JP2004510471A - 強化されたポリマーリーフレットを有する弁プロテーゼ - Google Patents
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Abstract
弁プロテーゼは、複数のコミッシュアー体と、それらのコミッシュアー体の間に広がる改善された強化されたポリマーリーフレットとを含む。リーフレットはポリマーから形成され、そして強化されたフリーエッジを有する。強化されたフリーエッジは強化部材を含んでもよい。幾つかの実施態様では、リーフレットは、強化されたフリーエッジと、リーフレットの残りの本体にわたる実質的に均一な組成物および厚さ、とを有する。好ましい実施態様では、リーフレットの強化されたエッジは、好ましくは、リーフレットの強化されていない部分より高く3倍を超えない曲げ剛性を有する。幾つかの実施態様では、強化ポリマー層はリーフレットの強度を高める。
Description
【0001】
(発明の技術分野)
本発明は、ポリマーから形成されたリーフレット(leaflet)を有する弁プロテーゼに関する。特に、本発明は、強化されたポリマー弁リーフレットを有する弁プロテーゼ、特に心臓弁プロテーゼに関する。
【0002】
心臓弁の機能不全は衰弱させ得、そして生命をおびやかす状況になる可能性があり得る。例えば、心臓弁逆流、すなわち心臓弁での血液の後方への漏出は、ポンピング効率の減少をもたらす。加えて、ポンピングの効率悪化および末端での血液欠乏は、静脈中の弁の機能不全によって起こり得る。
【0003】
僧帽弁逆流に関して、心室の肥大および拡張などの代償的なメカニズムが、初期の治療で心室機能の進行性の悪化を防ぐをことを示唆している。僧帽弁逆流の診断は、経食道(transesophageal)の超音波心臓検査による可視化を用いて、または超音波心臓検査によって行なうことができる。特に、欠陥のあるリーフレット接合や逆流する流れの部位および方向を検査して、機能不全の形式などを評価することができる。同様のアプローチを用いて、他の場所、例えば大動脈の場所などにおける心臓弁の機能不全を評価することができる。
【0004】
心臓弁逆流の幾つかの事例は、一般に弁形成といわれる手順における本来の弁の改変によって修復することができる。例えば、ある修復技術は輪状形成(annuloplasty)環を使用して、生来の弁の天然輪に構造的支持体を提供する。しかしながら、心臓弁の損傷または疾患の重症な事例では、弁再建外科は不可能であり得る。そのような場合、弁の置換が必要となり得る。
【0005】
医師は種々のプロテーゼを使用して、循環系、特に心臓に関連する問題を治療している。例えば、損傷したまたは病気にかかった心臓弁を、プロテーゼデバイスを用いて置換または修復することができることは、外科医に、疾患および先天性欠損による心臓弁欠損を処置する方法を提供している。典型的な手順として、生来の弁の除去とプロテーゼ心臓弁を用いる外科的置換とが含まれる。
【0006】
プロテーゼ心臓弁リーフレットまたは閉塞物は、開閉機能を行なって心臓弁を通る血流を調節する。典型的には、心臓弁リーフレットは、心臓の各サイクルに伴って回転するか屈曲して開閉しなければならない。心臓弁はチェック弁として機能し、ある方向へ流れる場合に開き、そして圧力の差異に対応して閉じる。
【0007】
プロテーゼは、組織などの天然材料、合成材料、またはそれらの組み合わせによって構成され得る。純粋に合成材料のみで形成されたプロテーゼを、例えば生物学的適合性の金属、セラミック、カーボン材料(グラファイトなど)、ポリマー(ポリエステルなど)、およびそれらの組み合わせから製造することができる。純粋に合成材料のみを用いた心臓弁プロテーゼは、回転して弁を開閉する硬質の閉塞物またはリーフレットを用いて、または屈曲して弁を開閉する可撓性のリーフレットを用いて、製造することができる。
【0008】
回転する硬質の閉塞物を有する機械的な心臓弁は、長期間の使用を通じて耐久性が確認されているという利点があるが、これらはプロテーゼ弁上またはその周辺での血液凝固を伴う。血液凝固は、弁または関連する血管の急性または亜急性の閉鎖となり得る。このような理由から、埋込まれた機械的な心臓弁を有する患者は、弁が埋込まれている限りは抗凝血剤の服用を続けている。抗凝血剤は、出血などの関連するリスクを伴い、ある種の個体には安全に用いることができない。
【0009】
可撓性のリーフレットを有する心臓弁プロテーゼは、組織リーフレットまたはポリマーリーフレットで構成され得る。プロテーゼ組織心臓弁は、例えばブタの心臓弁から得ることができ、またはウシの心膜などの他の生物学的材料から製造することができる。可撓性のリーフレットを有するプロテーゼで、リーフレットは一般に、天然のリーフレットの機能に近くなるように設計される。リーフレットが可撓性である場合は、それらは、圧力の差異に対応して、各サイクルで弁を適正に閉じる明確なそして安定した構成を有していなければならない。また、リーフレットはじょうぶであって、長年の使用にわたって安定した性能を提供すべきである。
【0010】
プロテーゼ心臓弁における生物学的材料は、一般に、乱血流を起こし難い特性を有する。従って、血管内凝固は、機械的な心臓弁よりも生じる可能性が低い。組織ベースのバイオプロテーゼベースは、血栓塞栓症の発生が低いために抗凝血剤の長期使用を必要としない。組織リーフレットは所望の可撓性および許容し得る血行力学的性能を有するが、しかし組織リーフレットは埋込み後に固化することがあり、これにより可撓性は失われ、弁の不都合な閉鎖および/または開放が生じ得る。ポリマーリーフレットを心臓弁プロテーゼ中に導入することができるが、しかしこれらのポリマーは、組織リーフレットまたは回転する機械的なリーフレットの適切な代替となるような、長期間安定な機能を提供すべきである。
【0011】
(発明の概要)
第1の態様において、本発明は、複数のコミッシュアー支持体と、それらのコミッシュアー支持体の間に広がる複数の可撓性ポリマーリーフレット、とを有する支持構造体を含む弁プロテーゼに関する。好ましい実施態様では、このリーフレットは、ファイバーなどの強化部材で強化された接合エッジを有する。人工心臓に、本発明の改善された弁プロテーゼを含めることができる。同様に、代用血管に、本発明の改善された弁プロテーゼを含めることができる。加えて、心室補助デバイスに、本発明の弁プロテーゼを含めることができる。
【0012】
さらなる態様において、本発明は、複数のコミッシュアー支持体と、それらのコミッシュアー支持体の間に広がる複数の可撓性ポリマーリーフレット、とを有する支持構造体を含む弁プロテーゼに関する。このリーフレットは、好ましくは、強化された接合エッジと、支持構造体と強化された接合エッジとの間のリーフレットの可撓性部にわたる実質的に均一な組成物および厚さ、とを有する。
【0013】
他の態様において、本発明は、複数のコミッシュアー支持体と、それらのコミッシュアー支持体の間に広がる複数の可撓性ポリマーリーフレット、とを有するステントを含む弁プロテーゼに関する。このリーフレットは、好ましくは、強化材料を含む強化された接合エッジを有する。この強化材料は、好ましくは、リーフレットの強化されていない部分より高く3倍を超えない曲げ剛性を有する。
【0014】
加えて, 本発明は、複数のコミッシュアー支持体と、それらのコミッシュアー支持体の間に広がる複数の可撓性ポリマーリーフレット、とを有する支持構造体を含む弁プロテーゼに関する。これらの実施態様において、可撓性ポリマーリーフレットは、少なくともリーフレットによって覆われた面積の少なくとも50%で広がる強化層を含む。
【0015】
さらに、本発明は、複数のコミッシュアー支持体と、それらのコミッシュアー支持体の間に広がる複数の可撓性ポリマーリーフレット、とを含む弁プロテーゼに関する。このリーフレットは、フリーエッジで、リーフレットの本体を形成する可撓性ポリマーと異なる材料を有する。
【0016】
(図面の簡単な説明)
図1は、強化されたポリマーリーフレットを有する心臓弁プロテーゼの透視図であり、この中で弁は開いた構成である。
【0017】
図2Aは、接合エッジでの単一の強化部を有する、強化されたポリマーリーフレットの実施態様の断面図であり、断面は図1中の線2−2に沿っている。
【0018】
図2Bは、単一の強化部を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、断面は図1中の線2−2に沿っている。
【0019】
図2Cは、フリーエッジの位置に異なる材料を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、断面は図1中の線2−2に沿っている。
【0020】
図2Dは、複数の強化部を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【0021】
図2Eは、複数の強化部を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【0022】
図2Fは、強化ポリマー層を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【0023】
図2Gは、部分的な強化ポリマー層を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【0024】
図2Hは、組み込まれた強化ポリマー層を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【0025】
図2Iは、組み込まれた部分的な強化ポリマー層を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿ってる。
【0026】
図3は、強化されたポリマーリーフレットを有する心臓弁プロテーゼの透視図であり、この中で弁は閉じた構成である。
【0027】
図4は、図3のプロテーゼの側面図である。
【0028】
図5は、図3中の線5−5に沿った、図3のプロテーゼの断面図である。
【0029】
図6Aは、接合領域を示す、隣り合った強化されたポリマーリーフレットのある実施態様の断面図である。
【0030】
図6Bは、接合領域を示す、隣り合った強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図である。
【0031】
図7は、フリーエッジの中央で強化部を有するポリマーリーフレットの実施態様の側面図である。
【0032】
図8は、フリーエッジの両端で強化部を有するポリマーリーフレットの実施態様の側面図である。
【0033】
図9は、ポリマーリーフレットを有する弁を導入した血管性プロテーゼの断片的透視図であり、ここでプロテーゼの1部分は弁を曝露するために取り除かれている。
【0034】
図10は、ポリマー弁を有する、左心室補助デバイスの断片的側面図であり、ここで流入管および流出管の側面は、流入弁および流出弁を曝露するために取り除かれている。
【0035】
(発明の態様の詳述)
弁プロテーゼ、特に心臓弁プロテーゼ用の、改善されたポリマーリーフレットは、リーフレットの接合エッジに沿って強化部を含み、引裂きおよび他の損傷を、またはフリーエッジでのポリマーの磨耗を防ぐ。本明細書に記載のアプローチを使用して、損傷または磨耗が生じにくいポリマーリーフレットを、プロテーゼ中のリーフレットの性能を落とすことなく製造することができる。幾つかの好ましい実施態様では、強化部は、接合エッジでまたはその近くで繊維を含む。他の好ましい実施態様では、リーフレットは、接合エッジでまたはその近くの強化部以外に、リーフレットを横切る均一な組成物を有する。他の実施態様では、強化部は、リーフレットの範囲の全てまたは有意な部分で層として広がっている。得られる弁は、使用における損傷または磨耗の可能性が減少した、優れた血行力学的性質を有し得る。
【0036】
損傷したまたは病気にかかった生来の心臓弁を置換して、弁の機能を回復させることができる。対象の心臓弁プロテーゼは、ポリマーから形成されたリーフレットを有する。このポリマーは、生来の組織リーフレットの構造に似た可撓性のリーフレットを形成する。ポリマー心臓弁プロテーゼを、任意の心臓弁、すなわち大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、または肺動脈弁用の置換物として設計することができる。加えて、改善されたポリマー弁プロテーゼを、血管性弁の置換物として使用することができる。患者は動物、特に哺乳動物であり得、好ましくはヒトである。
【0037】
支持構造体のベースは、弁を固定し、弁の下部で固定するための支持体を提供する。可撓性弁では、リーフレットは、コミッシュアー支持体とコミッシュアー支持体の間の波形状とを含む支持構造体で支持されている。弁のベースは、患者の輪へのまたはデバイスの他の成分への弁の付着用の、縫製カフなどを含んでもよい。
【0038】
幾つかの実施態様では、支持構造体は、使用における弁の開閉力に対して弁のリーフレット機能を維持する硬質の成分を含む。硬質の支持構造体を有する弁をステント弁といい、硬質の支持体をステントという。ステントはリーフレット用の足場を提供する。ステントはリーフレットのフリーエッジの両端を支持するコミッシュアー支持体を含む。波形状(リーフレットの付着エッジを支持するもの)は、コミッシュアー支持体の間に広がる。ステントは概ね、ステントのベースのみを患者にまたは他のデバイスに付着させるのに十分なほどに硬質である。特定の実施態様として、心臓弁ステントは、プロテーゼ心臓弁内のリーフレット成分を支持するのに使用される。
【0039】
他の実施態様では、支持構造体は、弁の開閉力に対して弁のリーフレット機能を維持するのに十分なほど硬質ではない。これらの実施態様において、弁をステントレスという。ステントレス弁において、コミッシュアー支持体と波形状とを有する構造体は、リーフレットの付着エッジを支持する。しかしながら、ステントレス弁において、リーフレット支持構造体は、支持構造体全体が他の解剖学的な構造に対し確保されるべきようには硬質ではなく、血管壁のように、流体圧力に対して潰れないようにしている。支持構造体が他の構造への付着によって支持されている場合は、リーフレットは適切な接合を有し得る。支持構造体は、一般にコミッシュアー支持体を確定する円柱状の構成中に、およびリーフレットのエッジを保持する波形状中に、リーフレットまたは他の可撓性材料のポリマーを含み得る。可撓性支持構造体は、一般に、対応する血管壁または他の構造体に縫合されるかまたは付着される。
【0040】
ポリマーリーフレットは、血流の変化に対応して屈曲するよう形づくられる。特に、弁の好ましい実施態様は、開いて所望の方向へ流し、そして圧力の差異に対応して閉じる一方向チェック弁として機能する。例えば、血液が下流に流れる場合、リーフレットは十分に開き血流に対する抵抗を減少させる。開いた構成では、リーフレットはほぼ円柱状の形状に開き、弁を通って流れることができる。
【0041】
サイクルのポンピングがより高い圧力の下流またはより低い圧力の上流を生じさせる場合、弁は圧力の差異に対応して閉じる。隣り合うリーフレットの強化されたエッジは、閉じた構成で、管腔を横切って広がりリーフレットと接触する。リーフレットのかみ合った部分を接合領域と記載する。
【0042】
ポリマーリーフレットのフリーエッジは、使用または埋込みにおいて、引裂きあるいは同様に損傷または磨耗を受け得る。エッジが引裂かれると、弁が閉じた場合に、弁は逆流方向に液を漏らすおそれがある。使用中、引裂きはさらに悪化し得る。フリーエッジの強化部は、弁の機械的な性能に影響を与えることなく、フリーエッジに対する引裂きあるいは他の損傷または磨耗の発生を減少させることができる。弁が閉じている場合、強化されたエッジは接合領域の少なくとも1部分を形成するであろう。
【0043】
リーフレットのフリーエッジの強化部は、ポリマー組成物の変性で、リーフレットの表面を形成するポリマー中に組み込まれた強化部材(繊維またはファブリックなど)で、またはリーフレットのエッジ部分またはその近くに位置するポリマーの厚くされた部分によって、形成され得る。好ましい実施態様では、フリーエッジから離れたリーフレット範囲に、可撓性ポリマーの均一な組成物を含む。これらの実施態様において、フリーエッジの強化部は、弁の有効な開閉に関して、たとえあるにしても弁の性能にほとんど影響しない。他の実施態様では、リーフレットの本体が、例えば変性ポリマー組成物、強化部材および/または厚くされたポリマー部分の形態で、エッジから離れた他の強化部を含む。フリーエッジから離れた強化部は弁の耐久性を改善し得る。
【0044】
他の実施態様では、強化部は、第2の材料(ポリマーフィルムまたはファブリックなど)の薄い層の形成を有する。この材料はリーフレットの残りの部分を形成する一次ポリマー材料よりも強い。この強化層は、一次ポリマー材料の2層の内側に挟まれていてもよく、または強化層が一次ポリマーの表面上の層であってもよい。一般に、強化層はリーフレットの面積の少なくとも約50%の範囲を占め、リーフレット全体に広がっていてもよい。
【0045】
リーフレットは可撓性ポリマーの薄いフィルムから形成される。適したポリマーは生物学的適合性、つまり毒性がなく、発癌性がなく、そして溶血制または免疫応答を引き起こさないもの、である。ポリマーから形成された心臓弁プロテーゼは、好ましくは血栓形成性でないものである。ポリマーの関連する機械的な性質として、例えば剛性、強度、クリープ、硬度、疲労抵抗および引裂き抵抗が含まれる。好ましいポリマーはじょうぶなもの、つまり長年の使用の後でも可撓性を大幅に失わず、そして機械的強さを大幅に失わないものである。
【0046】
リーフレットは種々の鋳造および成形工程によって形成することができる。好ましい実施態様では、リーフレットは、マンドレルの浸漬コーティングによって形成される。一般に、リーフレットは、対応するリーフレット支持構造体がステントか可撓性支持構造体かに関連して、直接的に形成される。
【0047】
弁プロテーゼ
改善された、強化されたポリマーリーフレットを、弁プロテーゼに使用することができる。特に、リーフレットを、人工心臓、心臓弁プロテーゼ、弁血管性プロテーゼ、または左心室補助デバイスで使用することができる。ポリマーリーフレットは、開閉して弁を通る流れを制御する。フリーエッジは強化され、リーフレットのエッジの引裂きあるいは他の損傷または磨耗を減少させるかあるいは排除される。
【0048】
ポリマーリーフレットを有する心臓弁プロテーゼは、損傷したまたは病気にかかった生来の心臓弁の置換に適している。以下で図示する心臓弁プロテーゼの実施態様では3つのポリマーリーフレットを有しているが、心臓弁プロテーゼは、異なる個数のポリマーリーフレット、例えば2つのリーフレット、4つのリーフレット、または4以上のリーフレットで構成されるてもよい。プロテーゼは、置換に使用される天然弁と同じ数のリーフレットを有していてもよく、有していなくてもよい。
【0049】
哺乳動物の静脈は、静脈中で逆流の量を制限することにより血液循環を補助する弁を含んでいる。静脈は毛管から血液を収集し、心臓に血液を戻すことを担っている。一般に、血管性弁は、導管部分を有する代用血管の一部として置換される。
【0050】
哺乳動物の心臓は、4つの主な弁を有している。適切な大きさと付着を用いることにより、本発明のポリマー弁は任意の心臓弁の置換に適する。僧帽弁および三尖弁の置換用のポリマー心臓弁プロテーゼは、概ね硬質のステントを含む。
【0051】
可撓性ポリマーリーフレットを有する心臓弁プロテーゼの実施態様を、図1に、完全に開いた位置で示す。心臓弁プロテーゼ100は、リーフレット102、104、106、コミッシュアー支持体108、110、112、支持構造体/ステント114および縫製輪116を含む。縫製輪116は、弁100を、患者の組織輪に、縫合、ステープル、接着剤または他の留め具/付着メカニズムを用いて付着するのに用いられる。支持構造体/ステント114は比較的硬質であってもよく、この場合は支持構造体はステントとして機能し、ベースで患者に付着し、リーフレット機能を維持する。あるいは、支持構造体114はステントレス弁の一部として堅くなくてもよく、ここで支持構造体114は他の解剖学的な構造を確保し、リーフレット機能を維持する。
【0052】
図1において、支持構造体/ステント114は、コミッシュアー支持体108、110、112、およびコミッシュアー支持体の間の波形状120、122、124を有する。リーフレット102、104、106のフリーエッジ130、132、134は、それぞれ、コミッシュアー支持体108、110、112で結び付いている。リーフレット102、104、106の付着エッジ136、138、140もまた、波形状120、122、124に沿って支持構造体を確保する。支持構造体114のベースは、概ね、弁の上流端で弁に通じて形成する円柱状の輪142である。縫製カフ116は一般に輪142に付着している。
【0053】
リーフレット102の9つの実施態様の断面を図2A〜2Iに示す。図2A〜2Cの実施態様では、単一の強化部がフリーエッジ130にまたはその近くにある。図2Dおよび2Eの実施態様では、フリーエッジ130のまたはその近くの強化部のそばにさらなる強化部がある。図2F〜2Iの実施態様では、強化部は強化材料の層の形成として含まれる。強化層を使用する場合、強化部材および/または可撓性ポリマーを厚くすることによる、別に配置された強化部を用いてもよい。
【0054】
図2Aの実施態様で、リーフレット102はフリーエッジ130の近くで強化部150を含む。強化部150は、リーフレット102の本体152と比較して厚くされた断面を有する。強化部150は、必要に応じた強化部材154および/または異なる組成物を含んで、リーフレット102の他の部分と比較して、強化部150にさらなる強度を与えてもよい。図2Aの実施態様では、リーフレット102は、強化部150と付着エッジ136との間で、実質的に均一な組成物および厚さを有する。言いかえると、この実施態様では、リーフレット102は、フリーエッジ130のまたはその近くの強化部150を除いて概ね均一である。強化部は、好ましくは、下記のように弁が閉じる場合に、少なくとも1部で隣り合うリーフレットが接触する接合領域にある。
【0055】
図2Bにおいて、リーフレット102は、フリーエッジ130でまたはその近くで強化部158を有する。強化部158はリーフレット102の本体160とほぼ同じ厚さを有する。強化部158は帯状の強化部材162または強度を高める他の材料を含んでもよい。
【0056】
図2Cにおいて、強化部166は、リーフレット102の本体168と異なるポリマー材料から製造される。強化部166は、リーフレット102のフリーエッジ130に位置する。好ましい実施態様では、強化部166は比較的厚いか、またはリーフレット102の本体168と比べて薄い。図2Cでは、強化部166はフリーエッジ130に向かって徐々に細くなっているが、強化部166は均一な厚さを有していてもよい。強化部166の材料の強度が高いため、厚さを上げることなく所望のレベルの引裂き抵抗を供することができる。強化部166は必要に応じた強化部材を含んでもよい。
【0057】
図2A〜2Cの実施態様とは対照的に、図2Dよび2Eの実施態様では、リーフレット102は、リーフレット102のフリーエッジ130で強化部を有し、リーフレットの本体にさらに別の強化部を有する。特に、図2Dにおいて、強化部172、174、176は、リーフレット102の本体178の他の部分と比べて厚い。各強化部は必要に応じた強化部材180、182、184を含み得る。フリーエッジおよび接合領域から離れた強化部の数と位置を、所望により変えることができる。図2Eについて、リーフレット102は強化部186、188、190を有する。強化部186、188、190は、強化部材192、194、196および/または異なる組成物を含み、リーフレット102の他の部分と比べて強化部にさらなる強度を与えることができる。
【0058】
図2Fにおいて、リーフレット102は、可撓性ポリマー層202上に強化層200を有する。強度の点で強化層を選択しても、強化層は一般に可撓性である。可撓性ポリマー層202は概ね、強化層の存在により高められる所望のレベルの耐久性を与える。図2Fに示すように、強化層200は、流入方向に向かった方向でリーフレット102の内部表面204に示される。しかしながら、強化層を流出方向に向かった方向でリーフレット102の外部表面206上に置いてもよく、また外部表面204と外部表面206の両方においてもよい。
【0059】
図2Fに示されるように、強化層200は可撓性ポリマー層202の表面全体を覆っている。図2Gにおいては、強化層208は可撓性ポリマー層212の内部表面210の一部のみを覆っている。好ましい実施態様では、部分的強化層はフリーエッジ130でまたはその近くで、またはフリーエッジ130の1部分でエッジを有する。同様に、部分的強化層は、可撓性ポリマー層212の内部表面210上に、外部表面214上に、または両表面上にあってもよい。部分的強化層は、好ましくは、可撓性ポリマー層の表面積の少なくとも約50%、あるいは少なくとも約65%を覆い、他の実施態様では少なくとも約80%を覆う。また図2Fに示すように、強化層は、本質的に可撓性ポリマー層の表面全体を覆ってもよい。
【0060】
可撓性ポリマー材料の内部に強化層を置くのが望ましい。図2Hにおいて、強化ポリマー層220は可撓性ポリマー層222、224の間に挟まれている。従って、この複合材料は、リーフレット102の任意の部分に渡って、断面に3層を有する。
【0061】
組み込まれた/挟まれたバージョンにおける強化ポリマー層でも、リーフレット102の表面全体にわたって広がっている必要はない。強化層はリーフレット102の長さまたは幅全体を横切って広がる必要はない。図2Iにおいて、強化層230はリーフレット102の長さの一部でのみ広がっている。 強化層230は可撓性ポリマー層232内に組み込まれている。好ましい実施態様では、強化層230は、フリーエッジ130にまたはその近くに、あるいはフリーエッジ130の一部に広がっている。好ましい実施態様では、強化層230は、リーフレット102にわたり、リーフレット表面積の少なくとも約50%で、あるいは少なくとも約65%での広がりを有し、他の実施態様ではリーフレット表面積の少なくとも約80%での広がりを有する。もちろん、図2Hに示すように、強化層がリーフレット全体にわたって広がっていてもよい。
【0062】
閉じたポリマーリーフレットを有する心臓弁プロテーゼ100を図3〜図5に示す。リーフレット102、104、106はそれぞれ隣り合うリーフレットと接触し、弁を介して開いているものを閉じている。図3〜図5に示すように、リーフレット102、104、106は、フリーエッジ130、132、134で単一の強化部を有するが、他の実施態様で複数の強化部を有してもよい。接合領域の2つの実施態様をそれぞれ図6Aおよび6Bに示す。図6Aにおいて、接合領域300は、隣り合うリーフレット102、104が接触する強化部302に位置する。この実施態様において、強化部302で広がる厚さは、図6Aに示すように接合領域を確定するのを助力する。図6Bに示す実施態様では、接合領域304が、対応する強化部306の広さよりより大きな領域で広がっている。同様に、接合領域が強化部より小さくてもよい。
【0063】
図1および図3〜図5に示すように、強化部は、フリーエッジでまたはその近くで、リーフレットのフリーエッジの長さ全体に沿って、配置される。しかしながら他の実施態様では、強化部はフリーエッジの一部でのみ広がっている。図7に示すように、強化部320はリーフレット322のフリーエッジの中央でのみ配置される。図8の実施態様において、強化部326、328は、リーフレット330のフリーエッジの端の近くに配置される。 別の強化部を、強化部326、328の間のリーフレット322のフリーエッジに沿って含んでもよい。強化部がフリーエッジの長さ全体に沿って広がっていない場合、強化部の広がりを選択して、引裂き抵抗の所望のレベルおよび配置を得ることができる。複数の強化部の区分が単一のリーフレットのフリーエッジに沿って配置される場合、強化部の区分の数および各区分のフリーエッジに沿った長さを変えることができる。
【0064】
弁プロテーゼを、静脈弁の置換として、あるいは大動脈または肺心臓弁の置換として、導管を用いる代用血管中に導入することができる。弁静脈プロテーゼ350を図9に断片的な図で示す。プロテーゼ350は、導管354中に、3つのリーフレットポリマー弁352を有する。支持構造体/ステント356は、導管354への適切な付着に対応して、堅くてもよく、可撓性であってもよい。例えば、支持構造体/ステント356が可撓性である場合、リーフレット支持体 は支持体として導管に付着される。導管354は、天然材料(固定されたウシの心膜など)、または合成材料(ポリマー、例えばポリエステルなど)から作成できる。
【0065】
加えて、本明細書に記載するポリマー弁を、図10に示すように、左心室補助デバイス370に導入することもできる。左心室補助デバイスは、一般に、心臓移植を待つ、損傷したまたは病気にかかった心臓を有する患者の、心室のポンピング機能を維持するのに使用される、埋込まれたデバイスである。左心室補助デバイス370は、駆動ユニット372、流入管374、流出管376および連結部378を含む。駆動ユニット372はポンプを含み、流入管374から流出管376へ拍動流を与える。連結部378は、一般に患者の外部から、コントローラーおよび電源装置から駆動ユニットに向けて、電気または空気圧制御シグナルを供する。流入管374は流入弁380を含み、流出管376は流出弁382を含む。矢印は、弁380、382によって制御される、流入管374および流出管376を流れる血流を示している。流入弁380および流出弁382のいずれか一方または両方に、本明細書に記載のポリマー弁を有していてもよい。
【0066】
プロテーゼ弁の任意の実施態様において、支持構造体/ステント114が、リーフレットを支持する硬質材料から形成される場合、適した硬質材料として、例えば硬質ポリマー、金属、セラミックス、カーボン材料およびそれらの組み合わせが含まれる。適した硬質ポリマーとして、例えば、ポリアセタール類(Delrin( 登録商標 )およびCelcon( 登録商標 )など)、ポリスルホン類、ポリエーテルスルホン類、ポリアリールスルホン類、ポリエーテルエーテルケトン類、およびポリエーテルイミド類が含まれる。適した金属として、生物学的適合性金属、例えばステンレス鋼、チタン、コバルト合金、例えばElgiloy( 登録商標 )(コバルト−クロム−ニッケル合金)およびMP35N(ニッケル−コバルト−クロム−モリブデン合金)、およびNitinol( 登録商標 )(ニッケル−チタン合金)が含まれる。スプリング金属(Elgiloy( 登録商標 )など)から作成された心臓弁ステントは良好な機械的性質(強度および疲労耐久性など)を示し、対応するポリマーステントより小さな交差区分を有し得る。複合金属/ポリマー心臓弁ステントは、同時係属中で同一出願人による、米国特許出願第09/475,721号、Reiminkらの、表題「MEDICAL DEVICES WITH POLYMER/INORGANIC SUBSTRATE COMPOSITS」に記載されており、参照して本明細書中に導入されている。加えて、ステントを、セラミック材料、例えばパイロライトカーボン、炭化ケイ素または金属ケイ素、ヒドロキシアパタイトおよびアルミナから製造することができる。適したステントを、グラファイトなどのカーボンから製造することができる。パイロライトカーボンおよびカーバイドと有利に組み合わせる、ステントに適した複合物は、同時係属中で同一出願人による、米国特許出願第09/460,140号、Brendzelらの、表題「Pyrolytic Carbon and Metal/Metalloid Carbide Composites」に記載されており、参照して本明細書中に導入されている。
【0067】
可撓性である支持構造体は、例えば可撓性ポリマーまたは金属から製造することができる。適した可撓性ポリマーとして、例えばポリウレタン、ポリジメチルシロキサンおよびポリテトラフルオロエチレンが含まれる。可撓性支持構造体は、通常、リーフレットと同一の可撓性ポリマー、異なる可撓性ポリマー、またはそれらの組み合わせから製造することができる。支持構造体を形成するために、可撓性ポリマーをシートに形成することができ、ファブリックに織ることができ、または種々の他のアプローチによって製造することができる。
【0068】
支持構造体に適した可撓性ポリマーには、吸収性ポリマー、例えばデキストラン、ヒドロキシエチルデンプン、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ[N−(2−ヒドロキシルプロピル)メタクリルアミド]、ポリグリコール類、ポリエステル類、ポリ(オルトエステル)、ポリ(エステルアミド)、およびポリ酸無水物も含まれる。吸収性ポリエステルには、例えばポリ(ヒドロキシ酸)およびそのコポリマー、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(ジメチルグリコール酸)およびポリ(ヒドロキシ酪酸)が含まれる。好ましい吸収性ポリマーには、例えば、D,L−ポリ乳酸、L−ポリ乳酸、ポリ(グリコール酸)、並びにL乳酸、D−乳酸およびグリコール酸のコポリマーが含まれる。吸収性ポリマーからの心臓弁ステントの形成は、米国特許第5,728,152号、Mirsch IIら、表題「Bioresorable Heart Valve Support」にさらに記載されており、参照して本明細書中に導入されている。
【0069】
リーフレットは支持構造体とは別々に形成されてもよく、またはリーフレットは支持構造体と共同して直接形成されてもよい。リーフレットが別々に形成される場合、成分の特定の材料に適したアプローチによって、それらをリーフレット支持体に付着させることができる。例えば、リーフレットを、ヒートシール、縫合、接着剤などによって、支持体に連結させることができる。リーフレットは、支持体と同じ材料から形成する場合もしない場合も、支持体と共同して直接形成されることができる。リーフレットが支持体と共同して形成される場合、支持体はリーフレットの形成プロセス中に導入される。リーフレットの形成を以下の区分で記載する。
【0070】
縫製カフ116は、通常、支持構造体114のベース142から広がっている。縫製カフ116は、患者またはデバイスへの心臓弁プロテーゼの付着を容易にする。縫合、ステープルおよび/または他の留め具メカニズムを縫製カフに行ない、縫製カフ116が患者の組織輪にまたは導管プロテーゼなどに取りつけられる。縫製カフ116は、好ましくは、留め具メカニズムが縫製カフ116に都合よく行なわれ、リーフレット102、104、106を刺すなどの目だったリスクなく弁を付着させるように、ベース142から外へ向かって広がる。縫製カフ116は、天然材料、合成材料、またはそれらの組み合わせから製造することができる。
【0071】
縫製カフ116に適した天然材料として、固定/架橋した組織、例えばウシのまたはブタの心膜組織が含まれる。架橋は、例えば組織の酵素分解を防ぐことにより、機械的安定性を与える。架橋は、バイオプロテーゼの患者の拒絶を引き起こし得る抗原部位も取り除く。固定には一般的にグルタルアルデヒドまたはホルムアルデヒドが使用されるが、他の固定剤、エポキシド、ジェニピン(genipin)、および他の二官能性アルデヒドなどを使用することもできる。
【0072】
適した合成材料として、可撓性ポリマー(通常ファブリックに織られたもの)が含まれる。好ましい材料として、例えばポリエステルまたはポリテトラフルオロエチレンが含まれる。ファブリックの縫製カフは、患者へのプロテーゼの埋込みによる感染の発生を減少させるために、抗菌金属または抗菌剤を含んでもよい。
【0073】
リーフレットの構造、組成物および製造
バイオプロテーゼでは、可撓性のリーフレットは、生来のリーフレット機能に近づけて設計される。これらのリーフレットが可撓性である場合、各サイクルで逆流を防ぐよう弁を適正に閉じる、明確なそして安定した構成を有していなければならない。また、リーフレットは、長年の使用にわたって安定した性能を供するように、じょうぶであるべきである。
【0074】
ポリマーリーフレットは、概ね十分に開いた位置と概ね閉じた位置との間で屈曲する。開いた位置では、ポリマーリーフレットのフリーエッジは弁の下流に開き、血流に対してあまり抵抗しない。閉じた位置では、隣り合うリーフレットのフリーエッジが接合領域で接触し、弁を閉じ、ほとんど漏らさないようになる。
【0075】
リーフレットの形成に適したポリマー材料として、例えば合成ポリマー、同様に精製した生物学的ポリマー、およびそれらの組み合わせが含まれる。可撓性ポリマーとして、構造上の欠陥を伴わずに、顕著な屈曲、たわみ、ねじれ、磨耗および/または変形に耐える、エラストマーおよび他のポリマーが含まれる。適した合成ポリマーには、限定するものではないが、ポリアミド類(例えばナイロン)、ポリエステル類、ポリアクリレート類、ビニルポリマー類(例えばポリオレフィン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレンまたは他のハロゲン化ポリマー、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンモノマーコポリマー(EPDM)およびポリビニルクロライドなど)、ポリカーボネート類, ポリアセタール類(例えばDelrin( 登録商標 ))、ポリウレタン類、ポリジメチルシロキサン類、酢酸セルロース類、エチレン酢酸ビニル類、ポリスルホン類、ニトロセルロース類、それらの誘導体、またコポリマー、およびそれらの混合物が含まれる。可撓性ポリマーの心臓弁リーフレットの形成に特に好ましい可撓性ポリマー材料として、例えばポリウレタン類、ポリジメチルシロキサン類、ポリテトラフルオロエチレン類、それらの誘導体、およびそれらの混合物が含まれる。
【0076】
生物学的ポリマーは、天然由来のものであっても、インビトロ(例えば発酵など)で製造されるものであってもよい。精製された生物学的ポリマーを、製織、編成, 鋳造、成形、押出成形、細胞アライメント、および磁性アライメントなどの技術によって、適切に基材に形成することもできる。適した生物学的ポリマーとして、限定されるものではないが、コラーゲン、エラスチン、絹、ケラチン、ゼラチン、ポリアミノ酸、多糖類(例えばセルロースおよびデンプン)およびそれらのコポリマーが含まれる。
【0077】
好ましいポリマーは生物学的適合性のものである。可撓性のリーフレットの好ましい実施態様では、非強化ポリマー層は概ね約50ミクロン〜約1000ミクロン、より好ましくは約100ミクロン〜約300ミクロンの厚さを有する。心臓弁プロテーゼのリーフレットを形成するのに使用される可撓性ポリマーは、好ましくは、十分な耐久性を有し、置換心臓弁の使用に必要とされる繰り返しサイクルに耐えるポリマーである。ヒトの患者では、弁は1年に約4000万回のサイクルを経なければならず、また弁は、理想的には、残された患者の天然のもので期待される寿命を超えて機能を保たなければならない。現行の組織弁は、約4億〜約6億サイクルの後に置換が必要とされ得る。従って、ポリマー基材は、好ましくは、顕著な構造的劣化を伴わずに、少なくとも約4億サイクルに耐えることができ、より好ましくは約6億サイクル以上に耐えることができる。現行の市販の可撓性ポリマーの数種の部類のみ、このような性能要求に耐え得ると考えられている。ポリウレタンがこのような部類の1つである。
【0078】
リーフレットを、薄いダイヤモンド様炭素(DLC)コーティングで被覆してもよい。このDLC被覆は非常にじょうぶであり、不活性であり血液適合性である。ダイヤモンド様炭素被覆は、体液との望ましくない反応から基材を防ぐバリアを提供する。ダイヤモンド様炭素は非常に硬い材料であるが、DLCコーティングは被覆されたリーフレットの可撓性に影響を及ぼさない。DLCコーティングは、ポリマーが繰り返し屈曲する場合でもクラッキングに抵抗する。さらに、ポリマーで被覆されたダイヤモンド様炭素は、被覆されていないポリマーよりも血栓形成性が低い(より血液適合性である)。ポリマー基材上にDLCコーティングを堆積するための好ましいアプローチとして、例えばイオンビーム補助堆積法および高周波プラズマ堆積法が含まれる。ポリマー基材のDLCコーティングは、同時係属中で同一出願人による米国特許出願第09/437,167号、Wooら、表題「Medical Device With Diamond−Like Carbon Coating on a Polymer Substrate」に詳しく記載されており、参照して本明細書中に導入されている。
【0079】
上記のように、ポリマーリーフレットは、好ましくは、接合領域のリーフレットのフリーエッジでまたはその近くで強化部を含む。強化材料がエッジの5ミリ(mm)以内、好ましくは2mm以内、より好ましくはフリーエッジの1mm以内に広がっている場合、強化部は、エッジにまたはその近くに広がっている。強化材料がフリーエッジにまたはその近くにある場合、フリーエッジは強化されているとする。好ましい実施態様では、強化部はリーフレットのフリーエッジ全体に沿って広がっているが、しかしながら強化部はフリーエッジの一部のみに沿って広がっていてもよい。例えば、強化部は、図7に示すようにフリーエッジの中央部のみを被覆してもよく、図8に示すようにコミッシュアー支持体の近くのフリーエッジ部分のみでもよい。
【0080】
強化部は、リーフレットの本体より薄くても、同じでも、厚くてもよい。強化部がリーフレットの本体より厚い場合、リーフレット本体と比べて追加的な厚さは概ね約5%〜約100%、より好ましくは約20%〜約50%である。図2Aのように厚くされた強化部は、概ね約0.1ミリ(mm)〜約10mm、好ましくは約1mm〜約5mmの厚くされた強化部の幅を有する。図2B、2Cおよび2Eに示すように、厚くされていない強化部は、リーフレットポリマーのほかに、強化部内に別の組成物を含む。厚くされた強化部は、強化部内に別の組成物を含んでもよく含まなくてもよい。図2F〜2Iに示すような層強化部は、概ね約0.01mm〜約1mm、好ましくは約0.05mm〜約0.5mmの厚さを有する。
【0081】
図2A、2B、2Dおよび2Eに示すように、強化部材が含まれる場合、強化部材は容積が適切である限りは任意の形状であってよい。単一の強化部材は、3つのリーフレット全てを横切って広がり得、また複数の強化部材を使用することもできる。強化部材は好ましくは平坦な帯状である。平坦な帯状は、周辺のポリマー材料から離れることが生じ難いと考えられる。従って、ファブリックなどの平坦な帯状物で強化されたリーフレットは、円形状の強化部材で強化されたものよりもじょうぶである。帯状物は好ましくは約0.1mm〜約10mm、より好ましくは約1mm〜約5mmの幅を有する。強化部材の幅が小さすぎる場合も、ポリマーから離れ得る。さらに、強化部材は、概ね約0.01mm〜約0.5mm、より好ましくは約0.03mm〜約0.3mmの厚さを有する。
【0082】
強化層を使用する場合、リーフレットは概ね強化層として第2の組成物を含み、リーフレットを形成する可撓性ポリマーに加えて、図2Gおよび2Iの実施態様にかかわらず、強化部は可撓性ポリマーで厚くされたを含んでもよい。 図2F〜2Iに示されるように、リーフレットは、強化層により厚くなっていてもよい。強化層の材料および可撓性ポリマーの材料を、2種の材料によって形成される明確な層が形成されないように絡み合わせることもできる。この絡み合わせは、強化層が固体シート材料から形成されない場合に得られる。同様の絡み合わせは、強化部材の使用を用いて、固体シート材料から形成されないにもかかわらず、場所においてより局在されたものを得ることもできる。
【0083】
強化部が、強化部材または強化層のいずれであっても、リーフレットの残りの部分と異なる材料を含む場合、適切な強化材料はリーフレットの強度を上げ、それには例えば別のポリマー、ポリマー−セラミック複合物(繊維ガラスなど)、金属、カーボン材料、およびそれらの組み合わせが含まれる。適切な金属には、例えば生物学的適合性金属、例えばステンレス鋼、チタン、コバルト合金(Elgiloy( 登録商標 )など)、コバルト−クロム−ニッケル合金、およびMP35N(ニッケル−コバルト−クロム−モリブデン合金)、およびNitinol( 登録商標 )(ニッケル−チタン合金)が含まれる。適したカーボン材料には、例えばグラファイト繊維が含まれる。一般に、異なるポリマーを強化部として導入する場合、加えられる強化ポリマーは、リーフレット本体で使用されるポリマーより強いポリマーであり得るが、リーフレットの使用で列記したポリマーと同じタイプのものが適している。加えるポリマーは、リーフレット内でより架橋された種類のポリマーであっても、または異なるモノマー組成物あるいはポリマー鎖長を有する類似のポリマーであってもよく、さらなる強度を導入することができる。好ましい強化ポリマーとして、例えばポリエステル、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリパラフェニレンテレフタルアミド(KEVLAR( 登録商標 ))が含まれる。
【0084】
強化部が、強化部材または強化層のいずれであっても、リーフレット構造の大部分を形成する可撓性ポリマーと異なる強化材料から形成される場合、強化材料は固体材料の形態であっても多孔性の材料の形態であってもよい。多孔性材料を使用すると、強化材料とリーフレットを形成する残りの可撓性ポリマーとの絡み合いが得られる。多孔性材料は、強化材料の製織、編成、またはプレ形成から、形成することができ、後に可撓性ポリマーと結合させてリーフレットを形成することができる。幾つかの好ましい実施態様では、強化材料は、製織されたまたは編成されたファブリックの形態である。得られる構造はポリマーでシールされたファブリックである。ファブリックを使用することにより、強度を高めることができる非常に安定な構造の形成が得られる。
【0085】
好ましい強化材料は、可撓性であって、弁性能に重大な影響を及ぼさないようなものである。特に、好ましい実施態様では、強化された区分は、強化されていない区分の約3倍を超えない剛性であり、好ましくは約2倍を超えない剛性であり、より好ましくは約1.5倍を超えない剛性である。ここで曲げ剛性は曲げモジュラスによって測定される。強化されたリーフレットの屈曲剛性/強化されていないリーフレットの屈曲剛性の割合は、ヤング率と厚さの割合から計算することができる。.
【0086】
特に、
【数1】
式中、Rは、強化されたポリマーリーフレットの曲げ剛性から強化されていないポリマーリーフレットの曲げ剛性を除算した割合である。E1/E0は、強化材料のヤング率から、強化されていないポリマーのヤング率を除算した割合である。H0は、強化されていないリーフレットの厚さであり、H2は強化されたリーフレットの厚さであり、H1は強化材料の厚さである。ヤング率は、ASTM D882、表題「Standard Test Method for Tensile Properties of Thin Plastic Sheeting」の記載と同様の手順で求めることができる。
【0087】
リーフレットは、選択したポリマーから、ポリマーの成形、製織、押出成形、浸漬コーティングまたは鋳造によって、適切な形態に形成することができる。成形工程は、分離した支持構造体/ステントの、型中での包含を伴っても伴わなくても実施することができる。好ましい方法として、鋳造および浸漬コーティングが含まれる。
【0088】
浸漬コーティングを行なう場合、マンドレルを、所望のポリマーの溶剤溶液中にまたは加熱したポリマー溶融物中に浸漬する。ポリマーリーフレットの所望の形状を有するようにマンドレルを機械加工する。浸漬コーティングの前に、支持構造体/ステントをマンドレル上に置いて、直接的に支持構造体上のコーティングを得ることができる。あるいは、支持構造体を、浸漬コーティング工程中に、リーフレットと同じポリマーから、マンドレル上に形成することができる。他の実施態様では、マンドレルからリーフレットを取り除いた後で、リーフレットを支持構造体/ステントに付けることができる。
【0089】
コーティング工程が完了した後に、リーフレットおよび支持構造体をマンドレルから取り除く。溶融物の温度および/または溶液のポリマー濃度を変化させることにより、コーティングの厚さを変えることができる。冷却および/または溶媒の蒸発留去で、ポリマー構造はマンドレル上に形成される。所望により、複数の浸漬工程を行なってもよい。
【0090】
成形工程で強化部を形成するために、型を変化させて、強化部でリーフレットの厚くされた部分を供することができる。あるいは、ポリマーが強化材料のまわりにリーフレットを形成するように、強化材料を型中の強化部の位置に置くこともできる。浸漬コーティング工程で、マンドレルの形状を変えて厚くされたエッジを供することができ、またフリーエッジを別時に浸漬して、エッジに厚くされた部分を供することもできる。あるいは、浸漬コーティング工程の最初で、または最初のポリマーコーティングを形成した後に、強化材料をマンドレルに沿って置くこともできる。1またはそれ以上の強化部材を使用する場合、個々の強化部材をマンドレルに置いて、リーフレット全体を広げることができる。
【0091】
図2F〜2Iに示されるポリマー強化層を、他の強化部と同様に、強化材料を型中にまたはマンドレル上に置いて作成することができる。強化ポリマー層が可撓性ポリマー中に組み込まれている場合、リーフレットを層状に作成して製作を容易にすることができる。マンドレルを使用する場合、異なる組成物を用いて、強化ポリマー層を、別の層上に、層の浸漬コーティングにより設けることができる。
【0092】
プロテーゼの形成
リーフレットを形成した後に、プロテーゼの製造を完成させるためにさらなる加工工程を必要としてもよい。第1に、リーフレットを、支持構造体/ステントと共同して直接形成しない場合、リーフレットを支持構造体に連結させる。他の構造体(縫製カフなど)を、支持構造体に連結させる。縫製カフなどは、概ね、流入エッジにまたはその近くに加えられる。弁を導管に導入する場合、弁が導管に確実に連結するように、導管を弁に連結するかまたは導管を弁のまわりに形成することができる。縫合、ステープル、接着剤および他の留め具のメカニズム、ならびにそれらの組み合わせを使用して、支持構造体と他の成分とを連結させることもできる。
【0093】
包装、分配および使用
分配について、医療デバイスを、密封された滅菌容器中に入れる。医療デバイスの成分が無期限に貯蔵されないように、日付が望ましい最大保管時間を表すように、容器に日付を入れることができる。適切な使用および/または医療デバイスの埋込みについての取扱説明書をつけて、および他の適切なおよび/または必要とされるラベルをつけて、容器を包装する。適切な医療手順、例えばプロテーゼの埋込みなどでの使用用に、容器を保健医療の専門職に分配する。心臓弁プロテーゼおよび弁血管性プロテーゼを、例えば標準的な外科的手順を用いて埋込むことができる。
【0094】
上記の実施態様は例示説明を意図しており限定するものではない。他の実施例も請求の範囲の範囲内である。本発明を好ましい実施態様に関して記載したが、本発明の意図および視野から離れることなく、形態および詳細について改変できることは、当業者に認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】強化されたポリマーリーフレットを有する心臓弁プロテーゼの透視図である。
【図2A】接合エッジでの単一の強化部を有する、強化されたポリマーリーフレットの実施態様の断面図であり、断面は図1中の線2−2に沿っている。
る。
【図2B】単一の強化部を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、断面は図1中の線2−2に沿っている。
【図2C】フリーエッジの位置に異なる材料を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、断面は図1中の線2−2に沿っている。
【図2D】複数の強化部を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【図2E】複数の強化部を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【図2F】強化ポリマー層を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【図2G】部分的な強化ポリマー層を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【図2H】組み込まれた強化ポリマー層を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【図2I】組み込まれた部分的な強化ポリマー層を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿ってる。
【図3】強化されたポリマーリーフレットを有する心臓弁プロテーゼの透視図である。
【図4】図3のプロテーゼの側面図である。
【図5】図3中の線5−5に沿った、図3のプロテーゼの断面図である。
【図6A】接合領域を示す、隣り合った強化されたポリマーリーフレットのある実施態様の断面図である。
【図6B】接合領域を示す、隣り合った強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図である。
【図7】フリーエッジの中央で強化部を有するポリマーリーフレットの実施態様の側面図である。
【図8】フリーエッジの両端で強化部を有するポリマーリーフレットの実施態様の側面図である。
【図9】ポリマーリーフレットを有する弁を導入した血管性プロテーゼの断片的透視図であり、ここでプロテーゼの1部分は弁を曝露するために取り除かれている。
【図10】ポリマー弁を有する、左心室補助デバイスの断片的側面図であり、ここで流入管および流出管の両端は、流入弁および流出弁を曝露するために取り除かれている。
【符号の説明】
100…心臓弁プロテーゼ、102…リーフレット、104…リーフレット、106…リーフレット、108…コミッシュアー支持体、110…コミッシュアー支持体、112…コミッシュアー支持体、114…支持構造体/ステント、116…縫製輪、120…波形状、122…波形状、124…波形状、130…フリーエッジ、132…フリーエッジ、134…フリーエッジ、136…付着エッジ、138…付着エッジ、140…付着エッジ、142…輪、150…強化部、152…本体、154…強化部材、158…強化部、160…本体、162…強化部材、166…強化部、168…本体、172…強化部、174…強化部、176…強化部、178…本体、180…強化部材、182…強化部材、184…強化部材、186…強化部、188…強化部、190…強化部、192…強化部材、194…強化部材、196…強化部材、200…強化層、202…可撓性ポリマー層、204…内部表面、206…外部表面、208…強化層、210…内部表面、212…可撓性ポリマー層、214…外部表面、220…強化ポリマー層、222…可撓性ポリマー層、224…可撓性ポリマー層、230…強化層、232…可撓性ポリマー層、300…接合領域、302…強化部、304…接合領域、306…強化部、320…強化部、322…リーフレット、326…強化部、328…強化部、330…リーフレット、350…プロテーゼ、352…リーフレットポリマー弁、354…導管、356…支持構造体/ステント、370…左心室補助デバイス、372…駆動ユニット、374…流入管、376…流出管、378…連結部、380…弁、382…弁
(発明の技術分野)
本発明は、ポリマーから形成されたリーフレット(leaflet)を有する弁プロテーゼに関する。特に、本発明は、強化されたポリマー弁リーフレットを有する弁プロテーゼ、特に心臓弁プロテーゼに関する。
【0002】
心臓弁の機能不全は衰弱させ得、そして生命をおびやかす状況になる可能性があり得る。例えば、心臓弁逆流、すなわち心臓弁での血液の後方への漏出は、ポンピング効率の減少をもたらす。加えて、ポンピングの効率悪化および末端での血液欠乏は、静脈中の弁の機能不全によって起こり得る。
【0003】
僧帽弁逆流に関して、心室の肥大および拡張などの代償的なメカニズムが、初期の治療で心室機能の進行性の悪化を防ぐをことを示唆している。僧帽弁逆流の診断は、経食道(transesophageal)の超音波心臓検査による可視化を用いて、または超音波心臓検査によって行なうことができる。特に、欠陥のあるリーフレット接合や逆流する流れの部位および方向を検査して、機能不全の形式などを評価することができる。同様のアプローチを用いて、他の場所、例えば大動脈の場所などにおける心臓弁の機能不全を評価することができる。
【0004】
心臓弁逆流の幾つかの事例は、一般に弁形成といわれる手順における本来の弁の改変によって修復することができる。例えば、ある修復技術は輪状形成(annuloplasty)環を使用して、生来の弁の天然輪に構造的支持体を提供する。しかしながら、心臓弁の損傷または疾患の重症な事例では、弁再建外科は不可能であり得る。そのような場合、弁の置換が必要となり得る。
【0005】
医師は種々のプロテーゼを使用して、循環系、特に心臓に関連する問題を治療している。例えば、損傷したまたは病気にかかった心臓弁を、プロテーゼデバイスを用いて置換または修復することができることは、外科医に、疾患および先天性欠損による心臓弁欠損を処置する方法を提供している。典型的な手順として、生来の弁の除去とプロテーゼ心臓弁を用いる外科的置換とが含まれる。
【0006】
プロテーゼ心臓弁リーフレットまたは閉塞物は、開閉機能を行なって心臓弁を通る血流を調節する。典型的には、心臓弁リーフレットは、心臓の各サイクルに伴って回転するか屈曲して開閉しなければならない。心臓弁はチェック弁として機能し、ある方向へ流れる場合に開き、そして圧力の差異に対応して閉じる。
【0007】
プロテーゼは、組織などの天然材料、合成材料、またはそれらの組み合わせによって構成され得る。純粋に合成材料のみで形成されたプロテーゼを、例えば生物学的適合性の金属、セラミック、カーボン材料(グラファイトなど)、ポリマー(ポリエステルなど)、およびそれらの組み合わせから製造することができる。純粋に合成材料のみを用いた心臓弁プロテーゼは、回転して弁を開閉する硬質の閉塞物またはリーフレットを用いて、または屈曲して弁を開閉する可撓性のリーフレットを用いて、製造することができる。
【0008】
回転する硬質の閉塞物を有する機械的な心臓弁は、長期間の使用を通じて耐久性が確認されているという利点があるが、これらはプロテーゼ弁上またはその周辺での血液凝固を伴う。血液凝固は、弁または関連する血管の急性または亜急性の閉鎖となり得る。このような理由から、埋込まれた機械的な心臓弁を有する患者は、弁が埋込まれている限りは抗凝血剤の服用を続けている。抗凝血剤は、出血などの関連するリスクを伴い、ある種の個体には安全に用いることができない。
【0009】
可撓性のリーフレットを有する心臓弁プロテーゼは、組織リーフレットまたはポリマーリーフレットで構成され得る。プロテーゼ組織心臓弁は、例えばブタの心臓弁から得ることができ、またはウシの心膜などの他の生物学的材料から製造することができる。可撓性のリーフレットを有するプロテーゼで、リーフレットは一般に、天然のリーフレットの機能に近くなるように設計される。リーフレットが可撓性である場合は、それらは、圧力の差異に対応して、各サイクルで弁を適正に閉じる明確なそして安定した構成を有していなければならない。また、リーフレットはじょうぶであって、長年の使用にわたって安定した性能を提供すべきである。
【0010】
プロテーゼ心臓弁における生物学的材料は、一般に、乱血流を起こし難い特性を有する。従って、血管内凝固は、機械的な心臓弁よりも生じる可能性が低い。組織ベースのバイオプロテーゼベースは、血栓塞栓症の発生が低いために抗凝血剤の長期使用を必要としない。組織リーフレットは所望の可撓性および許容し得る血行力学的性能を有するが、しかし組織リーフレットは埋込み後に固化することがあり、これにより可撓性は失われ、弁の不都合な閉鎖および/または開放が生じ得る。ポリマーリーフレットを心臓弁プロテーゼ中に導入することができるが、しかしこれらのポリマーは、組織リーフレットまたは回転する機械的なリーフレットの適切な代替となるような、長期間安定な機能を提供すべきである。
【0011】
(発明の概要)
第1の態様において、本発明は、複数のコミッシュアー支持体と、それらのコミッシュアー支持体の間に広がる複数の可撓性ポリマーリーフレット、とを有する支持構造体を含む弁プロテーゼに関する。好ましい実施態様では、このリーフレットは、ファイバーなどの強化部材で強化された接合エッジを有する。人工心臓に、本発明の改善された弁プロテーゼを含めることができる。同様に、代用血管に、本発明の改善された弁プロテーゼを含めることができる。加えて、心室補助デバイスに、本発明の弁プロテーゼを含めることができる。
【0012】
さらなる態様において、本発明は、複数のコミッシュアー支持体と、それらのコミッシュアー支持体の間に広がる複数の可撓性ポリマーリーフレット、とを有する支持構造体を含む弁プロテーゼに関する。このリーフレットは、好ましくは、強化された接合エッジと、支持構造体と強化された接合エッジとの間のリーフレットの可撓性部にわたる実質的に均一な組成物および厚さ、とを有する。
【0013】
他の態様において、本発明は、複数のコミッシュアー支持体と、それらのコミッシュアー支持体の間に広がる複数の可撓性ポリマーリーフレット、とを有するステントを含む弁プロテーゼに関する。このリーフレットは、好ましくは、強化材料を含む強化された接合エッジを有する。この強化材料は、好ましくは、リーフレットの強化されていない部分より高く3倍を超えない曲げ剛性を有する。
【0014】
加えて, 本発明は、複数のコミッシュアー支持体と、それらのコミッシュアー支持体の間に広がる複数の可撓性ポリマーリーフレット、とを有する支持構造体を含む弁プロテーゼに関する。これらの実施態様において、可撓性ポリマーリーフレットは、少なくともリーフレットによって覆われた面積の少なくとも50%で広がる強化層を含む。
【0015】
さらに、本発明は、複数のコミッシュアー支持体と、それらのコミッシュアー支持体の間に広がる複数の可撓性ポリマーリーフレット、とを含む弁プロテーゼに関する。このリーフレットは、フリーエッジで、リーフレットの本体を形成する可撓性ポリマーと異なる材料を有する。
【0016】
(図面の簡単な説明)
図1は、強化されたポリマーリーフレットを有する心臓弁プロテーゼの透視図であり、この中で弁は開いた構成である。
【0017】
図2Aは、接合エッジでの単一の強化部を有する、強化されたポリマーリーフレットの実施態様の断面図であり、断面は図1中の線2−2に沿っている。
【0018】
図2Bは、単一の強化部を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、断面は図1中の線2−2に沿っている。
【0019】
図2Cは、フリーエッジの位置に異なる材料を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、断面は図1中の線2−2に沿っている。
【0020】
図2Dは、複数の強化部を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【0021】
図2Eは、複数の強化部を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【0022】
図2Fは、強化ポリマー層を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【0023】
図2Gは、部分的な強化ポリマー層を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【0024】
図2Hは、組み込まれた強化ポリマー層を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【0025】
図2Iは、組み込まれた部分的な強化ポリマー層を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿ってる。
【0026】
図3は、強化されたポリマーリーフレットを有する心臓弁プロテーゼの透視図であり、この中で弁は閉じた構成である。
【0027】
図4は、図3のプロテーゼの側面図である。
【0028】
図5は、図3中の線5−5に沿った、図3のプロテーゼの断面図である。
【0029】
図6Aは、接合領域を示す、隣り合った強化されたポリマーリーフレットのある実施態様の断面図である。
【0030】
図6Bは、接合領域を示す、隣り合った強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図である。
【0031】
図7は、フリーエッジの中央で強化部を有するポリマーリーフレットの実施態様の側面図である。
【0032】
図8は、フリーエッジの両端で強化部を有するポリマーリーフレットの実施態様の側面図である。
【0033】
図9は、ポリマーリーフレットを有する弁を導入した血管性プロテーゼの断片的透視図であり、ここでプロテーゼの1部分は弁を曝露するために取り除かれている。
【0034】
図10は、ポリマー弁を有する、左心室補助デバイスの断片的側面図であり、ここで流入管および流出管の側面は、流入弁および流出弁を曝露するために取り除かれている。
【0035】
(発明の態様の詳述)
弁プロテーゼ、特に心臓弁プロテーゼ用の、改善されたポリマーリーフレットは、リーフレットの接合エッジに沿って強化部を含み、引裂きおよび他の損傷を、またはフリーエッジでのポリマーの磨耗を防ぐ。本明細書に記載のアプローチを使用して、損傷または磨耗が生じにくいポリマーリーフレットを、プロテーゼ中のリーフレットの性能を落とすことなく製造することができる。幾つかの好ましい実施態様では、強化部は、接合エッジでまたはその近くで繊維を含む。他の好ましい実施態様では、リーフレットは、接合エッジでまたはその近くの強化部以外に、リーフレットを横切る均一な組成物を有する。他の実施態様では、強化部は、リーフレットの範囲の全てまたは有意な部分で層として広がっている。得られる弁は、使用における損傷または磨耗の可能性が減少した、優れた血行力学的性質を有し得る。
【0036】
損傷したまたは病気にかかった生来の心臓弁を置換して、弁の機能を回復させることができる。対象の心臓弁プロテーゼは、ポリマーから形成されたリーフレットを有する。このポリマーは、生来の組織リーフレットの構造に似た可撓性のリーフレットを形成する。ポリマー心臓弁プロテーゼを、任意の心臓弁、すなわち大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、または肺動脈弁用の置換物として設計することができる。加えて、改善されたポリマー弁プロテーゼを、血管性弁の置換物として使用することができる。患者は動物、特に哺乳動物であり得、好ましくはヒトである。
【0037】
支持構造体のベースは、弁を固定し、弁の下部で固定するための支持体を提供する。可撓性弁では、リーフレットは、コミッシュアー支持体とコミッシュアー支持体の間の波形状とを含む支持構造体で支持されている。弁のベースは、患者の輪へのまたはデバイスの他の成分への弁の付着用の、縫製カフなどを含んでもよい。
【0038】
幾つかの実施態様では、支持構造体は、使用における弁の開閉力に対して弁のリーフレット機能を維持する硬質の成分を含む。硬質の支持構造体を有する弁をステント弁といい、硬質の支持体をステントという。ステントはリーフレット用の足場を提供する。ステントはリーフレットのフリーエッジの両端を支持するコミッシュアー支持体を含む。波形状(リーフレットの付着エッジを支持するもの)は、コミッシュアー支持体の間に広がる。ステントは概ね、ステントのベースのみを患者にまたは他のデバイスに付着させるのに十分なほどに硬質である。特定の実施態様として、心臓弁ステントは、プロテーゼ心臓弁内のリーフレット成分を支持するのに使用される。
【0039】
他の実施態様では、支持構造体は、弁の開閉力に対して弁のリーフレット機能を維持するのに十分なほど硬質ではない。これらの実施態様において、弁をステントレスという。ステントレス弁において、コミッシュアー支持体と波形状とを有する構造体は、リーフレットの付着エッジを支持する。しかしながら、ステントレス弁において、リーフレット支持構造体は、支持構造体全体が他の解剖学的な構造に対し確保されるべきようには硬質ではなく、血管壁のように、流体圧力に対して潰れないようにしている。支持構造体が他の構造への付着によって支持されている場合は、リーフレットは適切な接合を有し得る。支持構造体は、一般にコミッシュアー支持体を確定する円柱状の構成中に、およびリーフレットのエッジを保持する波形状中に、リーフレットまたは他の可撓性材料のポリマーを含み得る。可撓性支持構造体は、一般に、対応する血管壁または他の構造体に縫合されるかまたは付着される。
【0040】
ポリマーリーフレットは、血流の変化に対応して屈曲するよう形づくられる。特に、弁の好ましい実施態様は、開いて所望の方向へ流し、そして圧力の差異に対応して閉じる一方向チェック弁として機能する。例えば、血液が下流に流れる場合、リーフレットは十分に開き血流に対する抵抗を減少させる。開いた構成では、リーフレットはほぼ円柱状の形状に開き、弁を通って流れることができる。
【0041】
サイクルのポンピングがより高い圧力の下流またはより低い圧力の上流を生じさせる場合、弁は圧力の差異に対応して閉じる。隣り合うリーフレットの強化されたエッジは、閉じた構成で、管腔を横切って広がりリーフレットと接触する。リーフレットのかみ合った部分を接合領域と記載する。
【0042】
ポリマーリーフレットのフリーエッジは、使用または埋込みにおいて、引裂きあるいは同様に損傷または磨耗を受け得る。エッジが引裂かれると、弁が閉じた場合に、弁は逆流方向に液を漏らすおそれがある。使用中、引裂きはさらに悪化し得る。フリーエッジの強化部は、弁の機械的な性能に影響を与えることなく、フリーエッジに対する引裂きあるいは他の損傷または磨耗の発生を減少させることができる。弁が閉じている場合、強化されたエッジは接合領域の少なくとも1部分を形成するであろう。
【0043】
リーフレットのフリーエッジの強化部は、ポリマー組成物の変性で、リーフレットの表面を形成するポリマー中に組み込まれた強化部材(繊維またはファブリックなど)で、またはリーフレットのエッジ部分またはその近くに位置するポリマーの厚くされた部分によって、形成され得る。好ましい実施態様では、フリーエッジから離れたリーフレット範囲に、可撓性ポリマーの均一な組成物を含む。これらの実施態様において、フリーエッジの強化部は、弁の有効な開閉に関して、たとえあるにしても弁の性能にほとんど影響しない。他の実施態様では、リーフレットの本体が、例えば変性ポリマー組成物、強化部材および/または厚くされたポリマー部分の形態で、エッジから離れた他の強化部を含む。フリーエッジから離れた強化部は弁の耐久性を改善し得る。
【0044】
他の実施態様では、強化部は、第2の材料(ポリマーフィルムまたはファブリックなど)の薄い層の形成を有する。この材料はリーフレットの残りの部分を形成する一次ポリマー材料よりも強い。この強化層は、一次ポリマー材料の2層の内側に挟まれていてもよく、または強化層が一次ポリマーの表面上の層であってもよい。一般に、強化層はリーフレットの面積の少なくとも約50%の範囲を占め、リーフレット全体に広がっていてもよい。
【0045】
リーフレットは可撓性ポリマーの薄いフィルムから形成される。適したポリマーは生物学的適合性、つまり毒性がなく、発癌性がなく、そして溶血制または免疫応答を引き起こさないもの、である。ポリマーから形成された心臓弁プロテーゼは、好ましくは血栓形成性でないものである。ポリマーの関連する機械的な性質として、例えば剛性、強度、クリープ、硬度、疲労抵抗および引裂き抵抗が含まれる。好ましいポリマーはじょうぶなもの、つまり長年の使用の後でも可撓性を大幅に失わず、そして機械的強さを大幅に失わないものである。
【0046】
リーフレットは種々の鋳造および成形工程によって形成することができる。好ましい実施態様では、リーフレットは、マンドレルの浸漬コーティングによって形成される。一般に、リーフレットは、対応するリーフレット支持構造体がステントか可撓性支持構造体かに関連して、直接的に形成される。
【0047】
弁プロテーゼ
改善された、強化されたポリマーリーフレットを、弁プロテーゼに使用することができる。特に、リーフレットを、人工心臓、心臓弁プロテーゼ、弁血管性プロテーゼ、または左心室補助デバイスで使用することができる。ポリマーリーフレットは、開閉して弁を通る流れを制御する。フリーエッジは強化され、リーフレットのエッジの引裂きあるいは他の損傷または磨耗を減少させるかあるいは排除される。
【0048】
ポリマーリーフレットを有する心臓弁プロテーゼは、損傷したまたは病気にかかった生来の心臓弁の置換に適している。以下で図示する心臓弁プロテーゼの実施態様では3つのポリマーリーフレットを有しているが、心臓弁プロテーゼは、異なる個数のポリマーリーフレット、例えば2つのリーフレット、4つのリーフレット、または4以上のリーフレットで構成されるてもよい。プロテーゼは、置換に使用される天然弁と同じ数のリーフレットを有していてもよく、有していなくてもよい。
【0049】
哺乳動物の静脈は、静脈中で逆流の量を制限することにより血液循環を補助する弁を含んでいる。静脈は毛管から血液を収集し、心臓に血液を戻すことを担っている。一般に、血管性弁は、導管部分を有する代用血管の一部として置換される。
【0050】
哺乳動物の心臓は、4つの主な弁を有している。適切な大きさと付着を用いることにより、本発明のポリマー弁は任意の心臓弁の置換に適する。僧帽弁および三尖弁の置換用のポリマー心臓弁プロテーゼは、概ね硬質のステントを含む。
【0051】
可撓性ポリマーリーフレットを有する心臓弁プロテーゼの実施態様を、図1に、完全に開いた位置で示す。心臓弁プロテーゼ100は、リーフレット102、104、106、コミッシュアー支持体108、110、112、支持構造体/ステント114および縫製輪116を含む。縫製輪116は、弁100を、患者の組織輪に、縫合、ステープル、接着剤または他の留め具/付着メカニズムを用いて付着するのに用いられる。支持構造体/ステント114は比較的硬質であってもよく、この場合は支持構造体はステントとして機能し、ベースで患者に付着し、リーフレット機能を維持する。あるいは、支持構造体114はステントレス弁の一部として堅くなくてもよく、ここで支持構造体114は他の解剖学的な構造を確保し、リーフレット機能を維持する。
【0052】
図1において、支持構造体/ステント114は、コミッシュアー支持体108、110、112、およびコミッシュアー支持体の間の波形状120、122、124を有する。リーフレット102、104、106のフリーエッジ130、132、134は、それぞれ、コミッシュアー支持体108、110、112で結び付いている。リーフレット102、104、106の付着エッジ136、138、140もまた、波形状120、122、124に沿って支持構造体を確保する。支持構造体114のベースは、概ね、弁の上流端で弁に通じて形成する円柱状の輪142である。縫製カフ116は一般に輪142に付着している。
【0053】
リーフレット102の9つの実施態様の断面を図2A〜2Iに示す。図2A〜2Cの実施態様では、単一の強化部がフリーエッジ130にまたはその近くにある。図2Dおよび2Eの実施態様では、フリーエッジ130のまたはその近くの強化部のそばにさらなる強化部がある。図2F〜2Iの実施態様では、強化部は強化材料の層の形成として含まれる。強化層を使用する場合、強化部材および/または可撓性ポリマーを厚くすることによる、別に配置された強化部を用いてもよい。
【0054】
図2Aの実施態様で、リーフレット102はフリーエッジ130の近くで強化部150を含む。強化部150は、リーフレット102の本体152と比較して厚くされた断面を有する。強化部150は、必要に応じた強化部材154および/または異なる組成物を含んで、リーフレット102の他の部分と比較して、強化部150にさらなる強度を与えてもよい。図2Aの実施態様では、リーフレット102は、強化部150と付着エッジ136との間で、実質的に均一な組成物および厚さを有する。言いかえると、この実施態様では、リーフレット102は、フリーエッジ130のまたはその近くの強化部150を除いて概ね均一である。強化部は、好ましくは、下記のように弁が閉じる場合に、少なくとも1部で隣り合うリーフレットが接触する接合領域にある。
【0055】
図2Bにおいて、リーフレット102は、フリーエッジ130でまたはその近くで強化部158を有する。強化部158はリーフレット102の本体160とほぼ同じ厚さを有する。強化部158は帯状の強化部材162または強度を高める他の材料を含んでもよい。
【0056】
図2Cにおいて、強化部166は、リーフレット102の本体168と異なるポリマー材料から製造される。強化部166は、リーフレット102のフリーエッジ130に位置する。好ましい実施態様では、強化部166は比較的厚いか、またはリーフレット102の本体168と比べて薄い。図2Cでは、強化部166はフリーエッジ130に向かって徐々に細くなっているが、強化部166は均一な厚さを有していてもよい。強化部166の材料の強度が高いため、厚さを上げることなく所望のレベルの引裂き抵抗を供することができる。強化部166は必要に応じた強化部材を含んでもよい。
【0057】
図2A〜2Cの実施態様とは対照的に、図2Dよび2Eの実施態様では、リーフレット102は、リーフレット102のフリーエッジ130で強化部を有し、リーフレットの本体にさらに別の強化部を有する。特に、図2Dにおいて、強化部172、174、176は、リーフレット102の本体178の他の部分と比べて厚い。各強化部は必要に応じた強化部材180、182、184を含み得る。フリーエッジおよび接合領域から離れた強化部の数と位置を、所望により変えることができる。図2Eについて、リーフレット102は強化部186、188、190を有する。強化部186、188、190は、強化部材192、194、196および/または異なる組成物を含み、リーフレット102の他の部分と比べて強化部にさらなる強度を与えることができる。
【0058】
図2Fにおいて、リーフレット102は、可撓性ポリマー層202上に強化層200を有する。強度の点で強化層を選択しても、強化層は一般に可撓性である。可撓性ポリマー層202は概ね、強化層の存在により高められる所望のレベルの耐久性を与える。図2Fに示すように、強化層200は、流入方向に向かった方向でリーフレット102の内部表面204に示される。しかしながら、強化層を流出方向に向かった方向でリーフレット102の外部表面206上に置いてもよく、また外部表面204と外部表面206の両方においてもよい。
【0059】
図2Fに示されるように、強化層200は可撓性ポリマー層202の表面全体を覆っている。図2Gにおいては、強化層208は可撓性ポリマー層212の内部表面210の一部のみを覆っている。好ましい実施態様では、部分的強化層はフリーエッジ130でまたはその近くで、またはフリーエッジ130の1部分でエッジを有する。同様に、部分的強化層は、可撓性ポリマー層212の内部表面210上に、外部表面214上に、または両表面上にあってもよい。部分的強化層は、好ましくは、可撓性ポリマー層の表面積の少なくとも約50%、あるいは少なくとも約65%を覆い、他の実施態様では少なくとも約80%を覆う。また図2Fに示すように、強化層は、本質的に可撓性ポリマー層の表面全体を覆ってもよい。
【0060】
可撓性ポリマー材料の内部に強化層を置くのが望ましい。図2Hにおいて、強化ポリマー層220は可撓性ポリマー層222、224の間に挟まれている。従って、この複合材料は、リーフレット102の任意の部分に渡って、断面に3層を有する。
【0061】
組み込まれた/挟まれたバージョンにおける強化ポリマー層でも、リーフレット102の表面全体にわたって広がっている必要はない。強化層はリーフレット102の長さまたは幅全体を横切って広がる必要はない。図2Iにおいて、強化層230はリーフレット102の長さの一部でのみ広がっている。 強化層230は可撓性ポリマー層232内に組み込まれている。好ましい実施態様では、強化層230は、フリーエッジ130にまたはその近くに、あるいはフリーエッジ130の一部に広がっている。好ましい実施態様では、強化層230は、リーフレット102にわたり、リーフレット表面積の少なくとも約50%で、あるいは少なくとも約65%での広がりを有し、他の実施態様ではリーフレット表面積の少なくとも約80%での広がりを有する。もちろん、図2Hに示すように、強化層がリーフレット全体にわたって広がっていてもよい。
【0062】
閉じたポリマーリーフレットを有する心臓弁プロテーゼ100を図3〜図5に示す。リーフレット102、104、106はそれぞれ隣り合うリーフレットと接触し、弁を介して開いているものを閉じている。図3〜図5に示すように、リーフレット102、104、106は、フリーエッジ130、132、134で単一の強化部を有するが、他の実施態様で複数の強化部を有してもよい。接合領域の2つの実施態様をそれぞれ図6Aおよび6Bに示す。図6Aにおいて、接合領域300は、隣り合うリーフレット102、104が接触する強化部302に位置する。この実施態様において、強化部302で広がる厚さは、図6Aに示すように接合領域を確定するのを助力する。図6Bに示す実施態様では、接合領域304が、対応する強化部306の広さよりより大きな領域で広がっている。同様に、接合領域が強化部より小さくてもよい。
【0063】
図1および図3〜図5に示すように、強化部は、フリーエッジでまたはその近くで、リーフレットのフリーエッジの長さ全体に沿って、配置される。しかしながら他の実施態様では、強化部はフリーエッジの一部でのみ広がっている。図7に示すように、強化部320はリーフレット322のフリーエッジの中央でのみ配置される。図8の実施態様において、強化部326、328は、リーフレット330のフリーエッジの端の近くに配置される。 別の強化部を、強化部326、328の間のリーフレット322のフリーエッジに沿って含んでもよい。強化部がフリーエッジの長さ全体に沿って広がっていない場合、強化部の広がりを選択して、引裂き抵抗の所望のレベルおよび配置を得ることができる。複数の強化部の区分が単一のリーフレットのフリーエッジに沿って配置される場合、強化部の区分の数および各区分のフリーエッジに沿った長さを変えることができる。
【0064】
弁プロテーゼを、静脈弁の置換として、あるいは大動脈または肺心臓弁の置換として、導管を用いる代用血管中に導入することができる。弁静脈プロテーゼ350を図9に断片的な図で示す。プロテーゼ350は、導管354中に、3つのリーフレットポリマー弁352を有する。支持構造体/ステント356は、導管354への適切な付着に対応して、堅くてもよく、可撓性であってもよい。例えば、支持構造体/ステント356が可撓性である場合、リーフレット支持体 は支持体として導管に付着される。導管354は、天然材料(固定されたウシの心膜など)、または合成材料(ポリマー、例えばポリエステルなど)から作成できる。
【0065】
加えて、本明細書に記載するポリマー弁を、図10に示すように、左心室補助デバイス370に導入することもできる。左心室補助デバイスは、一般に、心臓移植を待つ、損傷したまたは病気にかかった心臓を有する患者の、心室のポンピング機能を維持するのに使用される、埋込まれたデバイスである。左心室補助デバイス370は、駆動ユニット372、流入管374、流出管376および連結部378を含む。駆動ユニット372はポンプを含み、流入管374から流出管376へ拍動流を与える。連結部378は、一般に患者の外部から、コントローラーおよび電源装置から駆動ユニットに向けて、電気または空気圧制御シグナルを供する。流入管374は流入弁380を含み、流出管376は流出弁382を含む。矢印は、弁380、382によって制御される、流入管374および流出管376を流れる血流を示している。流入弁380および流出弁382のいずれか一方または両方に、本明細書に記載のポリマー弁を有していてもよい。
【0066】
プロテーゼ弁の任意の実施態様において、支持構造体/ステント114が、リーフレットを支持する硬質材料から形成される場合、適した硬質材料として、例えば硬質ポリマー、金属、セラミックス、カーボン材料およびそれらの組み合わせが含まれる。適した硬質ポリマーとして、例えば、ポリアセタール類(Delrin( 登録商標 )およびCelcon( 登録商標 )など)、ポリスルホン類、ポリエーテルスルホン類、ポリアリールスルホン類、ポリエーテルエーテルケトン類、およびポリエーテルイミド類が含まれる。適した金属として、生物学的適合性金属、例えばステンレス鋼、チタン、コバルト合金、例えばElgiloy( 登録商標 )(コバルト−クロム−ニッケル合金)およびMP35N(ニッケル−コバルト−クロム−モリブデン合金)、およびNitinol( 登録商標 )(ニッケル−チタン合金)が含まれる。スプリング金属(Elgiloy( 登録商標 )など)から作成された心臓弁ステントは良好な機械的性質(強度および疲労耐久性など)を示し、対応するポリマーステントより小さな交差区分を有し得る。複合金属/ポリマー心臓弁ステントは、同時係属中で同一出願人による、米国特許出願第09/475,721号、Reiminkらの、表題「MEDICAL DEVICES WITH POLYMER/INORGANIC SUBSTRATE COMPOSITS」に記載されており、参照して本明細書中に導入されている。加えて、ステントを、セラミック材料、例えばパイロライトカーボン、炭化ケイ素または金属ケイ素、ヒドロキシアパタイトおよびアルミナから製造することができる。適したステントを、グラファイトなどのカーボンから製造することができる。パイロライトカーボンおよびカーバイドと有利に組み合わせる、ステントに適した複合物は、同時係属中で同一出願人による、米国特許出願第09/460,140号、Brendzelらの、表題「Pyrolytic Carbon and Metal/Metalloid Carbide Composites」に記載されており、参照して本明細書中に導入されている。
【0067】
可撓性である支持構造体は、例えば可撓性ポリマーまたは金属から製造することができる。適した可撓性ポリマーとして、例えばポリウレタン、ポリジメチルシロキサンおよびポリテトラフルオロエチレンが含まれる。可撓性支持構造体は、通常、リーフレットと同一の可撓性ポリマー、異なる可撓性ポリマー、またはそれらの組み合わせから製造することができる。支持構造体を形成するために、可撓性ポリマーをシートに形成することができ、ファブリックに織ることができ、または種々の他のアプローチによって製造することができる。
【0068】
支持構造体に適した可撓性ポリマーには、吸収性ポリマー、例えばデキストラン、ヒドロキシエチルデンプン、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ[N−(2−ヒドロキシルプロピル)メタクリルアミド]、ポリグリコール類、ポリエステル類、ポリ(オルトエステル)、ポリ(エステルアミド)、およびポリ酸無水物も含まれる。吸収性ポリエステルには、例えばポリ(ヒドロキシ酸)およびそのコポリマー、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(ジメチルグリコール酸)およびポリ(ヒドロキシ酪酸)が含まれる。好ましい吸収性ポリマーには、例えば、D,L−ポリ乳酸、L−ポリ乳酸、ポリ(グリコール酸)、並びにL乳酸、D−乳酸およびグリコール酸のコポリマーが含まれる。吸収性ポリマーからの心臓弁ステントの形成は、米国特許第5,728,152号、Mirsch IIら、表題「Bioresorable Heart Valve Support」にさらに記載されており、参照して本明細書中に導入されている。
【0069】
リーフレットは支持構造体とは別々に形成されてもよく、またはリーフレットは支持構造体と共同して直接形成されてもよい。リーフレットが別々に形成される場合、成分の特定の材料に適したアプローチによって、それらをリーフレット支持体に付着させることができる。例えば、リーフレットを、ヒートシール、縫合、接着剤などによって、支持体に連結させることができる。リーフレットは、支持体と同じ材料から形成する場合もしない場合も、支持体と共同して直接形成されることができる。リーフレットが支持体と共同して形成される場合、支持体はリーフレットの形成プロセス中に導入される。リーフレットの形成を以下の区分で記載する。
【0070】
縫製カフ116は、通常、支持構造体114のベース142から広がっている。縫製カフ116は、患者またはデバイスへの心臓弁プロテーゼの付着を容易にする。縫合、ステープルおよび/または他の留め具メカニズムを縫製カフに行ない、縫製カフ116が患者の組織輪にまたは導管プロテーゼなどに取りつけられる。縫製カフ116は、好ましくは、留め具メカニズムが縫製カフ116に都合よく行なわれ、リーフレット102、104、106を刺すなどの目だったリスクなく弁を付着させるように、ベース142から外へ向かって広がる。縫製カフ116は、天然材料、合成材料、またはそれらの組み合わせから製造することができる。
【0071】
縫製カフ116に適した天然材料として、固定/架橋した組織、例えばウシのまたはブタの心膜組織が含まれる。架橋は、例えば組織の酵素分解を防ぐことにより、機械的安定性を与える。架橋は、バイオプロテーゼの患者の拒絶を引き起こし得る抗原部位も取り除く。固定には一般的にグルタルアルデヒドまたはホルムアルデヒドが使用されるが、他の固定剤、エポキシド、ジェニピン(genipin)、および他の二官能性アルデヒドなどを使用することもできる。
【0072】
適した合成材料として、可撓性ポリマー(通常ファブリックに織られたもの)が含まれる。好ましい材料として、例えばポリエステルまたはポリテトラフルオロエチレンが含まれる。ファブリックの縫製カフは、患者へのプロテーゼの埋込みによる感染の発生を減少させるために、抗菌金属または抗菌剤を含んでもよい。
【0073】
リーフレットの構造、組成物および製造
バイオプロテーゼでは、可撓性のリーフレットは、生来のリーフレット機能に近づけて設計される。これらのリーフレットが可撓性である場合、各サイクルで逆流を防ぐよう弁を適正に閉じる、明確なそして安定した構成を有していなければならない。また、リーフレットは、長年の使用にわたって安定した性能を供するように、じょうぶであるべきである。
【0074】
ポリマーリーフレットは、概ね十分に開いた位置と概ね閉じた位置との間で屈曲する。開いた位置では、ポリマーリーフレットのフリーエッジは弁の下流に開き、血流に対してあまり抵抗しない。閉じた位置では、隣り合うリーフレットのフリーエッジが接合領域で接触し、弁を閉じ、ほとんど漏らさないようになる。
【0075】
リーフレットの形成に適したポリマー材料として、例えば合成ポリマー、同様に精製した生物学的ポリマー、およびそれらの組み合わせが含まれる。可撓性ポリマーとして、構造上の欠陥を伴わずに、顕著な屈曲、たわみ、ねじれ、磨耗および/または変形に耐える、エラストマーおよび他のポリマーが含まれる。適した合成ポリマーには、限定するものではないが、ポリアミド類(例えばナイロン)、ポリエステル類、ポリアクリレート類、ビニルポリマー類(例えばポリオレフィン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレンまたは他のハロゲン化ポリマー、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンモノマーコポリマー(EPDM)およびポリビニルクロライドなど)、ポリカーボネート類, ポリアセタール類(例えばDelrin( 登録商標 ))、ポリウレタン類、ポリジメチルシロキサン類、酢酸セルロース類、エチレン酢酸ビニル類、ポリスルホン類、ニトロセルロース類、それらの誘導体、またコポリマー、およびそれらの混合物が含まれる。可撓性ポリマーの心臓弁リーフレットの形成に特に好ましい可撓性ポリマー材料として、例えばポリウレタン類、ポリジメチルシロキサン類、ポリテトラフルオロエチレン類、それらの誘導体、およびそれらの混合物が含まれる。
【0076】
生物学的ポリマーは、天然由来のものであっても、インビトロ(例えば発酵など)で製造されるものであってもよい。精製された生物学的ポリマーを、製織、編成, 鋳造、成形、押出成形、細胞アライメント、および磁性アライメントなどの技術によって、適切に基材に形成することもできる。適した生物学的ポリマーとして、限定されるものではないが、コラーゲン、エラスチン、絹、ケラチン、ゼラチン、ポリアミノ酸、多糖類(例えばセルロースおよびデンプン)およびそれらのコポリマーが含まれる。
【0077】
好ましいポリマーは生物学的適合性のものである。可撓性のリーフレットの好ましい実施態様では、非強化ポリマー層は概ね約50ミクロン〜約1000ミクロン、より好ましくは約100ミクロン〜約300ミクロンの厚さを有する。心臓弁プロテーゼのリーフレットを形成するのに使用される可撓性ポリマーは、好ましくは、十分な耐久性を有し、置換心臓弁の使用に必要とされる繰り返しサイクルに耐えるポリマーである。ヒトの患者では、弁は1年に約4000万回のサイクルを経なければならず、また弁は、理想的には、残された患者の天然のもので期待される寿命を超えて機能を保たなければならない。現行の組織弁は、約4億〜約6億サイクルの後に置換が必要とされ得る。従って、ポリマー基材は、好ましくは、顕著な構造的劣化を伴わずに、少なくとも約4億サイクルに耐えることができ、より好ましくは約6億サイクル以上に耐えることができる。現行の市販の可撓性ポリマーの数種の部類のみ、このような性能要求に耐え得ると考えられている。ポリウレタンがこのような部類の1つである。
【0078】
リーフレットを、薄いダイヤモンド様炭素(DLC)コーティングで被覆してもよい。このDLC被覆は非常にじょうぶであり、不活性であり血液適合性である。ダイヤモンド様炭素被覆は、体液との望ましくない反応から基材を防ぐバリアを提供する。ダイヤモンド様炭素は非常に硬い材料であるが、DLCコーティングは被覆されたリーフレットの可撓性に影響を及ぼさない。DLCコーティングは、ポリマーが繰り返し屈曲する場合でもクラッキングに抵抗する。さらに、ポリマーで被覆されたダイヤモンド様炭素は、被覆されていないポリマーよりも血栓形成性が低い(より血液適合性である)。ポリマー基材上にDLCコーティングを堆積するための好ましいアプローチとして、例えばイオンビーム補助堆積法および高周波プラズマ堆積法が含まれる。ポリマー基材のDLCコーティングは、同時係属中で同一出願人による米国特許出願第09/437,167号、Wooら、表題「Medical Device With Diamond−Like Carbon Coating on a Polymer Substrate」に詳しく記載されており、参照して本明細書中に導入されている。
【0079】
上記のように、ポリマーリーフレットは、好ましくは、接合領域のリーフレットのフリーエッジでまたはその近くで強化部を含む。強化材料がエッジの5ミリ(mm)以内、好ましくは2mm以内、より好ましくはフリーエッジの1mm以内に広がっている場合、強化部は、エッジにまたはその近くに広がっている。強化材料がフリーエッジにまたはその近くにある場合、フリーエッジは強化されているとする。好ましい実施態様では、強化部はリーフレットのフリーエッジ全体に沿って広がっているが、しかしながら強化部はフリーエッジの一部のみに沿って広がっていてもよい。例えば、強化部は、図7に示すようにフリーエッジの中央部のみを被覆してもよく、図8に示すようにコミッシュアー支持体の近くのフリーエッジ部分のみでもよい。
【0080】
強化部は、リーフレットの本体より薄くても、同じでも、厚くてもよい。強化部がリーフレットの本体より厚い場合、リーフレット本体と比べて追加的な厚さは概ね約5%〜約100%、より好ましくは約20%〜約50%である。図2Aのように厚くされた強化部は、概ね約0.1ミリ(mm)〜約10mm、好ましくは約1mm〜約5mmの厚くされた強化部の幅を有する。図2B、2Cおよび2Eに示すように、厚くされていない強化部は、リーフレットポリマーのほかに、強化部内に別の組成物を含む。厚くされた強化部は、強化部内に別の組成物を含んでもよく含まなくてもよい。図2F〜2Iに示すような層強化部は、概ね約0.01mm〜約1mm、好ましくは約0.05mm〜約0.5mmの厚さを有する。
【0081】
図2A、2B、2Dおよび2Eに示すように、強化部材が含まれる場合、強化部材は容積が適切である限りは任意の形状であってよい。単一の強化部材は、3つのリーフレット全てを横切って広がり得、また複数の強化部材を使用することもできる。強化部材は好ましくは平坦な帯状である。平坦な帯状は、周辺のポリマー材料から離れることが生じ難いと考えられる。従って、ファブリックなどの平坦な帯状物で強化されたリーフレットは、円形状の強化部材で強化されたものよりもじょうぶである。帯状物は好ましくは約0.1mm〜約10mm、より好ましくは約1mm〜約5mmの幅を有する。強化部材の幅が小さすぎる場合も、ポリマーから離れ得る。さらに、強化部材は、概ね約0.01mm〜約0.5mm、より好ましくは約0.03mm〜約0.3mmの厚さを有する。
【0082】
強化層を使用する場合、リーフレットは概ね強化層として第2の組成物を含み、リーフレットを形成する可撓性ポリマーに加えて、図2Gおよび2Iの実施態様にかかわらず、強化部は可撓性ポリマーで厚くされたを含んでもよい。 図2F〜2Iに示されるように、リーフレットは、強化層により厚くなっていてもよい。強化層の材料および可撓性ポリマーの材料を、2種の材料によって形成される明確な層が形成されないように絡み合わせることもできる。この絡み合わせは、強化層が固体シート材料から形成されない場合に得られる。同様の絡み合わせは、強化部材の使用を用いて、固体シート材料から形成されないにもかかわらず、場所においてより局在されたものを得ることもできる。
【0083】
強化部が、強化部材または強化層のいずれであっても、リーフレットの残りの部分と異なる材料を含む場合、適切な強化材料はリーフレットの強度を上げ、それには例えば別のポリマー、ポリマー−セラミック複合物(繊維ガラスなど)、金属、カーボン材料、およびそれらの組み合わせが含まれる。適切な金属には、例えば生物学的適合性金属、例えばステンレス鋼、チタン、コバルト合金(Elgiloy( 登録商標 )など)、コバルト−クロム−ニッケル合金、およびMP35N(ニッケル−コバルト−クロム−モリブデン合金)、およびNitinol( 登録商標 )(ニッケル−チタン合金)が含まれる。適したカーボン材料には、例えばグラファイト繊維が含まれる。一般に、異なるポリマーを強化部として導入する場合、加えられる強化ポリマーは、リーフレット本体で使用されるポリマーより強いポリマーであり得るが、リーフレットの使用で列記したポリマーと同じタイプのものが適している。加えるポリマーは、リーフレット内でより架橋された種類のポリマーであっても、または異なるモノマー組成物あるいはポリマー鎖長を有する類似のポリマーであってもよく、さらなる強度を導入することができる。好ましい強化ポリマーとして、例えばポリエステル、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリパラフェニレンテレフタルアミド(KEVLAR( 登録商標 ))が含まれる。
【0084】
強化部が、強化部材または強化層のいずれであっても、リーフレット構造の大部分を形成する可撓性ポリマーと異なる強化材料から形成される場合、強化材料は固体材料の形態であっても多孔性の材料の形態であってもよい。多孔性材料を使用すると、強化材料とリーフレットを形成する残りの可撓性ポリマーとの絡み合いが得られる。多孔性材料は、強化材料の製織、編成、またはプレ形成から、形成することができ、後に可撓性ポリマーと結合させてリーフレットを形成することができる。幾つかの好ましい実施態様では、強化材料は、製織されたまたは編成されたファブリックの形態である。得られる構造はポリマーでシールされたファブリックである。ファブリックを使用することにより、強度を高めることができる非常に安定な構造の形成が得られる。
【0085】
好ましい強化材料は、可撓性であって、弁性能に重大な影響を及ぼさないようなものである。特に、好ましい実施態様では、強化された区分は、強化されていない区分の約3倍を超えない剛性であり、好ましくは約2倍を超えない剛性であり、より好ましくは約1.5倍を超えない剛性である。ここで曲げ剛性は曲げモジュラスによって測定される。強化されたリーフレットの屈曲剛性/強化されていないリーフレットの屈曲剛性の割合は、ヤング率と厚さの割合から計算することができる。.
【0086】
特に、
【数1】
式中、Rは、強化されたポリマーリーフレットの曲げ剛性から強化されていないポリマーリーフレットの曲げ剛性を除算した割合である。E1/E0は、強化材料のヤング率から、強化されていないポリマーのヤング率を除算した割合である。H0は、強化されていないリーフレットの厚さであり、H2は強化されたリーフレットの厚さであり、H1は強化材料の厚さである。ヤング率は、ASTM D882、表題「Standard Test Method for Tensile Properties of Thin Plastic Sheeting」の記載と同様の手順で求めることができる。
【0087】
リーフレットは、選択したポリマーから、ポリマーの成形、製織、押出成形、浸漬コーティングまたは鋳造によって、適切な形態に形成することができる。成形工程は、分離した支持構造体/ステントの、型中での包含を伴っても伴わなくても実施することができる。好ましい方法として、鋳造および浸漬コーティングが含まれる。
【0088】
浸漬コーティングを行なう場合、マンドレルを、所望のポリマーの溶剤溶液中にまたは加熱したポリマー溶融物中に浸漬する。ポリマーリーフレットの所望の形状を有するようにマンドレルを機械加工する。浸漬コーティングの前に、支持構造体/ステントをマンドレル上に置いて、直接的に支持構造体上のコーティングを得ることができる。あるいは、支持構造体を、浸漬コーティング工程中に、リーフレットと同じポリマーから、マンドレル上に形成することができる。他の実施態様では、マンドレルからリーフレットを取り除いた後で、リーフレットを支持構造体/ステントに付けることができる。
【0089】
コーティング工程が完了した後に、リーフレットおよび支持構造体をマンドレルから取り除く。溶融物の温度および/または溶液のポリマー濃度を変化させることにより、コーティングの厚さを変えることができる。冷却および/または溶媒の蒸発留去で、ポリマー構造はマンドレル上に形成される。所望により、複数の浸漬工程を行なってもよい。
【0090】
成形工程で強化部を形成するために、型を変化させて、強化部でリーフレットの厚くされた部分を供することができる。あるいは、ポリマーが強化材料のまわりにリーフレットを形成するように、強化材料を型中の強化部の位置に置くこともできる。浸漬コーティング工程で、マンドレルの形状を変えて厚くされたエッジを供することができ、またフリーエッジを別時に浸漬して、エッジに厚くされた部分を供することもできる。あるいは、浸漬コーティング工程の最初で、または最初のポリマーコーティングを形成した後に、強化材料をマンドレルに沿って置くこともできる。1またはそれ以上の強化部材を使用する場合、個々の強化部材をマンドレルに置いて、リーフレット全体を広げることができる。
【0091】
図2F〜2Iに示されるポリマー強化層を、他の強化部と同様に、強化材料を型中にまたはマンドレル上に置いて作成することができる。強化ポリマー層が可撓性ポリマー中に組み込まれている場合、リーフレットを層状に作成して製作を容易にすることができる。マンドレルを使用する場合、異なる組成物を用いて、強化ポリマー層を、別の層上に、層の浸漬コーティングにより設けることができる。
【0092】
プロテーゼの形成
リーフレットを形成した後に、プロテーゼの製造を完成させるためにさらなる加工工程を必要としてもよい。第1に、リーフレットを、支持構造体/ステントと共同して直接形成しない場合、リーフレットを支持構造体に連結させる。他の構造体(縫製カフなど)を、支持構造体に連結させる。縫製カフなどは、概ね、流入エッジにまたはその近くに加えられる。弁を導管に導入する場合、弁が導管に確実に連結するように、導管を弁に連結するかまたは導管を弁のまわりに形成することができる。縫合、ステープル、接着剤および他の留め具のメカニズム、ならびにそれらの組み合わせを使用して、支持構造体と他の成分とを連結させることもできる。
【0093】
包装、分配および使用
分配について、医療デバイスを、密封された滅菌容器中に入れる。医療デバイスの成分が無期限に貯蔵されないように、日付が望ましい最大保管時間を表すように、容器に日付を入れることができる。適切な使用および/または医療デバイスの埋込みについての取扱説明書をつけて、および他の適切なおよび/または必要とされるラベルをつけて、容器を包装する。適切な医療手順、例えばプロテーゼの埋込みなどでの使用用に、容器を保健医療の専門職に分配する。心臓弁プロテーゼおよび弁血管性プロテーゼを、例えば標準的な外科的手順を用いて埋込むことができる。
【0094】
上記の実施態様は例示説明を意図しており限定するものではない。他の実施例も請求の範囲の範囲内である。本発明を好ましい実施態様に関して記載したが、本発明の意図および視野から離れることなく、形態および詳細について改変できることは、当業者に認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】強化されたポリマーリーフレットを有する心臓弁プロテーゼの透視図である。
【図2A】接合エッジでの単一の強化部を有する、強化されたポリマーリーフレットの実施態様の断面図であり、断面は図1中の線2−2に沿っている。
る。
【図2B】単一の強化部を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、断面は図1中の線2−2に沿っている。
【図2C】フリーエッジの位置に異なる材料を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、断面は図1中の線2−2に沿っている。
【図2D】複数の強化部を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【図2E】複数の強化部を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【図2F】強化ポリマー層を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【図2G】部分的な強化ポリマー層を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【図2H】組み込まれた強化ポリマー層を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿っている。
【図2I】組み込まれた部分的な強化ポリマー層を有する、強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図であり、図1中の線2−2に沿ってる。
【図3】強化されたポリマーリーフレットを有する心臓弁プロテーゼの透視図である。
【図4】図3のプロテーゼの側面図である。
【図5】図3中の線5−5に沿った、図3のプロテーゼの断面図である。
【図6A】接合領域を示す、隣り合った強化されたポリマーリーフレットのある実施態様の断面図である。
【図6B】接合領域を示す、隣り合った強化されたポリマーリーフレットの他の実施態様の断面図である。
【図7】フリーエッジの中央で強化部を有するポリマーリーフレットの実施態様の側面図である。
【図8】フリーエッジの両端で強化部を有するポリマーリーフレットの実施態様の側面図である。
【図9】ポリマーリーフレットを有する弁を導入した血管性プロテーゼの断片的透視図であり、ここでプロテーゼの1部分は弁を曝露するために取り除かれている。
【図10】ポリマー弁を有する、左心室補助デバイスの断片的側面図であり、ここで流入管および流出管の両端は、流入弁および流出弁を曝露するために取り除かれている。
【符号の説明】
100…心臓弁プロテーゼ、102…リーフレット、104…リーフレット、106…リーフレット、108…コミッシュアー支持体、110…コミッシュアー支持体、112…コミッシュアー支持体、114…支持構造体/ステント、116…縫製輪、120…波形状、122…波形状、124…波形状、130…フリーエッジ、132…フリーエッジ、134…フリーエッジ、136…付着エッジ、138…付着エッジ、140…付着エッジ、142…輪、150…強化部、152…本体、154…強化部材、158…強化部、160…本体、162…強化部材、166…強化部、168…本体、172…強化部、174…強化部、176…強化部、178…本体、180…強化部材、182…強化部材、184…強化部材、186…強化部、188…強化部、190…強化部、192…強化部材、194…強化部材、196…強化部材、200…強化層、202…可撓性ポリマー層、204…内部表面、206…外部表面、208…強化層、210…内部表面、212…可撓性ポリマー層、214…外部表面、220…強化ポリマー層、222…可撓性ポリマー層、224…可撓性ポリマー層、230…強化層、232…可撓性ポリマー層、300…接合領域、302…強化部、304…接合領域、306…強化部、320…強化部、322…リーフレット、326…強化部、328…強化部、330…リーフレット、350…プロテーゼ、352…リーフレットポリマー弁、354…導管、356…支持構造体/ステント、370…左心室補助デバイス、372…駆動ユニット、374…流入管、376…流出管、378…連結部、380…弁、382…弁
Claims (41)
- 複数のコミッシュアー支持体と、それらのコミッシュアー支持体の間に広がる複数の可撓性ポリマーリーフレット、とを有する支持構造体を含む弁プロテーゼであって、
該リーフレットが強化部材で強化されたフリー接合エッジを有する、弁プロテーゼ。 - 前記支持構造体が3つの波形状部分の間に広がる3つのコミッシュアー支持体を含む、請求項1記載の弁プロテーゼ
- 前記支持構造体が可撓性材料を含む、請求項1記載の弁プロテーゼ。
- 前記支持構造体がリーフレットと同一のポリマーを含む、請求項3記載の弁プロテーゼ。
- 前記支持構造体が硬質材料を含む、請求項1記載の弁プロテーゼ。
- 前記硬質材料が、セラミック材料、金属、硬質ポリマー、カーボン材料およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5記載の弁プロテーゼ。
- 前記ポリマーリーフレットが、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンモノマーコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサン、酢酸セルロース、エチレン酢酸ビニル、ポリスルホン、ニトロセルロース、並びにそれらの誘導体、混合物およびコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む、請求項1記載の弁プロテーゼ。
- 前記ポリマーリーフレットが、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサンおよびポリテトラフルオロエチレンからなる群から選択されるポリマーを含む、請求項1記載の弁プロテーゼ。
- 前記強化部材が平坦な帯状物を含む、請求項1記載の弁プロテーゼ。
- 前記帯状物が約0.1mm〜約10mmの幅を有する、請求項9記載の弁プロテーゼ。
- 前記強化部材がポリマーを含む、請求項1記載の弁プロテーゼ。
- 前記強化部材が金属を含む、請求項1記載の弁プロテーゼ。
- 前記強化部材が接合領域の広がりを超えない幅を有する、 、請求項1記載の弁プロテーゼ。
- 前記強化部材が少なくとも接合領域の広がりと同じ幅を有する、請求項1記載の弁プロテーゼ。
- 前記強化部材が0.01mm〜約0.5mmの厚さを有する、請求項1記載の弁プロテーゼ。
- 前記リーフレットがさらに、接合領域から離れて強化部材を有する、請求項1記載の弁プロテーゼ。
- 請求項1記載の弁プロテーゼを含む人工心臓。
- 請求項1記載の弁プロテーゼを含む代用血管。
- 請求項1記載の弁プロテーゼを含む、左心室補助デバイス。
- 請求項1記載の心臓弁プロテーゼを外科的に埋込むことを含む、心臓弁を修復する方法。
- 複数のコミッシュアー支持体と、それらのコミッシュアー支持体の間に広がる複数の可撓性ポリマーリーフレット、とを有する支持構造体を含む弁プロテーゼであって、
該リーフレットが、強化されたフリー接合エッジと、支持構造体と強化された接合エッジとの間のリーフレットの可撓性本体にわたる実質的に均一な組成物および厚さ、とを有する、弁プロテーゼ。 - 前記強化された接合エッジが、ポリマー中に組み込まれた強化部材を含む、請求項21記載の弁プロテーゼ。
- 前記強化された接合エッジが、リーフレットの本体を形成するポリマーの厚くされた部分を含む、請求項21記載の弁プロテーゼ。
- 前記支持構造体が可撓性材料を含む、請求項21記載の弁プロテーゼ。
- 前記支持構造体が硬質材料を含む、請求項21記載の弁プロテーゼ。
- 前記強化された接合エッジが、接合エッジ全体にわたって広がる強化部を有する、請求項21記載の弁プロテーゼ。
- 前記強化された接合エッジが、接合エッジの一部にわたって広がる強化部を有する、請求項21記載の弁プロテーゼ。
- 前記強化部が接合エッジの中央部に広がる、請求項27記載の弁プロテーゼ。
- 前記強化部がコミッシュアー支持体の近くで広がる、請求項27記載の弁プロテーゼ。
- 複数のコミッシュアー支持体と、それらのコミッシュアー支持体の間に広がる複数の可撓性ポリマーリーフレット、とを有する支持構造体を含む弁プロテーゼであって、
該リーフレットが、強化材料を含む強化されたフリー接合エッジを有し、該強化材料が、リーフレットの強化されていない部分より高く3倍を超えない曲げ剛性を有する、弁プロテーゼ。 - 前記リーフレットの強化された区分が、リーフレットの強化されていない部分より高く2倍を超えない曲げ剛性を有する、請求項30記載の弁プロテーゼ。
- 前記リーフレットの強化された区分が、リーフレットの強化されていない部分より高く1.5倍を超えない曲げ剛性を有する、請求項30記載の弁プロテーゼ。
- 複数のコミッシュアー支持体と、それらのコミッシュアー支持体の間に広がる複数の可撓性ポリマーリーフレット、とを有する支持構造体を含む弁プロテーゼであって、
該可撓性ポリマーリーフレットが、リーフレットによって覆われた面積の少なくとも50%で広がる強化層を含む、弁プロテーゼ。 - 前記強化層が、リーフレットによって覆われた面積の本質的に全体で広がる、請求項33記載の弁プロテーゼ。
- 前記強化層が可撓性ポリマー層の表面上にある、請求項33記載の弁プロテーゼ。
- 前記強化層が可撓性ポリマー層中に組み込まれている、請求項33記載の弁プロテーゼ。
- 前記リーフレットが強化層によって強化されたフリーエッジを有する、請求項33記載の弁プロテーゼ。
- 前記強化材料がファブリックを含む、請求項33記載の弁プロテーゼ。
- 複数のコミッシュアー支持体と、それらのコミッシュアー支持体の間に広がる複数の可撓性ポリマーリーフレット、とを含む弁プロテーゼであって、
該リーフレットが、フリーエッジで、リーフレットの本体を形成する可撓性ポリマーと異なる材料を有する、弁プロテーゼ。 - 前記エッジ材料がフリーエッジに向かって徐々に細くなる、請求項39記載の弁プロテーゼ。
- 前記エッジ材料がほぼ均一な厚さを有する、請求項39記載の弁プロテーゼ。
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