【発明の詳細な説明】
1-アリール-4- オキソピロロ[3,2-c ]キノリン誘導体の製造方法技術分野
本発明は1-アリール-4- オキソピロロ[3,2-c ]キノリン誘導体の製造方法に
関するものとして、更に詳しくは次の構造式(II)で表示される4-オキソフロ[
3,2-c ]キノリン化合物を出発物質として用いて次の構造式(III)で表示され
るアニリン化合物と一段階で反応させてなった次の構造式(I)で表示される1-
アリール-4- オキソピロロ[3,2-c ]キノリン誘導体の製造方法に関するもので
ある。
上記式で、R1とR2は互いに同一または異なるものとして、それぞれ水素、C1
〜C4の低級アルキル基、C1〜C4の低級アルコキシ基、C1〜C4の低級アルキ
ルチオ基、C1〜C4の低級ハロゲンアルコキシ基、トリフルオルメチル基、C1
〜C4のヒドロキシアルコキシ基、ハロゲンまたはヒドロキシ基であり、
R3とR4は互いに同一または異なるものとして、それぞれ水素、C1〜C4の低
級アルキル基、C1〜C4の低級アルコキシ基、C1〜C4の低級アルキルチオ基、
C1〜C4の低級ハロアルキル基、トリフルオルメチル基、ヒドロキシ基、アミノ
基、またはハロゲンである。
本発明の製造方法により得られる1-アリール-4- オキソピロロ[3,2-c ]キノ
リン誘導体は次の構造式(IV)の化合物を生産する中間体として用いられるし、
構造式(IV)の化合物は哺乳動物の胃酸分泌の抑制能力を保有しているので、現
在可逆的胃酸分泌の抑制剤として開発されている。[ヨーロッパ特許出願第90-3
13398.1 号;ヨーロッパ特許出願第88-306583.1 号;J.Med.Chem.、1990、33、527
;J.Med.Chem.、1992、35、1845]。
本発明は胃酸分泌抑制剤として有用な上記構造式(IV)の化合物を製造するこ
とができる中間体である上記構造式(I)の化合物の製造方法を提供する。
また、本発明は4-オキソフロ[3,2-c ]キノリン化合物を出発物質で用いてア
ニリン化合物と一段階で反応させ製造した1-アニル-4- オキソピロロ[3,2-c ]
キノリン誘導体を用いて構造式(IV)で表示される化合物を製造する方法を提供
する。従来技術
ヨーロッパ特許出願第88-306583.1 号及び論文[J.Med.Chem.、1992、35、1845]に
は上記構造式(I)で表示される1-アリール-4- オキソピロロ[3,2-c ]キノリ
ン誘導体の一般的な製造方法を開示しているところ、これを簡略に要約すると次
の通りである。
上記の反応は出発物質であるアニリンより上記構造式(V)の化合物を経て上
記構造式(I)で表示される1-アリール-4- オキソピロロ[3,2-c ]キノリン誘
導体を合成する方法として、構造式(I)化合物の合成時の収率が低く、副産物
として上記構造式(VI)の化合物が多量生成されるという短所を有しているし、
かつ構造的にキノリンの6番位置の置換基(R1)と1番位置のアリール基が置
換基(R1)が同一な誘導体のみ合成することができ、その他の異なる置換基を
有する誘導体は合成することができないという根本的な問題点を有している。
一方、R1、R2、R3、及びR4置換基を有する上記構造式(I)の化合物を合
成するための製造方法は論文[J.Med.Chem.、1992、35、1845]で提示されており、
これを簡単に要約すると次の通りである。
上記製造方法は構造式(II)で表示される4-オキソフロ[3,2-c ]キノリン化
合物をPOCl3を用いて塩素化させた後、ヒドロキシ化反応を進行させ構造式(VII
)の化合物を得た後、該化合物を色々のアニリンと反応させR1、R2、R3、及
びR4置換基を有する上記構造式(I)で表示される1-アリール-4- オキソピロ
ロ[3,2-c ]キノリン化合物を得る。該製造方法では反応試薬として極めて有毒
なPOCl3を多量使用しなければならないし、各反応段階の収率が50−70%と
比較的低く、かつ上記構造式(II)の化合物から三段階の長い反応段階を経るた
め構造式(I)の化合物が約20%の低い収率で生成される問題点を有している
。
本発明の発明者等は上記従来の製造方法上の問題点を解決するために、よりた
やすく安全な工程により多様な形態の置換基が導入された生物学的な活性が大き
い上記構造式(IV)の化合物を製造する方法を研究した結果、出発物質として上
記構造式(II)で表示される4-オキソフロ[3,2-c ]キノリンを用い、反応物質
として多様なアニリンを用いて一段階で反応させることで、上記構造式(I)の
1-アリール-4- オキソピロロ[3,2-c ]キノリン誘導体を高収率でたやすく安全
に製造し、このような合成方法で製造された1-アリール-4- オキソピロロ[3,2-
c ]キノリン誘導体を用いて構造式(IV)で表示されるキノリン化合物を高収率
で合成する方法を完成した。発明の概略
本発明の目的は上記構造式(II)で表示される4-オキソフロ[3,2-c ]キノリ
ン化合物を出発物質として用いて上記構造式(III)のアニリン化合物と一段階
で 反応させることからなる構造式(I)の1-アリール-4- オキソピロロ[3,2-
c ]キノリン誘導体の製造方法を提供するものである。
また、本発明の目的は上記方法で製造された1-アリール-4- オキソピロロ[3,
2-c ]キノリン誘導体を用いて構造式(IV)で表示されるキノリン化合物を高収
率で合成する製造方法を提供するものである。発明の詳細な説明
以下、本発明を詳細に説明すると次の通りである。
本発明は生物学的活性が大きい構造式(IV)化合物の中間体として有用な構造
式(I)で表示される1-アリール-4- オキソピロロ[3,2-c ]キノリン誘導体の
製造方法に関するものとして、出発物質として構造式(II)の4-オキソフロ[3,2
-c]キノリン化合物を用い、構造式(III)のアニリン化合物と一段階で反応させ
1-アリール-4- オキソピロロ[3,2-c]キノリン誘導体を製造するのを特徴とする
。本発明の製造方法によると、置換基R1、R2、R3、及びR4が多様に導入され
る構造式(I)の1-アリール-4- オキソピロロ[3,2-c ]キノリン化合物を高収
率(70%以上)で得ることができる。
本発明の製造方法を簡略に示すと次の通りである。
上記式で、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ上記に定義した通りである。
本発明の製造方法で出発物質として用いられた上記構造式(II)の置換された
4-オキソフロ[3,2-c ]キノリン化合物は置換されたアニリンからよく知られて
いる公知の方法により合成することができる。[1.J.Chem.、Soc.、1955、4284;2
.J.Med.Chem.、1992、35、1845]。
本発明の製造方法で用いられた溶媒はジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、ジフェニルエーテル、キシレンなどの一般溶媒が挙げられるし、またブ
チルアルコール、フェノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリエチレングリコールまたはエチレングリコールモノ
メチルエーテルなどのアルコール性溶媒が用いられうる。好ましい溶媒は沸騰点
が150−280℃であるアルコール性溶媒、即ちフェノール、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコールまたはポリエチレングリコールである。
本発明の製造方法は窒素雰囲気下で遂行するのが好ましい。
なお、本発明の製造方法は大気圧下で反応させた場合、副産物として酸化され
た形態の化合物が生成されることがあるので、加圧下で反応させるのが好ましい
。加圧下で反応させると副産物も少なく発生するばかりでなく反応も促進される
。
反応触媒としてp- トルエンスルホン酸及びp- トルエンスルホン酸ピリジン
塩(PPTS)などが用いられうる。
本発明の製造方法では、反応温度は70−300℃、より好ましくは150−
280℃であり、反応時間は7−20時間が好ましい。
本発明の製造方法では、上記構造式(III)のアニリンは上記構造式(II)の4
-オキソピロロ[3,2-c ]キノリン化合物に対して1−3当量使用するのが効果
的である。
このように本発明の製造方法に従い合成できる上記構造式(I)の1-アリール
-4- オキソピロロ[3,2-c ]キノリン誘導体の代表的な例を挙げると次の表1の
通りである。
上記した合成方法により製造された上記構造式(I)で表示される1-アリール
-4- オキソピロロ[3,2-c ]キノリン誘導体は、次の通りの公知の合成経路に従
い(J.Med.Chem.、1992、35、1845)、現在可逆的胃酸分泌抑制剤として開発中であ
る構造(IV)の化合物を合成するときに有用に用いられる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明すると次の通りであるが、本発明
がこれら実施例によって限定されるのではない。また、次の実施例では幾つかの
特徴的な化合物の製造方法について記載しているが、その他の化合物などは該分
野に属する通常の技術者によりたやすく製造することができる。
<実施例1>
1-(2-メチルフェニル)-4- オキソ-6- メチル-2、3、4、5- テトラヒドロピロロ
[3,2-c ]キノリンの製造
圧力チューブで4-オキソ-6- メチル2、3-ジヒドロフロ[3,2-c ]キノリン(20
1 mg 、1.0 mmol)をジエチレングリコール(10 ml )に溶かした後、窒素雰囲気
下で2- メチルアニリン(267 μl 、2.5 mmol )を添加した。この反応混合物を
250℃で15時間還流させた。反応混合物を塩水(20 ml )で希釈した後、水
層を塩化メチレン(15 ml ×3 )で抽出した。有機層を水(15 ml ×3 )で水洗
した後、無水硫黄マグネシウムで乾燥させ濾過後減圧下で濃縮し、濃縮液を得た
。展開溶液としてエチルアセテートを使用して、濃縮液をシリカゲルクロマトグ
ラフィ法で精製して個体状態の目的化合物(237mg 、収率:82%)を得た。
mp:171-173℃
1H NMR(CDCl3、ppm):δ 2.31(s 、3H)、2.44(s 、3H)、3.05-3.38(m、2H)、3.76(q、1
H)、4.05-4.23(m、1H)、6.55-6.75(m、2H)、7.05-7.39(m、5H)、8.74(brs 、1H)
m/e:290(M+)
<実施例2>
1-(2-メトキシフェニル)-4- オキソ-6- メチル-2、3、4、5- テトラヒドロピロ
ロ[3,2-c ]キノリンの製造
4-オキソ-6- メチル-2、3- ジヒドロフロ[3,2-c ]キノリン(201 mg 、1.0mmol
)をジエチレングリコール(10 ml)に溶かした後、窒素下で2-メトキシアニリン(2
82 μl 、2.5 mmol)を添加した。該反応混合物を250℃で15時間還流させた
。反応混合物を塩水(20 ml)で希釈させた後、水層を塩化メチル(15 ml×3)で抽
出した。有機層を水(15 ml×3)で水洗した後、無水硫黄マグネシウムで乾燥させ
濾過後減圧下で濃縮し、濃縮液を得た。展開溶液としてエチルアセテートを用い
て、濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィ法で精製して個体状態の目的化合物
(242 mg 、収率 :79%)を得た。
mp:193-195℃
1H NMR(CDCl3、ppm):δ 2.39(s 、3H)、3.15-3.29(m 、2H)、3.74(s、3H)、3.68-
3.85(m 、1H)、4.05-4.27(m 、1H)、6.05-7.40(m、7H)、8.41(brs、1H)
m/e:306(M+)
<実施例3>
1-(2-メチル-4- メトキシフェニル)-4- オキソ-6- メチル-2、3、4、5- テトラ
ヒドロピロロ[3,2-c ]キノリンの製造
圧力チューブで4-オキソ-6- メチル-2、3- ジヒドロフロ[3,2-c ]キノリン(
201 mg、1.0 mmol )をジエチレングリコール(10 ml )に溶かした後、窒素下で
2-メチル-4- メトキシアニリン(322 μl 、2.5 mmol )を添加した。この反応混
合物を250℃で15時間還流させた。反応混合物を塩水(20 ml )で希釈した
後水層を塩化メチレン(15 ml ×3 )で抽出した。有機層を水(15 ml ×3 )で
水洗した後、無水硫黄マグネシウムで乾燥させ濾過後減圧下で濃縮し、濃縮液を
得た。展開溶液としてエチルアセテートを使用して、濃縮液をシリカゲルクロマ
トグラフィ法で精製して固体状態の目的化合物(272 mg、収率:85%)を得た。
mp:210-213℃
1H NMR(CDCl3、ppm):δ 2.38(s 、3H)、2.41(s、3H)、3.07-3.37(m 、2H)、3.68-
3.92(m 、1H)、3.83(s、3H)、4.01-4.18(m 、1H)、6.57-6.89(m 、4H)、7.03-7.29(m
、32H)、8.41(brs 、1H)
m/e:320(M+)
<実施例4>
1-(2-メチル-4- ヒドロキシフェニル)-4- オキソ-6- メチル-2、3、4、5- テト
ラヒドロピロロ[3,2-c ]キノリンの製造
圧力チューブで4-オキソ-6- メチル-2、3- ジヒドロフロ[3,2-c ]キノリン(
201 mg、1.0 mmol )をジエチレングリコール(10 ml )に溶かした後、窒素下で
4-アミノ-m- クレゾール(308 mg 、2.5 mmol)を添加した。この反応混合物を2
50℃で15時間還流させた。反応混合物を塩水(20 ml )で希釈した後水層を
塩化メチレン(15 ml ×3 )で抽出した。有機層を水(15 ml ×3 )で水洗した
後、無水硫黄マグネシウムで乾燥させ濾過後減圧下で濃縮し、濃縮液を得た。展
開溶液としてエチルアセテートを使用して、濃縮液をシリカゲルクロマトグラフ
ィ法で精製して個体状態の目的化合物(210 mg、収率:81%)を得た。
mp:244-246℃
1H NMR(CDCl3、ppm):δ 2.18(s 、3H)、2.39(s 、3H)、3.05-3.39(m 、2H)、3.74-
3.94(m、1H)、3.98-4.17(m 、1H)、6.63-7.27(m 、6H)、8.55(brs、1H)、9.49(brs、
1H)
m/e:306(M+)
<実施例5>
1-(フェニル)-4- オキソ-6- メトキシ-2、3、4、5- テトラヒドロピロロ[3,2-
c ]キノリンの製造
4-オキソ-6- メトキシ-2、3- ジヒドロフロ[3,2-c ]キノリン(217 mg 、1.0 m
mol)をフェノール(7 ml)に溶かした後、窒素下でアニリン(228μl 、2.5 mmol)
を添加した。該反応混合物を190℃で15時間還流させた。反応混合物を塩水
(20 ml)に希釈させた後、水層を塩化メチル(15 ml×3)で抽出した。有機層を水(
15 ml× 3)で水洗した後、無水硫黄マグネシウムで乾操させ濾過後、減圧下で濃
縮し、濃縮液を得た。展開溶液としてエチルアセテートを用いて、濃縮液をシリ
カゲルクロマトグラフィ法で精製して個体状態の目的化合物(240 mg 、収率:83
%)を得た。
mp:75-77℃
1H NMR(CDCl3、ppm):δ 3.12(t 、J=9.2Hz 、2H)、3.89(s、3H)、4.03(t、J=9.5H
z 、2H)、6.50(d 、J=7.8Hz 、1H)、6.71-7.33(m 、7H)、8.91(brs 、1H)
m/e:292(M+)
<実施例6>
1-(2-メチルフェニル)-4- オキソ-6- メトキシ-2、3、4、5- テトラヒドロピロ
ロ[3,2-c ]キノリンの製造
圧力チューブで4-オキソ-6- メトキシ-2、3- ジヒドロフロ[3,2-c ]キノリン
(217 mg 、1.0 mmol)をジエチレングリコール(10 ml)に溶かした後、窒素下で2-
メチルアニリン(267μl 、2.5 mmol)を添加した。該反応混合物を250℃で
15時間 還流させた。反応混合物を塩水(20 ml)に希釈させた後、水層を塩化
メチレン(15 ml×3)で抽出した。有機層を水(15 ml×3)で水洗した後、無水硫黄
マグネシウムで乾燥させ濾過後、減圧下で濃縮し、濃縮液を得た。展開溶液とし
てエチルアセテートを用いて、濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィ法で精製し
て個体状態の目的化合物(235 mg 、収率:77%)を得た。
mp:166-168℃
1H NMR(CDCl3、ppm):δ 2.34(s 、3H)、3.11-3.41(m 、2H)、3.72-3.91(m 、1H)
、3.97(s、3H)、4.06-4.28(m 、1H)、6.28(d 、J=7.9Hz 、1H)、6.73(t、J=8.2Hz 、1
H)、6.82(d、J=7.9Hz 、1H)、7.05-7.42(m 、4H)、8.91(brs 、1H)
m/e:306(M+)
<実施例7>
1-(2-メトキシフェニル)-4- オキソ-6- メトキシ-2、3、4、5- テトラヒドロピ
ロロ[3,2-c ]キノリンの製造
圧力チューブで4-オキソ-6- メトキシ-2、3- ジヒドロフロ[3,2-c ]キノリン
(217 mg 、1.0 mmol)をジエチレングリコール(10 ml)に溶かした後、窒素下で2-
メトキシアニリン(282μl 、2.5 mmol)を添加した。該反応混合物を250℃で
15時間還流させた。反応混合物を塩水(20 ml)に希釈させた後、水層を塩化メ
チレン(15 ml×3)で抽出した。有機層を水(15 ml×3)で洗滌した後、無水硫黄マ
グネシウムで乾燥させ濾過後減圧下で濃縮し、濃縮液を得た。展開溶液としてエ
チルアセテートを用いて、濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィ法で精製して個
体状態の目的化合物(260 mg 、収率 :81%)を得た。
mp:185-188℃
1H NMR(CDCl3、ppm):δ 3.18(t 、J=9.2Hz 、2H)、3.70-4.21(m 、2H)、3.73(s 、
3H)、6.44(d 、J=8.2Hz 、1H)、6.67-7.34(m 、6H)、8.87(brs、1H)
m/e:322(M+)
<実施例8>
1-(2-メチル-4- メトキシフェニル)-4- オキソ-6- メトキシ-2、3、4、5- テト
ラヒドロピロロ[3,2-c ]キノリンの製造
4-オキソ-6- メトキシ-2、3- ジヒドロフロ[3,2-c ]キノリン(217 mg 、1.0
mmol)をエチレングリコール(10 ml)に溶かした後、窒素下で4-メトキシ-2- メチ
ルアニリン(322μl 、2.5 mmol)を添加した。該反応混合物を210℃で15時
間還流させた。反応混合物を塩水(20 ml)に希釈させた後、水層を塩化メチレン(
15 ml× 3)で抽出した。有機層を水(15 ml×3)で水洗した後、無水硫黄マグネシ
ウムで乾燥させ濾過後、減圧下で濃縮し、濃縮液を得た。エチルアセテートを展
開溶液を用いて濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィ法で精製して個体状態の目
的化合物(270 mg 、収率 :81%)を得た。
mp:188-191℃
1H NMR(CDCl3、ppm):δ 2.23(s 、3H)、3.05-3.35(m 、2H)、3.80(s、3H)、3.88(
s、3H)、3.80-4.11(m 、2H)、6.27(dd 、J=8.1Hz 、J2=1.1Hz、1H)、6.65-6.85(m 、
4H)、7.04(d 、J=8.6Hz 、1H)、8.83(brs、1H)
m/e:336(M+)
<実施例9>
1-(2-メチル-4- フルオルフェニル)-4- オキソ-6- メトキシ-2、3、4、5- テト
ラヒドロピロロ[3,2-c ]キノリンの製造
圧力チューブに4-オキソ-6- メトキシ-2、3- ジヒドロフロ[3,2-c ]キノリン
(217 mg 、1.0 mmol)をジエチレングリコール(10 ml)に溶かした後、窒素下で4-
フルオル-2- メチルアニリン(278μl 、2.5 mmol)を添加した。該反応混合物を
250℃で15時間還流させた。反応混合物を塩水(20 ml)に希釈させた後、水
層を塩化メチレン(15 ml×3)で抽出した。有機層を水(15 ml×3)で水洗した後、
無水硫黄マグネシウムで乾燥させ濾過後減圧下で濃縮させた。エチルアセテート
を展開溶液を用いて濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィ法で精製して個体状態
の目的化合物(256 mg 、収率 :79%)を得た。
mp:195-198℃
1H NMR(CDCl3、ppm):δ 2.28(s 、3H)、3.01-3.35(m 、2H)、3.51-3.82(m 、1H)
、3.89(s、3H)、3.88-4.15(m 、1H)、6.21(d、J=8.1Hz 、1H)、6.65-7.14(m 、5H)、
8.89(brs、1H)
m/e:324(M+)
<実施例10>
1-(3-メチルフェニル)-4- オキソ-6- メトキシ-2、3、4、5- テトラヒドロピロ
ロ[3,2-c ]キノリンの製造
圧力チューブに4-オキソ-6- メトキシ-2、3- ジヒドロフロ[3,2-c ]キノリン
(217mg、1.0 mmol)をフェノール(7 ml)に溶かした後、窒素下で3-メチルアニリ
ン(268μl 、2.5 mmol)を添加した。該反応混合物を190℃で15時間還流さ
せた。反応混合物を塩水(20 ml)に希釈させた後、水層を塩化メチレン(15 ml×3
)で抽出した。有機層を水(15 ml×3)で水洗した後、無水硫黄マグネシウムで乾
燥させ濾過後減圧下で濃縮し、濃縮液を得た。展開溶液としてエチルアセテート
を用いて、濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィ法で精製して個体状態の目的化
合物(230 mg 、収率 :76%)を得た。
mp:155-157℃
1H NMR(CDCl3、ppm):δ 2.32(s 、3H)、3.16(t、J=9.2Hz 、2H)、3.92(s、3H)、4
.06(t 、J=9.5Hz 、2H)、6.56-7.18(m 、6H)、7.24(t、J=6.4Hz 、1H)、8.91(brs、1
H)
m/e:306(M+)
<実施例11>
1-(2-メチルフェニル-4- オキソ-6- トリフルオルメトキシ-2、3、4、5- テトラ
ヒドロピロロ[3,2-c ]キノリンの製造
4-オキソ-6- トリフルオルメトキシ-2、3- ジヒドロフロ[3,2-c ]キノリン(2
72 mg 、1.0 mmol)をジエチレングリコール(10 ml)に溶かした後、窒素下で2-メ
チルアニリン(267μl 、2.5 mmol)を添加した。該反応混合物を250℃で15
時間還流させた。反応混合物を塩水(20 ml)に希釈させた後、水層を塩化メチレ
ン(15 ml×3)で抽出した。有機層を水(15 ml×3)で洗滌した後、無水硫黄マグネ
シウムで乾燥させ濾過後減圧下で濃縮し、濃縮液を得た。展開溶液としてエチル
アセテートを用いて、濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィ法で精製して個体状
態の目的化合物(298 mg 、収率 :83%)を得た。
mp:153-156℃
1H NMR(CDCl3、ppm):δ 2.31(s 、3H)、3.10-3.37(m 、2H)、3.79(q、J=10.2Hz 、
1H)、4.07-4.21(m、1H)、6.58(d、J=8.1Hz 、1H)、6.73(t、J=8.3Hz 、1H)、7.09-7
.36(m 、5H)、8.71(brs、1H)
m/e:361(M+)
<実施例12>
1-(2-メトキシフェニル)-4- オキソ-6- トリフルオルメトキシ-2、3、4、5- テ
トラヒドロピロロ[3,2-c ]キノリンの製造
圧力チューブで4-オキソ-6- トリフルオルメトキシ-2、3- ジヒドロフロ[3,2ー
c ]キノリン(272mg、1.0 mmol)をエチレングリコール(10 ml)に溶かした後、窒
素下で2-メトキシアニリン(282μl 、2.5 mmol)を添加した。該反応混合物を2
10℃で15時間還流させた。反応混合物を塩水(20 ml)に希釈させた後、水層
を塩化メチレン(15 ml×3)で抽出した。有機層を水(15 ml×3)で洗滌した後、無
水硫黄マグネシウムで乾燥させ濾過後減圧下で濃縮し、濃縮液を得た。展開溶液
としてエチルアセテートを用いて、濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィ法で精
製して個体状態の目的化合物(286 mg 、収率 :76%)を得た。
mp:171-173℃
1H NMR(CDCl3、ppm):δ 3.18-3.31(m、2H)、3.76(s、3H)、3.75-3.95(m 、1H)、4
.05-4.27(m 、1H)、6.75-7.48(m 、7H)、8.83(brs、1H)
m/e:377(M+)
<実施例13>
1)1-(4-メトキシ-2- メチルフェニル)-4- クロロ-6- メチル-2、3- ジヒド
ロピロロ[3,2-c ]キノリン(VIII)の製造
1-(4-メトキシ-2- メチルフェニル)-4- オキソ-6- メチル-2、3、4、5- テトラ
ヒドロピロロ[3,2-c ]キノリン(1.0g 、3.1 mmol)を塩化ホスホリル(POCl3、10
ml)に溶かした後、2時間の間還流させた。反応混合物を冷ました後、氷水を加
えて常温で30分の間攪拌させる。反応混合物をメチレンコロライド(20 ml×3)
で抽出した後有機層を水で洗い(15 ml×3)、無水硫黄マグネシウムで乾燥させ、
濾過後減圧下で濃縮させた。濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィ法で精製して
オイル状態の目的化合物(786 mg 、収率 :75%)を得た。
1H NMR(CDCl3、ppm):δ 2.24(s 、3H)、2.65(s、3H)、3.05-3.35(m 、2H)、3.85(
s、3H)、3.80-4.11(m 、2H)、6.27(dd 、J1=8.1Hz、J2=11Hz 、1H)、6.65-6.89(m
、
4H)、7.05(d、J=8.4Hz 、1H).
m/e:388(M+)
2)1-(4-メトキシ-2- メチルアミノ)-6- メチル-2、3- ジヒドロピロロ[3,
2-c ]キノリン(X)の製造
1-(4-メトキシ-2- メチルフェニル)-4- クロロ-6- メチル-2、3、-ジヒドロピ
ロロ[3,2-c ]キノリン(496mg、1.2 mmol)をエタノール(10 ml )で溶かした
後、メチルアミン(40%水溶液相、5 ml)を加えた。圧力チューブ内で反応混合
物を170℃で20時間還流させた後、制圧で溶媒を蒸留させた。反応物を塩化
メチレン (20 ml)で希釈させた後、水(15 ml×3)で洗い無水硫黄マグネシウムで
乾燥させ、濾過後減圧下で濃縮させた。濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィ法
で精製して目的化合物(324 mg 、収率 :81%)を得た。
1H NMR(CDCl3、ppm):δ 2.27(s 、3H)、2.64(s、3H)、2.91-3.20(m 、2H)、3.11(
d、3H)、3.65-3.82(m 、1H)、3.81(s、3H)、4.03-4.21(m 、2H)、6.68-6.81(m 、3H)
、6.83-6.90(m 、2H)、7.20-7.31(m 、1H).
m/e:333(M+)
<実施例14>
1)1-(2-メチルフェニル)-4- オキソ-6- メチル-4、5−ジヒドロピロロ[3,
2-c ]キノリン(IX)の製造
1-(2-メチルフェニル)-4- オキソ-6- メチル-2、3、4、5−テトラヒドロピロロ
[3,2-c ]キノリン(290 mg 、1.0 mmol)をジフェニルエーテル(20ml)で溶かし
た後、 5%- パラジウム/カーボン(40ml)を加え、4時間還流させた。反応混合
物を常温で冷却させた後、直ちにシリカゲルクロマトグラフィ法で精製して個体
状態の目的化合物(245 mg 、収率 :85%)を得た。
mp:224-227C
1H NMR(CDCl3、ppm):δ 1.93(s 、3H)、2.81(s、3H)、6.93-7.02(m 、2H)、7.15-
7.63(m 、7H)、8.56(brs、1H)
m/e:288(M+)
2)1-(2-メチルフェニル)-4- クロロ-6- メチルピロロ[3,2-c ]キノリン
(X)の製造
1-(2-メチルフェニル)-4- オキソ-6- メチル-4、5−ジヒドロピロロ[3,2-c
]キノリン(1.16g、4.0 mmol)を塩化ホスホリル(POCl3、10 ml)に溶かした後、2
時間還流させた。反応混合物を冷ました後、氷水を加えて常温で30分の間攪拌
させた。反応混合物を塩化メチレン(20 ml×3)で抽出した後有機層を水で洗い(1
5 ml×3)無水硫黄マグネシウムで乾燥させ、濾過後減圧下で濃縮させた。濃縮液
をシリカゲルクロマトグラフィ法で精製して個体状態の目的化合物(1.12 g 、収
率 :91%)を得た。
mp:139-142℃
1H NMR(CDCl3、ppm):δ 1.92(s 、3H)、2.32(s、3H)、6.91(d、J=3.1Hz 、1H)、6
.94(d、J=3.1Hz 、1H)、7.07(d、J=2.7Hz 、1H)、7.14(d 、J=3.0Hz 、1H)、7.31-
7.60(m 、5H)、
m/e:306(M+)
3)1-(2-メチルフェニル)-4-[(2- ヒドロキシエチル)アミノ]-6-メチルピ
ロロ[3,2-c ]キノリン(III)の製造
1-(2-メチルフェニル)-4- クロロ-6- メチルピロロ[3,2-c ]キノリン(306
mg 、1.0 mmol)を圧力チューブでエタノールアミン(10 ml)に溶かした後、15
0℃で3時間還流させた。反応溶媒を減圧下で蒸留させた後、濃縮液を塩化メチ
レン(20 ml)で希釈した後、水(15 ml×3)で洗った。有機層を無水硫黄マグネシ
ウムで乾燥させ、濾過後減圧下で濃縮させた。濃縮液をシリカゲルクロマトグラ
フィ法で精製して個体状態の目的化合物(236 mg 、収率 :72%)を得た。
mp:187-189℃
1H NMR(CDCl3、ppm):δ 1.93(s 、3H)、2.69(s、3H)、3.91-3.99(m 、4H)、5.61(
brs、1H)、6.67-7.01(m 、5H)、7.25-7.52(m 、5H)、
m/e:331(M+)発明の効果
上記の実施例から明らかなように本発明の1-アリール-4- オキソピロロ[3,2-
c ]キノリン誘導体の製造方法は従来の一般的な製造方法に比して極めて穏和な
反応条件下で安価の試薬を用いており、一段階で構造式(III)の化合物から構
造式(I)の化合物を高収率で合成することができる。特に従来の方法が多様な
置
換基R1、R2、R3、及びR4の導入に制限があるのに反して、本発明の製造方法
は多様な種類の置換基を導入することができる。従って、本発明の方法に従い製
造された1-アリール-4- オキソピロロ[3,2-c ]キノリン誘導体を中間体として
用いると、多様な種類の置換基を有する生物学的に有用な可逆的胃酸分泌抑制剤
である構造式(IV)の化合物を高収率で、安全、かつ経済的に製造することがで
きる。
【手続補正書】
【提出日】1998年6月23日
【補正内容】
明細書9頁4行の「有用に用いられる。」の後に下記の文章を挿入する。
「そのひとつの合成経路を下記の反応式に基いて説明すれば、反応溶媒内で構造
式(II)で表示される4-オキソフロ[3,2-c ]キノリン化合物と構造式(III)
で表示されるアニリン化合物を一段階で反応させ構造式(I)の化合物を得て、
POCl3を加えて構造式(VIII)の化合物を得た後、ここにアルキルアミン(R5N
H2、すなわち、R5はアルキル基を表す)を加えて構造式(IV)の化合物を製造
する合成経路である。」
特許請求の範囲の請求項9を、別紙添付にかかる訂正後の特許請求の範囲
全文に示すとおりに訂正する。
訂正後の特許請求の範囲全文
1.反応溶媒内で次の構造式(II)で表示される4-オキソフロ[3,2-c ]キノ
リン化合物と次の構造式(III)で表示されるアニリン化合物を一段階で反応さ
せるものでなるのを特徴とする次の一般構造式(I)で表示される1-アリール-4
- オキソピロロ[3,2-c ]キノリン誘導体の製造方法:
上記式で、R1とR2は互いに同一または異なるものとして、それぞれ水素、C1
〜C4の低級アルキル基、C1〜C4の低級アルコキシ基、C1〜C4の低級アルキ
ルチオ基、C1〜C4の低級ハロゲンアルコキシ基、トリフルオルメチル基、C1
〜C4のヒドロキシアルコキシ基、ハロゲンまたはヒドロキシ基であり、R3とR4
は互いに同一または異なるものとして、それぞれ水素、C1〜C4の低級アルキ
ル基、C1〜C4の低級アルコキシ基、C1〜C4の低級アルキルチオ基、C1〜C4
の低級ハロアルキル基、トリフルオルメチル基、ヒドロキシ基、アミノ基、また
はハロゲンである。
2.第1項において、R1、R2、R3、及びR4が互いに同一または異なるもの
として、それぞれ水素、メチルまたはメトキシである1-アリール-4- オキソピロ
ロ[3,2-c ]キノリン誘導体の製造方法。
3.第1項において、R1、R2、R3、及びR4が互いに同一または異なるもの
として、それぞれメチル、ヒドロキシまたはフルオルである1-アリール-4- オキ
ソピロロ[3,2-c ]キノリン誘導体の製造方法。
4.第1項において、R1とR2がそれぞれ水素またはC1〜C4のヒドロキシア
ルコキシ基であり、R3とR4が互いに同一または異なるものとして、それぞれ水
素、メチルまたはメトキシである1-アリール-4- オキソピロロ[3,2-c]キノリン
誘導体の製造方法。
5.第1項において、R1とR2がそれぞれ水素またはC1〜C4のヒドロキシア
ルコキシ基であり、R3とR4が互いに同一または異なるものとして、それぞれメ
チル、ヒドロキシまたはフルオルである1-アリール-4- オキソピロロ[3,2-c ]
キノリン誘導体の製造方法。
6.第1項において、上記反応溶媒がジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、ジフェニルエーテル、キシレン、ブチルアルコール、フェノール、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ボリエチレ
ングリコール及びエチレングリコールモノメチルエーテルの中で選択されるのを
特徴とする1-アリール-4- オキソピロロ[3,2-c ]キノリン誘導体の製造方法。
7.第1項において、上記反応で反応温度が70−300℃であることを特徴
とする1-アリール-4- オキソピロロ[3,2-c ]キノリン誘導体の製造方法。
8.第1項において、上記アニリン化合物の使用量が上記4-オキソフロ[3,2-
c ]キノリン化合物に対して1−3当量であることを特徴とする1-アリール-4-
オキソピロロ[3,2-c ]キノリン誘導体の製造方法。
9.反応溶媒内で構造式(II)で表示される4-オキソフロ[3,2-c ]キノリン
化合物と構造式(III)で表示されるアニリン化合物を一段階で反応させ構造式
(
I)の化合物を得て、POCl3を加えて構造式(VIII)の化合物を得た後、ここに
アルキルアミンを加えて構造式(IV)の化合物を製造する方法
上記式で、R1とR2は互いに同一または異なるものとして、それぞれ水素、C 1〜C4の低級アルキル基、C1〜C4の低級アルコキシ基、C1〜C4の低級アルキ ルチオ基、C1〜C4の低級ハロゲンアルコキシ基、トリフルオルメチル基、C1 〜C4のヒドロキシアルコキシ基、ハロゲンまたはヒドロキシ基であり、R3とR 4 は互いに同一または異なるものとして、それぞれ水素、C1〜C4の低級アルキ ル基、C1〜C4の低級アルコキシ基、C1〜C4の低級アルキルチオ基、C1〜C4 の低級ハロアルキル基、トリフルオルメチル基、ヒドロキシ基、アミノ基、また はハロゲンであり、R5はアルキル基である。
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フロントページの続き
(72)発明者 ユム,エウル キュン
大韓民国,テジョン−シ 302−181,スー
−ク,ネ−ドン,22−44
(72)発明者 チョ,スン ユン
大韓民国,テジョン−シ 305−345,ユソ
ン−ク,シンスン−ドン,ハンウール エ
ーピーティー.102−803
(72)発明者 カン,セウン キュ
大韓民国,テジョン−シ 302−280,スー
−ク,ウォルピュン−ドン,ジンダレ エ
ーピーティー.103−1401