JPH11503314A - ウイルスベクターおよび過増殖性疾患、特に再発性狭窄症を治療するための該ベクターの使用 - Google Patents

ウイルスベクターおよび過増殖性疾患、特に再発性狭窄症を治療するための該ベクターの使用

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JPH11503314A JP8529747A JP52974796A JPH11503314A JP H11503314 A JPH11503314 A JP H11503314A JP 8529747 A JP8529747 A JP 8529747A JP 52974796 A JP52974796 A JP 52974796A JP H11503314 A JPH11503314 A JP H11503314A
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Abstract

(57)【要約】 本発明はタンパク質GAX またはこのタンパク質の変異体の全部または一部をコードする少なくとも一つの挿入された遺伝子を含む欠損組換えウイルス、及び、特に血管形成後の再狭窄を治療するための、それらの治療上の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 ウイルスベクターおよび過増殖性疾患、特に再発性狭窄症を治療するための該ベ クターの使用 本発明は、遺伝子療法によって、過増殖性疾患に関連する病理的状態を治療す るための、新規かつ著しく効果的な方法に関する。この本発明の方法は、より特 定的には、gax 遺伝子のインビボ転移による、血管平滑筋細胞(VSMC)の増殖を、 特異的に遮断することからなる。この本発明の方法は、該血管壁内で、該gax 遺 伝子を過度に発現させることによる、血管形成術後の再発性狭窄症の治療に対し て極めて適した方法である。本発明によれば、該gax 遺伝子はウイルスベクター によって移入できる。これらベクターは、好ましくはアデノウイルスベクターで ある。 結合して細胞分裂を阻止する、種々の遺伝子が単離されている。かくして、gas (成長−阻害特異的: gas 1-6)およびgadd(DNA損傷−誘発性: gadd34、gadd45お よびgadd153)遺伝子は、静止期細胞、即ち該細胞サイクルのGO期に遮断される細 胞において強く発現される(シュナイダー(Schneider)等,Cell,1988,54:787-7 93; デルサル(Del Sal)等,Cell,1992,12: 3514-3521;コウルド(Cowled)等,E xp.Cell Res.,1994,211:197-202; ブランコリニ&シュナイダー(Brancolini and Schneider),J.Cell Biol.,1994,124: 743-756;ツァン(Zhan)等,Mol.C ell Biol.,1993,13: 4242-4250;ジャックマン(Jackman)等,Cancer Res.,199 4,54: 5656-5662)。該gas-1 タンパクの微量注入は、DNA の合成を遮断する(デ ルサル(Del Sal)等,Cell,1992,70- 595-607)が、このことは遺伝子発現に関 するこれらの上記発見と一致する。逆に、増殖因子、例えばPDGF(血小板由来の 増殖因子)または子牛血清の添加は、インビトロモデルにおけるこれら遺伝子の 発現を減少する(コクシア(Coccia)等,Mol.Cell Biol.,1992,12: 3514-3521 )。細胞増殖状態と関連した、この発現の特異性は、インビボでもその等価物を もつものと思われる。従って、該gas-1 遺伝子は、卵巣摘出術に伴ってラットの 子宮内で強く発現される(フェレロ&カイロ(Ferrero and Cairo),Cell Biol.Int.,1993,17: 857-862)。これと同一の動物モデルにおいて、エストロ ゲンによる治療は、子宮内での、プロトオンコジーンc-myc の発現の増大および 該gas-1 遺伝子の発現における減少により反映される、細胞増殖をもたらす。同 様に、増殖/再生の肝モデルでは、該gas-6 遺伝子の発現は、部分的肝切除術の 4時間後に、即ちG0からG1への転移期に著しく減少し、この発現は、多分該肝細 胞の分裂が一旦開始してしまえば、正常に戻るであろう(フェレロ(Ferrero)等 ,J.Cell Physiol.,1994,158: 263-269)。 本出願人は、新規な遺伝子、即ちgax(増殖阻止−特異的ホメオボックス)遺伝 子に興味をもち、この遺伝子が過増殖性疾患、特に再発性狭窄症の遺伝子療法で 使用するのに特に有利な諸特性をもつことを今や明らかにした。このgax 遺伝子 は、最初ラットの大動脈から調製されたcDNAライブラリー中で同定された。これ は303 個のアミノ酸をもつタンパクをコードする。その配列は、すでに特徴付け されており、またそのcDNAはクローニングされている(ゴルスキー(Gorski)等,M ol.Cell Biol.,1993,6: 3722-3733)。このgax 遺伝子は、上記のgas およびg add遺伝子の特性と類似する諸特性を有する。というのは、該細胞サイクルにお ける該G0/G1 転移を調節するものと考えられるからである。同様に、gax mRNAの レベルは、PDGFに暴露した2時間後に、ラットVSMCs における10倍の減少を示す (ゴルスキー(Gorski)等,Mol.Cell Biol.,1993,6: 3722-3733)。従って、該g ax 遺伝子の発現は、VSMCマイトジェン応答中は、阻止される。 本発明の方法の利点の一つは、主として該gax 遺伝子の発現の特異性にある。 かくして、成熟したラットでは、該gax 遺伝子は主として心血管(大動脈および 心臓)系内で発現される。他方、ノーザンブロット法は、肝臓、脳、胃または骨 格筋内でのgax mRNAの存在を明らかにすることはできなかった。血管形成術後の 再発性狭窄症は、局所的な過増殖性疾患の一つであって、じゅく状硬化症性プラ ークをもつ領域での、非−外科的侵襲後に発現する。従って、じゅく状硬化症の 病巣の血管形成術による治療は、該動脈壁に対する機械的な創傷形成に伴って、 極めて高頻度での(幾つかの研究では、症例の50%までの)再発性狭窄症をもた らす。このメカニズムにおける重要な事象は、特に内膜の内皮細胞により行われ る、保護および/またはフィードバックの欠如による、中膜の該血管平滑筋細胞 (VSMC)の、該内膜に向かう増殖および移動である。該VSMC細胞内での、本発明に よる、選択的に抗−増殖性遺伝子を発現する能力は、極めて大きな利点を表して いる。 本発明の方法のもう一つの利点は、該gax 遺伝子がホメオ遺伝子群に属すると いう事実にある。これらの遺伝子は、転写因子をコードし、該因子は、該DNA の 特定領域を認識する共通配列(またはホメオドメイン)を含む(概説:ゲーリン グ(Gehring)等,Cell,1994,78: 211-223)。該ラットgax タンパクの該ホメオ ドメインは、185 〜245 の範囲内のアミノ酸を含有する。興味あることに、これ までに同定されたホメオ遺伝子は、胚形成中の細胞分化/成長の調節に関与して おり、従ってこのことは本発明の方法の治療上の可能性を高めている(概説:ロ ーレンス&モラタ(Lawrence and Morata),Cell,1994,78: 181-189; クラムラ ーフ(Krumlauf),Cell,1994,78: 191-201)。 従って、本発明はまず、該GAX タンパクあるいはこのタンパクの変異体の全体 またはその一部をコードする、少なくとも1種の挿入された遺伝子を含有する、 欠陥をもつ組み換えウイルスに関する。本発明は、また過増殖性の病理的状態の 治療における、かかるウイルスの利用にも関連する。 本発明のウイルスにおいて、該挿人された遺伝子は、ゲノムDNA(gDNA)の相補D NA(cDNA)または、例えば1以上のイントロンが挿入されているcDNAからなるハイ ブリッド構築物であり得る。該遺伝子は、また合成または半合成配列からなるこ ともできる。上に示したように、この遺伝子は、GAX タンパク、またはこのタン パクの変異体の全体または一部をコードする遺伝子であり得る。本発明で使用す る意味の範囲内で、用語「変異体」とは、任意の変異体、フラグメントまたはペ プチドを意味し、これは少なくとも一つのGAX の、並びに他の種から得られるGA X の任意の同族体の生物学的特徴を有する。これらのフラグメントおよび変異体 は、当業者には公知の任意の方法によって、特に遺伝子的および/または化学的 および/または酵素的な修飾、あるいはまた生物学的活性に従って変異体を選別 可能なものとする、ハイブリダイゼーションまたは発現クローニングによって得 ることができる。該遺伝子的な修飾は、サプレッション、欠失、変異等を包含す る。 本発明で使用する意味の範囲内において、該挿入された遺伝子は、好ましくは ラットGAX タンパクまたはそのヒト同族体の全部または一部をコードする遺伝子 である。より好ましくは、該挿入された遺伝子はcDNAまたはgDNAである。 一般的に、該挿入された遺伝子は、また感染細胞内で発現できる配列をも含有 する。これらの配列は、これらが該感染細胞内で機能できる場合には、当然のこ ととして該遺伝子の発現を司る配列であり得る。この配列は、異なる起源の配列 (種々のタンパクの発現の原因となるものまたは合成タンパクを発現するもの) であってもよい。特に、該配列は、真核細胞またはウイルス遺伝子の配列、ある いは特異的または非−特異的様式で、および誘導性または非−誘導性の様式で、 遺伝子の転写を刺激もしくは抑制する誘導配列であり得る。一例として、これら は感染させようとする細胞のゲノム由来の、あるいはウイルス遺伝子由来のプロ モータ配列、特にアデノウイルスEIA およびMLP 遺伝子のプロモータ、該CMV ま たはLTR-RSV プロモータ等を含むことができる。同様に例示できる真核細胞のプ ロモータは、また偏在性プロモータ(HPRT、ビメンチン、アクチン、チューブリ ン等)、中間フィラメントプロモータ(デスミン、ニューロフィラメント、ケラ チン、GFAP等)、治療遺伝子プロモータ(MDR型、CFRT、ファクタVIII)、組織特 異的プロモータ(平滑筋細胞中のアクチンプロモータ)、細胞の分化中に選択的 に活性化されるプロモータ、あるいは刺激に対して応答するその他のプロモータ (ステロイドホルモンレセプタ、レチノイン酸レセプタ等)である。更に、これ らの発現配列は、活性化配列、調節配列等を付加することにより修飾することが できる。また、該挿入された遺伝子が、如何なる発現配列をも含まない場合、こ れはこのような配列の下流側において、該欠陥ウイルスのゲノムに挿入すること ができる。 更に、該挿入遺伝子は、一般的に該コード配列の上流側に、シグナル配列を含 み、該シグナル配列は該合成されたポリペプチドをターゲット細胞の分泌路に誘 導する。このシグナル配列は天然のGAX シグナル配列であり得るが、これは任意 の他の機能性シグナル配列(例えば、チミジンキナーゼに対する遺伝子のシグナ ル配列)または人工的なシグナル配列であってもよい。 本発明によるウイルスは欠陥をもつものであり、即ち該ターゲット細胞内で自 律的に複製できないものである。一般的に、本発明の範囲内で使用される該欠陥 ウイルスは、従って少なくとも該感染細胞内での、該ウイルスの複製に必要な配 列に欠けている。これらの領域は、(完全にまたは部分的に)排除されるか、非 −機能性とされるか、あるいは他の配列、特に該挿入された遺伝子で置換するこ とができる。好ましくは、このような情況にも拘らず、該欠陥ウイルスは、該ウ イルス粒子を包膜するのに必要な、そのゲノムの配列を保持している。 本発明によるウイルスは、アデノウイルス、アデノ−関連ウイルス(AAV)また はレトロウイルス由来のものであり得る。一つの好ましい態様によれば、該ウイ ルスはアデノウイルスである。 アデノウイルスの種々の血清型が存在しており、その構造および特性は幾分変 動する。これらの血清型の中で、本発明の範囲内で好ましく使用できるものは、 タイプ2またはタイプ5ヒトアデノウイルス(Ad 2 またはAd 5)もしくは動物起 源のアデノウイルス(特許出願WO94/26914を参照のこと)である。本発明の範囲 内で使用することができ、かつ例示することのできる、動物起源のこれらアデノ ウイルスは、イヌ、ウシ、マウス(例えば、Mavl; ベアード(Beard)等,Virology ,1990,75:81)、ヒツジ、ブタ、鳥類または他のサル(例えば、SAV)由来のアデ ノウイルスである。好ましくは、動物起源のアデノウイルスは、イヌのアデノウ イルス、より好ましくはCAV2アデノウイルス[例えば、マンハッタン(Manhattan) またはA26/61株(ATCC VR-800)]である。好ましくは、本発明の範囲内においては ヒト、イヌまたは混合起源のアデノウイルスを使用する。 好ましくは、本発明の欠陥アデノウイルスは、該ITRs、包膜配列および対象と する核酸を含む。より一層好ましくは、本発明のアデノウイルスの該ゲノムにお いて、少なくとも該E1領域は非−機能性である。考察中の該ウイルス遺伝子は、 当業者には周知の任意の技術、特に完全除去、部分的欠失または考察中の遺伝子 への、1以上の塩基の付加によって、非−機能性のものとすることができる。こ のような修飾は、例えば遺伝子操作技術を利用して、あるいは変異誘発剤で処理 することにより、インビトロ(単離したDNA 上)であるいはその場で達成するこ とができる。他の領域、特にE3領域(WO95/02697)、E2領域(WO94/28938)、E4領域 (WO94/28152 、WO94/12649およびWO95/02697)およびL5領域(WO95/02697)を修飾 することもできる。好ましい態様によれば、本発明のアデノウイルスは該E1およ びE4領域における欠失を含む。もう一つの好ましい態様によれば、該アデノウイ ルスは、該E4領域および該GAX をコードする配列が挿入されている、該E1領域に おける欠失を含む(FR94 13355を参照)。本発明のウイルスにおいては、該E1領 域における欠失は、好ましくはAd5 アデノウイルスの配列中のヌクレオチド455 〜3329に拡がっている。 本発明によるこの欠陥組み換えアデノウイルスは、当業者には公知の任意の技 術によって調製できる(レブレロ(Levrero)等,Gene,1991,101: 195; EP 185 ,573;グラハム(Graham),EMBO J.,1984,3: 2917)。特に、これらは、アデノ ウイルスと、特に興味のある該DNA 配列を担持するプラスミドとの間の相同組み 換えによって調製できる。該相同組み換えは、該アデノウイルスとプラスミドと の、適当な細胞系への同時トランスフェクションに従って実施される。使用され る該細胞系は、好ましくは(i)該エレメントにより形質転換可能なものであり、 かつ(ii)好ましくは組み換えられた形状で、該欠陥をもつアデノウイルスのゲノ ムの一部を補充することのできる配列を含んでいて、組み換えの危険性を排除す べきである。列挙できる細胞系の例は、ヒト胚腎細胞系 293(グラハム(Graham) 等,J.Gen.Virol.,1977,36: 59)(これは特にそのゲノムに組み込まれた、Ad 5 アデノウイルス(12%)の該ゲノムの左側部分を含む)あるいは例えば、特に特許 出願WO 94/26914 およびWO 95/02697 に記載されているような、該E1およびE4機 能を補充することのできる細胞系である。 引き続き、増殖した該アデノウイルスを回収し、実施例に例示するような、標 準的分子生物学的技術を利用して精製する。 該アデノ−関連ウイルス(AAV)は、安定かつサイト−特異的な様式で、感染し た細胞のゲノムに組み込まれた、比較的サイズの小さなDNA ウイルスである。こ れらは、細胞増殖、形態学、または分化に対して、如何なる作用も誘発すること なしに、広範囲の細胞を感染することができる。その上、これらはヒトの病理に は関与するものとは考えられない。このAAV ゲノムは、クローニング、配列決定 および特徴付けされている。これは、約4700個の塩基を含み、各末端において、 該ウイルスの複製起点として機能する、約145 個の塩基を含む逆方向末端反復 (ITR)領域を含む。該ゲノムの残部は、2つの基本的領域に分割され、これらは 包膜機能を有する。即ち、該ゲノムの左半分は、ウイルスの複製および該ウイル ス遺伝子の発現に関与するrep 遺伝子を含み、また該ゲノムの右半分は該ウイル スのカプシドタンパクをコードするキャップ(cap)遺伝子を含む。 インビトロおよびインビボにて遺伝子を転写するための、該AAVs由来のベクタ ーの使用は、文献に記載されている(特に、WO 91/18088 、WO 93/09239 、米国 特許第4,797,368 号、同第5,139,941 号、EP 488,528号を参照のこと)。これら の出願は、種々のAAV-由来の構築物を記載しており、該構築物において、該rep および/またはcap 遺伝子は欠失しており、また対象とする遺伝子により置換さ れている。またこれら構築物は、インビトロ(培養細胞内への転移)またはイン ビボ(生物への直接的な転移)での、該対象とする遺伝子の転移のために使用さ れる。本発明による該欠陥をもつ組み換えAAVsは、2つの逆方向末端反復(ITR) 領域と隣接した対象とする核酸配列を含有するプラスミドと、該AAV 包膜遺伝子 (repおよびcap 遺伝子)を担持するプラスミドとを、ヒトヘルパーウイルス(例 えば、アデノウイルス)で感染した細胞系内に、同時にトランスフェクションす ることにより調製される。生成した該AAV 組み換え体を、次に標準的な技術で精 製する。従って、本発明はまた、AAV-由来の組み換えウイルスにも関連し、ここ で該ウイルスのゲノムは、該AAV ITRsと隣接する、GAX をコードする配列を包含 する。本発明は、またAAV 由来の2つのITRsと隣接する、GAX をコードする配列 を包含するプラスミドにも関連する。このようなプラスミドは、これにより該GA X 配列を転写するために、そのまま利用することができ、適当な場合にはリポソ ームベクター(擬似−ウイルス)内に組み込まれる。 組み換えレトロウイルスベクターの構築は、文献に広く記載されており、特に EP 453,242、EP 178,220、バーンシュタイン(Bernstein)等,Genet.Eng.,1985 7: 235; マッコーミック(McCormick),BioTechnology,1985,3: 689等を参照で きる。特に、該レトロウイルスは、分裂細胞に感染する、組み込みウイルスであ る。該レトロウイルスゲノムは、主として2つのLTRs、包膜配列および3つのコ ード領域(gag、pol およびenv)を含む。これらのレトロウイルス由来の組み換え ベクターにおいて、該gag 、pol およびenv 遺伝子は、一般的に完全にまたは部 分的に除去され、かつ対象とする異種核酸配列で置換される。これらのベクター は、種々の型のレトロウイルス、例えば特にMoMuLV(マウスモロニー(Moloney) 白血病ウイルス;MoMLV とも呼ばれる)、MSV(マウスモロニー(Moloney)肉腫ウ イルス)、HaSV(ハーベイ(Harvey)肉腫ウイルス)、SNV(脾壊死ウイルス)、RSV( ラウス(Rous)肉腫ウイルス)またはその他のフレンド(Friend)ウイルスから構築 できる。 一般的に、本発明による、GAX をコードする配列を含有する組み換えレトロウ イルスを構築するためには、特に該LTRs、包膜配列および該コード配列を含むプ ラスミドを構築し、次いで包膜細胞系と呼ばれるものをトランスフェクションす るのに利用する。ここで、該細胞系は、トランスフェクションの際に、該プラス ミドに欠乏するレトロウイルス機能を供給することができる。一般的に、この包 膜細胞系は、このようにgag 、pol およびenv 遺伝子を発現することができる。 このような包膜細胞系、特に細胞系PA317(米国特許第4,861,719 号)、PsiCRIP 細胞系(WO90/02806)およびGP+envAm-12 細胞系(WO89/07150)は、公知技術に記載 されている。更に、これらの組み換えレトロウイルスは、転写活性抑制のための LTRs並びに該gag 遺伝子の一部を含む広範な包膜配列内での修飾を含むことがで きる(ベンダー(Bender)等,J.Virol.,1987,61: 1639)。製造された組み換え レトロウイルスは、次に標準的な技術により精製される。 再発性狭窄症の治療のために、欠陥をもつ組み換えアデノウイルスを使用する ことは、極めて有利である。かくして、アデノウイルスは増殖中の血管平滑筋細 胞に感染する高い能力をもつ。このことは、該活性成分(組み換えアデノウイル ス)を比較的小量で使用することを可能とし、かつまた治療すべきサイト上での 効果的かつ極めて迅速な作用をもたらす。本発明のアデノウイルスは、また高濃 度で該導入されたgax 遺伝子を発現することができ、結果として極めて効果的な 治療作用を与える。更に、そのエピソーム特性のために、本発明のアデノウイル スは、該増殖細胞内に、限られた時間内存続するに過ぎず、結果として該所定の 治療効果にとって全く適した一時的な効果を有する。 本発明は、また1種以上の欠陥をもつ組み換えウイルス、例えば上記のような 組み換えウイルスを含む薬理組成物にも関する。このような組成物は、局所、経 口、非経口、経鼻、静脈内、筋肉内、皮下、眼内等の種々の経路で投与するとい う観点で処方できる。 好ましくは、本発明の組成物は、注射可能な処方、特に血管壁内に注入するた めに、製薬上許容された賦形剤を含む。これらの賦形剤は、特に滅菌された、等 張性の塩溶液(燐酸一ナトリウムまたは二ナトリウム、塩化ナトリウム、カリウ ム、カルシウムまたはマグネシウム等またはかかる塩の混合物)、あるいは必要 な場合に滅菌水または生理塩水の添加によって注射可能な溶液を得ることのでき る、乾燥された、特に凍結乾燥された組成物であり得る。この賦形剤は、またヒ ドロゲルであり得、該ヒドロゲルは任意の生体適合性または非−細胞毒性(ホモ またはヘテロ)ポリマーから調製される。このようなポリマーは、例えば特許出 願WO93/08845に記載されている。その幾つか、例えば特にエチレンおよび/また はプロピレンオキサイドから得られるものが市販品として入手できる。 過増殖性疾患と関連した病理的状態を治療するための該組成物の使用において は、本発明による該欠陥をもつ組み換えアデノウイルスは、種々の方法、特に注 射により投与することができる。好ましくは、該再発性狭窄症状の治療のために は、本発明のアデノウイルスは、直接血管壁に投与される。この直接的投与は、 該アデノウイルスで飽和された、親水性フィルム(例えば、ヒドロゲル)で被覆 されている血管形成術用のバルーンによって、あるいは該アデノウイルス溶液の 注入チャンバーを含む任意の他のカテーテルによって実施でき、かくして正確な 方法で処置すべきサイトに適用でき、かつ該アデノウイルスを局所的かつ効率的 に、治療すべき細胞のレベルで解放することを可能とする。この投与法は、再発 性狭窄症の治療にとって好ましいターゲットを構成する、該中膜の細胞を高い割 合(9.6%まで)で感染することを、有利に可能とし、一方で投与の標準的な方法 (例えば、静脈内投与)は、これら細胞を、任意の非常に有意の程度に、感染さ せることを可能としない。 本発明の治療方法は、有利には組み換えアデノウイルスで飽和されたヒドロゲ ルを含有する組成物を、治療すべきサイトに導入する工程からなる。該ヒドロゲ ルは、例えば外科的侵襲中に、治療すべき組織の表面に、直接堆積し得る。有利 には、該ヒドロゲルは、カテーテル、例えばバルーンカテーテルによって、特に 血管形成時点において、該治療すべきサイトに導入する。特に有利な方法におい ては、該飽和ヒドロゲルは、バルーンカテーテルによって、該治療すべきサイト に導入される。 該注入のために使用されるウイルスの投与量は、種々のパラメータ、特に使用 した投与モード、および所定の治療期間に従って調節できる。一般的には、本発 明による組み換えウイルスは、104〜1014pfu/mlの範囲の投与量として処方され かつ投与される。AAVsおよびアデノウイルスお場合には、104〜1015pfu/mlなる 投与量を使用できる。用語「 pfu(プラーク形成単位)」とは、ビリオンの懸濁液の 感染力に対応し、また適当な細胞培養物を感染させ、一般的には48時間後に感染 された細胞のプラーク数を測定することにより決定される。ウイルス溶液の該pf u力価を測定するための技術は、文献に十分に記載されている。 本発明は、新規かつ非常に効率的な、過増殖性疾患、例えば再発性狭窄症と関 連した病理的状態を治療し、もしくは予防するための手段を提供する。 更に、この治療は任意の動物、例えばヒツジ、ウシ、飼い馴らされた動物(イ ヌ、ネコ等)、ウマ、魚等と同様に、ヒトにも関連付けることができる。 本発明は、例示的なものであって、本発明を制限するものではない、以下に与 えられる実施例を使用して、より完全に説明される。図面の説明 図1: プラスミドpCO1の図示。 図2: プラスミドpXL−CMV−GaxHAの図示。 図3: pXL−CMV−GaxHAでトランスフェクトしたVSMCのGAX −HAタンパク質の核の位置。 図3A: ベクターpCGNでトランスフェクトしたVSMC(GAX挿入断 片がない)。 図3B: ベクターpXL−CMV−GaxHAでトランスフェクトしたVSM C。 図4: Ad−CMV−Gaxで処理したVSMCのGAX−HAタンパク質 の核の位置。 図5: VSMCの増殖に関するAd−CMV−Gaxの影響(t=24時間) 。 − Ad−CMV−Gax(1000pfu/細胞)又は対照アデノウイルス (Ad−RSV−βGal、1000pfu/細胞)で処理した24時間後にV SMCを計数する。細胞増殖を阻止(0.5%FCS)又は刺激(FCS20%)す る。 図6: VSMCの増殖に関するAd−CMV−Gaxの影響(t=48時間) 。 − Ad−CMV−Gax(1000pfu/細胞)又は対照アデノウイルス (AD−RSV−βGal、1000pfu/細胞)で処理した48時間後にV SMCを計数する。細胞増殖を阻止(0.5%FCS)又は刺激(FCS20%)す る。 図7: ウシ胎児血清(FCS20%)の存在下にインキュベートされるVS MCの生存度に関するAd−CMV−Gaxの影響。 − 実験条件、図6参照。 図7A: アデノウイルスで処理されない細胞。 図7B: Ad−RSV−βGalで処理される細胞。 図7C: Ad−CMV−Gaxで処理される細胞。 図8: バルーンカテーテルによる損傷後のラット頸動脈に関するAd−CM V−Gax及びAd−RSV−βGalの影響。 図8A: 内膜表面積の測定。 図8B: 内膜/培養液の比率の測定。 図8C: 管腔狭窄の測定。 図9: 対照及び処理血管の動脈断面。 図9A: Ad−RSV−βGal処理対照血管。 図9B: Ad−CMV−Gax処理血管。一般的な分子生物学的手法 分子生物学において用いられる標準法、例えば、プラスミドDNAの分取用 抽出、塩化セシウム勾配でのプラスミドDNAの遠心分離、アガロース又はアク リルアミドゲルによる電気泳動、電気溶出によるDNA断片の精製、フェノール 又はフェノール/クロロホルムによるタンパク質の抽出、エタノール又はイソプ ロパノールを用いる塩類培養液中でのDANの沈殿、大腸菌中での形質転換等は 、当業者に周知であり、文献に詳細に記載されている[Maniatis T.ら,“Molecu lar Cloning,A Laboratory Manual”,Cold Spring Harbor Laboratory,コー ルドスプリングハーバー,ニューヨーク,1982; Ausubel F.M.ら,(eds),“Cur rent Protocols in Molecular Biology”,John Wiley & Sons,ニューヨーク, 1987]。 pBR322及びpUCタイプのプラスミド及びM13系のファージは、市販 のものを入手した(Bethesda Research Laboratories)。 連結反応の場合には、DNA断片が、アガロース又はアクリルアミドゲルの電 気泳動でサイズに応じて分離され、フェノール又はフェノール/クロロホルム混 合液で抽出され、エタノールで沈殿し、次に、製造業者の推奨に従ってT4DN Aリガーゼ(Biolabs)の存在下にインキュベートされる。 5′突出端は、製造業者の説明書に従ってE.coli DNAポリメラーゼI(Bio labs)のクレノウフラグメントを用いて挿入される。3′突出端は、製造業者の 推奨に従って用いられるT4DNAポリメラーゼ(Biolabs)の存在下に破壊され る。5′突出端は、S1ヌクレアーゼで注意して処理されることにより破壊され る。 合成オリゴデオキシヌクレオチドを用いる試験管内部位特異的突然変異誘発は 、Amershamから販売されたキットを用いてTaylorら[Nucleic Acids Res.13(19 85)8749-8764]によって開発された方法に従って行われる。 PCR[ Polymerase-catalyzed chain reaction,Saiki R.K.ら,Science 2 30 (1985)1350-1354; Mullis K.B.& Faloona F.A.,Meth.Enzym. 155(1987 )335-350]と呼ばれる手法によるDNA断片の酵素による増幅は、製造業者の説 明書に従ってDNAサーマルサイクラー(Perkin Elmer Cetus)を用いて行われる 。 ヌクレオチド配列は、Amershamから販売されたキットを用いてSangerら[Proc .Natl.Acad.Sci.USA,74(1977)5463-5467]によって開発された方法によっ て確認される。実施例1: CMBプロモーターの制御下にラットgaxタンパク質をコード化 する遺伝子を担持するベクターpXL−CMV−GaxHAの構築 本実施例は、gaxタンパク質をコード化するcDNA(種:ラット)及び組 換えが起こることを可能にするアデノウイルス配列を含むベクターの構築を記載 するものである。18個のアミノ酸を含むインフルエンザウイルス血球凝集素の エピトープ(エピトープHA1)は、gaxタンパク質(Fieldら,Mol.Cell.Bi ol.8:2159-2165,1988)のN末端に付加される。このようにしてエピトープを付 加すると、gax発現が、特に、HA1エピトープに対向する抗体を用いる免疫 蛍光法によって行われることを可能にする。その感受性のほかに、本方法は同時 に内因性gaxタンパク質の発現に対応するバックグラウンドノイズを生体外及 び生体内の双方で除去することを可能にする。 1.1.プラスミドpCO1の構築 A−プラスミドpCEの構築 Ad5アデノウイルスゲノムの左端に対応するEcoRI/XbaI断片を、 まず、ベクターpIC19HのEcoRとXba部位間にクローン化した。これ によりプラスミドpCAが作成される。次に、プラスミドpCAをHinfIで 切断し、その5′突出端にE.coli DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメン トを用いて挿入した。次に、EcoRIで切断した。次に、このように作成され Ad5アデノウイルスゲノムの左端を含むプラスミドpCAの断片を、ベクター pIC20H(Marshら,Gene 32(1984)481)のEcoRIとSmaI部位間に クローン化した。これによりプラスミドpCBが作成される。次に、プラスミド pCBをEcoRIで切断し、その5′突出端にE.coli DNAポリメラーゼI のクレノウ断片を用いて挿入した。次に、BamHIで切断した。次に、このよ うに作成されAd5アデノウイルスゲノムの左端を含むプラスミドpCBの断片 を、ベクターpIC20HのNruIとBglII部位間にクローン化した。こ れによりプラスミドpCEが作成され、その有利な特性はAd5アデノウイルス の最初の382塩基対に続いて多重クローニング部位をもつことである。 B−プラスミドpCD′の構築 Ad5アデノウイルスのゲノムからのSau3A(3346)/SstI(3 645)とSstI(3645)/NarI(5519)断片を、まず、一緒に 結合すると共にベクターpIC20HのClaIとBamHI部位間にクローン 化してプラスミドpPY53を作成した。次に、Sau3A(3346)と TaqI(5207)部位間にAd5アデノウイルスゲノムの一部を含むプラス ミドpPY53からのSalI/TaqI断片(ダムバックグラウンドから調製 した)を、ベクターpIC20HのSalIとClaI部位間にクローン化して プラスミドpCA′を作成した。次に、ダムバックグラウンドから調製したAd 5アデノウイルスゲノムのTaqI(5207)/NarI(5519)断片と プラスミドpCA′からのSalI−TaqI断片を一緒に結合し、ベクターp IC20HのSalIとNarI部位間にクローン化した。これによりプラスミ ドpCC′が作成される。次に、ダムバックグラウンドから調製したAd5アデ ノウイルスゲノムのNarI(5519)/NruI(6316)断片とプラス ミドpCC′のSalI/NarI断片を一緒に結合し、ベクターpIC20R のSalIとNruI部位間にクローン化した。これによりプラスミドpCD′ が作成される。 C−プラスミドpC01の構築 プラスミドpCD′をXhoIで部分的に消化し、次にSalIで完全に消化 するとSau3A(3446)部位からNruI(6316)部位までのAd5 アデノウイルス配列を含む制限断片が作成される。この断片をプラスミドpCE のSalI部位にクローン化した。これによりプラスミドpCO1(図1)が作 成され、HinfI(382)部位までのAd5アデノウイルスの左側部分、多 重クローニング部位及びAd5アデノウイルスのSau3A(3446)/Nr uI(6316)断片を含む。 1.2.ベクターpXL−CMV−GaxHA(図2参照)の構築 GaxcDNAを、ベクターpCGN(Tanaka & Harr,Cell 60:375-386,199 0)のXbaIとBamHI部位間にクローン化した。得られたベクター、pGC N−Gaxは、サイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモーター及びエンハ ンサー配列(−522、+72;Boshart ら,Cell,41:521-530,1985)を含み 、AUG開始コドン及び最初の3個のアミノ酸を含む単純ヘルペスウイルスチミ ジンキナーゼのリーダー配列(+55、+104;Rusconi & Yamamoto,EMBO J .,6:1309-1315,1987)、HA1エピトープをコード化する配列[YPYDVPDYASLGG P(配列番号1)]、ラットgaxcDNA、最後にウサギβ−グロ ビン遺伝子のポリアデニル化配列(Paeboら,Cell,35:445-453,1983)を含む。 次に、ベクターpCGN−GaxをXmnIとSfiIで切断し、プロモータ ー、cDNA及びポリアデニル化配列を含む得られた断片をクレノウで処理した 後、組換えに必要とされるアデノウイルス配列を含むシャトルベクターpCo1 のEcoRV部位に導入した。得られたプラスミドを、pXL−CMV−GaxHA と称した(図2参照)。 実施例2:プラスミドpXL-CMV-gax-HAの増殖抑制特性の実証 この実施例は発現(gax タンパク質及びHAエピトープの検出)及び活性(細胞 増殖に対する効果)に関する相同組換えベクター(実施例1を参照のこと)の性 質をin vitroで一時に、また同時に実証するのに使用し得る操作を記載する。 血管平滑筋細胞(VSMC)を、Chamley ら(Cell Tissue Res.177:503-522 1977) から採用した方法を使用してNZW ウサギ大動脈を酵素で消化することにより培養 する。簡単に言えば、一旦除去した、ウサギ大動脈をコラゲナーゼ(コラゲナー ゼII、Cooper Biomedical)の存在下で37℃で45分間インキュベートする。次いで 第二の消化をコラゲナーゼ及びエラスターゼ(Biosys)の存在下で約2時間行い、 それにより細胞懸濁液を生じる。細胞を20%のウシ胎児血清の存在下で維持し、 10回の継代の前に全ての試験(以下を参照のこと)について使用する。全てのこ れらの実験において、平滑筋細胞を抗αSMアクチン抗体(F-3777 、Sigma)により 免疫標識により特性決定する。 発現ベクター(実施例1を参照のこと)の性質を確かめるために、gax タンパ ク質の存在及び位置を夫々の構築物について免疫蛍光により監視する。これを行 うために、平滑筋細胞または3T3 細胞をDOSPA/DOPE混合物(リポフェクタミン、G ibco BRL)の存在下でプラスミドpXL-CMV-GaxHA及びpCGNgax でトランスフェクト する。細胞を、ウシ胎児血清を欠いている培地中で4〜8時間(SMC について最 適の期間:8時間)にわたってDNA/リポソーム複合体の存在下でインキュベ ートする。ウシ胎児血清の存在下で24時間インキュベートした後、細胞を顕微鏡 スライド(Titertek)の上で更に24時間にわたって免疫蛍光を見ながら培養する。 次いで細胞を4%のパラホルムアルデヒドの存在下で固定し、続いて0.1 %のト リトンを添加することにより透過性にする。細胞をウシ血清アルブミン(BSA、Si gma)の存在下で飽和した後、抗HA抗体(12CA5、Boehringer Mannheim)そして次に フルオレセイン結合抗体を連続して添加する。 N1H3T3細胞及びウサギVSMCの一次培養物について同時に行った免疫蛍光実験は 、プラスミドpCGNgax 及び“シャトル”プラスミドpXL-CMV-GaxHAの両方が核中 に配置されるタンパク質を実際にコードすることを実証する(図3A: 対照プラス ミド;3B: プラスミドpXL-CMV-GaxHAを参照のこと)。更に、pXL-CMV-GaxHAでト ランスフェクトされた細胞からの核タンパク質の抽出後に、本発明者らはウェス タンブロッティングによりHAエピトープに対し誘導された抗体で検出されるタン パク質を実証することができた。 次いで細胞増殖に関する上記ベクターの効果を確かめた。これを行うために、 コロニー形成を測定することに基く間接方法を使用した。簡単に言えば、NIH3T3 マウス胚細胞を使用して、Schweighoffer ら(Mol.Cell.Biol.1993,13:39-43) から採用された方法を使用するコロニー形成試験を行った。簡単に言えば、ネオ マイシンに対する耐性に関する遺伝子を有するプラスミド及び過剰の関係するベ クター(pCGNgaxまたはpXL-CMV-GaxHA)で細胞を同時トランスフェクトする。G418 中の選択の期間後に、コロニーをカルボールフクシン(ジアグノスチカ(Diーagno stica),Merck)の溶液で染色し、カウントする。表1に示される、代表的な実験 の結果はpCGNgax でトランスフェクトされた細胞の場合のコロニーの数の減少を 実証する。 実施例3:組換えアデノウイルスAd-CMVgax の構築 実施例1で調製された、ベクターpXL-CMV-GaxHAを続いて直線状にし、組換え のために、ヘルパー細胞(細胞系293)(これはアデノウイルスE1(E1A 及びE1B) 領域によりコードされた機能をトランスで供給する)に欠損アデノウイルスベク ターで同時トランスフェクトした。 アデノウイルスAd-CMVgax を下記のプロトコルに従ってアデノウイルスAd.RSV βgal(Stratford Perricaudetら,J.Clin.Invest 90(1992)626)及びベクターp XL-CMV-GaxHAの間のin vivo 相同組換えにより得た。酵素XmnIで直線状にされた ベクターpXL-CMV-GaxHA及びClaIで直線状にされたアデノウイルスAd.RSVβgalを リン酸カルシウムの存在下で細胞系293 に同時トランスフェクトして相同組換え を起こらせた。このようにして生じた組換えアデノウイルスをプラーク精製によ り選択した。単離後に、組換えアデノウイルスを細胞系293 中で増幅して、約1010 pfu/mlの力価を有する未精製の組換え欠損アデノウイルスを含む培養上澄みを 得る。 ウイルス粒子を既知技術(特に、Grahamら,Virology 52(1973)456を参照の こと)に従って塩化セシウム勾配で遠心分離により精製する。アデノウイルスAd -CMVgax を20%のグリセロール中で-80 ℃で貯蔵する。 実施例4:アデノウイルスAd-CMVgax の増殖抑制特性の実証 この実施例はgax タンパク質生産及び生物活性(細胞増殖に対する効果)に関 する組換えアデノウイルスの性質を一時に、また同時に実証するのに使用し得る 実験操作を記載する。 ウサギ大動脈VSMCをアデノウイルスAd-CMVgaxHA 及び対照アデノウイルス(ad- RSV βGal:RSV プロモーターの制御下でβ−ガラクトシダーゼを発現する組換 えアデノウイルス)の存在下でインキュベートし、これを培地(DMEM 、0.5 %のF CS)中で希釈する。湿った雰囲気中で37℃で約1時間後に、アデノウイルス溶液 を含む培地を吸引して除き、18時間から24時間までの期間にわたって培地(DMEM 、0.5 %のFCS)により交換する。次いでFCS に富む培地(FCS の最終濃度:20% )を添加して細胞増殖を刺激し、細胞を24時間そして48時間後にカウントする。 加えて、アデノウイルス溶液を添加した後24時間で、VSMCによるgax タンパク 質の発現を実施例2に記載した技術、即ち、免疫蛍光による核標識(タンパク質 の局在化)そしてまたウェスタンブロッティングにより監視する。組換えアデノ ウイルスにより生産されたタンパク質はHAエピトープを認識する抗体により有効 に検出され、pCGNgax またはpXL-CMV-GaxHAでトランスフェクトされるVSMCの核 中で検出されるgax タンパク質と同じ電気泳動移動度を有する。図4はAd-CMVga x HAの存在下でインキュベートされるVSMC中のGax タンパク質の位置を示す。 図4に示される、代表的な実験の結果は、Ad-CMVgax HAウイルスの添加後の細 胞の数の著しい低下を示す。一方、細胞の数のこの減少は同じ濃度(M.0.I.1000 )で使用した対照アデノウイルスによる処理後に観察されない。本発明者らは、 平行して、免疫蛍光により、この高い感染多重度がβ-galマーカー遺伝子(抗E.c oliβ-gal抗体、モノサン(Monosan)の使用)またはgax タンパク質(抗HA抗体の 使用、実施例2を参照のこと)をウサギVSMC集団の90%より多い中で発現させる ことを証明した。 ad-RSV- βgal ウイルスの添加は、ウシ胎児血清(20 %)の存在下で24時間培 養した後の弱い細胞静止作用(約13%)と関連している。同じ実験条件下で、Ad -CMVgax HAによる処理は細胞の数の57%減少をもたらす(図5を参照のこと)。 Ad-CMVgax HAウイルスの生物活性は培養の48時間後に非常に明らかに強調され、 細胞死滅と一層関連し得る(図6及び7を参照のこと)。 こうして、Ad-CMVgax HAにより引き起こされる増殖のブロッキングは、24時間 の期間にわたる培養後に検出し得る細胞の数の顕著な減少と関連している(図5 を参照のこと)。重要なことに、Ad-CMVgax HAのこの作用は高濃度(20 %)のFCS で刺激される細胞中で観察されるが、FCS の減少される細胞(0.5%)では観察さ れない(図6を参照のこと)。それ故、この実施例は、gax タンパク質をコード する組換えアデノウイルスが細胞(これらはそれらのサイクルのG0期でブロック される)の生存度に有意な作用を有しないで細胞分裂を有効にブロックし得 ることを実証する。 培養中のVSMCの生存度に関するAd-CMVgax HAアデノウイルスの作用がまた図7 により示される。 DNAの合成に関するAd-CMVgax HAの抑制特性をブロモデオキシウリジン(Brd U)-とり込み実験により確認する。簡単に言えば、アデノウイルスを添加した後2 4時間で、VSMCをFCS(10 〜20%)及びBrdU(10μM)(これはDNA合成期にチミ ンに代えて細胞にとり込まれ、特定の抗体で検出し得る)の存在下でインキュベ ートする。BrdUとり込みをフローサイトメトリーにより定量する。 同じフローサイトメトリー方法がAd-CMVgax HA処理されたウサギVSMCによりそ れらの細胞サイクル中になされた進行を視覚化するのに使用し得る。Ad-CMVgax HAによる処理はG0/G1 期中の細胞サイクルの阻止により伴われる。 実施例5:アデノウイルス-gaxを使用する血管内膜肥厚のin vivo 抑制 この実施例は血管病理学のモデルにおける組換えアデノウイルスの効力を示す 。 使用した動脈病変のモデルはラット頚動脈の表皮剥脱にある(Clowsら,Lab Inー verst 49(1983)327-333)。このモデルにおいて、VSMCは逆分化し、増殖し、 移動して、外傷の2週間以内に動脈を部分的に閉塞し得る新内膜を形成する。 SDラットをペントバルビタール(45mg/kg)の腹腔内注射により麻酔した。外部 頸動脈切開後に、ラット頸動脈をバルーンカテーテルで表皮剥脱し、1.109 pfu のAd-CMVgax HAまたはAd-RSV- βGal に露出した。アデノウイルスを、15%のポ ロキサマー407(これはアデノウイルス遺伝子移入を促進する)を含む溶液中で使 用する。20分のインキュベーション後に、ウイルス溶液を抜取り、結紮糸を除去 して循環を回復した。ラットを2週間後に犠牲にし、定量的生物形態計測分析を 処理した血管の切片断面について行った。結果を図8及び9に示す。 得られた結果は、全ての9のAd-RSV- βGal トランスフェクト頸動脈が強いVS MC増殖を有し、かなりの新内膜肥大を発生したことを示す。新内膜の面積は0.10 〜0.28の範囲で0.186 ±0.02 mm2(SEM)であった。それに応じて、管腔開通性(pa tentency)は40±4%(範囲21〜63)だけ狭くされた(図8C)。内膜:中膜比は1 .51±0.1(範囲0.87〜2.17)であった。これらの結果は食塩水処理対照血 管中で既に得られた結果と同様である。対照的に、Ad-CMVgax HA処理はバルーン 外傷に対する病的応答を著しく減少した。Ad-CMVgax HA処理血管について、新内 膜病変の平均面積は0.076 ±0.02 mm2(範囲0〜0.19)であり、管腔狭化は17.5 ±5%に減少された。統計分析は、Ad-CMVgax HA処理がAd-RSV- βGal 対照に対 し内膜肥大の発生を有意に抑制することを確かめた。詳しくは、Ad-CMVgax HAに よる処理は内膜:中膜比を69%減少し、内膜面積を59%減少し、管腔狭化を56% 減少した(図8A及び8B)。内膜肥厚に関する顕著な効果は、対照動物(図9A)ま たは処理動物(図9B)の切片断面で得られた結果により更に強調される。 この実施例はAd-CMVgax HA構築物の非常に有効なin vivo 増殖静止活性を実証 する。この活性は非常に特異的であり、対照動物では観察されない。示された結 果は血管形態、特に、血管形成後の再狭窄と関連する肥厚に関するAd-CMVgax HA の治療活性を明らかに示す。Gax 遺伝子をin vivo で移入するためのアデノウイ ルスの如きウイルスの使用が特に有効である。この方法は、それが遺伝子交換ア プローチに基くので更に有利である。この方法は、それが送出効率及び二つの治 療特性:増殖静止及び血管系中の構成的発現を示す治療遺伝子の両方を組み合わ せる点で特異である。本発明のGax 遺伝子移入は血管中の異常増殖性疾患の特異 的回帰を誘発し、それにより動脈機能を正常化する。また、本発明の局所Gax 遺 伝子移入は、それが動脈の病変後の再内皮化プロセスを妨害しない点で特に有利 である。更に、細胞増殖及び血管形態に関する直接の影響に加えて、本発明のga x 遺伝子移入はまた細胞外基質の合成及び再モデル化(remodeling)に関する有益 な間接の効果を与え得る。これらの結果は、本発明のGax 遺伝子移入が血管形成 後の血管病変の治療に強力な新しいアプローチであることを明らかに示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 7/00 A61K 37/02 ADS (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 イスナー ジェフリー エム アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02193 ウェストン ブレントン ロード 34 (72)発明者 デネフル パトリス フランス エフ−94100 サンモール ア ベニュー ド フュジール ド シャトー ブリアン 45

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.GAX タンパク質またはこのタンパク質の変異体の全部または一部をコードす る少なくとも一つの挿入された遺伝子を含む欠損組換えウイルス。 2.感染された細胞中の複製に必要であるゲノムの領域を欠いていることを特徴 とする請求の範囲第1項に記載のウイルス。 3.好ましくはAd5 型またはAd2 型のアデノウイルスであることを特徴とする請 求の範囲第1項または第2項に記載のウイルス。 4.動物、好ましくはイヌ起源のアデノウイルスであることを特徴とする請求の 範囲第1項または第2項に記載のウイルス。 5.挿入された遺伝子がラットGAX タンパク質またはこのタンパク質の変異体の 全部または一部をコードすることを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項の一項 に記載のウイルス。 6.挿入された遺伝子がラットGAX タンパク質またはそのヒト同族体をコードす ることを特徴とする請求の範囲第5項に記載のウイルス。 7.挿入された遺伝子がcDNAであることを特徴とする請求の範囲第1項〜第 6項の一項に記載のウイルス。 8.挿入された遺伝子がgDNAであることを特徴とする請求の範囲第1項〜第 6項の一項に記載のウイルス。 9.挿入された遺伝子がそれを感染された細胞中で発現させる配列を含むことを 特徴とする請求の範囲第1項〜第8項の一項に記載のウイルス。 10.挿入された遺伝子が合成ポリペプチドを標的細胞の分泌経路に誘導するシグ ナル配列を含むことを特徴とする請求の範囲第1項〜第9項の一項に記載のウイ ルス。 11.E1領域の全部または一部の欠失を含むことを特徴とする請求の範囲第3項ま たは第4項に記載のアデノウイルス。 12.E4領域の全部または一部の欠失を更に含むことを特徴とする請求の範囲第11 項に記載のアデノウイルス。 13.アデノ関連ウイルス(AAV)であることを特徴とする請求の範囲第1項または 第2項に記載のウイルス。 14.レトロウイルスであることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記 載のウイルス。 15.異常増殖性疾患に関連する病気の治療または予防を目的としている医薬組成 物を調製するための請求の範囲第1項〜第14項の一項に記載のウイルスの使用。 16.再狭窄の治療を目的としている医薬組成物を調製するための請求の範囲第15 項に記載の使用。 17.請求の範囲第1項〜第14項の一項に記載の一種以上の欠損組換えウイルスを 含む医薬組成物。 18.注射可能な形態であること、かつ104〜1014pfuのアデノウイルス/mlを含む ことを特徴とする請求の範囲第17項に記載の医薬組成物。 19.ヒドロゲルに飽和される組換えアデノウイルスを含むことを特徴とする請求 の範囲第18項に記載の医薬組成物。
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