JP5400332B2 - ナノスケールで硬質表面を得る方法 - Google Patents

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Description

本発明は、厚さ200nm以下で、20GPa以上の硬度を有するコーティングを形成する方法に関する。
本発明は、またこの方法で得られたコーティングを含むデバイスに関する。
超硬質薄膜は、ある種の組立品や部品を摩損から保護するために、多くの分野で広く使用されている。これらの部品はマイクロ物体(MEM)である場合もあるが、例えばかみそり刃の刃先の半径等の幾何学的な性状を保持していることが望まれる物体の場合もある。
金属−BN型のコーティングは、機械部品の表面硬度を改良するために機械分野で広く使用されている。
最も一般的に使用される金属−BNコーティングはTiBN、ZrBNおよびTiAlBNである。
特に、ナノコンポジット構造を有するコーティングは、非常に高い硬度水準を得ることを目的として、盛んに研究されている。
反応性同時スパッタリングモードのマグネトロンカソードスパッタリングの方法は、硬質薄膜製造の分野でよく知られている。
この方法により、低表面粗さを有する非常に正確な組成の薄膜を得ることができる。これらの薄膜は、30GPaの薄膜硬度を実現するために、2マイクロメートルを超える厚さを有するが、特にコーティングされた部品が強く熱機械応力を受ける用途の場合、基材に対して十分な密着力を有する硬質薄膜を得ることができない。
カソードアーク蒸着法も、硬質薄膜を開発するために知られているが、今日まで、2マイクロメートル未満の厚さの硬質薄膜を得ることができていない。
このため、コーティングされた部品が強く熱機械的に応力を受ける用途のための硬質薄膜を形成する場合、カソードアーク蒸着技術により発生した蒸気が非常に高いイオン化率であるため、コーティングされた部品上の硬質薄膜に非常に高い密着力を与えるので、カソードアーク蒸発法が現在使用されている。カソードアーク蒸着技術のイオン化率は、約90%であり、一方、マグネトロンカソードスパッタリングに関しては、この率は数パーセント、せいぜい10%である。さらに、カソードアーク蒸着法では、コーティングされる部品に対して負のバイアス電圧を印加することにより、成長している薄膜の衝撃が、この高イオン化率を通じて促進される。
しかし、このカソードアーク蒸着法は、大きな表面粗さを生成するため、2マイクロメートル未満の厚さの場合、コーティングされた部品の幾何形状が変化しない硬質薄膜を得ることができない。
全コーティング厚さが約200nmである場合、同じ程度の表面粗さは機械用途には許容されないので、特に表面粗さの性状は重要である。
本発明は、表面粗さが低く密着力が高い、200nm以下の厚さと20GPa以上の硬度を有する硬質薄膜を可能にする、マグネトロンカソードスパッタリングによってナノコンポジット構造を有する材料の硬質薄膜を得る方法を提案することにより、従来技術の方法の欠点を改善することを目的とする。
この目的ために、本発明は、基材上に、200nm以下の厚さと20GPa以上の硬度を有し、チタン、ジルコニウム、ホウ素および窒素に基づくナノコンポジット構造を有する材料で作製される、コーティングを形成する方法であって、
a)マグネトロンカソードスパッタリングにより、1Paのアルゴン圧力下で前記基材の少なくとも1つの表面上にチタン薄膜を堆積するステップと、
b)マグネトロンカソードスパッタリングにより、1Paの圧力を維持しながら、窒素をカソードスパッタリング室内に導入することにより、ステップa)で得られた薄膜上に窒化チタン薄膜を堆積するステップと、
c)比X/Yが両端値を含む3/5から5/3の間で、チタンのターゲットソースに対して電力X、およびZrB2のターゲットソースに対して電力Yを印加し、同時にアルゴンと窒素で構成され、気体混合物全体積の少なくとも10体積%を窒素が占める気体混合物を注入し、1Paの圧力を維持しながら、カソードスパッタリング室中に−300Vのバイアス電圧を印加することによって、活性同時スパッタリングモードのマグネトロンカソードスパッタリングにより、ステップb)で得られた薄膜上にチタン、Zr、ホウ素および窒素に基づくナノ構造化コンポジット材料の薄膜を堆積するステップと
を含む方法を提案する。
好ましくは、本発明の方法では、ステップc)でマグネトロンカソードスパッタリング室内に導入される窒素の割合は、導入されるガス混合物全体積に対して10体積%である。
さらに好ましくは、本発明の方法では、ステップc)の各ターゲットに印加する電力比X/Yは1である。
本発明は、本発明の方法により得られるコーティングを含むデバイス、より詳細には、かみそり刃も包含する。かみそり刃の場合、かみそり刃全体をコーティングすることは必ずしも必要ではなく、かみそり刃の先端のみをコーティングすることが可能であることに留意されたい。
図を参照しながら示される以下の説明的な記述を読むことにより、本発明の理解が深められ、本発明の他の特徴および利点がより明確に現れることになろう。
本発明は、鏡面研磨された少なくとも1つの表面を有する金属、プラスチックまたはセラミックで作製された基材上に、200nm以下の厚さのコーティングに対して20GPaを超える硬度を有する、Ti、Zr、BおよびNに基づくナノ構造化ナノコンポジットコーティングを堆積することにある。
このようなコーティングの場合、30GPa前後の硬度水準を得るために、既存技術で従来堆積されていた厚さは、約2から3マイクロメートルであり、すなわち、本発明の10倍を超えている。
そのような薄い堆積厚さで、低表面粗さと共に、非常に高い硬度を得ることは、ナノコンポジット構造と特定の構成を有する、Ti、Zr、BおよびNに基づく複合コーティングを開発することにより、本発明で可能となる。
本発明の方法は、反応性同時スパッタリングモードのマグネトロンカソードスパッタリング法であり、コーティングの特定の構成とは別に、一方でTiの、他方ではZrBのソースに対して印加する電力の比が制御され、窒素も特定の比率で、アルゴンとの混合物気体形態として導入される。
反応性同時スパッタリングモードのマグネトロンカソードスパッタリング装置は、図1で概略的に表される。
この装置は、図1の4と印される気体導入口を含む、図1の1と印される室からなる。室の中心には、図1の5と印される試料ホルダーが設置され、その上に図1の6と印される試料が取り付けられ、試料の少なくとも1つの表面がコーティングされる。
一方が図1の2と印されるZrBで作られ、他方が図1の3と印されるチタンで作られる2つのターゲットは、試料ホルダー5の対称軸に対して対称であるように設置され、それに面して、各々が試料ホルダー5の対象軸に対して60°の角を形成する。
試料6の中心とターゲット2、3の表面の間の距離は70mmである。
試料6と2つのターゲット2、3の間が同じ距離を有するように、試料6は試料ホルダー5の中心に設置される。
次に、電力がターゲット2、3の一方および/または他方に印加され、試料6の露出した表面上に堆積するターゲットの材料がイオン化する。
このため、この方法によって、低表面粗さを有する非常に薄いコーティングが得られる。得られる材料は、Ti、Zr、BおよびNに基づく組成を有するナノコンポジット材料であり、高硬度特性を有することで、よく知られている。
試料上のこの堆積物の密着性を最適化するためには、マグネトロンカソードスパッタリング法で得られる低イオン化率のために、特定のコーティング構造に準拠している必要がある。この構造は図2に示される。
図2に見られるように、本発明の方法では、図2の7と印されるTiの第1薄膜は試料6がコーティングされる表面上に堆積し、図2の9と印されるナノ構造化された材料自体の薄膜の堆積を行う前に、薄膜7上に図2の8と印されるTiNの別の薄膜を堆積する。
本発明では、Ti、Zr、BおよびNに基づく薄膜9の組成物は、図3に示されるように、電力比X/Yを印加することで得られ、XはZrBターゲット2に対して印加される電力、Yはチタンターゲット3に対して印加される電力を表し、両端値を含む3/5から5/3までの間が含まれ、好ましくは1の比率である。
実際に、図3は、ナノインデンテーションにより測定された硬度と共に、スパッタリングターゲット2、3に対して印加された種々のX/Y電力比で成長した薄膜の、TiとZrの原子組成を表す。
図3では、x軸はワット単位で表現される電力の比を表す。言い換えれば、100/500の比がx軸で示される場合、これはZrBターゲット2に印加される電力が100Wであり、同時にチタンターゲット3に印加される電力が500Wであることを意味する。図3では、左のy軸は、得られるコーティングの組成を原子パーセントで表し、ZrBとTiのターゲット2、3に対して印加される電力の比X/Yに従って、図3中に10と印される曲線は、得られる薄膜9中のジルコニウムの原子パーセントの成長を表し、図3の11と印される曲線は、得られる薄膜9中のチタンの原子パーセントの成長を表す。
図3の右のy軸は、印加された電力によって得られる薄膜のGPa単位のナノ硬度の程度を表す。これらの硬度値は図3の棒状形で表される。
このため、図3では、電力比X/Yが両端値を含む3/5から5/3までの間で印加された場合、20GPaを超える硬度を有する薄膜が得られることが分かる。
硬度は、「Nanoindentation of Coatings,J.PhysD.:Appl.Phys.38(2005)R393−R413」に記載された方法によって、ナノインデンテーションにより測定される。
しかし、X/Y電力比パラメーターが、この方法の唯一のパラメーターではない。
これは、望ましい組成と硬度の薄膜9を得るために、窒素がスパッタリング室内に導入されることが必要となるからである。
これは、アルゴン+窒素混合物の合計体積に対して少なくとも10体積%の窒素を含む、アルゴンと窒素からなる気体混合物を、室内に導入することにより実施される。この割合により、十分な反応性のスパッタリングシステムを得ることが可能になり、すなわち、ターゲットは完全に被毒される。
図4で分かるように、混合物中の窒素の最適な割合は10%である。
図4は、アルゴン+窒素混合物中の種々の割合の窒素から成長した薄膜のナノ硬度をGPa単位で表す。従って、10%の窒素の割合が最適であると分かるが、20GPaのこのナノ硬度値を超えるものが得られていることも分かる。
本発明による薄膜は、環境温度で堆積される。
本発明の理解をより深めるために、純粋に説明の手段として示され、制限されない、実施形態が説明されよう。
実施例1
この実施例は、図1と図2を参照して説明する。
a)コーティングされる部分のストリッピング
1つの表面がコーティングされる試料6は、鏡面研磨されたM2高速鋼ディスクである。
試料6を、図1で表される試料ホルダー5に配置し、試料6とZrBおよびTiのターゲット2と3の間がそれぞれ同じ距離を有するように中心に置く。
初めに、室1が約10−6ミリバールの高真空にされる。
試料6を、スパッタリングターゲット1と2に面しないように配置される。
試料のスパッタリング電圧は−500Vであり、室内の圧力は1Paの純粋なアルゴンの分圧である。アルゴンを、50sccmの速度で気体導入口を通じて導入する。この部分のストリッピングの持続時間は4分である。
この部分がターゲットに面しないように配置されるので、コーティングは実施されない。
b)チタン薄膜7の堆積
次に、ZrBターゲット2に対する電力の印加を停止し、チタンターゲット3に対する電力の印加を、ここで用いられるチタンターゲット3の大きさに対応する350Wに固定し、印加された電力は1.2W/cmであり、依然としてアルゴン分圧を1Paに保ち続ける。
試料6は、ターゲットに面するように、すなわち、試料6および2つのターゲット2と3の間が同じ距離を有するように試料ホルダーの中心に配置される。
バイアス電圧を、試料に徐々に−500から−300Vになるように印加する。
このステップは、試料6の表面上に図2中に7と印されるTi薄膜を堆積するステップに対応する。このチタン堆積ステップの持続時間は1分である。得られたTi薄膜の厚さは5nmである。
c)TiN薄膜8の堆積
図2中に8と印される窒化チタン薄膜を、次に堆積する。
これを実施するために、室1内を1Paの圧力に保持しながら、アルゴンと窒素の混合物を反応性気体として導入する。アルゴン流量は20sccmであり、窒素流量は30sccmである。この堆積の持続時間は30秒である。得られた薄膜8は化学量論的な窒化チタンの薄膜である。この窒化チタン薄膜8の厚さは15nmである。
d)ナノ構造化された材料の薄膜9の堆積
次に、Ti、Zr、BおよびNに基づく薄膜9を次いで堆積する。これを実施するために、Tiターゲット3に対して印加する電力を350Wに保持しながら、ZrBターゲット2に対して印加する電力を、ターゲット2に対して印加された1.2W/cmの電力に対応して、0から350Wに増加する。この堆積の持続時間は6分である。窒素流量は5sccmであり、アルゴン流量は45sccm、すなわち、合計気体体積に対して10体積%の窒素の割合である。
この方法で得られた薄膜9は、チタン、ジルコニウム、ホウ素および窒素に基づくナノコンポジット構造材料である。このナノコンポジット相の結晶子は、チタン、ジルコニウム、および窒素からなり、非晶相は窒化ホウ素型、すなわち、チタン、ジルコニウム、ホウ素および窒素に基づいている。
これは、この実施例で得られた薄膜9の高分解能透過型電子顕微鏡観察により得られる写真である図5に示されるように、真正のナノコンポジット構造である。ナノ結晶の大きさは約4nmであり、各薄膜の粗さは4nmである。粗さRaは、ISO 4287標準に従って、機械的触針を使用するプロフィロメトリーによって測定される。
この薄膜9の厚さは100nmであり、その硬度は図3と4で分かるように約30GPaである。
この型のコーティングには複数の工業用途があり、同時に、20GPaを超える硬度の硬質コーティングは非常に薄い、すなわち、その厚さが200nm以下のままである必要がある複数の分野がある。
それゆえ、本発明の方法の第1の用途は、刃の刃先の摩耗に対する抵抗性を改善するためのかみそり刃のコーティングである。現在は、刃の表面硬度は7GPaである。この分野の硬質薄膜は、先端のある程度の鋭さを保持するために、100nmを超えることはできない。
第2の型の用途は、マイクロ物体すなわちMEMを摩耗から保護することである。これは、この分野も、マイクロギア等が接触する部分で厳しい摩損の問題に直面しているからである。この型の物体に対する硬質薄膜の適用は不可欠であり、マイクロメートルの尺度で、この物体の幾何形状に影響してはならない。この場合にも、非常な硬さと非常な薄さを組み合わせた薄膜は大きな利益をもたらす可能性がある。
活性同時スパッタリングモードのマグネトロンカソードスパッタリング装置を概略的に表す。 本発明のコーティングでコーティングされた、1つの表面である部分の断面を概略的に表す。 原子パーセントの組成と本発明の最終的コーティング薄膜の硬度に対する電力比X/Yの影響を表す。 マグネトロンカソードスパッタリング室内に導入される、気体混合物の窒素フロー/全体フロー比の関数としての、本発明の最終的コーティング薄膜の硬度の展開を示す。 本発明の方法により得られた最終的コーティング薄膜のナノコンポジット構造の高分解能透過型電子顕微鏡観察により得られる写真である。この写真では、1cmは表示されている薄膜の5ナノメートルを表す。
符号の説明
1 室
2 ターゲット
3 ターゲット
4 気体導入口
5 試料ホルダー
6 試料
7 薄膜
8 薄膜
9 薄膜

Claims (5)

  1. 基材(6)上に、200nm以下の厚さと20GPa以上の硬度を有し、チタン、ジルコニウム、ホウ素および窒素に基づくナノコンポジット構造を有する材料で作製される、コーティングを形成する方法であって、
    a)マグネトロンカソードスパッタリングにより、1Paのアルゴン圧力下で基材(6)の少なくとも1つの表面上にチタン薄膜(7)を堆積するステップと、
    b)マグネトロンカソードスパッタリングにより、1Paの圧力を維持しながら、窒素をカソードスパッタリング室(1)内に導入することにより、ステップa)で得られた薄膜(7)上に窒化チタン薄膜(8)を堆積するステップと、
    c)比X/Yが両端値を含む3/5から5/3の間で、チタンのターゲットソース3に対して電力X、およびZrB2のターゲットソース2に対して電力Yを印加し、同時にアルゴンと窒素で構成され、気体混合物全体積の少なくとも10体積%を窒素が占める気体混合物を注入し、1Paの圧力を維持しながら、カソードスパッタリング室(1)中に−300Vのバイアス電圧を印加することによって、活性同時スパッタリングモードのマグネトロンカソードスパッタリングにより、ステップb)で得られた薄膜(8)上にチタン、ジルコニウム、ホウ素および窒素に基づくナノ構造化コンポジット材料の薄膜(9)を堆積するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  2. ステップc)において、窒素が気体混合物全体積の10体積%を占めることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. ステップc)において比X/Y=1であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の方法により得られるコーティングを含むデバイス。
  5. かみそり刃であることを特徴とする、請求項4に記載のデバイス。
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