JPH11506262A - ガス充填形放電ギャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ガス充填形放電ギャップにおいていわゆる明暗効果、即ち暗貯蔵後の最初の点弧と２回目の点弧との間の点弧電圧の差を最適化するために、複数の成分から成る活性化コンパウンドに別の成分としてセシウム及びタングステン、クロム、ニオブ、バナジウム又はモリブデンのようないわゆる遷移金属から成る酸化物化合物を５〜２５重量％の量で添加する。活性化コンパウンドの別の成分は基本成分としてバリウム化合物及び例えばチタンなどの金属の形のいわゆる遷移金属及びアルカリ−又はアルカリ土類ハロゲン化物及びケイ酸ナトリウム及び／又はケイ酸カリウムである。

Description

【発明の詳細な説明】 ガス充填形放電ギャップ 本発明は電子デバイスの分野において、少なくとも２個の電極を有するガスで 充填された放電ギャップの形で使用可能であり、点弧特性を保証するために少な くとも電極の１つに複数の成分から成る電極活性化コンパウンドが施されている デバイスに関する。 火花ギャップ又は避雷器のような希ガスで満たされた放電ギャップにおいて点 弧電圧、応答時間、静的応答電圧及び動的応答電圧、消弧電圧及びグロー燃焼電 圧のようなそれぞれ所望の作動挙動を保証するために、電極の構造形態、ガス充 填の方式と圧力及び電極の活性表面に施された活性化コンパウンドの選択のよう な種々の措置を相互に調和させる必要がある。その際一定の点弧率を形成するた めにガラス又はセラミックス絶縁体の内壁に単数又は複数の点弧片の配置、場合 によっては特殊なイオン化源の設置が一般的である。例えばセラミックス絶縁体 の端面側に挿入される２つの電極を有する避雷器が公知であり、それらの互いに 向き合う電極表面は活性化コンパウンドで覆われており、そのコンパウンドは電 極表面のくぼみに配置されている。この内壁にセラミック絶縁体の軸方向に延び る複数の点弧片が配置されており、それらはいわゆる中心点弧片として直接電極 に接続することなく形成されている（米国特許第４２６６２６０号及びドイツ連 邦共和国特許第２８２８６５０号明細書）。更にその作動中に外部からの光の影 響に対してカプセル化された空間に配置されているガスで充填された避雷器では 、絶縁体の内壁に付加的なイオン化源が放射性物質から成る点状堆積物の形で配 置されている。或いは避雷器の充填ガスは放射性ガスから成っていてもよい（米 国特許第３７５５７１５号明細書）。ガス充填形避雷器において暗部内に極めて 僅かな点弧遅延を保証するために付加的イオン化源としてエレクトロルミネセン ス物質を使用することが公知であり、これが避雷器の両電極を接続する被覆とし て絶縁体の内壁に施されている（ドイツ連邦共和国特許第４３１８９４４号明細 書）。 請求項１の上位概念の特徴を有する火花ギャップ又は避雷器のようなガス充填 形放電ギャップから出発して、本発明の課題は付加的イオン化源を使用すること なく暗部の点弧遅延が極めて僅かな放電ギャップを形成することにある。 この課題を解決するために本発明によれば、避雷器の電極の少なくとも１つに 施される複数の成分から成る電極活性化コンパウンドは、約３０〜６０重量％の 量の単数又は複数のアルカリ−又はアルカリ土類ハロゲン化物及び／又はケイ酸 ナトリウム及び／又はケイ酸カリウムの形の通常の基本成分の他に、別の成分と してバリウム化合物及びチタン、ハフニウム、ジルコニウム、バナジウム、ニオ ブ又はクロムのようないわゆる遷移金属を金属の形でそれぞれ５〜２５重量％、 及びセシウム及びタングステン、クロム、モリブデン、ニオブ又はバナジウムの ようないわゆる遷移金属から成る酸化物化合物、即ちタングステン酸セシウム（ Ｃｓ₂ＷＯ₄）、クロム酸セシウム（Ｃｓ₂Ｃｒ₂Ｏ₇）、モリブデン酸セシウム（ ＣｓＭｏＯ₄）、ニオブ酸セシウム（ＣｓＮｂＯ₃）又はバナジウム酸セシウム（ ＣｓＶＯ₃）を同様に約５〜２５重量％の量で含んでいる。 本発明による組成の活性化コンパウンドを使用する場合、第１の点弧の点弧電 圧は放電ギャップの２４時間の暗貯蔵後このような放電ギャップのユーザにより 要求される帯域幅以内にあり、特に第２の点弧値の点弧電圧から１０〜１５％以 上逸れることはない。本発明の枠内で行われるタングステン酸セシウム又は他の セシウム化合物を活性化コンパウンドの付加的成分として使用することは、更に 極めて良好な放電ギャップの消弧特性及び安定な電気特性を一層長い暗貯蔵後及 び電気負荷の後にも保証する。この場合の電気特性は特に定格誘導サージ電流及 び定格誘導交流及び寿命負荷である。 本発明により達成される利点は特に、電極活性化コンパウンドの成分中にバリ ウム化合物、有利にはバリウム−アルミニウム合金（ＢａＡｌ₄）、及びチタン 、ハフニウム、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ又はクロムのような金属の形 のいわゆる遷移金属が用いられることよにり生じる。その際バリウム−アルミニ ウム及び金属のチタンを活性化コンパウンドの成分として使用することはそれ自 体公知であり（ドイツ連邦共和国特許第２６１９８６６号明細書）、同様にまた 単数又は複数のアルカリ−又はアルカリ土類ハロゲン化物及び／又はケイ酸ナト リ ウム及び／又はケイ酸カリウムの形の基本成分の使用も公知である（ドイツ連邦 共和国特許第２６１９８６０号、同第３７２３５７１号、同第２７３５８６５号 明細書）。更にセシウム及びジルコニウム、タングステン、タンタル及びモリブ デンのような遷移金属から成る酸化物化合物を放電ランプの発光物質としてラン プの全耐用期間中の破壊電圧及び動作電圧を僅かにするために使用することは公 知である。その際酸化物化合物は高溶融金属から成る焼結体の孔中に分散される 。別の発光物質としてアルミナ酸バリウム又はタングステン酸バリウムを使用し てもよい（ドイツ連邦共和国特許第３００８５１８号明細書）。 本発明の実施例を以下に説明する。 ドイツ連邦共和国特許第４３１８９４４号明細書の図１に示すようにセラミッ クス絶縁材及び端面に挿入された２つの電極から成るガス充填形避雷器において 、電極のワッフル格子の表面に基本成分として５０重量％の量の塩化カリウム、 １７重量％の量の金属のチタン、１７重量％の量のバリウム−アルミニウム化合 物及び１６重量％の量のセシウム−タングステン酸塩を含んでいる活性化コンパ ウンドが入れられる。更に活性化コンパウンドはセシウム及び使用される遷移金 属の酸化物、即ちセシウム酸化物、チタン酸化物及びタングステン酸化物のの少 量の成分を含むことができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 少なくとも２個の電極及び少なくとも電極の１つに施された複数の成分 から成る電極活性化コンパウンドを有する火花ギャップ又は避雷器のようなガス 充填形放電ギャップにおいて、 電極活性化コンパウンドが基本成分として単数又は複数のアルカリ−又はアル カリ土類ハロゲン化物及び／又はケイ酸ナトリウム及び／又はケイ酸カリウムを 約３０〜６０重量％の量で含んでおり、 またこの電極活性化コンパウンドが別の成分としてバリウム化合物及びチタン 、ハフニウム、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ又はクロムのようないわゆる 遷移金属を金属の形でそれぞれ５〜２５重量％の量で、またセシウム及びタング ステン、クロム、モリブデン、ニオブ又はバナジウムのようないわゆる遷移金属 から成る酸化物化合物、即ちタングステン酸セシウム（Ｃｓ₂ＷＯ₄）、クロム酸 セシウム（Ｃｓ₂Ｃｒ₂Ｏ₇又はＣｓ₂ＣｒＯ₄）、モリブデン酸セシウム（ＣｓＭ ｏＯ₄）、ニオブ酸セシウム（ＣｓＮｂＯ₃）又はバナジウム酸セシウム（ＣｓＶ Ｏ₃）を約５〜２５重量％の量で含んでいる ガス充填形放電ギャップ。