JP3859712B2 - 管腔を大きくした人工心臓弁 - Google Patents

管腔を大きくした人工心臓弁 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は人工心臓弁に関する。より詳しくは、本発明は血液動態性能を向上させることを目的として、人工心臓弁の弁管腔を大きくすることに関する。
発明の背景
人工心臓弁は患者生体の心臓弁の代用として利用される。移植可能の、標準的な人工心臓弁は、通常、血流を通す管腔すなわち流路を提供する環状のバルブハウジングすなわちバルブ本体(しばしば「オリフィス」と呼ばれる)を有している。弁に備えられている1つ以上の咬合器は血液が流れ得るようにする開放位置と、血液の流れを阻止する閉塞位置の間を移動できる。多くの人工心臓弁では、咬合器は必ず「小葉体(リーフレット)」と呼ばれるプレート様の部品である。典型的な構造ではバルブ本体は1、2あるいは3個の小葉体を有している。
通常は、固定機構が弁本体の周囲に配置され、典型例では、縫合糸により患者の心臓組織に心臓弁を固定するために利用される。初期の人工心臓弁は固定のためにフックやかかり(barb)を利用していたが、環状弁ハウジングに固定された組織(fabric)縫合あるいは縫合カフが典型的に利用されるようになった。心臓弁への縫合カフの固定は、様々な技法によって実現でき、その内のいくつかは回転可能な固定法を提供している。例えば、米国特許第5,360,014号は縫合カフを保持する別体の締め付けリングを開示しており、これは弁本体と締め付けリングの間に固定ワイヤーで弁本体に留められる。
現在も人工心臓弁の有効性を改良する努力が続けられている。心臓弁の有効性における重要な因子の1つは、小葉体が開放位置にある時の管腔の全面積である。大動脈根が小さい(典型的には、組織環帯の直径が17mmから21mmと定義される)患者の場合には、利用可能な人工心臓弁は健常者生体の心臓弁に比べて小さい狭窄的なものになるとされている。典型的な人工弁のオリフィスあるいは管腔の面積は非常に狭いので、適切な心拍出量(心臓出力)を維持するために左心室に過剰な負荷がかかる。オリフィスの有効面積は弁の流体抵抗によってさらに小さくなる。
現在利用可能な小型の人工動脈弁は運動に対する寛容性が低く、左心室肥大の回復速度も低下させ、そして鬱血性心不全が発生する頻度を高くしている。(H.B.Barner,A.J.LabovitzおよびA.C.Fiore.による「Prosthetic Valves for the Small Aortic Root」Journal of Cardiac Surgery,1994;9(suppl):154-157参照)
より狭窄の少ない人工弁を提供する技術の1つは、大動脈根と組織環帯を外科手術によって拡大するものである。しかし、この様な方法ではより大がかりな手術と組織切除が必要となるので、患者にとって、さらにリスクが増すこととなる。また、このような手術は心肺バイパスの期間をより長くしてしまい、これにより患者に新たなリスクを負わせることになる。狭窄の少ない弁を移植する別の外科的アプローチは、これらの患者に同種移植体や狭窄のない異種移植体等の組織弁を移植する方法であった。しかし、多くの患者にとっては耐久性が確立している人工心臓弁の方が好ましい。
より狭窄の少ない小型の人工心臓弁の需要に応えるため、人工心臓弁の縫合カフの構造に改良が加えられている。この改良により、従来移植可能であったものに比べて1回り大きな(2mm)管腔径を持つ弁が移植できるようになった。例えば、ミネソタ州、セントポール(St.Paul)のセント・ジュード・メディカル社(St.Jude Mdeical,Inc.)より販売されている標準的な人工心臓弁の場合、熱分解性カーボン製のオリフィスリングから突出する縫合カフ組織に組織環帯が取り付けられる。
同様にセントポールのセント・ジュード・メディカル社より販売されているヘモダイナミックプラス(Hemodynamic Plus:HP)シリーズの心臓弁では、縫合カフ全体がオリフィスリングのカフ固定リムの間に配置され、その結果、カフが環帯の上側に移植され、上流側の固定リムの周縁あるいは外周部が、生体心臓弁を切除した後に残された心臓組織の環帯に一体化あるいは固定化される心臓弁表面(「心臓弁組織環帯」)を形成するようになる。このような心臓弁の環帯の内部及び下方への突出部は、弁機構の組織が過剰成長する可能性を低減し、心臓弁と組織管腔部の開放性を確保する。
別の従来技術による移植心臓弁については1994年11月1日に発行された米国特許第5,360,041号に記載されている。この構成では、心臓弁は完全に環帯の上方に配置される。縫合カフは、オリフィスリングの上流側環帯の最端縁を囲むリムを形成する。この例では、弁と管腔の寸法は大きくできるかもしれないが、弁が環帯上方の高い位置にあることから、少なくとも一部の患者については、右冠動脈小門が塞がれる。また、この縫合カフの位置では、弁の開閉機構が組織の過剰成長の害を受けやすくなる。さらに、弁管腔内への組織の成長を阻止するバリアも環帯の内部には存在しない。
上記のような人工心臓弁の近年の開発によって改良されてはいるものの、健康な生体心臓弁に比べると、まだ狭窄の問題が残っている。弁を通る正血流の圧力勾配をさらに減少させるように改良することは患者にとっても有益である。一般に、大動脈用としては、小さくて狭窄のない代替弁が求められるが、僧帽弁についても、特に小児科領域では同様の弁が求められる。
管腔の小さい心臓弁を移植することに伴う別の問題は、血栓及び血栓塞栓の形成に関連するものである。血栓と血栓塞栓は人工心臓弁の合併症として知られており、重篤な機能障害や死を招くことがある。このような合併症の防止を助けるために、一般的な処置としては、長期有効性の抗凝固剤治療がある。しかし、抗凝固剤治療自体は抗凝固剤を原因とする出血のリスクを大きくする。
人工心臓弁使用患者における血栓や血栓塞栓形成のリスクに影響する因子には、人工弁によってもたらされる非生理学的表面と血流がある。さらに典型的な人工心臓弁では、心臓が適切な心拍出量を維持しようと活動するときに、主として、このような弁の比較的小さな管腔が高速の正流を生ずる傾向にあるために、血液が高いせん断ストレスにさらされる。心臓弁の管腔や咬合器の壁に直接接触する部分の血流は零でなければならないため、速い平均速度の結果、正流の間に大きな速度勾配が生ずる。せん断ストレスはこの速度勾配に比例する。
高いせん断ストレスは血小板を活性化し、赤血球を害することが知られている。このように傷害を受けた赤血球は、血小板をさらに活性化する生化学物質であるアデノシン5’−2リン酸(ADP)を放出する。活性化された血小板は心臓弁の上あるいは心臓弁の下流に容易に堆積し、凝集して血栓を形成する。さらに、活性化された血小板と放出された生化学物質によって血液凝固カスケード反応が開始される。したがって、正血流の平均速度及び最大せん断ストレスが従来技術の弁に比べて小さい心臓弁は、患者にとって有益である。
発明の概要
患者の心臓に移植する人工心臓弁は、その中に貫通管腔を有する心臓弁ハウジングあるいは本体を含む。心臓弁本体に結合された管腔内の咬合器の少なくとも1つは、管腔を血液が通過できる開放位置と、血液の管腔通過を阻止する閉塞位置の間を移動できる。弁ハウジングは第1環帯と、第1環帯から離れて位置する第2環帯を有する。第1及び第2の環帯は、弁ハウジングのそれぞれ反対端に位置している。弁ハウジングを患者の心臓組織に固着するために、縫合カフが設けられている。
縫合カフを弁ハウジングに固着するために、カフ保持機構が第1および第2環帯の間に配置されている。縫合カフと、カフ保持機構の少なくとも組織の環帯に近い方の部分とは前記第1および第2環帯からは隔離されており、それらの間に組織浸入バリアを提供している。組織の環帯の浸入バリアから縫合カフとカフ保持機構が無くなると、組織の環帯の面積を効果的に管腔として利用することが容易になり、これが大きな特徴的利点を提供する。
1つの実施態様では、カフ保持機構は弁ハウジングから突出する第1および第2リムを有する。別の実施態様では、保持機構は弁ハウジングから突出するただ1つのリムを有する。カフ保持機構は、弁ハウジングに対する支持を与え、これによって弁ハウジングを強固にしている。
【図面の簡単な説明】
図1Aは、本発明による、縫合カフのない心臓弁の上面図である。
図1Bは、図1Aに示す心臓弁の断面図である。
図1Cは、図1Aに示す心臓弁の断面図である。
図2Aは、心臓内に移植された、本発明による心臓弁の断面図である。
図2Bは、90°回転して心臓に固定された図2Aの心臓弁の断面図である。
図3は、本発明の別の実施態様による、心臓弁の一部の部分断面図である。
図4は、心臓に固定された、別の実施態様による心臓弁の断面図である。
図5は、図1Aに示す心臓弁に取付けられた縫合カフの断面図である。
図6は、図4に示す心臓弁に取付けられた縫合カフを示す断面図である。
図7は、別の実施態様による心臓弁に取付けられた縫合カフの断面図である。
図8は、別の実施態様による心臓弁に取付けられた縫合カフの断面図である。
図9は、別の実施態様による心臓弁に取付けられた縫合カフの断面図である。
図10は、別の実施態様による心臓弁に取付けられた縫合カフの断面図である。
図11は、別の実施態様による人工心臓弁の断面図である。
図12は、別の実施態様による人工心臓弁の断面図である。
図13A、13B、14A及び14Bは、本発明の1つの特徴を示すための、人工心臓弁の断面図である。
図15A、15B及び15Cは、別の実施態様による心臓弁の斜視図と平面図である。
図16は、別の実施態様による、リムを有する人工心臓弁の断面図である。
好適な実施態様の詳細な説明
大動脈部に人工弁を移植するために、多くの場合、外科医は大動脈を切開して生体弁を除去する。それから大動脈の開口部を通して人工弁を大動脈壁内に挿入し、大動脈と左心室の境界に人工弁を固定する。心臓弁の流入側の環帯は左心室に面し、外科医から見た場合に遠位部環帯と呼ばれ、一方心臓弁の流出側の環帯は大動脈に面し、近位部環帯と呼ばれる。
人工心臓弁を僧帽弁の位置に移植するためには、多くの場合、外科医は左心房を切開して生体心臓弁を摘出する。それから心房壁内の開口部を通して人工弁を挿入し、左心房と左心室の境界に人工弁を固定する。心臓弁の流入側の環帯は左心房に面し、外科医から見た場合に遠位部環帯と呼ばれ、一方心臓弁の流出側の環帯は左心室に面し、近位部環帯と呼ばれる。従って、心臓弁の近位部は、移植位置が動脈弁および僧帽弁のいずれの場合でも、通常は環帯内に位置された心臓弁の部分と定義できるであろう。
本発明は、環帯内のバリアを薄くし、カフおよび固定部品を組織環帯の上部に配置することにより、弁の管腔を大きくした改良型の人工心臓弁を提供する。カフ保持機構が、心臓弁のオリフィスハウジングの第1流入環帯と第2流出環帯の間に配置されている。
1つの実施態様では、カフ保持機構は心臓弁オリフィスハウジングから突出する第1および第2リムを有し、それぞれのリムは近接する環帯から隔離されているので、本発明の特徴的な利点を維持しながら、心臓弁を動脈弁あるいは僧帽弁として利用できる。第2の実施態様では、保持機構は、心臓弁オリフィスハウジングから突出し、いずれかの環帯からも隔離されている1つのリムを有している。第3の実施態様ではリムが2つあり、1つのリムのみは最寄りの環帯から離れているが、残りのリムは最寄りの環帯に沿って突出している。この実施態様では、上流リムがその環帯から離れている例で、動脈弁の代りとして利用されるか、あるいは下流のリムがその環帯から離れている例で、僧帽弁として利用される場合にのみ、本発明の有用な特性の全てを活かすことができる。
第4の実施態様では、カフ保持機構にはリングを固定する金属製あるいはポリマー製のカフ固定リングが設置されており、このリングの内面にはリムのないオリフィスハウジングの外面にある少なくとも1つの周辺溝もしくはスロットと咬合し、かつ環帯からは離されている、キーあるいはリムのような放射状の突起が少なくとも1つ設けられ、その結果組立後に心臓弁の中央軸すなわち流れ軸に平行にカフ保持機構が有意に移動することを防止している。
第5の実施態様では、上記溝あるいはスロットは環帯から隔てられているオリフィスの、より厚い部分に形成されている。第6の実施態様では、弁ハウジングを捕捉する薄い部分あるいは唇状開口部が縫合カフ固定リングから環帯内方に伸びている。少なくとも1つの実施態様では、カフ保持機構が弁ハウジングを支持し、これにスティフネスを与えることにより、手術時に不注意で咬合部が落ちないようにしている。別の実施態様では、リムは中断されて不連続であり、溝がリムの間に形成されることができる。
図1A、1B及び1Cはそれぞれ本発明の心臓弁10の上面図と断面図であり、縫合カフは図示を省略してある。心臓弁10には、管腔17を形成し、またピボットガード14を有する、リング状のオリフィス支持用ハウジング12(オリフィス、オリフィスリングあるいはオリフィス本体とも言う)が含まれる。ピボットガード14には、咬合器あるいは小葉体16のための開放停止片18aと閉塞停止片18bを有する球状の咬合器係止用ピボット18を含んでいる。図1Aでは、小葉体16は開放位置にあるが、図1Bでは、小葉体16は開放位置及び閉塞位置(仮想線で示す)にあるように示されている。
図1Bに示すように、オリフィス本体12は、ほぼ円周状の本体突出部(あるいはリム)20と22を有している。突出部20と22はオリフィスのいずれの環帯からも離れ、オリフィス12の中央面Pに向かっており、薄い突出体あるいは唇状開口部(すなわち、リップ)24と26を提供する。唇状開口部24と26は、心臓組織の環帯用の結合面を提供する。大動脈代替弁および僧帽代替弁の場合には、唇状開口部24と26の周縁部が組織への侵入バリアとなる。唇状開口部26と24は、組織が心臓弁管腔内に侵入し、縫合カフ内にまで成長するのを防ぐバリアとして機能する。縫合リングあるいは縫合カフ50(図2Aと2Bに示す)はリム20と22の間に固定される。
一般に、本明細書記載の好適な実施態様では、オリフィスは、化学的蒸着(CVD)処理によってグラファイト基板32上に沈積された熱分解性カーボン被覆層30から成る。
図2Aと2Bは、心臓40内の心臓弁10の大動脈移植の断面図である。図2Bは、心臓弁10を90°回転させた以外は図2Aと同じである。心臓40には大動脈42、左心室44及び冠動脈口46がある。心臓弁10は心臓組織の環帯48内に設置されたように図示されている。心臓弁10には流入環帯27と流出環帯29がある。唇状開口部24は、リム20と左心室44に近いオリフィス12の流入環帯27との間の心臓組織の環帯48を受け入れるように適合される。図2Aと2Bはまた、リム20と22の間に固定された縫合カフ50をも示している。縫合カフ50は心臓弁10を心臓組織に縫いつけるために用いられる。これにより、図2Aと2Bに示す位置に心臓弁10が縫合され、心臓弁周囲からの漏洩が防止される。
図2Aと2Bに示すように、唇状開口部24と26は組織侵入バリアとして機能し、心臓組織がオリフィス12内に向かって内部成長するのを防止する。唇状開口部24は心臓40の組織の環帯48に係合あるいは付着生長するオリフィス環帯を提供する。縫合カフ50の上流部面51と下流部面53は、一般にリム20と22の境界内に位置する。カフ50及びリム20と22は移植された心臓弁10の環帯の完全に上方にある。唇状開口部24は組織環帯48の内方へのオリフィス12の突出部を構成する。唇状開口部24の部分のオリフィス12の外径は、組織環帯48の内径とほぼ同じである。
さらに唇状開口部24の一部は、環帯下にピボットガード14が突出する形で環帯内に配置される。唇状開口部24の環帯内への突出部は、組織の環帯48から心臓弁管腔内へ組織が過剰に成長する可能性を低くする。これは、上記の組織の過剰な成長が管腔面積を小さくし、また血流を乱す傾向をもち、さらに心臓弁機構を妨害し、そして心臓弁の有効性を低下させるので、有益である。環帯下へ突出するピボットガード14は、動脈根内に突出するオリフィス12の高さを減らし、これによって冠動脈口46が塞がれる可能性を少なくする。唇状開口部26は、カフ50から流出環帯29の上及び心臓弁管腔17内への組織の成長を減少させるために使用できる。
僧帽弁の場合には、唇状開口部26は環帯内に配置され、唇状開口部24とピボットガード14は環帯上に配置される。唇状開口部24は、カフ50から流入環帯27上と心臓弁管腔17内へ向かう組織の成長の可能性を低くするのに利用できる。
図3は、第2の実施態様の心臓弁100の一部の断面図を示す。心臓弁100は、オリフィスハウジング102及び単一の突出リム104を有している。この1つのリム104は、オリフィス102のほぼ中心を通る面Pの近くに配置される。組織の侵入バリアである唇状開口部106と108は、リム104とオリフィス102の両端との間の、リム104のいずれかの側に形成される。縫合カフ110(図4に示す)はリム104に固定される。
図4は、心臓40内に移植された心臓弁100の断面図である。心臓弁100中の、心臓弁10と同様の要素については、同じ番号が付けられている。図4の心臓弁100には、心臓弁100を心臓40の組織に縫いつけるために外科医が使用する縫合カフ110が含まれる。図4のように、心臓弁100の組織の環帯48への配置及び固定は、図2A及び2Bに示した心臓弁10の場合と同様である。オリフィス102の大部分とカフ110とは、環帯の上にある。大動脈移植の場合には、組織侵入バリアである唇状開口部106は環帯内にあるが、ピボットガード14は環帯の下へ突出している。
図5は図1A、1B、1C、2A及び2Bに示す心臓弁10の断面図であり、縫合カフ50のオリフィス12への固定構造が示されている。金属、ポリマー、あるいはその他の生体適合性材料製のアタッチメントリング120がリム20と22の間に嵌め込まれ、カフ50を挟み込むか、あるいは掴んで固定する。カフ50は、例えば、ポリエステルあるいはPTFEニットあるいはPTFEフェルト、もしくはその他の当業者に知られる柔らかい好適な素材から成る。図5には、心臓組織の環帯48近傍の心臓組織からカフ50内への組織の成長侵入122の開始を示している。縫合カフのオリフィスへの組み込みは当業者に公知の好適な技術によって実施できる。
実施態様の1つでは、リング120は当初は”U”字型のチップが広げられたような、平坦な形をしている。リング120は、比較的均等に拡張する技術を用いてリム20とリム22の間に置かれるが、この技術では、リング120はまず円錐形の心棒(図示せず)上をスライドされ、ついで2つのリムの一方の上を、図5に示す位置にくるまでスライドされる。リング120はオリフィスの補強材であり、カフを回転可能に結合させるのに利用できる。カフ50はリング120の外周に沿って配置され、リング120の両側は図5に示すように曲げられている。カフ50とリング120の間の摩擦によってカフ50は所定位置に保持される。さらに、縫合糸、ステープル、ピン、接着剤あるいはその他の装置または材料を利用して、カフ50をリング120に、またはオリフィス12に直接結合させることもできる。
図6は、図3及び図4に示した心臓弁100の一部の断面図であり、縫合カフ110がオリフィス102にリム104で固定された状態が詳細に示されている。金属製、ポリマー製、あるいはその他の生体適合性材料でできたアタッチメントリング130がカフ110に装着され、リム104の周囲を挟み込んでその上に固定される。装着前のリング130は比較的平坦である。リング130が所望の場所で曲がりやすくなるように、リング130に刻み目132を入れる。リング130はその両側に圧力を加えて折り曲げられるので、刻み面132の箇所で屈曲する。
図7は組織侵入バリア224と226を形成するリム220を有するオリフィス12の断面図である。リム220はそこに作られた溝230を有する。カフ固定リング250の結合キーあるいはリム240はオリフィス12の結合溝230と係合する。オリフィス12のリム220は、オリフィス12のスティフネスを有害になる程には損なうことなく、そこに溝230を形成するのに十分な厚みを有している。カフ260はリング250内に捕捉される。
図8は、カフ保持機構のリング自体からの突出部が組織侵入バリアと流入あるいは流出環帯を形成する別の実施態様における、カフ保持機構を有するオリフィス12の断面図である。カフ350は、リング360のリム340と345の間に保持される。組織侵入バリア324と326はリング360の突出部の間に形成される。リング360は、チタニウムあるいはコバルトクロム合金のような生体適合性材料から成り、弁ハウジングの外にまで延びており、組織侵入バリアとして機能する。カフ350は、リム340と345の間に形成された環帯の周りに巻付けられた縫合糸355によって固定される。放射状の内向き突出部313がオリフィス12を固定する。
図9は、別の実施態様のカフ150に固定されたオリフィス102の断面図である。スプリングクリップリング152が、オリフィス102の外周に沿って延在し、リム104を捕捉する。好ましくは、カフ150はスプリングクリップリング152の周囲に形成される。カフクリップ組立体は、心臓弁リム104の上にスナップ係合される。あるいは、リング152が、縫合カフ150の組織を挟むチップ154を備えてもよい。
図10は、別の実施態様の縫合カフ160に固定されたオリフィス102の断面図である。固定機構162は、オリフィス102の外周に沿って突出延在するディスク164を有している。これらのディスク164は、オリフィス102のリム104と摩擦係合されるバンド166によって互いに結合されている。縫合カフ160は、縫合糸の巻き付け部168によって、これらディスク164の間のバンド166に固定される。
別の実施態様では、ディスク164とバンド166を一つの部品として一体的に形成したり、あるいは別々に形成してから一つに結合することもできる。この実施態様は、生体適合性接着剤あるいは同様の材料、またはバンド166からの突出部とディスク164の開口部の間の摩擦力を利用することで達成できる。
従来の技術では、オリフィスのスティフネスはオリフィスの壁面部分の面積を大きくすることで強化されることが一般的であり、その結果、組織環帯の直径を得るために管腔域が小さくなっていた。本発明の一つの特徴は、管腔の面積を減らすことなしに、与えられた組織の環帯の直径を確保するためにオリフィスを強化することである。本発明の1つあるいはそれ以上の実施態様では、オリフィスのスティフネスはオリフィスから突出するリムによって強化される。リムの大きさ、形および位置がスティフネスを上げることが発見され、例示されている。
図11は別の実施態様による、ピボット486を有するピボットガード484及びハウジング482を備える大動脈用人工心臓弁オリフィス480の断面図である。ハウジング482は基部485の上に形成されている。リム488と490は、ハウジング482の外周に沿って突出しており、流出側の近位部唇状開口部492と流入側の遠位部唇状開口部494を形成する。中間面496がリム488と490の間に形成される。縫合カフ498が中間面496に沿ってリム488と490の間に配置され、心臓弁オリフィス480を心臓組織環帯500に固定させるために利用される。オリフィス480の大きさは、組織環帯500が実質的に遠位部唇状開口部494の直径と一致するように選択される。しかし、オリフィス480と縫合カフ498の大部分は、組織環帯500に対して環帯の上になるように配置される。
リム488と490は従来の典型的なデザインに比べ高い径方向の高hを有している。好ましい実施態様では、hはおよそ0.25mmより大きく、より好ましくはおよそ1mmである。hの寸法を大きくすると、ハウジング482のスティフネスが増すことが公知である。さらに、リム488と490のhの寸法が増すと、縫合カフ498のカフ保持機構499が保護される。実施態様の1つでは、保持機構499は縫合糸を備える。しかし、いずれの機構もポリマー製または金属製のバンド、あるいはリングのようなものを利用してもよい。
1つあるいはそれ以上の実施態様の保持機構499では、移植手術の間に、弁ハウジング482はカフ498に対して回転できる。リム488と490によって保持機構499に付加的な保護が提供されることにより、組織環帯500からの圧力のような、過度の圧力が保持機構499に加わるのを減少させる。このような過度の圧力は、カフ498に対してハウジング482を回転させるのに必要なトルク量を換えてしまう傾向がある。さらに、リム488と490のhを高くすると、組織環帯500からのオリフィス480の管腔部497への組織の内向き成長の可能性をさらに低下させることができる。またさらに、リム488と490の高さhを高くすることで、リム488と490の間に縫合カフ498を保持する能力を高めることもできる。
図12は、ハウジング512を有し、大動脈移植に適した人工心臓オリフィス510の別の実施態様の断面図である。ハウジング512は、その中に形成されるピボットガード514とピボット516を有している。遠位リム518と近位リム520は、ハウジング512の外周に沿って突出しており、その間に中間部分522を形成する。リム518と520は、オリフィス510の近位側に片寄せて配置され、リム518はハウジング512の外周に沿って遠位唇状開口部524を形成している。リム518と520がハウジング512に対して偏在した配置を取ることにより、与えられた管腔に対して、そのスティフネスをさらに増すことが分かった。
これにより、所定のスティフネスに対しては、ハウジング512の内部管腔を大きくできる。従って、管腔の面積を大きくしながらオリフィスを強化できる。さらに、図12に示す構成によれば遠位唇状開口部524の長さlをより長くすることができ、より深く環帯の下に設置し、より大きな環帯内侵入バリアを与えることができる。またこれによって、心臓弁環帯上の縦断面が減少するので、冠動脈口をふさぐ可能性を小さくできる。図12に示す構成では、図11の実施態様に記載したように、リム高hも高くなる。
図13Aと13Bには、それぞれオリフィス610と510が示してある。オリフィス610は僧帽弁への移植に適した実施態様であり、ピボットガード620を環帯上方に(左心房内に)有する。オリフィス510は大動脈への移植に適した実施態様であり、ピボットガード520を環帯下(左心房の流出路内)に有する。オリフィス610には、僧帽弁組織の環帯によって発生される仮想力Fが加わるように図示されている。一方オリフィス510には、大動脈環帯下の左心室流出路内の組織によって発生される仮想力Gが加わるように図示されている。
図14Aと14Bは、それぞれ人工心臓弁480と510の断面図である。図13A、13B、14A、14Bはリムの位置と人工オリフィスのスティフネスとの関係を示している。心臓弁510と480のスティフネス比較は次の通りである。
スティフネスすなわち負荷に対抗するハウジングの能力は、オリフィスの幾何形状と材料の弾性係数に依存する。本発明は、与えられた材料のスティフネスを増すための技法を提供する。この技法はオリフィスに加わる平行負荷とねじれ負荷、及びそれらの組合わせ負荷の両方に対する抵抗性を増大させる。スティフネスの解析と決定に使用した幾何学的パラメータは慣性の面積モーメントであり、これは、与えられた材料については、そのスティフネスに正比例する。一つの領域に関する慣性の面積モーメントはIx、Iy、およびJo(慣性の極モーメント)の3つである。Iモーメントは、それぞれ図14Aと14B中のxとyのような領域平面の軸に関するものであり、慣性の極モーメントJoは回転、すなわち面に対して垂直な軸に関するものである。
領域の慣性の極モーメントは簡単な代数和である。
Jo=Ix+Iy … 式1
即ち、IxあるいはIyが大きくなると、回転に抵抗する構造の能力が増加する。その他の慣性の領域モーメントに関する重要な法則を以下に示す:
加算の法則:
オリフィス本体に関しては、Ix=Ix1+Ix2+Ix3である。式中のIxiは、全体システムのx軸に関する領域i(i=1、2、3)の慣性モーメントを示す。
平行軸の理論:
xi=Ixilocal+Aii 2であり、式中のIxilocalは重心に関する領域iの慣性モーメントであり、Aii 2はシステムの軸に対する領域軸の偏りによる変形(transformation)である。量Diは局所域のx軸とシステムのx軸との距離であり、Aiは局所エレメントの面積である。さらに、方形についてはIxilocal=(幅×高さ3)/12である。高さと幅はモーメント軸に相関し、例えばIyの幅はIxの高さである。同じことがIyについても言える。
オリフィス480と510の差は、図14Aと14Bにそれぞれに示す距離「ν」である。説明のために、全ての記載寸法はオリフィス480および510で同一とし、オリフィス480と510は同じ材料よりできているとする。このことは、領域の高さと幅が変わらないために、局所Iモーメントは両者で等しいことを意味している。Iモーメントが変わる唯一の箇所は、平行軸部分AD2、特にDである。システムのDyは、寸法νが変わっても変化しないことが分かっている。従って、Iyは両方の構成で同じである。Ixの平行軸部分(Di 2)は、領域A3が下方に移動するにつれて変化する。1つあるいは複数の実施態様に関する本発明の特徴の1つは、その構造を中性軸から移動させることである。この変化を数学的に表わすと以下のようになる。
平行軸の法則部分:
図14A、心臓弁480の実施態様については、ダッシュ記号「’」を使用している。x軸に関して対称であるので、
D’1=0、
D’2=(z+H2)/2、
D’3=−(Z+H2)/2
である。また図14Aに示す心臓弁480については、
Ix’=ΣI’xilocal+A11 /2+A22 /2+A33 /2
=ΣI’xilocal+A2{(z+H2)/2}2
+A3{−(z+H2)/2}2 … 式2
図14Bに示す心臓弁510のIxに関しては、心臓弁510の中性軸は下方にずらされており、リムの間の中間点にあると仮定する。スティフネスの差は、「使用材料のスティフネスの差は慣性の面積モーメントの差に比例する」と定義される。
領域のスティフネスは(Ix−Ix’)に比例する。従って、Ix>Ix’であれば、この設計の方がスティフネスが大きい。もしも、
I’xilocal=Ixilocal … 式3
ならば、
Ix−Ix’=A11 2+A22 2+A33 2
−[A11 /2+A22 /2+A33 /2] … 式4
である。領域A3は下方にずれるので、重心も下方に移動し、その結果D1≠0となるであろう。
従って、
11 2>AD1 /2=0 … 式5
2 /2=D3 /2={(z+H3)/2}2 … 式6
2 2≒D3 2≒{(z+v+H3)/2}2 … 式7
その結果、
22 2>A22 /2
33 2>A33 /2 … 式8
以上より、次の式が得られる。
Ix−Ix’=[A11 2−A11 /2]+[A22 2−A22 /2
+[A33 2−A33 /2]>0 … 式9
この差は正であるので、慣性の面積モーメントとスティフネスは、大動脈弁用あるいは僧帽弁用に設計されたものの方が強い。重心と偏りの解析偏差は示していない。しかし、当業者がこれらの式を得ることは容易である。
図15Aは別の実施態様による、大動脈に移植された心臓弁オリフィス540の斜視図であり、図15Bと15Cはその側面図である。オリフィス540にはハウジング542とピボットガード544、遠位リム546及び近位リム548が含まれる。近位リム548は、オリフィス510の実施態様(図12)に示した近位リム520と同様に配置される。しかし、遠位リム546は2つのセグメント546Aと546Bに分かれている。
図15Bと15Cは、例えば縫合カフをオリフィス540に固定させるのに利用できる固定リング550を示す。ある場合には、リング550が連続部材であることが望ましいこともあることが分かった。しかし、リング550が連続体であると、従来技術の人工弁では、リングがリムを越えて引き伸ばされなければならない。このような延伸可能リングは、カフをオリフィスに固定する場合は、機能が劣ることがある。逆に、リング550は連続する剛性のリングである場合は、図15Bに示すように、人工弁540の軸に対してある角度を持たせて装着することにより、リム546の上に設置できるようになる。図15Bに示すように、リング550の第1側がリム546のセグメント546Bの上を滑り落され、つぎに、リング550のもう一方の側がセグメント546Aの上を滑り落される。
人工弁540の実施態様では、図12と同様に、近位リム548は片寄って設置され、前記のように大きなスティフネスを実現している。さらに、セグメント546Aと546Bをピボットガード544の間に配置することで、ハウジング542にある比較的弱い(compliant)部分のスティフネスも増強している。特にピボットガード544はハウジング542にスティフネスを与えており、そしてセグメント546Aと546Bをピボットガードの間に配置することで、ハウジング542のこの部分のスティフネスをさらに上げている。また、オリフィス540の近位リム548は、閉塞状態の弁に対して加わる大動脈血圧の負荷に耐えることができる。近位リム548はさらにオリフィス540の近位側のスティフネスを強化し、移植時の負荷に対応させている。遠位唇状開口部554の長さlは長くされており(図15C参照)、図12に関して説明したように、心臓組織の環帯との連結性がより良くなっている。
図16はハウジング562とピボットガード564を有する別の実施態様の、大動脈の位置に移植される人工弁560の断面図である。近位リム566と遠位リム568が、ハウジング562の外周に沿って突出しており、それらの間にV字型の溝570が作られている。リム566と568は、典型的は手術法では、外科医から見て近位の方向に偏在し、遠位唇状開口部572を構成している。リム566と568はハウジング562の外周の比較的大きな領域にわたって突出したものであり、保持機構574を受け入れる溝570の傾斜部を提供する。この点が、図1Bのような階段状の厚み差を有する通常のリムと対照的である。保持機構574は縫合カフを溝570に結合させるのに適したものであればどんなものでもよく、V字型の柔軟なリングあるいはスプリングリング等の伸長可能なリングであればよい。
本発明の1つの特徴は、心臓40側の利用できる組織環帯48の面積に比べて、オリフィスの有効オリフィス面積を増大できることである。前記のように、大動脈に移植された人工弁の管腔が小さいと、左心室に過度の負荷を与える、高い収縮期の心室圧勾配が発生する。さらに、小さな管腔は血栓や血栓塞栓の形成に関係してくる。血栓あるいは血栓塞栓のリスクを増加させる因子には、人工弁によって招来される非生理学的な表面や血流がある。
さらに管腔が小さいと、血流の平均速度が早くなり、その結果せん断ストレスが増加する。本明細書に記載したような管腔面積の増加は弁を横切る方向での圧力勾配を低減し、平均速度を遅くする。その結果、せん断ストレスを低下させ、従って血栓や血栓塞栓の形成の可能性を低減する。このことは、小葉体16の回転軸に対してほぼ垂直に位置する、ほぼ平面状の2つのセグメントである近位ピボットガード14によって境界付けられ、内部がほぼ円筒状の管腔の内径(図1Aのd2)を有する心臓弁オリフィス12を用いることで実現されている。
実施態様の1つでは、ピボットガード14の管腔面間の距離d1は、図1Aに示す直径d2の少なくとも、およそ85%である。直径d2は、組織の環帯直径d3の少なくとも、およそ85%である。直径d3はオリフィス12の外端の径であるが、リム20あるいは22の外径は含まない。このような寸法関係を取ることで、管腔面積を増大する。しかし、心臓弁オリフィス12の厚みは相対に薄くなるので、心臓弁オリフィス12のスティフネスは低下する。
本発明の特徴の1つは図1、3、5、6、7、8、9、10、11、12、13、15及び16に示すように、リムを利用したオリフィスの強化である。このようなリムあるいは突出部を複数使用することも本発明の範囲内にある。少なくとも1つのリムによってもたらされるスティフネスの追加により、そうでなければ断面が薄いことによって起こり得るオリフィスハウジングのスティフネスの減少が補われる。
図5、6、7、8、9、10、15及び16に示すリング120、130、152、162、250、360、550及び574のスティフネスも増強され、これによって管腔面積も大きくできる。リング120、130、152、162、250、360、550及び574には、従来よりスティフネス補強効果が知られているI、V、UあるいはH型の様な梁型にする溝が形成されてもよい。リング120、130、152、162、360、550及び574によれば縫合カフの幅が広がり、その結果移植時に縫合がより簡単にでき、また弁周囲からの漏洩の防止が助長される。
本明細書記載の保持リングの持つ別の利点は、心臓弁との組立が容易なことである。アタッチメントリングは厚みを薄くされたオリフィスによく適合しており、またCVD熱分解性カーボンのような比較的低弾性率の材料で作られる。リング120、130、152、162、550及び574は組立工程の機械化あるいは自動化に適している。さらにリング120、130、152、162、550及び574によれば、縫合カフはオリフィスに対して回転することができる。カフの回転トルクは、カフ取付けリングとオリフィス本体との間の摩擦を調整することによって制御できるであろう。摩擦はリング120、130、152及び162の締め付け力を調整して制御できる。
本明細書記載の心臓弁は、適当な生体適合材料から作ることができる。好適な実施態様では、オリフィスは熱分解性カーボン被覆グラファイトあるいは抗血栓効果を有し、耐久性があり、十分な強度とスティフネス及び折れ抵抗性を有するその他の材料から作られる。オリフィスは、基材上に形成された耐久性のある、血液適合性の被覆あるいはフィルムで作られてもよい。実施態様の1つでは、前記被覆あるいはフィルムはダイヤモンド様炭素であり、前記基材は金属である。好適な金属基材はチタン及びその合金であるが、もとよりことに限定されない。
本発明は、弁作動機構や管腔への組織の侵入成長を阻止する管腔内バリアを保持する一方で、狭窄を有意的に減らす小動脈根用人工心臓弁を提供する。本発明は、どのような大きさの動脈根にも、また僧帽弁にも適用可能であり有益である。動脈部に移植する場合には、本発明は左心室の活動(work)負荷を軽減する利点がある。重要な患者の利益は運動に対する寛容性を増加し、左心室の肥大の回復速度を早め、そして鬱血性心不全の発生頻度を低下させることである。
本明細書記載の実施態様では、血流の平均速度を比較的遅くすることによって血行動態を改善し、せん断ストレスを下げ、それによって血栓の可能性を低下させている。血流速度を比較的遅くすることは、心臓弁の管腔面積を大きくすることによって達成できる。また抵抗(drag)は速度の2乗に比例して増加するので、血流平均速度を遅くすると咬合器の抵抗も少なくなり、したがってオリフィスの有効面積をさらに増大するのに有用である。
弁ハウジングを縫合カフに結合させるために、周囲部の突起あるいはリムが用いられる。本明細書記載のカフ保持機構は、リムあるいは突出部とアタッチメントリングを有し、弁本体のスティフネスを増し、回転可能な結合を可能にしている。突出体は弁ハウジングにスティフネスを与え、これにより、弁ハウジングの環帯の内方および下方の厚みを薄くして、管腔の直径を大きくできるようにしている。心臓弁の環帯上方には、強度とスティフネスを得るのに十分な厚みが確保されている。
本明細書記載の様々な実施態様では、リムの選択的配置によってスティフネスを増やすことが可能である。また、カフ保持性能の改良のためのリム高の増加、カフ結合部および/あるいはリムの間に置かれた回転機構の保護のためのリム高の増加、及び、より大きな組織侵入バリアを提供する。さらに、動脈環帯上部の高さを減らすことにより、冠状動脈口との干渉の可能性を下げる。
本発明を好適な実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱せずにその形態および詳細を変更できることは当業者が認めるところである。例えば、本記載はその多くが大動脈人工弁についてなされたが、本技術はまた僧帽弁型人工心臓弁についても適用できる。

Claims (19)

  1. 貫通する管腔部を提供し、外周部と遠位環帯とピボットガードとを有する弁オリフィスハウジング、
    前記オリフィスハウジングに結合され、開放位置と、管腔内を通過する血流を阻止する閉塞位置との間であってピボット軸の回りに移動でき、該ピボット軸が前記オリフィスハウジングの前記ピボットガード上に位置するように構成された少なくとも1つの咬合器、
    前記ハウジングと一体であり、ハウジングの外周にそって突出しているリム、
    前記ハウジングを心臓の組織環帯の近位部に結合させるための、前記リムに結合された縫合カフ、及び
    前記リムと前記遠位環帯との間の、前記ハウジングの外周部に規定され、組織環帯内に突出し、前記組織環帯と適合することによって、前記リムと前記縫合カフが前記ハウジングの管腔面積を制限しないようにする遠位唇状開口部を備えた、患者心臓の組織環帯に生体心臓弁の代りに移植される人工心臓弁。
  2. 前記縫合カフが回転可能な形で前記弁ハウジングと結合されている請求項1の人工心臓弁。
  3. 前記管腔部の直径が、前記遠位唇状開口部の直径の85%より大きい請求項1の人工心臓弁。
  4. 前記リムが前記弁ハウジングにスティフネスを提供する請求項1の人工心臓弁。
  5. 前記人工心臓弁が動脈心臓弁の移植に適している請求項1の人工心臓弁。
  6. 前記人工心臓弁は僧帽弁の移植に適している請求項1の人工心臓弁。
  7. 前記遠位唇状開口部と反対の位置に近位唇状開口部をさらに有し、前記人工心臓弁が僧帽弁と動脈心臓弁との両方の移植に適している請求項1の人工心臓弁。
  8. 前記オリフィスハウジングが熱分解性カーボンあるいは熱分解性カーボンの合金より作られた請求項1の人工心臓弁。
  9. 前記弁オリフィスハウジングが、耐久性を有し、かつ血液適合性を有する材料の被覆あるいはフィルムを含む請求項1の人工心臓弁。
  10. 前記弁オリフィスハウジングの周囲に沿って突出する第2の一体化したリム、および
    前記弁オリフィスハウジングと前記リムの間とにほぼ順応し、前記縫合カフの上に締め付けられるのに好適であり、それによって前記縫合カフを前記弁オリフィスハウジングに固定する円周型リングをさらに備えた請求項1の人工心臓弁。
  11. 前記リムと前記縫合カフとに結合され、縫合カフを前記リムに固定するリングをさらに備えた請求項1の人工心臓弁。
  12. 前記リングがスプリングクリップを備えた請求項11の人工心臓弁。
  13. 前記リングが前記縫合カフの上に締め付けられた請求項11の人工心臓弁。
  14. 前記ハウジングの外周に沿って突出し、前記ハウジングと一体に構成された第2リムを備えた請求項1の人工心臓弁。
  15. 前記リムが放射方向の高さhを有し、ハウジングにスティフネスを提供する請求項14の人工心臓弁。
  16. 前記リムの間に設置される縫合カフを人工心臓弁に結合する手段を含み、前記結合手段の外径が前記リムの外径よりも小さい請求項15の人工心臓弁。
  17. 前記リムの1つが少なくとも2つのリムセグメントに分割され、前記リム間への前記縫合カフの装着を容易にしている請求項14の人工心臓弁。
  18. 前記縫合カフの前記ハウジングへの結合を維持するための、前記縫合カフ内の連続リングを備えた請求項17の人工心臓弁。
  19. 前記リムの間に規定されたV字型の溝を備えた請求項14の人工心臓弁。
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