JP3125264U - 放電管 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケース部材12の両端開口部を、放電電極を兼ねた一対の蓋部材14,14で気密に封止することによって気密外囲器16を形成すると共に、上記蓋部材14,14の放電電極部18,18間に放電間隙22を形成し、また、気密外囲器16内に、放電ガスを封入すると共に、上記放電電極部18の表面に電子放出特性が良好な物質を含有した被膜30を形成して成る放電管において、ネオンとアルゴンの混合ガス中に、水素を混合して上記放電ガスを構成すると共に、該放電ガス中の水素の混合割合を10〜75体積%と成した。
【選択図】図1
Description
また、上記ケース部材62の内壁面74の円周方向に、微小放電間隙76を隔てて対向配置された一対のトリガ放電膜78,78が、複数組形成されている。一対のトリガ放電膜78,78の内、一方のトリガ放電膜78は、一方の放電電極部68と電気的に接続され、他方のトリガ放電膜78は、他方の放電電極部68と電気的に接続されている。
上記気密外囲器66内に封入する放電ガスとしては、例えば、アルゴン、ネオン、ヘリウム、キセノン等の希ガスあるいは窒素ガス等の不活性ガスの単体又は混合ガスが該当する。また、希ガスあるいは不活性ガスの単体又は混合ガスと、ハロゲンを含む気体やO2等の負極性ガスとの混合ガスが該当する。
しかしながら、混合する水素の量が少ない場合には、放電開始電圧の変動(初期放電開始電圧の上昇及び追随放電開始電圧の低下)を招き、一方、混合する水素の量が多い場合には、規定電圧より低い電圧で放電してしまう早期点弧を誘発していた。
すなわち、本考案に係る放電管は、複数の放電電極を放電間隙を隔てて配置し、これを放電ガスと共に気密外囲器内に封入すると共に、上記放電電極の表面に電子放出特性が良好な物質を含有した被膜を形成して成る放電管において、ネオンとアルゴンの混合ガス中に、水素を混合して上記放電ガスを構成すると共に、該放電ガス中の水素の混合割合を10〜75体積%と成したことを特徴とする。
上記ネオンとアルゴンの混合ガス中のアルゴンの混合割合は5〜75体積%と成すのが好ましい。
電子放出特性が良好な物質を含有した上記被膜は、臭化セシウムが含有された被膜で構成することができる。
放電電極部18と接合部20を備えた上記蓋部材14は、無酸素銅や、無酸素銅にジルコニウム(Zr)を含有させたジルコニウム銅で構成されている。尚、ケース部材12の端面と蓋部材14の接合部20とは、銀ろう等のシール材(図示せず)を介して気密封止されている。
上記トリガ放電膜28は、カーボン系材料等の導電性材料で構成されている。このトリガ放電膜28は、例えば、カーボン系材料より成る芯材を擦り付けることにより形成することができる。
電子放出特性が良好な物質を含有した上記被膜30は、例えば、臭化セシウム(CsBr)が含有された被膜30で形成することができる。この被膜30は、臭化セシウムの粉末を、珪酸ナトリウム溶液と純水よりなるバインダーに添加したものを、放電電極部18表面に塗布することによって形成することができる。
この場合、臭化セシウムが0.01〜70重量%、バインダーが99.99〜30重量%の配合割合で混合される。
また、バインダー中の珪酸ナトリウム溶液と純水との配合割合は、珪酸ナトリウム溶液が0.01〜70重量%、純水が99.99〜30重量%の配合割合で混合される。
また、上記ネオンとアルゴンの混合ガス中のアルゴンの混合割合は5〜75体積%と成されている。
図3は、放電ガス中の水素の混合割合が30体積%と成された本考案に係る放電管(A)10、放電ガス中の水素の混合割合が50体積%と成された本考案に係る放電管(B)10、放電ガス中の水素の混合割合が5体積%と成された比較例の放電管(C)、放電ガス中の水素の混合割合が80体積%と成された比較例の放電管(D)に関して、暗中環境下における放電回数と初期放電開始電圧との関係を示すグラフである。
また、上記放電管は、放電電極部18の表面に、バインダー10グラム(珪酸ナトリウム溶液:純水=4グラム:6グラム)に対して臭化セシウムを2グラム含有させた被膜30を形成して成る。
尚、初期放電開始電圧は、放電管を繰り返し動作させた場合における初回の放電開始電圧のことをいい、この初期放電開始電圧に続く2回目以降の放電開始電圧を追随放電開始電圧という。
また、放電ガス中の水素の混合割合が80体積%と成された比較例の放電管(D)は、放電回数が20万回となっても初期放電開始電圧及び追随放電開始電圧ともに、規定値の範囲内に収まっているが、図5のチャートに示される通り、早期点弧が発生しており、好ましいものではない。
これに対し、本考案の放電管(A)及び(B)10は、放電回数が20万回となっても初期放電開始電圧及び追随放電開始電圧ともに、規定値の範囲内に収まっており(図3及び図4)、且つ、図6のチャートに示される通り、早期点弧も発生することなく放電開始電圧が800Vで安定しており、放電開始電圧の変動及び早期点弧を生じることのない長寿命な放電管が実現されている。
また、この放電管10の変形例においては、被膜30が、放電電極部18の全面に形成されているものではなく、放電電極部18表面の周縁に沿って、被膜30の形成されないマージン部32が残されるように設けられている。
上記マージン部32は、放電電極部18の周縁と被膜30とが最も接近している箇所において、放電電極部18表面の最大径Xの7.5%以上の幅Yとなるように設けられている。
尚、図8においては、上記被膜30を略方形状に形成しているが、これに限定されるものではなく、略円形状に被膜30を形成しても勿論良い。
さらに、放電電極部18の周縁に沿って、被膜30の形成されないマージン部32を設けたことにより、マージン部32の幅に相当する分、被膜30とトリガ放電膜28間の距離が拡大するので、被膜30がスパッタされた場合でも、トリガ放電膜28に付着・堆積する被膜30の構成材料の量を抑制することができる。
一方、マージン部32の幅Yが大きすぎると、被膜30の被着面積が小さくなり、その結果、集中放電が生成して放電特性の劣化を生じる虞がある。従って、集中放電の生成による放電特性の劣化を防止する観点から、マージン部32は、放電電極部18の周縁と被膜30とが最も接近している箇所において、放電電極部18表面の最大径Xの40%以下の幅Yとなるように設けるのが適当である。
12 ケース部材
14 蓋部材
16 気密外囲器
18 放電電極部
22 放電間隙
26 微小放電間隙
28 トリガ放電膜
30 被膜
31 穴部
32 マージン部
Claims (4)
- 複数の放電電極を放電間隙を隔てて配置し、これを放電ガスと共に気密外囲器内に封入すると共に、上記放電電極の表面に電子放出特性が良好な物質を含有した被膜を形成して成る放電管において、ネオンとアルゴンの混合ガス中に、水素を混合して上記放電ガスを構成すると共に、該放電ガス中の水素の混合割合を10〜75体積%と成したことを特徴とする放電管。
- 上記ネオンとアルゴンの混合ガス中のアルゴンの混合割合が5〜75体積%と成されていることを特徴とする請求項1に記載の放電管。
- 電子放出特性が良好な物質を含有した上記被膜を、臭化セシウムが含有された被膜で構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の放電管。
- 上記放電電極の表面に多数の穴部を形成すると共に、該穴部内面及び放電電極の表面に、上記被膜を形成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の放電管。
Priority Applications (1)
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JP2006005252U JP3125264U (ja) | 2006-06-30 | 2006-06-30 | 放電管 |
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JP2006005252U JP3125264U (ja) | 2006-06-30 | 2006-06-30 | 放電管 |
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JP3125264U true JP3125264U (ja) | 2006-09-14 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10439366B2 (en) | 2015-10-09 | 2019-10-08 | Mitsubishi Materials Corporation | Discharge tube having discharge active layer(s) |
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2006
- 2006-06-30 JP JP2006005252U patent/JP3125264U/ja not_active Expired - Lifetime
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