JPH11507341A - 電気輸送流量を増加させる、ポリペプチド系薬物の修飾 - Google Patents

電気輸送流量を増加させる、ポリペプチド系薬物の修飾

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JPH11507341A JP9501710A JP50171097A JPH11507341A JP H11507341 A JPH11507341 A JP H11507341A JP 9501710 A JP9501710 A JP 9501710A JP 50171097 A JP50171097 A JP 50171097A JP H11507341 A JPH11507341 A JP H11507341A
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Abstract

(57)【要約】 ポリペプチド薬物の経皮的電気輸送流量を向上させるためにそのポリペプチド薬物を修飾する方法が提供される。ポリペプチドは1種以上のグルタミン(Gln)、トレオニン(Thr)及び/又はアスパラギン(Asn)の残基をヒスチジン残基(His)で置換することにより修飾される。親ポリペプチドの生物活性を保持すると言う観点から、GlnのHisによる置換が特に好ましい。この修飾ポリペプチドの、経皮的電気輸送送出に有用な組成物も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 電気輸送流量を増加させる、ポリペプチド系薬物の修飾 技術分野 本発明は、一般に、電気輸送ドラッグデリバリー、更に詳しくは経皮的電気輸 送ドラッグデリバリーに関する。具体的に言うと、本発明は、ポリペプチド中の 特定のアミノ酸を置換することによりそのポリペプチドの電気輸送流量を改善す る方法に関する。 発明の背景 治療薬(例えば、薬物)の経皮的(即ち、皮膚を通しての)送出は、薬剤の1 つの重要な投与ルートである。薬物の経皮的送出は、胃腸の損傷や肝臓の代謝を 回避するためのものである。市販の大多数の経皮的・ドラッグデリバリーシステ ム(drug delivery system)(例えば、ニトログリセリン、スコポラミン、エス トラジオール、テストステロンのスキンパッチ)は、薬物を受動性拡散(passiv e diffusion)により送り出される。その薬物は、パッチ中のレザバーから、存 在する濃度勾配により、患者の皮膚の中へと拡散して行く。即ち、薬物はパッチ レザバー中の高濃度から患者の体の低濃度へと拡散して行く。患者の皮膚を通る 薬物の流量(flux)は、薬物の分配係数及び溶解特性を含めて多数の因子によっ て決まる。このタイプのデリバリーシステム(即ち、塗剤)では、薬物の患者の 血流への送出は遅くなるが、それは制御されている。薬物の経皮的送出は薬物の 特に魅力的な投与ルートであって、その治療指数は狭く、半減期が短くそして活 性が強力である。 残念ながら、多くの薬物が示す経皮的拡散流量は、治療上有効であるとするに は小さ過ぎる。これはポリペプチドやタンパク質のような高分子量の薬物では特 にそうである。薬物の経皮的流量を高めるのに、患者の体表面(例えば、皮膚) と接触している薬物レザバーを通して印加される電流を低レベルで適用する技法 が用いられて来た。この技法は、イオン電気導入法、更に最近では電気輸送(el ectrotransport)と言う名称を含めて、幾つかの名称で呼ばれている。 電気輸送法は、治療剤又は治療薬物種の経皮的輸送を、駆動力として電流を用 いることによって、即ち電流を薬剤含有レザバーを通して患者に適用することに よって達成する方法である。電気輸送法は、印加電流の振幅、タイミング及び極 性が標準的な電気製品を用いて容易に調整されるので、その方法だけでも、受動 性の経皮的薬物送出法より更に制御し易い方法である。一般に、薬物の電気輸送 流量は同薬物の受動性経皮的流量より50%から数桁大きい可能性がある。 現在知られている電気輸送ディバイスでは、少なくとも2つの電極が用いられ ている。これら電極は共に患者の体表面(例えば、皮膚)のある部分と電気的に 密接した状態で配置されている。活性電極またはドナー電極(donor electrode )と呼ばれる一方の電極は、(例えば、イオン性の又はイオン化性の)治療薬、 薬物前駆体又は薬物を体に電気輸送で送り込む電極である。カウンター(counte r)または戻り(return)電極と呼ばれる他方の電極は、体を通って電気回路を 閉じる役割を果たす。その電気回路は、それら電極が接触している体表面と協力 して、電気的エネルギー源、例えば電池にそれら電極を接続することによって完 成される。 経皮的に送り出される薬物種の電荷に依存して、陽極又は陰極のどちらかが“ 活性”電極、即ちドナー電極となることができる。例えば、体に送り込まれるべ きイオン性物質が正に帯電している場合(即ち、カチオン)は、陽極が活性電極 となり、陰極が回路を完成する役割を果たす。他方、送り出されるべきイオン性 物質が相対的に負に帯電している場合(即ち、アニオン)は、陰極電極が活性電 極となり、陽極電極がカウンター電極となる。 或いはまた、陽極と陰極が、共に、適切な電荷を持つ薬物を体に送り込むため に用いることができる。このような場合、両電極が活性電極、即ちドナー電極で あると見なされる。即ち、陽極電極は正に帯電した薬剤を体の中に送り込むこと ができ、一方陰極電極が負に帯電した薬剤を体の中に送り込むことができる。 現存する電気輸送デバイスでは、一般に、体に電気輸送で送り出されるべき治 療薬のレザバー又は治療薬源が必要である;治療薬は、典型的には、イオン化若 しくはイオン化性薬物種、又はそのような薬物種の前駆体の液体溶液の形を取っ ている。このようなレザバー又は薬物種源の例に、ヤコブセン(Jacobsen)の米 国特許第4,250,878号明細書に記載されるパウチ、ウエブスター(Webs ter)の米国特許第4,382,529号明細書に開示される予備形成ゲル体、 及びサンダーソン(Sanderson)等の米国特許第4,722,726号明細書の 図面に開示される、薬物の液体溶液を保持するガラス製又はプラスチック製容器 がある。このような薬物レザバーは、電気輸送ディバイスの陽極又は陰極に電気 的に接続されて、1種又はそれ以上の薬物種又は薬剤の固定源又は入れ換え可能 源を提供する。 本明細書で使用される“電気輸送”なる用語は、一般に、送り出されるべき治 療薬が完全に帯電している(即ち、100%イオン化されている)か、完全に帯 電していないか、又は部分的に帯電し、かつ部分的に帯電していないかに係わら ず、治療薬の電気的に補助された送出を意味する。治療薬又は治療薬種は電気泳 動、電気浸透、電気穿孔又はそれらの任意の組み合わせで送り出すことができる 。電気浸透は、一般に、治療薬種が含まれている液体溶媒が、治療薬種のレザバ ーに対する電気起電力の印加の結果、浸透することの結果として起こるものであ る。電気穿孔は一時的に存在する細孔の形成を含むもので、その形成は皮膚に電 流を適用すると起こる。 ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質の経皮的電気輸送送出が、経口的送出 のようなより一般的な投与ルートで遭遇する諸問題の故に、特に関心のあるもの である。ポリペプチドとタンパク質の分子は、胃腸管中のタンパク質分解酵素に よる分解を非常に受け易く、また経口的に摂取されるときは徹底的な肝代謝を受 ける。ポリペプチドとタンパク質は、通常、患者の血液中に治療レベルを達成す るために非経口で投与されることが必要である。最も普通の非経口投与法は皮下 注射と静脈投与である。ポリペプチドとタンパク質は、しかし、それらの生物活 性の作用期間が本来的に短く、必要とされる有効な治療レベルを維持するには、 頻繁な注射、しばしば1日当たり数回の注射を行うことが必要である。タンパク 質では、しばしば、この治療法が不都合で、痛みを伴い、かつ、例えば感染の危 険を伴うことが見いだされている。 製剤としてのポリペプチド及びタンパク質の効果的な投与のための(非経口的 注射以外の)他のルートを見いだすために、多大の努力が費やされて来た。副作 用がより少なく、しかも患者の受け入れ易さがより良好な投与ルートが、特に大 きな関心事となって来た。代案としてのこのようなルートに、一般に、ポリペプ チド/タンパク質をカプセル又は他の容器から胃の低pH環境を通過した後に放 出させる“遮蔽(shielded)”経口投与、粘膜組織、例えば肺の粘膜組織を通し てのエンハラー(enhalaers)による、又は鼻の粘膜組織を通しての鼻スプレー 及び移植可能なポンプによる送出があった。今までのところは、残念ながら、ポ リペプチド/タンパク質送出のこれら代替ルートは、極く限られた成功しか収め ていない。 ポリペプチド及びタンパク質の電気輸送送出はまた技術的困難にも遭遇した。 例えば、水は、その優れた生体適合性に因り、電気輸送により送り出される薬物 の溶液を形成するための好ましい液体溶媒である。多くのポリペプチド及びタン パク質は、残念ながら、水の存在下では不安定である(即ち、それらは加水分解 されて行くか、酸化されて行くか、変性されて行くか、さもなければ分解されて 行く)。皮膚も、また、ポリペプチド/タンパク質をそれが経皮的に送り出され るにつれて分解させ得るタンパク質分解酵素を含む。加えて、特定のポリペプチ ド/タンパク質、特に治療される動物が産生するものではないものは、皮膚反応 、例えば感作反応又は刺激反応を引き起こし得る。 多数の研究者がポリペプチド及びタンパク質の電気輸送送出を明らかにした。 J.Pharm.Sci.、第75巻(1986年)、738頁のR.バーネット(R.Bur nette)等による初期の研究は、小さいトリペプチド分子である甲状腺刺激ホル モンのインビトロ皮膚透過を包含するものであった。その電気輸送流量は受動性 拡散流量より大であることが見いだされた。チェン(Chien)等のJ.Pharm.Sci .、第78巻(1988年)、376頁の試験管内及び生体内での研究では、バ ソプレシン及びインシュリンの電気輸送による経皮的送出が可能であることが示 された。モールディング(Maulding)等の、ミニピッグでのカルシトニンの電気 輸送送出を開示する法定発明登録第H1160号明細書も参照されたい。 (電気輸送用電流の印加レベルを単純に上げる方法以外の)多数の方法が、ポ リペプチド薬物及びタンパク質薬物の経皮的電気輸送流量を高めるために用いら れて来た。1つの方法は、イオン性界面活性剤のような流量向上剤の使用を含む ものである。例えば、サンダーソン等の米国特許第4,722,726号明細書 を参照されたい。もう1つの方法は、電気輸送流量を高めるために単なる水以外 の共溶媒を使用するものである。例えば、欧州特許出願第0278473号明細 書を参照されたい。更にもう1つの方法は、皮膚の外層(即ち、角質層)を機械 的に引き裂き、その後それを通して電気輸送送出を行うことを含むものである。 リー(Lee)等の米国特許第5,250,023号明細書を参照されたい。 経皮的電気輸送薬物流量を高めることに関する更なる方法は、関心のある薬物 のプロドラッグ、即ち類似体を合成し、そのプロドラッグ、即ち修飾類似体を電 気輸送することを含むものである。例えば、WO92/12999号明細書には 、インシュリンを自己会合傾向が低下したインシュリン類似体として送り出すこ とが開示される(常用の製剤組成物に存在するインシュリンの会合形態のものは 、明らかに、そのインシュリンの経皮的送出を低下させる)。これらの類似体は 、アスパラギン酸(Asp)又はグルタミン酸(Glu)で、インシュリンポリペプチ ド鎖に沿う選択された位置における他のアミノ酸残基を置換することにより合成 される。WO93/25197号明細書には、ペプチド及び非ペプチドの両薬物 を、化学修飾剤(例えば、帯電要素)が親製剤に共有結合されている製剤―修飾 剤の錯体、即ちプロドラッグとして送り出すことが開示される。この共有結合は その薬剤が体に送り込まれた後に切断され、それによって親薬剤が放出される。 タンパク質及びポリペプチドの電気輸送送出に関連した諸問題は認識されてお り、そしてポリペプチド薬物及びタンパク質薬物の電気輸送流量を改善しようと する試みにも、これまでに進歩があったが、ポリペプチド及びタンパク質につい てより大きな経皮的電気輸送流量を達成する方法を提供する必要は、依然として 存在している。 発明の説明 本発明の1つの面は、薬物、更に具体的にはポリペプチド薬物及びタンパク質 薬物の電気輸送流量を増加させる方法を提供することである。 本発明のもう1つの面は、ポリペプチド薬物及びタンパク質薬物の経皮的電気 輸送流量を増加させる方法を提供することである。本発明の方法は、それだけで 、従来は電気輸送で治療上有効な速度では経皮的に送り出すことができなかった 多 くのポリペプチド及びタンパク質の電気輸送送出を可能にする。 これらの及び他の面は、電気輸送送出分野の当業者には、次の本発明の詳細な 説明から明らかになるであろう。本発明は、ポリペプチド薬物及びタンパク質薬 物を、その電気輸送流量を改善又は向上させるように誘導体化する方法に関する 。本発明の方法は、関心のあるポリペプチド又はタンパク質を、電気輸送が起こ るpHにおける増加した正電荷、増加した電気泳動移動度及び/又は増加した親 水性のような、改善された電気輸送流量特性を有する合成類似体として提供する ことを特徴とするものである。 上記の類似体は、親ポリペプチド又は同タンパク質の生物活性と少なくとも略 同等の生物活性を有するのが好ましく、そして親より大きい生物活性を有するの が更に好ましい。この類似体は、極性はあるが帯電はしていない側鎖を有する1 つ又はそれ以上のアミノ酸残基がヒスチジン残基で置換されていることによって 、親とは異なっている。そのヒスチジン残基は、陽極電気輸送送出中に一般に遭 遇するpH範囲で正電荷を持つ。好ましい置換可能なアミノ酸残基に、グルタミ ン、アスパラギン及びトレオニンがある。これらの内で、グルタミンを置換する のが最も好ましい。 本発明は、もう1つの面では、親ポリペプチド又は同タンパク質の薬物に比較 して、向上した電気輸送流量を有する合成類似体である。親タンパク質又は同ポ リペプチドの薬物は少なくとも1つの、極性はあるが帯電はしていない側鎖アミ ノ酸残基を有し、またその類似体はヒスチジン残基で置換された少なくとも1つ のこれら残基を有する。この類似体は親タンパク質又は同ポリペプチドの薬物の 生物活性と少なくとも略同等の生物活性を示すのが好ましく、そして生理学的p Hで親と同じ総電荷分布を有しているのが好ましい。 本発明の他の利点、並びに特定の適用例、組成変更態様及び物理的特質につい ての更に完全な理解は、次の図面と詳細な説明から明らかになるであろう。 図面の簡単な説明 図面において、明細書全体を通じて同様の参照数字は、同様の要素を指す。 図1は、本発明による電気輸送ドラッグデリバリーディバイスの模式図である 。 発明を実施するための形態 本発明は、広い面から見ると、治療薬の電気輸送流量、特にポリペプチド及び タンパク質の経皮的電気輸送流量を増加させる方法に関する。本発明は、また、 本明細書に記載される諸方法を実施するための治療薬処方物と電気輸送デリバリ ーシステムに関する。 本発明は、電気輸送で送り出すためのポリペプチド及びタンパク質の各薬物の 電気輸送流量を、総電荷分布を略生理学的pHにおいて保持し、また、好ましく は少なくとも略同じポリペプチド又はタンパク質薬物の生物活性を保持しつつ、 電気輸送のpHにおいて親水性と電気泳動移動度との両者を増大させることによ り、改善する能力に特徴を有するものである。 本発明は、1つの面から見ると、生物活性ポリペプチド薬物に比較して向上し た電気輸送特性を有する、上記生物活性ポリペプチド薬物の合成類似体を提供す るものである。本明細書で用いられる“ポリペプチド”なる用語は、ペプチド結 合で結合された任意のアミノ酸残基、即ちペプチド、ポリペプチド及びタンパク 質を包含するものと広く解されるべきことを意味するものである。本明細書で用 いられる“類似体”なる用語は、ムテイン、親ポリペプチド薬物の構造誘導体、 又は親ポリペプチド薬物中の少なくとも1種のアミノ酸残基が異なるアミノ酸残 基で置換されている修飾されたポリペプチドを指すと広く解されるべきことを意 味するものである。親薬物は天然源から誘導されたものであってもよいし、或い は化学的手段又は生化学的手段で完全合成されたものであってもよい。理解され るように、親薬物は天然産ポリペプチド配列のものであってもよいし、或いはそ れ自体天然産ポリペプチドとは異なる構造を有するものであってもよい。“ポリ ペプチド薬物”、“ポリペプチド剤”又は“製剤ポリペプチド”なる用語は、全 て、生理活性、即ち生物活性を有する任意のポリペプチドを指すべく意味するも のであって、そのポリペプチドなる用語は本明細書で用いられているとおりであ る。 本発明のこの面によれば、極性はあるが帯電はしていない側鎖を有する少なく とも1種のアミノ酸残基を含むものがポリペプチド薬物として好ましい。本発明 による類似体はこれら残基の少なくとも1つをヒスチジン(His)残基で置換 することにより合成される。具体的には、グルタミン(Gln)、トレオニン (Thr)又はアスパラギン(Asn)残基を少なくとも1種含むものがポリペ プチド薬物として好ましい。本発明の類似体においては、これら残基の1つ又は それ以上がヒスチジン(His)残基で置換されている。ポリペプチド薬物のグ ルタミン残基(1個又はそれ以上)のヒスチジン残基による置換が最も好ましい 。 本発明による類似体は、関心のある未修飾ポリペプチド薬物の生物活性と少な くとも略同等の生物活性を示すのが好ましく、そしてその未修飾ポリペプチド薬 物より大きい生物活性を有するが、その親薬物に比較して増加した親水性と電気 泳動移動度を有するのが更に好ましい。本発明による類似体は、それだけで、親 薬物、即ち未修飾ポリペプチドに比較して向上した経皮的電気輸送流量を示す。 本発明は電気輸送デリバリーディバイスの陽極レザバーから送り出されるポリ ペプチドの正味の正電荷を増加させるのに有用である。一般的に言えば、この類 似体ポリペプチドを含有する陽極ドナーレザバー処方物のpH範囲は、約3.5 乃至約8、好ましくは約5乃至6のpH範囲である。これらのpH範囲において 、Gln、Asn又はThrのHisによる置換の結果として、親薬物、即ち未 修飾ポリペプチドに比較して、その類似体の親水性はそのイミダゾール環の正電 荷に因り増大せしめられ、また電気泳動移動度はより高い正味正電荷に因り増大 せしめられる。この結果は、この類似体が親薬物に比較して増加した経皮的電気 輸送流量を示すと言うことである。同時に、この類似体は、生理学的pH、即ち pH=7.4において、親ポリペプチド薬物の電荷、水素結合及び疎水性の各特 性を保持している。中性のpHでは、Hisのイミダゾール側鎖は帯電しておら ず、従ってGln、Asn又はThrのHisによる置換はその類似体の生物活 性をあまり低下させない、即ちその置換は同類似体のその意図された受容体に対 する親和性を変えない。 更に、Gln、Asn又はThrに対するHis置換数は、電気輸送システム で用いられるpHにおいて所望される正味の電荷によってのみ限定されると考え られる。しかし、置換の数は、その類似体が患者の免疫系により異物タンパク質 と認識されるほど多い数であるべきではない。ポリペプチド又はタンパク質が“ 異物”であると見なされる前に置換数を決定する絶対的な規則はないが、類似体 の構造/アミノ酸配列がその親に近ければ近いほど(即ち、置換数が少なけれ ば少ないほど)、ポリペプチド/タンパク質は体の免疫系によって異物であると 見なされる可能性は益々少なくなる。 典型的には、本発明の範囲内のポリペプチドとタンパク質は、それらの類似体 も含めてであるが、約数百ダルトン(例えば、トリペプチドの分子量)乃至約3 0,000ダルトンの範囲の分子量を有する。この範囲にあるポリペプチド薬物 、タンパク質薬物及び高分子薬物の具体例を限定することなく挙げると、CSF 類、GHRH、インシュリン、カルシトニン、エンドルフィン類(endorphins) 、エリトロポエチン、副甲状腺ホルモンと同作動薬、GHRF、インシュリノト ロピン(insulinotropin)、オクトレオチド(octreotide)、下垂体ホルモン類 (例えば、HGH、HMG、デスモプレシン(desmopressin)酢酸塩等)、小胞 ルテオイド類(follicle luteoids)、αANF、成長ホルモン放出因子(GF RF)のような成長因子、ソマトスタチン、心房ナトリウム排泄増加性ペプチド 、ソマトトロピン、血小板誘導成長因子、アスパラギナーゼ、キモパパイン、コ レシストキニン、絨毛膜性腺刺激ホルモン、コルチコトロピン(ACTH)、表 皮成長因子、エリトロポエチン、グルカゴン、ヒルログ(hirulog)、ヒアルロ ニダーゼ、インターフェロン類、インシュリン様成長因子(例えば、IGF−1 )、インターロイキン類、メノトロピン類[ウロフォリトロピン(urofollitrop in(FSH)及びLH]、オキシトシン、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノ ゲン活性化剤、ウロキナーゼ、バソプレシン、デスモプレシン、ACTH類似体 、ANP、ANPクリアランス阻害因子、アンギオテンシンII拮抗薬、抗利尿 ホルモン作動薬、抗利尿ホルモン拮抗薬、CD4、セレダーゼ(ceredase)、F ABフラグメント、IgEペプチドサプレッサー、神経ペプチドY、神経栄養因 子、アヘン剤ペプチド、副甲状腺ホルモン拮抗薬、タンパク質C、タンパク質S 、レニン抑制剤、α−1−チモシン、血栓崩壊剤、TNF、ワクチン、バソプレ シン拮抗薬類似体、α−1―抗トリプシン(組換体)及びβ−TGFがある。 本発明による修飾によく適合するポリペプチド薬物の実例は、顆粒球、特に好 中球の産生を刺激する因子である顆粒球―コロニー刺激因子(G−CSF);カ ルシウム及びリン酸塩の代謝を恒常的に制御する際の調節因子で、オステオポロ ーシスの治療に用いられる副甲状腺ホルモン(PTH);経皮流量が多くなった 、 黄体化用ホルモン放出ホルモン(LHRH)とその類似体及び成長ホルモン放出 ホルモン(GHRH)とその類似体である。 本発明によるGln、Asn又はThrのHisによる置換は、ポリペプチド 又はタンパク質の“保存性”修飾または誘導体化と見なされる。この保存性修飾 または誘導体化とは、親ポリペプチド又は同タンパク質の疎水性、生理学的pH における正味の電荷、容積及び水素結合容量が、その類似体の中に保存されるこ とを意味する。GlnのHisによる好ましい置換が、そのようにして合成され る類似体の水素結合容量、pH7における電荷及び側鎖容積が親化合物と事実上 同一であるから、3種の可能な置換の内で最も保存性の高いものである。 GlnとHis残基の側鎖の構造を以下に示す: Gln残基とHis残基のこれら側鎖は、水素結合容量の幾何形状がかなり類 似していることを明らかにしている、即ち、GlnのHisによる置換は側鎖の 水素結合容量をあまり変えないのである。平面のアミド基、βCH2及びαCH2 の間の結合角に依存して、Gln側鎖が関係する水素結合はHis側鎖によって も作られ得る。 更に、His残基(未帯電状態)とGln残基の疎水性は非常によく似ている 。タンフォード(Tanford)等のJ.Biol.Chem.、第246巻(1971年)、 2211−2217頁を参照されたい。この文献では、アミノ酸側鎖の水中及び 各種アルコール中における疎水性が測定され、そしてHisとGlnの移動の自 由エネルギーは中濃度のジオキサン中で非常によく似ていることが見いだされた 。 本発明による類似体はこの技術分野で公知、常用の多数の方法で合成すること ができ、従ってここでは詳細には説明されない。このような方法に、ポリペプチ ドを初めから固相で合成する方法、湿式の化学的方法及びバイオテクノロジー的 方法がある。 タンパク質の固相合成法は、所望とされる配列を持つ第一アミノ酸のそのカル ボキシル基による不溶性樹脂への結合を利用するものである。所望とされる生成 物が得られたら、そのペプチド配列を樹脂から切り離す。例えば、R.B.メリ フィールド(R.B.Merrifield)等の著書・バイオケミストリー(Biochemistry )、第21巻(1981年)、5020頁;アカド.―バーラグ社(Akad.-Verl ag)刊(1984年)、M.ボダンスツキー(M.Bodanzky)著“ペプチド合成 の原理(Principles of Peptide Synthesis)”;フリーマン社(Freeman)刊( 1969年)、J.M.スチュワート(J.M.Stewart)等の著書“固相ペプチ ド合成(Solid Phase Peptide Synthesis)”を参照されたい。これら文献の開 示をここに引用し、参照することにより、それらがここに含まれるものとする。 他の合成法も知られている。例えば、本明細書に記載される類似体は同時多段ペ プチド合成法で製造することができる。例えば、ホーフテン(Houghten)のProc .Natl.Acad.Sci.U.S.A.、第82巻(1985年)、5131−5135頁 ;ホーフテン等の著書・ペプチド化学(Peptide Chemistry)、(1987年) 295−298頁;米国特許第4,631,211号明細書を参照されたい。こ れら文献の開示をここに引用し、参照することにより、それらがここに含まれる ものとする。 本発明の類似体は、また、市販のペプチド合成装置を、関心のあるポリペプチ ド又はタンパク質薬物のアミノ酸配列中のグルタミン残基の一部又は全部がヒス チジン残基で置換されるようにプログラムすることによっても合成することがで きる。 本発明の類似体は、また、組換体表現系のような公知の遺伝子工学技術でも合 成することができる。試験管内変異誘発法が、親ポリペプチド遺伝子中の適切な 部位にある適切な塩基を、所望とされるアミノ酸残基置換をエンコード(encode )する他の塩基で置換することにより、その親ポリペプチド遺伝子を変えるため に利用することができる。例えば、Glnのコドンの一部又は全部の、Hisの コドンによる置換では、Glnコドンの最後の位置におけるA又はGのU又はC による単一塩基置換だけが必要とされる。次いで、所望とされる類似体をエンコ ードする遺伝子が、適当な宿主生体、例えば大腸菌、バチルス菌又は酵母菌に移 さ れたときに、その所望とされる類似体を生成させる適当な表現ベクターに挿入さ れる。表現された類似体は、次いで、それが菌細胞から分泌されるか否かに依存 して、その細胞又は培養ブイヨンから単離される。この表現類似体においては、 グルタミン残基の一部乃至全部はポリペプチド配列の中に生ぜず、その配列中の それらの場所でヒスチジン残基で置換されている。関心のある類似体ペプチド及 び同タンパク質をエンコードする遺伝子を同定し、単離するか、又はそのような 遺伝子を構築し、それらを宿主系において表現する方法は十分に理解され、開発 されている。これらの方法は特許明細書及び他の文献に記載されている。例えば 、米国特許第4,431,739号及び同第5,013,653号明細書;並び にコールドスプリングハーバー社(Cold Spring Harber)刊(1989年)、サ ンブルック(Sambrook)等の著書“分子クローニング(Molecular Cloning): 実験室用マニュアル(A Laboratory Manual)、第2版;米国化学会(American Chemical Society)(1991年)、R.R.ハッチ(R.R.Hatch)等の“A CSシンポジウムシリーズ(ACS Symposium Series)477:rDNA産生物の 表現系とプロセス(Exprerssion Systems and Processes of rDNA Products)” ;マーセルデッカー社(Marcel Dekker)刊(1991年)、R.シーザラム(R .Seetharam)等の“バイオプロセス技術(Bioprocess Technology)”第12巻 中の“組換タンパク質の精製と分析(Purification and Analysis of Recombina nt Proteins)”を参照されたい。これら文献の開示をここに引用し、参照する ことにより、それらがここに含まれるものとする。 変えられた遺伝子構造も、自動化された合成技術、例えばオリゴヌクレオチド を固相合成するホスホルアミド法で組み立てることができる。例えば、S.L. ビーウケージ(S.L.Beaucage)等の Tetrahedron Lett.、第22巻(1981 年)、1859−1862頁;M.D.マッテネンチ(M.D.Matteneci)等のJ .Am.Chem.Soc.、第103巻(1981年)、3185−3191頁を参照 されたい。これら文献の開示をここに引用し、参照することにより、それらがこ こに含まれるものとする。 本発明で考えられている類似体の実例を、G−CSF、副甲状腺ホルモン及び ヒト成長ホルモン放出ホルモンについて以下に与えるが、次の教示は置換可能な 残基を含む他の任意の生物活性タンパク質又は同ポリペプチドにも応用されるも のである。 G−CSF(アミノ酸残基数174個のポリペプチド)は、そのAらせん中の 位置11、20、25及び32;Cらせん中の位置107、119及び120; Dらせん中の位置145、158及び173;並びにループ領域中の位置131 及び134に12個のGln残基を有することが知られている。G−CSFのG lnの全部を含めて、その1個又は2個以上、その全部までのHis残基による 置換で、未修飾G−CSF、即ち親G−CSFの活性に近い特定の活性を示す類 似体が生成する。本発明によるG−CSF類似体の例に、His(11)G−C SF;His(11)、His(20)G−CSFがある;配列識別(SEQ ID)番号1及び2を参照されたい。 分子量約9,500ダルトンのタンパク質である副甲状腺ホルモン(PTH) は、十分な生物活性を示す、N―末端からのアミノ酸残基数約34個のポリペプ チド配列を有する。この34個のアミノ酸配列は、そのポリペプチド鎖の位置5 と29に2個のグルタミン残基を有すると報告されている。G−CSFの場合の ように、His残基で置換されるGln残基の1個又は2個をもたらすその副甲 状腺ホルモン遺伝子のコドン5及び29に変異を作り出すのに、本発明を用いる ことが可能である。本発明によるそのような類似体に、His(5)PTH;H is(5)、His(29)PTHがある;配列識別番号3及び4を参照された い。 ヒト成長ホルモン放出ホルモン(h−GHRF)は、位置16、24、30、 31及び36にグルタミン残基を含むアミノ酸44個のポリペプチドである。G −CSFの場合のように、修飾されたh−GHRF遺伝子は、そのh−GHRF 遺伝子中、コドンを特定する位置16、24、30、31及び36又は生物活性 を保存若しくは増加させる2つ又はそれ以上の位置の任意の組み合わせ位置の所 で、部位特異性の変異誘発(site-specific mutagenesis)を引き起こすことに より作ることができる。好ましくは、h−GHRF活性を有するが、His31 と同36に変化したGln31及び同36を有する類似体、即ちHis(31) 、His(31)h−GHRF(配列識別番号5を参照されたい)をエンコード す る類似体h−GHRF遺伝子を作るために、オリゴヌクレオチド指向変異誘発( oligonucleotide-directed mutagenesis)を用いることができる。 本発明の類似体は、動物(例えば、ヒト、又はウシ、ウマ、ブタ等々のような 他の哺乳動物)の体表面又は膜(例えば、皮膚)を通しての電気輸送送出に特に よく適合する。しかして、本発明は、患者の体表面と類似体―移送関係で配置さ れるようにされたドナーレザバー中に合成類似体の形をしたポリペプチドを与え 、そしてそのレザバーに電場を印加してその類似体を電気輸送により体表面を通 して輸送する工程を含んで成る、その類似体を患者に電気輸送で投与する方法を 提供する。その類似体の(例えば、経皮的)電気輸送流量は、同様の条件下(即 ち、印加電気輸送電流、pH、薬物濃度等々)で親薬物の(例えば、経皮的)電 気輸送流量より大きい。 本発明の方法は、ドナーレザバー、本発明の類似体を含有し、形状と寸法が皮 膚と類似体―移送関係で配置されるように調節されたレザバー、及び電気動力源 を有する電気を動力とする経皮的電気輸送デリバリーディバイスを用いて遂行す ることができる。電力源は、薬剤レザバーからその類似体を体表面を通して電気 輸送で送り出される電流をそのレザバーに印加する。類似体は、そのGln残基 の全部を含めて、その1個又は2個以上、その全部までがHis残基により置換 されており(即ち、親ポリペプチド又は同タンパク質の構造に比較して)、そし て、好ましくは、親ポリペプチドの生物活性と少なくとも略同等の生物活性を示 す。 本発明は、更に他の面において、電気輸送で送り出されるとき治療上有効であ るとされる親ポリペプチド薬物の合成類似体を十分な量で有するドナーレザバー 処方物を含んで成る治療用組成物を提供する。この合成類似体は、親ポリペプチ ド薬物の1個又はそれ以上のGln残基の少なくとも1つがHis残基により置 換されているものである。この類似体は、親タンパク質又は同ポリペプチドの生 物活性と少なくとも略同等の、好ましくはそれより大きい生物活性を示すのが好 ましい。 本発明の方法と処方物は、1つの任意、特定の構造を持つ電気輸送ディバイス に限定されるものではない。本発明で使用するための、ある類似体を体表面22 (典型的には、無傷の皮膚、又は粘膜)を通して送り出す電気輸送デリバリーデ ィバイス10の1例が図1に示される。 電気輸送デリバリーディバイス10はドナー電極集成体8とカウンター電極集 成体9を含む。電極集成体8及び9は、典型的には1個又はそれ以上の低電圧電 池である電力源27及び、場合によって追加される、以下において更に詳細に説 明される制御回路19に電気的に接続されている。ディバイス10が、例えば患 者の皮膚又は粘膜に配置されると、電極間の回路は閉じられ、電力源がそのディ バイスを通し、そして患者の皮膚又は粘膜を通して電流を送り始める。ドナー電 極とカウンター電極の集成体8及び9は、普通、それら集成体8及び9を体表面 22に適用する前に取り除かれる剥離可能なレリースライナー(図1に示されず )を含む。 ドナー電極集成体8はドナー電極11と薬剤レザバー15を含む。薬剤レザバ ー15は、ディバイス10から電気輸送で送り出されるべき本発明の類似体を含 有する。ドナー電極集成体8は、体表面22にイオン伝導性接着剤層17で接着 されるのが適当である。 ディバイス10はカウンター電極集成体9を含み、その集成体9は電極集成体 8から離れた位置の体表面22に配置される。カウンター電極集成体9はカウン ター電極12と電解質レザバー16を含む。カウンター電極集成体9は、体表面 22にイオン伝導性接着剤層18で接着されるのが適当である。 電極11と12は導電性であって、金属、例えば金属箔、又は適当な裏打ち材 上に付着又は塗装された金属から形成することができる。適した金属の例に、銀 、亜鉛、銀/塩化銀、アルミニウム、白金、ステンレス鋼、金及びチタンがある 。或いはまた、電極11及び12は、金属粉末、粉末状グラファイト、炭素繊維 又は他の公知の導電性充填材料(1種又は複数種)のような導電性充填材を含有 する重合体マトリックスから形成することもできる。 電極11及び12は、周知の手段、例えば柔軟な印刷回路、金属箔、金属線を 用いて、又は直接接触で電力源27に電気的に接続される。 電解質レザバー16は適当な製剤上許容できる塩を含有している。適した塩に 、塩化ナトリウム、アルカリ金属塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、リン酸 塩 のようなアルカリ土類金属塩及びアスコルビン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩のよう な有機酸塩並びにそれらの混合物がある。レザバー16は所望によって緩衝剤を 含有していてもよい。 レザバー15及び16は、本発明の類似体をそれらレザバーを通して電気輸送 で通過させるために、十分な量の液体(即ち、その類似体の液体溶液)を吸収、 保持するようにされた任意の材料から成っているのが好ましい。好ましくは、そ れらレザバーは、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール又はポリエチレ ングリコール類のような1種又はそれ以上の親水性の重合体と、場合によって加 えられるポリイソブチレン、ポリエチレン又はポリプロピレンのような1種又は それ以上の疎水性の重合体を含有している。何らかの特定の形状又は容積に限定 されるものではないけれども、レザバー15及び16は、各々、典型的には、0 .6cm(1/4インチ)以下の厚さと約1乃至50cm2の範囲の断面積(例 えば、皮膚との接触面積)を有する。上記類似体は、高分子レザバー15のマト リックスに、液状での混合のような常用の手段で加えることができ、後にその類 似体含有レザバーマトリックスを成形又は押し出す。 前記ディバイスにより印加される電気輸送電流は、典型的には、約50乃至4 00μA/cm2の範囲である。 本発明による類似体の経皮的電気輸送流量は、親ポリペプチドのそれより少な くとも約20%、更に好ましくは少なくとも約50−100%高いと期待される 。 本発明を次の実施例により更に説明するが、これらの実施例を本発明の範囲を 限定するものと解すべきではない。 実施例1:G−CSF類似体 G−CSFは、化学療法により回復する患者を治療するために使用される製剤 用タンパク質である。それは細菌感染を治療するための補助療法剤としても使用 される。G−CSFの1つの類似体は、位置107、119、120、131、 134、145、158及び173のグルタミン残基をヒスチジン残基で置換す る前記の公知の常法により製造される。この類似体はpH6で+4に近い正味の 電荷を有する。 そのG−CSF類似体の水溶液をヒドロキシエチルセルロース(HEC)ヒド ロゲルマトリックス中に含んで成る陽極ドナーレザバーを調製する。この処方物 は、グリセロールを1%含有するHEC3%のヒドロゲル中、5mM、pH6の ヒスチジン緩衝液中にG−CSF類似体を5mg/mL含む。 このG−CSF類似体含有ドナーレザバーを電気輸送デリバリーディバイスで 使用する。このデリバリーディバイスは、そのドナーレザバーの1つの表面に配 置された銀箔製陽極電極、及び食塩緩衝溶液を含有するHECヒドロゲルマトリ ックスの表面に配置され、カウンター電極/レザバー集成体として用いられる塩 化銀カウンター電極を含む。両電極は、導電性の接着剤ストリップで2.0mA の電流を供給する電気輸送電流発生、制御回路の出力に接続される。ドナーレザ バーとカウンターHECレザバーは各々20cm2の皮膚接触面積を有する。こ のデリバリーディバイスは患者の皮膚に配置され、そして100μA/cm2の 電気輸送電流密度を印加する。このデリバリーディバイスは24時間までの期間 にわたり装着されるようになっており、その期間中にこのディバイスは2.0m Aの電気輸送電流を連続的に印加し、従ってそのG−CSF類似体を24時間に わたり連続的に送り出す。 電気輸送を開始した後、血液試料を周期的に採集し、ヘパリン化し、遠心分離 し、そしてその血漿を−80℃で貯蔵する。上記G−CSF類似体の血漿濃度を 酵素結合免疫検定法で測定する。その結果は、未修飾G−CSFの電気輸送対照 に比較して血漿レベルが増加していることを示す。 実施例2:PTH類似体 副甲状腺ホルモン(PTH)は、オステオポローシスを治療するために使用さ れる製剤用ポリペプチドである。PTH類似体の1例は、正味電荷をpH5で約 +1だけ増加させるために位置29のグルタミン残基がヒスチジンで置換されて いるものである。位置29のグルタミン残基を置換しても、親化合物のおおよそ の生物活性は保持される。 そのPTH類似体の水溶液をHECヒドロゲルマトリックス中に含んで成る陽 極ドナーレザバーを調製する。その処方物は、グリセロールを1%含有するHE C3%のヒドロゲル中、5mM、pH5の酢酸塩緩衝液中にPTH類似体を10 mg/mL含む。 このPTH類似体含有ドナーレザバーを、電気輸送電流発生、制御回路が2つ のモードの内の1つで作動する点を除いて、上記実施例1に記載したものと同様 のディバイスで使用する。第一のモードは実施例1に記載した連続送出モードで あり、また第二のモードは間欠的送出モードであって、PTH類似体の放出は1 日中所定の間隔で周期的に行われる。 実施例1に記載したようにして血液試料を採集し、分析すると、結果は未修飾 PTHに比較して電気輸送血漿レベルが改善されていることを示す。 実施例3:h−GHRH類似体 ヒトGHRH(h−GHRH)は、成長不十分な(即ち、短躯の)子供の患者 及び虚弱体質の中年過ぎの成人患者を治療するために使用される。h−GHRH の位置16、24、30及び31のグルタミニル残基がヒスチジル残基で置換さ れているh−GHRH類似体を製造する。この類似体はpH5で約+4だけ増加 した正味電荷を有すると思われる。 そのh−GHRH類似体の水溶液をHECヒドロゲルマトリックス中に含んで 成る陽極ドナーレザバーを調製する。その処方物は、グリセロールを1%含有す るHEC3%のヒドロゲル中、5mM、pH5の酢酸塩緩衝液中にh−GHRH 類似体を4mg/mL含む。 このh−GHRH類似体含有ドナーレザバーを実施例1に記載したディバイス で使用する。このディバイスを患者の皮膚に配置し、h−GHRH類似体を24 時間の装着期間にわたり連続的に送り出す。 実施例1に記載したようにして血液試料を採集し、分析すると、結果は未修飾 h−GHRHに比較して電気輸送血漿レベルが改善されていることを示す。 要約すると、ポリペプチド薬物中のグルタミン、アスパラギン又はトレオニン 残基のヒスチジン残基による置換は改善された電気輸送性を与える。それは、そ の2種のアミノ酸が非常によく似た疎水性、及びアルファーらせんを形成しない 同様の傾向を有するからである。それら2種のアミノ酸は生理学的pHにおいて 同じ電荷を有し、かつほとんど正確に同じ水素結合の幾何形状と水素結合能を有 する。 以上、本発明をある程度の具体性を以て説明し、例証したが、当業者であれば 、 変更、追加及び省略を含めて、記載されたものになし得る色々な修正を理解でき るであろう。従って、これらの修正も本発明により包含され、そして本発明の範 囲は添付請求の範囲を法的上正当に調和させ得る最も広い解釈によってのみ限定 されることが意図されるものである。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年7月3日 【補正内容】 (電気輸送用電流の印加レベルを単純に上げる方法以外の)多数の方法が、ポ リペプチド薬物及びタンパク質薬物の経皮的電気輸送流量を高めるために用いら れて来た。1つの方法は、イオン性界面活性剤のような流量向上剤の使用を含む ものである。例えば、サンダーソン等の米国特許第4,722,726号明細書 を参照されたい。もう1つの方法は、電気輸送流量を高めるために単なる水以外 の共溶媒を使用するものである。例えば、欧州特許出願第0278473号明細 書を参照されたい。更にもう1つの方法は、皮膚の外層(即ち、角質層)を機械 的に引き裂き、その後それを通して電気輸送送出を行うことを含むものである。 リー(Lee)等の米国特許第5,250,023号明細書を参照されたい。 経皮的電気輸送薬物流量を高めることに関する更なる方法は、関心のある薬物 のプロドラッグ、即ち類似体を合成し、そのプロドラッグ、即ち修飾類似体を電 気輸送することを含むものである。例えば、WO92/12999号明細書には 、インシュリンを自己会合傾向が低下したインシュリン類似体として送り出すこ とが開示される(常用の製剤組成物に存在するインシュリンの会合形態のものは 、明らかに、そのインシュリンの経皮的送出を低下させる)。これらの類似体は 、アスパラギン酸(Asp)又はグルタミン酸(Glu)で、インシュリンポリペプチ ド鎖に沿う選択された位置における他のアミノ酸残基を置換することにより合成 される。WO93/25197号明細書には、ペプチド及び非ペプチドの両薬物 を、化学修飾剤(例えば、帯電要素)が親製剤に共有結合されている製剤−修飾 剤の錯体、即ちプロドラッグとして送り出すことが開示される。この共有結合は その薬剤が体に送り込まれた後に切断され、それによって親薬剤が放出される。 スピース(Spiess)等の米国特許第4,628,043号明細書には、ラット の視床下部成長ホルモン放出因子の合成類似体が開示されるが、その因子の、又 はその類似体のいずれかの電気輸送送出は教示も示唆もされない。 タンパク質及びポリペプチドの電気輸送送出に関連した諸問題は認識されてお り、そしてポリペプチド薬物及びタンパク質薬物の電気輸送流量を改善しようと する試みにも、これまでに進歩があったが、ポリペプチド及びタンパク質につい てより大きな経皮的電気輸送流量を達成する方法を提供する必要は、依然として 存在している。 16.製剤用親ポリペプチド剤の少なくとも1つの非ヒスチジンアミノ酸残基 がヒスチジン残基(His)で特徴とする、製剤用親ポリペプチド剤を修飾して 体表面を通る電気輸送を向上させる方法(原請求の範囲第16項に相当:補正な し)。 17.前記親ポリペプチド剤の残基がグルタミン(Gln)、トレオニン(T hr)及びアスパラギン(Asn)より成る群から選ばれる、請求の範囲第16 項に記載の方法(原請求の範囲第17項に相当:補正なし)。 18.前記親ポリペプチド剤がグルタミン(Gln)を含んで成る、請求の範 囲第16項に記載の方法(原請求の範囲第18項に相当:補正なし)。 19.前記類似体が前記親ポリペプチド剤と少なくとも略同等の生物活性を示 す、請求の範囲第15項又は第16項に記載の方法(原請求の範囲第19項に相 当:補正なし)。 20.次の: (a)製剤用親ポリペプチド剤の少なくとも1つのアミノ酸残基がヒスチジン 残基(His)で置換されている、該製剤用親ポリペプチド剤の合成類似体を用 意し;そして (b)該類似体を電気輸送で体表面を通して送り出す: 工程を含んで成る、製剤用ポリペプチド剤を体表面を通して送り出す方法(新た に加入)。 21.前記親ポリペプチド剤の残基がグルタミン(Gln)、トレオニン(T hr)及びアスパラギン(Asn)より成る群から選ばれる、請求の範囲第20 項に記載の方法(新たに加入)。 22.前記親ポリペプチド剤の残基がグルタミン(Gln)から成る、請求の 範囲第20項に記載の方法(新たに加入)。 23.前記類似体が親ポリペプチド剤と少なくとも略同等の生物活性を示す、 請求の範囲第20項に記載の方法(新たに加入)。 24.前記類似体が、該類似体を電気輸送で体表面を通して送り出すための、 pHが約3.5乃至約7.4の範囲にあるアニオン性のドナーレザバー処方物の 形で提供される、請求の範囲第20項に記載の方法(新たに加入)。 25.前記類似体を電気輸送で送り出すのに使用される処方物が約5乃至約7 .4の範囲のpHを有する、請求の範囲第24項に記載の方法(新たに加入)。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.親ポリペプチドが、極性はあるが帯電はしていない側鎖を持つ少なくとも 1種のアミノ酸残基を有するものである、該親ポリペプチドの合成類似体にして 、該残基の少なくとも1つがヒスチジン残基により置換されていることを特徴と する、上記の合成類似体。 2.前記親ポリペプチドと少なくとも略同等の生物活性を示す、請求の範囲第 1項に記載の類似体。 3.極性はあるが帯電はしていない側鎖を有する前記アミノ酸残基がグルタミ ン、アスパラギン及びトレオニンより成る群から選ばれる、請求の範囲第1項に 記載の類似体。 4.極性はあるが帯電はしていない側鎖を有する前記アミノ酸残基がグルタミ ンである、請求の範囲第3項に記載の類似体。 5.治療上有効な量の請求の範囲第1、2、3又は4項に記載の類似体及び生 理学的に許容できるキャリア又はその賦形剤を含んで成る製剤組成物。 6.請求の範囲第1項に記載の類似体を含んでいるドナーレザバーを有する電 気輸送デリバリーディバイス。 7.親ポリペプチドがグルタミン、トレオニン及びアスパラギンより成る群か ら選ばれる少なくとも1種の残基を有するものである、製剤用親ポリペプチド剤 の、向上した体表面通過電気輸送流量を示す合成類似体にして、該残基の少なく とも1つがヒスチジン残基により置換されていることを特徴とする、上記の合成 類似体。 8.前記親ポリペプチドと少なくとも略同等の生物活性を示す、請求の範囲第 7項に記載の類似体。 9.前記親ポリペプチド中の全てのGln残基が前記類似体中でHisで置換 されている、請求の範囲第7項に記載の類似体。 10.前記類似体の総電荷が約5乃至6の範囲のpHでは正であるが、pH7 .4においては実質的に等電性である、請求の範囲第7項に記載の類似体。 11.前記類似体が約5乃至6の範囲のpHにおいて前記親ポリペプチドより 大きな正の電荷を有している、請求の範囲第7項に記載の類似体。 12.請求の範囲第7項に記載の類似体を含んでいるドナーレザバーを有する 電気輸送デリバリーディバイス。 13.電気輸送送出性を高めるべく修飾された製剤用ポリペプチド剤にして、 pH約5−6において該ポリペプチド剤の電荷より大きい総電荷を有する類似体 を形成すべく、少なくとも1つのグルタミン残基がヒスチジン残基で置換されて いることを特徴とする該ポリペプチド剤を含んで成る組成物。 14.請求の範囲第13項に記載の組成物を含んでいるドナーレザバーを有す る電気輸送デリバリーディバイス。 15.製剤用親ポリペプチド剤の1つ以上のグルタミン残基をヒスチジン残基 で置換して該親ポリペプチド剤の、pH約3.5−8において該親ポリペプチド 剤の電荷より大きい総電荷を有する合成類似体を形成することを特徴とする、製 剤用親ポリペプチド剤を修飾して体表面を通る電気輸送を向上させる方法。 16.製剤用親ポリペプチド剤の少なくとも1つの非ヒスチジンアミノ酸残基 がヒスチジン残基(His)で特徴とする、製剤用親ポリペプチド剤を修飾して 体表面を通る電気輸送を向上させる方法。 17.前記親ポリペプチド剤の残基がグルタミン(Gln)、トレオニン(T hr)及びアスパラギン(Asn)より成る群から選ばれる、請求の範囲第16 項に記載の方法。 18.前記親ポリペプチド剤がグルタミン(Gln)を含んで成る、請求の範 囲第16項に記載の方法。 19.前記類似体が前記親ポリペプチド剤と少なくとも略同等の生物活性を示 す、請求の範囲第15項又は第16項に記載の方法。
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