JPH11504933A - Pcna結合物質 - Google Patents

Pcna結合物質

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JPH11504933A JP8533854A JP53385496A JPH11504933A JP H11504933 A JPH11504933 A JP H11504933A JP 8533854 A JP8533854 A JP 8533854A JP 53385496 A JP53385496 A JP 53385496A JP H11504933 A JPH11504933 A JP H11504933A
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Abstract

(57)【要約】 PCNAと相互作用するFen1の断片が、PCNAが関与する疾患の治療において有用な化合物のスクリーニング方法におけるそのような断片またはFen1の模倣物質の使用と共に開示される。特に、PCNAに対する結合性を有する物質が開示され、前記物質は:(i)C−末端領域からの89アミノ酸のペプチドを含むFen1蛋白質の断片またはその活性部分;または(ii)配列主題部分QGRLDxFFを含むFen1蛋白質断片;または(iii)前記蛋白質断片の機能的模倣物質;を有してなり、“x”は好ましくはアミノ酸S、DまたはGから選択される。

Description

【発明の詳細な説明】 PCNA結合物質発明の分野 この発明は、癌治療の領域に関するものである。更に特定的には、本発明は、 PCNAと相互作用するFen1の断片、及びPCNAが関与する疾患の治療に おいて有用な化合物のスクリーニング方法におけるFen1の断片または模倣物 質の用途に関する。発明の背景 細胞内におけるゲノムの完全性は、細胞周期的に制御されたDNAの複製とD NA修復との間の釣り合いを必要とする。損傷をもったDNAの存在下では増殖 する細胞は、損傷が固定化されないようにDNA複製を停止しなければならず、 複製が再開され得る前に全ての損傷が修復されなければならない。従って、これ らの二つの工程の釣り合いは、変異及びゲノムの不安定性を回避するために重要 である。DNA複写及びヌクレオチド切断修復の両者に関与することが知られて いる一つの蛋白質は、増殖細胞核抗原(PCNA)である。 溶液において、サッカロミケス・セレビシア(Saccharomyces cerevisiae)由 来のPCNAは、三量体として存在するものと考えられている。各単量体は、中 央のループにより分けられた二つの構造的に類似する領域を有し、従って三量体 は、X線結晶学的分析により決定されたように(Kongら、1992年;Kr ishnaら、1994年)、6回の対称性を示す。アミノ酸レベルでの変化に 関わらず、ヒトPCNAは出芽酵母PCNAに対して構造のレベルで高度に相同 的であると考えられている(Krishnaら、1994年)。これらの構造的 研究は、三量体性のPCNAが、DNAの周囲に螺旋構造を形成することを示し 、このことはPCNAが二重鎖DNAの周囲の滑動クランプとして作用して該D NA複製装置をそのテンプレート上に維持し、これによってその処理効率を大き く向上する(Bravoら、1987年;Prelichら、1987年b)こ とを示唆する早期の生化学的研究を確認した(Kuriyan及びO’Don nell、1993年により総説)。PCNAは、核内のDNA合成部位に局在 化し(例えば、Bravo及びMacDonald−Bravo、1985年) 、また、in vitroにおいて精製された蛋白質からSV40 DNA複製を再構成 するために必要とされ(Prelichら、1987年a)、DNA複製におけ る該蛋白質の必要性を明確に示した。同様に、シゾサッカロマイセス・ポンベ( Schizosaccharomyces pombe)のPCNA遺伝子pcn1は、pcn1が除去さ れた場合のDNA複製における欠損に特徴的な表現型を示す細胞について不可欠 である(Waseemら、1992年)。その複製の役割に加え、PCNAは、 無細胞系におけるヌクレオチド切断修復のために必要とされる(Shivjiら 、1992年)。しかしながら、PCNAがこれらの異なる役割を遂行するやり 方は未だ不明である。発明の要約 本発明は、ヒト蛋白質Fen1がPCNAと相互作用するという知見に基づく ものである。このことは、細胞環境下でヒトPCNAと相互作用し、ヒトcDN Aライブラリーによりコードされる蛋白質についての酵母の2雑種検査を使用し て示される。 Fen1は、5’−>3’エキソヌクレアーゼ活性を伴った(Robinsら 、1994年)構造特異的エンドヌクレアーゼ(Harringtonら、19 94年a)として以前に記述されており、これはヒト色素性乾皮症相補性G群蛋 白質(Harbrakenら、1994年;O’Donovanら、1994年 )、S.ポンベrad2及びrad13(Carrら、1993年;Murra yら、1994年)、並びにS.セレビシアRAD27/YKL510及びRA D2(Jacquierら、1992年;Siede及びFriedberg, 1992年)を含む、推定されるヌクレオチド切断修復因子と相同性を有する。 しかしながら、同じ蛋白質が必須DNA複製因子MF1として同定されている( Wagaら、1994年a)。 本発明は、更に各蛋白質の相互結合部位のマッピングによる、Fen1及びP CNAの間のアミノ酸レベルでの相互作用の性質決定に関する。これは、DNA 複製におけるPCNAの機能を妨げるが(Floresら、1994年;Wag aら、1994年b;Shivjiら、1994年)修復は行わない(Liら、 1994年;Shivjiら、1994年)サイクリン−キナーゼ阻害剤、p2 1Cip1(p21WAF1またはSdi1としても知られている)が、Fen1と同様 にPCNAの同じ部位に結合することを明らかにした。PCNAと相互作用する Fen1及びp21Cip1の領域は、相同的であることが示され、またp21Cip1 ペプチドは、PCNAへの結合についてFen1と競合することが見い出されて いる。 p21Cip1またはその断片、特には我々の同時係属中の出願番号PCT/GB 95/02583においてPCNA結合の原因となるものとして同定されたp2 1Cip1の領域が、PCNAについてFen1と競合するという知見は、Fen1 をp21Cip1についての模倣物質、特に細胞DNA複製を阻止または阻害するも ののスクリーニングにおいて使用するという可能性をもたらした。 従って、一つの側面において、PCNAに対する結合性を有する物質を提供し 、前記物質は: (i)C−末端領域からの89アミノ酸のペプチドを含むFen1蛋白 質の断片またはその活性部分;または (ii)配列主題部分QGRLDxFFを含むFen1蛋白質断片;また は (iii)前記蛋白質断片の機能的模倣物質 を有してなる。 我々は、“x”がS、DまたはGであり得ることを見い出しているが、多分他 のアミノ酸も容認されるであろう。 本発明において、“活性部分”なる用語は、前記全長のFen1アミノ酸配列 より短いが、PCNAに対して結合する性質を維持するペプチドを意味する。 本発明において、“機能的模倣物質”は、ペプチドではなくともよいが、我々 の先行出願に開示されたp21Cip1断片を除いてPCNAへの結合性を有する物 質を意味する。 更なる側面において、本発明は上述されるようなFen1の断片または模倣物 質である結合剤を使用するアッセイ法を提供する。特に本発明は、PCNAに結 合するFen1または断片またはその模倣物質(ここにおいて“Fen1成分” と称する)及び候補の模倣物質を、PCNAまたはその活性断片(ここにおいて “PCNA成分”と称する)に曝して候補の模倣物質とFen1成分とをPCN A成分に対する結合について競合させ、並びにPCNA成分の候補の模倣物質及 び/またはFen1成分に対する結合の程度を測定することを含んでなるFen 1またはp21Cip1模倣物質のスクリーニング方法を提供する。PCNAに結合 することが見い出された候補の模倣物質は、次いで生物学的活性、特にDNA合 成の阻害または(腫瘍)細胞成長の阻害について更にスクリーニングされる。 好都合なことに、該スクリーニング法は、Fen1の断片または模倣物質を固 体担体に固定化し、該固定化されたFen1成分をPCNA及び種々の濃度の候 補の模倣物質に曝すことにより行われ得る。固定化されたFen1に対するPC NA結合の程度は、PCNAを検出する抗体をしようして行われ得る。別法とし て、放射標識PCNAと固定化Fen1成分との、候補の模倣物質の存在下での 相互作用は、シンチレーション近接アッセイによって測定され得る。Fen1断 片または模倣物質を使用する他のアッセイ態様及びスクリーニング技術は、当業 者により容易に決定され得、候補の模倣物質をスクリーニングするために使用さ れ得る。 更なる側面において、本発明は上記のスクリーニング法を使用して得られる模 倣物質を包含する。 既知の医薬的に活性な化合物に対する模倣物質の設計は、“リード”化合物に 基づく医薬開発の既知の方法である。このことは、活性化合物が合成困難である 場合または費用がかかる場合、あるいは、例えばペプチド類は消化管内のプロテ アーゼによって迅速に分解される傾向があるように、特定の投与方法について不 適当である場合に望まれる。所定の目標となる性質を有する化合物から模倣物質 を設計するに際しては、一般にとられる幾つかの工程がある。第一には、目標と なる性質を与えるために臨界的及び/または重要な化合物の特定の部分が決定さ れる。ペプチドの場合には、このことは例えば各残基を順に置換する等のアミノ 酸残基を体系的に変化させることにより行われ得る。化合物の活性領域を構成す るこれらの部分または残基は、“薬理原子団(pharmacophore)”として知られ ている。 一旦、薬理原子団が見い出されれば、その構造は、NMR、X線回折データ等 の分光学的技術など、一連の供給源からのデータを使用して、その物理的性質、 例えば立体化学、結合、大きさ及び/または電荷に従ってモデル化される。コン ピューター的な分析、類似性マッピング(原子間の結合よりむしろ薬理原子団の 電荷及び/または体積をモデル化する)及びその他の技術が、このモデル化工程 において使用され得る。 この方法の変法において、リガンド及びその結合相手の3次元構造がモデル化 される。これは、リガンド及び/または結合相手が結合において構造を変化させ る場合に特に有用であり得て、模倣物質の設計においてモデルがこれを考慮する ことを可能とする。 次いで、薬理原子団を模倣する化学基が移植され得る鋳型分子が選択される。 該鋳型分子及びそれに移植される化学基は、模倣物質の合成が容易であり、薬理 学的に許容されるであろうように、またin vivoにおいて望ましい分解プロフィ ルを持つように、リード化合物の生物学的活性を維持しつつ、都合良く選択され 得る。このような方法で見い出される模倣物質または模倣物質類は、次いでそれ らが目標とする性質を有するか否か、またはどの程度にそれが示されるかを見る ためにスクリーニングされうる。次いで更なる至適化または修飾が、in vitro、 in vivoまたは臨床試験のための1種以上の最終模倣物質に到達するために行わ れる。 最終的模倣物質は、臨床的な用途を有するか、あるいは研究室の道具建てにお ける薬剤として有用であり得る。臨床的使用において、所望の分解プロフィル波 、分解が最小化されるようなものであるが、しかしながら、適切な速度の分解が 望まれるばかりでなく、実際必要となる状況もある。例えば、p21Cip1模倣物 質は、正常細胞において一時的に細胞増殖を阻止するための短い半減期の補助手 段として使用され得、その一方でp21Cip1を圧倒する細胞に対するゲノム毒性 化合物の投与は、例えば以上に高い濃度のPCNAを含む癌細胞等を停止させる 。 如かして、別の側面において本発明は、Fen1のPCNA−結合領域に基づ いて、ペプチドの種、及び上述したように得られる模倣物質をも提供する。これ らの化合物、特に模倣物質は、癌及び乾癬等の過剰増殖性疾患を含むPCNAが 関与する症状を治療するための医薬の調製に有用であろう。 本発明の治療的応用は、上述した種々のペプチドまたは模倣物質の投与を含む 。治療薬の種々の投与方法が、既知の製剤化及び手段に従って使用され得る。投 与量は、日常的な実験により決定されうる。投与は全身的または標的部分的であ ってよく、後者は、治療薬の標的細胞に対する直接的(例えば局所的)投与、ま たは細胞型特異的抗体若しくはリガンド等の標的システムの使用を採用する。標 的化は、副作用を最小化または局在化することから一般に好ましく;また例えば 薬剤が全身的に投与された場合に許容できない程度に毒性がある場合や、あるい はそうでないとあまりに高すぎる投与量が要求される場合、またはそうでないと 標 的細胞に入ることができない場合には特に重要である。 これらの薬剤を直接に投与する代わりに、それらは標的細胞内において、該細 胞に導入されたコード遺伝子、例えばウイルス性ベクターからの発現によって産 生されうる(VDEPT技術の変法−下記参照)。ベクターは、処置されるべき 特定の細胞に対して標的を定められることができ、あるいはそれは標的細胞内に おいて多かれ少なかれ選択的にスイッチが入れられる制御要素を含んでもよい。 別法として、該薬剤は、処置されるべき細胞内で産生されるか、または該細胞 を標的とした活性化剤による活性形態への変換のための、前駆体形態において投 与され得る。この形態の方法は、場合によりADPETまたはVDEPTとして 知られており;前者は、細胞型特異的抗体に接合されることにより活性化剤が該 細胞を標的とすることに関連し、その一方、後者はウイルスベクター内のコード DNAからの発現により活性化剤、例えば酵素が産生されることに関連する(例 えば、EP−A−415731及びWO90/07936参照)。 更なる側面において、本発明は、 Fen1への結合に関与するPCNAの領 域を同定する。如かして、本発明は、Fen1への結合性を有する物質を提供し 、前記物質はアミノ酸100−150の間にあるPCNA断片、またはその活性 部分;あるいは前記蛋白質断片の機能的模倣物質を含んでなる。 この領域のPCNA断片が、p21Cip1またはFen1に対する結合能力を維 持する場合には、これらを:(i)p21Cip1投与の調整;(ii)Fen1また はp21Cip1模倣物質のスクリーニング及びPCNA中のこの部位に結合する物 質の設計;(iii)低増殖性細胞の増殖の誘導、例えば老化下細胞の再活性化に 使用することができる。図面の簡単な記述 図1は、ヒトPCNAとの相互作用による酵母の2雑種検査において単離され たヒトFen1及び断片を示す。(A)保存されたヌクレアーゼ領域、及びFe n1ファミリーに亘って保存されたカルボキシ末端Fen1ボックスを示すFe n1の模式的ダイアグラム。(B)Fen1断片をコードする9個のプラスミド は、酵母の2雑種検査により単離され、全長のFen1、及びアミノ末端にて切 断された種々の断片をコードする。単離された最も短い断片は、Fen1のC− 末端領域から89個のアミノ酸を含む。 図2は、Fen1類似体の間のPCNA結合部位の保存性を示す。沈殿アッセ イ(下記参照)においてPCNAに結合するペプチドの配列が並べられ、QGR LDxFFの共通配列が与えられる。p21Cip1上のPCNA結合部位を有する 重要な残基は、ボールド体で示される。 図3は、PCNA上のFen1結合部位の決定を示す。PCNAの一連のN− 末端及びC−末端除去体が、Ga14のDNA結合領域を用いてフレーム内に構 築され、Ga14の転写活性化領域に融合するFen1を用いた2雑種システム において同時発現された。機能的Ga14転写因子の再構成は、β−ガラクトシ ダーゼまたはHis3活性についてのアッセイで試験された(チェック印)。全 PCNA単量体は、構造領域及びKrishnaら(1994)により記述され るように命名される主題について、模式的に示される。並行する一連の実験にお いて、p21Cip1とPCNA構築物との間の相互作用がアッセイされた。Fen 1及びp21Cip1は、各蛋白質への結合部位がPCNAの中央の100−150 アミノ酸に局在化し、領域1のβI1と領域2のβA2−αA2との間の露呈され たループを含むPCNA構築物に対する結合の同じパターンを示すことに注意さ れたい。 図4は、p21Cip1の短いペプチドがPCNAに対する結合についてどのよう にFen1PBP(下記参照)と競合するかを示す。ビオチン化Fen1PBP (ペプチド84−図2参照)は、ストレプトアビジンにより予め被覆されたEL ISAプレートに固定化された。組換えヒトPCNAを過剰発現する細菌性細胞 溶解物は、p21PBPから誘導された非ビオチニル化9アミノ酸ペプチド、Q TSMTDFYH(Warbrickら、1995)の増大する量と混合され、 次いで固定化されたFen1PBPに対するPCNAの結合が、PCNAに対す るポリクローナル抗体3009を使用し、続いてHRP−抗−ウサギ抗体及び4 50nmにおける比色測定により検出される。僅かに1μg/ml(およそ1μ M)のp21Cip1ペプチドが、Fen1PBPに対するPCNAの結合を完全に 阻害した。詳細な記述 酵母の2雑種検査及び欠失の構築 2雑種検査及び欠失分析は、本質的に以前に記述されているようにして実施さ れた(Warbrickら、1995及び国際特許出願PCT/GB95/02 583)。更なる構築物は、ヒトPCNA開放読み枠からの断片をpAS2にサ ブクローニングすることにより作成された。 蛋白質沈殿及びウェスタンブロッティング 15個のアミノ酸の重複を有する20個のアミノ酸ペプチドが、2雑種検査に てFen1上のPCNA結合部位として同定されたFen1のC−末端領域に由 来する89個のアミノ酸に亘って合成された(Chiron Minotores、オーストラリ ア)。これらのペプチドは、アミノ末端の残基SGSGを介してビオチンに結合 された。各ペプチドの2.7μgを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の10 μlのストレプトアビジン・アガロースビーズ(Sigma)を用いて室温(r.t.)に て1時間インキュベートし、次いでビーズをPBS中で充分によく洗浄し、各回 毎に11,600gにて遠心分離により回収した。洗浄したビーズにHeLa細 胞溶解物を、最終蛋白質濃度が1mg/mlとなるように添加し、ビーズと共に 氷上で1時間インキュベートした。ビーズを、220mM NaClを伴ったP BS中にて十分に洗浄し、次いで結合した蛋白質を0.2M DTTを含むSD S負荷緩衝液中で8分間煮沸することによりはずした。蛋白質を10% SDS−PAGEで分離し、次いでニトロセルロースに電気泳動的にうつしとっ た。ブロットがブロックされた後、10%FCSを用いてDMEM中に1:5に 希釈されたPC10ハイブリドーマ上清(Waseen及びLane、1990 年)と共に室温にて1時間インキュベートした。洗浄後に、2%脱脂乳−PBS −0.2%トゥイーン中の1:1000の第2のHRP−接合抗−マウスIgG 血清を、室温にて1時間で添加した。結合した抗体を、製造者の指示に従って、 ECLシステムを用いて可視化した(Amersham plc)。 競合ELISA ELISAプレートを、ウエル当たり100ngのストレプトアビジンを用い て、37℃にて一夜で被覆した。プレートをPBS中の5%脱脂粉乳にてブロッ クし、0.2%トゥイーン20を含むPBS(PBS−T)により充分に洗浄し 、次いで100μlFen1PBP−ペプチド84(図2参照)を10μg/m lにて各ウエルに添加した。加湿チャンバー内での、室温にて1時間のインキュ ベーションに続いて、ウエルを充分に洗浄した。過剰発現された組換えヒトPC NAを含むおよそ3.5μgの全蛋白質を、p21PBP(Warbrickら 、1995年)から誘導された配列QTSMTDFYH(HPLCにより精製さ れ、質量分光法により確認された)の9個のアミノ酸のペプチドの濃度を変化さ せて混合し、室温にて1時間でウエルに適用した。十分に洗浄後に、抗−PCN Aポリクローナル抗体3009(Coxら、原稿準備中)を1:1000にて添 加し、引き続いてHRP−接合抗−ウサギIgG血清を1:1000にて添加し 、結合した抗体をTMB比色測定法(Harlow及びLane、1988年) により可視化した。プレートをダイナテック5000プレートリーダーを用い、 450nmにて測定した。結果 Fen1C−末端領域由来の89アミノ酸は、相互作用トラップにおいてPCN Aを結合する ヒトPCNAと物理的に相互作用する蛋白質を、酵母サッカロミケス・セレビ シアにおける機能可能なGa14転写活性因子の再構成による、蛋白質−蛋白質 相互作用を検出する2雑種相互作用トラップシステムを使用してスクリーニング した。ヒトPCNAをGa14のDNA結合領域(Ga14AS)と融合して発 現するプラスミドを、ヒトcDNAライブラリーからの断片によりコードされる 分子をGa14転写活性化領域(Ga14ACT)と共に融合構築物として発現 するプラスミドをスクリーニングするために使用した。DNA配列決定において 、このスクリーニングにより単離されたクローンの1種類は、DNアーゼIV( Robinsら、1994年)、rad2hs(Murrayら、1994年) 及びMF1(Wagaら、1994年a)としても知られているヒト蛋白質Fe n1断片をコードすることが見い出された。我々のスクリーニングにて単離され た最小のFen1断片(図1)は、該蛋白質(全長380aa(Murrayら 、1994年))のC−末端領域からの89個のアミノ酸をコードしており、従 って、PCNA結合部位をこれらの残基に局在化させる。ドロソフィラ・メラノ ガスター(Drosophila melanogaster)及びシゾサッカロマイセス・ポンベ(Sch izosaccharomyces pombe)由来のPCNAもこの系おいてヒトFen1と相互作 用し、PCNA上の相互作用部位の強い進化論的保存を示唆した。 PCNAとの相互作用に重要なFen1上の部位のペプチドマッピング PCNAが結合するFen1の残基を正確にマッピングするために、一連のビ オチン化された20アミノ酸ペプチド(15アミノ酸の重複を伴う)を、2雑種 検査においてPCNAと相互作用することが見い出されたFen1領域を代表さ せて合成した(図1)。Fen1ペプチド(ストレプトアビジン・アガロースビ ーズに結合される)を、ヒトHeLa細胞抽出物とインキュベートし、次いでビ ーズを沈殿させ、結合された蛋白質を、モノクローナル抗−PCNA抗体PC1 0(Waseem及びLane、1990年)をプローブに用いるイムノブロッ ト法により分析した。結果は、PCNAがペプチド84、85及び86により同 じ効率をもってHeLa細胞抽出物から沈殿することを示し(図2参照)、これ らの3個のFen1ペプチドに共通するアミノ酸TQGRLDDFFKが、PC NAへの結合に重要であることを強く示唆した。枯渇していない抽出物中に存在 するPCNAの量と、Fen1ペプチド84−86により沈殿された量との比較 は、全細胞溶解物からのPCNA蛋白質の定量的な除去を示し、PCNAとFe n1ペプチドとの間の相互作用の高い親和性を示した。 PCNA−結合共通配列 沈殿アッセイ法においてPCNAにより認識されるヒトFen1の領域は、F en1ファミリーにおいて高度に保存された主題部を含む。我々は、ヒトPCN AがFen1の酵母相同物、S.ポンベrad2及びS.ポンベRAD27/Y KL510におけるこの主題部に結合し得るかどうかを試験した。ビオチニル化 ペプチドを、S.ポンベrad2(Murrayら、1994年)及びS.セレ ビシアRAD27/YKL510(Jacquierら、1992年)のPCN Aと相互作用することが示されたFen1の部分に相同な領域における発表され た配列に基づいて合成した。これらのペプチド92及び93(図2参照)は、上 述した沈殿反応において使用された。S.ポンベ(ペプチド92)及びS.セレ ビシア(ペプチド39)由来の保存されたボックスの20アミノ酸ペプチドによ り、HeLa細胞抽出物から沈殿された蛋白質のPC10イムノブロットは、P CNAがFen1ペプチド84−86に対して同様な親和性をもったrad2及 びRAD27の保存領域に結合することを示し、結合主題部の顕著な保存性を例 示している。PCNAの先に定義したp21Cip1−PCNA結合ペプチド(p2 1PBP−Warbrick、1995)に対する結合が、陽性の対照として使 用され、またストレプトアビジン−アガロースビーズ単独が陰性の対照として使 用された。種々の分子種(図2)からのこれらのPCNA−相互作用ペプチドの 配列の比較により、我々はQGRLDxFFのPCNA結合部位を定義しうる。 Fen1は、S.ポンベのrad2及びS.セレビシアのRAD27/YKL 510に対して最も近接して相同的であるが、それは推定されるヌクレオチド切 断修復−関連蛋白質rad13(S.ポンベ)、RAD2(S.セレビシア)及 び挑戦的にはヒト色素性乾皮症相補性G群蛋白質とも限られた相同性を共有する 。これらの配列を並べると、我々がFen1にとってPCNAに結合するために 重要であることを見い出した領域において、類似性が明らかとなり、新規なPC NA結合主題部を定義する。顕著なことに、我々が以前にPCNAへの結合のた めに重要であることを見い出したp21Cip1の残基は、PCNA相互作用のため にFen1ファミリーの一員に要求されるものと極めて類似している。 Fen1はPCNAの中央領域を相互作用する Fen1結合に重要なPCNAの領域を定義するために、我々はGA14AS に融合するPCNAの一連の欠失構築物を作成し、2雑種システムにおいてそれ らのFen1プラスミドとの相互作用の能力を試験した。結果(図3)は、Fe n1がPCNAの残基100と150との間の領域に結合することを示す。この 領域は、各単量体の二つの領域間のPCNAの中央ループに対応し、構造的主題 部β11、βA2及びαA2も含んでいる(S.セレビシアPCNAの結晶構造 から(Krishnaら、1994年))。顕著なことに、この領域はPCNA のN−末端欠失物を使用すると、サイクリン−キナーゼ阻害剤p21Cip1のPC NAへの結合(Warbrickら、1995年)にも関連づけられた。従って 、我々は、2雑種系におけるp21Cip1−PCNA相互作用の以前の観察を、新 たな一連の欠失構築物を使用して確認及び拡張し、Fen1及びp21Cip1が、 PCNAの同じ領域に結合することを例示した。 p21Cip1はPCNAへの結合についてFen1と競合する Fen1に結合するPCNAの領域はp21Cip1により認識されるものと同じ であり、かつPCNA相互作用に要求されるFen1の主題部は、p21PBP の重要な残基と相同的であるものと考えられる(Warbrickら、1995 年)ことから、Fen1及びp21Cip1が、PCNAに対する結合について競合 するであろうことは高い可能性をもってあり得る。従って、我々は、この仮定を ELISAウエルに固定化されたFen1のPCNA−相互作用ペプチド84 (Fen1PBPをFen1−PCNA結合ペプチドと称する)を使用して試験 した。組換えヒトPCNAを、Warbrickら、(1995年)により定義 されるようにPCNA相互作用に重要なアミノ酸、QTSMTDFYHを含むp 21Cip1の非−ビオチン化9−量体ペプチドの増大する量とともに添加した。こ のp21Cip1の短いペプチドは、僅かに1μMの添加されたp21Cip1ペプチド において全量のPCNAが固定化Fen1PBPから排除されて、Fen1PB Pに対する結合についてPCNAと明らかに競合する。無関係な20−量体ペプ チドを、Fen1PBPに対するPCNAの結合へのペプチド及び溶媒DMSO の非特異的影響についての対照として使用した。検討 この出願において、我々は、DNA複製及びDNA修復に関与する2種類の蛋 白質の間の相互作用;フラップエンドヌクレアーゼFen1(Harringt on及Lieber,1994a;Harrington及Lieber,19 94b)[DNアーゼIV(Robinsら、1994年)、rad2hs(M urrayら、1994年)及びMF1(Wagaら、1994年)としても知 られている]並びにDNAポリメラーゼδ補助摺動クランプ、PCNA(Bra voら、1987年;Prelichら、1987年b)を開示している。2雑 種系における欠失マッピングは、PCNA結合部位に含まれるものとしてFen 1の89個のアミノ酸を定義することを可能とした。2雑種検査にて単離された 最も短いFen1断片に従って合成されたペプチドを使用する分析は、次いでP CNA結合部位を3個の重複するFen1−PCNA結合ペプチド(Fen1P BP)に対して位置づけることを可能とした。これらのFen1ペプチドにおけ る配列の重複、並びにS.セレビシア(YKL510/RAD27)及びS.ポ ンベ(rad2)のFen1相同物から誘導されたものの比較は、PCNA結合 領域を8個のアミノ酸:QGRLDxFFとして定義する。この主題部は、S. ポンベrad13遺伝子生成物、S.セレビシアRAD2及びヒト色素性乾皮症 XP−G蛋白質を含み、限定された相同性をFen1と共有するヌクレオチド切 断修復のために必要とされるであろう蛋白質の別のファミリーにおいても部分的 に保存されるであろう。顕著なことには、PCNA結合に重要な残基は、サイク リン−キナーゼ阻害剤、p21Cip1のPCNAとの相互作用に必要な領域(Wa rbrickら、1995年)とも共通している。従って、この主題部は、新規 なPCNA結合共通部分を定義するであろう。 PCNAの一連のアミノ末端及びカルボキシ末端の除去は、Fen1結合部位 を、各単量体の2個の領域の間のループ中に露呈される残基を含むアミノ酸10 0−150の間の領域に局在化させた。我々のデータは、Fen1結合部位をこ このアミノ酸のレベルまで定義することは可能としないが、相互作用が、溶液中 で最も露呈されるPCNAのこれらの残基、即ちループ内の17個のアミノ酸の 内に含まれるものを関与させることは可能である。 D.メラノガスター及びS.ポンベ由来のPCNAも、2雑種系においてヒト Fen1断片に結合することから、相互作用はFen1相同物のみならずPCN Aについても進化の過程で保存される。このようなレベルでの保存性は、この相 互作用が細胞DNA複製及び/または修復に重要であろうことを示唆している。 我々は、PCNAのこの中央のループがp21Cip1のための結合部位を与えるで あろうことを既に報告した。Fen1及びp21Cip1は、PCNA結合のために 本質的なアミノ酸を共に有し、PCNAの同じ部位に結合するものと思われるこ とから、それらはPCNA機能を競合的に変化させるはずであり、これらの蛋白 質の癌及び他の過剰増殖疾患の治療における用途を示唆している。 PCNAは、DNA複製装置をその鋳型に繋ぎ止める摺動クランプとして機能 し、該酵素の処理能力を向上して、核DNA複製について基礎となるものである 。加えてPCNAは、ヌクレオチド切断修復に必要とされる(Shivjiら、 1992年)。PCNAは、各工程に特異的な蛋白質との相互作用によって、複 製及び修復の異なる役割に採用されるであろう。従って、PCNAの相手となる ものの検査は、DNA修復及びDNA合成の両者の理解において重要な到達点で ある。この研究は、PCNAの、構造−特異的エンドヌクレアーゼであるFen 1 との相互作用を例示するものである。 直接的PCNA−Fen1相互作用の例示は、このような複合体の生物学的機 能及び活性について質問を求める。二つの仮定は、我々のデータと一致する: (1)PCNA−Fen1複合体はDNA複製において機能を有する;(2)該 複合体はDNA修復において活性である。Fen1の既知の活性はいずれかの仮 定を指示するであろうか?Fen1蛋白質は、既知の修復遺伝子生成物との相同 性故に、哺乳動物ヌクレオチド切断修復において機能することが示唆されている 。それはS.ポンベrad2遺伝子生成物のヒト相同物(rad2hs(Mur rayら、1994年)、DNアーゼIV(Robinsら、1994年))と して同定されている構造−特異的フラップエンドヌクレアーゼである。それは、 フラップの全体構造を必要とするが、フラップの長さに依存することなく作用し て、5’単鎖領域において終わるDNAフラップを特異的に切断する(Harr ington&Lieber、1994年a)。加えて、Fen1は二重鎖DN Aに特異的な5’−>3’エキソヌクレアーゼ活性を有する。ヒト及びマウスF en1は、S.セレビシア由来の構造−特異性エンドヌクレアーゼYKL510 (RAD27)及びRAD2(Harrington&Lieber、1994 年b)、並びにERCC5(Shiomiら、1994年)としても知られるヒ ト色素性乾皮症相補性G群蛋白質(Murrayら、1994年;O’Dono vanら、1994年)と相同性を共有する。2個のUV−誘発可能な上流要素 が、S.セレビシアRAD2遺伝子のプロモーター内に存在し、これは遺伝子毒 性的損傷に続いてDNA修復遺伝子に特徴的な蛋白質結合の増大を示す(Sie de&Friedberg、1992)。DRE1の欠失はG1/Sにおいての み増大したUV感受性をもたらすが、その一方でDRE2の欠失はG1/S、S /G2及び定常相においてより高い感受性を導くことから(Siede&Fri edberg、1992)、興味深いことにこれらの2個の要素DRE1及びD RE2は細胞周期に亘って差動的に制御されうる。従って、Fen1及び特徴付 けされた修復蛋白質の間の構造的及び機能的相同性は、Fen1が哺乳動物ヌク レオチド切断修復に関与するという示唆を支持している。 しかしながら、証拠の幾つかはDNA複製におけるFen1の更なる役割を指 し示す。それは複製されたSV40 DNAを共有結合的に閉鎖された環(フォ ームI)に熟成するために必須であり、また、リボヌクレオチドプライマーをオ カザキ断片から除去するであろうRNアーゼH活性を有する(Wagaら、19 94a)。Fen1のウシ相同物は、DNAポリメラーゼεの部分精製分画中に 検出されており、被覆鎖反応における合成的DNA基質上の完全NADNA合成 に必要とされる(Siegalら、1992;Turchii&Bambara 、1993年)。放射感受性変異として同定されるものであるが、Fen1のS .ポンベ及びS.セレビシア相同物は、DNA複写の誤りと一致する変異表現型 を示す(例えば、Reaganら、1995年)。挑戦的であるが、S.セレビ シアRAD27遺伝子の上流領域は、それらの生成物がS相で必要とされる遺伝 子に特徴的な2個のMluIボックスを含み、その転写がG1/Sにおいて最大 レベルに達する。Fen1及びその相同物のこれらの特徴は、S相DNA複写に おける役割と極めてよく一致する。該蛋白質のDNA複写及び修復における2種 の交互的役割は、例えば、PCNAが両者の工程において機能を有することから 両立しない。 PCNA結合についてのFen1及びp21Cip1の間の競合は、クランプ蛋白 質の機能を調整するであろうし、また、我々は特定の理論に縛られることは望ま ないが、PCNAと結合するp21Cip1は、複写能力を有する形態(PCNA− Fen1)から、DNA複写をサポートできない修復能力を有する形態に移行す るというアイデアの考えに刺激される。このようなPCNA機能の変更は、DN A損傷に続くDNA複写の停止と、DNA修復との間の直接的な連結を与えるで あろう。この仮説と矛盾することなく、p21Cip1は、それ自体ゲノム損傷に応 答して誘導されるヒト腫瘍抑制蛋白質p53(El−Deiryら、1993年 )によって転写的に誘導される(Cox&Lane、1995年の総説)。ゲノ ムの損傷に続くp21Cip1の高い濃度と組み合わせて、PCNAに対するFen 1より高いP21Cip1の親和性は、複合体からのFen1の全ての離脱を充分 にもたらし得るであろう。 ここに示した結果は、DNA複写及び修復複合体におけるPCNA及びFen 1の生物学的役割を越えての応用を有する。PCNAは、ある種のヒト腫瘍にお いては、Ki67(例えば、Knechelら、1993年)等の他の細胞周期 マーカーの濃度を上回って上昇し、我々は過剰増殖細胞においてPCNAの複写 活性を阻害するために有用であろうp21Cip1、p21PBPのペプチドを既に 記述した。p21Cip1のPCNA−阻害活性を模倣する新規な薬剤の開発は、適 当なスクリーニング方法を必要とする。従って、P21PBPから誘導された最 小ペプチドが、PCNAに対する結合においてFen1PBPと成功裡に競合こ こに記述した研究は、PCNA結合及びおそらくDNA合成の阻害においてp2 1PBP活性を模倣する小型分子の迅速かつ再現性あるスクリーニングを提供す べく、容易に拡張され得る。そのようなスクリーニングにより決定される薬剤は 、癌を含む過剰増殖性疾患の治療のための有用性が示されるであろう。参考文献
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年2月26日 【補正内容】 請求の範囲 1. PCNAに対する結合性を有する物質であり、前記物質が本質的にFe n1のC−末端89アミノ酸由来の断片、若しくはその活性部分、または“x” が任意のアミノ酸である配列QGRLDxFFを有するペプチドからなるPCN A結合性物質。 2. “x”が、S、DまたはGである請求の範囲1項に記載の物質。 3. 請求の範囲1項または2項に記載の物質及びPCNAを模倣する候補の 物質を、PCNAまたはその活性断片に曝して候補の模倣物質と該物質とをPC NA成分に対する結合について競合させ、並びにPCNA成分の、候補の模倣物 質または該物質に対する結合の程度を測定することを含んでなるFen1または p21Cip1模倣物質のスクリーニング方法。 4. 候補の模倣物質を更に生物学的活性についてスクリーニングすることを 含んでなる請求の範囲3項に記載の方法。 5. 生物学的活性が、DNA合成の阻害または腫瘍細胞成長の阻害である請 求の範囲4項に記載の方法。 6. 該物質または候補の模倣物質が固体担体に固定化される請求の範囲3項 ないし5項のいずれか1項に記載の方法。 7. 候補の模倣物質の結合の程度がPCNA若しくはその活性断片の標識、 またはPCNAに結合可能な標識抗体の使用により検出される請求の範囲3項な いし6項のいずれか1項に記載の方法。 8. 請求の範囲3項ないし7項のいずれか1項に記載のスクリーニング方法 により得ることができるFen1またはp21Cip1模倣物質。 9. 請求の範囲1項または2項に記載の物質を、医薬的に許容される担体と の組合せにおいて含有する医薬組成物。 10. 医学的治療方法において使用される請求の範囲1項または2項に記載の 物質。 11. Fen1に対する結合性を有する物質であり、該物質はアミノ酸100 −150の間に位置するPCNA断片またはその活性部分から本質的になる物質 。 12. 請求の範囲3項ないし8項のいずれか1項に記載のスクリーニング方法 における、PCNAの活性断片としての請求の範囲11項に記載の物質の使用。 13. PCNAが関与する疾患の治療用医薬の調製における請求の範囲1項ま たは2項に記載の物質の使用。 14. 該疾患が、癌または乾癬等の過剰増殖性疾患である請求の範囲13項に 記載の使用。 15. 該医薬が、PCNA結合物質の分配を調節するために請求の範囲11項 に記載のFen1結合物質を更に含有する請求の範囲13項または14項に記載 の使用。 16. 過剰増殖性細胞における増殖の誘発のための医薬調製における請求の範 囲11項に記載の物質の使用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 レイン,デイヴィッド フィリップ イギリス国 KY16 O8N ファイフ セント アンドリュース バルムロ マジ ックウェル ハウス (番地なし) (72)発明者 ワーブリック,エマ イギリス国 DD6 9BB ファイフ テイポート ダルグライシュ ストリート 32 (72)発明者 グローヴァー,デイヴィッド ムーア イギリス国 PH2 7RB パース エ ロル インチクーナンズ ステイブルズ コテイジ (番地なし)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. PCNAに対する結合性を有する物質であり、前記物質は: (i)C−末端領域からの89アミノ酸のペプチドを含むFen1蛋白 質の断片またはその活性部分;または (ii)配列主題部分QGRLDxFFを含むFen1蛋白質断片;また は (iii)前記蛋白質断片の機能的模倣物質; を有してなる物質。 2. “x”が、アミノ酸S、DまたはGである請求の範囲1項に記載の物質 。 3. PCNAに結合するFen1または断片またはその模倣物質(“Fen 1成分”)及び候補の模倣物質を、PCNAまたはその活性断片(“PCNA成 分”)に曝して候補の模倣物質とFen1成分とをPCNA成分に対する結合に ついて競合させ、並びにPCNA成分の候補の模倣物質及び/またはFen1成 分に対する結合の程度を測定することを含んでなるFen1またはp21Cip1模 倣物質のスクリーニング方法。 4. 候補の模倣物質を更に生物学的活性についてスクリーニングすることを 含んでなる請求の範囲3項に記載の方法。 5. 生物学的活性が、DNA合成の阻害または腫瘍細胞成長の阻害である請 求の範囲4項に記載の方法。 6. Fen1の断片または模倣物質が、固体担体に固定化される請求の範囲 3項ないし5項のいずれか1項に記載の方法。 7. PCNA模倣物質の結合の程度がPCNA成分の標識、またはPCNA に結合可能な標識抗体の使用により検出される請求の範囲3項ないし6項のいず れか1項に記載の方法。 8. 請求の範囲3項ないし7項のいずれか1項に記載のスクリーニング方法 により得ることができるFen1またはp21Cip1模倣物質。 9. 請求の範囲1項または2項に記載の物質を、医薬的に許容される担体と の組合せにおいて含有する医薬組成物。 10. 医学的治療方法において使用される請求の範囲1項または2項に記載の 物質。 11. Fen1に対する結合性を有する物質であり、前記物質はアミノ酸10 0−150の間に位置するPCNA断片またはその活性部分;または前記蛋白質 断片の機能的模倣物質から本質的になる物質。 12. 請求の範囲3項ないし8項のいずれか1項に記載のスクリーニング方法 のPCNA成分としての請求の範囲11項に記載の物質の使用。 13. PCNAが関与する疾患の治療用医薬の調製における請求の範囲1項ま たは2項に記載の物質の使用。 14. 該疾患が、癌または乾癬等の過剰増殖性疾患である請求の範囲13項に 記載の使用。 15. 該医薬が、PCNA結合物質の分配を調節するために請求の範囲11項 に記載のFen1結合物質を更に含有する請求の範囲13項または14項に記載 の使用。 16. 過剰増殖性細胞における増殖の誘発のための医薬調製における請求の範 囲11項に記載の物質の使用。
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