JPH11506466A - 組織因子のペプチドフラグメント、及び凝血障害の治療及び予防のためのそれらの使用 - Google Patents

組織因子のペプチドフラグメント、及び凝血障害の治療及び予防のためのそれらの使用

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JPH11506466A JP9500234A JP50023497A JPH11506466A JP H11506466 A JPH11506466 A JP H11506466A JP 9500234 A JP9500234 A JP 9500234A JP 50023497 A JP50023497 A JP 50023497A JP H11506466 A JPH11506466 A JP H11506466A
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Abstract

(57)【要約】 組織因子(TF)、FVIIa及びFXaの3重複合体によって生じる血液凝固を減らすペプチド試薬及びその組成物。該ペプチドはアミノ酸配列

Description

【発明の詳細な説明】 組織因子のペプチドフラグメント、及び 凝血障害の治療及び予防のためのそれらの使用 本発明は、組織因子(TF),FVIIa及びFXaの三重複合体によって起こ る血液凝固を減らすペプチド試薬及びその組成物に関する。三重複合体TF/F VIIa/FXa形成妨害によるFX凝血活性体(FX coagulant activity)(F Xa)生成の減少は、TF−依存性の血液凝固を阻害する。このようにして血液 凝固の外部経路(extrinsic pathway)が阻害される。 血液凝固は、最後にフィブリン血餅の形成を生じる酵素反応のカスケードに依 存している〔Furie B.及びFurie B.C.:血液凝固の分子及び細胞生物学(Molecul ar and cellular biology of blood coagulation)N.Eng.J.Med.326,800,1992〕 。トリガリング(triggering)/メカニズムは、血液が人工表面に接触すること によって始まるか(内因性凝固経路)、または血管壁損傷部のTFによって始ま る(外因性凝固経路)か、のいずれかである。血液凝固のプロセスは、血管壁損 傷に続いて生じる血液 損失を防ぐ防御メカニズムである(止血)。しかしながら、同様なプロセスが、 血液損失が脅威とならない血管損傷部でもまた起こり、結果として、不幸にも血 栓生成を生じ得る(血栓形成)。血液凝固の外部経路は、止血及び血栓症双方に おける、インビボでの支配経路である〔Gailani D.及びBroze G.J.:血液凝固の 修正モデルにおける第IX因子活性化(Factor IX activation in a revised model of blood coagulation),Science 253,909,1991;及び、Nemerson Y.:凝固の 組織因子経路、止血と血栓症(The tissue factor pathway of coagulation.Hem ostasis and Thrombosis):Basic Principles and Clinical Practice,第3版、 編者:R.W.Colman,J.Hirsh,V.J.Marder及びE.W.Salzman,J.B.Lippincott Com pany,フィラデルフィア,p81,1994〕。 FXは、リン脂質豊富な表面上、Ca2+の存在下で、二成分からなるTF/T VIIa複合体の触媒活性によって活性化される〔Nemerson Y.:組織因子及び止 血(Tissue Factor and Hemostasis),Blood 71,1,1988〕。この現象の間、FX は、予め形成されたTF/FVIIa複合体と複合体を形成し、結果として活性化 され、そして解き放たれる。このようにして、FX凝固活性体(FXa) を有する三重複合体が形成される。血液凝固の外部経路の活性化は、動脈硬化の 病巣の発達並びに動脈内膜切除手術に続いておこる再閉塞及び再狭窄に最も重要 と思われるフィブリン生成をもたらす〔Weiss H.J.,Turitto V.T.,Baumgartner H.R.,Nemerson Y.及びHoffmann T.:内皮下層上の組織因子活性の存在の証拠(Ev idence for the presence of tissue factor activity on subendot helium),B lood 73,968,1989;Hultin M.S.:血管疾患における危険因子としてのフィブリ ノーゲン及び第VII因子(Fibrinogen and factor VII as risk factors in vascu lar disease),Progress in Hemostasis and Thrombosis、第10巻,編者B.S.Coll er,W.B.Saunders,フィラデルフィア,p215,1991;及びJang I.K.,Gold H.K.,Lei nbach R.C.,Fallon J.T.,Collen D.及びWilcox J.N.:血小板-媒介動脈血栓のウ サギモデルにおける、組織因子に対するモノクローナル抗体の抗血栓効果(Antit hrombotic effect of amonoclonal antibody against tissue factor in a rabb it model of platelet-mediated arterial thrombosis) Arterioscler.Thromb .12,948,1992〕。TFとFVIIaとの分子相互作用及びTF/FVIIaとFX との分子相互作用については殆ど知られていない。 ウサギTFとは対照的に、マウスTFは、ヒトFVIIaのFXに対するプロ凝 固活性をサポートしていない〔Andrews B.S.,Rehemtulla A.,Fowler B.J.,Edgin gton T.S.及びMackman N.:三種の哺乳類間における組織因子配列の保存(Conserv ation of tissue factor sequenceamong three mammalian species),Gene 98,2 65,1991〕。この結果が、マウスTFとヒトFVII及び/又はFXとの一致性(c ompatibility)の欠如によるものであるかどうかは分かっていない。最近、ヒト TFに関して、FVIIaについては3つの推定結合部位が、またFXについては 1つの部位が同定された〔Harlos K.,Martin D.M.A.,O'Brien,Jones E.Y.,Stuar t D.I.,Polikarpov I.,Miller A.,Tuddenham E.G.O.及びBoys C.W.G.:ヒト組 織因子の細胞外領域の結晶構造(Crystal structure of the extracellular regi on of human tissue factor)、Nature 370,662,1994〕。これらの結合領域に関 する種のホモロジーを研究していたところ、我々は該推定FVIIa結合部位に著 しいホモロジーがあることを見つけた(推定FVIIa結合部位を含む10残基に 関して、>80%)。しかしながら、FX認識部位については、ヒトとマウスと 間では低いホモロジーしかなく(10残基に関して4 0%、残基は下に明記する。)、それに対してヒトとウサギの間のホモロジーは それよりも高かった(10残基に関して70%、残基は下に明記する。)。従っ て、マウスTFとヒトFVIIa及び/又はFXとの間の不一致性は、この領域に その起源があり、その結果減少したFX結合及びFX活性化を生じているようで ある。TF分子に対する推定FX結合部位を下記に概略する: FX推定結合部位 TF並びに合成TFペプチドについての部位特異的変異法によって、更に、二 成分からなるTF/FVIIa複合体によるFXの活性化に重要であると思われる TF分子の領域が示された(Edgington T.S.及びMorrissey J.H.,米国特許第5,1 10,730号,1992年5月5日)。この領域 は成熟TF分子の152-169残基に位置している。 我々は、驚くことに、より小さく、しかもヒトTFの一次配列に基づいていな いペプチドが、ヒトでのTF-依存性凝固に対する非常に強い阻害剤であること を見つけた。 従って、本発明はアミノ酸配列 を有するペプチド、及び上記配列において一又はそれ以上のアミノ酸が変更又は 欠失しているそれらの機能的同等物を提供する。なお、グリシン以外の全てのア ミノ酸は慣例のL体である。 本発明はまた、ヒト被験者(subject)における血液凝固障害または問題の治療 又は予防に用いられる上述のペプチドを提供する。 保存的なアミノ酸置換は当業界でよく知られており、例えば、Thrの代わり にSer及びその逆、Argの代わりにLys及びその逆、並びにGly,Al a,Leu又はIleといった中性アミノ酸とこの群の他のアミノ酸との置換が 挙げられる。そのような置換は、ここで用いられる用語“変更(modified)”に 包含される。 付加的なN−又は−C末端アミノ酸がついていてもよく、例えばウサギ又はマ ウスTFの公知配列に沿って伸長したものが挙げられる。従って、例えばマウス ペプチドは、そのN−末端の末尾にY若しくはGY、又はその−C末端の末尾に GKKTNIの一部若しくは全てを有していてもよい。 ペプチドはまた、環化形状であってもよく、例えばN−と−C末端との間、又 はこれらの末端のうち一方と配列中の一つのアミノ酸の適当な側鎖との間でのア ミド結合生成によるものが挙げられる。ペプチドにシステイン残基が含まれてい る場合には、ジスルフィド結合していてもよい。 ペプチド中のアミノ酸の総数は3から18、好ましく は8から18の範囲である。 本発明のペプチドは、ヒトTFの一次配列に基づいていないので、この特定分 野における従来刊行物記載のペプチド、及び上で引用した特許とは異なるもので ある。対照的に、それらは、ヒトTFと各々40%から70%のホモロジーを示 すマウス及びウサギTFと類似した一次配列を有している。更に、速度論的分析 法によって、両方のペプチドはいずれも、FXに対して、TF/FVIIaの二重 複合体と競合することによって外部凝固を阻害することが明らかになった。この ことは、TF/FVIIa複合体によるFXからFXaへの変換が阻害されること を意味する。こうして、該ペプチドは、独特なアミノ酸配列,適切なバイオアッ セイの下での阻害能力及びよく確立された阻害メカニズムを有している。そのよ うなインヒビターは、ヒトにおける血液凝固及び血栓形成を阻害するための新規 なアプローチを示す。それゆえに、これらのペプチド及びその組成物は、予防及 び治療の両面において、ヒトの抗血栓剤として使用することができる。 ペプチド: 及びそれらの機能的同等物の活性は、特に驚くことに、天然マウスTFは、FX に対するヒトFVIIaのヒトプロ凝血活性をサポートしないということを示した (上で引用した参考文献参照)。 該ペプチドの阻害能力は、TF/FVIIaの二重複合体によって生じたFXa を測定する発色法(chromogenic assay)である、いわゆる、リン脂質化TFアッ セイ(lipidated TF assay)によって測定した。FVIIa(5pM最終濃度)とF X(20nM)を、異なる濃度のペプチド存在下で混合し、環境温度で15分間 インキュベートした。TF(5pM)及びCaCl2(5mM)を加えて反応を 開始した。反応をEDTAで停止し、FXa活性を、発色FXa基質S2765 (商標名)を用いたアミド分解法(amidolytic assay)で測定した。このアッセ イを用いたこれらの研究から得られたデータを図1に示し、後の表1に、対応す るIC値を示す。データは、ペプチドなしで測定されたFXa生成速度に対する 百分率 として、下記のペプチドの濃度に対してプロットされている:Hu# 154-163(■ ),mu# 158-167(●),mu# 160-167+GG(▲)及びrb# 152-161(◆)。 mu# 158-167,mu# 160-167,mu# 160-167+GG及びrb# 152-161のIC値は 、非常に低いμM範囲であることがわかる。 FXa生成の阻害メカニズムは、図2A,2B及び3Aで示されるように、Di xonプロットの分析により解明された。種々の濃度のペプチドを、TF添加後に 、FVIIa及び3種の異なる濃度のFXと混合し、FXa生成速度を測定した。 別の実験で、種々濃度のペプチドを、FVIIa過剰の下、FVIIa及び3種の異 なる濃度のTFと混同した。FXの添加後、FXa生成速度を測定した。結果を 、Dixonに従って、FXa生成速度の逆数をペプチド濃度に対してプロットした 。種々のFX濃度について、ペプチドmu# 158-167及びmu# 160-167は、横座標 で遮断された直線状の回帰線を生じた。種々のTF濃度について、mu# 158-167 は、横座標上で遮断された直線状の回帰線を生じた。これらの結果は、ペプチド mu# 158-167が、FXとの相互作用に関して、TF又はFVIIa/TF複合体と 競合するというメカニズムと一致する。 FXa生成の阻害メカニズムについての更なる研究が、図3Bに示されるLine weaver-Burkプロットの分析によって成し遂げられた。異なる濃度のペプチドmu # 160-167(2〜100μM)を、種々濃度のFX(5〜50nM)と混合した。結 果を Lineweaver-Burkに従って、FXa生成速度の逆数をFX濃度の逆数に対 してプロットした。 ペプチドmu# 160-167は、非競合的な阻害様式を純粋に示す、横座標で遮断され た直線状の回帰線を生じた。図3B中の挿入図は、Lineweaver-Burkプロットか ら得られる勾配(■)及び切片(●)をペプチドの濃度に対してプロットしたも のであり、それも再び非競合的阻害を示した。 本発明はまた、本発明の一若しくはそれ以上のペプチドまたはその塩を含む薬 学的組成物を提供する。 ペプチドの塩には、塩酸塩といった生理学的に許容され得る酸付加塩が含まれ る。 本発明の組成物は、例えば、鼻又は非経口的な投与に適した形態であってもよ い。 従って、本発明の化合物は、鼻用のスプレー,溶液及びエマルジョンといった 慣用の薬理学的投与形態を有していてもよい。これらの形態の調製には、慣用的 な薬学上の賦形剤並びに通常の製造方法を用いることができる。また臓器特異的 担体システム(organ specific carrier systems)を使用することもできる。 注射溶液は、例えば、p−ヒドロキシベンゾエートといった保存剤またはED TAといった安定化剤を添加するというような慣用の方法で製造できる。次いで 、該溶液は注射用バイアルまたはアンプルに注入される。 鼻スプレーは、同様に水溶液の状態に製剤化されて、エアゾール噴射剤を含有 するか若しくは手動の圧搾手段を備えたスプレー容器に詰められる。一又は幾つ かの有効成分を含むカプセルは、例えば有効成分を乳糖又はソルビトールといっ た不活性担体と混合して、該混合物をゼラチンカプセルに充填することによって 製造することができる。 この発明の化合物を含有する投与単位は、該ペプチドまたはその塩を、好まし くは0.1−10mg、例えば1−5mg含有する。 上述するように、本発明の一つの側面は、ヒト被験者における血液凝固障害若 しくは問題の治療または予防に用いられる本発明のペプチドを提供することであ る。血液凝固障害には、血栓症(特に血管の血栓症又は深静脈 (deep vein)の血栓症),急性心筋梗塞,再狭窄,再閉鎖,狭心症,脳血管性疾 患,末梢動脈閉塞疾患,凝固性亢進症,播種性血管内凝固症及び肺動脈塞栓症が 含まれる。本発明のペプチドはまた、例えば血栓溶解治療,移植手術,管開通修 復技法等の間における血管への損傷によって生じる血液凝固の問題の発生を防止 するために用いることができる。血液凝固障害は、TNF-α又はIL-1の産生 に起因する敗血症によって誘発されるかもしれない。 また更なる側面において、本発明はまた、人体における血液凝固障害の処置方 法を提供するものであり、該方法は、人体に本発明の一若しくはそれ以上のペプ チド又はその塩を投与することを含む方法である。また予防的な処置方法も提供 され、それは、本発明のペプチドを、例えば手術又は他の侵襲的技法の間に起こ りうる血液凝固問題の発生を防止若しくは減少するために被験者に投与すること によって行われる。もちろん、ペプチドは、一般的に、薬学的に許容され得る組 成物の形態で投与される。 別の側面において、本発明は、本発明のペプチドの調 製方法を提供する。 本発明のペプチドは、当業界に公知の方法によって調製することができる。一 般的に、所望の配列は固相ペプチド合成法により組み立てられる。この発明の実 施例で採用した合成戦略に関する標準的な方法は、イー.アサートン(E.Atherton )及びアール.シー.シェパード(R.C.Sheppard),’固相ペプチド合成法(Solid ph ase peptide synthesis):ア・プラクティカル・アプローチ(a practical appro ach),1989,IRLプレス,オックスフォードに記載されている。例えば、酸- 不安定なリンカー基を有する合成用樹脂が使用され、それには所望の保護された ,C末端側のアミノ酸残基がエステル結合によって結合している。後の実施例で は、トリチル-誘導リンカーを有するいわゆるTentaGel樹脂を用いた〔Bayer,E. ,Clausen,N.,Goldammer,C.,Henkel,B.,Rapp,W.及びZhang,L.(1994)in Pep tides; Chemistry,Structure and Biology(Hodges,R.S.及びSmith,J.A.,編者) ,pp.156-158,ESCOM,Leiden〕。次いでアミノ-保護基を除去して、配列の2番 目のアミノ酸を適切な縮合試薬を用いてカップリングする。半耐久性(semi-perm anent)のアミノ保護基及び機能性側鎖(functional side chain)に耐久性(perm anent)のアミノ保護基を有するアミノ酸を用いる。次いで、アミノ-脱保護サイ クルとカップリングサイクルを目的の配列が組み立てられるまで、交互に繰り返 す。最後に、耐久性の側鎖保護基を除去し、ペプチドを合成用樹脂から切り離す が、これは通常、適切な酸性試薬で処理することによって同時に行われる。 代替的には、当業界で公知の溶液ペプチド合成法により合成することができ、 分かりやすく又は最少の保護戦略を採用する、カルボキシル末端側からの段階的 方法、及び/又はセグメント縮合法若しくは結合法のいずれかを挙げることがで きる。 一般的には、存在する反応性の基(例えば、アミノ,ヒドロキシル,チオール 及びカルボキシル基)は、上に記載する全合成期間中、保護されている。このた め、合成の最終ステップは、本発明のペプチドの保護誘導体の脱保護である。ア ミノ酸に対する保護基には広い選択性があることが知られている〔例えば、Gree ne,T.W.及びWuts,P.G.M.(1991)有機合成における保護基(Protective groups in organic synthesis),John Wiley及びSons,ニューヨーク〕。従って、例えば、 採用され得るアミ ノ保護基には、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc),ベンジルオ キシカルボニル,t-ブチルオキシカルボニル等が含まれる。ペプチドがC末端 の末尾から構築される場合に、新しく付ける各残基のα-アミノ基にはアミノ-保 護基がついており、該保護基は次のカップリングステップ前に選択的に除去する 必要がある。そのような一時的なアミン保護として特に有用な基は、有機溶媒中 のピペリジンの処理によって選択的に除去できるFmoc基である。例えば、採 用され得るカルボキシル保護基には、t-ブチル及びベンジルといった容易に切 断されるエステル基、並びに、例えばp-アルコキシベンジル,トリチル等の固 相-結合リンカーを有するエステルが含まれる。当業界で、他にもそのような基 が広範囲知られていることは、理解されるだろう。上述した全てのそのような保 護基の使用及び方法は、本発明の範囲に包含される。 本発明は、次の実施例によって具体的に説明される。実施例1 上の配列に相当するペプチジル樹脂を、アプライド・バイオシステムズ モデ ル 433Aペプチド合成機を用いて、Fmoc-Ser(But)-[TentaGel S Trt 樹脂](0.2 mmol/g; Rapp Polymere GmbH,チューリンゲン,ドイツ)の上に組み立てた。F moc脱保護を、伝導率をモニターしながら、N−メチルピロリドン(NMP) 中の20%ピペリジンを用いて行った。洗浄溶媒はNMPであった。残基(カル ボキシル末端由来)を、NMP中、10倍モル過剰のFmoc-アミノ酸及び2-(1H -ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム-ヘキサフルオ ロホスフェート(HBTU)/1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)/ Pri 2NEtを用いたダブルカップリングを用いて、75分のカップリングサイ クルで、組み立てた。各配列部位でのFmoc-脱保護の前に、キャッピングをN,N -ジメチルホルムアミド中の無水酢酸(4.7%v/v)/Pri 2NEt(2.2 %v/v)/HOBt(0.2%w/v)の溶液を用いて行った。用いられたア ミノ酸側鎖保護基は、Lysについてはt-ブトキシカルボニルであり、Ser, Thr及びTyrについてはt-ブチルであった。Fmoc-脱保護され、洗浄 (ジクロロメタン)された最後のペプチジル樹脂を減圧下で乾燥した。アリコー ト(300mg)をフェノール,1,2-エタンジチオール,チオアニソール,水及 びCF3COOH(0.75:0.25:0.5:0.5:10,w/v/v/v/v)を含む混合液で3時間処 理した。次いで、樹脂残渣を濾別して少量の混じりけのないCF3COOHで洗 浄した。濾液と洗液を合わせてEt2Oでこねて粉砕して粗精製のペプチドを得 た。沈殿物を濾過によって集め、Et2Oで洗浄して、次いで0.1%のCF3C OOH水溶液に溶解して凍結乾燥した。該粗生成物のアリコート(25mg)を 0.1%のCF3COOH水溶液(3mL)に再溶解し、濾過して調製用のRP− HPLCを用いて精製した。カラム(Vydac 218TP1022,2.2×25cm)を、10m l/分で、90分の0〜20%MeCNグラジェント(0.1%のCF3COOH 水溶液)を用いて溶離した。適切なピーク画分を貯め、凍結乾燥して、12mg の純粋なペプチドを得た。分析RP−HPLC:tR=19.6分,純度99%( Vydac 218TP54,0.46×25cm,0-30% MeCN(0.1% CF3COOH水溶液)/20分,1m l/分,λ=215nm)。FAB−MS:[M+H]+=1221.6m/z,C5781 1218=1221.3。アミノ酸分析:Leu 1.01(1),Lys 1.05(1),Ser 3.96( 4),Thr 1.00(1),Tyr 1.98(2),T rpは検出されなかった。実施例2 上の配列に相当するペプチジル樹脂を、実施例1のペプチジル樹脂と同様な方 法で、Fmoc-Thr(But)-[TentaGel R Trt 樹脂](0.17 mmol/g; Rapp Polymere Gm bH,チューリンゲン,ドイツ)の上に組み立てた。Arg用に用いた側鎖保護基 は、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホニルであった。完全なペプチジ ル樹脂を完成して、アリコート(500mg)を実施例1と同じ酸分解(acidoly sis)試薬で処理した。Et2Oから沈殿後、生成物を氷酢酸に溶解して凍結乾燥 した。粗生成物(99mg)を0.1% CF3COOH(6mL)を含む10% MeCN水溶液に再溶解し、濾過して、実施例1と同じ条件を用いた調製用RP −HPLCによって2つのバッチに精製した。適切なピーク画分を集め、凍結乾 燥して、74mgの純粋なペプチドを得た。分析RP−HPLC:tR=14.7 分,純度98%(Vydac 218TP54,0.46×2 5cm,0-30% MeCN(0.1% CF3COOH水溶液)/20分,1ml/分,λ=215nm)。F AB−MS:[M+H]+=1125.5m/z,C49841416=1125.3 。アミノ酸分析:Arg 1.02(1),Gly 1.02(1),Ile 1.22(2),Lys 1.00(1),Ser 2.01(2),Thr 1.95(2),Tyr 1.01(1)実施例3 上の配列に相当するペプチジル樹脂を、実施例1のペプチジル樹脂と同様な方 法で、Fmoc-Thr(But)-[TentaGel R Trt 樹脂](0.17 mmol/g; Rapp Polymere Gm bH,チューリンゲン,ドイツ)の上に組み立てた。Arg用に用いた側鎖保護基 は、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホニルであった。完全なペプチジ ル樹脂に仕上げて、アリコート(520mg乾燥重量)を実施例1と同じ酸分解 試薬で処理した。Et2Oからの沈殿後、生成物を氷酢酸に溶解して凍結乾燥し た。粗生成物(40mg)を0.1% CF3COOH(4mL)を含む10% M eCN水溶液中に再溶解し、濾過して、実施例1記載と同じ 条件を用いた調製用RP−HPLCによって精製した。適切なピーク画分を集め 、凍結乾燥して、25mgの純粋なペプチドを得た。分析RP−HPLC:tR =20.6分,純度97%(Vydac 218TP54,0.46×25cm,0-30% MeCN(0.1% C F3COOH水溶液)/20分,1ml/分,λ=215nm)。FAB−MS:[M+H]+=1 247.7m/z,C58821417=1247.4。アミノ酸分析:Ala 1.01(1 ),Arg 1.02(1),Leu 1.00(1),Ser 1.99(2),Thr 1.97(2),Tyr 2.00(2),Trp は検出されなかった。 以下のペプチドは同様の方法により作成された。実施例4 分析RP−HPLC:tR=17.9分,純度98%(Vydac 218TP54,0.46×25c m,0-15%MeCN(0.1% CF3COOH水溶液)/20分,1ml/分,λ=215nm)。MA LDI−TOF MS:[M+H]+=1013.1m/z,C43731315 1 012.1。アミノ酸分析:Arg1.00 (1),Gly 1.00(1),Ile 1.01(1),Lys 1.01(1),Ser 2.02(2),Thr1.96(2),Tyr 1.01(1)実施例5 分析RP−HPLC:tR=15.2分,純度99%(Vydac 218TP54,0.46×25c m,0-10% MeCN(0.1% CF3COOH水溶液)/20分,1ml/分,λ=215nm)。MA LDI−TOF MS:[M+H]+=900.8m/z,C37621214 89 9.0。アミノ酸分析:Arg 1.00(1),Gly 1.00(1),Lys 1.01(1),Ser 2.01(2) ,Thr 1.97(2),Tyr 1.00(1)。実施例6 分析RP−HPLC:tR=14.6分,純度95.6% (Vydac 218TP54,0.46×25cm,0-12% MeCN(0.1% CF3COOH水溶液)/20分, 1ml/分,λ=215nm)。MALDI−TOF MS:[M+H]+=1014.3m /z,C41681416 1013.0。アミノ酸分析:Arg 0.96(1),Gly2.99(3 ),Lys 1.00(1),Ser 2.03(2),Thr2.01(2),Tyr 0.99(1)。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年6月13日 【補正内容】 請求の範囲 1.アミノ酸配列 を含有するペプチド、及び上記配列において一若しくはそれ以上のアミノ酸が変 更又は欠失しており、ペプチド中のアミノ酸の総数が3から18残基の範囲であ る、上記ペプチドの機能的同等物。 2.コア(core)アミノ酸配列 Thr-Tyr-Arg-Lys-Gly-Ser-Ser-Thrを有する請求項 1記載のペプチド。 3.一又はそれ以上の付加的なN−及び/又は−C末端アミノ酸残基を有する請 求項2記載のペプチド。 である請求項3記載のペプチド。 ド。 6.ペプチドが合成ペプチドである請求項1乃至5のいずれかに記載のペプチド 。 7.ヒト被験者の血液凝固障害又は問題の治療又は予防に使用するための請求項 1乃至5のいずかに記載のペプチド。 8.請求項1乃至5のいずれかに記載のペプチド又はその塩を含む薬学的組成物 。 9.人体における血液凝固障害又は問題の治療又は予防法であって、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 サカリアッセン クエル エス. ノルウェー国 エヌ−0367 オスロ マジ ョルスツヴェイエン 25

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.アミノ酸配列 を含有するペプチド、及び上記配列において一又はそれ以上のアミノ酸が変更又 は欠失しているその機能的同等物。 2.コア(core)アミノ酸配列 Thr-Tyr-Arg-Lys-Gly-Ser-Ser-Thrを有する請求項 1記載のペプチド。 3.一又はそれ以上の付加的なN−及び/又は−C末端アミノ酸残基を有する請 求項2記載のペプチド。 である請求項3記載のペプチド。 ド。 6.ペプチドが合成ペプチドである請求項1乃至5のいずれかに記載のペプチド 。 7.ヒト被験者の血液凝固障害又は問題の治療又は予防に使用するための請求項 1乃至5のいずかに記載のペプチド。 8.請求項1乃至5のいずれかに記載のペプチド又はその塩を含む薬学的組成物 。 9.人体における血液凝固障害又は問題の治療又は予防法であって、請求項1乃 至5のいずれかに記載のペプチド又はその塩を人体に投与することを含む方法。 10.ヒト被験者における、組織因子-第VIIa因子複合体の第X因子に対する 結合を阻害又は妨害する方法であって、被験者に請求項1乃至5のいずれかに記 載のペプ チド又はその塩を投与することを含む方法。 11.人体の血液凝固障害又は問題を処置するための薬剤の製造における、請求 項1乃至5のいずれかに記載のペプチドの使用。 12.アミノ酸配列が固相又は溶液ペプチド合成法によって組み立てられる、請 求項6記載のペプチドの調製方法。
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