【発明の詳細な説明】
交換可能且つ安定したスエージングツール
背景
本発明は、スエージ取り付け具を管の端部に圧縮する、交換可能且つ安定した
スエージングツールに関する。
スエージ取り付け具は、航空機、海上、石油、および化学産業において、管の
端部を液密に連結するために、一般に用いられている。これらのスエージ取り付
け具は、典型的には、2つの管端部を受け取る互いに対向する開口部を有する円
筒形のスリーブを利用している。典型的には、各管回りのスリーブを圧縮変形し
てスリーブと各管との間に液密な関係を形成するために、スエージングツールが
用いられる。
一般に2つのタイプのスエージ取り付け具が用いられる。第1のタイプは、管
に対してスリーブ変形させ直接圧縮するためにスエージングツールを用いる。他
方、第2のタイプは、管に対してスリーブを圧縮するために、スエージングツー
ルによりスリーブ上を軸方向に移動する円筒形カラーを用いる。第1のタイプの
スエージ取り付け具は、半径方向にスエージングする取り付け具と呼ばれ、第2
のタイプのスエージ取り付け具は、軸方向にスエージングする取り付け具と呼ば
れる。これら2つのタイプのスエージ取り付け具は、特定の製造者により決定さ
れる多くのスタイルで入手可能であり、且つ異なる管のサイズに適合するように
異なるサイズで入手可能である。
現在、存在するスエージングツールは、(i)ハウジング内で退避位置から突
出位置まで移動可能なピストン、(ii)スリーブを保持するためにハウジング
に取り付けられた第1のスエージングアダプタ、および(iii)ピストンが突
出位置まで移動したときに、スリーブ上に半径方向の圧縮力を付与するために、
ピストンに取り付けられた第2のスエージングアダプタを利用する。第2のスエ
ージングアダプタは、(i)突出位置方向へのピストンの移動の間に管回りにス
リーブを直接圧縮するか、又は(ii)ピストンが突出位置方向に移動するとき
に、スリーブ上に軸方向に移動するようにカラーを保持するかのいずれかに合わ
せたサイズおよび形状を与えられている。
しかし、現存するスエージングツールは、スエージングアダプタが1つの特定
のタイプ、スタイル、および/またはサイズのスエージ取り付け具のみに適合す
るように設計されているため、不適切であることが判明している。そのため、異
なるタイプ、スタイルおよびサイズのスエージ取り付け具は、異なるスエージン
グツールを必要とする。さらに、いずれかのスエージングアダプタが摩耗および
/または損傷すると、スエージングツール全体が置換されなければならない。
これに加えて、現存するスエージングアダプタは、スエージ取り付け具の一部
分のみを掴むように設計されている。取り付け具を軸方向にスエージングするた
めにスリーブ上でカラーを軸方向に移動させるためには、かなりの力が必要であ
るため、スエージングアダプタの一方または両方が偏向および変形し得、そのた
めに、スエージングツールがスエージ取り付け具から外れてユーザを傷つける可
能性がある。
従って、多くの異なるタイプ、スタイルおよび/またはサイズのスエージ取り
付け具に適合可能なスエージングツールが必要とされている。さらに、摩耗およ
び/または損傷したスエージングアダプタを置換する必要がある。加えて、スエ
ージング中にスエージ取り付け具から外れない安定したスエージングツールが必
要である。
要旨
以下に詳細に述べるように、本発明は、これらの必要性を満たすスエージング
ツールに関する。本発明によるスエージングツールは、異なるタイプ、スタイル
、および/またはサイズのスエージ取り付け具に同一のスエージングツールが用
いられることを可能にする少なくとも1つの取り外し可能なスエージングアダプ
タまたは少なくとも1つのロック式スエージングアダプタを含む。さらに、取り
外し可能なスエージングアダプタは、摩耗および/または損傷したときに置換さ
れ得る。
本発明によると、管に取り付け具をスエージングするツールは、(i)部分的
に取り囲まれたチャンバを規定するハウジングと、(ii)チャンバ内に設けら
れて退避位置と突出位置との間を移動可能な、典型的にはピストンである、可動
部材と、(iii)ハウジングに取り付けられたハウジング顎部と、(iv)可
動部材に取り付けられ、退避位置から該突出位置方向への可動部材の移動により
静止軸に沿ってハウジング顎部に近づくようにハウジング顎部に整合された可動
顎と、(v)取り付け具のスリーブを保持する第1のスエージングアダプタと、
(vi)スリーブの外表面に半径方向のスエージング力を付与することができる
第2のスエージングアダプタとを含む。
第2のスエージングアダプタは、可動部材が退避位置から突出位置方向に移動
したときに、スリーブの外表面に半径方向の圧縮力を付与する。半径方向スエー
ジング型取り付け具の場合、第2のスエージングアダプタは、管に対してスリー
ブを直接圧縮する。軸方向スエージング型取り付け具の場合、スリーブ上で軸方
向に移動したときに管に対してスリーブを半径方向に圧縮させるようなサイズお
よび形状を有する円筒形カラーが用いられる。従って、第2のスエージングアダ
プタは、用いられるスエージ取り付け具のタイプに応じて、(i)突出位置への
可動部材の移動中に管回りにスリーブを直接圧縮するように、または(ii)可
動部材が突出位置方向に移動したときにカラーがスリーブ上で軸方向に移動する
ように、スリーブを半径方向に圧縮するために用いられるカラーを保持するよう
に、サイズおよび形状が決定される。
スエージングアダプタの一方はハウジング顎部内に設けられ、他方のスエージ
ングアダプタは可動顎部内に設けられる。スエージングアダプタの少なくとも一
方、好適にはスエージングアダプタの両方が、取り外し可能であり、他のスエー
ジングアダプタと交換可能であって、スエージングアダプタが用いられるスエー
ジ取り付け具の特定のタイプ、スタイル、およびサイズに適するように交換され
ることを可能にする。従って、多くの異なるタイプ、スタイル、およびサイズの
スエージ取り付け具に、同一のスエージツールが用いられ得る。
最適には、ハウジング顎部および可動顎部のそれぞれが、第1および第2のス
エージングアダプタの両方を交互に受け入れて抑制し、両方のスエージングアダ
プタが両方の顎部に交互に取り付けられ得るようにする。従って、第1または第
2のスエージングアダプタのいずれかが、ハウジング顎部または可動顎部のいず
れかの中に設けられ得る。この特徴は、スエージングアダプタの設計の均一性を
可能にし、スエージツールが取り囲まれた領域で効率的に動作し得るようにスエ
ージツールを回転可能にする。
この特徴は、第1および第2のスエージングアダプタがそれぞれ、同様の形状
およびサイズを有する外表面を含み、ハウジングおよび可動顎部がそれぞれ、い
ずれかのスエージングアダプタの外表面を交互に受け入れて保持するようなサイ
ズおよび形状を有するアダプタ開口部を有するようにすることにより達成され得
る。例えば、各スエージングアダプタの外表面は、互いに対向する実質的に平行
な側部を有し得、各アダプタ開口部は、スエージングアダプタの側部を受け入れ
るように間隔をあけた、互いに対向する実質的に平行な壁を含み得る。
さらに、アダプタ開口部内にスエージングアダプタを保持するために、各アダ
プタの各壁は垂直挿入片を含み、各スエージングアダプタの各側部は、挿入片を
受け入れてスエージングアダプタの軸方向移動を抑制する垂直溝を有し得る。ま
た、垂直挿入片は、スエージングアダプタの各側部上にあり得、垂直溝は、アダ
プタ開口部の壁内にあり得る。
スエージング中、用いられているスエージ取り付け具のタイプ、スタイルおよ
びサイズに応じて、特定のスエージ取り付け具をスエージングするためには、か
なりの力が必要である。従って、可動顎部およびハウジング顎部はかなりの力を
受け得、それにより可動顎部の偏向および/または変形を引き起こし得る。
スエージング中に可動顎部が偏向することを防止するために、ハウジングの外
表面は、少なくとも1つのリップを有し、さらなるサポートが必要な場合は、2
つのリップを有する。リップはチャンバの長手方向軸に実質的に平行に延びる。
各リップに関して、可動顎部は、リップと摺動的係合関係を有するキャッチを有
する。リップとキャッチとの間の摺動係合関係は、スエージング中の可動顎部の
偏向を阻止し、静止軸に沿った可動顎部とハウジング顎部との整合を保持し、チ
ャンバ内の可動部材のスムーズな移動を可能にする。
可動顎部の偏向を阻止する更なるサポートとして、可動顎部は、可動顎部の後
方面から離れる方向に延びる、少なくとも1つの、より好適には2つのトランス
ファアームを有し得る。各トランスファアームは、ハウジングと摺動的係合関係
にある底面を含む。底面とハウジングとの間の摺動的係合関係もまた、スエージ
ング中の可動顎部の偏向を阻止し、静止軸に沿った可動顎部とハウジング顎部と
の整合を保持し、チャンバ内の可動部材のスムーズな移動を可能にする。
上述したように、特定の軸方向スエージング型取り付け具をスエージングする
ためには、かなりの力が必要である。そのため、最適には、スエージングアダプ
タの少なくとも一方が、軸方向スエージング型取り付け具の一部分を実質的に取
り囲むロック式スエージングアダプタを含み、スエージングアダプタの一方また
は両方あるいは顎部のいずれかのいかなる偏向および/または変形によっても、
スエージツールが取り付け具から外れないようになっている。このように、ロッ
ク式スエージングアダプタは、スエージツールがスエージ取り付け具から外れる
ことを防止し、それによりユーザを傷つける可能性を回避する。
各ロック式スエージングアダプタは、互いに対向する実質的に平行な側部を有
する上部および下部を含み得る。各顎部は、上部および下部を受け入れるように
間隔をあけた、互いに対向する実質的に平行な壁を有するアダプタ開口部を含み
得る。従って、上部および下部の側部は、各アダプタ開口部に適合する。
さらに、スエージングアダプタ開口部内に下部を保持するために、各アダプタ
開口部の各壁は、垂直挿入片を含み得、各下部の各側部は、挿入片を受け入れて
下部の軸方向移動を抑制する垂直溝を含む。別の例では、垂直挿入片は、下部の
各側部上にあり、垂直溝はアダプタ開口部の壁内にある。
ロック式アダプタの上部は、顎部の一方にヒンジで連結されたヒンジコーナと
、ヒンジコーナ回りに回動してスエージ取り付け具をロック式スエージングアダ
プタに受け入れる、対向する解放可能コーナとを有する。顎部は、アクティベー
トされると解放可能コーナを顎部に安定的に取り付けて、軸方向スエージング型
取り付け具を上部と下部この間に保持する、選択的にアクティベートされるラッ
チを含む。また、ヒンジコーナは下部にヒンジで連結され得、下部は解放可能コ
ーナを選択的に保持するラッチを含み得る。
本発明は、取り外し可能で交換可能なスエージングアダプタを提供し、異なる
タイプ、スタイルおよびサイズのスエージ取り付け具に同一のスエージツールが
用いられ得るようにする。さらに、スエージツールは、スエージ取り付け具を実
質的に取り囲む少なくとも1つのロック式スエージングアダプタを含み得、スエ
ージング中にスエージツールがスエージ取り付け具からはずれてスエージツール
のユーザを傷付けないことを保証する。
図面
本発明の上記および他の特徴、局面および利点は、以下の記載、添付の請求の
範囲および添付の図面を参照することによって、より良く理解できる。
図1は、本発明の特徴を有するスエージングツールの分解斜視図である。
図2は、退避位置における可動部材を示す、図1のツールの軸方向スエージン
グ型取り付け具の側断面図である。
図3は、突出位置における可動部材を示す、図2の軸方向スエージ取り付け具
およびスエージングツールの側断面図である。
図4は、図3の4−4線に沿った断面図である。
説明
図面を参照して、スエージ取り付け具12を管14に連結する、本発明のスエ
ージングツール10を説明する。スエージングツール10は、(i)ハウジング
16、(ii)可動部材18、(iii)ハウジング顎部20、(iv)可動顎
部22ならびに(v)第1および第2のスエージングアダプタ24および26を
含む。
以下の記載において、本発明の一実施形態およびそのいくつかの変形例を詳細
に述べる。以下の記載は、本発明を特定の実施の形態またはその特定の変形例に
限定するものではない。当業者であれば、他の多くの実施の形態および変形例が
可能であることを認識する。本発明の完全な範囲の定義は、添付の請求の範囲に
よる。
上述したように、2つのタイプのスエージ取り付け具12は共通して用いられ
る。両方のタイプのスエージ取り付け具12は、管14を受け取る、中空の管形
状スリーブ28を有する。第1のタイプは、スエージングツール10を用いて、
管14に対してスリーブ28の外表面30を変形させ直接圧縮する。他方、第2
のタイプは、スエージングツール10によってスリーブ28上を軸方向に移動す
る円筒形カラー32を用いて、管14に対してスリーブ28を圧縮する。第1の
タイプのスエージ取り付け具12は、半径方向にスエージングされる取り付け具
と呼ばれ、第2のタイプのスエージ取り付け具12は、軸方向にスエージングさ
れる取り付け具と呼ばれる。
図に示すスエージ取り付け具12は、軸方向にスエージングされる取り付け具
であり、管状スリーブ28は、互いに対向するスリーブ端部34aおよび34b
を有する。スリーブ端部34aおよび34bは、それぞれ管14の端部を受け取
る。また、互いに対向するスリーブ端部34aおよび34bの一方が、雄ねじま
たは雌ねじをきった面(図示せず)を有し得ていてもよく、および/またはスエ
ージ取り付け具12がT字、エルボーまたは他の何らかの形状を有する取り付け
具であってもよい。
スエージ取り付け具12の長さおよび形状は、特定の使用目的、連結される管
14のサイズ、連結に必要な圧力レーティング、および製造者の好みにより変化
する。例えば、製造者が、(i)スリーブ28、(ii)カラー32、(iii
)スリーブ28の接触面36、および(iv)カラー32の接触面38のサイズ
および形状を決定する。図面に示す実施の形態において、スリーブ28の接触面
36は、スリーブ28内の管状溝であり、カラー32の接触面38は、管状カラ
ー32の、管状リング形状の端部である。
図面に示すスエージ取り付け具12は、参考のためここに援用する、1994
年9月20日発行のHosseinianらの米国特許第5,347,701号に開示され
ているスエージ取り付け具12と同様である。
ハウジング16は、スエージングツール10の構成を提供する。可動部材18
、ハウジング顎部20および可動顎部22は、静止状態または摺動的にハウジン
グ16に連結されている。ハウジング16は、鋼などの適切な材料により構成さ
れており、(i)長手方向軸42を有する、部分的に取り囲まれたチャンバ40
および(ii)ハウジング外表面44を含む。
チャンバ40の設計は、可動部材18の設計によって変化する。図面に示す実
施の形態において、チャンバ40は実質的に直立した円筒形状を有し、前キャビ
ティ46、中間キャビティ48および後キャビティ50を有する。前キャビティ
46は可動部材18を案内して摺動的に密閉し、中間キャビティ48は可動部材
18を案内し、後キャビティ50は可動顎部22を案内する。可動部材18の形
状に対応するために、前キャビティ46の断面直径は中間キャビティ48の断面
直径よりも大きい。後キャビティ50は、ハウジング16を貫通して可動顎部2
2を受け取る、矩形開口部52を有する。
ハウジング外表面44の設計は変更し得る。例えば、図面に示す実施の形態に
おいて、ハウジング外表面44は、入り口端部54と、対向する戻り端部56と
、ハウジング上部58と、ハウジング底部60と、互いに対向するハウジング側
部62とを有し、実質的に矩形である。ハウジング外表面44は、実質的に直立
した円筒形状を有していてもよい。
スエージングツール10の組み立てを可能にするために、入り口端部54は、
入り口端部54からチャンバ40内に延びる、雌ねじをきった面64を含む。雌
ねじをきった面64は、チャンバ40の長手方向軸42と一致する長手方向軸6
6を有する。前キャップ68は、入り口端部54の雌ねじをきった面64にねじ
込まれる。前キャップ68は、(i)ハウジング16の入り口端部54の雌ねじ
をきった面64と対をなして面64にねじこまれる、雄ねじをきった面と、チャ
ンバ40の前キャビティ46を形成する内表面とを有する、中空の管状ボディ7
0と、(ii)管状ボディ70の一端を実質的に取り囲む前部72、(iii)
ハウジング16から離れる方向に前部72から横方向に延びる入り口バルブ74
、および(iv)前部72を貫通して入り口バルブ74と前キャビティ46とが
液的に連通することを可能にする入り口開口部76を有する。
入り口バルブ74は、加圧された気圧または液圧供給部(図示せず)への連結
を可能にする迅速連結カプリング78を含む。さらに、入り口バルブ74は、前
キャップ68をハウジング16に組み合わせる六角形レンチ面80を含む。
ハウジング16の戻り端部56は、戻り端部56からチャンバ40の後キャビ
ティ50へ延びる、雌ねじをきった面82を有する。雌ねじをきった面82は、
チャンバ40の長手方向軸42と一致する長手方向軸84を有する。端部キャッ
プ86は、戻り端部の雌ねじをきった面82にねじ込まれる。端部キャップ86
は、(i)ハウジング16の戻り端部の雌ねじをきった面82と対をなして面8
2にねじこまれる、雄ねじをきった面と、圧縮ばね90を受け取る内表面とを有
する、中空の管状ボディ88と、(ii)管状ボディの一端を実質的に取り囲む
後部92、および(iii)端部キャップ86をハウジング16に組み合わせる
スクリュードライバ(図示せず)を受け取る、後部92内のスロット94を有す
る。
ハウジング上部58は、(i)入り口端部54から前および中間キャビティ4
6および48上に延び得る実質的に平坦な面96および(ii)ハウジング上部
58を貫通して後キャビティ50に延びる、可動顎部22用の矩形開口部52を
有する。水平リップ98は、互いに対向するハウジング側部62から横方向に、
矩形開口部52に沿って且つチャンバ40の長手方向軸42に実質的に平行に延
びる。各リップ98内にスロット100が形成され、可動顎部22をハウジング
16に組み合われることを可能にする。
可動部材18は、チャンバ40内に設けられ、退避位置102と突出位置10
4との間を、チャンバ40の長手方向軸42に沿って軸方向移動することができ
る。図面に示す実施の形態において、可動部材18は、直立した円筒形状ピスト
ンであり、(i)ピストン側面106、(ii)ピストン面108および(ii
i)ピストン後部110を有する。
図面に示すピストン側面106は、チャンバ40の前キャビティ46と軸方向
摺動係合関係にある前方部106aと、チャンバ40の中間キャビティ48と軸
方向摺動係合関係にある後方部106bとを有する。図面に示す実施の形態にお
いて、前方部106aは、後方部106bよりも大きい断面直径を有する。さら
に、前方部106aは、ピストンの前方部106aを前キャビティ46に摺動的
に密閉するOリング114または他のタイプのシールを受け取る、2つの環状溝
112を有する。
図2および図3に示すように、加圧液体または気体供給の十分な量が入り口バ
ルブ74を介してピストン面108方向に解放されると、ピストンが退避位置1
02から突出位置104へ移動する。
ピストン後部110は、ボルト118を受け取って可動顎部22をピストンに
取り付ける、雌ねじをきった面116を有する。可動部材18および可動顎部2
2が多くの異なる方法でも取り付けられ得る。例えば、雄ねじをきった部材(図
示せず)がピストン後部110から延びて対になるナット(図示せず)がピスト
ンを可動顎部22に取り付けるために用いられ得る。
圧縮ばね90は、可動顎部22と端部キャップ86との間に置かれて、ピスト
ンを突出位置104から退避位置102まで戻す。図2および図3に示すように
、圧縮ばね90は、加圧された供給がピストンを退避位置102から突出位置1
04方向へ移動したときに圧縮される。加圧された供給が取り除かれると、圧縮
ばね90はピストンを退避位置102に戻す。
また、可動部材18は、退避位置102と突出位置104との間で、チャンバ
の長手方向軸42に沿った軸方向移動をすることができる何らかの他の装置であ
ってもよい。例えば、可動部材18は、雄ねじをきった面の回転により退避位置
102と突出位置104との間を移動する、雌ねじをきった面を有するボディ(
図示せず)であってもよい。
ハウジング顎部20は、戻り端部56近傍のハウジング上部58から上方に延
びてハウジング上部58に安定的に取り付けられている。図面に示す実施の形態
において、構成を一体化するため、ハウジング顎部20は、ハウジング16の一
部分として製造されている。ハウジング顎部20は、ハウジング16に安定的に
取り付けられた別体の片であってもよい。
ハウジング顎部20は、第1または第2のスエージングアダプタ24または2
6のいずれかを受け取って抑制する。好適には、ハウジング顎部20は、第1の
スエージングアダプタ24と第2のスエージングアダプタ26とを交互に受け取
って抑制するアダプタ開口部120aを有し、それにより、スエージングアダプ
タ24および26が他のタイプ、スタイルおよび/またはサイズのスエージ取り
付け具12に適合するスエージングアダプタと交換可能であり且つスエージング
ツール10が逆に動作し得る。従って、ハウジング顎部20のサイズおよび形状
は、第1および第2のスエージングアダプタ24および26のサイズおよび形状
に応じて変化する。
図面に示す実施の形態において、スエージングアダプタ24および26は、実
質的に矩形の外表面122を含む。従って、ハウジング顎部20のアダプタ開口
部120aは実質的に矩形であり ハウジング顎部20は、ハウジング上部58
上に互いに間隔をあけて実質的に垂直に延びる2つの壁124aを含み、スエー
ジングアダプタ24および26のいずれかを受け取るようになっている。各壁1
24aから横方向に延びる少なくとも1つの垂直挿入片126aが、スエージン
グアダプタ24および26の軸方向移動を抑制するために用いられ得る。さらに
、一対の実質的に平行なフランジ128aが各壁124aから垂直に延びて、ハ
ウジング顎部20内にスエージングアダプタ24および26を保持する。
また、スエージングアダプタ24および26の外表面122が異なる形状、す
なわち、円筒形状を有する場合、アダプタ開口部120aは、ハウジング顎部2
0内の円筒形状のスエージングアダプタ24および26を取り外し可能に受け取
るように設計される。
可動顎部22は、可動部材18に取り付けられて可動部材18と共に移動する
。さらに、可動顎部22は、ハウジング顎部20と整合されて、退避位置102
から突出位置104方向への可動部材18の移動により、可動顎部22が、チャ
ンバの長手方向軸42からオフセットした静止軸上で、ハウジング顎部20に近
づくようになっている。
可動顎部22は、第1または第2のスエージングアダプタ24または26のい
ずれかを受け取って抑制する。好適には、可動顎部22は、第1のスエージング
アダプタ24と第2のスエージングアダプタ26とを交互に受け取るアダプタ開
口部120bをも含み、それにより、スエージングアダプタ24および26が他
のタイプ、スタイルおよび/またはサイズのスエージ取り付け具12に適合する
スエージングアダプタと交換可能であり且つスエージングツール10が逆に動作
し得る。
可動顎部22は、(i)垂直に延びて可動顎部22のアダプタ開口部120b
を規定する、実質的に平行な壁124bにより、隅が角張ったU字形状の断面を
有する、顎ボティ130、(ii)顎ボティ130の底部134に取り付けられ
た中空の管状保持部材132、(iii)顎ボティ130の底部134から延び
て、保持部材132の互いに対向する面上にありリップ98と摺動的に係合する
、一対の互いに対向するキャッチ136および(iv)顎ボディ130の後方面
140から延びる一対のトランスファアーム138を含む。
各壁124bから横方向に延びる、少なくとも1つの垂直挿入片126bが、
スエージングアダプタ24および26の軸方向移動を抑制するために用いられ得
る。さらに、一対の実質的に平行なフランジ128bが各壁124bから垂直に
延びて、可動顎部22内にスエージングアダプタ24および26を保持する。
また、スエージングアダプタ24および26の外表面22が異なる形状、すな
わち、円筒形状を有する場合、可動顎部22のアダプタ開口部120bは、円筒
形状のスエージングアダプタ24および26を取り外し可能に受け取るように設
計される。
管状保持部材132は、顎ボディ130の底部134に安定的に取り付けられ
る。保持部材132は、後部キャビティ50と摺動係合関係にある外表面132
aと、ボルト118を受け取りボルトのヘッド118aにより保持される内表面
132bとを有する。保持部材132はまた、圧縮ばね90を受け取って保持す
る凹部領域142を有する。
キャッチ136は、L字形状の断面を有し、顎ボディの底面134から保持部
材132の互いに対向する側面へ下方向に延びる。スエージング中に可動顎部2
2が偏向することを防止するために、キャッチ136は、リップ98を摺動係合
的に協動して、スエージング中の可動顎部22の偏向を阻止し且つ静止軸に沿っ
た可動顎部22とハウジング顎部との整合関係を保持する。
トランスファアームは、顎ボディ130の壁124bの後方面140から離れ
る方向に延びる。トランスファアーム138は、ハウジング16の平坦面96に
摺動係合状態で接する底面144を有する。トランスファアームの底面144と
ハウジング16の平坦面96との間の摺動係合は、協動して、スエージング中の
可動顎部22の偏向を阻止し且つ静止軸に沿った可動顎部22とハウジング顎部
との整合を保持する。
第1のスエージングアダプタ24は第1のグリップ面146を有し、第1のグ
リップ面146は、スリーブ28の接触面36を保持し、スリーブ28が第2の
スエージングアダプタ26から離れる方向に軸方向移動することを防止する。従
って、第1のグリップ面146の設計は、スリーブ28の接触面36の設計に応
じて変化する。図面に示す実施の形態において、スリーブ28の接触面36は、
環状溝である。従って、第1のグリップ面146は、半円形状の断面を有する開
口部を有する突出リップ148を含む。開口部が環状溝に適合する。第1のグリ
ップ面146は、部分的にスリーブ28を取り囲む半円形状の断面を有する開口
部を有する取り囲み面150をも含む。第1のスエージングアダプタ24がロッ
ク式スエージングアダプタである場合、突出リップ148は、半円形状の開口部
を有し、取り囲み面150はスリーブ28を取り囲む円形の断面部を有する開口
部を有する。
第2のスエージングアダプタ26は、可動部材18が退避位置102から突出
位置104方向に移動するときにスリーブ28上に半径方向の圧縮力を付与する
第2のグリップ面152を含む。半径方向スエージング型取り付け具の場合、第
2のグリップ面152は、管14に対してスリーブ28を直接圧縮する。このこ
とは、第2のスエージングアダプタ26が、第2のスエージングアダプタ26が
スリーブ28上を移動したときにスリーブ28を半径方向に圧縮するテーパ状の
内表面(図示せず)を含むようにすることにより達成される。軸方向スエージン
グ型取り付け具の場合は、円筒形状カラー32が、管14に対してスリーブ28
を圧縮する。このように、第2のスエージングアダプタ26は、可動部材18が
突出位置104まで移動したときにカラー32がスリーブ28上で軸方向に移動
するように、カラー32を保持する。従って、第2のグリップ面152の設計は
、カラー32の接触面38の設計によって変化する。
図面に示す実施の形態において、カラー32の接触面38は、環状リング形状
である。従って、第2のグリップ面152は、管14を部分的に取り囲む半円形
状の断面を有するクリアランスリング154と、カラー32の接触面38に接す
る衝撃側面156とを有する。第2のスエージングアダプタ26がロック式スエ
ージングアダプタである場合、クリアランスリング154は、円形状の断面を有
し、管を取り囲む。
図面に示す実施の形態において、スリーブ28の接触面36とカラー32の接
触面38とは、同一のサイズでもないし、形状も異なる。従って、第1のグリッ
プ面146を、カラー32の接触面38を保持するために用いることはできない
し、第2のグリップ面152を、スリーブ28の接触面36を保持するために用
いることもできない。しかし、接触面36および38のサイズおよび形状が同一
であれば、第1および第2のグリップ面146および152はサイズおよび形状
が同じであり得る。
上述したように、スエージングアダプタ24および26のいずれか一方のみが
各顎部20および22に設けられる。好適には、スエージングアダプタ24およ
び26の一方、より好適にはスエージングアダプタ24および26の両方が、顎
部20および22から取り外し可能であり且つ他のスエージングアダプタ24お
よび26と置換可能であり、スエージングアダプタ24および26が使用中のス
エージ取り付け具12のタイプ、スタイルおよびサイズに適するように交換可能
である。さらに、ハウジング16および可動顎部22は、スエージングアダプタ
24および26を交互に受け取り、スエージングツール10が回転できるように
なっている。
図面に示す実施の形態において、スエージングアダプタ24および26の外表
面122は、ハウジング顎部20または可動顎部22のいずれかのアダプタ開口
部120aまたは120bに適合するようなサイズを有し、いずれかのスエージ
ングアダプタがいずれかの顎部20または22に交互に取り付けられ得るように
なっている。スエージングアダプタ24および26の一方または両方が、スエー
ジングツール10がスエージ取り付け具12から滑り落ちないようにスエージ取
り付け具12を実質的に取り囲むロック式アダプタであり得る。
図面に示すスエージングアダプタ24および26の外表面122のそれぞれは
、実質的に矩形であり、互いに対向する実質的に平行な側部158、上部160
、および対向する底部162を有する。しかし、外表面122の形状及びサイズ
は、変更し得る。図面に示すスエージングアダプタ24および26はそれぞれ、
上部164と下部166とを有する。スエージングアダプタ24および26がロ
ック式アダプタでない場合、スリーブ28および/またはカラー32の接触面の
軸方向移動を防止するためには、下部166のみが必要である。少なくとも下部
166、および好適には上部164が、顎部20および22の垂直挿入片126
を受け取る、少なくとも1つの垂直溝168を有する。
図面に示す実施の形態において、上部164は、顎部の一方にヒンジで連結さ
れたヒンジコーナ170と、ヒンジコーナ170回りに回動してスエージ取り付
け具12をスエージングアダプタ24および26に受け入れる、対向する解放可
能コーナ172とを有する。図面に示す実施の形態において、ヒンジコーナ17
0と解放可能コーナ172とはそれぞれ、一対の横方向に延びる突起174を含
み得る。突起174は、壁のフランジ128aと128bとの間に挿入され得る
。孔176は、フランジ128aおよび128bおよびヒンジコーナ170上の
突起174を横方向に貫通し、ボルト178が孔178内に設けられてヒンジコ
ーナ170の回転を容易にしている。ヒンジコーナ170は多くの異なる方法で
実施され得る。例えば、上部164が下部166にヒンジで連結され得る。
顎部20および22は、選択的にアクティベートされたラッチ180を含み得
、ラッチ180はアクティベートされると上部の取り外し可能なコーナ172を
安定的に取り付けて、スエージ取り付け具12が上部164と下部166との間
に保持されるようになっている。図面に示す実施の形態において、ラッチ180
は、逆L字形状の断面を有し、ラッチボルト182で取り付けられ、ラッチボル
ト182は顎部20および22内の雌ねじをきったラッチボルト開口部183に
ねじ込まれている。ラッチ180は、各顎部上で回動して上部164上方に達し
て、解放可能コーナ172が顎部から離れる方向に上昇することを防止する。解
放可能コーナ172は多くの異なる方法で保持され得る。例えば、ラッチ180
が下部166の直接取り付けられ得る。
動作中において、軸方向スエージング型取り付け具の場合、管14がスリーブ
28内に置かれ、スリーブ28は、可動部材18が退避位置102にある状態で
スエージングツール10内に置かれる。スリーブ28の接触面36は、第1のス
エージング部材24により保持され、カラー32の接触面38は、第2のスエー
ジング部材26により保持される。その後、可動部材18は、退避位置102か
ら突出位置104方向に移動する。可動部材18と可動顎部22との移動により
、カラー32がスリーブ28上を移動する。この移動中、カラー32は管14に
対してスリーブ28を半径方向に圧縮し、それによりスエージ取り付け具12を
圧縮する。スエージ取り付け具12が圧縮された後、可動部材18は退避位置1
02に戻る。
第1および第2のスエージングアダプタ24および26は、顎部20および2
2から取り外し可能であり、他のスエージングアダプタ24および26に置換さ
れ得る。それにより、異なるタイプ、スタイルおよび/またはサイズのスエージ
取り付け具12に、同一のスエージングツール10が用いられ得る。好適には、
第1および第2のスエージングアダプタ24および26は交換可能であり、それ
によりスエージングツール10が取り囲まれた領域で用いられるように回転可能
になる。トランスファアーム138の底面144とハウジング外表面44との間
の摺動的係合、およびリップ98とキャッチ136との間の摺動的係合は、可動
顎部22が持ち上がること及び/又は偏向することを防止する。
スエージングアダプタ24および26の上部164は、そのヒンジコーナ17
0回りに回転して、スエージ取り付け具12をスエージングアダプタ24および
26に受け入れる。スエージ取り付け具12がスエージングアダプタ24および
26内に入った後、解放可能コーナ172はラッチ180により安定的に取り付
けられて、スエージング中にスエージングツール10がスエージ取り付け具12
から外れることを防止する。
本発明を好適な実施の形態に照らしてかなり詳細に述べてきたが、他の変形例も
可能である。従って、添付の請求の範囲の思想および範囲は、本明細書に含まる
好適な実施の形態の記載に限定されるべきではない。
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P,KR
【要約の続き】
ージングアダプタ(24、26)のうちの少なくとも一
方が顎部(20、22)の一方に取り外し可能に取り付
けられて、異なるタイプ、スタイル、またはサイズのス
エージ取り付け具には異なるスエージングアダプタが用
いられ得るようになっている。