【発明の詳細な説明】
ダイヤモンドもしくはcBN製のフルート付き中央切削エンドミル
発明の背景
本発明は、回転切削工具に関し、特に、ダイヤモンド等の切削縁を備えた螺旋
フルート付きエンドミルおよびボールミルに関する。
螺旋フルート付きのエンドミルおよびボールミルは一般的にミリング(millin
g)工具として使用されると共に、精巧な表面が所望される場合は過酷な条件下
で加工操作および仕上操作を行う必要がある。螺旋フルート付きエンドミルの切
削端はたとえば、エンドミル・ブランク上の少なくとも1個の切削刃を含んでい
る。また、ボールミルの切削端は、ミルのボールエンドの回りに切削刃を担持し
ている。
ミル・ブランクの切削刃に位置せしめられて相互に逆方向に向けられた切削面
は軸心方向および捩れ方向の負荷を受けることから、ミリング工具の作成に使用
される材料に関する要件が生ずることとなる。明らかに、切削刃用の材料は加工
品を切削すべく可及的に硬質とされるべきであり、且つ、耐熱性を有することに
より高温にてミルの切削刃を保持せねばならない。更に、ミル・ブランクのボデ
ィの材料は堅固かつ強靭であり、撓みに抗すると共に、エンドミルの使用中の負
荷の下でミルの一体性を維持せねばならない。以上の様な要件は結果的に材料選
択上の妥協に繋がって来た、と言うのも、硬質材料は脆い傾向がある一方で、強
靭な材料は究めて容易に摩耗する傾向があるからである。
本発明は、端面に切削面を有するルータビット(router bit)、リーマおよび
タップ等の他の種類の回転切削工具にも応用し得るもの
である。
先行技術は、切削面における硬度および耐摩耗性を有する材料と、ボディおよ
びシャフト部における靭性および剛性を有する材料とを組合せることを教示して
いる。すなわち、これまでは、或る材料で切削面を形成すると共に別の材料でボ
ディおよびシャフトを形成することが提案されて来た。これは、炭素鋼もしくは
炭化物のシャフト上に、炭化タングステンもしくはダイヤモンドのインサートも
しくはチップを堅固に接合した様な種々の組合せという結果となった。個々には
有用であり乍らもこれらの組合せは共通した不都合を有しており、即ち、インサ
ートもしくはチップとシャフトとの間のろう付け接続である。
炭化タングステンは、鋼もしくはシャフトに直接的に半田付けもしくはろう付
けされ得る。しかし乍ら、ダイヤモンドは最初に炭化物基材に付着し、次にそれ
をシャフトに半田付けもしくはろう付けせねばならない。この点に関し、ダイヤ
モンド粒子は稠密なもしくはPCD(多結晶質ダイヤモンド)状のディスクに成形さ
れると共に、金属触媒を用いた高圧高温プレスにより炭化物基材に結合されるの
が通常である。しかし乍ら、プレス内でダイヤモンド粒子を相互に且つ基材に対
して結合する触媒の役割を果たす金属は、雰囲気圧力下で、700 ℃以上の温度で
はダイヤモンドをグラファイト(黒鉛)に変換する触媒の役割をも果たしてしま
い、PCD 稠密体の壊変(disintegration)を引起こしてしまう。従って、基材を
シャフトに取付ける上では、低温半田付けもしくはろう付け接続が使用される。
例えば上述のダイヤモンドディスクならびにダイヤモンド・インサート・スタッ
ドは、多結晶材料から成るダイヤモンド層が表面に焼結された炭化タングステン
基材から作成されている。
適切な合成多結晶質ダイヤモンド層は、合衆国ユタ州、Provo 市
のMegadiamond Industries,Inc.により製造されている。
このMegadiamond 社に譲渡された例えば2件の特許は穿孔用の切削エレメント
を記述している。即ち、米国特許第4,527,643 号には穿孔用の切削エレメントが
記述されているが、これは多結晶質ダイヤモンド等から成る5個の切削刃を同様
の硬質材料製の炭化物から成る中央基材に取付け、中央基材は、穿孔機に挿入さ
れ得る回転シャフト上に支持されるものとされている。この場合、多結晶質材料
は、穿孔の間に付与される捩れ力に関して支持されている。
また、米国特許第4,627,503 号は穿孔もしくは同様の用途の為に切削エレメン
トとして使用する多結晶質ダイヤモンドおよび金属エレメントを記述している。
而して、切削エレメントは、金属間に挟持された多結晶質ダイヤモンド製の中心
部を備えて成る。この金属側部分は、約45 x 106以下のヤング率を有すると共に
、コバルト、ニッケル、鉄、銅、銀、金、白金、パラジウムおよびこれらの金属
の合金から成る群から選択された軟質金属から作成されている。
これらの特許はいずれも、ろう付け型の結合要素を用いてダイヤモンド・カッ
タをドリル・ブランク内に固着している。また、典型的には低温半田付けもしく
はろう付け接続を用い、螺旋ドリル(helical twist drill)のシャフトなどに基
材を取付けている。このろう付け接続では、斯かる穿孔工具の実効寿命が制限さ
れる、と言うのも、それは基材もしくはシャフトのいずれよりも柔らかいからで
ある。従って、ろう付け部分は工具構造の中で最も弱い部分となり、工具用途を
制限する要因となって来た。
一方、米国特許第4,762,445 号は螺旋フルート付きドリル装置を教示しており
、該装置においては、ダイヤモンドなどの焼結研磨粒子から成ると共に対向オフ
セットされた支脈(vein)が、炭化物など
の摩耗の少ない材料製のドリル・ブランク内に埋設されている。研磨材料から成
ると共に整列されていない支脈自体は、ドリルの先端およびウェブ(溝間部分)
の付近を交差している。ダイヤモンドの支脈は、螺旋ドリルブランクの先端に跨
がって180°だけ対向している。対向するこれらの支脈は螺旋ドリルの中心もし
くは軸心にて直交し、ドリルの先端においてダイヤモンドを集中させている。
他方、米国特許第4,991,467 号は、加工品に穿孔を行う為のダイヤモンド先端
付きドリルを記述している。ドリルブランク・ボディは一対のフルートを有して
おり、フルートの各々は、該フルートに本質的に平行なチャネルを含んでいる。
このチャネルの各端は、ドリルの切削端に最も近接するボディ内に形成された開
口にて終結している。また、ダイヤモンド材料は、この開口を介してフルート内
に圧入される。引続き、ドリル・ビット・ボディ切削端で加工を行うと、切削先
端におけるダイヤモンドと、フルートの前縁(leading edge)の近傍のダイヤモン
ドが露出されることになる。
更に、米国特許第5,031,484 号および第5,070,748 号は、ミル・ブランクの側
壁に少なくとも一対の螺旋状グルーブもしくはフルートを有するエンドミルを記
述している。グルーブの各々は、各フルートの前縁に沿った多結晶質ダイヤモン
ドもしくは多結晶質の立方窒化ホウ素を含んでいる。しかし、上述した特許によ
り記述されたエンドミルは、中央切削を行う能力を有していない。
言及したことにより、米国特許第4,991,467 号、5,031,494 号および5,070,74
8 号を援用する。
本発明は、上述した先行技術における問題点を克服するものであり、これを、
たとえばフルートと、ミリング・カッタ・ブランクの端面に跨がってダイヤモン
ドを集中させることにより達成している。
発明の要約
中央切削エンドミルは、切削端および基端を備えて案る。フルートは切削端か
ら基端に向けて延伸する。エンドミルは、切削端に跨がるグルーブと、各フルー
トの前縁(leading edge)に近接するグルーブとを有する。各グルーブは、その場
所でグルーブ内に焼結された多結晶質ダイヤモンド状材料で充填されている。ダ
イヤモンド状材料は露出されて該ダイヤモンド状材料の前縁に沿った切削刃を形
成し、これは加工品を切削すべくエンドミルの中心に十分に近接して延在し、エ
ンドミルの中心までも延伸している。
切削端のグルーブはエンドミルの中心軸心まで延伸するか、さもなくばエンド
ミルの中心軸心に到達せずに、エンドミルの一部を切削端の中心にて露出する。
切削端から基端に向けて延伸するグルーブは、少なくとも切削端の中心の付近か
ら基端に向けて延伸する単一のグルーブとしても良く、または、別体のグルーブ
としても良い。略々平坦な切削端と略々円筒状の側壁との間の鋭い交差部を備え
たエンドミルにおいては、各グルーブは相互にオフセットされ、交差部にて別体
の切削刃を形成しても良い。
図面の簡単な説明
上述した本発明の課題および利点は詳細な図面と関連する以下の説明を考察す
れば更に十分に理解されよう。
図1は、フルート付きボールミルの斜視図である。
図2は、図1の2−2方向視端面図である。
図3は、当該ボールミル・ブランクの側面およびボールエンドに形成された4
本の螺旋状グルーブを備えたボールミル・ブランクの側面図である。
図4は、図3の4−4方向視端面図である。
図5は、フルートの前縁に形成されたダイヤモンドもしくは結晶質BN(cBN)と
、エンドミルボディの切削端に跨がって形成されたグルーブ内に形成されたダイ
ヤモンドとを備えた突入式エンドミルの斜視図である。
図6は、その側面に一対の螺旋状グルーブが形成されると共に切削端に跨がる
付加的グルーブを備えた突入式の炭化物製エンドミルの側面図である。
図7は、図6の7−7方向視端面図である。
図8は、図5の8−8線に沿った部分的側面図であり、ダイヤモンドもしくは
多結晶質BN(PcBN)ミルの掬い(すくい)角を示すと共に、ダイヤモンドもしくは
多結晶質BNの切削刃の背後に形成された一次的及び二次的な逃げ角を示している
。
図9は、放物線状の切削刃逃げ角を備えた多結晶質ダイヤモンドもしくは多結
晶質BNの代替的配置構成である。
図10(A)は右回りのフルートを備えたエンドミル・ブランクの実施例の側
面図であり、
(B)は左回りのフルートを備えたエンドミル・ブランクの実施例の側面図で
あり、
(C)は右回りのフルートを備えたボールミル・ブランクの実施例の側面図で
あり、
(D)は左回りのフルートを備えたボールミル・ブランクの実施例の側面図で
ある。
図11(A)は右回りのフルートに関して可変半径切削端を備えたエンドミル
・ブランクの実施例の側面図であり、
(B)は平坦に終結し乍らも切削端において丸められた角部を有するエンドミ
ル・ブランクの実施例の側面図であり、
(C)は楕円状切削端を有する切削端を備えたエンドミル・ブラン
クの実施例の側面図であり、
(D)はテーパ付き切削端を備えたテーパ付きボールノーズ・エンドミル・ブ
ランクの実施例の側面図である。
図12(A)は突入式エンドミルの上面図であり、該エンドミルがいずれの方
向にも回転され得る様にエンドミルの軸心を通過延伸すると共に切削端に跨がる
グルーブにはダイヤモンドもしくは結晶質BNが充填されており、
(B)は当該ミルの切削端に跨がるダイヤモンドもしくは結晶質BNを備えると
共に、ダイヤモンドもしくは結晶質BNの半分はカッタ回転の方向に対して前方オ
フセットされているエンドミルの上面図であり、
(C)は、(B)とは逆な様に切削端に跨がるダイヤモンドを備え従って反時計
方向に回転され得る突入式エンドミルの上面図であり、
(D)は当該エンドミルの軸心に整列されたダイヤモンドもしくは結晶質BNを
備えると共に、ダイヤモンドは切削端の半分までをカバーし、いずれの方向にも
回転され得るエンドミルの上面図である。
図13(A)は軸心の上側に整列されたダイヤモンドもしくはcBNを備えると共
に、ダイヤモンドは切削端の半分までをカバーし、時計方向もしくは反時計方向
のいずれにも回転され得るエンドミルの上面図であり、
(B)は当該ボールミル軸心の下側に整列されたダイヤモンドもしくは結晶質B
Nを備えると共に、ダイヤモンドは切削端の半分をカバーし、時計方向もしくは
反時計方向のいずれにも回転され得るエンドミルの上面図であり、
(C)は当該ボールミルの頂部にて終結する1本の螺旋状ダイヤモンドもしく
は結晶質BNのフルートを備え、いずれの方向にも回転され得るボールミルの上面
図であり、
(D)はダイヤモンドから成ると共に当該ボールミルの頂部にて接続されてい
る一対の螺旋状フルートを備え、いずれの方向にも回転され得るボールミルの上
面図である。
図14(A)はダイヤモンドから成ると共に当該ボールミルの頂部にて交差す
る4本のフルートを備え、いずれの方向にも回転され得るボールミルの上面図で
あり、
(B)は当該ボールミルの頂部に僅かに届かない様にして終結する一対の螺旋
状フルートを備え、いずれの方向にも回転され得るボールミルの上面図であり、
(C)当該エンドミルの切削端の軸心に整列されると共にダイヤモンドから成
る一対のフルートを備え、各フルートは頂部に僅かに届かず、いずれの方向にも
回転され得るエンドミルの上面図であり、
(D)は軸心から離間されると共にダイヤモンドもしくは結晶質BNから成る一
対のフルートを備え、各フルートは当該ミルが時計方向もしくは反時計方向に回
転され得る様に中心から前方オフセットされている、エンドミルの上面図である
。
図15(A)は軸心から離間されると共にダイヤモンドもしくは結晶質BNから
成る4本のフルートを備え、各フルートは当該ミルが時計方向もしくは反時計方
向に回転され得る様に中心から前方オフセットされているエンドミルの上面図で
あり、
(B)は当該ミルの切削端の軸心上を通過すべく該軸心と整列されると共にダ
イヤモンドもしくは結晶質BNから成る単一個のフルートを備え、いずれの方向に
も回転され得るエンドミルの上面図であり、
(C)は当該ミルの切削端に跨がって径方向に120°で配設されると共にダイヤ
モンドもしくは結晶質BNから成る3本のフルートを備え、軸心方向に整列された
フルートの内の1本は軸心上を通過し、
他の対のフルートは軸心に僅かに届かない様にして終結し、いずれの方向にも回
転され得るエンドミルの上面図であり、
(D)は当該ミルの切削端に跨がると共にダイヤモンドもしくは結晶質BNから
成る4本のフルートを備え、軸心方向に整列されたフルートの内の1本は軸心上
に在り、他の3本のフルートは軸心に僅かに届かない様にして終結し、いずれの
方向にも回転され得るエンドミルの上面図である。
図16はエンドミルおよびボールミル・カッタの両者を製作する為に必要な方
法段階の概略図である。
図17は複数の切削刃を有する代表的エンドミルの端面図である。
詳細な説明
図1において、多結晶質ダイヤモンド(PCD)もしくは多結晶質立方窒化ホウ素(
PcBN)から成るボールミル10はエンドミル・ボディ12を備え、該ボディは例えば
、該ボディの回りで円周方向に等間隔で離間された4本の螺旋状フルート14を有
している。ボールミルのボディは、例えば、浸炭(cemented)炭化タングステン等
の硬質で強靭な材料から製作することができる。フルート14の前縁15にはグルー
ブ18が形成されている。また、螺旋状に形成された該グルーブ18内には、所定位
置に焼結された多結晶質ダイヤモンドもしくはPcBN 30 が形成されている。例え
ば、切削刃32は、エンドミル・ボディ12のグルーブ18内の焼結ダイヤモンド材料
30内へ削り出される。炭化タングステンから成るエンドミル・ボディは、次に、
鋼もしくは炭化物から成るシャンク16に対し、接合部17にて冶金的に接合され得
る。この冶金的接合は、たとえばろう付けともされ得る。
図2に戻り、ボールミル10の端部13は更に、フルート14の前縁15
近傍のグルーブ18を示している。焼結された多結晶質ダイヤモンドもしくは多結
晶質立方窒化ホウ素30は、これらのグルーブ内に加圧装入かつ焼結されるもので
ある。フルート14および切削刃32は例えば、焼結工程(図16の概略的工程)が
完了した後、PCD もしくはPcBN材料内に向けて削り出される。PCD もしくはPcBN
から成るこの切削刃は、研削、ワイヤ放電加工(wire-EDC)、放電研削(EDG)を含
む方法により形成される。
図3に戻り、炭化タングステンから成るエンドミル・ボディ12には例えば、螺
旋形状とされた4本のグルーブ18が形成されている。フルート14は、ダイヤモン
ドもしくはcBN がグルーブ18内で焼結された後に、ミルのボディに形成される。
螺旋状に形成されたグルーブ18は、例えば、ボディ12の外周壁回りに等間隔で離
間されると共に、ダイヤモンドもしくはcBN の粉体がその内部に加圧装入される
容器部を提供するものである。螺旋状グルーブ18の側部20は、グルーブ18の丸溝
状底部22へと推移するのが好適である。他のグルーブ18にも、同一の側部20が形
成されている。この点、グルーブの底部を丸溝状として理由は、多結晶質ダイヤ
モンドもしくはPcBNの粉体を一切の空隙の可能性を排除し乍らグルーブ内に確実
に充填する為である。もし、グルーブの側部が該グルーブの底部22へと湾曲して
いなかったとすれば、鋭い90°の角部がダイヤモンドもしくはPcBN材料内に応力
上昇部および空隙が生じせしめ得るからである。
図4を参照すると、ボールミルの端面図は、螺旋状に形成されたダイヤモンド
製の4本の支脈18はボールミル・ボディ12の頂部にて併合すなわち集結している
処を示している。この様に、ダイヤモンド状材料の支脈がミルの中心で集結して
いることから、それは突入(plunging)ミルもしくは中央研削(center cutting)ミ
ルとなっている。斯かるミルは、ミリングが行われるべき表面に対し、(回転し
乍ら)軸心方向に駆動され得るものである。中央研削によれば、ミルは自身の孔
を形成し得ることとなる。斯かる中央研削もしくは突入エンドミルは、側壁にフ
ルートを備えた円筒状ミルもしくは球形のボールミルである。他の形態も又、以
下に列挙する様に有用である。
本明細書中で用いられた様に、エンドミルとは、それ自身用の孔を形成すべく
加工品内に向けて軸心方向に突入され得るミルを指している。それは、或る程度
平坦な底部を有する孔を形成すべく平坦な端面を有する円筒状とされ、または、
ミルの端部が球形であればそれはボールミルとして称される。斯かるミルは必ず
しも突入切削にのみ使用されるものでなく、ルータとして、または、加工品の外
形を成形する為に使用されることも多い。
また、ダイヤモンドもしくはcBN 製のボールミルおよびエンドミルに対し、螺
旋状に延伸する代りに、ミルボディの軸心に実質的に平行な1本以上のグルーブ
を配備することもあろう。
図1及び図2を参照すると、グルーブ18には、ダイヤモンドもしくはcBN の粉
体30が加圧装入されるとともに、高温高圧力プレス内で焼結される。従って、ダ
イヤモンドもしくはPcBN材料30は、炭化タングステン・ボディ12の螺旋状グルー
ブ18内において成形が行われる。多結晶質ダイヤモンドは合衆国特許第4,797,24
1 号の方法に従って製作され得るが、該特許は言及したことにより援用する。エ
ンドミル・ボディは次に、フルート14を形成すべく研削もしくは加工される。引
続く研削工程により、切削面32はボディの側部および端部に形成される。
図5を参照すると、突入エンドミル100 は、例えば一対のフルート114 を各側
部に有するエンドミル・ボディ112 を備えている。フルート114 の前縁115 には
、グルーブ118 が形成されている。ダイ
ヤモンドもしくはcBN 粉体130 はグルーブ118 内で焼結され、切削刃132 は次に
焼結ダイヤモンド内に向けて削り出される。更に、ダイヤモンドもしくはcBN 粉
体130 が内部に焼結されたエンドミルの切削端にはグルーブ134 が形成される。
一方、焼結ダイヤモンド内に向けて切削刃136 が削り出され、エンドミルは(不
図示の)加工品内に向けて軸心方向に突入され得る様になる。
図6は、例えば2本の螺旋状グルーブ118 が形成された炭化タングステン・ミ
ル・ボディ112 を示している。螺旋状に形成されたグルーブは、ボディ112 の外
周壁の回りに等間隔で離間され、引続きその中に加圧装入されるダイヤモンドも
しくはcBN 粉体130 の容器を提供する。各グルーブ118 の側部120 は丸溝状底部
122 へと推移し、図1乃至図4に関して上述したのと同様にダイヤモンドもしく
はcBN 粉体130 がグルーブ内に完全に充填されるのを確実なものとしている。端
部グルーブ134 はグルーブ118 の各々と交差し、同じ様にダイヤモンド粉体130
が充填される。
図7は、図6に示されたミルの端面図であり、螺旋状スロット118 と連通する
グルーブ134 を示している。
図8は、ダイヤモンドもしくはcBN から成る切削刃132 および136、および、
例えば正方向の約20°の頂部掬い角“A”を示している。更に、一次逃げ領域“
B”および二次逃げ領域“C”には角度が付けられ、切削刃132 および136 の背
後に間隙を提供している。
図9は代替的実施例であり、逃げ領域238 はダイヤモンド切削刃230 および23
6 の背後で放物線状となっている。
図10(A)および(B)は、右回りおよび左回りのフルート114 を各々備えたエン
ドミル100 を夫々示している。図10(C)および(D)は、右回りおよび左回りのフ
ルート14を各々備えたボールミル10を夫々示している。
図11(A)は右回りのフルートに関して可変半径切削端を備えたエンドミルを
示している。図11(B)は平坦に終結し乍らも切削端において丸められた角部を
有するエンドミルを示している。図11(C)は右回りのフルートを備えた楕円状
切削端を備えたエンドミルであり、且つ、図11(D)は右回りフルートを備えた
テーパ付き切削端を備えたテーパ付きボール・エンドミルを示している。これら
は左回りのフルートを有することも可能である。右回りおよび左回りの螺旋状フ
ルートは、上方剪断(up-shear)もしくは下方剪断(down-shear)のいずれともされ
得る。また、両フルートともに、上方剪断もしくは下方剪断内に可変および/ま
たは複数のテーパ角形態を有し得る。
図12(A)はエンドミルの中心軸心を通過するダイヤモンドもしくはcBN 材料1
30 を備えた突入エンドミル100 の切削端を示しており、ミルは左回りもしくは
右回りエンドミルとしていずれの方向にも回転され得る。図12(B)では、ダイ
ヤモンド130 を軸心の右側に整列するとともに、左回りもしくは右回りの螺旋の
軸心の前方にオフセットしてあり、エンドミルは時計方向にのみ回転され得る。
図12(C)は(B)の逆であり、回転は反時計方向である。図12(D)は、エンドミ
ルの切削端の半分まで径方向に延伸すると共に軸心と整列されたダイヤモンド支
脈を備え、従っていずれの方向にも回転され得るエンドミルを示している。
図13(A)は図12(D)と同様であるが、ダイヤモンドはエンドミルが反時計方
向に回転するときには軸心の背後に位置することになる点が異なり、図13(B)
は(A)の逆であり、時計方向に回転ときにそうである。尚、図13(A)および(B)
に示されたエンドミルはいずれの方向にも回転され得る。
図13(C)は、ボールの頂部にて終結する少なくとも1本の螺旋
状フルートを備えたエンドミルの端面図である。図13(D)は、一対の螺旋状フ
ルートを備えたボールミルである。図14(A)は全てがボールの頂部を通過する
4本の螺旋状フルートを備えたボールミルであり、且つ、図14(B)は、ボール
の頂部の僅かに届かない様に端部が終結する一対の螺旋状フルートを備えたボー
ルミルである。
図14(C)は、ミルの軸心に届かない様に端部が終結する一対のダイヤモンド
フルートを備えると共に、いずれの方向にも回転され得る中央切削エンドミルで
ある。図14(D)は(C)と同じだが、PCD もしくはPcBNが回転方向に従って中心の
前方もしくは中心の背後となる点が異なっている。図15(A)は4本のフルート
がある点を除き、図14(D)と同様である。図15(B)乃至(D)は、径方向に配設さ
れた少なくとも1本のダイヤモンドフルートがエンドミルの軸心をちょうど越え
たところで終端すると共に、他のフルートはエンドミルの軸心に僅かに届かない
という中央切削エンドミルを示している。
図12乃至図15の回りの同心的矢印はエンドミルの回転方向を示している。
図12乃至図15は、図10および図11に示されたエンドミルに対する典型的
な中央形態(geometory)である。
従って、突入ミルの切削端を横断するグルーブは、ボールミルもしくはフルー
ト付きミルの球状端部に全面的に跨がる単一個のグルーブとするか、または、各
図面中に示された実施例中に示された種々の手法でセグメント化することも可能
である。
本発明の範囲から逸脱すること無く、1本から10本もしくはそれ以上の螺旋
状フルートを備えると共に、フルートは直線状もしくは60°までの角度を有する
螺旋状とされたボールミルおよびエンドミルを作成することは可能である。又、
本発明の範囲から逸脱する
こと無く、切削刃は負もしくは正の掬い角を有し得る。複数本のフルートを備え
たエンドミルの1本以上のフルートもしくは切削刃は、ダイヤモンド状材料とし
得る。
以下には、例えば、5/8 インチ(16mm)のボールミル・カッタを作成する工程を
説明する。図16を参照すると、例えば4本のフルートを有する炭化物ボディは
、ボールミル・ボディの全ての寸法に関して僅かに(3/4 ミリ〜2ミリ)大きく
成形される。ボールミルは、ダイヤモンド焼結工程が完了した後に、適切な径に
切り出される。上述の如く、ボールミル・ボディ12は浸炭炭化タングステンで形
成されるのが好適である。
螺旋状のグルーブ18は、PCD もしくはPcBNの支脈の各々が必要とされる箇所に
形成され、約1.25mmの深さおよび約1.25mmの幅とされる。螺旋状グルーブ18の側
壁20は、該グルーブ18の丸溝状底壁22へと推移すると共に、ボディ表面にては大
きく開口している。前述の如くグルーブ18はその様に構成されることから、ダイ
ヤモンド粉体は空隙無しに確実にグルーブ内に充填される。ダイヤモンド状材料
は、3ミクロン乃至60ミクロンの範囲の粒径のダイヤモンド粉体であれば好適で
ある。好適な粉体の粒径の範囲は、1ミクロン乃至50ミクロンである。また、ダ
イヤモンド粉体のバインダ/触媒はコバルトである。ダイヤモンドに対するコバ
ルトの割合は、5体積% 乃至20体積% であり、コバルトの割合は10体積% であれ
ば好適である。PcBNミルを形成するときの工程は上記と同様のものとされるが、
グルーブ内に立方窒化ホウ素粒子を充填する点が異なっている。
浸炭炭化タングステン製のブランクすなわちボディ12のグルーブは、その縁部
を“目こぼし(breaking)”もしくは“目つぶし(dulling)”により調製すれば
好適である。グルーブの縁部を目つぶしする理由は、工程に関する更なる検討か
ら顕かとなろう。混合された
ダイヤモンド粉体およびコバルトは、次にグルーブ18内に充填される。ブランク
12は次に、耐火性金属缶もしくは容器31内に載置される。典型的な耐火材料は、
ジルコニウム、コロンビウム(=ニオビウム)、タンタルおよびハフニウムから
成る群から選択される。例えば、容器31はコロンビウムにより形成されると共に
、ブランクに形成されたグルーブ18内に加圧装入されたダイヤモンド粉体上に被
せられる。
容器内の炭化物ブランク12は次に、ブランクの回りに緊密に嵌合する鋳型を通
される。第1容器の回りのコロンビウム製の第2容器53は鋳型を通され、、第2
容器53で第1容器を完全に密閉する。ブランク12を含むべく密閉された容器は参
照番号55で示されるが、これは次に予備圧縮(pre-compact)工程56を通される。
容器55は最初に塩57により囲繞され、次に、予備圧縮プレス56内で押圧されて
半製品は更に圧縮される。この容器は予備圧縮プレス内で、約7,000 kg/cm2の圧
力を受ける。これにより、コロンビウム製の容器50および53内に幽閉されたブラ
ンク12は確実に、焼結工程に先立って可及的に圧縮充填されることになる。加圧
された容器55は今や、焼結工程に対する用意ができている。尚、グルーブの縁部
を目つぶしした理由は、コロンビウム製の容器が予備圧縮工程の間に切断される
のを防止する為である。
容器55は、パイロフィライト(pyrophyllite)(=葉ろう石)の立方体中に装填
される。この立方体60は塩環57と共に充填されると共に、グラファイト・スリー
ブ66と整列される。立方体60には次に、チタン製のディスク65、雲母製リング・
バッフル64および更なるチタン製ディスク63が順次に被せられる。尚、パイロフ
ィライト・キャップ61は、比較的に肉厚の鋼リング62により囲繞されている。パ
イロフィライト立方体の両端は同一のアセンブリを有し、塩環57の内
部の容器55をパイロフィライト立方体の中心に閉塞している。
組立られた立方体60は次に高圧高温プレス70に行き、約1,300 ℃〜1,600 ℃の
温度および約70,000 kg/cm2の圧力でプレスされる。このプレスの合計時間は約1
0分間である。特定の実施例においては、約4分をかけて温度を1,500 ℃まで上
昇し、約1分間だけ立方体60を1,500 ℃に維持し、その後、約5分をかけて冷却
する。従って、ブランクのグルーブ内には、その場で多結晶質ダイヤモンドが形
成される。この工程の重要な特徴は、加熱が比較的に緩やかであると共に冷却も
緩やかに行われることである。これは主として、完成したボールミルの内部の残
留応力を減少する為に行われる。
焼結された容器55は次に、パイロフィライト立方体60を破壊して取り出される
。焼結されたボールミル・ボディ12は依然として、コロンビウム容器31および53
の内部に収納されている。この様に囲繞されたボールミル・ボディ12は溶融水酸
化カリウム浴内に浸漬され、コロンビウム容器が除去される。
上記ボディは次に、ミル・シャンク16にろう付けされる。又、シャンクが取付
けられたボディ12は、所要のフルート14、焼結ダイヤモンド30および逃げ角を削
り出す前に、仕上直径へと研削される。
尚、より大型のプレス装置を用いれば、グルーブが形成された連続的なシャンク
をプレスをすることが可能となり、ろう付けもしくは半田接合の必要が無くなる
。ところで、グルーブ内に多結晶質ダイヤモンドが形成されるとき、ダイヤモン
ド粉体がグルーブ内に充填されて収縮が生ずる。典型的には、炭化タングステン
・ボディを約2ミリメートルまで切削して減径し、多結晶質ダイヤモンドの面ま
で到達させる。仕上の後、PCD の支脈は約1.5mm 乃至2.5mm 程度の幅を有すると
共に1mm 乃至2mm 程度の深さを有している。
エンドミル等の端面上でダイヤモンドが充填されたグルーブの特
定の形状は、ミルの用途目的に依存する。例えば、ミルが荒削りもしくは上質仕
上を行うかに依り、異なる数のフルートおよび切削刃が要求される。また、ミル
の使用対象の材料も切削刃の形態(geometry)に影響を与える。
エンドミルがアルミニウム内に突入切削すべく使用される場合、図12(A)、(
B)および(C)に示された適切なグルーブ形状が好適であろう。これらの各々にお
いて、PCD 材料は端面の中心まで延在している。
一方、もし当該工具が比較的に硬質の鋼などの突入切削に使用されるのであれ
ば、図14(C)、(D)もしくは図15(A)に示された配置形状が好適であろう。典
型的には、鋼に対してはグルーブ内にPcBN材料を用いるが、形成されたPcBN材料
はミルの端面もしくは軸心の中心線まで完全には延伸しない。ミルの厳密な中心
においては、切削の間の表面速度は本質的にゼロである。この位置にPCD もしく
はPcBNがあると、浸炭炭化タングステンにより不適切に支持され、破壊が生ずる
こともある。PCD もしくはPcBNよりも強靭な材料が好適である。従って、面の中
心に到達しない様にグルーブは終結し、非常に強靭な浸炭炭化タングステンの中
心点を残すことになる。但し、グルーブの端部同士は僅かに1/4 mmしか離間して
いないことから、ダイヤモンド切削刃の間の加工品の“芯(core)”は小さく、ダ
イヤモンド状材料により切削された領域内に容易に撓曲しもしくは破壊される。
別のグルーブ形態の変数は、例えば、図12(A)および(C)に示された様にグル
ーブが端面の直径に整列されるか、もしくは、図12(B)、(C)および図14(D)に
示された様にグルーブがオフセットされているかということである。より一般的
には、ミルの切削刃は直径上には無く、直径からオフセットされている。もし直
径に整列
させてグルーブを作成してダイヤモンドを成形したとすれば、付加的なダイヤモ
ンドを切出して直径から好適にオフセットされた切削刃を形成せねばならない。
従って、斯かる実施例においては、ダイヤモンドを充填したグルーブをオフセッ
トした配置形状が好適である。切削刃を直径からオフセットすると切削中に加え
られる力が減少すると共に、高速操作が可能となる。
平坦な端面を備えたエンドミルにおいては、ミルの側面と端面との間の“角部
”、すなわち、ボディの円筒状側部と平坦端面との間の交差部にて最初に摩滅が
生ずることが見出されている。図17に示されたエンドミルは、斯かる状況に対
して望ましいものである。この実施例においては、略円筒状の浸炭炭化タングス
テン・ボディ71は、側壁に対してその場で形成されたPCD もしくはPcBNの支脈72
を備えた4本のグルーブを有している。図17の端面は、フルートと切削刃とを
削り出す以前の、エンドミル形成用ブランクを示している。充填されたグルーブ
72の端部が現われており、炭化タングステン・ボディの側部上にグルーブが螺旋
状に延伸していることが理解される。
これに加え、4本のグルーブ73はエンドミル・ブランクの端面に跨がっている
が、これらもPCD もしくはPcBNで充填されている。これらのグルーブは直径から
相互にオフセットされると共に、端面の中心まで僅かな距離を残して終結してい
る。端面上のグルーブは、エンドミル・ブランク上のグルーブから円周方向に45
゜だけオフセットされている。フルートと切削刃とがボディ内に削り出されたと
き、側壁の4本のグルーブ72により形成される“角部の”4本の切削刃と、端面
グルーブ73が角部に到達する箇所における付加的な4個の切削刃とが存在する。
従って、側部および端面の夫々における4本の切削刃と、最も摩耗しやすい極限
角部における8本の切削刃
とが存在することになる。角部において切削刃の個数を倍加することにより、工
具の寿命は長くなる。
尚、エンドミルの角部における耐摩耗性を増大すべく、端面上の切削刃を側部
上の切削刃から周方向にオフセットした他の配置は自明であろう。例えば、斯か
る配置は、側面および端面の各々に3本の切削刃を備え、側面と端面との間の交
差部に6個の切削刃を出現させることにより活用され得る。尚、両方の面に対し
て同一の個数の切削刃を使用すれば好適ではあるが、個数を異ならせることも可
能である。もし異なれば、それらを対称的に配置してミルのバランスを取れば好
適である。
対称性を得る上では、端面のダイヤモンドの支脈を、ミルの側壁のダイヤモン
ドの支脈の中間とすることは必要でない。例えば、一群の支脈が他群の支脈を15
°などで追随することも可能である。必要なこととしては、前方側のグルーブと
後方側のグルーブとの間に十分な距離を取ってフルートの切出しを可能とし、後
方側の切削刃の群に対する掬い間隙を提供することだけである。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1997年4月3日
【補正内容】
請求の範囲
1.略円筒状の側壁と長手中心軸心とを有すると共に第1切削端および第2基
端とを備えて成る中央切削エンドミルであって、
当該エンドミルは、
第1切削端に跨がるグルーブ、および、円筒状側壁における少なくとも2本の
グルーブと、
斯かるグルーブの各々は、グルーブ内でその場で形成された多結晶質ダイヤモ
ンド材料の支脈を含んでおり、
切削端から基端に向けて延伸するフルートとを有し、
ダイヤモンド材料はフルートにより露出され、ダイヤモンド材料の前縁に沿っ
てエンドミルの中心軸心まで十分近接して延伸することによりエンドミルの中心
近傍の加工品を切削する切削刃を形成しており、
切削端と側壁との交差部においては、切削端のグルーブの端部は側壁のグルー
ブのいずれの端部とも整合されずに、切削端と側壁との交差部における独立した
切削刃を形成する、中央切削エンドミル。
2.切削端の複数本のグルーブと側壁の複数本のグルーブとを備え、
切削端と側壁との交差部において、側壁のグルーブの端部は切削端のグルーブ
の端部との整列から外れ、切削端と側壁との交差部における独立した切削刃を形
成する、請求項1記載の中央切削エンドミル。
3.切削端のグルーブはエンドミルの中心軸心まで延伸する、請求項1記載の
中央切削エンドミル。
4.切削端に複数本のグルーブを有し、
該グルーブは、エンドミルの中心軸心までは延伸せず、エンドミルの切削端の
中心にてエンドミル・ボディの一部を残している、請求項1記載の中央切削エン
ドミル。
5.ミル・ボディの切削端におけるグルーブは略々径方向に延伸し、切削端の
直径からオフセットされている、請求項4記載の中央切削エンドミル。
6.各グルーブの底部は丸溝状とされてグルーブ内へのダイヤモンド材料の完
全な加圧成形を可能とし、ダイヤモンド材料内の空隙を最小化する、請求項1記
載の中央切削エンドミル。
7.ダイヤモンド材料は、グルーブ内に圧入された多結晶質ダイヤモンド粉体
とコバルトとのマトリックスから成り、マトリックスは高温高圧プレス内でエン
ドミル・ボディ内へ焼結される、請求項1記載の中央切削エンドミル。
8.ダイヤモンド材料は、高温高圧プレス内でエンドミル・ボディ内へ焼結さ
れる立方窒化ホウ素から成る、請求項1記載の中央切削エンドミル。
9.ミルは、略々球形の切削端を有する中央研削ミルであり、ミル・ボディの
第1切削端に跨がるグルーブは、球形の切削端の実質的に全体に跨がって延在す
る、請求項1記載の中央切削エンドミル。
10.中心軸心を有する中央切削エンドミルであって、
第1切削端、第2基端、および、それらの間で側壁を有するボディと、
中心軸心の近傍から延伸し始めて切削端の周縁部に交差する、切削端上に形成
されたダイヤモンド支脈とを備え、
切削端上に形成された支脈はいずれも切削端の全体に亙っておらず、支脈は切
削刃を形成している、中央切削エンドミル。
11.切削端の支脈は少なくともエンドミルの中心軸心まで延伸している、請
求項10記載の中央切削エンドミル。
12.長手軸心を有する中央切削もしくは突入式エンドミルを形成する方法で
あって、
第1切削端、第2基端、および、それらの間の側壁を有するエンドミル・ボデ
ィを硬質材料で形成する段階と、
基端に向けて側壁を通過する、切削端上の少なくとも1本の丸溝状底部のグル
ーブを形成する段階と、
少なくとも切削端上で中心軸心近傍から切削端の周縁部にかけて延伸する少な
くとも1本の丸溝状底部のグルーブを形成する段階と、
切削端と側壁との間の交差部にて、切削端上に形成されたグルーブは、基端に
向けて切削端上に形成されたグルーブのいずれからもオフセットされており、
グルーブの各々にダイヤモンド材料の粉体を充填する段階と、
エンドミル・ボディのグルーブ内のダイヤモンド材料を高圧高温プレス内で結
合し、グルーブ内に多結晶質ダイヤモンド材料の支脈を形成する段階と、
ダイヤモンド材料の支脈の各々の前縁に沿ってフルートを形成し、ダイヤモン
ド材料の前縁に沿って切削刃を形成する段階と、から成る、
中央切削もしくは突入式エンドミルの作成方法。
13.充填段階は、グルーブに立方窒化ホウ素粉体を充填する段階から成る、
請求項12記載の方法。
14.長手軸心を有する中央切削もしくは突入式エンドミルを形成する方法で
あって、
第1切削端および第2基端を有するエンドミル・ボディを硬質材
料で形成する段階と、
切削端上で中心軸心近傍から切削端の周縁部にかけて延伸する少なくとも1本
の丸溝状底部のグルーブを形成する段階と、
切削端上に形成されたグルーブは、いずれも、切削端の全体に亙ってはおらず
、
グルーブの各々にダイヤモンド材料の粉体を充填する段階と、
エンドミル・ボディのグルーブ内のダイヤモンド材料を高圧高温プレス内で結
合し、グルーブ内に多結晶質ダイヤモンド材料の支脈を形成する段階と、
ダイヤモンド材料の支脈の各々の前縁に沿ってフルートを形成し、ダイヤモン
ド材料の前縁に沿って切削刃を形成する段階と、から成る、
中央切削もしくは突入式エンドミルの作成方法。
15.少なくとも1本の丸溝状底部のグルーブを形成する段階は、切削端の周
縁部から少なくともエンドミルの中心軸心まで延伸する少なくとも1本の丸溝状
底部のグルーブを形成する段階から成る、請求項14記載の方法。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),AM,AT,AU,BB,B
G,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK
,EE,ES,FI,GB,GE,HU,JP,KE,
KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LT,LU,L
V,MD,MG,MN,MW,MX,NO,NZ,PL
,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,
TJ,TT,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 クロケット,ロナルド ビー.
アメリカ合衆国,ユタ 84601,プロボ,
サウス 500 ウエスト 350