JPH11507264A - 管腔を大きくした人工心臓弁 - Google Patents

管腔を大きくした人工心臓弁

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Abstract

(57)【要約】 そこを貫通する管腔(17)を提供する弁ハウジング(12)を有する人工心臓弁(10)。弁ハウジング(12)は一端に第1の環帯を有し、第1の環帯から隔てられた他端に第2の環帯を有する。縫合カフ(50)を利用して弁ハウジングが患者の心臓組織に固定される。カフ(50)は第1の環帯と第2の環帯の中間に固定される。カフ(50)は人工心臓弁(10)が心臓の組織環帯に対して環帯の上方位置に結合されるよう配置される。本発明により、弁の管腔を大きくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 管腔を大きくした人工心臓弁 発明の分野 本発明は人工心臓弁に関する。より詳しくは、本発明は血液動態性能を向上さ せることを目的として、人工心臓弁の弁管腔を大きくすることに関する。 発明の背景 人工心臓弁は患者生体の心臓弁の代用として利用される。移植可能の、標準的 な人工心臓弁は、通常、血流を通す管腔すなわち流路を提供する環状のバルブハ ウジングすなわちバルブ本体(しばしば「オリフィス」と呼ばれる)を有してい る。弁に備えられている1つ以上の咬合器は血液が流れ得るようにする開放位置 と、血液の流れを阻止する閉塞位置の間を移動できる。多くの人工心臓弁では、 咬合器は必ず「小葉体(リーフレット)」と呼ばれるプレート様の部品である。 典型的な構造ではバルブ本体は1、2あるいは3個の小葉体を有している。 通常は、固定機構が弁本体の周囲に配置され、典型例では、縫合糸により患者 の心臓組織に心臓弁を固定するために利用される。初期の人工心臓弁は固定のた めにフックやかかり(barb)を利用していたが、環状弁ハウジングに固定された 組織(fabric)縫合あるいは縫合カフが典型的に利用されるようになった。心臓 弁への縫合カ フの固定は、様々な技法によって実現でき、その内のいくつかは回転可能な固定 法を提供している。例えば、米国特許第5,360,014号は縫合カフを保持 する別体の締め付けリングを開示しており、これは弁本体と締め付けリングの間 に固定ワイヤーで弁本体に留められる。 現在も人工心臓弁の有効性を改良する努力が続けられている。心臓弁の有効性 における重要な因子の1つは、小葉体が開放位置にある時の管腔の全面積である 。大動脈根が小さい(典型的には、組織環帯の直径が17mmから21mmと定 義される)患者の場合には、利用可能な人工心臓弁は健常者生体の心臓弁に比べ て小さい狭窄的なものになるとされている。典型的な人工弁のオリフィスあるい は管腔の面積は非常に狭いので、適切な心拍出量(心臓出力)を維持するために 左心室に過剰な負荷がかかる。オリフィスの有効面積は弁の流体抵抗によってさ らに小さくなる。 現在利用可能な小型の人工動脈弁は運動に対する寛容性が低く、左心室肥大の 回復速度も低下させ、そして鬱血性心不全が発生する頻度を高くしている。(H. B.Barner,A.J.LabovitzおよびA.C.Fiore.による「Prosthetic Valves for the S mall Aortic Root」Journalof Cardiac Surgery,1994;9(suppl):154-157参照) より狭窄の少ない人工弁を提供する技術の1つは、大動脈根と組織環帯を外科 手術によって拡大するものである。しかし、この様な方法ではより大がかりな手 術と組織切除が必要となるので、患者に とって、さらにリスクが増すこととなる。また、このような手術は心肺バイパス の期間をより長くしてしまい、これにより患者に新たなリスクを負わせることに なる。狭窄の少ない弁を移植する別の外科的アプローチは、これらの患者に同種 移植体や狭窄のない異種移植体等の組織弁を移植する方法であった。しかし、多 くの患者にとっては耐久性が確立している人工心臓弁の方が好ましい。 より狭窄の少ない小型の人工心臓弁の需要に応えるため、人工心臓弁の縫合カ フの構造に改良が加えられている。この改良により、従来移植可能であったもの に比べて1回り大きな(2mm)管腔径を持つ弁が移植できるようになった。例 えば、ミネソタ州、セントポール(St.Paul)のセント・ジュード・メディカル 社(St.Jude Mdeical,Inc.)より販売されている標準的な人工心臓弁の場合、熱 分解性カーボン製のオリフィスリングから突出する縫合カフ組織に組織環帯が取 り付けられる。 同様にセントポールのセント・ジュード・メディカル社より販売されているヘ モダイナミックプラス(Hemodynamic Plus:HP)シリーズの心臓弁では、縫合カ フ全体がオリフィスリングのカフ固定リムの間に配置され、その結果、カフが環 帯の上側に移植され、上流側の固定リムの周縁あるいは外周部が、生体心臓弁を 切除した後に残された心臓組織の環帯に一体化あるいは固定化される心臓弁表面 (「心臓弁組織環帯」)を形成するようになる。このような心臓弁の環帯の内部 及び下方への突出部は、弁機構の組織が過剰成長する 可能性を低減し、心臓弁と組織管腔部の開放性を確保する。 別の従来技術による移植心臓弁については1994年11月1日に発行された 米国特許第5,360,041号に記載されている。この構成では、心臓弁は完 全に環帯の上方に配置される。縫合カフは、オリフィスリングの上流側環帯の最 端縁を囲むリムを形成する。この例では、弁と管腔の寸法は大きくできるかもし れないが、弁が環帯上方の高い位置にあることから、少なくとも一部の患者につ いては、右冠動脈小門が塞がれる。また、この縫合カフの位置では、弁の開閉機 構が組織の過剰成長の害を受けやすくなる。さらに、弁管腔内への組織の成長を 阻止するバリアも環帯の内部には存在しない。 上記のような人工心臓弁の近年の開発によって改良されてはいるものの、健康 な生体心臓弁に比べると、まだ狭窄の問題が残っている。弁を通る正血流の圧力 勾配をさらに減少させるように改良することは患者にとっても有益である。一般 に、大動脈用としては、小さくて狭窄のない代替弁が求められるが、僧帽弁につ いても、特に小児科領域では同様の弁が求められる。 管腔の小さい心臓弁を移植することに伴う別の問題は、血栓及び血栓塞栓の形 成に関連するものである。血栓と血栓塞栓は人工心臓弁の合併症として知られて おり、重篤な機能障害や死を招くことがある。このような合併症の防止を助ける ために、一般的な処置としては、長期有効性の抗凝固剤治療がある。しかし、抗 凝固剤治療自 体は抗凝固剤を原因とする出血のリスクを大きくする。 人工心臓弁使用患者における血栓や血栓塞栓形成のリスクに影響する因子には 、人工弁によってもたらされる非生理学的表面と血流がある。さらに典型的な人 工心臓弁では、心臓が適切な心拍出量を維持しようと活動するときに、主として 、このような弁の比較的小さな管腔が高速の正流を生ずる傾向にあるために、血 液が高いせん断ストレスにさらされる。心臓弁の管腔や咬合器の壁に直接接触す る部分の血流は零でなければならないため、速い平均速度の結果、正流の間に大 きな速度勾配が生ずる。せん断ストレスはこの速度勾配に比例する。 高いせん断ストレスは血小板を活性化し、赤血球を害することが知られている 。このように傷害を受けた赤血球は、血小板をさらに活性化する生化学物質であ るアデノシン5’−2リン酸(ADP)を放出する。活性化された血小板は心臓 弁の上あるいは心臓弁の下流に容易に堆積し、凝集して血栓を形成する。さらに 、活性化された血小板と放出された生化学物質によって血液凝固カスケード反応 が開始される。したがって、正血流の平均速度及び最大せん断ストレスが従来技 術の弁に比べて小さい心臓弁は、患者にとって有益である。 発明の概要 患者の心臓に移植する人工心臓弁は、その中に貫通管腔を有する心臓弁ハウジ ングあるいは本体を含む。心臓弁本体に結合された管 腔内の咬合器の少なくとも1つは、管腔を血液が通過できる開放位置と、血液の 管腔通過を阻止する閉塞位置の間を移動できる。弁ハウジングは第1環帯と、第 1環帯から離れて位置する第2環帯を有する。第1及び第2の環帯は、弁ハウジ ングのそれぞれ反対端に位置している。弁ハウジングを患者の心臓組織に固着す るために、縫合カフが設けられている。 縫合カフを弁ハウジングに固着するために、カフ保持機構が第1および第2環 帯の間に配置されている。縫合カフと、カフ保持機構の少なくとも組織の環帯に 近い方の部分とは前記第1および第2環帯からは隔離されており、それらの間に 組織浸入バリアを提供している。組織の環帯の浸入バリアから縫合カフとカフ保 持機構が無くなると、組織の環帯の面積を効果的に管腔として利用することが容 易になり、これが大きな特徴的利点を提供する。 1つの実施態様では、カフ保持機構は弁ハウジングから突出する第1および第 2リムを有する。別の実施態様では、保持機構は弁ハウジングから突出するただ 1つのリムを有する。カフ保持機構は、弁ハウジングに対する支持を与え、これ によって弁ハウジングを強固にしている。 図面の簡単な説明 図1Aは、本発明による、縫合カフのない心臓弁の上面図である。 図1Bは、図1Aに示す心臓弁の断面図である。 図1Cは、図1Aに示す心臓弁の断面図である。 図2Aは、心臓内に移植された、本発明による心臓弁の断面図である。 図2Bは、90°回転して心臓に固定された図2Aの心臓弁の断面図である。 図3は、本発明の別の実施態様による、心臓弁の一部の部分断面図である。 図4は、心臓に固定された、別の実施態様による心臓弁の断面図である。 図5は、図1Aに示す心臓弁に取付けられた縫合カフの断面図である。 図6は、図4に示す心臓弁に取付けられた縫合カフを示す断面図である。 図7は、別の実施態様による心臓弁に取付けられた縫合カフの断面図である。 図8は、別の実施態様による心臓弁に取付けられた縫合カフの断面図である。 図9は、別の実施態様による心臓弁に取付けられた縫合カフの断面図である。 図10は、別の実施態様による心臓弁に取付けられた縫合カフの断面図である 。 図11は、別の実施態様による人工心臓弁の断面図である。 図12は、別の実施態様による人工心臓弁の断面図である。 図13A、13B、14A及び14Bは、本発明の1つの特徴を示すための、 人工心臓弁の断面図である。 図15A、15B及び15Cは、別の実施態様による心臓弁の斜視図と平面図 である。 図16は、別の実施態様による、リムを有する人工心臓弁の断面図である。 好適な実施態様の詳細な説明 大動脈部に人工弁を移植するために、多くの場合、外科医は大動脈を切開して 生体弁を除去する。それから大動脈の開口部を通して人工弁を大動脈壁内に挿入 し、大動脈と左心室の境界に人工弁を固定する。心臓弁の流入側の環帯は左心室 に面し、外科医から見た場合に遠位部環帯と呼ばれ、一方心臓弁の流出側の環帯 は大動脈に面し、近位部環帯と呼ばれる。 人工心臓弁を僧帽弁の位置に移植するためには、多くの場合、外科医は左心房 を切開して生体心臓弁を摘出する。それから心房壁内の開口部を通して人工弁を 挿入し、左心房と左心室の境界に人工弁を固定する。心臓弁の流入側の環帯は左 心房に面し、外科医から見た場合に遠位部環帯と呼ばれ、一方心臓弁の流出側の 環帯は左心室に面し、近位部環帯と呼ばれる。従って、心臓弁の近位部は、移植 位置が動脈弁および僧帽弁のいずれの場合でも、通常は環帯内に位置された心臓 弁の部分と定義できるであろう。 本発明は、環帯内のバリアを薄くし、カフおよび固定部品を組織 環帯の上部に配置することにより、弁の管腔を大きくした改良型の人工心臓弁を 提供する。カフ保持機構が、心臓弁のオリフィスハウジングの第1流入環帯と第 2流出環帯の間に配置されている。 1つの実施態様では、カフ保持機構は心臓弁オリフィスハウジングから突出す る第1および第2リムを有し、それぞれのリムは近接する環帯から隔離されてい るので、本発明の特徴的な利点を維持しながら、心臓弁を動脈弁あるいは僧帽弁 として利用できる。第2の実施態様では、保持機構は、心臓弁オリフィスハウジ ングから突出し、いずれの環帯からも隔離されている1つのリムを有している。 第3の実施態様ではリムが2つあり、1つのリムのみは最寄りの環帯から離れて いるが、残りのリムは最寄りの環帯に沿って突出している。この実施態様では、 上流リムがその環帯から離れている例で、動脈弁の代りとして利用されるか、あ るいは下流のリムがその環帯から離れている例で、僧帽弁として利用される場合 にのみ、本発明の有用な特性の全てを活かすことができる。 第4の実施態様では、カフ保持機構にはリングを固定する金属製あるいはポリ マー製のカフ固定リングが設置されており、このリングの内面にはリムのないオ リフィスハウジングの外面にある少なくとも1つの周辺溝もしくはスロットと咬 合し、かつ環帯からは離されている、キーあるいはリムのような放射状の突起が 少なくとも1つ設けられ、その結果組立後に心臓弁の中央軸すなわち流れ軸に平 行にカフ保持機構が有意に移動することを防止している。 第5の実施態様では、上記溝あるいはスロットは環帯から隔てられているオリ フィスの、より厚い部分に形成されている。第6の実施態様では、弁ハウジング を捕捉する薄い部分あるいは唇状開口部が縫合カフ固定リングから環帯内方に伸 びている。少なくとも1つの実施態様では、カフ保持機構が弁ハウジングを支持 し、これにスティフネスを与えることにより、手術時に不注意で咬合部が落ちな いようにしている。別の実施態様では、リムは中断されて不連続であり、溝がリ ムの間に形成されることができる。 図1A、1B及び1Cはそれぞれ本発明の心臓弁10の上面図と断面図であり 、縫合カフは図示を省略してある。心臓弁10には、管腔17を形成し、またピ ボットガード14を有する、リング状のオリフィス支持用ハウジング12(オリ フィス、オリフィスリングあるいはオリフィス本体とも言う)が含まれる。ピボ ットガード14には、咬合器あるいは小葉体16のための開放停止片18aと閉 塞停止片18bを有する球状の咬合器係止用ピボット18を含んでいる。図1A では、小葉体16は開放位置にあるが、図1Bでは、小葉体16は開放位置及び 閉塞位置(仮想線で示す)にあるように示されている。 図1Bに示すように、オリフィス本体12は、ほぼ円周状の本体突出部(ある いはリム)20と22を有している。突出部20と22はオリフィスのいずれの 環帯からも離れ、オリフィス12の中央面Pに向かっており、薄い突出体あるい は唇状開口部(すなわち、 リップ)24と26を提供する。唇状開口部24と26は、心臓組織の環帯用の 結合面を提供する。大動脈代替弁および僧帽代替弁の場合には、唇状開口部24 と26の周縁部が組織への侵入バリアとなる。唇状開口部26と24は、組織が 心臓弁管腔内に侵入し、縫合カフ内にまで成長するのを防ぐバリアとして機能す る。縫合リングあるいは縫合カフ50(図2Aと2Bに示す)はリム20と22 の間に固定される。 一般に、本明細書記載の好適な実施態様では、オリフィスは、化学的蒸着(C VD)処理によってグラファイト基板32上に沈積された熱分解性カーボン被覆 層30から成る。 図2Aと2Bは、心臓40内の心臓弁10の大動脈移植の断面図である。図2 Bは、心臓弁10を90°回転させた以外は図2Aと同じである。心臓40には 大動脈42、左心室44及び冠動脈口46がある。心臓弁10は心臓組織の環帯 48内に設置されたように図示されている。心臓弁10には流入環帯27と流出 環帯29がある。唇状開口部24は、リム20と左心室44に近いオリフィス1 2の流入環帯27との間の心臓組織の環帯48を受け入れるように適合される。 図2Aと2Bはまた、リム20と22の間に固定された縫合カフ50をも示して いる。縫合カフ50は心臓弁10を心臓組織に縫いつけるために用いられる。こ れにより、図2Aと2Bに示す位置に心臓弁10が縫合され、心臓弁周囲からの 漏洩が防止される。 図2Aと2Bに示すように、唇状開口部24と26は組織侵入バリアとして機 能し、心臓組織がオリフィス12内に向かって内部成長するのを防止する。唇状 開口部24は心臓40の組織の環帯48に係合あるいは付着生長するオリフィス 環帯を提供する。縫合カフ50の上流部面51と下流部面53は、一般にリム2 0と22の境界内に位置する。カフ50及びリム20と22は移植された心臓弁 10の環帯の完全に上方にある。唇状開口部24は組織環帯48の内方へのオリ フィス12の突出部を構成する。唇状開口部24の部分のオリフィス12の外径 は、組織環帯48の内径とほぼ同じである。 さらに唇状開口部24の一部は、環帯下にピボットガード14が突出する形で 環帯内に配置される。唇状開口部24の環帯内への突出部は、組織の環帯48か ら心臓弁管腔内へ組織が過剰に成長する可能性を低くする。これは、上記の組織 の過剰な成長が管腔面積を小さくし、また血流を乱す傾向をもち、さらに心臓弁 機構を妨害し、そして心臓弁の有効性を低下させるので、有益である。環帯下へ 突出するピボットガード14は、動脈根内に突出するオリフィス12の高さを減 らし、これによって冠動脈口46が塞がれる可能性を少なくする。唇状開口部2 6は、カフ50から流出環帯29の上及び心臓弁管腔17内への組織の成長を減 少させるために使用できる。 僧帽弁の場合には、唇状開口部26は環帯内に配置され、唇状開口部24とピ ボットカード14は環帯上に配置される。唇状開口部 24は、カフ50から流入環帯27上と心臓弁管腔17内へ向かう組織の成長の 可能性を低くするのに利用できる。 図3は、第2の実施態様の心臓弁100の一部の断面図を示す。心臓弁100 は、オリフィスハウジング102及び単一の突出リム104を有している。この 1つのリム104は、オリフィス102のほぼ中心を通る面Pの近くに配置され る。組織の侵入バリアである唇状開口部106と108は、リム104とオリフ ィス102の両端との間の、リム104のいずれかの側に形成される。縫合カフ 110(図4に示す)はリム104に固定される。 図4は、心臓40内に移植された心臓弁100の断面図である。心臓弁100 中の、心臓弁10と同様の要素については、同じ番号が付けられている。図4の 心臓弁100には、心臓弁100を心臓40の組織に縫いつけるために外科医が 使用する縫合カフ110が含まれる。図4のように、心臓弁100の組織の環帯 48への配置及び固定は、図2A及び2Bに示した心臓弁10の場合と同様であ る。オリフィス102の大部分とカフ110とは、環帯の上にある。大動脈移植 の場合には、組織侵入バリアである唇状開口部106は環帯内にあるが、ピボッ トガード14は環帯の下へ突出している。 図5は図1A、1B、1C、2A及び2Bに示す心臓弁10の断面図であり、 縫合カフ50のオリフィス12への固定構造が示されている。金属、ポリマー、 あるいはその他の生体適合性材料製のアタッチメントリング120がリム20と 22の間に嵌め込まれ、カ フ50を挟み込むか、あるいは掴んで固定する。カフ50は、例えば、ポリエス テルあるいはPTFEニットあるいはPTFEフェルト、もしくはその他の当業 者に知られる柔らかい好適な素材から成る。図5には、心臓組織の環帯48近傍 の心臓組織からカフ50内への組織の成長侵入122の開始を示している。縫合 カフのオリフィスへの組み込みは当業者に公知の好適な技術によって実施できる 。 実施態様の1つでは、リング120は当初は”U”字型のチップが広げられた ような、平坦な形をしている。リング120は、比較的均等に拡張する技術を用 いてリム20とリム22の間に置かれるが、この技術では、リング120はまず 円錐形の心棒(図示せず)上をスライドされ、ついで2つのリムの一方の上を、 図5に示す位置にくるまでスライドされる。リング120はオリフィスの補強材 であり、カフを回転可能に結合させるのに利用できる。カフ50はリング120 の外周に沿って配置され、リング120の両側は図5に示すように曲げられてい る。カフ50とリング120の間の摩擦によってカフ50は所定位置に保持され る。さらに、縫合糸、ステープル、ピン、接着剤あるいはその他の装置または材 料を利用して、カフ50をリング120に、またはオリフィス12に直接結合さ せることもできる。 図6は、図3及び図4に示した心臓弁100の一部の断面図であり、縫合カフ 110がオリフィス102にリム104で固定された状態が詳細に示されている 。金属製、ポリマー製、あるいはその他 の生体適合性材料でできたアタッチメントリング130がカフ110に装着され 、リム104の周囲を挟み込んでその上に固定される。装着前のリング130は 比較的平坦である。リング130が所望の場所で曲がりやすくなるように、リン グ130に刻み目132を入れる。リング130はその両側に圧力を加えて折り 曲げられるので、刻み目132の箇所で屈曲する。 図7は組織侵入バリア224と226を形成するリム220を有するオリフィ ス12の断面図である。リム220はそこに作られた溝230を有する。カフ固 定リング250の結合キーあるいはリム240はオリフィス12の結合溝230 と係合する。オリフィス12のリム220は、オリフィス12のスティフネスを 有害になる程には損なうことなく、そこに溝230を形成するのに十分な厚みを 有している。カフ260はリング250内に捕捉される。 図8は、カフ保持機構のリング自体からの突出部が組織侵入バリアと流入ある いは流出環帯を形成する別の実施態様における、カフ保持機構を有するオリフィ ス12の断面図である。カフ350は、リング360のリム340と345の間 に保持される。組織侵入バリア324と326はリング360の突出部の間に形 成される。リング360は、チタニウムあるいはコバルトクロム合金のような生 体適合性材料から成り、弁ハウジングの外にまで延びており、組織侵入バリアと して機能する。カフ350は、リム340と345の間に形成された環帯の周り に巻付けられた縫合糸355によって固 定される。放射状の内向き突出部313がオリフィス12を固定する。 図9は、別の実施態様のカフ150に固定されたオリフィス102の断面図で ある。スプリングクリップリング152が、オリフィス102の外周に沿って延 在し、リム104を捕捉する。好ましくは、カフ150はスプリングクリップリ ング152の周囲に形成される。カフクリップ組立体は、心臓弁リム104の上 にスナップ係合される。あるいは、リング152が、縫合カフ150の組織を挟 むチップ154を備えてもよい。 図10は、別の実施態様の縫合カフ160に固定されたオリフィス102の断 面図である。固定機構162は、オリフィス102の外周に沿って突出延在する ディスク164を有している。これらのディスク164は、オリフィス102の リム104と摩擦係合されるバンド166によって互いに結合されている。縫合 カフ160は、縫合糸の巻き付け部168によって、これらディスク164の間 のバンド166に固定される。 別の実施態様では、ディスク164とバンド166を一つの部品として一体的 に形成したり、あるいは別々に形成してから一つに結合することもできる。この 実施態様は、生体適合性接着剤あるいは同様の材料、またはバンド166からの 突出部とディスク164の開口部の間の摩擦力を利用することで達成できる。 従来の技術では、オリフィスのスティフネスはオリフィスの壁面 部分の面積を大きくすることで強化されることが一般的であり、その結果、組織 環帯の直径を得るために管腔域が小さくなっていた。本発明の一つの特徴は、管 腔の面積を減らすことなしに、与えられた組織の環帯の直径を確保するためにオ リフィスを強化することである。本発明の1つあるいはそれ以上の実施態様では 、オリフィスのスティフネスはオリフィスから突出するリムによって強化される 。リムの大きさ、形および位置がスティフネスを上げることが発見され、例示さ れている。 図11は別の実施態様による、ピボット486を有するピボットガード484 及びハウジング482を備える大動脈用人工心臓弁オリフィス480の断面図で ある。ハウジング482は基部485の上に形成されている。リム488と49 0は、ハウジング482の外周に沿って突出しており、流出側の近位部唇状開口 部492と流入側の遠位部唇状開口部494を形成する。中間面496がリム4 88と490の間に形成される。縫合カフ498が中間面496に沿ってリム4 88と490の間に配置され、心臓弁オリフィス480を心臓組織環帯500に 固定させるために利用される。オリフィス480の大きさは、組織環帯500が 実質的に遠位部唇状開口部494の直径と一致するように選択される。しかし、 オリフィス480と縫合カフ498の大部分は、組織環帯500に対して環帯の 上になるように配置される。 リム488と490は従来の典型的なデザインに比べ高い径方向 の高hを有している。好ましい実施態様では、hはおよそ0.25mmより大き く、より好ましくはおよそ1mmである。hの寸法を大きくすると、ハウジング 482のスティフネスが増すことが公知である。さらに、リム488と490の hの寸法が増すと、縫合カフ498のカフ保持機構499が保護される。実施態 様の1つでは、保持機構499は縫合糸を備える。しかし、いずれの機構もポリ マー製または金属製のバンド、あるいはリングのようなものを利用してもよい。 1つあるいはそれ以上の実施態様の保持機構499では、移植手術の間に、弁 ハウジング482はカフ498に対して回転できる。リム488と490によっ て保持機構499に付加的な保護が提供されることにより、組織環帯500から の圧力のような、過度の圧力が保持機構499に加わるのを減少させる。このよ うな過度の圧力は、カフ498に対してハウジング482を回転させるのに必要 なトルク量を換えてしまう傾向がある。さらに、リム488と490のhを高く すると、組織環帯500からのオリフィス480の管腔部497への組織の内向 き成長の可能性をさらに低下させることができる。またさらに、リム488と4 90の高さhを高くすることで、リム488と490の間に縫合カフ498を保 持する能力を高めることもできる。 図12は、ハウジング512を有し、大動脈移植に適した人工心臓オリフィス 510の別の実施態様の断面図である。ハウジング 512は、その中に形成されるピボットガード514とピボット516を有して いる。遠位リム518と近位リム520は、ハウジング512の外周に沿って突 出しており、その間に中間部分522を形成する。リム518と520は、オリ フィス510の近位側に片寄せて配置され、リム518はハウジング512の外 周に沿って遠位唇状開口部524を形成している。リム518と520がハウジ ング512に対して偏在した配置を取ることにより、与えられた管腔に対して、 そのスティフネスをさらに増すことが分かった。 これにより、所定のスティフネスに対しては、ハウジング512の内部管腔を 大きくできる。従って、管腔の面積を大きくしながらオリフィスを強化できる。 さらに、図12に示す構成によれば遠位唇状開口部524の長さ1をより長くす ることができ、より深く環帯の下に設置し、より大きな環帯内侵入バリアを与え ることができる。またこれによって、心臓弁環帯上の縦断面が減少するので、冠 動脈口をふさぐ可能性を小さくできる。図12に示す構成では、図11の実施態 様に記載したように、リム高hも高くなる。 図13Aと11Bには、それぞれオリフィス610と510が示してある。オ リフィス610は僧帽弁への移植に適した実施態様であり、ピボットガード62 0を環帯上方に(左心房内に)有する。オリフィス510は大動脈への移植に適 した実施態様であり、ピボットガード520を環帯下(左心房の流出路内)に有 する。オリフィス610には、僧帽弁組織の環帯によって発生される仮想力Fが 加わるように図示されている。一方オリフィス510には、大動脈環帯下の左心 室流出路内の組織によって発生される仮想力Gが加わるように図示されている。 図14Aと14Bは、それぞれ人工心臓弁480と510の断面図である。図 13A、13B、14A、14Bはリムの位置と人工オリフィスのスティフネス との関係を示している。心臓弁510と480のスティフネス比較は次の通りで ある。 スティフネスすなわち負荷に対抗するハウジングの能力は、オリフィスの幾何 形状と材料の弾性係数に依存する。本発明は、与えられた材料のスティフネスを 増すための技法を提供する。この技法はオリフィスに加わる平行負荷とねじれ負 荷、及びそれらの組合わせ負荷の両方に対する抵抗性を増大させる。スティフネ スの解析と決定に使用した幾何学的パラメータは慣性の面積モーメントであり、 これは、与えられた材料については、そのスティフネスに正比例する。一つの領 域に関する慣性の面積モーメントはIx、Iy、およびJo(慣性の極モーメン ト)の3つである。Iモーメントは、それぞれ図14Aと14B中のxとyのよ うな領域平面の軸に関するものであり、慣性の極モーメントJoは回転、すなわ ち面に対して垂直な軸に関するものである。 領域の慣性の極モーメントは簡単な代数和である。 Jo=Ix+Iy … 式1 即ち、IxあるいはIyが大きくなると、回転に抵抗する構造の能力が増加する 。その他の慣性の領域モーメントに関する重要な法則を以下に示す:加算の法則: オリフィス本体に関しては、Ix=Ix1+Ix2+Ix3である。式中のIxiは 、全体システムのx軸に関する領域i(i=1、2、3)の慣性モーメントを示 す。平行軸の理論:xi=Ixilocal+Aii 2であり、式中のIxilocalは重心に関する領域iの慣 性モーメントであり、Aii 2はシステムの軸に対する領域軸の偏りによる変形 (transformation)である。量Diは局所域のx軸とシステムのx軸との距離で あり、Aiは局所エレメントの面積である。さらに、方形についてはIxilocal= (幅×高さ3)/12である。高さと幅はモーメント軸に相関し、例えばIyの 幅はIxの高さである。同じことがIyについても言える。 オリフィス480と510の差は、図14Aと14Bにそれぞれに示す距離「 ν」である。説明のために、全ての記載寸法はオリフィス480および510で 同一とし、オリフィス480と510は同じ材料よりできているとする。このこ とは、領域の高さと幅が変わらないために、局所Iモーメントは両者で等しいこ とを意味している。Iモーメントが変わる唯一の箇所は、平行軸部分AD2、特 に Dである。システムのDyは、寸法νが変わっても変化しないことが分かってい る。従って、Iyは両方の構成で同じである。Ixの平行軸部分(Di 2)は、領 域A3が下方に移動するにつれて変化する。1つあるいは複数の実施態様に関す る本発明の特徴の1つは、その構造を中性軸から移動させることである。この変 化を数学的に表わすと以下のようになる。平行軸の法則部分: 図14A、心臓弁480の実施態様については、ダッシュ記号「’」を使用して いる。x軸に関して対称であるので、 D’1=0、 D’2=(z+H2)/2、 D’3=−(Z+H2)/2 である。また図14Aに示す心臓弁480については、 Ix’=ΣI’xilocal+A11 /2+A22 /2+A33 /2 =ΣI’xilocal+A2{(z+H2)/2}2 +A3{−(z+H2)/2}2 … 式2 図14Bに示す心臓弁510のIxに関しては、心臓弁510の中性軸は下方に ずらされており、リムの間の中間点にあると仮定する。スティフネスの差は、「 使用材料のスティフネスの差は慣性の面積モーメントの差に比例する」と定義さ れる。 領域のスティフネスは(Ix−Ix’)に比例する。従って、Ix>Ix’であ れば、この設計の方がスティフネスが大きい。もしも、 I’xilocal=Ixilocal … 式3 ならば、 Ix−Ix’=A11 2+A22 2+A33 2 −[A11 /2+A22 /2+A33 /2] … 式4 である。領域A3は下方にずれるので、重心も下方に移動し、その結果D1≠0と なるであろう。 従って、 A11 2>AD1 /2=0 … 式5 D2 /2=D3 /2={(z+H3)/2}2 … 式6 D2 2≒D3 2≒{(z+v+H3)/2}2 … 式7 その結果、 A22 2>A22 /2 33 2>A33 /2 … 式8 以上より、次の式が得られる。 Ix−Ix’=[A11 2−A11 /2]+[A22 2−A22 /2] +[A33 2−A33 /2]>0 … 式9 この差は正であるので、慣性の面積モーメントとスティフネスは、大動脈弁用あ るいは僧帽弁用に設計されたものの方が強い。重心と偏りの解析偏差は示してい ない。しかし、当業者がこれらの式を得ることは容易である。 図15Aは別の実施態様による、大動脈に移植された心臓弁オリフィス540 の斜視図であり、図15Bと15Cはその側面図である。オリフィス540には ハウジング542とピボットガード544、遠位リム546及び近位リム548 が含まれる。近位リム548は、オリフィス510の実施態様(図12)に示し た近位リム520と同様に配置される。しかし、遠位リム546は2つのセグメ ント546Aと546Bに分かれている。 図15Bと15Cは、例えば縫合カフをオリフィス540に固定させるのに利 用できる固定リング550を示す。ある場合には、リ ング550が連続部材であることが望ましいこともあることが分かった。しかし 、リング550が連続体であると、従来技術の人工弁では、リングがリムを越え て引き伸ばされなければならない。このような延伸可能リングは、カフをオリフ ィスに固定する場合は、機能が劣ることがある。逆に、リング550は連続する 剛性のリングである場合は、図15Bに示すように、人工弁540の軸に対して ある角度を持たせて装着することにより、リム546の上に設置できるようにな る。図15Bに示すように、リング550の第1側がリム546のセグメント5 46Bの上を滑り落され、つぎに、リング550のもう一方の側がセグメント5 46Aの上を滑り落される。 人工弁540の実施態様では、図12と同様に、近位リム548は片寄って設 置され、前記のように大きなスティフネスを実現している。さらに、セグメント 546Aと546Bをピボットガード544の間に配置することで、ハウジング 542にある比較的弱い(compliant)部分のスティフネスも増強している。特 にピボットガード544はハウジング542にスティフネスを与えており、そし てセグメント546Aと546Bをピボットガードの間に配置することで、ハウ ジング542のこの部分のスティフネスをさらに上げている。また、オリフィス 540の近位リム548は、閉塞状態の弁に対して加わる大動脈血圧の負荷に耐 えることができる。近位リム548はさらにオリフイス540の近位側のスティ フネスを強化し、移植時の負荷に対応させている。遠位唇状開口部554の長さ 1は長くされており(図15C参照)、図12に関して説明したように、心臓組 織の環帯との連結性がより良くなっている。 図16はハウジング562とピボットガード564を有する別の実施態様の、 大動脈の位置に移植される人工弁560の断面図である。近位リム566と遠位 リム568が、ハウジング562の外周に沿って突出しており、それらの間にV 字型の溝570が作られている。リム566と568は、典型的な手術法では、 外科医から見て近位の方向に偏在し、遠位唇状開口部572を構成している。リ ム566と568はハウジング562の外周の比較的大きな領域にわたって突出 したものであり、保持機構574を受け入れる溝570の傾斜部を提供する。こ の点が、図1Bのような階段状の厚み差を有する通常のリムと対照的である。保 持機構574は縫合カフを溝570に結合させるのに適したものであればどんな ものでもよく、V字型の柔軟なリングあるいはスプリングリング等の伸長可能な リングであればよい。 本発明の1つの特徴は、心臓40側の利用できる組織環帯48の面積に比べて 、オリフィスの有効オリフィス面積を増大できることである。前記のように、大 動脈に移植された人工弁の管腔が小さいと、左心室に過度の負荷を与える、高い 収縮期の心室圧勾配が発生する。さらに、小さな管腔は血栓や血栓塞栓の形成に 関係してくる。血栓あるいは血栓塞栓のリスクを増加させる因子には、人工弁に よって招来される非生理学的な表面や血流がある。 さらに管腔が小さいと、血流の平均速度が早くなり、その結果せん断ストレス が増加する。本明細書に記載したような管腔面積の増加は弁を横切る方向での圧 力勾配を低減し、平均速度を遅くする。その結果、せん断ストレスを低下させ、 従って血栓や血栓塞栓の形成の可能性を低減する。このことは、小葉体16の回 転軸に対してほぼ垂直に位置する、ほぼ平面状の2つのセグメントである近位ピ ボットガード14によって境界付けられ、内部がほぼ円筒状の管腔の内径(図1 Aのd2)を有する心臓弁オリフィス12を用いることで実現されている。 実施態様の1つでは、ピボットガード14の管腔面間の距離d1は、図1Aに 示す直径d2の少なくとも、およそ85%である。直径d2は、組織の環帯直径d3 の少なくとも、およそ85%である。直径d3はオリフィス12の外端の径であ るが、リム20あるいは22の外径は含まない。このような寸法関係を取ること で、管腔面積を増大する。しかし、心臓弁オリフィス12の厚みは相対に薄くな るので、心臓弁オリフィス12のスティフネスは低下する。 本発明の特徴の1つは図1、3、5、6、7、8、9、10、11、12、1 3、15及び16に示すように、リムを利用したオリフィスの強化である。この ようなリムあるいは突出部を複数使用することも本発明の範囲内にある。少なく とも1つのリムによってもたらされるスティフネスの追加により、そうでなけれ ば断面が薄いことによって起こり得るオリフィスハウジングのスティフネスの 減少が補われる。 図5、6、7、8、9、10、15及び16に示すリング120、130、1 52、162、250、360、550及び574のスティフネスも増強され、 これによって管腔面積も大きくできる。リング120、130、152、162 、250、360、550及び574には、従来よりスティフネス補強効果が知 られているI、V、UあるいはH型の様な梁型にする溝が形成されてもよい。リ ング120、130、152、162、360、550及び574によれば縫合 カフの幅が広がり、その結果移植時に縫合がより簡単にでき、また弁周囲からの 漏洩の防止が助長される。 本明細書記載の保持リングの持つ別の利点は、心臓弁との組立が容易なことで ある。アタッチメントリングは厚みを薄くされたオリフィスによく適合しており 、またCVD熱分解性カーボンのような比較的低弾性率の材料で作られる。リン グ120、130、152、162、550及び574は組立工程の機械化ある いは自動化に適している。さらにリング120、130、152、162、55 0及び574によれば、縫合カフはオリフィスに対して回転することができる。 カフの回転トルクは、カフ取付けリングとオリフィス本体との間の摩擦を調整す ることによって制御できるであろう。摩擦はリング120、130、152及び 162の締め付け力を調整して制御できる。 本明細書記載の心臓弁は、適当な生体適合材料から作ることがで きる。好適な実施態様では、オリフィスは熱分解性カーボン被覆グラファイトあ るいは抗血栓効果を有し、耐久性があり、十分な強度とスティフネス及び折れ抵 抗性を有するその他の材料から作られる。オリフィスは、基材上に形成された耐 久性のある、血液適合性の被覆あるいはフィルムで作られてもよい。実施態様の 1つでは、前記被覆あるいはフィルムはダイヤモンド様炭素であり、前記基材は 金属である。好適な金属基材はチタン及びその合金であるが、もとよりこれに限 定されない。 本発明は、弁作動機構や管腔への組織の侵入成長を阻止する管腔内バリアを保 持する一方で、狭窄を有意的に減らす小動脈根用人工心臓弁を提供する。本発明 は、どのような大きさの動脈根にも、また僧帽弁にも適用可能であり有益である 。動脈部に移植する場合には、本発明は左心室の活動(work)負荷を軽減する利 点がある。重要な患者の利益は運動に対する寛容性を増加し、左心室の肥大の回 復速度を早め、そして鬱血性心不全の発生頻度を低下させることである。 本明細書記載の実施態様では、血流の平均速度を比較的遅くすることによって 血行動態を改善し、せん断ストレスを下げ、それによって血栓の可能性を低下さ せている。血流速度を比較的遅くすることは、心臓弁の管腔面積を大きくするこ とによって達成できる。また抵抗(drag)は速度の2乗に比例して増加するので 、血流平均速度を遅くすると咬合器の抵抗も少なくなり、したがってオリフィス の有効面積をさらに増大するのに有用である。 弁ハウジングを縫合カフに結合させるために、周囲部の突起あるいはリムが用 いられる。本明細書記載のカフ保持機構は、リムあるいは突出部とアタッチメン トリングを有し、弁本体のスティフネスを増し、回転可能な結合を可能にしてい る。突出体は弁ハウジングにスティフネスを与え、これにより、弁ハウジングの 環帯の内方および下方の厚みを薄くして、管腔の直径を大きくできるようにして いる。心臓弁の環帯上方には、強度とスティフネスを得るのに十分な厚みが確保 されている。 本明細書記載の様々な実施態様では、リムの選択的配置によってスティフネス を増やすことが可能である。また、カフ保持性能の改良のためのリム高の増加、 カフ結合部および/あるいはリムの間に置かれた回転機構の保護のためのリム高 の増加、及び、より大きな組織侵入バリアを提供する。さらに、動脈環帯上部の 高さを減らすことにより、冠状動脈口との干渉の可能性を下げる。 本発明を好適な実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱せ ずにその形態および詳細を変更できることは当業者が認めるところである。例え ば、本記載はその多くが大動脈人工弁についてなされたが、本技術はまた僧帽弁 型人工心臓弁についても適用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 リングダル,ジェイムス アール. アメリカ合衆国 55449 ミネソタ州、ブ レイン、ワンハンドレッド アンド トゥ エンティファースト アベニュー エヌ. イー.1516 (72)発明者 バネイ,ガイ ピー. アメリカ合衆国 55434 ミネソタ州、ブ レイン、タイラー ストリート エヌ.イ ー.9809

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.貫通する管腔部を提供し、外周部と遠位環帯を有する弁オリフィスハウジ ング、 前記オリフィスハウジングに結合され、開放位置と、管腔内を通過する血流を 実質的に阻止する閉塞位置との間を移動できる少なくとも1つの咬合器、 前記ハウジングと一体であり、ハウジングの外周にそって突出しているリム、 前記ハウジングを心臓の組織環帯の近位部に結合させるための、前記リムに結 合された縫合カフ、及び 前記リムと前記遠位環帯との間の、前記ハウジングの外周部に規定され、組織 環帯内に突出し、前記組織環帯とおおむね適合することによって、前記リムと前 記縫合カフが実質的に前記ハウジングの管腔面積を制限しないようにする遠位唇 状開口部を備えた、患者心臓の組織環帯に生体心臓弁の代りに移植される人工心 臓弁。 2.前記縫合カフが回転可能な形で前記弁ハウジングと結合されている請求項 1の人工心臓弁。 3.前記管腔部の直径が、前記遠位唇状開口部の直径のおよそ85%より大き い請求項1の人工心臓弁。 4.前記リムが前記弁ハウジングにスティフネスを提供する請求項1の人工心 臓弁。 5.前記人工心臓弁が動脈心臓弁の移植に適している請求項1の 人工心臓弁。 6.前記人工心臓弁は僧帽弁の移植に適している請求項1の人工心臓弁。 7.第2の唇状開口部をさらに有し、前記人工心臓弁が僧帽弁と動脈心臓弁と の両方の移植に適している請求項1の人工心臓弁。 8.前記オリフィスハウジングが熱分解性カーボンあるいは熱分解性カーボン の合金より作られた請求項1の人工心臓弁。 9.前記弁オリフィスハウジングが、耐久性を有し、かつ血液適合性を有する 材料の被覆あるいはフィルムを含む請求項1の人工心臓弁。 10.前記弁オリフィスハウジングの周囲に沿って突出する第2の一体化した リム、および 前記弁オリフィスハウジングと前記リムの間とにほぼ順応し、前記縫合カフの 上に締め付けられるのに好適であり、それによって前記縫合カフを前記弁オリフ ィスハウジングに固定する円周型リングをさらに備えた請求項1の人工心臓弁。 11.前記リムと前記縫合カフとに結合され、縫合カフを前記リムに固定する リングをさらに備えた請求項1の人工心臓弁。 12.前記リングがスプリングクリップを備えた請求項11の人工心臓弁。 13.前記リングが前記縫合カフの上に締め付けられた請求項11の人工心臓 弁。 14.前記ハウジングの外周に沿って突出し、前記ハウジングと一体に構成さ れた第2リムを備えた請求項1の人工心臓弁。 15.前記リムが放射方向の高さhを有し、ハウジングにスティフネスを提供 する請求項14の人工心臓弁。 16.前記リムの間に設置される縫合カフを人工心臓弁に結合する手段を含み 、前記結合手段の外径が前記リムの外径よりも小さい請求項15の人工心臓弁。 17.前記リムの1つが少なくとも2つのリムセグメントに分割され、前記リ ム間への前記縫合カフの装着を容易にしている請求項14の人工心臓弁。 18.前記縫合カフの前記ハウジングへの結合を維持するための、前記縫合カ フ内の連続リングを備えた請求項17の人工心臓弁。 19.前記リムの間に規定されたV字型の溝を備えた請求項14の人工心臓弁 。
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