JPH11505572A - 立方晶系窒化硼素を分散させた無秩序被覆 - Google Patents

立方晶系窒化硼素を分散させた無秩序被覆

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JPH11505572A JP8534158A JP53415896A JPH11505572A JP H11505572 A JPH11505572 A JP H11505572A JP 8534158 A JP8534158 A JP 8534158A JP 53415896 A JP53415896 A JP 53415896A JP H11505572 A JPH11505572 A JP H11505572A
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Abstract

(57)【要約】 炭化硼素のような無秩序硼素と炭素のマトリックス中に分散された立方晶系窒化硼素の被覆をスパッタリングによって付ける。被覆は耐摩耗性、密着性、なめらかであり、工具、金型、及び摩耗部品の被覆として適している。被覆は第1領域、第2領域、及び第3領域を有する。第1領域は不活性雰囲気中で工具鋼のような基板にスパッタされ、そして無秩序硼素と炭素の少なくとも1つの層を有する。スパッタリングの不活性雰囲気は窒素で徐々に置き換えられて第2領域を形成し、この第2領域は無秩序硼素と炭素のマトリックス中に分散された、濃度が徐々に増大する立方晶系窒化硼素を有する。第2領域の上の第3領域は外側の摩耗層であり、これは、無秩序硼素と炭素中に分散された立方晶系窒化硼素の全体にわたって実質的に均一な濃度を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 立方晶系窒化硼素を分散させた無秩序被覆 発明の分野 本発明は硬質物質被覆に関し、特に、摩擦や摩耗を受ける工具、摩耗部品、及 び金型のような表面の被覆に関する。 発明の背景 硬質物質被覆が工具、金型、及び摩耗部品の表面特性及び使用寿命を改善する ために工具、金型、及び摩耗部品に付けられてきた。或るかかる被覆は装飾目的 に適している。多くの被覆が開発され、その1つは米国特許第4,716,08 3号に説明されている。 米国特許第4,716,083号は組成BX1-Xを有する硼素と炭素の無秩序 被覆を説明しており、ここに「B」は硼素であり、「C」は炭素であり、「X」 および「1−X」はそれぞれ、被覆中に存在する硼素と炭素の原子量に基づく相 対量を表す。硼素と炭素被覆は非晶質、長距離秩序を欠如した多結晶質、微結晶 質、又はこれらの相の任意の組み合わせの混合物であると開示されている。被覆 は比較的低温でスパッタリングによって付けることができ、そしてなめらかであ り、且つ薄い層につけることができる密着した硬質被覆を生成する。 摩耗部品、工具、及び金型表面に付ける如く、米国特許第4,716,083 号に記載された被覆の有利な特性にも係わらず、硬さ、なめらかさ、及び密着の ような特性を一層高めた被覆を生成することが望ましい。しかしながら、より硬 い被覆は時として米国特許第4,716,083号の被覆の利点を有し損ねる。 例えば、より硬いダイヤモンド状被覆(「DLC」被覆)が生成されたが、これ らは典型的には摩耗部品又は工具に有用な程の密着を有していない。DLC被覆 は、工具又は摩耗部品が使用されるときにしばしば欠落する。 発明の概要 本発明は、基板と密着するように無秩序硼素と炭素中に分散れれた立方晶系窒 化硼素を有する被覆を提供する。被覆は比較的低温でスパッタリングによって基 板に付けることができる。スパッタリング条件は、無秩序硼素と炭素単独の被覆 と比較して、硬さ、耐摩耗性、及びなめらかさを高めた被覆を作るように制御す ることができる。 1つの実施形態では、本発明は基板と、スパッタリングによって基板に付着さ れた被覆とを有する物品を提供する。被覆は無秩序硼素と炭素中に分散された立 方晶系窒化硼素を有する。被覆中に存在する立方晶系窒化硼素の濃度は基板のと ころで零であり、基板から離れる方向に増大する。 他の実施形態では、被覆は、無秩序硼素と炭素からなり、基板に隣接した第1 領域と、無秩序硼素と炭素中に分散された立方晶系窒化硼素を有する、第1領域 に隣接した第2領域とを有する。第2領域の立方晶系窒化硼素の濃度は第1領域 から離れる方向に増大する。 更に他の実施形態では、被覆は、通常は均一の濃度で、無秩序硼素と炭素中に 分散された立方晶系窒化硼素を有し、第2領域に隣接した第3領域を含む。無秩 序硼素と炭素中に分散された立方晶系窒化硼素は、結晶の大きさが長距離秩序を 欠如したナノ結晶質から長距離秩序を有するマクロ結晶質までの範囲である結晶 構造を有する。 本発明はまた立方晶系窒化硼素を有する被覆を基板に付ける方法を含む。本方 法は基板に無秩序硼素と炭素の少なくとも1つの層を付着させる段階と、第1の 層の上に、無秩序硼素と炭素中に分散された立方晶系窒化硼素の少なくとも1つ の層を付着させる段階とを有する。本方法の実施例は炭化硼素のターゲットから のプラズル補助dcマグネトロンスパッタリングであるが、他のスパッタリング 方法が利用でき、ターゲットは元素の硼素と炭素であってもよい。窒素源が硼素 を含有するターゲットから立方晶系窒化硼素を生じさせるためにスパッタリング 雰囲気に導入される。 立方晶系窒化硼素を有する第2の層は無秩序硼素と炭素の第1の層の上に付け られ、そして無秩序硼素と炭素の層に隣接して立方晶系窒化硼素を有しないか、 低濃度の立方晶系窒化硼素を有するかのいずれかによって特徴づけられる。第2 の層の立方晶系窒化硼素の濃度は第1の層から離れる方向に増大する。無秩序硼 素と炭素被覆が作られたのち、窒素が、通常は一定圧力で、不活性雰囲気の中へ 徐々に導入される。スパッタリングは、窒素が導入され、そして不活性雰囲気が 取り出されている間続けられる。不活性雰囲気は窒素で完全に置き換えることが できるが、典型的には、いくらかの不活性雰囲気が、全体の圧力の約20パーセ ントまで、保持される。次いで、無秩序硼素と炭素中に分散された立方晶系窒化 硼素の層を所望ならば、約0.01乃至6ミクロン又はそれ以上の厚さに付着さ せることができる。 かくして、本発明は非晶質炭化硼素のような、無秩序硼素と炭素中に分散され た立方晶系窒化硼素を有し、密着性であり、従来の被覆に比して高い特性を有す るようにスパッタで付着させることができる被覆を提供する。本発明はまた窒素 をプラズマに導入するスパッタリングによって被覆を付けるためのプラズマ補助 方法を提供する。スパッタ付着パラメータは少なくとも0.08程度の乾式静摩 擦係数を有する被覆を生成するように制御することができる。 図面の簡単な説明 本発明の特徴及び利点のいくつかを述べた。他の利点は添附図面についてなさ れる発明の説明が進むにつれて明らかになろう。 図1は本発明による基板に付けられた被覆を断面図で表わす。 図2は、本発明の被覆を基板に付着させる方法の段階を表わす。 好ましい実施形態の詳細な説明 今本発明を、発明の好ましい実施形態を表わす添附図面を参照してもっと完全 に説明する。好ましい実施形態では、発明は基板と、該基板に付与された被覆と を有する物品を含み、被覆は初期界面領域と、移行領域と、外側領域とを有し、 そのすべては無秩序硼素と炭素を含有する。移行領域及び外側領域は無秩序硼素 と炭素中に分散された立方晶系窒化硼素を含む。 界面領域は無秩序硼素のものであり、炭素は不活性雰囲気中でスパッタするこ とによって基板を付けられる。移行領域は、窒素補助プラズマでスパッターする ことによって界面領域に付けられた硼素と炭素マトリックス中の立方晶系窒化硼 素結晶の比較的薄い領域である。 窒化硼素の濃度は、プラズマ中の窒素率が増すにつれて、界面領域から離れる 方向に増大する。外側領域は窒素補助プラズマでスパッターすることによって移 行領域に付与され、そして、硼素と炭素マトリックス中に均一な濃度で分散され た立方晶系窒化硼素で形成される。立方晶系窒化硼素の濃度は、熱膨脹及び他の 物理的な特性に合致させるためと、密着及び耐摩耗性を促進させるために、移行 領域の最外部分における濃度と同じである。 本発明の好ましい実施形態の物品を、図1に断面で全体的に参照番号3で表わ す。物品は基板4を有し、該基板には本発明の被覆5が付けられ、該被覆は界面 領域6と、立方晶系窒化硼素結晶9をもった移行領域8と、立方晶系窒化硼素結 晶9をもった外側領域10とを有する。 「基板」という用語は、本発明による被覆を除いて工具又は他の物体の部分を 意味するものに用いられる。本発明は正確に寸法決めされた基板を被覆するのに 適している。本発明は、種々の材料で作られた精密工具と、スチール、アルミニ ウム、クローム、ニッケル、タングステン炭化物、焼結炭化物、グラファイト、 ガラス、合成重合体及び高温で悪影響を受けることがある他の物質で作られた摩 耗部品及び金型とを含む基板を被覆するにのに特に有用である。スパッターする 際に使用される処理温度は通常は、これらの物質の性質を低下させない。本発明 の被覆は、寸法及び硬さのような、基板材料の性質の著しい変化を回避するため に比較的低い温度でスパッターすることによって形成されるのが良い。スパッタ リングは比較的低い基板温度で、一般的には約200℃又はそれ以下で、通常は 約100℃乃至150℃又はそれ以下で起る。低い基板温度でのスパッタリング は又は無秩序状態の被覆の形成を促進する。 基板が被覆を受ける前に、被覆されることになる、工具又は他の基板のその部 分に原子的に清浄な表面を作ることが重要である。原子的に清浄な表面を作るこ とは、基板表面に密着する均一な被覆の形成を容易にする。基板表面から脱気す ることを含む、基板表面の異物は、被覆の早期失敗即ち密着の欠陥を引き起すこ とがある。 スパッタリングのための原子的に清浄な表面を作るいくつかの方法が当業者に 知られており、表面が適切に清浄にされていれば、かかるどのような方法でも使 用することができる。米国特許第4,716,083号に示されているように、 原子的に清浄な基板表面を作る1つの方法によれば、基板を塩化炭化水素脱脂剤 で脱脂する。しかる後、基板をメタノールですすぎ、基板はプラズマエッチング が乾式化学エッチングのいずれかを受ける。プラズマエッチングにはフッ素化キ ャリヤガスが好ましい。キャリヤガスは分解してフッ素をもたらし、これは基板 表面を清浄にする。被覆のための原子的に清浄な表面を作る最終段階はアルゴン 又は他の適当な不活性プラズマ中でスパッタすることによってエッチングするこ とである。 別のやり方として、有機洗浄剤の代りに、最初に商業的に入手できる水性洗浄 剤を使用しても基板を清浄にしても良い。水性洗浄剤は典型的には、被覆の付着 に先立って、露出した金属基板表面の酸化を防止するために種々の酸化防止剤に 関連して使用される。有機洗浄剤では、アルゴン又は他の適当な不活性プラズマ でのエッチング段階は原子的に清浄な表面を達成するための最終段階である。 被覆は無秩序硼素と炭素の界面領域又は第1領域6を含む。領域6は少くとも 1つの層であり、基板と、立方晶系窒化硼素を含む被覆の領域との間の界面領域 として役立つ。立方晶系窒化硼素は典型的には、摩耗又は離型応用に使用される 基板に直接付着させるのに十分な密着を有していない。立方晶系窒化硼素の内部 応力は通常は、基板が利用されるときに基板に直接付着させた立方晶系窒化硼素 が落る程度まで、基板と異なる。しかしながら、ここに記載の発明の実施では、 被覆の隣接した層の物理的な性質の大きな違い及び基板と基板に直接付着させた 層との間の物理的な性質の大きな違いをはばまない。 領域6,8,10の無秩序硼素と炭素被覆は元素の硼素及び炭素、非化学量論 的炭化硼素、及び又は化学量論的炭化硼素、又はこれらのもののいくらか又はす べての混合物からなるのが良い。典型的には、これらの種のすべてが、化学量論 的炭化硼素ターゲットから準備されたマトリックス被覆中に存在する。 前記領域6の無秩序な被覆の硼素と炭素組成物を式BX1-Xで表わすことがで き、ここにBは硼素、「C」は炭素を表わし、「X」および「1−X」は炭化硼 素として、及び元素硼素と炭素として、被覆中に原子量で存在する硼素と炭素の 相対的な量を夫々表わす。硼素の原子量は10.811であり、炭素の原子量は 12.01115である。 「X」で定義されるように被覆中に存在する硼素の量は約0.1乃至約0.9で あるのが良い。この範囲の両側の硼素と炭素の無秩序な被覆も本発明の範囲内に 含れる。通常は、「X」は約0.6乃至0.9である。化学式B4Cで表わされる 化学量論的な炭化硼素被覆については、「X」はほゞ0.78である。炭化硼素 化合物B132については、Xはほゞ0.85であり、この化合物を含むものであ る。 領域6は典型的には無秩序であるべきであり、すなわち、領域6の被覆は、非 晶質、長距離秩序を欠如した多結晶、ナノ結晶または微結晶若しくはそれらの相 の任意の組合せの混合物として特徴ずけることができる形態で付着される。ナノ 結晶はオングストロームの100倍程度の結晶を云い述、微結晶はミクロン以下 の寸法からミクロンまでの程度の結晶を云う。 無秩序材料は、破面が伝播することができる長い格子平面を欠き、一般的には 破面なしに比較的高い変形力に耐えることができる。このような材料は典型的に は、単一相の結晶材料の場合よりも、腐食及び酸化のような化学悪作用を受けに くい。被覆の化学量論を変えて所望の特性を達成し、被覆の密着、耐摩耗性、又 は他の性質に悪影響を及ぼす長い格子平面の成形を回避することができる。 領域6の被覆は、典型的にはスパッタリングによって付けられる。バイアス電 圧付きのDCマグネトロンスパッタリングが有用な技術とわかった。イオンスパ ッタリング、不平衡式マグネトロンスパッタリング、及び高周波スパッタリング も、必ずしも均等な効果をもつわけではないが、領域6の被覆を付けるのに使用 できる技術である。一般的な用語スパッタリングの中に直流スパッタリング、直 流マグネトロンスパッタリング、イオンスパッタリング、不平衡式マグネトロン スパッタリング、及び高周波数スパッタリングを含めるものである。米国特許第 4,716,083号に教示されている手順は一般的には、硼素と炭素の無秩序 被覆の付与に適しており、そして、領域6の無秩序硼素と炭素の被覆を付着させ るための手順をここに援用する。 領域6の被覆は、プレスした焼結炭化硼素の実質的に純化学量論的又はほぼ化 学量論的結晶粉末からなるターゲットからスパッタすることができる。非化学量 論的炭化硼素のターゲットから、プラズマ中の硼素と炭素の別々のターゲットか ら、及び富硼素の炭化硼素又はグラファイトターゲットからスパッタすることに よって、本発明の利益を有する被覆を作ることも可能である。例えば、硼素が豊 富なグラファイトターゲットを硼素と炭素からなるターゲットと組合せて使用す ることが計画される。富硼素ターゲットは、硼素及び炭素からなるターゲットの 硼素が比較的低くなる、被覆の移行領域及び外側領域にマトリックスを生じさせ るのに十分な硼素を確保すべきである。 温度、圧力、及びバイアス電圧の好ましいスパッタリング条件は一部は表面形 状及び望まれる内部顕微鏡組織の形式で左右される。通常は、被覆の表面が、特 に多くの摩耗関連応用について平滑であることが望ましい。無秩序被覆の内部顕 微鏡組織は柱状でも良いし、或いは非柱状でも良い。或る応用では、柱状被覆が 望ましいことがある。柱状顕微鏡組織を生じさせることが望まれるときには、当 該技術で知られ、柱状顕微鏡組織を生じさせるどんな種類のスパッタリング技術 も利用することができる。柱状顕微鏡組織を生じさせるためのある技術は、柱状 顕微鏡組織の形式を引き起すのに十分なバイアス電圧を基板に付与する。 バイアススパッタリングは被覆の付着中基板に負のバイアス電圧を基板に付与 することによって、被覆の密度、純度、密着、及び内部応力を制御することがで きる。典型的には、バイアス電圧の適当な付与は被覆の密度、純度及び密着を増 大させ、被覆の内部応力を減少させる傾向がある。基板の温度と関連して、以下 に論ずるように、バイアス電圧の制御は又は、引き続く領域に形成される立方晶 系窒化硼素の結晶お大きさを決定する傾向がある。 スパッタリング中基板に付与されるバイアス電圧は所望順序で変えることがで きる。好ましいバイアスのかけ方は基板の形状及び被覆の所望な顕微鏡組織で決 る。領域6の界面炭化硼素層は典型的には、完全な被覆を確保するために、例え ば、約−100乃至−300ボルトの比較的低いバイアス電圧で付けらさる。し かしながら、領域6の被覆は、例えば約−1000乃至−2500ボルトのよう なもっと高いバイアス電圧を使用してうまく付けることができる。電圧を上げる ことによってバイアス電圧を除々に増大させても長いし、或いは、バイアス電圧 を段々に増大させても良い。反対に、電圧を下げることによって、バイアス手続 補正書減圧を除々に減少させても良いし、或いはバイアス電圧を段々に減少させ てせ良い。 プラズマ圧力が典型的には、スパッタリングのために真空状態で維持される。 例えば、2乃至10ミリトル(mtorr)の圧力が有用であり、ターゲットから基板 迄の平均自由経路距離で決る。圧力はターゲットから基板までの平均自由経路距 離に応じて、当業者に知られているように、調整する必要があるかも知れない。 領域6の被覆の厚さは比較的広範囲に変えることができる。例えば、領域6は 0.01ミクロンの単一の薄い層から厚さ6ミクロン程度又はそれ以上の多層ま で成長させることができる。より厚い領域は有利な熱特性を示すものと期待する ことができる。典型的には、領域6は厚さ0.01乃至3ミクロンである。特に 、領域6は厚さ0.05乃至0.25ミクロンである。 被覆の領域6を、アルゴンのような不活性ガス中でスパッタリングによって付 着させた後、無秩序硼素と炭素の層に移行領域8を付けて、無秩序硼素と炭素か らなる層と無秩序硼素と炭素のマトリックス内に分散させた立方晶系窒化硼素か らなる層との間に移行部を作ることができる。被覆に組込むための立方晶系窒化 硼素の生成を達成する1つの方法は、アルゴン又は他の不活性プラズマガスを窒 素で除々に置換することである。窒素プラズマは上記の条件下で反応性であり、 反応性プラズマでのスパッタリングは時として「プラズマ補助式」スパッタ付着 と称される。 真空室のガス圧力を窒素で置換された不活性ガスと実質的に同じレベル又はそ れよりも高いレベルに維持することが有用であることが決定されている。窒素が プラズマに導入されると、窒素は基板の表面で硼素原子と反応して、立方晶系窒 化硼素を形成する。硼素と炭素からなる被覆は付着し続ける。立方晶系窒化硼素 は、これが付着されるとき無秩序硼素と炭素被覆マトリックスに組込まれる。 図1に示すように、立方晶系窒化硼素結晶は、窒素ガスが被覆室に導入され、 アルゴンが除去されると、領域6に隣接して低濃度で領域8の被覆に導入され始 める。立方晶系窒化硼素結晶の濃度は、窒素がアルゴンに取って代るにつれて、 領域6で零から増大する。領域8は、零重量パーセントから2、3重量パーセン ト又はそれ以上、一般的には20重量パーセントから50より小さい重量パーセ ント通常は約30乃至35重量パーセントよりも大きくない重量パーセントまで 上方に進む濃度で存在する立方晶系窒化硼素結晶を有するのが良い。 領域8の立方晶系窒化硼素結晶の濃度はプラズマ内での反応に利用される窒素 又は硼素の量を変えることによって、或いは、温度及びバイアス電圧のスパッタ リング条件を操作することによって制御することができる。しかしながら、所定 のターゲット組成物については、窒化硼素が形成されるとき、炭化硼素の形成に は硼素は少くてすみ、窒化硼素は、化学量論が一定でない炭化硼素マトリックス になり、ターゲットが化学量論的であるとしても通常は非化学量論的である。 窒素は、領域8が付着されるとき不活性スパッタリング雰囲気と徐々に入れ替 わり、これにより被覆中の立方晶系窒化硼素の濃度を、スパッタリング雰囲気中 の窒素の割合に応じて最大に達するように基板から離れる方向に増大させる(他 の事はすべて等しい)。不活性雰囲気のすべてを、所望ならば、ついには窒素で 置き換えてもよい。しかしながら、通常は不活性雰囲気のすべては置き換えられ ない。不活性スパッタリング雰囲気の約10乃至20分圧パーセントを保持する のがよい。理論によって束縛されたくないけれども、スパッタリング雰囲気中の 不活性ガスの濃度を小さく保つことは、被覆を付着させる基板の表面を連続的に スパッタで清浄にすることによって被覆の形成を助けるものと信じられている。 領域8の厚さは、領域10を付けるかどうかに応じて、広範囲に変えることが できる。領域8は、被覆の欠落の危険を回避するために移行領域として使用され るとき、一体性を確保するために比較的薄くなければならない。領域8は典型的 には、移行領域として使用されるとき厚さ約0.01乃至1ミクロンである。領 域10が付けられないときには、領域8は厚さ0.01乃至3ミクロン、もっと 典型的には、厚さ約0.05乃至0.25ミクロンの領域6と同じ厚さに付着さ れるのがよい。しかしながら、領域8は所望ならば、厚さ約6ミクロンまでの厚 さに付着されるのがよい。 領域8は典型的には約−50乃至−500ボルトの低い負のバイアス電圧で付 着される。約−175乃至−325ボルトの範囲及び約−100乃至−300ボ ルトの範囲が有用である。立方晶系窒化硼素の形成があり得るようにバイアス電 圧を制御することが重要である。窒化硼素の他の形態は硬くなく、磨耗部品に有 用な被覆を提供しない。少量の非立方晶系窒化硼素が被覆の所望な特性を減少さ せることなく被覆に組み込まれるのがよい。それにもかかわらず、立方晶系窒化 硼素を、生成される窒化硼素の主成分形態として維持するために、付着条件、特 に,負のバイアス電圧及び温度を制御することが望ましい。 図1に示すように、移行領域8はその内面に、領域6の被覆と似た物理的性質 を有し且つ種々の条件下で及び実際の使用中領域6の被覆に優れた密着をもたら す被覆を作る。立方晶系窒化硼素は移行領域8の組成物に徐々に導入され、その 結果、移行領域はその物理的性質を徐々に変化させ、急激に変化させない。図1 に示す移行領域8の外側層は、被覆の随意の外側領域10の物理的性質と似た物 理的性質を有する。 立方晶系窒化硼素は通常は約20乃至50以下の重量パーセントの濃度で領域 10に存在する。しかしながら、より高い濃度では、被覆は欠落を受け易く、従 って、典型的には、立方晶系窒化硼素の最大濃度は一般的には被覆の約30乃至 50重量パーセントである。有用な被覆はまた立方晶系窒化硼素が1パーセント 又は2、3パーセントまでの大変少ないパーセントを有する場合であるが、領域 10の被覆は、2つの領域間の物理的性質を最もよく合致させるために領域8の 最外部分における領域8の最大の濃度と同じである立方晶系窒化硼素の濃度を有 する。 領域10の被覆は、もしあるとすれば、厚さが約0.01乃至6ミクロンであ るのがよい。より厚い被覆は典型的には摩耗応用において望ましい。しかしなが ちら、各領域の厚さが、厚さ約0.01乃至0.5ミクロンの範囲である被覆は 摩耗応用に有用であると決定された。ほとんどの摩耗応用については、領域10 の被覆は厚さ約0.75乃至2ミクロンであるべきである。被覆は単一層として あるいは多層としてつけることができる。 移行領域8が、被覆にとって所望な厚さまで続け、そして別々の領域8及び1 0を有する被覆と同様な結果を達成することができることを認識すべきである。 しかしながら、典型的には、摩耗応用については、不活性プラズマが反応性窒素 ガスで80乃至100パーセント置き換えられた後基板のバイアス電圧を下げる ことが望ましい。基板のバイアス電圧は典型的には移行領域8を付着させるのに 使用されたバイアス電圧以下に下げられ、そして、通常は、約−200ボルト以 下に調整される。25ボルトの電圧の変化は、条件が最適であるときに著しい。 基板のバイアス電圧は−25ボルト程度まで下げられる。典型的には、基板のバ イアス電圧は約−50乃至−200ボルトであり、そのバイアスは立方晶系窒化 硼素の形成に有利である。−60乃至−150ボルトの範囲は有用である。 立方晶系窒化硼素は、約50℃乃至400℃の範囲の温度で付着されるのがよ い。本発明の被覆を70℃で生じさせた。約400℃以上では、工具鋼を含む多 くの鉄及び非鉄基板材料に悪影響を及ぼすことがある。基板温度は典型的には、 領域10を付けるための約100℃乃至200℃又はそれ以下の、領域6及び8 を付けるのに使用される温度以上に増大される。温度は立方晶系窒化硼素の付着 のために幾分もっと有利な条件をもたらすように高めても良い。一般的には、層 の付着の質は、条件が最適であるとき25℃程の温度の変化に敏感である。 基板の表面温度は典型的には熱伝対の使用によって測定される。熱伝対は基板 の実際の温度を正確に表さないが、基板の表面温度の支持を与えるにすぎないこ とを気づくべきである。感熱性基板材料を損傷させないように注意をはらわなけ ればならない。 領域8及び10の無秩序硼素と炭素中に分散させた立方晶系窒化硼素の被覆は 硼素と炭素のマトリックス中に散在させた窒化硼素の結晶からなる2相材料であ る。結晶はナノ結晶から微結晶までの大きさで存在する。ナノ結晶はオングスト ロームの100倍程度の大変短距離秩序の結晶であり、長距離秩序を欠如した非 晶質又は多結晶質と定義することができる。微結晶質窒化硼素の結晶が被覆に組 み込まれるときには、これらの結晶は大きさが数ミクロン乃至数十ミクロンの程 度の大きさを有すると定義される。 今、図2に転じると、図2は本発明の被覆を基板に付ける段階を一般的に説明 する。一般的には、基板を、真空被覆室に入る前に、有機溶剤又は水性溶剤とダ スト防止剤の組み合わせを使用して洗浄する。次いで、乾いた基板を真空被覆室 に入れる。この被覆室は段階12に従って排気される。基板はアルゴンのような 不活性雰囲気の中でスパッタエッチングを受けて基板を原子的に清浄にする。段 階14及び16にしたがって、基板を加熱し、真空室を不活性ガスで約25乃至 10ミリトルの圧力まで加圧する。高いバイアス電圧を基板に掛ける。典型的に は、約−1500乃至−2500ボルトのバイアス電圧が段階18におけるよう にスパッタエッチングを行うのに充分である。スパッタエッチングにとって最も 典型的である約−500乃至−1500の電圧も有用であることを気づくべきで ある。 典型的には、約5mtorrである作業圧力で第2のDCエッチ段階を行うこ とが望ましい。第1のエッチは不純物の表面を洗浄し、第2のエッチは基板の表 面に存在する酸化物を除去する。基板のバイアス電圧を所望ならば、約−150 0ボルト、−1000ボルト、又は−750ボルトに調整することもできる。エ ッチング段階中、スパッタマグネトロンをウォームアップして、エッチング段階 と付着段階との間に遅延なく、段階20に示すように被覆を付着させる準備をす べきである。 dcエッチを完了した後、基板を原子的に清浄にする。スパッタマグネトロン をウォームアップし,次いで、無秩序硼素と炭素の界面領域6(図1)を段階2 2に示すように基板に付けることができる。図2の実施形態を炭化硼素のターゲ ットについて示す。 無秩序炭化硼素領域のスパッタ付着に続いて、追加の領域が付着され、該領域 では、段階24及び26におけるように、スパッタリング用不活性ガスが窒素で 徐々に置き換えられる。この移行領域8(図1)は、不活性ガスが置き換えられ るとき立方晶系窒化硼素を炭化硼素中に分散されてスパッタで付着される。無秩 序硼素と炭素の被覆中の立方晶系窒化硼素の濃度は第1領域6から離れるにつれ て徐々に増す。 所望ならば、炭化硼素中に分散された立方晶系窒化硼素結晶9の外側領域10 (図1)が、不活性ガスが段階28に示すように窒素で置き換えられたスパッタ リング雰囲気中で生成される。 被覆は組成が選択された付着パラメータに応じて均質でもよいし或いは不均質 でもよい。より大きな立方晶系窒化硼素結晶は不均質であると思われる幾分硬質 の被覆を生成する傾向がある。 領域6の上の第2の領域8は無秩序炭化硼素中に分散された立方晶系窒化硼素 結晶9を含む。第2の領域の立方晶系窒化硼素結晶の濃度は基板から離れる方向 に増大する。随意である領域10を領域8の上に示す。これは均一な濃度で無秩 序炭化硼素中に分散された立方晶系窒化硼素結晶9を含む。領域10の被覆中の 立方晶系窒化硼素結晶の濃度は通常は領域8の表面の最大濃度と同じである。 本発明の被覆は一般的には、立方晶系窒化硼素を含有しないスパッタで付着さ せた炭化硼素被覆よりも大きい硬さを示す。立方晶系窒化硼素は知られた最も硬 い物質の1つであり、ほぼ4700kp/mm2であると報告された微小硬度を有 する。比べると、炭化硼素は典型的には約2900kp/mm2であると報告され た微小硬度を有する。炭化硼素のスパッタで付着させた被覆は典型的には希望す る応用の特性に応じて、約1500乃至4000kp/mm2の範囲の硬度値を有 する。炭化硼素マトリックス中に分散された立方晶系窒化硼素を有するここに記 載の如き被覆領域の硬さは通常は炭化硼素単独に比べて高められる。炭化硼素被 覆は被覆中に少量の立方晶系窒化硼素を存在させるだけで改善される。 本発明の被覆の静摩擦係数は低く、大きなめらかさを示し、典型的には、約0 .15乃至0.2以下又はそれと等しい。被覆はまた約0.1以下の静摩擦係数 で生成することができる。以下に示す実施例1の被覆は約0.08の静摩擦係数 を有する。実施例2の被覆は0.12の静摩擦係数を有する。 次の実施例は本発明を代表する。 実施例1 本発明による被覆を、高純度の結晶のプレスした焼結B4C粉末からなるター ゲットを利用してdcマグネトロンでスパッタした。基板表面をdcエッチに先 立って100℃の温度に加熱した。次いで、真空室を50ミリトル(mtorr )の圧力までアルゴンガスで満たす。dcエッチを、50ミリトルで、−200 0ボルトのdc基板バイアスで行った。アルゴンの圧力を5ミリトルまで減じ、 次いで−1500ボルトのdc基板バイアスを維持することによってdcエッチ を続けた。 エッチング段階の第2部分中、スパッタマグネトロンをウォームアップした。 スパッタマグネトロンが温まり、dcエッチを完了したとき、−250ボルトの dc基板バイアスを使用して0.05乃至0.20ミクロンの厚さまでB4Cの 界面層を付着させた。しかる後、−250ボルトのdc基板バイアスで初期の界 面層と同じ厚さまで移行層を付着させた。しかしながら、アルゴンの作動ガスを 窒 素の作動ガスで徐々に置き換えた。この移行領域は、先ずB4Cからなり、引き 続いて、立方晶系窒化硼素相で益々富む勾配「層」の連続体からなっている。真 空室のガス圧力をガスの移り変わり全体にわたって5ミリトルに維持した。かく して、無秩序硼素と炭素のマトリックス中に埋設された立方晶系窒化硼素のスパ ッタによる付着のための最終的な窒素の作動ガス圧力は5ミリトルであった。 ガスの移り変わりを完了したとき、基板のバイアス電圧を−150ボルトdc に減じ、ヒータの電力及びスパッタ陰極の電力を変えて約125乃至175℃の 基板表面温度を達成した。これらのパラメータを使用すると、硼素と炭素中に分 散された立方晶系窒化硼素を0.75乃至2ミクロン付着させた。 窒素ガスをスパッタリング室内の雰囲気の中へ導入した後、化学量論的炭化硼 素、B4Cが付着されそうもないことを気づくべきである。炭化硼素のターゲッ ト中に存在する硼素のいくらかが窒素と反応して立方晶系窒化硼素を生成する。 この被覆の摩擦係数はほぼ0.08であった。外側被覆は非結質硼素と炭素マ トリックス中に分散されたナノ結晶乃至マクロ結晶の大きさの立方晶系窒化硼素 結晶からなる2相を明らかに有していた。この被覆物品の密着スクラッチテスト 値はステンレス鋼#304の基板で4.0乃至5.0kgであった。摩擦抵抗はス テンレス鋼#304の基板に付けられた如き外側被覆に行ったバフみがきを観察 することによって定義された。被覆を悪影響なく、40psiで60秒間50ミ クロンのガラスビーズテストにさらした。 実施例2 実施例2を同様な条件のもとに行った。しかしながら、炭化硼素の界面層を− 1500ボルトdcの高い基板バイアス電圧で付着させた。次いで、炭化硼素の だい2の界面層を−250ボルトdcの低い基板バイアス電圧で付着させた。こ れらの第1界面層と第2界面層を0.05乃至0.2ミクロンの全厚さまで付着 させた。しかる後、窒素がスパッタリング室の作動ガスとして徐々にアルゴンに 取って代わる実施例1の移行層と同様な移行層を付着させた。無秩序硼素と炭素 の層は立方晶系窒化硼素相で徐々に富むようになった。しかしながら、この実施 例では、室のガス圧力をガスの移り変わり中4.0ミリトルまで線型に減少させ た。かくして、立方晶系窒化硼素の付着のための最終的な作動ガス圧力は4.0 ミリトルであった。 実施例1と対比して、たった−60ボルトdcの基板バイアス電圧を採用して 無秩序硼素と炭素中に分散された立方晶系窒化硼素の外側層を付着させた。 実施例2の被覆の摩擦係数は0.12であった。被覆の見かけ硬さは実施例1 についてのものよりも幾分低いが、他の被覆より依然として勝っていた。硼素と 炭素マトリックスに組み込まれた小さい結晶はこの被覆を付着させるのに使用さ れた−60ボルトdcの低電圧によるものと考えられる。しかしながら、この低 いバイアス電圧の被覆は実施例1のそれと同じように基板との良好な密着を有し 、被覆の離層が、例えば、多くのダイヤモンド状被覆(「DLCs」)のような 多くの硬質結晶材料についてのように、激変ではなく徐々であることを示してい る。 摩擦抵抗は40psiで30秒間50ミクロンのガラスビーズテストにさらし た後でもバフみがきの観察によって定義された。 本発明の被覆は工具又は装飾用途を伴う摩耗応用に限定されないことを理解す べきである。本発明は、例えば、本発明について限定としてではないが、軸受け 、エンジン部品、取り付け具、金型、及び他の装置を含む、摩耗を受けない表面 について有用である。 上記の説明は発明の限定ではなく例示であると考えるべきである。本発明をそ の特定の実施形態に関して説明したけれども、発明の種々の修正はこの明細書を 読むとき当業者に明らかであり、請求の範囲の均等物の意味及び範囲内に入るか かる修正をすべて含むものであることを理解すべきである。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年5月14日 【補正内容】 (1)明細書(翻訳文)第7頁第14行目「バイアススパッタリングは」〜第8 頁第7行目「成長させることができる。」迄の差替え訂正文 記 バイアススパッタリングは被覆の付着中基板に負のバイアス電圧を基板に付与 することによって、被覆の密度、純度、密着、及び内部応力を制御することがで きる。典型的には、バイアス電圧の適当な付与は被覆の密度、純度及び密着を増 大させ、被覆の内部応力を減少させる傾向がある。基板の温度と関連して、以下 に論ずるように、バイアス電圧の制御は又は、引き続く領域に形成される立方晶 系窒化硼素の結晶お大きさを決定する傾向がある。 スパッタリング中基板に付与されるバイアス電圧は所望順序で変えることがで きる。好ましいバイアスのかけ方は基板の形状及び被覆の所望な顕微鏡組織で決 る。領域6の界面炭化硼素層は典型的には、完全な被覆を確保するために、例え ば、約−100乃至−300ボルトの比較的低いバイアス電圧で付けらさる。し かしながら、領域6の被覆は、例えば約−1000乃至−2500ボルトのよう なもっと高いバイアス電圧を使用してうまく付けることができる。電圧を上げる ことによってバイアス電圧を除々に増大させても長いし、或いは、バイアス電圧 を段々に増大させても良い。反対に、電圧を下げることによって、バイアス手続 補正書減圧を除々に減少させても良いし、或いはバイアス電圧を段々に減少させ てせ良い。 プラズマ圧力が典型的には、スパッタリングのために真空状態で維持される。 例えば、0.27乃至1.33N/m2(2乃至10ミリトル(mtorr))の圧力が 有用であり、ターゲットから基板までの平均自由経路距離で決る。圧力はターゲ ットから基板までの平均自由経路距離に応じて、当業者に知られているように、 調整する必要があるかも知れない。 領域6の被覆の厚さは比較的広範囲に変えることができる。例えば、領域6は 0.01ミクロンの単一の薄い層から厚さ6ミクロン程度又はそれ以上の多層ま で成長させることができる。 (2)明細書(翻訳文)第9頁第18行目「領域8は」〜第10頁第10行目の 「しかしながら、」迄の差替え訂正文 記 領域8は典型的には、移行領域として使用されるとき厚さ約0.01乃至1ミ クロンである。領域10が付けられないときには、領域8は厚さ0.01乃至3 ミクロン、もっと典型的には、厚さ約0.05乃至0.25ミクロンの領域6と 同じ厚さに付着されるのがよい。しかしながら、領域8は所望ならば、厚さ約6 ミクロンまでの厚さに付着されるのがよい。 領域8は典型的には約−50乃至−500ボルトの低い負のバイアス電圧で付 着される。約−175乃至−325ボルトの範囲及び−100乃至−300ボル トの範囲が有用である。立方晶系窒化硼素の形成があり得るようにバイアス電圧 を制御することが重要である。窒化硼素の他の形態は硬くなく、磨耗部品に有用 な被覆を提供しない。少量の非立方晶系窒化硼素が被覆の所望な特性を減少させ ることなく被覆に組み込まれるのがよい。それにもかかわらず、立方晶系窒化硼 素を、生成される窒化硼素の主成分形態として維持するために、付着条件、特に 負のバイアス電圧及び温度を制御することが望ましい。 図1に示すように、移行領域8はその内面に、領域6の被覆と似た物理的性質 を有し且つ種々の条件下で及び実際の使用中領域6の被覆に優れた密着をもたら す被覆を作る。立方晶系窒化硼素は移行領域8の組成物に徐々に導入され、その 結果、移行領域はその物理的性質を徐々に変化させ、急激に変化させない。図1 に示す移行領域8の外側層は被覆の随意の外側領域10の物理的性質と似た物理 的性質を有する。 立方晶系窒化硼素は通常は約20乃至50以下の重量パーセントの濃度で領域 10に存在する。しかしながら、 (3)明細書(翻訳文)第11頁第4行目「立方晶系窒化硼素は、」〜第12頁 第17行目「この移行領域8(図1)は、」迄の差替え訂正文 記 立方晶系窒化硼素は、約50℃乃至400℃の範囲の温度で付着されるのがよ い。本発明の被覆を70℃で生じさせた。約400℃以上では、工具鋼を含む多 くの鉄及び非鉄基板材料に悪影響を及ぼすことがある。基板温度は典型的には、 領域10を付けるための約100℃乃至200℃又はそれ以下の、領域6及び8 を付けるのに使用される温度以上に増大される。温度は立方晶系窒化硼素の付着 のために幾分もっと有利な条件をもたらすように高めても良い。一般的には、層 の付着の質は、条件が最適であるとき25℃程の温度の変化に敏感である。 基板の表面温度は典型的には熱伝対の使用によって測定される。熱伝対は基板 の実際の温度を正確に表さないが、基板の表面温度の支持を与えるにすぎないこ とを気づくべきである。感熱性基板材料を損傷させないように注意をはらわなけ ればならない。 領域8及び10の無秩序硼素と炭素中に分散させた立方晶系窒化硼素の被覆は 、硼素と炭素のマトリックス中に散在させた窒化硼素の結晶からなる2相材料で ある。結晶はナノ結晶から微結晶までの大きさで存在する。ナノ結晶はミクロン の1/100(オングロームの100倍)の程度の大変短距離秩序の結晶であり 、長距離秩序を欠如した非晶質又は多結晶質と定義することができる。微結晶質 窒化硼素の結晶が被覆に組み込まれるときには、これらの結晶は大きさが数ミク ロン乃至数十ミクロンの程度の大きさを有すると定義される。 今、図2に転じると、図2は本発明の被覆を基板に付ける段階を−般的に説明 する。−般的には、基板を、真空被覆室に入る前に、有機溶剤又は水性溶剤とダ スト防止剤の組み合わせを使用して洗浄する。次いで、乾いた基板を真空被覆室 に入れる。この被覆室は段階12に従って排気される。基板はアルゴンのような 不活性雰囲気の中でスパッタエッチングを受けて基板を原子的に清浄にする。段 階14及び16に従って、基板を加熱し、真空室を不活性ガスで約3.33乃至 13.33N/m2(25乃至10ミリトル)の圧力まで加圧する。高いバイア ス電圧を基板に掛ける。典型的には、約−1500乃至−2500ボルトのバイ アス電圧が段階18におけるようにスパッタエッチングを行うのに充分である。 スパッタエッチングにとって最も典型的である約−500乃至−1500の電圧 も有用であることを気づくべきである。 典型的には、約5mtorrである作業圧力で第2のDCエッチ段階を行うこ とが望ましい。第1のエッチは不純物の表面を洗浄し、第2のエッチは基板の表 面に存在する酸化物を除去する。基板のバイアス電圧を所望ならば、約−150 0ボルト、−1000ボルト、又は−750ボルトに調整することもできる。エ ッチング段階中、スパッタマグネトロンをウォームアップして、エッチング段階 と付着段階との間に遅延なく、段階20に示すように被覆を付着させる準備をす べきである。 dcエッチを完了した後、基板を原子的に清浄にする。スパッタマグネトロン をウォームアップし,次いで、無秩序硼素と炭素の界面領域6(図1)を段階2 2に示すように基板に付けることができる。図2の実施形態を炭化硼素のターゲ ットについて示す。 無秩序炭化硼素領域のスパッタ付着に続いて、追加の領域が付着され、該領域 では、段階24及び26におけるように、スパッタリング用不活性ガスが窒素で 徐々に置き換えられる。この移行領域8(図1)は、 (4)明細書(翻訳文)第13頁第9行目「炭化硼素マトリックス中に」〜第2 9行目「付着させた。」迄の差替え訂正文 記 炭化硼素マトリックス中に分散された立方晶系窒化硼素を有するここに記載の 如き被覆領域の硬さは通常は炭化硼素単独に比べて高められる。炭化硼素被覆は 被覆中に少量の立方晶系窒化硼素を存在させるだけで改善される。 本発明の被覆の静摩擦係数は低く、大きなめらかさを示し、典型的には、約0 .15乃至0.2以下又はそれと等しい。被覆はまた約0.1以下の静摩擦係数 で生成することができる。以下に示す実施例1の被覆は約0.08の静摩擦係数 を有する。実施例2の被覆は0.12の静摩擦係数を有する。 次の実施例は本発明を代表する。 実施例1 本発明による被覆を、高純度の結晶のプレスした焼結B4C粉末からなるター ゲットを利用してdcマグネトロンでスパッタした。基板表面をdcエッチに先 立って100℃の温度に加熱した。次いで、真空室を6.67N/m2(50ミ リトル(mtorr))の圧力までアルゴンガスで満たす。dcエッチを、6. 67N/m2(50ミリトル)で、−2000ボルトのdc基板バイアスで行っ た。アルゴンの圧力を5ミリトルまで減じ、次いで−1500ボルトのdc基板 バイアスを維持することによってdcエッチを続けた。 エッチング段階の第2部分中、スパッタマグネトロンをウォームアップした。 スパッタマグネトロンが温まり、dcエッチを完了したとき、−250ボルトの dc基板バイアスを使用して0.05乃至0.20ミクロンの厚さまでB4Cの 界面層を付着させた。しかる後、−250ボルトのdc基板バイアスで初期の界 面層と同じ厚さまで移行層を付着させた。 (5)明細書(翻訳文)第13頁第29行目「しかしながら、」〜第15頁第2 1行目「理解すべきである。」迄の差替え訂正文 記 しかしながら、アルゴンの作動ガスを窒素の作動ガスで徐々に置き換えた。こ の移行領域は、先ずB4Cからなり、引き続いて、立方晶系窒化硼素相で益々富 む勾配「層」の連続体からなっている。真空室のガス圧力をガスの移り変わり全 体にわたって0.67N/m2(5ミリトル)に維持した。かくして、無秩序硼 素と炭素のマトリックス中に埋設された立方晶系窒化硼素のスパッタによる付着 のための最終的な窒素の作動ガス圧力は0.67N/m2(5ミリトル)であっ た。 ガスの移り変わりを完了したとき、基板のバイアス電圧を−150ボルトdc に減じ、ヒータの電力及びスパッタ陰極の電力を変えて約125乃至175℃の 基板表面温度を達成した。これらのパラメータを使用すると、硼素と炭素中に分 散された立方晶系窒化硼素を0.75乃至2ミクロン付着させた。 窒素ガスをスパッタリング室内の雰囲気の中へ導入した後、化学量論的炭化硼 素、B4Cが付着されそうもないことを気づくべきである。炭化硼素のターゲッ ト中に存在する硼素のいくらかが窒素と反応して立方晶系窒化硼素を生成する。 この被覆の摩擦係数はほぼ0.08であった。外側被覆は非結質硼素と炭素マ トリックス中に分散されたナノ結晶乃至マクロ結晶の大きさの立方晶系窒化硼素 結晶からなる2相を明らかに有していた。この被覆物品の密着スクラッチテスト 値はステンレス鋼#304の基板で4.0乃至5.0kgであった。摩擦抵抗はス テンレス鋼#304の基板に付けられた如き外側被覆に行ったバフみがきを観察 することによって定義された。被覆を悪影響なく、2.75×105N/m2(4 0psi)で60秒間50ミクロンのガラスビーズテストにさらした。 実施例2 実施例2を同様な条件のもとに行った。しかしながら、炭化硼素の界面層を− 1500ボルトdcの高い基板バイアス電圧で付着させた。次いで、炭化硼素の だい2の界面層を−250ボルトdcの低い基板バイアス電圧で付着させた。こ れらの第1界面層と第2界面層を0.05乃至0.2ミクロンの全厚さまで付着 させた。しかる後、窒素がスパッタリング室の作動ガスとして徐々にアルゴンに 取って代わる実施例1の移行層と同様な移行層を付着させた。無秩序硼素と炭素 の層は立方晶系窒化硼素相で徐々に富むようになった。しかしながら、この実施 例では、室のガス圧力をガスの移り変わり中4.0ミリトルまで線型に減少させ た。かくして、立方晶系窒化硼素の付着のための最終的な作動ガス圧力は0.5 3N/m2(4.0ミリトル)であった。 実施例1と対比して、たった−60ボルトdcの基板バイアス電圧を採用して 無秩序硼素と炭素中に分散された立方晶系窒化硼素の外側層を付着させた。 実施例2の被覆の摩擦係数は0.12であった。被覆の見かけ硬さは実施例1 についてのものよりも幾分低いが、他の被覆より依然として勝っていた。硼素と 炭素マトリックスに組み込まれた小さい結晶はこの被覆を付着させるのに使用さ れた−60ボルトdcの低電圧によるものと考えられる。しかしながら、この低 いバイアス電圧の被覆は実施例1のそれと同じように基板との良好な密着を有し 、被覆の離層が、例えば、多くのダイヤモンド状被覆(「DLCs」)のような 多くの硬質結晶材料についてのように、激変ではなく徐々であることを示してい る。 摩擦抵抗は2.75×105N/m2(40psi)で30秒間50ミクロンの ガラスビーズテストにさらした後でもバフみがきの観察によって定義された。 本発明の被覆は工具又は装飾用途を伴う摩耗応用に限定されないことを理解す べきである。本発明は、例えば、本発明について限定としてではないが、軸受け 、エンジン部品、取り付け具、金型、及び他の装置を含む、摩耗を受けない表面 について有用である。 (6)請求の範囲(翻訳文)の全文の差替え訂正文 請求の範囲 1.工具、金型、摩耗部品からなる群から選択された基板と、基板に付着された 被覆とを有する物品であって、前記被覆は無秩序硼素と炭素を有し、約0.01 乃至6ミクロンの厚さを有する、基板に隣接した第1領域と、無秩序硼素と炭素 中に分散された立方晶系窒化硼素を有する、第1領域に隣接した第2領域とを有 し、前記被覆中の立方晶系窒化硼素の濃度は零から、前記第1領域から離れる方 向に増大し、前記第2領域は約0.01乃至1ミクロンの厚さを有し、さらに前 記第2領域で前記第1領域から分離され、約50重量パーセントよりも小さい実 質的に均一な濃度で無秩序硼素と炭素中に分散された立方晶系窒化硼素を有する 第3領域を有し、該第3領域は、約0.75乃至6ミクロンの厚さを有し、前記 第2領域の立方晶系窒化硼素の濃度は第2領域に隣接した第3領域の濃度と実質 的に同じ濃度まで増大し、被覆は2.75×105N/m2(40psi)で60 秒間50ミクロンのガラスビーズテストにさらされたとき悪影響を示さない、上 記物品。 2.前記立方晶系窒化硼素は結晶の大きさが長距離秩序を欠如したナノ結晶乃至 長距離秩序を有するマクロ結晶である結晶構造を有する、請求の範囲1に記載の 物品。 3.無秩序硼素と炭素は元素の硼素、元素の炭素、非化学量論的炭化硼素、及び 化学量論的炭化硼素からなる群から選択された種を有する、請求の範囲1に記載 の物品。 4.前記立方晶系窒化硼素は約35重量パーセントより小さい濃度で前記3領域 中に存在する、請求の範囲1に記載の物品。 5.前記第1及び第2領域は各々約0.01乃至0.5ミクロンの厚さを有し、 前記第3領域は約0.5乃至3ミクロンの厚さを有する、請求の範囲1に記載の 物品。 6.前記第1及び第2領域は各々約0.05乃至0.2ミクロンの厚さを有し、 前記第3領域は約0.75乃至2ミクロンの厚さを有する、請求の範囲1に記載 の物品。 7.前記被覆は約0.15より小さい静摩擦係数を有する、請求の範囲1に記載 の物品。 8.前記被覆は約0.1より小さい静摩擦係数を有する、請求の範囲1に記載の 物品。 9.前記被覆は約0.08の静摩擦係数を有する、請求の範囲1に記載の物品。 10.前記被覆はプラズマ補助dcマグネトロンスパッタリングによって付けら れ、窒素が立方晶系窒化硼素の形成のために反応性ガスとして使用される、請求 の範囲1に記載の物品。 11.前記無秩序硼素と炭素は組成BX1-Xを有し、する硼素と炭素の無秩序被 覆を説明しており、ここにBは硼素であり、Cは炭素であり、Xは約0.1乃至 0.9であり、X及び1−Xは元素の硼素、元素の炭素、非化学量論的炭化硼素 、及び化学量論的炭化硼素として被覆中に存在する硼素と炭素の相対量をそれぞ れ表す、請求の範囲1に記載の物品。 12.前記第1領域の無秩序硼素と炭素は化学量論的B4Cからなる、請求の範 囲1に記載の物品。 13.前記第1領域の前記無秩序硼素と炭素はB132からなる、請求の範囲1 に記載の物品。 14.工具、金型、摩耗部品からなる群から選択された基板に、立方晶系窒化硼 素を有する被覆を付ける方法であって、 a)不活性雰囲気中で無秩序硼素と炭素のなくとも1つの層を約0.01乃 至6ミクロンの厚さまで前記基板にスパッタリングする段階と、 b)前記不活性雰囲気を、不活性雰囲気中約80乃至100パーセントの窒 素で徐々に置き換える段階と、 c)不活性雰囲気を窒素で徐々に置き換えながら、無秩序硼素と炭素中に分 散された立方晶系窒化硼素を有する少なくとも1つの層を、段階a)に従ってス パッタされた層に約0.01乃至1ミクロンの厚さまでスパッタリングする段階 と、 d)窒素からなる雰囲気中で、無秩序硼素と炭素中に分散された立方晶系窒 化硼素の少なくとも1つの層を段階c)に従ってスパッタされた層に約0.01 乃至6ミクロンの厚さまでスパッタリングする段階と、 を有する方法。 15.前記スパッタリングはdcマグネトロンスパッタリングであり、段階a) はまた約−100乃至−2500ボルトのバイアス電圧を基板に掛けることから なる、請求の範囲14に記載の方法。 16.前記スパッタリングはdcマグネトロンスパッタリングであり、段階a) はまた約−200乃至−2000ボルトのバイアス電圧を基板に掛け、基板を2 00℃より小さい温度に加熱することを有する、請求の範囲15に記載の方法。 17.前記スパッタリングはdcマグネトロンスパッタリングであり、段階c) はまた約−50乃至−500ボルトのバイアス電圧を基板に掛け、基板を200 ℃より小さい温度に加熱することを有する、請求の範囲14記載の方法。 18.前記基板のバイアス電圧は約−175乃至−325ボルトである、請求の 範囲14に記載の方法。 19.前記基板のバイアス電圧は約−200乃至−300ボルトである、請求の 範囲14に記載の方法。 20.前記スパッタリングはdcマグネトロンスパッタリングであり、段階d) はまた約−50乃至−200ボルトのバイアス電圧を基板に掛け、基板の温度を 上昇させることを有する、請求の範囲14に記載の方法。 21.前記基板の温度を約400℃以下に上昇させ、25℃の範囲内に制御され る、請求の範囲20に記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AT,AU ,AZ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CZ,CZ,DE,DE,DK,DK,EE,EE,E S,FI,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,SK,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,US,UZ,VN (72)発明者 ビアテイエ・ケネス・レウイス アメリカ合衆国 バージニア州 22192, レイク リッジ,コルビイ ドライブ 12515

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.基板と、スパッタリングによって基板に付着された被覆とを有する物品であ って、前記被覆が無秩序硼素と炭素中に分散された立方晶系窒化硼素を有する、 前記物品。 2.前記立方晶系窒化硼素は基板のところで零の濃度で前記被覆中に存在する、 請求の範囲1に記載の物品。 3.前記立方晶系窒化硼素は無秩序硼素と炭素中に分散された結晶として前記被 覆中に見れる、請求の範囲1に記載の物品。 4.前記被覆は、該被覆中の立方晶系窒化硼素の濃度が零であり、基板に隣接し た第1領域と、被覆中の立方晶系窒化硼素の濃度が第1領域から離れる方向に増 大し、前記第1領域に隣接した第2領域と、を有する、請求の範囲1に記載の物 品。 5.前記被覆は、前記第2領域によって前記第1領域から分離され、均一な濃度 で無秩序硼素と炭素中に分散された立方晶系窒化硼素を有する第3領域をさらに 有する、請求の範囲4に記載の物品。 6.前記第2領域中の立方晶系窒化硼素の濃度は基板に隣接した零から第3の領 域に隣接した第3領域の濃度と実質的に同じ濃度まで増大する、請求の範囲5に 記載の物品。 7.前記第3領域中の立方晶系窒化硼素の濃度は約50重量パーセントより小さ い、請求の範囲5に記載の物品。 8.前記第3領域中の立方晶系窒化硼素の濃度は約35重量パーセントより小さ い、請求の範囲5に記載の物品。 9.前記第1領域、第2領域、及び第3領域は各々少なくとも1つの層からなる 、請求の範囲5に記載の物品。 10.前記被覆は次々に付けられた多層からなり、前記第1領域は無秩序硼素と 炭素の少なくとも1つの層を有し、前記第2領域は、無秩序硼素と炭素中に分散 された立方晶系窒化硼素の少なくとも1つの層を有し、前記第2領域中の立方晶 系窒化硼素の濃度は第1領域から離れるにつれて増大し、前記第3 領域は無秩序硼素と炭素中に実質的に均一な濃度で分散された立方晶系窒化硼素 の少なくとも1つの層を有する、請求の範囲5に記載の物品。 11.前記第1及び第2領域は各々約0.01乃至0.5ミクロンの厚さを有し 、前記第3領域は約0.5乃至3ミクロンの厚さを有する、請求の範囲5に記載 の物品。 12.前記第1及び第2領域は各々約0.05乃至0.2ミクロンの厚さを有し 、前記第3領域は約0.75乃至2ミクロンの厚さを有する、請求の範囲5に記 載の物品。 13.前記立方晶系窒化硼素は、結晶の大きさが長距離秩序を欠如したナノ結晶 乃至長距離秩序を有するマクロ結晶である結晶構造を有する、請求の範囲1に記 載の物品。 14.前記被覆は約0.15より小さい静摩擦係数を有する、請求の範囲1に記 載の物品。 15.前記被覆は約0.1より小さい静摩擦係数を有する、請求の範囲1に記載 の物品。 16.前記被覆は約0.08の静摩擦係数を有する、請求の範囲1に記載の物品 。 17.前記被覆はプラズマ補助dcマグネトロンスパッタリングによって付けら れ、窒素が立方晶系窒化硼素の形成のために反応性ガスとして使用される、請求 の範囲1に記載の物品。 18.無秩序硼素と炭素は元素の硼素、元素の炭素、非化学量論的炭化硼素、及 び化学量論的炭化硼素からなる群から選択された種を有する、請求の範囲1に記 載の物品。 19.前記無秩序硼素と炭素は組成BX1-X、を有し、する硼素と炭素の無秩序 被覆を説明しており、ここにBは硼素であり、Cは炭素であり、Xは約0.1乃 至0.9であり、X及び1−Xは元素の硼素、元素の炭素、非化学量論的炭化硼 素、及び化学量論的炭化硼素として被覆中に存在する硼素と炭素の相対量をそれ ぞれ表す、請求の範囲1に記載の物品。 20.基板と、該基板に付着された被覆とを有し、該被覆は無秩序硼素と炭素か らなり、基板に隣接した第1領域と、無秩序硼素と炭素中に分散された立方 晶系窒化硼素を有する、第1領域に隣接した第2領域とを有し、前記被覆中の立 方晶系窒化硼素の濃度は前記第1領域から離れる方向に増大する、物品。 21.前記第1領域の無秩序硼素と炭素は化学量論的B4Cからなる、請求の範 囲20に記載の物品。 22.前記第1領域の前記無秩序硼素と炭素はB132からなる、請求の範囲2 0に記載の物品。 23.前記被覆は前記第2領域によって前記第1領域から分離され、均一な濃度 で無秩序硼素と炭素中に分散された立方晶系窒化硼素を有する第3領域をさらに 有する、請求の範囲20に記載の物品。 24.前記第1及び第2領域は各々約0.05乃至0.2ミクロンの厚さを有し 、前記第3領域は約0.75乃至2ミクロンの厚さを有する、請求の範囲23に 記載の物品。 25.前記立方晶系窒化硼素は、結晶の大きさが長距離秩序を欠如したナノ結晶 乃至長距離秩序を有するマクロ結晶である結晶構造を有する、請求の範囲20に 記載の物品。 26.前記被覆は約0.1より小さい静摩擦係数を有する、請求の範囲20に記 載の物品。 27.前記被覆はプラズマ補助dcマグネトロンスパッタリングによって付けら れ、窒素が立方晶系窒化硼素の形成のために反応性ガスとして使用される、請求 の範囲20に記載の物品。 28.基板と、該基板に付着された被覆とを有し、該被覆は無秩序硼素と炭素か らなり、且つ約0.01乃至6ミクロンの厚さを有する、基板に隣接した第1領 域と、無秩序硼素と炭素中に分散された立方晶系窒化硼素を有する、第1領域に 隣接した第2領域とを有し、前記被覆中の立方晶系窒化硼素の濃度は零から、前 記第1領域から離れる方向に増大し、前記第2領域は0.01乃至1ミクロンの 厚さを有し、さらに前記第2領域で前記第1領域から分離され、実質的に均一な 濃度で無秩序硼素と炭素中に分散された立方晶系窒化硼素を有する第3領域を有 し、該第3領域は、約0.75乃至6ミクロンの厚さを有する、物品。 29.前記立方晶系窒化硼素は結晶の大きさが長距離秩序を欠如したナノ結晶乃 至長距離秩序を有するマクロ結晶である結晶構造を有する、請求の範囲28に記 載の物品。 30.無秩序硼素と炭素は元素の硼素、元素の炭素、非化学量論的炭化硼素、及 び化学量論的炭化硼素からなる群から選択された種を有する、請求の範囲28に 記載の物品。 31.立方晶系窒化硼素を有する被覆を基板に付ける方法であって、 a)前記基板に無秩序硼素と炭素を付着させる段階と、 b)前記段階a)に従って付着され前記無秩序硼素と炭素に、無秩序硼素と 炭素中に分散された立方晶系窒化硼素を付着させる段階と、 を有する、前記方法。 32.前記付着はスパッタリングからなる、請求の範囲31に記載の方法。 33.前記スパッタリングはdcマグネトロンスパッタリングからなる、請求の 範囲31に記載の方法。 34.前記スパッタリングは基板にバイアス電圧を掛ける段階を有する、請求の 範囲32に記載の方法。 35.基板を約50乃至400℃の温度に加熱する段階を更に有する請求の範囲 31に記載の方法。 36.基板を約70乃至200℃の温度に加熱する段階を更に有する請求の範囲 31に記載の方法。 37.前記付着はスパッタリングからなり、段階(b)は窒素をスパッタリング 雰囲気の中へ導入する段階をさらに有する、請求の範囲31に記載の方法。 38.窒素をスパッタリング雰囲気の中へ導入する段階はスパッタリング雰囲気 を窒素が約80乃至100パーセントの濃度まで窒素で徐々に置き換えることか らなる、請求の範囲31に記載の方法。 39.立方晶系窒化硼素を有する被覆を基板に付ける方法であって、 a)不活性雰囲気中で無秩序硼素と炭素のなくとも1つの層を約0.01乃 至6ミクロンの厚さまで前記基板にスパッタリングする段階と、 b)前記不活性雰囲気を、不活性雰囲気中約80乃至100パーセントの窒 素で徐々に置き換える段階と、 c)不活性雰囲気を窒素で徐々に置き換えながら、無秩序硼素と炭素中に分 散された立方晶系窒化硼素を有する少なくとも1つの層を、段階a)に従ってス パッタされた層に約0.01乃至1ミクロンの厚さまでスパッタリングする段階 と、 d)窒素からなる雰囲気中で、無秩序硼素と炭素中に分散された立方晶系窒 化硼素の少なくとも1つの層を段階c)に従ってスパッタされた層に約0.01 乃至6ミクロンの厚さまでスパッタリングする段階と、 を有する方法。 40.前記スパッタリングはdcマグネトロンスパッタリングであり、段階a) はまた約−100乃至−2500ボルトのバイアス電圧を基板に掛ける、請求の 範囲39に記載の方法。 41.前記スパッタリングはdcマグネトロンスパッタリングであり、段階a) はまた約−200乃至−2000ボルトのバイアス電圧を基板に掛け、基板を2 00℃より小さい温度に加熱することを有する、請求の範囲40に記載の方法。 42.前記スパッタリングはdcマグネトロンスパッタリングであり、段階c) はまた約−50乃至−500ボルトのバイアス電圧を基板に掛け、基板を200 ℃より小さい温度に加熱することを有する、請求の範囲39に記載の方法。 43.前記基板のバイアス電圧は約−175乃至−325ボルトである、請求の 範囲39に記載の方法。 44.前記基板のバイアス電圧は約−200乃至−300ボルトである、請求の 範囲39に記載の方法。 45.前記スパッタリングはdcマグネトロンスパッタリングであり、段階d) はまた約−50乃至−200ボルトのバイアス電圧を基板に掛け、基板の温度を 上昇させることを有する、請求の範囲39に記載の方法。 46.前記基板の温度を約400℃以下に上昇させ、25℃の範囲内に制御され る、請求の範囲45に記載の方法。
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