【発明の詳細な説明】
プロフレグランス化合物を含んだ洗剤組成物
分野
本発明は、アセタールまたはケタールプロフレグランス(pro-fragrance)化合
物を含んだ洗剤組成物に関する。
背景
ほとんどの消費者は、香りのある洗濯製品を求め、しかも洗濯された布帛が快
い芳香も有することを求めるようになった。洗濯された布帛が時間を経て快い芳
香を維持していることも消費者に望まれている。香料添加物は消費者にとり洗濯
組成物を美観上更に快くさせ、ある場合には香料はそれで処理された布帛に快い
芳香を付与する。しかしながら、布帛表面への洗剤溶液からの香料キャリーオー
バーの量はしばしば下限に近く、布帛表面上に長く残らない。加えて、一部の香
料デリバリー系は、洗濯洗剤組成物および洗剤溶液中のようなアルカリ条件下で
は安定でない。しかも、芳香物質はしばしな非常に高価である。そのため、洗剤
におけるそれらの非効率的な使用と、洗剤から布帛表面への有効でないデリバリ
ーは、消費者および洗剤製造業者の双方にとり通常高コストとさせる。したがっ
て、業界では洗濯製品でもっと効率的かつ効果的な香料デリバリーを求め続けて
いる。
アセタールおよびケタールは香料業界で長く知られてきた。Steffen Arctande
r,"Perfume and Flavor Chemicals",Arctander,N,J.,1969参照。これらのうち大
部分はメチルおよびエチルタイプであり、分子量は広範囲にわたる。例えば、Ar
ctander abstract numbers 6、11、210、651、689、1697、1
702、2480、2478参照。しかしながら、公知のアセター
ルおよびケタールは洗濯製品で使用上通常望ましくない。分子量414.7のフ
ェニルアセトアルデヒドジシトロネリルアセタールである2478の場合、Arct
ander は“…このアセタールは今日の香料業界では事実上見捨てられすたれてい
る、と言っても過言ではない”と報告している。フェニルアセトアルデヒドジゲ
ラニルアセタールである2480の場合、Arctander は“標題物質は実質的な利
点を示さず、またはユニークな香気タイプではなく、今日ではアカデミックな興
味以外にほとんど考えられていない”と報告している。この後者の物質は
ROSETAL A(カタログ、IFF)として1992年にはなお市販されていた。
カプセル化によるような香料デリバリーのキャリアメカニズムも当業界で周知
である。例えば、1993年2月23日付で発行された米国特許第5,188,
753号明細書参照。
洗剤中にある香料の放出を遅らせるための初期の試みには、チタネートまたは
ジルコネートエステルのようなある有機金属化合物の使用がある。例えば、19
74年11月19日付で発行された米国特許第3,849,326号および19
75年12月2日付で発行された米国特許第3,923,700号明細書参照。
限定量のチタニウムまたはジルコニウムがプロ香料物質を合成するための触媒と
して使用できる。
“体活性化”フレグランスを含んだ脱臭スティックのようなパーソナルケア組
成物も知られている。その用語は、実際上、酸性pH条件下で加水分解してフレ
グランスを放出する、香料アルコールから誘導されたアセタールのような物質の
既に知られた傾向に関する。例えば、1995年1月3日付で発行された米国特
許第5,378,468号および1976年1月13日付で発行された米国特許
第3,932,520号明細書参照。
このようなパーソナルケア組成物に有用な潜在的芳香物質には、プロピレング
リコールバニリンアセタールで例示される特定アセタールおよびケタールがある
。
実際上例示される物質はむしろ芳香アルデヒドの親水性短鎖アルコールまたはジ
オール誘導体であり、加水分解で、1モルの潜在的芳香物質当たり1モルのアル
デヒドをデリバリーする。この開発はパーソナルケア製品ビヒクルと混合して透
明脱臭スティックなどにするように考えられ、潜在的芳香物質を含有した組成物
は対象(例えば、皮膚)に直接適用される;したがって、洗濯プロセスに伴う希
釈、すすぎなどに起因した付着問題はない。
布帛上における芳香物質の永続性に影響を与えるファクターは、Estcher et a
l.JAOCS,71,p.31-40(1994) に説明されている。
洗濯洗剤は希釈水性形態で用いられ、プロフレグランスをミセル化または溶解
させうる合成洗剤、ビルダー、酵素などのような多くの洗剤添加物を含有してい
る。更に、洗濯プロセスには、すすぎと、時には洗濯後にタンブリングマシンで
の乾燥を含む。すすぎは付着した有用なプロフレグランス物質を除去してしまう
傾向がある。タンブル乾燥は、適度な残留芳香をテクスタイル布帛表面にデリバ
リーする上での問題を更に悪くする。
前記によると、水溶液、特に洗剤溶液中における分散性が改善され、洗浄液中
における布帛表面への付着性が高まり、すすぎ中における洗浄表面上での滞留性
が高まった、プロフレグランス化合物を有する洗剤組成物について必要性がある
。現行技術ではいずれも本発明の利点および効果のすべてを示すことはない。
要旨
本発明はアセタール、ケタールおよびそれらの混合物からなる群より選択され
るプロフレグランス化合物と洗浄界面活性剤を含んだ洗剤組成物に関し、プロフ
レグランスアセタールまたはケタールの親アルデヒド、ケトンまたはアルコール
のうち少くとも1種は芳香化合物であり、そのプロフレグランス化合物は約4未
満のCLogPを有して、その洗剤組成物は20℃で蒸留水中1%溶液として測
定されたときに少くとも7.1のpHを有する。
本発明のこれらのおよび他の特徴、面および利点は、以下の記載および添付さ
れた請求の範囲を読むことでもっと良く理解されるようになるであろう。
具体的な説明
明細書は本発明を具体的に示してはっきりと請求している請求の範囲で終わっ
ているが、本発明は好ましい態様の以下の記載からもっと良く理解されるように
なるであろう。
以下で用いられるすべてのパーセンテージおよび比率は、別に指摘されないか
ぎり、全組成物の重量による。
本明細書で示されているすべての測定は、別に指摘されないかぎり、25℃で
行われる。
本明細書で示されている諸成分のすべてのパーセンテージ、比率およびレベル
は、別に指摘されないかぎり、諸成分の実際量に基づいており、その成分が市販
製品として一緒にされた溶媒、フィラーまたは他の物質を含んでいない。
本明細書に挙げられたすべての文献、特許出願および発行特許は、それら全体
で参考のため本明細書に組み込まれる。いかなる参考文献の引用も、請求された
発明に対する先行技術としてその利用性に関する決定の許諾ではない。
本明細書で用いられている“含む”とは、最終結果に影響を与えない他のステ
ップおよび他の成分も加えうることを意味している。この用語は“からなる”お
よび“から本質的になる”という用語を包含している。プロフレグランス
本発明の洗剤組成物はアセタール、ケタールまたはそれらの混合物を含めたプ
ロフレグランス化合物を含んでいるが、但しそれらが形成される化合物には少く
とも1種の芳香化合物を含んでいなければならない。
本発明で用いられる“プロフレグランス”化合物とは、それ自体は芳香性でも
またはそうでなくてもよいが、加水分解で、1種以上のその加水分解産物に特徴
的な望ましい香りを発する化合物を意味する。この用語はプロフレグランス化合
物の混合物を含み、更に“プロパヒューム”(pro-perfume)という用語も包含す
る。アセタールおよびケタールは、アルコールと共にアルデヒドまたはケトンか
ら誘導しうると考えることができる。これらのアルデヒド、ケトンおよびアルコ
ールは、アセタールまたはケタールの“親”または“親化合物”として本明細書
では称されている。本アセタールまたはケタールのうち少くとも1種の親は芳香
化合物である。
本発明のプロフレグランス化合物は約4未満のCLogPを有しており、その
CLogPとはプロフレグランス化合物のオクタノール/水分配係数の底(base
)10に対する対数のことである。約4未満のCLogPを有するプロフレグラ
ンスは水溶液中で良好な分散性を示す。理論に拘束されず、本明細書に記載され
ているCLogPは、プロフレグランス化合物に含まれるアルコキシ部分の数が
増加したとき、もっと低くてもよいと考えられる。
これらのプロフレグランス化合物は、少くとも約170の分子量と、本明細書
に記載されるような加水分解半減期(t‐1/2)試験によりpH0で測定され
たときに60分未満の半減期を有するとして、更に特徴付けられる。
本発明のプロフレグランス化合物は、約7.1〜約13のpHを有する洗剤製
品の処方および貯蔵と、このような製品の溶液使用中に出会うpH条件下で、安
定である。親水性と高度のヘテロ原子率のために、これらのプロフレグランス化
合物は洗濯液から布帛上に適度に良好な付着性を示す。プロフレグランス化合物
はpHが下がったときに加水分解され易いため、それらが付着した布帛(または
他の表面)がすすぎ水、空気および湿気に存在するような低いpHにさえ曝され
たときに、それらは加水分解してそれらの成分芳香化合物を放出する。pHのこ
のような低下は少くとも約0.1、好ましくは少くとも約0.5単位でなければ
ならない。好ましくは、pHは約7.5以下、更に好ましくは約6.9以下の
pHまで少くとも約0.5単位で低下される。好ましくは、布帛(または他の表
面)が洗浄される溶液はアルカリ性である。
本発明の好ましいプロフレグランス化合物は少くとも3つの酸素を有した環式
または非環式であり(環式および非環式双方の混合物を含む)、更に好ましくは
少くとも2つのアルコキシレート部分を有した環式プロフレグランス化合物と、
少くとも4つのアルコキシレート部分を有した非環式プロフレグランス化合物で
ある。
本発明で好ましいアセタールおよびケタールは、洗剤アルコールと通称される
、芳香または非芳香アルコール、特にC6‐C20(好ましくはC11‐C20、更に
好ましくはC14‐C18アルコール)飽和または不飽和、直鎖または分岐脂肪族ア
ルコールと、芳香C9またはそれ以上の不飽和アルデヒドまたは芳香ケトンから
誘導されたものである。
好ましくは、本発明の親アルコールは少くとも1つのアルコキシ部分を有して
いる。前記のようにアルコキシ部分の数を増やしていくと、約4未満のCLog
Pを有するプロフレグランスは洗剤溶液中で良好な分散性を示す。好ましい親ア
ルコールには、洗剤アルコールのアルコキシレート、短鎖ポリアルコキシレート
のモノアルキルエーテル、1〜30のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシ
ドでアルコキシル化されたものを含めたポリオールがある。
更に一般的には、広範囲のアセタールおよびケタールが本発明内に含まれる。
本アセタールおよびケタールに適した親である多くの芳香アルデヒド、ケトンお
よびアルコールが当業界で知られている。例えば、芳香親について前記されたAr
ctander の編集物参照。これらはIFF、Firmenich、Takasago、H&R、Givau
dan-Roure、Dragoco、Aldrich、Quest その他のような香料会社からも市販され
ている。アセタール
本発明のプロフレグランスにはアセタールがある。アセタールは芳香アルデヒ
ド、芳香アルコールまたは双方をデリバリーするために、好ましくは親アルデヒ
ドから誘導される芳香アルデヒドをデリバリーするために使用できる。
本発明に適したアセタールには下記構造がある:
XおよびYは出発アルコールから誘導され、R1およびHは出発アルデヒドから
誘導される。
芳香アルコールまたは非芳香アルコールである上記一般構造におけるXおよび
Yには、様々なアルコキシ部分がある。XおよびYは同一でもよく、または異な
っていて、2タイプ以上の芳香アルコールをデリバリーしてもよい。アルコール
が非芳香アルコールであるとき、それらはC6‐C20アルコール、特に脂肪アル
コールであることが好ましく、場合によりエトキシル化またはプロポキシル化さ
れている。XおよびYは単一のOH基を有した単純アルコールでも、または2以
上のOH基を有したポリオール、更に好ましくはジオールでもよい。
一般的に、アルコールには、1以上のアルコール基を有した、飽和、不飽和、
直鎖または分岐アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アルキルアルコキシ
レート誘導体がある。アルコールはそれら構造の一部としてアミン、アミド、エ
ーテルまたはエステルのような追加官能基を有していてもよい。
好ましくは、本発明のアセタールは環式でもまたは非環式でもよく、1以上の
アルデヒドを誘導して1以上のアセタール基を有していてもよい。この関係にあ
る環式および非環式という用語は、アセタールのXおよびY部分を連結する共有
結合の存在または不在に関する。環式アセタールのXおよびYは環構造を形成し
ていて、少くとも2つのアルコキシレート部分を有している。少くとも4つのア
ルコキシレート部分を有した好ましい非環式アセタールは、直鎖アルコールを組
み込んでいる。
環式アセタールはポリオールから誘導される。好ましいポリオールには、1〜
30単位のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドでアルコキシル化された
ものがある。ポリオールの非制限例には、ソルビトール、グルコース、スクロー
スおよび他の糖類がある。
非環式アセタールはモノアルコールから誘導される。単一OH基を有する好ま
しいモノアルコールには、洗剤アルコールのアルコキシレートおよび短鎖ポリア
ルコキシレートのモノアルキルエーテルがある。好ましくは、短鎖ポリアルコキ
シレートのモノアルキルエーテルはC1‐C5アルキル部分を含む。親アルコール
の非制限例には、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、
ラウリルアルコールおよびミリスチルアルコールがある。
上記一般構造のR1およびHは出発アルデヒドから誘導される。一般的に、本
アセタール中に組み込まれる芳香および非芳香双方のアルデヒドには、脂肪族、
アリル系またはベンジル系がある。アルデヒドは飽和、不飽和、直鎖、分岐また
は環式である。その構造は、アルキル、アルケニルまたはアリール部分と、アル
コール、アミン、アミド、エステルまたはエーテルのような追加官能基とを含む
ことができる。
好ましくは、本アセタールは約80より大きな分子量を有する親アルデヒドか
ら誘導される。
本アセタールおよびケタールに適した親である多くの芳香アルデヒドおよびア
ルコールは当業界で公知である。例えば、芳香親について前記されたArctander
の編集物参照。芳香親アルデヒドの非制限例には、下記例:ヒドロアトロパアル
デヒド、p‐t‐ブシナール、FloralozoneTM、フェニルプロパナール、アニス
アルデヒド、シマール、シクラマール、トリプラール、ヘリオナール、ヘキシル
シンナムアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、シトラール、エチルシトラー
ル、シトロネラール、メチルオクチルアセトアルデヒド、メチルノニルアセトア
ルデヒド、オクタナール、デカナール、ドデカナール、ラウリルアルデヒド、ク
リサンタール、イソシスロシトラール、メロナール、トランス‐4‐デセナール
、アドキサール、ヒドロキシシトロネラールおよびイソヘキセニルシクロヘキセ
ニルカルボキサルデヒドがあるが、それらに限定されない。
具体的な好ましいプロフレグランスアセタール化合物は、非制限的に以下で示
される:
これはP.T.ブシナールおよびトリプロピレングリコールから誘導される。
下記も好ましい:
これはシクラールcおよびトリプロピレングリコールから誘導される。
本発明で有用な非環式アセタールの一部具体例には以下がある:
これはP.T.ブシナールおよび Neodol 6‐25から誘導される。および
これはP.T.ブシナールおよびPEG‐300メチルエーテルから誘導される
。
加えて、本発明に適したアセタールは、ポリヒドロキシアミドを含めたポリヒ
ドロキシグルコシドと芳香アルデヒドとの反応から得られる環式アセタールであ
る。適切なポリヒドロキシアミドの典型例にはC12‐C18 N‐メチルグルカミ
ドがある。WO 9,206,154参照。他の糖誘導アセタールまたはケター
ル親化合物には、N‐アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えばC10‐C18
N‐(3‐メトキシプロピル)グルカミドがある。ケタール
本発明のプロフレグランス化合物にはケタールもある。ケタールは芳香ケトン
をデリバリーするために使用できる。ケタールに関する説明は、上記アセタール
を説明する上で用いられた場合と類似した構造原理を用いて行える。
本発明に適したケタールには下記構造がある:
XおよびYはアルコールまたはポリオールから誘導されており、R2およびR3は
親ケトンから誘導され、同一でもまたは異なっていてもよい。
前記アセタールを定義する上で示されたように、上記一般構造のケタールにお
けるXおよびYには、様々なアルコキシ部分を有した芳香アルコールまたは非芳
香アルコールがある。そのケタールの親アルコールには、アセタールのセクショ
ンでアセタールの親アルコールとして記載されたものがあるが、それらに限定さ
れない。
一般的に、アルコールには、1以上のアルコール基を有した、飽和、不飽和、
直鎖または分岐アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アルキルアルコキシ
レート誘導体がある。親アルコールはそれら構造の一部としてアミン、アミド、
エーテルまたはエステルのような追加官能基を有していてもよい。
上記一般構造のR2およびR3は親ケトンから誘導される。一般的に、芳香およ
び非芳香双方のケトンには、脂肪族、アリル系またはベンジル系がある。ケトン
は飽和、不飽和、直鎖、分岐または環式であり、好ましくはアルキル、アルケニ
ルまたはアリール部分と、アミド、アミン、エーテルまたはエステルを含む他の
官能基を有している。
親ケトンの非制限例には、例えばイロン‐α、α‐ヨノン、β‐ヨノン、γ‐
メチルヨノン、メチルβ‐ナフチルケトン、シス‐ジャスモン、ダマスセノン、
α‐ダマスセノン、ベンジルアセトン、メチルジヒドロジャスモネート、メチル
アミルケトン、メチルヘプチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケ
トン、カルボン、カシオン、メントンおよびゲラニルアセトンがある。他の適切
なケトンには、ジケトン、例えば2,4‐ペンタジエンがある。
非芳香ケトンは1以上のケトン官能基を有して、このような基はケタールがポ
リマーとなるように更に誘導してもよい。ポリケタールも本発明に含まれるが、
それらはモノおよびジケタールほど好ましくない。モノケタールが最も好ましい
。
具体的な好ましいプロフレグランスケタール化合物は、非制限的に以下で示さ
れる:
これはα‐ヨノンおよびトリプロピレングリコールから誘導される。
本発明で有用な非環式ケタールの一部具体例には以下がある:
これは2‐オクタンおよび Neodol 6‐25から誘導される。および
これは2‐オクタノンおよびPEG‐300メチルエーテルから誘導される。
本発明のバリエーションには、親アルコールがポリビニルアルコール、デンプ
ンまたはモノマーとして三もしくは多価アルコールを組み込んだ合成コポリマー
のようなポリマーである、アセタールまたはケタールを配合した、洗濯洗剤も含
んでいる。
本発明のプロフレグランス化合物は広範囲のレベルで使用できる。そのため、
プロフレグランスアセタール、ケタールまたはそれらの混合物は、一般的範囲約
0.0001〜約10%、更に好ましくは約0.001〜5%、更に一層好まし
くは約0.01〜約1%のレベルで本洗剤組成物に処方される。
プロフレグランス化合物は、本洗剤組成物の唯一の芳香化合物として、または
他のプロフレグランスと組み合わせて、および/または他の芳香物質、エクステ
ンダー、定着剤、希釈物などと組み合わせて使用できる。例えば、脂肪トリグリ
セリドのようなワキシー物質中へプロフレグランス物質を配合すると、顆粒洗濯
洗剤、特にブリーチを含んだものでは、本プロフレグランス化合物の貯蔵安定性
を更に改善する。液体またはゲル形態の洗剤組成物では、プロフレグランス化合
物が水相からそれを分離させることで更に安定化されるエマルジョンを形成する
ために、疎水性液体エクステンダー、希釈物または定着剤が使用できる。このよ
うな安定化物質の非制限例には、ジプロピレングリコール、ジエチルフタレート
およびアセチルトリエチルシトレートがある。プロフレグランス物質を安定化さ
せるために使用できる疎水性香料成分が存在するように、香料安定化効果も有し
て、プロフレグランス物質と共に処方しうる洗剤成分も存在する。このような成
分には、脂肪酸アミン、自動皿洗い洗剤などで常用される低起泡性ワキシーノニ
オン性物質等がある。一般的に、プロフレグランスが本洗剤組成物で他の芳香物
質と併用される場合、そのプロフレグランスは他の芳香物質とは別に加えられる
ことが好ましい。プロフレグランスの合成
アセタールおよびケタールは、HClまたはp‐トルエンスルホン酸のような
慣用的酸触媒、あるいは担持スルホン酸触媒、例えばAMBERLYST 15TMを用いて、
アルデヒドまたはケトンとアルコール(ジオール)との酸触媒反応により製造で
きる。Meskens,F.,Synthesis,(7) 501(1981)およびMeskens,F.,Jannsen Chim
Acta (1) 10 (1983)参照。本発明のアセタールおよびケタールプロフレグランス
の合成に有用な多くのアルデヒド、ケトンおよびアルコールは強酸条件に反応し
やすく、望ましくない副反応を起こすことがある。Bunton,C.A.et al,J.Org.Che
m.(44),3238,(1978)およびCort.O.,et al,J.Org.Chem.(51),1310,(1986)参照。
α,β‐不飽和アルデヒドのアセタールは酸触媒の不適当な選択下で二重結合の
移動を起こしうることも知られている。Meskens,F.,Synthesis,(7) 501(1981)
およびLu,T.J.et al,J.Org.Chem.(60),2931,(1995)参照。酸に敏感な物質の場合
、pKa3〜4の酸触媒は、二重結合移動を最少に抑えて、アセタール(ケター
ル)を生成させる上で必要な反応性を維持することが最も望ましい。例えば、ジ
ゲラニルデカナールの合成では、p‐トルエンスルホン酸(pKa=1)はゲラ
ニオールと望ましくない副反応を起こす。クエン酸(pKa1=3.1、pKa2
=4.8、pKa3=6.4)は副反応なしにアセタールを形成させるために使
用できる。
ゲラニオールのような酸に敏感な物質のアセタールおよびケタールを製造する
上で副反応を避けるもう1つの技術は、触媒としてチタンイソプロポキシドまた
は三フッ化ホウ素エーテル錯化合物のようなマイルドなルイス酸を用いて、高分
子量アルコールとのジメチルアセタールまたはケタールのアセタール交換による
。洗浄界面活性剤
本発明の洗剤組成物はプロフレグランス化合物に加えて洗浄界面活性剤を含有
する。
典型的には約0.5〜約90重量%のレベルで本発明に有用な合成洗浄界面活
性剤の非制限例には、慣用的なC11‐C18アルキルベンゼンスルホネート(“L
AS”)と一級、分岐鎖およびランダムC10‐C20アルキルサルフェート(“A
S”)、式CH3(CH2)x(CH(CH3)OSO3 -M+)およびCH3(CH2
)y(CH(CH2CH3)OSO3 -M+)のC10‐C18二級(2,3)アルキルサ
ルフェート(xおよびyは整数であり、xおよび(y+1)の各々は少くとも約
7、好ましくは少くとも約9であり、Mは水溶性カチオン、特にナトリウムであ
る)、不飽和サルフェート、例えばオレイルサルフェート、C10‐C18アルキル
アルコキシサルフェート(“AExS”、特にEO 1‐7エトキシサルフェー
ト)、C10‐C18アルキルアルコキシカルボキシレート(特にEO 1‐5エト
キシカルボキシレート)、C10‐C18グリセロールエーテル、C10‐C18アルキ
ルポリグリコシドおよびそれらの対応サルフェート化ポリグリコシドと、C12‐
C18α‐スルホネート化脂肪酸エステルがある。所望であれば、いわゆるピーク
の狭いアルキルエトキシレートを含めたC12‐C18アルキルエトキシレート(“
AE”)、C6‐C12アルキルフェノールアルコキシレート(特に、エトキシレ
ートおよび混合エトキシ/プロポキシレート)、C12‐C18ベタインおよびスル
ホベタイン(“スルタイン”)、C10‐C18アミンオキシドなどのような慣用的
ノニオン性および両性界面活性剤も全体組成物中に含有させるこ
とができる。C10‐C18 N‐アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミドも有用であ
る。典型例にはC12‐C18 N‐メチルグルカミドがある。WO 9,206,
154参照。他の糖由来界面活性剤にはC10‐C18 N‐(3‐メトキシプロピ
ル)グルカミドのようなN‐アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミドがある。N
‐プロピル〜N‐ヘキシルC12‐C18グルカミドは低起泡性向けに使用できる。
C10‐C20慣用石鹸も用いてよい;しかしながら、合成洗剤が好ましい。高起泡
性が望まれるならば、分岐鎖C10‐C16石鹸も用いてよい。アニオン性およびノ
ニオン性界面活性剤の混合物が特に有用である。他の慣用的で有用な界面活性剤
は標準テキストに掲載されている。1972年5月23日付で発行された米国特
許第3,664,961号明細書も参照。
合成洗剤だけを配合した好ましい組成物は、約0.5〜約50%の洗剤レベル
を有する。石鹸を含有した組成物は、好ましくは約10〜約90%の石鹸を含ん
でいる。
本洗剤組成物は、20℃で蒸留水の1%濃度で測定されたときに、好ましくは
約7.1〜約13、更に典型的には液体洗剤の場合に約7.5〜約9.5および
顆粒洗剤の場合に約8〜約12のpHを有する。試験法
CLogPの計算
本発明のプロフレグランスは、それらのオクタノール/水分配係数Pで特徴付
けられる。プロフレグランスのオクタノール/水分配係数は、オクタノール中お
よび水中におけるその平衡濃度間の比率である。プロフレグランス化合物の分配
係数は大きいため、それらは底10に対するそれらの対数、logPの形で示す
とより便利である。
多くの化合物のlogPが報告されている。例えば、Daylight Chemical Info
rmation Systems,Inc.(Daylight CIS)から入手しうる Pomona 92デ
ータベースは、オリジナル文献の引用と一緒に、多くのこのような値を載せてい
る。
しかしながら、logP値は Daylight CISからも入手しうる“CLOGP
”プログラムで計算すると最も便利である。このプログラムも、Pomona 92デ
ータベースで入手しうるときには、実験logP値を掲載している。“計算lo
gP”(CLogP)はHansch and Leoのフラグメントアプローチにより調べら
れる(cf.A.Leo,Comprehensive Medicinal Chemistry,Vol.4,C.Hansch,P.G.S
ammens,J.B.Taylor and C.A.Ramsden,Eds.,p.295,Pergamon Press,1990)。フラ
グメントアプローチは化合物の化学構造に基づいており、原子の数およびタイプ
、原子結合性および化学結合を考慮している。この物理化学的性質について最も
信頼できて汎用される推定値であるCLogP値は、好ましくは、プロフレグラ
ンスの選択に際して実験logP値の代わりに用いることができる。
加水分解半減期(t‐1/2)の測定
加水分解半減期は、プロフレグランス化合物が酸加水分解をうけて、酸条件へ
の暴露でその芳香成分を放出する容易性を決めるために用いられる尺度である。
本発明のプロフレグランス化合物は、pH0で記載された加水分解条件下で60
分未満の半減期を有している。好ましくは、本発明のプロフレグランスはpH2
で60分未満の半減期を有している。顆粒洗剤の場合には、それより反応性のプ
ロフレグランス、即ちpH2で1分未満の半減期のものが最も適切であるが、p
H0で60分未満の半減期を有するものも有用である。液体洗剤適用の場合には
、pH0で60分未満の半減期およびpH2で1分以上の半減期を有するプロフ
レグランスが好ましくは用いられるべきである。
加水分解半減期は、30℃で90/10ジオキサン/水系中でUV/Vスペク
トル測定、その後カルボニル吸光度の出現により調べられる。本発明のプロフレ
グランス化合物の疎水性のために、高いジオキサン/水比がプロフレグランスの
溶解を保証する上で要される。用いられる水のpHは、水性HClを用いること
で達成される。ジオキサン/水系中におけるプロフレグランスの濃度は、好都合
な測定しうる吸光度変化を行わせるように調整できる。
すべての測定は、Hewlett Packard 8452 A Diode Array Spectrophotometerで
石英1cm路長キュベットセルを用いて行われる。用いられる物質には、1,4
‐ジオキサン HPLC Grade 99.9%(Sigma-Aldrich)、1N HCl溶液(J
.T.Baker)、18.2Mオームcmの抵抗率でMilliQPlus(Millipore)でロ過
された脱イオン水がある。pHはpH4およびpH7緩衝液で標準化されたOrio
n 230Aを用いて測定される。1N HCl標準はpH0条件のために直接用
いられる。pH2条件では、1N HClは脱イオン水で希釈される。
プロフレグランスは分析天秤(Mettler AE 200)を用いて10mlメスフラス
コで秤量される。精度は1/10mgである。秤量された物質はジオキサン約8
mlに溶解される。前記のように調製されたプロフレグランスのジオキサン溶液
および酸水溶液が双方ともそれらの別々な容器中で水浴により30±0.25℃
の温度に前加熱される。酸水溶液1.000mlがEppendorf ピペットによりプ
ロフレグランス溶液に加えられる。その後ジオキサンで10mlマークまで希釈
する。加水分解時間が測定され、酸の添加時から開始する。プロフレグランス溶
液は振盪により30秒間混合され、溶液が石英キュベットに移される。プロフレ
グランス溶液の吸光度(At)が規則的な時間間隔で追跡され、キュベットは測
定の間に上記温度で水浴中で保たれる。初期吸光度(Ao)測定は90/10v
/vジオキサン‐脱イオン水溶液中で等濃度のプロフレグランスを用いて行われ
、最終吸光度(Af)測定は加水分解が終了した後に加水分解されたプロフレグ
ランス溶液を用いて行われる。加水分解が追跡される波長は、親アルデヒドまた
はケトンの最大吸光度の波長で選択される。
反応半減期は慣例的操作を用いて調べられる。観察された一次速度定数(kob s
)は、時間(min)に対して下記関数をプロットすることにより得られる線の傾き
により調べられる:
Ln〔(Ao−Af)/(At−Af)〕
上記関数は、初期時間(Ao)および最終時間(Af)の吸光度差対時間t(At
)および最終時間(Af)の吸光度差の比率の自然logである。
本発明で規定される半減期とは半分のプロフレグランスが加水分解される上で
要する時間であり、下記関数により観察される速度定数(kobs)から調べられ
る:
Ln(1/2)=−kobs t1/2 追加洗剤成分
前記されたプロフレグランス化合物に加えて、本発明の洗剤組成物は、クリー
ニング性能、クリーニングされる物品の処理を助けるかまたは高め、あるいは洗
剤組成物の美観性を変えるための物質のような、洗剤製品で常用される1種以上
の追加洗剤成分を更に含有していてもよい(例えば、慣用的な香料、着色料、色
素など)。このような追加成分は当業者に知られている。以下は他の洗剤成分の
例示である。
ビルダー‐洗剤ビルダーは、ミネラル硬度のコントロールを助けるために、場
合により本組成物中に含有させることができる。無機および有機ビルダーが使用
できる。ビルダーは、粒状汚れの除去を助けるために、布帛洗濯組成物で典型的
に用いられる。
ビルダーのレベルは、組成物の最終用途とその望まれる物理的形態に応じて、
広く変えることができる。存在するとき、組成物は典型的には少くとも約1%の
ビルダーを含む。液体処方物は、典型的には約5〜約50重量%、更に典型的に
は約5〜約30%の洗剤ビルダーを含む。顆粒処方物は、典型的には約10〜約
80重量%、更に典型的には約15〜約50%の洗剤ビルダーを含む。しかしな
がら、それより低いまたは高いレベルのビルダーが排除される意味ではない。
無機または洗剤ビルダーには、ホスフェートビルダー、例えば(トリポリホス
フェート、ピロホスフェートおよびガラス状ポリマーメタホスフェートで例示さ
れる)ポリホスフェートのアルカリ金属、アンモニウムおよびアルカノールアン
モニウム塩、ホスホネートおよびフィチン酸と、無リンビルダー、例えばシリケ
ート、カーボネート(ビカーボネートおよびセスキカーボネートを含む)、サル
フェートおよびアルミノシリケートがあるが、それらに限定されない。非リン酸
ビルダーも一部の地域では必要とされる。
本発明で使用に適した有機ビルダーには、1967年3月7日付で発行された
米国特許第3,308,067号、1979年3月13日付で発行された第4,
144,226号および1979年3月27日付で発行された第4,246,4
95号明細書に開示されたようなポリカルボキシレートビルダーがある。
汚れ放出剤
汚れ放出剤が本発明の洗濯洗剤に用いられることが望ましい。適切な汚れ放出
剤には、1990年11月6日付の米国特許第4,968,451号のもの(こ
のようなエステルオリゴマーは(a)アリルアルコールをエトキシル化させ、(
b)(a)の生成物をジメチルテレフタレート(“DMT”)および1,2‐プ
ロピレングリコール(“PG”)と2段階エステル交換/オリゴマー化操作で反
応させ、(c)(b)の生成物を水中でメタ重亜硫酸ナトリウムと反応させるこ
とにより製造できる);1987年12月8日付で発行された米国特許第4,7
11,730号のノニオン性末端キャップ化1,2‐プロピレン/ポリオキシエ
チレンテレフタレートポリエステル、例えばポリ(エチレングリコール)メチル
エーテル、DMT、PGおよびポリ(エチレングリコール)(“PEG”)
のエステル交換/オリゴマー化により作られたもの;1988年1月26日付で
発行された米国特許第4,721,580号の部分および完全アニオン性末端キ
ャップ化オリゴマーエステル、例えばエチレングリコール、(“EG”)、PG
、DMTおよび3,6‐ジオキサ‐8‐ヒドロキシオクタンスルホン酸Naから
のオリゴマー;例えばDMT、Meキャップ化PEGおよびEGおよび/または
PG、またはDMT、EGおよび/またはPG、Meキャップ化PEGおよびN
a‐ジメチル‐5‐スルホイソフタレートの組合せから作られる、1987年1
0月27日付で発行された米国特許第4,702,857号のノニオン性キャッ
プ化ブロックポリエステルオリゴマー化合物;1989年10月31日付で発行
された米国特許第4,877,896号のアニオン性、特にスルホアロイル、末
端キャップ化テレフタレートエステルがある(後者は洗濯および布帛コンディシ
ョニング製品の双方に有用なSRAの典型例であり、例はm‐スルホ安息香酸一
ナトリウム塩、PGおよびDMTから作られたエステル組成物であるが、場合に
より、但し好ましくはPEG、例えばPEG3400を更に加える)。もう1つ
の好ましい汚れ放出剤は、米国特許第5,415,807号明細書に記載された
スルホネート末端キャップ化タイプである。他の成分
本組成物は、酵素、ブリーチ、布帛柔軟剤、染料移動阻止剤、起泡抑制剤およ
びキレート化剤のような他の成分を含有できるが、すべて当業界内で周知である
。慣用的香料物質と共にまたはなしで洗剤との処方
本発明のプロフレグランスは単独で用いても、必須洗剤成分、最も多くは界面
活性剤と単純に混合してもよいが、それらは(a)1種以上の合成洗剤を含む非
芳香洗剤ベース、(b)本発明による1種以上のプロフレグランスアセタールま
たはケタール、および(c)完全処方フレグランスを混合した3部処方物中に混
入させることも望ましい。後者は望ましいパッケージ時および使用時(洗浄時)
芳香を発するが、プロフレグランスは洗濯されたテクスタイル布帛に長期芳香を
付与する。
本発明の洗剤組成物を処方する場合に、完全処方フレグランスは天然または合
成源の多くの公知香気成分を用いて調製できる。天然物質の範囲には、易揮発性
だけでなく、中度揮発性およびやや揮発性の成分を含み、合成物質の場合には、
下記例示から明らかなように、実際上すべてのクラスの芳香物質からの代表例:
天然産物、例えばツリー・モス・アブソルート(tree moss absolute)、メボウ
キ油、シトラスフルーツ油(例えばベルガモット油、マンダリン油など)、マス
チック・アブソルート、ミルテ油、パルマローザ油、パチョリ油、プログレン油
Paraguay、ニガヨモギ油、アルコール類、例えばファルネソール、ゲラニオール
、リナロール、ネロール、フェニルエチルアルコール、ロジノール、シンナミル
アルコール、アルデヒド類、例えばシトラール、HelionalTM、α‐ヘキシルシン
ナムアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、LilialTM(p‐t‐ブチル‐α‐
メチルジヒドロシンナムアルデヒド)、メチルノニルアセトアルデヒド、ケトン
類、例えばアリルヨノン、α‐ヨノン、β‐ヨノン、イソラルデイン(イソメチ
ル‐α‐ヨノン)、メチルヨノン、エステル類、例えばフェノキシ酢酸アリル、
サリチル酸ベンジル、プロピオン酸シンナミル、酢酸シトロネリル、シトロネリ
ルエトキソレート、酢酸デシル、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、ジメ
チルベンジルカルビニルブチレート、アセト酢酸エチル、アセチル酢酸エチル、
イソ酪酸ヘキセニル、酢酸リナリル、メチルジヒドロジャスモネート、酢酸スチ
ラリル、酢酸ベチベリルなど、ラクトン類、例えばγ‐ウンデカラクトン、香料
によく用いられる様々な成分、例えばムスクケトン、インドール、p‐メンタン
‐8‐チオール‐3‐オンおよびメチルオイゲノールを含む。同様に、当業界で
知られるいかなる慣用的な芳香アセタールまたはケタールも、慣用的な処方香料
(c)の任意成分として本組成物に加えてよい。このような慣用的芳香アセター
ルおよびケタールには、周知のメチルおよびエチルアセタールおよびケタールと
、ベンズアルデヒドをベースにしたアセタールまたはケタール、フェニルエチル
部分を含んだもの、または"Acetals and Ketals of Oxo-Tetralins and Oxo-Ind
anes"と題された米国特許明細書(1992年1月28日付で発行され、Givauda
n Corp.に譲渡された、米国特許第5,084,440号参照)に記載されたよ
うな、最近開発された特殊品がある。もちろん、他の最近の合成特殊品も完全処
方洗剤向けの香料組成物中に含有させることができる。これらには、1994年
7月26日付で発行された米国特許第5,332,725号および1991年1
2月9日付で発行された米国特許第5,264,615号明細書に記載されたよ
うなアルキル置換オキソテトラリンおよびオキソインダンのエノールエーテルが
ある。プロフレグランス化合物は慣用的なフレグランスとは別に本発明の洗剤組
成物に加えられることが好ましい。他の特殊目的フレグランスデリバリー化合物との処方
本発明による洗剤は、場合により、所望であれば、フレグランスの永続性を高
める能力を有した他の公知化合物を更に含有してもよい。このような化合物には
、1977年10月25日付で発行された米国特許第4,055,634号明細
書に開示されたイソブチルアルミニウムジフェラニレートのようなアルミニウム
アルコキシド;または1976年3月30日付で発行された米国特許第3,94
7,574号および1973年12月18日付で発行された米国特許第3,77
9,932号明細書に開示されたような芳香物質の公知チタネートおよびジルコ
ネートエステルまたはオリゴエステルがあるが、それらに限定されない。このよ
うな有機アルミニウム、有機チタンまたは有機亜鉛誘導体を用いるとき、それら
はそれらの業界公知レベルで本明細書に記載された本発明の洗剤組成物中に配合
される。使用方法
その方法面において、本発明は以下のように記載することができる:
(a)アセタール、ケタールおよびそれらの混合物からなる群より選択される
プロフレグランス化合物(プロフレグランス化合物は約4未満のCLogPを有
する)と洗浄界面活性剤とを含んだ洗剤組成物の水溶液で表面を洗浄する(上記
洗剤組成物は20℃で蒸留水中1%溶液として測定されたときに少くとも7.1
のpHを有する);
(b)その後上記表面をpHの低下に曝す
ステップからなる、残留フレグランスを洗浄された表面にデリバリーする方法
例
下記例では、本発明の範囲内における態様について更に記載および説明してい
る。例は説明目的で単に示されており、本発明の制限として解釈されるべきでな
く、その多くのバリエーションが本発明の精神および範囲から逸脱せずに可能で
ある。
以下に示された洗剤組成物は当業界で周知の常法により製造できる。適切な方
法および処方は下記のとおりである:例1
〔酸触媒反応によるジ(Neodol 23-6.5)P.T.ブシナールアセタールの製造
〕
200ml単首丸底フラスコを用意する。P.T.ブシナール4.09g(2
0mmol)、ベンゼン60ml、Neodol 23-6.5 22.5g(50mmol)およびp
‐トルエンスルホン酸一水和物0.2g(1mmol、5 mol%)を加える。容器に
Dean-Starkトラップおよびコンデンサーを備え付け、加熱還流する。相当量の水
がDean-Starkトラップに集められるまで反応を続ける。冷却後、反応混合液を飽
和炭酸ナトリウムおよび水で数回洗浄し、その後硫酸ナトリウムで乾燥させる。
溶媒を真空下で除去し、未反応親アルデヒドを250℃、0.2mmHgでバル
ブ間蒸留下で除去して、望ましい物質としてスペクトル分析で同定された淡褐色
油状物19.6g(80%)を得る。得られるアセタールのCLogPは4未満
である。例2
〔酸触媒反応によるトリプロピレングリコールP.T.ブシナールアセタールの
製造〕
200ml単首丸底フラスコを用意する。P.T.ブシナール4.09g(2
0mmol)、ベンゼン60ml、トリプロピレングリコール4.81g(25mmol
)およびp‐トルエンスルホン酸一水和物0.2g(1mmol、5 mol%)を加え
る。容器にDean-Starkトラップおよびコンデンサーを備え付け、加熱還流する。
相当量の水がDean-Starkトラップに集められるまで反応を続ける。冷却後、反応
混合液を飽和炭酸ナトリウムおよび水で数回洗浄し、その後硫酸ナトリウムで乾
燥させる。溶媒を真空下で除去し、未反応親アルデヒドを250℃、0.2mmHg
でバルブ間蒸留下で除去して、望ましい物質としてスペクトル分析で同定された
淡褐色油状物6.1g(80%)を得る。得られるアセタールのCLogPは4
未満である。例3
〔ジ(Neodol 23-6.5)P.T.ブシナールアセタールからデリバリーする顆粒
洗濯組成物〕
例1のプロフレグランス 1.0%
C11‐C13ドデシルベンゼンスルホネート 21.0%
C12‐C13アルキルエトキシレートEO1‐8 1.2%
ナトリウムトリポリホスフェート 35.0%
ゼオライトNa4A 14.0%
ケイ酸ナトリウム2.0比 2.0%
炭酸ナトリウム 23.4%
酵素(NovoからのSavinaseTMおよび/またはLipolaseTM) 1.4%
カルボキシメチルセルロース 0.3%
アニオン性汚れ放出剤*1 0.3%
増白剤 0.2%
シリコーン起泡抑制剤(Dow Corning Corp) 0.2%
香料*2 0.3%
硫酸ナトリウム 0.5%
水分 100%までの残部*1
U.S.4,968,451*2
下記処方の香料組成物:
サリチル酸ベンジル 20%
エチレンブラシレート 20%
ガラキソリド(安息香酸ベンジル中50%溶液) 20%
ヘキシルシンナムアルデヒド 20%
テトラヒドロリナロール 20%
100%例4
〔ジ(Neodol 23-6.5)P.T.ブシナールアセタールからデリバリーする顆粒
洗濯洗剤〕
例1のプロフレグランス 1.0%
直鎖ドデシルベンゼンスルホネート 21.0%
Neodol 23-6.5-ノニオン性界面活性剤 1.2%
ナトリウムトリポリホスフェート 35.0%
ゼオライト4A 14.0%
ケイ酸ナトリウム2.0比 2.0%
炭酸ナトリウム 23.4%
酵素(NovoからのSavinaseTMおよび/またはLipolaseTM) 1.5%
カルボキシメチルセルロース 0.3%
アニオン性汚れ放出剤*1 0.3%
増白剤 0.2%
シリコーン起泡抑制剤(Dow Corning Corp) 0.2%
香料*2 0.3%
硫酸ナトリウム 0.5%
水分 100%までの残部*1
U.S.4,968,451*2
例3の*2参照例5
〔プロフレグランスと、慣用的ケタール芳香成分を有する完全処方香料組成物と
を含んだ洗濯洗剤〕
洗濯洗剤組成物を例4による洗濯洗剤98gを計量して調製するが、但し香料
およびプロフレグランスは含まれない;下記のような第一プレミックスおよび慣
用的ケタールの混合物から作られたフラワリー‐ウッディータイプの香料(本発
明で規定されるような必須プロフレグランスによるものではない)2gを上記組
成物に混ぜる:
第一プレミックス:
ベルガモット油 7.5g
リナロール 4.0g
フェニルエチルアルコール 4.0g
酢酸ベンジル 2.0g
シトロネロール 0.5g
Hedione TM(a) 10.0g
Lyral TM(b) 4.0g
ヒドロキシシトロネラール 2.5g
DPG中10%ローズオキシド1(c) 2.5g
ヘキシルシンナムアルデヒド,α 7.5g
パチョリ油インドネシアン 4.0g
Iso-ETM(b) 2.0g
酢酸ベチベリル 2.0g
Brahmanol TMF(c) 2.0g
サリチル酸ベンジル 2.0g
シス‐3‐ヘキセニルサリチレート 1.0g
Cedramber TM(b) 1.0g
ムスクキシレン 1.0g
DPG中10%インドール 0.5g
オポパナクスのエキス 0.5g
DPG中50%オークモスのエキス 5.0g
(a) Firmenich
(b) IFF
(c) DRAGOCO
第一プレミックスの全重量部 68.0g
第一香料プレミックスは5a/5b(80:20)32重量部をそれに加える
ことにより調製する;5aは5‐エチレンジオキシ‐3β‐H‐イソロンギホラ
ンであり、5bは5‐エチレンジオキシ‐3α‐H‐イソロンギホランである;
これら2つの化合物は本発明によらない慣用的香料ケタールであり、それらの合
成は1995年6月20日付でBrunkeおよびSchatkowski に発行されてDragoco
に譲渡された米国特許第5,426,095号の"CYCLIC ISOLONGIFOLANONE-KET
ALS-THEIR MANUFACTURE AND THEIR APPLICATION"に記載されている。
例2によるプロフレグランス1.0gを粉末化された無香料洗剤組成物中にミ
ックスする。最後に、上記香料組成物約1.5gを洗剤およびプロフレグランス
の混合物上にスプレーして、フレグランス、プロフレグランス入り洗濯洗剤組成
物を仕上げる。この組成物はフローラルウッディー特徴を有して、それで洗浄さ
れたテクスタイル布帛に改善された長期持続性の香りを残す。例6
〔プロフレグランスを含んだ固形洗濯洗剤の形態を有する洗剤〕
例1のプロフレグランス 1.0%
獣脂石鹸およびヤシ石鹸混合物(80:20) 44.0%
直鎖ドデシルベンゼンスルホネート 12.0%
ナトリウムトリポリホスフェート 6.0%
炭酸ナトリウム 8.0%
硫酸ナトリウム 0.5%
タルク 9.0%
香料*1 0.2%
水分 100%までの残部*1
例3の*2参照例7
〔プロフレグランスを含む液体洗剤〕
例1のプロフレグランス 1.0%
ナトリウムC12‐C15アルコールエトキシレートE2.5 サルフェート18.0%
Neodo 123-9 ノニオン性界面活性剤 2.0%
C12アルキルN‐メチルグルカミド 5.0%
ナトリウムクメンスルホネート 3.0%
クエン酸 3.0%
脂肪酸(C12‐C14) 2.0%
ホウ酸 3.5%
水酸化ナトリウム 2.8%
エトキシル化テトラエチレンペンタミン 1.2%
汚れ放出ポリマー 0.15%
1,2‐プロパンジオール 8.0%
エタノール 3.6%
モノエタノールアミン 1.1%
その他*1 1.8%
水分 100%までの残部*1
その他には増白剤と酵素を含む
本明細書に記載された例および態様は本発明の例示であるが、当業者であれば
そのバリエーションまたは変更も本発明の範囲内に完全に属することがわかるで
あろう。1つのこのようなバリエーションにおいて、実施者は例えばpH0で半
減期1分未満のプロフレグランスを選択することにより、本発明の利点をなお求
めながら分子量を最少に抑える。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ
,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU
,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,
CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G
B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG
,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,
LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N
O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG
,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,
US,UZ,VN,YU