JP4115530B2 - 環状接着阻害剤 - Google Patents
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Description
シクロ−(Arg−Gly−Asp−X−Y) I
[式中、XはCha、Nal、Phe、2−R1−Phe、3−R1−Phe、4−R1−Phe、homo−Phe、Phg、Thi、Trp、TyrまたはTyrの誘導体であり、そのOH基が1−18個の炭素原子を有するアルキル基によってエーテル化され且つまた前記アミノ酸残基が付加的に誘導体にされていてもよく、
R1は、NH2、NO2、I、Br、Cl、F、1−18個の炭素原子を有するアルキル、Ar、Ar−Oまたは3Hであり、
Yは、Glyであり、そのα窒素原子がR2によりおよび/またはそのα炭素原子がR3および/またはR4によって置換されていてもよく、ただしGlyは上記のやり方で少なくとも1度は置換されており、
Arは、NH2、NO2、I、Br、Cl、F、1−6個の炭素原子を有するアルキルまたは3Hによって1度または2度任意に置換されることのできるフェニル基であり、
R2、R3またはR4は、各々互いに独立して1−18個の炭素原子を有するアルキルであるか、あるいは
R2およびR3、またはR3およびR4は、各々の場合一緒になって、3−18個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルキレン鎖であって、ここでα窒素原子およびα炭素原子が一緒になってアルキレン鎖とともに環を形成するか、またはα炭素原子のみがアルキレン鎖とともに環を形成し、
そして、光学活性アミノ酸およびアミノ酸誘導体の残基が含まれる場合、D体およびL体の両方を含む]で表される新規のシクロペプチドおよび誘導体、特にアスパラギン酸βエステルまたはアルギニンのN−グアニジン−アシル誘導体、プロドラッグ、並びにそれらの生理学的に許容される塩に関する。
同様の化合物は、例えばEP0 406 428およびFEBS Lett.291,50−54(1991)により知られている。
本発明の目的は、有用な性質を有する新規な化合物、特に薬剤の製造に使用することのできる新規な化合物を発見することであった。
驚くべきことに、式Iの化合物およびそれらの塩は非常に有用な性質を有することが発見された。特に、それらはインテグリン阻害剤として作用し、この場合それらは、特にリガンドとβ3−またはβ5−インテグリン受容体との相互作用を阻害する。化合物は、インテグリンαVβ3、αVβ5およびαIIbβ3の場合特に活性であが、αVβ1−、αVβ6−およびαVβ8−受容体に関してもそうである。これらの作用は、例えば、J.W.SmithらによりJ.Biol.Chem.265、12267-12271(1990)に記載されている方法に従って示される。加えて、抗炎症作用がある。
血管インテグリンと細胞外マトリックスタンパクとの相互作用に対する血管新生の発達の依存性が、P.C.Brooks,R.A.ClarksおよびD.A.ChereshによりScience 264,569-71(1994)に記載されている。
環状ペプチドによる、この相互作用を阻害する可能性およびそれに伴う血管新生性血管細胞のアポトーシス(プログラムされた細胞死)の開始が、P.C.Brooks,A.M.Montgomery,M.Rosenfeld,R.A.Reisfeld,T.-Hu,G.KlierおよびD.A.ChereshによりCell79,1157-64(1994)に記載されている。
インテグリン受容体およびリガンド、例えばフィブリノーゲン受容体(グリコプロテインIIb/IIIa)へのフィブリノーゲンの相互作用を阻止する式Iの化合物は、転移による腫瘍細胞の増殖を防ぐGPIIb/IIIa拮抗物質として作用する。これは以下の観察によって示される。
局所の腫瘍から血管系への腫瘍細胞の広がりは、腫瘍細胞と血液血小板の相互作用による微小凝集体(微小血栓)の形成を通じて起る。腫瘍細胞は、微小凝集体中でもたらされる保護にかくまわれて、免疫系の細胞によって認識されない。
微小凝集体は血管壁に止まり、腫瘍細胞の組織への侵入を促進する。微小血栓の形成を、活性化された血液血小板上のフィブリノーゲン受容体に対するフィブリノーゲンの結合が仲介しているので、GPIIa/IIIb拮抗物質は転移の効果的な阻害剤と考えられる。
また、式Iの化合物は生体材料、埋め込み材、カテーテルまたはペースメーカーが用いられる手術の場合に、抗微生物物質として用いられる。この場合、それらは抗菌作用をもつ。抗微生物活性の効果は、P.Valentin-WeigundらによってInfection and Immunity,2851-2855(1988)に記載された方法によって示される。
式Iの化合物は、フィブリノーゲン結合の阻害剤、従って血液血小板上のフィブリノーゲン受容体のリガンドとなっているので、それらは、例えば放射活性基またはUV検出基によって置換されていれば、血栓の検出と位置に対する診断試薬としてin vivo血管系において使用される。
フィブリノーゲン結合の阻害剤としての式Iの化合物は、また、異なる活性化段階およびフィブリノーゲン受容体の細胞内シグナルメカニズムに関する血液血小板上のメタボリズムを研究することに効果的な補助物として使用できる。取り込みラベル、例えば3Hによる同位体ラベリングの検出ユニットは、受容体への結合後、該メカニズムの究明を可能にする。
従って、該化合物は、インテグリン、特にインテグリンαVβ3、αVβ5およびαIIbβ3のみならずαVβ1、αVβ6およびαVβ8のインテグリンに対しても、天然または合成のリガンドの結合を阻害する性質をもつ。
さらに、それらは先行技術に比べ、Y−アミノ酸のα−N−アルキル化またはα−C−アルキル化が代謝安定性と脂溶性の増大をもたらすという利点をもつ。例えば、N−アルキルはC=Oに対してHドナーになりえないので、可能な水素結合の減少によって、膜を通過する能力が改善され、経口吸収の増大を得ることができ、さらに、増大した血漿タンパク結合が生じる。
Y−アミノ酸単位のα−N−アルキル化またはα−C−アルキル化は、化合物の阻害強度を増加させ、特異的インテグリンに関する阻害の選択性を高める。選択性は、特にN−アルキル基によって影響される。
化合物は、ヒトおよび動物薬剤における医薬活性成分として用いられ、特に、循環障害、血栓症、心筋梗塞、動脈硬化、炎症、卒中、狭心症、腫瘍障害、骨融解性障害、特に骨粗鬆症、血管新生および血管新生から生じる障害、例えば眼の糖尿病性網膜症、眼の疾患、角膜変成、近視、眼ヒストプラスマ症、リュウマチ関節炎、骨関節炎、血管新生緑内症、さらに、潰瘍性大腸炎、クローン病、多発性硬化症、乾癬および血管形成術後の再狭窄の予防および治療に対して用いられる。化合物は、さらに、微生物感染および急性腎不全における治癒過程を改善および支援するために使用される。
これらの作用は、例えば、P.C.BrooksらによってCell 79,1157-1164(1994)またはScience 264,569-571(1994)に記載されているように文献から知られる方法によって示される。
上記および下記のアミノ酸残基の略号は、以下のアミノ酸の残基を表わす。即ち、
Abu 4−アミノ酪酸
Acha α−アミノシクロヘキサンカルボン酸
Acpa α−アミノシクロペンタンカルボン酸
Aha 6−アミノヘキサン酸
Ahds 16−アミノヘキサデカン酸
Aib 3−アミノイソ酪酸
Ala アラニン
Aos 8−アミノオクタン酸
Asn アスパラギン
Asp アスパラギン酸
Asp(OR) アスパラギン酸(βエステル)
Arg アルギニン
N−Ac−Arg N−グアニジノアシルアルギニン
Cha 3−シクロヘキシルアラニン
Dab 2,4−ジアミノ酪酸
Dap 2,3−ジアミノプロピオン酸
Deg ジエチルグリシン
Gln グルタミン
Glu グルタミン酸
Gly グリシン
hPro ピペコリン酸
His ヒスチジン
Ile イソロイシン
Leu ロイシン
Lys リジン
Nal 3−(2−ナフチル)アラニン
Nhdg N−ヘキサデシルグリシン
Nle ノルロイシン
Phe フェニルアラニン
homoPhe ホモフェニルアラニン
4−Hal−Phe 4−ハロフェニルアラニン
Phg フェニルグリシン
Pro プロリン
Sar サルコシン(n−メチルグリシン)
Tia 3−(2−チエニル)−アラニン
Tic テトラヒドリイソキノリン−3−カルボン酸
Thr スレオニン
Tle tert−ロイシン(Cα−tert−ブチルグリシン)
Trp トリプトファン
Tyr チロシン
Val バリン
加えて、下記略号の意味は以下の通りである。即ち、
BOC 第3−ブトキシカルボニル
Bzl ベンジル
DCCI ジシクロヘキシルカルボジイミド
DMF ジメチルホルムアミド
EDCI N−エチル−N′−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド×塩酸塩
Et エチル
Fmoc 9−フルオレニルメトキシカルボニル
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
Me メチル
Mtr 4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニルスルホニル
NMe N−メチル化αアミノ基
OBut 第3−ブチルエステル
OMe メチルエステル
OEt エチルエステル
POA フェノキシアセチル
TBTU 2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
TFA トリフルオロ酢酸
上述したアミノ酸が、いくつかのエナンチオマー型で存在する場合、これら全ての型およびそれらの混合物(例えば、DL体)は、上記および下記において式Iの化合物の成分として含まれる。例えば、式Iの化合物の成分としてのアミノ酸に、それ自体公知の適当な保護基をつけることもできる。
加えて、本発明は、アミノ酸残基が完全または部分的に誘導体にされているペプチドも含む。“誘導体にされている”という語句は、所謂“プロドラッグ”、例えばすこし挙げると、ArgのN−グアニジノ−アシル誘導体、Aspのβ−エステル、リジンのNε−アルカノイル、Nε−アミノアルカノイルおよびNε−メルカプトアルカノイル誘導体が含まれるものと理解されるべきである。さらに、アミノ酸残基は、部分的にC−アルファ−アルキル化されていてもよく、または例えば、診断用には同位体標識されていてもよい。また、構造単位XおよびYの側鎖がアミノ、カルボキシルまたはメルカプト基で誘導体にされている式Iの化合物が含まれ、何故なら、そのような誘導体は、例えば免疫目的および抗体産生のための高分子結合体の製造に対する原料となるからである。また、あるアミノ酸残基または誘導体にされているアミノ酸残基の側鎖の官能基を、アフィニティクロマトグラフィーカラムの製造のためにペプチドをポリマー材料に固定化するために使用したり、または診断用補助試薬、例えば蛍光性置換基を用いて誘導体化するために官能基を使用することができる。
加えて、本発明は、請求項1の式Iで示される化合物またはその塩のひとつの製造方法に関し、それがその官能性誘導体のひとつを、加溶媒分解剤または水素化分解剤で処理することによって遊離させるか、または式II:
H−Z−OH II
[式中、Zは
である]のペプチドまたはそのようなペプチドの反応性誘導体を環化剤で処理するか、またはそれ自体式Iに対応するが、一つ以上の遊離アミノ基、酸基および/または活性化されたα炭素原子を有する環状ペプチドを、アルキル化、アシル化またはエステル化することによって誘導するか、および/または式Iの塩基性または酸性化合物を酸または塩基で処理することによってその塩のひとつに変換することを特徴とする、前記製造方法に関する。
上記および下記の基XおよびYは、特にことわらない限り式IおよびIIの場合に与えられた意味を有する。各基に対して使用される文字はアミノ酸に対する一字コードとは無関係である。
上記式において、アルキルは、好ましくはメチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルである。しかし、アルキルは、好ましくはさらにn−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルまたはn−ヘキサデシルである。
基Xは、好ましくはPhe、また好ましくはD−Phe、そしてまたPhe(4−Hal)、特にPhe(4−F)またはPhe(4−Cl)、およびhomo−PheまたはPhgであり、D体も同様に好ましい。
Yは、好ましくは疎水性アミノ酸残基であり、特にGly、Ala、Val、Leu、NleまたはIleである。
従って、本発明は、上記の基の少なくともひとつが上述した好ましい意味のひとつを有する式Iの化合物に関する。
好ましい化合物群は付属式Iaにより表わされ、これは式Iに対応する。ただし、
XはD−Phe、Phe、D−homoPhe、homoPhe、D−Phg、Phg、Phe(4−F)、D−Phe(4−F)、D−Phe(4−Cl)またはPhe(4−Cl)であり、および
Yは、Nle、hPro、Ahds、Aos、Nhdg、Acha、Aib、Acpa、Tle、Ala、LeuまたはIleであり、DおよびL体は同様に好ましい。
他の好ましい化合物群は付属式Ibにより表わされ、これは式Iに対応する。ただし、
XはD−PheまたはPheであり、および
Yは、Ahds、hPro、Aos、Nhdg、Acha、Aib、AcpaまたはTleであり、DおよびL体は同様に好ましく、そしてすべてのアミノ酸残基Arg、Gly又はAspは天然のL体中に存在する。
さらに好ましい化合物群は、アミノ酸残基XおよびYの一つだけがD体であり、他すべてがL体である以外は付属式IaおよびIb、および式Iに対応する付属式Icによって表わされる。
さらに、特に好ましいのは、付属式Ia、IbおよびIcに属する化合物の全ての生理学的に許容される塩である。
さらに、式Iの化合物および同様にそれらの製造のための出発物質は、文献[例えばHouben-Weyl,Methoden der Organischen Chemie(Methods of Organic Chemistry)Georg-Thieme-Verlag,Stuttgartのような標準的な本]に記載されている公知の方法によって、特に該反応に対して公知で適当な反応条件下に製造される。これに関連して、ここでより詳しく述べられていない公知の変法を使用することもできる。
所望により、出発物質は、またそれらが反応混合物から単離されずに式Iの化合物を与えるよう直ちに反応に付されるように、そのままの状態でつくられる。
式Iの化合物は、それらの官能性誘導体から、加溶媒分解、特に加水分解により、または水素化分解により遊離させることによって得られる。
加溶媒分解または水素化分解に対する好ましい出発物質は、ひとつ以上の遊離アミノ基および/またはヒドロキシル基の代りに適当な保護されたアミノ基および/またはヒドロキシル基を含むもの、好ましくは、窒素原子についている水素原子の代りにアミノ保護基をもつものであり、例としては、NH2基の代りにNHR′基(式中、R′はアミノ保護基、例えばBOCまたはCBZである)を含む以外は式Iに対応するものである。
他の好ましい出発物質は、ヒドロシル基の水素原子の代りにヒドロキシル保護基をもつものであり、例えばヒドロキシルフェニル基の代りにR″O−フェニル基(式中、R″はヒドロキシル保護基である)を含む以外は式Iに対応するものである。
二つ以上の、同じくまたは異なって保護されたアミノ基および/またはヒドロキシル基が、出発物質の分子中に存在することもできる。存在する保護基が互いに異なるならば、多くの場合、それらは選択的に脱離される。
“アミノ保護基”なる表現は、一般に知られていて、化学反応からアミノ基を保護(ブロッキング)することに適するが、所望の化学反応が分子中の他の位置で行われた後、容易に除去される基に関する。このような基の典型的なものは、特に、非置換または置換アシル、アリール、アルアルコキシメチルまたはアルアルキル基である。アミノ保護基は、所望の反応(または連続反応)後に除去されるので、それらの性質および大きさはそれほど厳密ではないが、1−20個、特に1−8個の炭素原子を有するものが好ましい。“アシル基”なる表現は、本製造方法に関して最も広い意味に解釈されるべきである。それは、脂肪族、芳香族脂式、芳香族または複素環式のカルボン酸またはスルホン酸から誘導されるアシル基、特に、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニルおよび、就中、アルアルコキシカルボニル基を含む。このようなアシル基の例は、アセチル、プロピオニル、ブチリル等のアルカノイル;フェニルアセチル等のアルアルカノイル;ベンゾイルまたはトルオイル等のアロイル;POA等のアリールオキシアルカノイル;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、BOC、2−ヨードエトキシカルボニル等のアルコキシカルボニル;CBZ(“カルボベンゾキシ”)、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、Fmoc等のアルアルキルオキシカルボニル;およびMtr等のアリールスルホニルである。好ましいアミノ保護基は、BOCおよびMtrであり、またCBZ、Fmoc、ベンジルおよびアセチルである。
“ヒドロキシル保護基”なる表現は、一般に知られていて、化学反応からヒドロキシル基を保護することに適するが、所望の化学反応が分子中の他の位置で行われた後、容易に除去される基に関する。このような基の典型的なものは、特に、非置換または置換アリール基、アルアルキル基またはアシル基およびアルキル基である。所望の反応または連続反応の後に除去されるので、ヒドロキシル保護基の性質および大きさはそれほど厳密ではないが、1−20個、特に1−10個の炭素原子を有するものが好ましい。ヒドロキシル保護基の例としては、ベンジル、p−ニトロベンゾイル、p−トルエンスルホニル、tert−ブチルおよびアセチルが含まれ、ベンジルおよびtert−ブチルが特に好ましい。アスパラギン酸およびグルタミン酸のCOOH基は、好ましくはtert−ブチルエステル(例えばAsp(OBut))の形で保護される。
出発物質として使用される式Iの化合物の官能性誘導体は、例えば特許出願公報および前述の標準的な本に記載されているようなアミノ酸およびペプチド合成の通常の方法によって、例えばメリフィールドによる固相法[B.F.Gysin and R.B.Merrifield,J.Am.Chem.Soc.94,3102ページ以下(1972)]によって製造される。
式1の化合物をそれらの官能性誘導体から遊離させるためには、使用される保護基によって、例えば強酸、好適にはTFAまたは過塩素酸、また塩酸または硫酸のような他の無機強酸、トリクロロ酢酸のような強有機カルボン酸、またはベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸のようなスルホン酸を用いて行われる。追加的な不活性溶媒を存在させることは可能であるが、常には必要でない。適当な不活性溶媒は、好ましくは、有機の、例えば酢酸のようなカルボン酸、テトラヒドロフランまたはジオキサンのようなエーテル、DMFのようなアミド、ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素、およびメタノール、エタノールまたはイソプロパノールのようなアルコール、および水である。上述した溶媒の混合物も適している。TFAは、好ましくは、さらに溶媒を加えることなく過剰な量で、過塩素酸は、酢酸と70%過塩素酸の9:1の比の混合物の形態で使用される。開裂に対する反応温度は、約0℃と約50℃の間であり、好適には15−30℃(室温)で行われる。
基BOC、OButおよびMtrは、例えば好ましくはジクロロメタン中TFAを使用して、または15−30℃でジオキサン中の約3−5N塩酸を用いて除去されるが、Fmoc基は、15−30℃でDMF中のジメチルアミン、ジエチルアミンまたはピペリジンの約5−50%溶液を使用して脱離される。
水素化分解により除去される保護基(例えばCBZまたはベンジル)は、例えば触媒(例えばパラジウム等の貴金属触媒、好ましくは活性炭のような担体上で)の存在下、水素で処理することにより脱離される。この場合における適当な不活性溶媒は、上述した溶媒、特にメタノールまたはエタノールのようなアルコール、またはDMFのようなアミドである。水素化分解は、原則として約0°と約100°の温度、および約1バールと約200バールの間の圧力、好ましくは20−30°および1−10バールで行われる。CBZ基の水素化分解は、例えばメタノール中、5−10%Pd−C上で、また20−30°でメタノール/DMF中、Pd−C上ギ酸アンモニウム(水素の代り)を使用して行うことができる。
式Iの化合物は、ペプチド合成の条件下において式IIの化合物を環化することによっても得られる。この場合反応は、好適には例えばHouben-Weyl,1.C.volume15・II,ページ1−806(1974)に記載されているようなペプチド合成の通常の方法に従って行われる。
反応は、好ましくは、約−10°と約40°の間、好ましくは0−30°で、例えばジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフランまたはジオキサンのようなエーテル、DMFまたはジメチルアセトアミドのようなアミド、アセトニトリルのようなニトリル等の不活性溶媒中、またはこれらの溶媒の混合物中で、脱水剤例えばDCCIまたはEDCI等のカルボジイミド、および加えて、プロパンリン酸無水物(参照Angew.Chem.92,129(1980))、ジフェニルホスホリルアジドまたは2−エトキシ−N−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリンの存在下において行われる。分子間ペプチド結合よりも分子内環化を促進するために、希釈溶液(希釈原理)中で行うことが好適である。
IIの代りに、これらの物質の適当な反応性誘導体、例えば反応性基が保護基によって中間的にブロックされたものを反応に使用することもできる。アミノ酸誘導体IIは、好適には例えばHOBtまたはN−ヒドロキシサクシンイミドの添加によりそのまま形成される活性エステルの形態で使用される。
一般に、式IIの出発物質は新規である。それらは、公知の方法、例えばペプチド合成および保護基の脱離の上述した方法によって製造される。
一般に、式R′−ZOR″、例えばBOC−Z−OMeまたはBOC−Z−OEt、の保護されたペンタペプチドエステルをはじめに合成し、先ず加水分解して式R′−Z−OH、例えばBOC−Z−OHを与え、保護基R′をこれらの酸から脱離して式H−Z−OH(II)の遊離ペプチドを与える。
式Iの化合物にそれ自体対応するシクロペプチドの誘導体形成は、アミンのアルキル化、カルボン酸のエステル化または脂肪族炭化原子における求核置換反応に対して知られており、且つ有機化学の教科書、例えばJ.March,Adv.Org.Chem.,John Wiley & Sons N.Y.(1985)に記載されているようなそれ自体公知の方法によって同様になされる。
式Iの塩基を、酸を用いて会合酸付加塩に変換できる。この反応に対して適当な酸は、特に生理学的に許容される塩を生成するものである。従って、無機酸が用いられ、例は硫酸、硝酸、塩酸または臭化水素酸のようなハロゲン化水素酸、オルトリン酸等のリン酸またはスルファミン酸等であり、または有機酸、特に脂肪族、脂環式、芳香族脂式、芳香族または複素環式モノまたは多塩基性カルボン酸、スルホン酸またはスルフリル酸、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマール酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、安息香酸、サリチル酸、2−または3−フェニルプロピオン酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、メタン−またはエタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレン−モノ−および−ジスルホン酸、およびラウリルスルフリル酸である。生理学的に許容されない塩、例えばピクリン酸塩は式Iの化合物の単離および/または精製のために使用される。
他方において、式Iの酸は、塩基との反応によって、その生理学的に許容される金属塩またはアンモニウム塩のひとつに変換される。この場合における特に適当な塩は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよびアンモニウムの塩、および例えば、ジメチル−、ジエチル−またはジイソプロピルアンモニウムの塩、モノエタノール−、ジエタノール−またはトリエタノールアンモニウムの塩、シクロヘキシルアンモニウム塩またはジシクロヘキシルアンモニウム塩、ジベンジルエチレンジアンモニウム塩といった置換アンモニウム塩、そしてまた、例えばN−メチル−D−グルカミン、アルギニンまたはリジンとの塩である。
式Iの新規化合物およびそれらの生理学的に許容される塩は、少なくとも一つの賦形剤または補助剤、および所望により一つまたはそれ以上の活性成分と一緒に、それらを適当な投与形態にすることによる医薬製剤の製造に用いられる。このようにして得られる製剤は、ヒトまたは動物の臨床における薬剤として使用できる。適当な賦形剤は、経腸(例えば経口または直腸)、非経腸(例えば静脈注射)または局所(例えば局部、経皮膚、経眼または経鼻)投与、または吸入スプレーの形態での投与に適し、該新規化合物と反応しない有機または無機物質であり、例としては水または等張食塩水溶液、低級アルコール、植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、グリセロールトリアセテートおよび他の脂肪酸グリセリド、ゼラチン、大豆レシチン、乳糖またはデンプンのような炭水化物、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはセルロースおよびワセリンである。経口投与には、特に素錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、シロップ剤、ジュース剤またはドロップ剤が有用であり、被覆錠剤および腸溶性被覆またはカプセル殻を有するカプセル剤は特に興味がある。直腸投与には座剤、非経腸投与には溶液剤、好ましくは油性または水性溶液剤、さらに懸濁剤、乳剤または埋め込み剤が用いられる。局所適用の適当な形態の例は、点眼剤の形態で使用される溶液剤、さらに、例えば懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤または湿布剤である。吸入スプレーとしての投与には、噴射ガスまたは噴射ガス混合物(例えばCO2またはフルオロクロロ炭化水素代替物)中に溶解または懸濁されている活性成分を含むスプレー剤が使用される。この場合、活性成分は好適には微粒子化されて用いられ、一つまたはそれ以上加えられる生理学的に許容される溶媒、例えばエタノールが存在していてもよい。吸入液は、通常の吸入器の助けを借りて投与できる。また、本新規化合物は凍結乾燥され、得られた該凍結乾燥体は、例えば注射剤の製造に用いられる。注射剤は、一度または連続注入(例えば静脈内、筋肉内、皮下または脊椎内)の形態で投与される。上述した製剤は、滅菌することができ、および/または保存料、安定剤および/または湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響する塩、緩衝剤、着色料および/または矯味剤等の補助剤を含む。所望により、それらは一つまたはそれ以上の活性成分、例えば一つまたはそれ以上のビタミンを含んでいてもよい。
一般に、本発明に記載の物質は、他の公知の市販ペプチドと同様にして、特に米国特許4 472 305に記載されている化合物と同様にして、好ましくは用量単位当たり0.05−500mg、特に0.5−100mgの用量で投与される。1日用量は、好ましくは約0.01−2mg/kg体重である。しかし、個々の特定の患者に対する特定の用量は、様々の因子、例えば使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、一般健康状態、性、食事、投与の時間および経路、排泄速度、薬剤の組み合わせおよび治療の対象である特定の疾患の重症度による。非経腸投与が好ましい。
さらに、式Iの新規化合物は、純粋な形態のインテグリンの製造のためのアフィニティーカラムクロマトグラフィー用のカラムの製造のためのインテグリンリガンドとして使用される。
この場合、リガンド、すなわち式Iのペプチド誘導体は、固定官能基を通して重合性支持体に共有結合している。
適当な重合性支持体物質は、ペプチド化学で公知の、好ましくは親水性をもつ重合体の固体面、例えばセルロース、セファロース又はセファデックス(Sephadex;商標名)、アクリルアミド、ポリエチレングリコールに基づく重合体またはテンタケル(Tentakel;商標名)重合体等の架橋多糖類である。
重合性支持体に結合している適当な固定官能基は、好ましくは2−12個の炭素原子を有する線状のアルキレン鎖であって、それは一方の末端で重合体に直接結合し、他の末端に例えばヒドロキシル、アミノ、メルカプト、マレイミドまたは−COOHを有し且つそれぞれのペプチドのC−末端部分またはN−末端部分に結合するのに適している。
この場合、ペプチドが重合体の固定基に直接、または同様第二の固定官能基を通して結合することができる。官能基化された側鎖を有するアミノ酸残基を含むペプチドが、これらの側鎖を通して重合体の固定官能基に結合することもできる。
さらに、式Iのペプチドの構成成分であるアミノ酸残基は、例えばSH、OH、NH2またはCOOH基を通して重合体の固定基との固定に利用されるように、それらの側鎖において修飾される。
これに関連して、異常アミノ酸が可能であって、例としてはフェニル環の4位にメルカプト、ヒドロキシル、アミノまたは官能基が鎖の末端に位置するカルボキシアルキル鎖をもつフェニルアラニン誘導体が挙げられる。
側鎖が固定官能基として直接使用できるアミノ酸残基の例は、例えばLys、Arg、Asp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、CysまたはTyrである。
N末端固定基の例は、例えば−CO−CnH2n−NH2、−CO−CnH2n−OH、−CO−CnH2n−SHまたは−CO−CnH2n−COOH等の基であり、ここでnは2−12であり、アルキレン鎖の長さは厳密ではなく、そして所望により、この鎖が、例えば適当なアリールまたはアルキルアリール基によって置き換わっていてもよい。
C末端固定基は、例えば−O−CnH2n−SH−、−O−CnH2n−OH、−O−CnH2n−NH2、−O−CnH2n−COOH、−NH−CnH2n−SH、−NH−CnH2n−OH、−NH−CnH2n−NH2または−NH−CnH2n−COOの基であり、ここでnおよびアルキレン鎖は共に、すでに前述されたものに適応する。
NおよびC末端固定基は、アミノ酸残基のすでに官能基化された側鎖に対する固定基成分としても使用される。この場合の適当なアミノ酸残基は、Lys(CO−C5H10−NH2)、Asp(NH−C3H6−COOH)またはCys(C3H6−NH2)のようなものであり、固定基は側鎖の官能基に常に結合している。
インテグリンを精製するためのアフィニティーカラムクロマトグラフィー用の物質は、アミノ酸の縮合においては通常であり且つそれ自体公知の条件で製造され、式Iの化合物の製造のところで既述されている。
アフィニティーカラムクロマトグラフィーカラムの製造のため重合体物質に固定化するためのシクロペプチドの使用に加えて、官能基化された側鎖をもつ化合物を診断用補助試薬、例えば蛍光置換体によるさらなる誘導体として利用することができる。
さらに、アミノ基、メルカプト基またはカルボキシ基等の官能基を、基XおよびYの側鎖に導入することもでき、そこからその官能基を使って、例えば免疫目的および/または抗体産生のためにタンパクとか他の高分子物質との結合体を製造することができる。
前記および後記のすべての温度は摂氏(℃)を意味する。以下の実施例で“通常の処理”は、必要であれば水を加え、混合物を中和し、エーテルまたはジクロロメタンで抽出し、層を分離し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過そして留去して濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーおよび/または結晶化により精製する。RTは保持時間(分)である。分析はリクロソルブ(Lichrosorb:商標名)RPセレクトB(7μm)−250×4mmカラム、溶出液A:0.3%TFA水溶液;溶出液B:2−プロパノール/水(8:2)中の0.3%TFA、Bは1−99%のグラジエントにして1ml/分の流速で50分そして215nmにおける検出でHPLCにより行われた。M+は、“高速原子衝撃”(FAB)法によって得られるマススペクトルにおける分子ピークである。
実施例 1
DMF15ml中のH−Arg(Mtr)−Gly−Asp(OBut)−D−Phe−hPro−ONa[例えば、Fmoc−NMe−Arg(Mtr)−Gly−Asp(OBut)−D−Phe−hPro−O−Wang(式中、−O−Wangは変形メリフィールド法で用いられる4−オキシメチル−フェノキシメチル−ポリスチレン樹脂の基)からピペリジン/DMFによりFmoc基を除去し、TFA/CH2Cl2(1:1)により樹脂を脱離して得られる]1.1gの溶液を、ジクロロメタン85mlでうすめ、NaHCO350mgを加える。ドライアイス/アセトン混合物中で冷却した後、ジフェニルホスホリルアジド40μlを加える。16時間室温に放置後、溶液を濃縮する。濃縮物をゲルろ過(イソプロパノール/水8:2のセファデックスG10カラム)し、次いでHPLCにより通常の方法で精製する。TFA/H2O(98:2)で処理し、シクロ−(Arg−Gly−Asp−D−Phe−hPro)、RT=18.5;FAB−MS(M+H):587、を与える。
以下のものが、同様にして対応する線状ペプチドの環化および保護基の除去によって得られる。
実施例 2
TFA8.4ml、ジクロロメタン1.7mlおよびチオフェノール0.9ml中のシクロ−(Arg(Mtr)−Gly−Asp−DPhe−DhPro)[実施例1に記載の環化によって得られる]0.28gの溶液を、室温で4時間放置し、次いで濃縮し、残渣を水でうすめ、次いで凍結乾燥する。セファデックスG10(酢酸/水1:1)上でのゲルろ過および上記の条件下での分取用HPLCによるつづいての精製によって、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−DhPro)を得る;FAB−MS(M+H):587。
以下のものが、同様にして得られる。
実施例 3
シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−hPro)[実施例1に従って得られる]80mgを、5−6回0.01m HClに溶解し、それぞれの溶解操作後に凍結乾燥する。HPLC、つづいての精製によって、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−hPro)×HClを得る。
以下のものが、同様にして得られる。
実施例 4
アフィニティー相を製造するために、N−マレイミドー(CH2)5−CO−NH−(CH2)3ポリマー[N−マレイミド−(CH2)5−COOHとH2N−(CH2)3ポリマーとの縮合によって得られる]0.9gを、0.1M燐酸ナトリウム緩衝液10ml中にpH7で懸濁し、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe(4−N−CO(CH2)2SH)−hPro)[H−DPhe(4−NH−BOC)−hPro−Arg(Mtr)−Gly−Asp−OHの環化、保護基の除去および例えば、Cl−CO(CH2)2SHによるアシル化によって得られる]1当量を4°で加える。反応混合物を4時間撹拌し、同時に室温に加温し、固体残渣をろ過し、各々10mlの緩衝液(pH7)で2回、次いで各々10mlの水で3回洗浄する。シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe(4−N−CO(CH2)2S−3−(N−マレイミド−(CH2)5−CONH−(CH2)3−ポリマー)−hPro))が得られる。
実施例 5
実施例4と同様にして、ポリマー−O−(CH2)3−NH2[市販]およびシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe(4−N−CO(CH2)4COOH)−hPro)[アジピン酸をシクロ−(Arg(Mtr)−Gly−Asp−DPhe−(4−NH−BOC)−hPro)と実施例4で述べた条件下に縮合することによって得られる]の縮合によって、次の重合体相、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe(4−N−CO(CH2)4−CO−NH−(CH2)3−O−ポリマー)−hPro)を与える。
次の実施例は医薬製剤に関するものである。
実施例A:注射バイアル剤
2回蒸留水3リットル中の式Iのシクロペプチド100gおよび重リン酸ソーダ5gの溶液を2N塩酸によりpH6.5に調節し、ろ過滅菌し、注射用バイアルに充填し、無菌条件下に凍結乾燥し、バイアルを無菌的に封をする。各注射用バイアルは5mgの活性成分を含有する。
実施例B:座剤
式Iの活性成分20gの混合物、大豆レシチン100gおよびココアバター1400gを混合したものを溶かし、型にながし、次いで冷やす。各座剤は20mgの活性成分を含有する。
実施例C:溶液剤
式Iの活性成分1g、NaH2PO42H2O 9.38g、Na2HPO4・12H2O 28.48gおよび塩化ベンザルコニウム0.1gを2回蒸留水940mlに溶かす。該溶液はpH6.8に調節され且つ1リットルとされ、照射によって滅菌される。該溶液は点眼剤の形で使用される。
実施例D:軟膏剤
式Iの活性成分500mgを無菌条件下にワセリン99.5gと混合する。
実施例E:錠剤
式Iのシクロペプチド100g、ラクトース1kg、微小結晶性セルロース600g、トウモロコシ澱粉600g、ポリビニルピロリドン100g、タルク80gおよびステアリン酸マグネシウム10gの混合物を、通常の方法で圧縮し、各錠剤が10mgの活性成分を含有するように錠剤とする。
実施例F:被覆錠剤
実施例Eで述べた様にして、錠剤は圧縮され、次いでショ糖、トウモロコシ澱粉、タルク、トラガントおよび着色料からなるコーティング剤で通常の方法で被覆される。
実施例G:カプセル剤
各カプセルが活性成分5mgを含有するように、通常の方法で式Iの活性成分で硬質ゼラチンカプセルを充填する。
実施例H:吸入スプレー剤
式Iの活性成分14gを等張NaCl溶液10リットルに溶解し、そして溶液を、商業的に入手できるポンプ機能を有するスプレー容器に充填して使用する。溶液は、口または鼻にスプレーすることができる。1回のスプレー噴射(約0.1ml)は、約0.14mgの用量に相当する。
Claims (5)
- 式I
シクロ−(Arg−Gly−Asp−X−Y) I
式中、
Xは、D−Phe、Phe、D−homoPhe、homoPhe、D−Phg、Phg、Phe(4−F)、D−Phe(4−F)、D−Phe(4−Cl)またはPhe(4−Cl)であり、
Yは、Nle、hPro、Ahds、Aos、Nhdg、Acha、Aib、Acpa、Tle、Ala、LeuまたはIleである、
で表されるシクロペプチドもしくは前記シクロペプチドのアスパラギン酸βエステルまたはアルギニンのN−グアニジン−アシル誘導体、またはそれらの生理学的に許容される塩。 - 請求項1に記載の
(b)シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−hPro);
(c)シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−Tle);
(e)シクロ−(Arg−Gly−Asp−Phe−Nhdg);
(f)シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−Acha);
(g)シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe(4−Cl)−Tle);
もしくは
(h)シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe(4−F)−Tle)
またはそれらの生理学的に許容される塩。 - 請求項1の式Iで表される化合物のひとつ以上の遊離アミノ基および/またはヒドロキシル基の代りにひとつ以上の保護されたアミノ基および/またはヒドロキシル基を持つ化合物を、加溶媒分解剤または水素化分解剤で処理することにより遊離させるか、または式II:
H−Z−OH II
[式中、Zは−Arg−Gly−Asp−X−Y−、
−Gly−Asp−X−Y−Arg−、
−Asp−X−Y−Arg−Gly−、
−X−Y−Arg−Gly−Asp−または
−Y−Arg−Gly−Asp−X−
である]のペプチドもしくはひとつ以上の反応性基が保護基によって保護された前記式IIのペプチドを環化剤で処理するか、および/または式Iの塩基性または酸性化合物を酸または塩基で処理することによってその塩のひとつに変換することを特徴とする、請求項1に記載の式Iで示される化合物又はその塩の製造方法。 - アフィニティーカラムクロマトグラフィー用リガンドとしての請求項1に記載の式Iで示される化合物の使用。
- アフィニティーカラムクロマトグラフィーによるα V β 3 、α V β 5 およびα IIb β 3 から選択される1または2以上のインテグリンの精製のための請求項1に記載の式Iで示される化合物の使用。
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