germany)で測定した。該アッセイにおけ るライゼートの細胞等価物数(number of cell equivalents)を用いて、サンプ ル間でルシフェラーゼ活性を正規化した。収穫し、液体窒素中で急速凍結した他 の組織を、冷えた乳鉢および乳棒で粉砕して粉末化し、100〜200μlのルシフェ ラーゼ溶解緩衝液に入れ、室温で15分間インキュベートした。細胞デブリを14,0 00rpmで10秒間ペレット化し、分析するまで上清を−70℃で保存した。20μlの上 清をルシフェラーゼアッセイで使用した。組織ライゼート間でのルシフェラーゼ 活性の正規化のために、ライゼート中の全タンパク質濃度を、ブラッドフォード (Bradford)タンパク質アッセイ(Bio-Rad Laboratories)を用いて測定し た。サンプルを該アッセイの直線範囲内でアッセイし、ライゼートを希釈した場 合、わずか約2倍の変動が認められた。野生型マウスからの種々の組織からの抽 出物に加えたホタルルシフェラーゼタンパク質標準(Sigma)は、活性の変動を 示さなかった。 前記の発明は明瞭化および理解のためにある程度詳しく説明されているが、当 業者であれば、本発明および添付の請求の範囲の真の範囲から逸脱することなく 、形態および詳細において種々の変化を加え得ることをこの開示の解釈から理解 するであろう。本明細書中に記載したすべての特許および刊行物は、その全体を 引用により本明細書に取り込むものとする。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年1月16日 【補正内容】 質を含み、該ポリヌクレオチド分子が、誘導性最小プロモーターに作動可能的に 結合しており(operably linked)、該プロモーターが、少なくとも1つのtetオペ レーター配列を含有することを特徴とする組成物に関する。テトラサイクリント ランスアクチベーター融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド分子のオー フンリーディングフレームは、翻訳開始のために最適な環境(contex)を付与する ために、その5'末端で修飾されている。本発明の好ましい実施態様では、それ は、HindIIIのような唯一の制限部位を付与するために修飾されている。本発明 の最も好ましい実施態様では、テトラサイクリントランスアクチベーター融合タ ンパク質をコードするポリヌクレオチド分子のオープンリーディングフレームは 、配列番号1で識別されるオリグヌクレオチドをコードするように、その5'末 端で修飾されている。好ましい実施態様では、テトラサイクリントランスアクチ ベーター融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド分子は、DNAである。 本発明の第2の実施態様は、本発明のポリヌクレオチド分子を含有するクロー ニングベクターに関する。本発明の最も好ましい実施態様は、プラスミドpTet- SpliceおよびpTet-tTAKに関する。 本発明の第3の実施態様は、本発明のポリヌクレオチド分子でトランスフェク ションされた真核細胞に関する。好ましい実施態様では、該真核細胞は、前記誘 導性最小プロモーターに対するテトラサイクリントランスアクチベーター融合タ ンパク質の結合を抑制するために十分な量のテトラサイクリンを含有する。本発 明のもう1つの好ましい実施態様では、前記真核細胞はさらに、少なくとも1つ のtetオペレーター配列を含有する誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合 した異種タンパク質をコードするポリヌクレオチド分子でトランスフェクション されている。本発明の最も好ましい実施態様では、該ポリヌクレオチド分子の少 なくとも1つは、最小プロモーターおよび7個のtetオペレーター配列に作動可 能的に結合している。さらに好ましい実施態様では、テトラサイクリントランス アクチベーター融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド分子は、該異種タ ンパク質をコードするポリヌクレオチド分子の発現をテトラサイクリンの不存在 下で駆動するのに十分な量で発現される。もう1つの好ましい実施態様では、テ トラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質は、該異種タンパク質の 値を比較することは、無意味である。 図6は、S2-6細胞におけるテトラサイクリン不存在下での16日目のtTAタン パク質の喪失を示すオートラジオグラフの写真である。図6は、培養されたS2- 6およびS2-1細胞系からの細胞抽出物のウエスタンブロットの写真である。第1 レーン:マーカータンパク質(バンドは見えない):第2および第3レーン:te tの不存在下で16日間成長させたS2-6細胞;第4および第5レーン:0.5μg/mltet の存在下で16日間成長させたS2-6細胞;第6レーン:0.5μg/ml tetの存在下で 16日間成長させたS2-1細胞;および第7レーン:tetの不存在下で2日間成長さ せたS2-6細胞。tTAタンパク質のシグナルは、tetの不存在下で2日間成長さ せたS2-6細胞で認められるが、tetの不存在下で16日間培養された同じ細胞では 認められ/cい。レーン2〜7の底部で認められるバンド(「タンパク質先端」)は 、染料先端であり、非特異的シグナルを表す。 図7は、pCMV-tTAk、pcDNAI-neoおよびpcDNA-tTAkの概略図で ある。 図8は、pTet-SpliceおよびpTet-tTAkの構成の概略図である。 図9は、pTet-Spliceの制限地図を表す。クローニング部位は、肉太の印刷 で示す、EcoRI部位が2つあることに注意すべきである。 図9B〜9Gは、pTet-Spliceのヌクレオチド配列(配列番号2)を示す。 図10Aは、pTet-tTAkの制限地図を示す。 図10B〜10Gは、pTet-tTAkのヌクレオチドおよび部分アミノ酸配列(それ ぞれ配列番号3および配列番号4)を示す。 図11Aは、pUHD15-1の制限地図を示す。 図11B〜11Fは、pUHD15-1のヌクレオチドおよび部分アミノ酸配列を示す 。 図12Aは、pUHC-13-3の制限地図を示す。 図12B〜12Fは、pUHC-13-3のヌクレオチドおよび部分アミノ酸配列(それ ぞれ、配列番号7および配列番号8)を示す。 好ましい実施態様の詳細な説明 テトラサイクリンリプレッサーのDNA結合ドメインとVP16の転写活性化ド メインとよりなるトランスアクチベーター融合タンパク質(tTA)の構成的発 現(constitutive expression)に依存するテトラサイクリン調節誘導的遺伝子発 現の 重要な問題ではあり得ない。誘導されたマウスは、テトラサイクリン除去の3.5 ヶ月後においても依然として最適レベルのルシフェラーゼを発現し、テトラサイ クリンの不存在下でも少なくとも6ヶ月は生存可能なままであり、このことは、 導入遺伝子発現が許容され(torelate)、ダウンレギュレーションされないことを 示唆するものである。 該pTet-tTAk系は、いすれもの所望する遺伝子(単数または複数)の発現を 誘導的に指令する能力を有するはずである。この発現系は、トランスフェクショ ンされた細胞およびインビボでの遣伝子機能の研究、治療剤の試験のための疾患 モデルの作製、および哺乳動物生物の発生の理解のための検討に広範に適用可能 であるはずである。それは、それを用いなければ非常に毒性で該生物が発生の間 許容できない遺伝子の調節的トランスジェニック発現を可能とするのに特に有用 であろう。 実施例 以下の実施例は、本発明のある好ましい実施態様をさらに例示するものであり 、本発明を何ら限定するものではない。 材料および方法 プラスミド構築物の詳細: プラスミドpUHC13-3(GossenおよびBujard,Proc.Natl.Acad.Sci .USA:89:5547-5551(1992)に記載されている)は、5157塩基対のサイズであ り、診断的制限消化に使用しうる3個のEcoRI制限部位(454、667および4036 位)を有する。該プラスミドは、以下の3個の主要断片よりなる:(1)colE1 複製起点、Tn2661(HincII位およびPstI部位が除去されている)のPbla/p3 を有するβ−ラクタマーゼ耐性遺伝子を含むpBR322配列;(2)7量体化した tetオペレーターを上流に有するhCMV最小プロモーター(開始部位に対して− 53)を有する調節領域;および(3)pSV-2-luc(de Wetら,Mol.Cell. Biol.7:725-37(1987))からの3'フランキング領域を有するルシフェラーゼ遺 伝子。pUHC13-3の地図に関しては図12Aを、pUHC13-3の配列に関しては図 12B〜12Fを参照されたし。。 pUHD15-1(図11を参照されたし)(GossenおよびBujard,Proc.Natl. Acad. Sci.USA:89:5547-5551(1992))のEcoRI部位とXbaI部位との間の配列 を、二本鎖オリゴヌクレオチド(その配列は図7の右上部に示されている)で置 換して、pCMV-tTAkを作製した(工程1)。該挿入配列は、該tTA遺伝子に 、翻訳開始のための最適な環境を付与し(Kozac,M.,Nuc.Acids Res.12: 857-872(1984))、tTAタンパク質(2位のアラニン)中にアミノ酸を挿入し、 そして後続のクローニング工程のための唯一のHindIII部位を付与する。この修 飾されたtTA遺伝子は、本明細書では、tTAkと称される。ついで、tTAk遺 伝子を含有するpCMV-tTAkのHindIIIからBamHIまでの断片を、pcDNA I-neo(Invitrogen Corporation)のHindIIIからBamHIまでの部位内にク ローニングして、pcDNA-tTAkを作製する(図7の工程2)。 プラスミドpTet-tTAkは、tTAk(コンセンサスなコザック翻訳開始部位が 挿入されているtTA遺伝子に関して本明細書で使用する略称)と称される修飾 されたtTA遺伝子を、pUHC-13-3(GossenおよびBujard,Proc.Natl. Acad.Sci.USA:89:5547-5551(1992))のTetプロモーターの制御下に置く 。したがって、該構築物は、自己制御性である。 まず、SV40スプライスおよびポリA部位を有するベクター中にpUHC13-3 のTetプロモーターを有するベクターを構築し、ついで該Tetプロモーターと該 スプライス/ポリAとの間にtTAkを挿入することにより、pTet-tTAkを構築 した。SV40介在配列は、スモールT抗原[MboI(0.56mu=4100)からMboI (0.44mu=4710)]に由来する。SV40ポリA配列は、BclI(0.19mu=2770)か らEcoRI(0mu=1782)までのSV40であり、初期ポリアデニル化配列およびS V40後期領域の3'末端配列を含有する(与えられている同等物はSV40について のものである)。該スプライス領域のすぐ上流には、細菌CAT遺伝子(非翻訳 配列)の3'末端に由来する125bpがある:これらの配列は何ら悪影響を及ぼさな いと考えられ、それらが便利な制限部位を付与するというだけの理由で含めるこ ととした。pTet-tTAkの地図に関しては図10Aを、pTet-tTAkの配列に関し ては図10B〜10Gを参照されたし。 pTet-tTAk、pSplice-PAの構築のための開始プラスミドは、EcoRI部 位のクレノウフィルインの後でXbaIリンカーを連結することにより、pHAV- CAT(Jones ら,Nuc.Acids Res.19:6547-6551(1991))のScaIからEcoRIまでの断 片をpBKSII+(Stratagene)のXbaI部位中に挿入することにより構築した。 図8に示すとおり、pSplice-PAプラスミドは、スモールT抗原に由来するS V40介在配列およびSV40初期ポリアデニル化配列を含有する。最小ヒトサイト メガロウイルス(hCMV)プロモーターの上流のtetオペレーターの7個のコピ ーを含有するpUHC13-3(GossenおよびBujard,Proc.Natl.Acad.Sci .USA:89:5547-5551(1992))のXhoIからSalIまでの断片を、pSplice-P AのユニークXhoI部位中にクローニングして、pTet-Spliceを得た(図8、 工程1)。このtetオペーター含有プロモーターを、本明細書では、Tetpと称す る、pTet-Spliceは、関心のある遺伝子をTetp配列と該スプライス/ポリA配 列との間へ容易に挿入するための多数の唯一の制限部位を含有する。pTet-Spl iceの地図に関しては図9Aを、pTet-Spliceの配列に関しては図9B〜9Gを 参照されたし。ついで、tTAk遺伝子を含有するpCMV-tTAkのHindIIIから BamHI(クレノウで平滑化)までの断片を、pTet-SpliceのHindIIIからEc oRVまでの部位中にクローニングして、pTet-tTAkを得た(図8、工程2)。 これらの実験で使用されるTetpに制御されるマウスRAG-1発現構築物は、p R1A/Cのコード領域をBamHI(クレノウで平滑化)がらXbaIまでの断片と してpTet-SpliceのEcoRVがらSpeIまでの部位中に挿入して、pTet-R1A /Cを得ることにより構築した。しかしながら、RAG-1をコードする核酸分子 は、当該分野で公知の方法を用いて化学的に合成することができるし、あるいは いずれもの他の起源から単離することができる。RAG-1の完全な配列に関して は、Schatz,D.G.ら,Cell 59:1035-1048(1989)を参照されたし。pR1A/C のRAG-1コード領域は、アミノ酸2〜89およびアミノ酸1009〜1040の欠失、第 2コドンの直後へのの6個のヒスチジンの付加、該ヒスチジンの直後へのアラニ ンおよびセリンコドンの挿入によるNheI部位の導入、およびAUG開始コドン を囲む(surround)コンセンサス翻訳開始環境の付加により、完全長のマウスRA G-1と比べて改変されている。RAG-1のこの欠失突然変異体は、完全長マウス RAG-1よりも有意に大きなV(D)Jリコンビナーゼ活性を有する。 本明細書において使用するテトラサイクリン制御性マウスRAG-2発現構築物 は、pR2A-CDM8のXhoIからXbalまでの断片をpTet-SpliceのSalIから SpeIまでの部位中に挿入してpTet-R2Aを得ることにより構築した。。しが しながら、RAG-2をコードする核酸分子は、当該分野で公知の方法を用いて化 学的に合成することができるし、あるいはいずれかの他の入手可能な起源から単 離することができる。RAG-2の完全な配列に関しては、1992年10月27日付け発 行の米国特許第5,159,066号またはOettinger,M.A.ら,Science 248:1517-1 523(1990)を参照されたし。pR2A-CDM8のRAG-2コード領域は、アミノ酸4 92〜527のC末端欠失、AUG開始コドンを囲むコンセンサス翻訳開始環境の付 加、および2位におけるアラニンコドンの挿入により、完全長のマウスRAG-2 に対して改変されている。このRAG-2突然変異体は、完全長マウスRAG-2よ りもある程度高いV(D)Jリコンビナーゼ活性を有する。 実施例1:プラスミドの構築 tTAオープンリーディングフレーム(ORF)を含有するpUHD15-1(Gossen ,M.およびBujard,H.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA:89:5547-5551 (1992))のEcoRI-BamHI断片を、翻訳開始のための最適環境を付与する30bp オリゴヌクレオチド(配列番号1)(Kozak,M.,Nucl.Acids Res.12:85 7-872(1984))および後続のクローニングのための唯一のHindIII部位の付加に より、その5'末端で修飾したその付加されたヌクレオチドは、図7の右上部に 示されているものである。付加されたヌクレオチドの数は、EcoRIおよびXba I酵素部位のヌクレオチドを計数するか否かで異なる。単純化のために、該OR Fの修飾された5'末端を、本明細書では、30bpオリゴと称することにする。以 下、該修飾tTA遺伝子をtTAkと称する。HindIII-BamHI tTAk断片を、p cDNAI-neo(Invitrogen Corporation)のHindIII-BamHI部位中にクロー ニングして、pcDNA-tTAkを得る、pcDNA-tTAkでは、tTAk遺伝子は、 ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)の前初期遺伝子(immediate early gene) のエンハンサーおよびプロモーター配列の転写制御下にある。プフラスミドpSp lice-PAは、SV40スモールT抗原介在配列およびSV40初期ポリアデニル化 配列(pHAV-CAT(Jones,S.N.ら,Nucl.Acids Res.19:6547-6551 (1991))からのもの)をpBKSII+(Stratagene)中に挿入することにより構 築した。最小プロモーター(以下、Tetpと称する)の上流のtetオ ペレーターの7個のコピーを含有するpUHC13-3(Gossen,M.およびBujard ,H.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA:89:5547-5551(1992))のXhoI-S alI断片を、pSplice-PAのスプライス/ポリA配列の上流にクローニングし て、pTet-Spliceを得た。tTAk遺伝子を、pTet-Splice中にクローニングし てpTet-tTAkを得、該転写開始部位をtTAk AUGの143bp上流に置いた(図 1)。 Tetp制御性マウスRAG-1発現構築物(pTet-R1A/C)は、pR1A/Cのコ ード領域をpTet-Splice中に挿入することにより構築した。pR1A/CのRAG -1コード領域は、V(D)Jリコンビナーゼ活性の少なくとも2倍の増加(すなわ ち、VDJが、R1A/CによりR1Aに対して、そしてR2AによりR2に対して の2倍増加)を引き起こす小さなNおよびC末端欠失により、完全長マウスRA G-1と比べて改変されている、該Tetp制御性マウスRAG-2発現構築物(pTet- R2A)は、pR2A-CDM8のコード領域をpTet-Splice中に挿入することによ り構築した。このRAG-2コード領域は、V(D)Jリコンビナーゼ活性の小さな 増加を引き起こす小さなC末端欠失により、完全長マウスRAG-2に対して改変 されている。pTet-R1およびpTet-R2は、pTet-splice部位中に挿入されてい るそれぞれ完全なRAG-1およびRAG-2のORFよりなる。 実施例2:トランスフェクションされた細胞系の細胞培養および誘導化 既に記載されているとおりに(Schatz,D.G.ら,Cell 59:1035-1048(1989) )、10μgの線状化プラスミドを0.5×106個のNIH3T3繊維芽細胞中にリン酸カ ルシウム/グリセロールショックでトランスフェクションし、トランスフェクシ ョンの48時間後に0.75mg/ml G418および0.5μg/mlテトラサイクリン中で細胞を プレーティングすることにより、pcDNA-tTAkの安定なトランスフェクショ ン体を作製した 12日後に拾い上げた単一のコロニーを、0.5mg/ml G418、0.5 μg/mlテトラサイクリン中で成長させた。 10μgの各線状化プラスミドを1μgの線状化pSV2-Hisと共にトランスフェ クションし、ついで、L−ヒスチジノールを含有するがヒスチジンを欠く培地中 で選択する(既に記載されているとおりに行なった(Schatz,D.G.ら,Cell 59:1035-1048(1989)))ことにより、pTet-tTAk単独のあるいはpTet-tTAk とpTet-R1A/CとpTet-R2Aとの安定なトランスフェクション体を作製した 。トラ 請求の範囲 1.テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質をコードするポ リヌクレオチド分子を含んでなる組成物であって、前記タンパク質が、原核性te tリプレッサーおよび真核性転写アクチベータータンパク質を含み、前記ポリヌ クレオチド分子が、誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合しており、前記 プロモーターが、少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有するものである 組成物。 2.前記テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質をコードす るポリヌクレオチド分子のオープンリーディングフレームが、その5'末端で修 飾され、翻訳開始のための最適な環境を提供するものである請求項1に記載の組 成物。 3.前記テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質をコードす るポリヌクレオチド分子のオープンリーディングフレームの5'末端が、さらに 修飾され、唯一の制限部位を提供するものである請求項2に記載の組成物。 4.前記唯一の制限部位がHindIIIである請求項3に記載の組成物。 5.前記テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質をコードす るポリヌクレオチド分子のオープンリーディングフレームが、その5'末端で修 飾され、配列番号1で識別されるオリゴヌクレオチドをコードするものである請 求項4に記載の組成物。 6.DNAである請求項1に記載の組成物。 7.請求項1に記載のポリヌクレオチド分子を含有するクローニングベクター を含んでなる組成物。 8.請求項1に記載のポリヌクレオチド分子によりトランスフェクションされ た真核細胞を含んでなる組成物。 9.前記真核細胞がさらに、少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有す る誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合した異種タンパク質をコードする ポリヌクレオチド分子によりトランスフェクションされているものである請求項 8に記載の組成物。 10.前記ポリヌクレオチド分子の少なくとも1つが、最小プロモーターおよび 7個のtetオペレーター配列に作動可能的に結合しているものである請求項9に 記載の組成物。 11.異種タンパク質の発現を減少または停止させる方法であって、 (a) 真核細胞を、 (i) テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質をコードする 第1のポリヌクレオチド分子であって、前記タンパク質はが原核性tetリプレッ サーおよび真核性転写アクチベータータンパク質を含み、前記ポリヌクレオチド 分子が誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合しており、前記プロモーター は、少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有するものである分子、 (ii) 前記異種タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチド分子であっ て、前記タンパク質は、誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合しており、 前記プロモーターは、少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有するもので ある分子 により形質転換し、並びに (b) テトラサイクリンまたはテトラサイクリン類似体を含む培地中で前記真核 細胞を培養することを含んでなる方法。 12.前記第2のポリヌクレオチド分子が、最小プロモーターおよび7個のtet オペレーター配列に作動可能的に結合するものである請求項11に記載の方法。 13.異種タンパク質の発現を活性化または高める方法であって、 (a) 真核細胞を、 (i) テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質をコードする 第1のポリヌクレオチド分子であって、前記タンパク質は、原核性tetリプレッ サーおよび真核性転写アクチベータータンパク質を含み、前記ポリヌクレオチド 分子が誘導性プロモーターに作動可能的に結合しており、前記プロモーターは、 少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有するものである分子、 (ii) 異種タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチド分子であって、 前記タンパク質は、誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合しており、前記 プロモーターは、少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有するものである 分子 により形質転換し、並びに (b) テトラサイクリンまたはテトラサイクリン類似体を欠く培地中で前記真核 細胞を培養することを含んでなる方法。 14.前記誘導性最小プロモーターに対するテトラサイクリントランスアクチベ ーター融合タンパク質の結合を抑制するために十分な量のテトラサイクリンを含 有する請求項8に記載の組成物。 15.前記テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質をコードす るポリヌクレオチド分子が、テトラサイクリンの不存在下に前記異種タンパク質 をコードするポリヌクレオチド分子の発現を駆動するために十分な量に発現され る請求項9に記載の組成物。 16.テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質が、前記異種タ ンパク質の発現を駆動するために十分な量に存在する請求項9に記載の組成物。 17.プラスミドpTet-Spliceより実質的になる組成物。 18.プラスミドpTet-tTAKより実質的になる組成物。 19.少なくとも2つの収容手段を内部に密閉的に有する担体手段を含んでなる キットであって、第1の収容手段が、テトラサイクリントランスアクチベーター 融合タンパク質をコードする第1のポリヌクレオチド分子であって、前記タンパ ク質が原核性tetリプレッサーおよび真核性転写アクチベータータンパク質を含 み、前記ポリヌクレオチド分子が誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合し ており、前記プロモーターが少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有する ものである分子を含有し、第2の収容手段が、前記誘導性最小プロモーターをコ ードする第2のポリヌクレオチド分子であって、前記プロモーターが少なくとも 1つのtetオペレーター配列を含有し、前記tetオペレーター配列がポリペプチド をコードする異種ポリヌクレオチド配列に作動可能的に結合するために効果的に 配置されるものである分子を含有することを特徴とするキット。 20.少なくとも2つの収容手段を内部に密閉的に有する担体手段を含んでなる キットであって、第1の収容手段が、テトラサイクリントランスアクチベーター 融合タンパク質をコードする第1のポリヌクレオチド分子であって、前記タン パク質が原核性tetリプレッサーおよび真核性転写アクチベータータンパク質を 含み、前記ポリヌクレオチド分子が誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合 しており、前記プロモーターは、少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有 するものである分子によりトランスフェクションされた真核細胞を含有し、第2 の収容手段が、誘導性最小プロモーターを含む第2のポリヌクレオチド分子であ って、前記プロモーターが少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有し、前 記tetオペレーター配列が異種ポリペプチドをコードする異種ポリヌクレオチド 配列に作動可能的に結合するために効果的に配置されるものである分子を含有す ることを特徴とするキット。 【図6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質をコードするポ リヌクレオチド分子を含んでなる組成物であって、前記タンパク質が、原核性te tリプレッサーおよび真核性転写アクチベータータンパク質を含み、前記ポリヌ クレオチド分子が、誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合しており、前記 プロモーターが、少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有するものである 組成物。 2.前記テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質をコードす るポリヌクレオチド分子のオープンリーディングフレームが、その5'末端で修 飾され、翻訳開始のための最適な環境を提供するものである請求項1に記載の組 成物。 3.前記テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質をコードす るポリヌクレオチド分子のオープンリーディングフレームの5'末端が、さらに 修飾され、唯一の制限部位を提供するものである請求項2に記載の組成物。 4.前記唯一の制限部位がHindIIIである請求項3に記載の組成物。 5.前記テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質をコードす るポリヌクレオチド分子のオープンリーディングフレームが、その5'末端で修 飾され、配列番号で識別されるオリゴヌクレオチドをコードするものである請求 項4に記載の組成物。 6.DNAである請求項1に記載の組成物。 7.請求項1に記載のポリヌクレオチド分子を含有するクローニングベクター を含んでなる組成物。 8.請求項1に記載のポリヌクレオチド分子によりトランスフェクションされ た真核細胞を含んでなる組成物。 9.前記真核細胞がさらに、少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有す る誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合した異種タンパク質をコードする ポリヌクレオチド分子によりトランスフェクションされているものである請求項 8に記載の組成物。 10.前記ポリヌクレオチド分子の少なくとも1つが、最小プロモーターおよび 7個のtetオペレーター配列に作動可能的に結合しているものである請求項9に 記載の組成物。 11.異種タンパク質の発現を減少または停止させる方法であって、 (a) 真核細胞を、 (i) テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質をコードする 第1のポリヌクレオチド分子であって、前記タンパク質はが原核性tetリプレッ サーおよび真核性転写アクチベータータンパク質を含み、前記ポリヌクレオチド 分子が誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合しており、前記プロモーター は、少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有するものである分子、 (ii) 前記異種タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチド分子であっ て、前記タンパク質は、誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合しており、 前記プロモーターは、少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有するもので ある分子 により形質転換し、並びに (b) テトラサイクリンまたはテトラサイクリン類似体を含む培地中で前記真核 細胞を培養することを含んでなる方法。 12.前記第2のポリヌクレオチド分子が、最小プロモーターおよび7個のtet オペレーター配列に作動可能的に結合するものである請求項11に記載の方法。 13.異種タンパク質の発現を活性化または高める方法であって、 (a) 真核細胞を、 (i) テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質をコードする 第1のポリヌクレオチド分子であって、前記タンパク質は、原核性tetリプレッ サーおよび真核性転写アクチベータータンパク質を含み、前記ポリヌクレオチド 分子が誘導性プロモーターに作動可能的に結合しており、前記プロモーターは、 少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有するものである分子、 (ii) 異種タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチド分子であって、 前記タンパク質は、誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合しており、前記 プロモーターは、少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有するものである 分子 により形質転換し、並びに (b) テトラサイクリンまたはテトラサイクリン類似体を欠く培地中で前記真核 細胞を培養することを含んでなる方法。 14.前記誘導性最小プロモーターに対するテトラサイクリントランスアクチベ ーター融合タンパク質の結合を抑制するために十分な量のテトラサイクリンを含 有する請求項8に記載の組成物。 15.前記テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質をコードす るポリヌクレオチド分子が、テトラサイクリンの不存在下に前記異種タンパク質 をコードするポリヌクレオチド分子の発現を駆動するために十分な量に発現され る請求項9に記載の組成物。 16.テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質が、前記異種タ ンパク質の発現を駆動するために十分な量に存在する請求項9に記載の組成物。 17.プラスミドpTet-Spliceより実質的になる組成物。 18.プラスミドpTet-tTAKより実質的になる組成物。 19.少なくとも2つの収容手段を内部に密閉的に有する担体手段を含んでなる キットであって、第1の収容手段が、テトラサイクリントランスアクチベーター 融合タンパク質をコードする第1のポリヌクレオチド分子であって、前記タンパ ク質が原核性tetリプレッサーおよび真核性転写アクチベータータンパク質を含 み、前記ポリヌクレオチド分子が誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合し ており、前記プロモーターが少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有する ものである分子を含有し、第2の収容手段が、前記誘導性最小プロモーターをコ ードする第2のポリヌクレオチド分子であって、前記プロモーターが少なくとも 1つのtetオペレーター配列を含有し、前記tetオペレーター配列がポリペプチド をコードする異種ポリヌクレオチド配列に作動可能的に結合するために効果的に 配置されるものである分子を含有することを特徴とするキット。 20.少なくとも2つの収容手段を内部に密閉的に有する担体手段を含んでなる キットであって、第1の収容手段が、テトラサイクリントランスアクチベーター 融合タンパク質をコードする第1のポリヌクレオチド分子であって、前記タン パク質が原核性tetリプレッサーおよび真核性転写アクチベータータンパク質を 含み、前記ポリヌクレオチド分子が誘導性最小プロモーターに作動可能的に結合 しており、前記プロモーターは、少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有 するものである分子によりトランスフェクションされた真核細胞を含有し、第2 の収容手段が、誘導性最小プロモーターを含む第2のポリヌクレオチド分子であ って、前記プロモーターが少なくとも1つのtetオペレーター配列を含有し、前 記tetオペレーター配列が異種ポリペプチドをコードする異種ポリヌクレオチド 配列に作動可能的に結合するために効果的に配置されるものである分子を含有す ることを特徴とするキット。
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