JPH1150234A - 高純度チタン膜およびそれを用いた配線網および半導体素子 - Google Patents

高純度チタン膜およびそれを用いた配線網および半導体素子

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JPH1150234A
JPH1150234A JP10141251A JP14125198A JPH1150234A JP H1150234 A JPH1150234 A JP H1150234A JP 10141251 A JP10141251 A JP 10141251A JP 14125198 A JP14125198 A JP 14125198A JP H1150234 A JPH1150234 A JP H1150234A
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ppm
thermal conductivity
less
wiring
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JP10141251A
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Takashi Ishigami
隆 石上
Mitsuo Kawai
光雄 河合
Noriaki Yagi
典章 八木
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • H01L2924/01Chemical elements
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    • HELECTRICITY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配線層やバリア層をスパッタ法によって形成
する上で、高純度で優れた加工性および熱伝導性を満足
したスパッタターゲットを用いて成膜された高純度チタ
ン膜およびその膜より形成された配線網を用いることに
よって、高精細な配線網の特性向上を図った半導体素子
を提供する。 【解決手段】 酸素の含有量が350ppm以下、Fe、Niおよ
びCrの各元素の含有量が15ppm 以下、NaおよびK の各元
素の含有量が0.5ppm以下で、かつ材料特性としての絞り
が83%以上、熱伝導率が16W/m K 以上である半導体素子
形成用のスパッタターゲットを用いてスパッタ成膜して
なる高純度チタン膜およびそれを用いた配線網および半
導体素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子の表面
にスパッタ成膜された高純度チタン膜、その高純度チタ
ン膜から形成された配線網、およびその配線網を具備す
る半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】各種半導体素子の表面には、その使用目
的に応じて導電性金属材料を用いた複雑模様の配線網が
形成される。このような配線網は、例えばスパッタ法を
適用してAl、Au等の導電性金属薄膜を形成した後、この
薄膜に所定のエッチング処理を施しパタ―ニングするこ
とにより形成される。
【0003】ところで、近年、半導体素子の高集積化が
進むにつれて、配線の幅を狭小にしたり、配線の厚みを
薄くする必要が生じている。しかし、このように配線網
が高精細化していくと、用いた配線材料の配線抵抗によ
る信号の遅延問題が生起したり、また使用素材が低融点
材料であった場合には、素子の作動時に配線網における
抵抗発熱によって断線が起こるというような問題が生じ
ている。このようなことから、配線材料としては高融点
であると同時に低抵抗であり、かつLSI 、VLSI、ULSIの
プロセスを大幅に変更することが不要な材料が強く要望
されている。そのような材料としては、Mo、W 、Taと並
んでTiが注目されている。
【0004】Tiを半導体素子の配線網に利用する場合、
通常、まず上述したようにTiの薄膜をスパッタ法により
形成する。このため、Ti材によるスパッタタ―ゲットの
作製が必須となるが、この場合のTiターゲットは高純度
であることが重要である。例えば、Tiターゲットに不純
物として酸素が含有されている場合には、形成された薄
膜の電気抵抗が大きくなり、遅延問題や配線網の断線等
の事故を招く。Fe、Ni、Crのような重金属は、形成され
た薄膜の界面接合部におけるリーク現象の要因となる。
Na、K のようなアルカリ金属は、Si中を容易に遊動して
素子特性を劣化させてしまう。
【0005】VLSI等の配線網を形成する際のタ―ゲット
としては、上述したように高純度であることが必要であ
ることの他に、より均一な薄膜を形成するために、Tiタ
―ゲットの表面や内部に傷やしわ等の不均一部分がない
ことと、スパッタリング時の熱エネルギ―を均一に放出
し得ることが強く要望されている。
【0006】すなわち、集積度が向上してより微細な配
線になるにつれて、不純物による影響の他に、スパッタ
リングによって形成された薄膜の膜厚や内部組織等の均
一性が重要になるからである。例えばタ―ゲットの表面
や内部に傷等が存在していると、その部分においてスパ
ッタ粒子の飛翔が乱れ、基板上への被着状態の均一性が
損われ、電気抵抗に変化が生じたり、さらには断線等を
招いてしまう。また、スパッタリング時にタ―ゲットに
加わる熱エネルギ―を均一にバッキングプレ―ト側に放
出することができないと、ターゲットの温度分布の不均
一さに起因して被着状態の均一性が損われてしまう。
【0007】ところで、上記したようなTiタ―ゲット
は、従来下記に示すような方法によって製造されてい
た。
【0008】まず、粗Ti材を例えば次の 3つの方法のい
ずれかによって製造する。その 1つは、TiCl4 のような
Ti化合物をNa、Mgのような活性金属で熱還元する方法
で、クロール(Kroll)法、フンター(Hunter) 法と呼ば
れている方法である。第2の方法は、 TiI4 のようなチ
タン化合物を熱分解する方法で、アイオダイド(Iodid
e)法と呼ばれている方法である。そして第3の方法
は、例えばNaClや KCl等の塩中で溶融塩電解する方法で
ある。このような方法により製造された粗Ti材は、通
常、スポンジ状、クリスタル状、針状等の形状を有して
いるため、一般にはこの粗Ti材を10-2Torr〜10-3Torr程
度の真空中でアーク溶解してインゴットとし、それをタ
ーゲット形状に加工して使用している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来の方法で製造されたTiターゲットは、いず
れもその純度が 2N〜 3N程度であり、 64Kビット用の
スパッタターゲットとしては使用できるものの、1Mビッ
トや4Mビット以上の場合には、配線材料やバリア材料の
ターゲット材としては純度から見て不適当であった。
【0010】また、従来法により製造されたTiターゲッ
トでは、上述した表面状態や内部状態の点からも不十分
であった。つまり、電気抵抗の変化や断線等の原因とな
るTiターゲット表面や内部の傷等を防止するためには、
加工性を高める必要がある。一方、高純度Tiの場合、加
工中のコンタミを防止するために、冷間加工によって所
定形状に加工しているが、従来法によるTi材の加工性で
は充分な均一状態を得るまでには至っていなかった。さ
らに、熱エネルギ―の放出性の点からも不十分であっ
た。つまり、従来法によるTi材では、スパッタリング時
にタ―ゲットに加わる熱エネルギ―を均一にバッキング
プレ―ト側に放出しうるほど、高熱伝導性のものは得ら
れていなかった。
【0011】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、配線層やバリア層をスパッタ法によ
り形成する上で、高純度で優れた加工性および熱伝導性
を満足したスパッタターゲットを用いて成膜された高純
度チタン膜およびその膜より形成された配線網を用いる
ことによって、高精細な配線網の特性向上を図った半導
体素子を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の高純度チタン膜
は、酸素の含有量が350ppm以下、Fe、NiおよびCrの各元
素の含有量が15ppm 以下、NaおよびK の各元素の含有量
が0.5ppm以下で、かつ材料特性としての絞りが83%以
上、熱伝導率が16W/m K 以上である半導体素子形成用の
スパッタターゲットを用いてスパッタ成膜してなること
を特徴としている。本発明において、高純度チタン膜
は、Tiおよび不可避不純物からなることを特徴としてい
る。
【0013】また、本発明の配線網は、酸素の含有量が
350ppm以下、Fe、NiおよびCrの各元素の含有量が15ppm
以下、NaおよびK の各元素の含有量が0.5ppm以下で、か
つ材料特性としての絞りが83%以上、熱伝導率が16W/m
K 以上である半導体素子形成用のスパッタターゲットを
用いてスパッタ成膜した高純度チタン膜から形成された
ことを特徴としている。本発明において、配線網は、配
線層またはバリア層のいずれかであることを特徴として
いる。
【0014】また、本発明の半導体素子は、酸素の含有
量が350ppm以下、Fe、NiおよびCrの各元素の含有量が15
ppm 以下、NaおよびK の各元素の含有量が0.5ppm以下
で、かつ材料特性としての絞りが83%以上、熱伝導率が
16W/m K 以上である半導体素子形成用のスパッタターゲ
ットを用いてスパッタ成膜した高純度チタン膜から形成
された配線網を具備することを特徴としている。
【0015】本発明で用いる加工性および熱伝導性に優
れた高純度Ti材は、溶融塩電解法やアイオダイド法等で
得られた粗Ti粒が、粒径により純度、特に酸素含有量が
異なることと、粗Ti粒に含まれる不純物が表層部に特に
集中して存在することを見出し、さらには篩分け法およ
び酸処理法を用いることにより、純度と共に従来法では
なかなか得られなかった、熱伝導率16W/m K 以上という
値と、絞り83%以上という値とを同時に得ることができ
ることを見出し、これらの知見に基づいてはじめて達成
されたものである。
【0016】本発明でスパッタターゲットとして用いら
れる高純度Ti材は、例えば以下のようにして製造され
る。
【0017】まず、原料となる粗Ti粒を例えば溶融塩電
解法によって製造する。溶融塩電解する際に使用するTi
材としては、例えばスポンジTiを用い、特にU 、Thの含
有量の少ないものを用いることが好ましい。電解浴とし
ては、KCl-NaCl等が好ましく、また電解温度は 730℃〜
755℃、電圧 6.0〜 8.0V が好適である。溶融塩電解に
より得られるTi粒は、一般にNaやK の含有量は多いもの
の、Fe、Ni等の重金属や酸素の含有量は比較的少ない。
なお、上記本発明の原料となる粗Ti粒としては、溶融塩
電解法によるTi粒に限らず、後述する電子ビ―ム溶解
(以下、EB溶解と記す)によって所定の純度が得られ
るものであればよい。例えばアイオダイド法によるクリ
スタルTiやスポンジTi等が使用できる。
【0018】次に、本発明で用いる高純度Ti材の製造工
程においては、上記粗Ti粒(針状Ti粒)に対して、下記
2種類の処理のうち、少なくともいずれかの処理を施
す。
【0019】(a) 得られた粗Ti粒を外部からの汚染を
防止しながら非金属製の篩、例えばナイロン製の篩を用
いて篩分けし、粒径(Ti粒の外径、以下同じ)毎に分別
する。
【0020】(b) 得られた粗Ti粒に対して酸処理を施
し、表面に存在する汚染層を除去する。
【0021】ここで、上述したように溶融塩電解によっ
て得られた粗Ti粒に含まれる不純物は、表層部に集中し
て存在する。このため、上記(a) のように粒径分別を行
い、比較的粒径の大きい針状Ti粒を選択して用いること
により、比表面積が小さくなることから不純物量が相対
的に減少する。このように、粒径を選択して使用するこ
とにより、特に酸素含有量を減少させることができると
同時に、スパッタタ―ゲットの熱伝導率を16W/m K 以
上、絞りを83%以上にすることができる。
【0022】また、上記(b) のように表面の汚染層を強
制的に排除することによっても、同様に不純物量を減少
させることができると同時に、スパッタタ―ゲットの熱
伝導率を16W/m K 以上、絞りを83%以上にすることがで
きる。この酸処理は、汚染層の除去としては特にFe、N
i、Cr等の重金属の除去に効果的である。
【0023】なお、アイオダイド法等によって得られる
Ti粒に対しても、同様なことが言える。
【0024】上記(a) の篩分けの方法においては、粒径
1mm以上の不純物量が少ないTi粒を選択的に使用するこ
とが好ましく、さらに好ましくは粒径 2mm以上のTi粒を
使用することである。ただし、粒径 1mm以上の粗Ti粒だ
けを使用することに限らず、粗Ti粒の不純物はほぼ粒径
に比例して存在するため、本発明のTi材の不純物量の許
容範囲内において、小径のTi粒を併用することもでき
る。このような場合においては、粒径 1mm以上の粗状Ti
粒を90重量%以上使用することが好ましい。なお、粒径
0.5mm以下の微粉状Ti粒は、EB溶解時に真空度の不安
定化を招くため、使用しないことが望ましい。
【0025】上記(b) の酸処理は、表面層の再汚染(特
に酸素)を防止する上で、アルゴンガス雰囲気のような
不活性雰囲気中で酸処理後、純水で洗浄、乾燥すること
により行うことが好ましい。また、使用する酸液として
は、フッ酸、塩酸、硝酸、フッ酸と塩酸との混酸、硝酸
と塩酸との混酸等を用いることができる。特に表面層の
みの除去ができるように、例えば塩酸:フッ酸:水の割
合が体積比で 0.8〜 1.2: 1.8〜 2.2:36〜38程度の混
酸を用いることが好ましい。
【0026】また、上記(a) の処理によって篩分けし、
粒径が大きい例えば1mm 以上のTi粒のみを選択的に取出
し、このTi粒に対して表面汚染層の除去処理を施すこと
によって、より不純物量の低下を図ることが可能とな
る。また、酸処理後に篩分けを実施しても同様である。
【0027】このようにして上記(a) および(b) のいず
れかの処理を施し、粗Ti粒に残存する不純物をさらに減
少させ、次いでEB溶解を施すことにより、最終的にNa
やKの除去を行う。EB溶解によれば、特にNaやK の除
去が効果的に行える。
【0028】ここで、通常EB溶解を行う際には、得ら
れた粗Ti粒をプレス成形によって圧縮して固形化し、こ
れを電極としてEB溶解することが考えられる。その場
合は、工具、成形時の変形による再汚染の発生が考えら
れるため、本発明においては、この再汚染を防止するた
めに、粗Ti粒(針状Ti粒)をそのまま真空中でバイブレ
ーター式グラニュー投入した後、EB溶解を実施するこ
とが好ましい。
【0029】EB溶解炉においては、炉内を 5×10-5mb
ar以下、好ましくは 2×10-5mbar以下の真空度に保持
し、かつフレオンバッフルで拡散ポンプオイルの炉内へ
の混入を防止しつつ、粗Ti粒のEB溶解を行う。EB溶
解時における操作条件は格別限定されるものではない
が、Na、K の精製効果や酸素の汚染吸収を考慮して溶解
速度を選定することが求められる。例えば、1.75〜 2.3
kg/時間程度が好ましい条件である。
【0030】この過程で、通常アーク溶解法を適用した
ときに生起する酸素含有量の増加という問題は、真空排
気のコンダクタンスの大幅な改善によりなくなり、さら
に微粉の篩落しにより、EB溶解時の真空度が低真空側
で安定するため、得られたEB鋳造材において酸素は 3
50ppm 以下に抑制され、他の不純物元素も減少すること
はあれ増量することはなくなる。
【0031】このようにして得られるTi材は、酸素含有
量が350ppm以下、Fe、Ni、Crの各元素の含有量が15ppm
以下、Na、K の各元素の含有量が0.5ppm以下、U 、Thの
各元素の含有量が1ppb以下の高純度を満足すると共に、
材料特性としての絞りが83%以上の高加工性および熱伝
導率が16W/m K 以上の高熱伝導性を満足するものとな
る。また、条件設定によって得られるTi材は、酸素含有
量が250ppm以下、Fe、Ni、Crの各元素の含有量が10ppm
以下、Na、K の各元素の含有量が0.1ppm以下、さらに
は、酸素含有量が200ppm以下、Fe、Ni、Crの各元素の含
有量が 5ppm 以下、Na、K の各元素の含有量が0.05ppm
以下の高純度と、材料特性としての絞りが85%以上の高
加工性および熱伝導率が17W/m K 以上の高熱伝導性とを
満足するTi材が得られる。
【0032】また、本発明で用いるスパッタターゲット
は、まず上記製造方法によって得た高純度Ti材の再汚染
を防止しつつ任意の形状に冷間鍛造する。この鍛造工程
は、ガス吸収性の高いTi材の性質を考慮し、吸収ガスに
よる再汚染を防止する上で冷間(室温近傍)で行うもの
とする。この後、機械加工により所定のタ―ゲット形状
とすることによって、本発明のスパッタタ―ゲットが得
られる。
【0033】Ti材の冷間加工性は、上記絞りの値によっ
て左右される。すなわち絞りが83%以上のTi材は、例え
ばスパッタタ―ゲットに加工する際の冷間加工性を充分
に満足することができ、これによって内部や表面に傷や
しわ等の不均一部分を生じさせることなく所定形状への
加工が可能となる。この絞りの値は、85%以上とするこ
とがより好ましい。したがって、このようなTiタ―ゲッ
トを用いてスパッタリングを行うことにより、不均一部
分に起因して発生するスパッタ粒子の飛翔乱れが抑制さ
れ、膜厚や内部組織等をより均一化した薄膜を形成する
ことが可能となる。
【0034】また、熱伝導率を16W/m K 以上とした高熱
伝導性のTi材は、スパッタタ―ゲットとして用いた際、
スパッタリング時にタ―ゲットに加わる熱エネルギ―を
均一にバッキングプレ―ト側に放出することが可能とな
る。この熱伝導率の値は、17W/m K 以上とすることがよ
り好ましく、18W/m K 以上とすることがさらに好まし
い。したがって、タ―ゲットの各部において均一化され
た熱条件下でスパッタリングを実施することが可能とな
り、より均一な薄膜を得ることができる。
【0035】本発明の半導体素子は、上述したような高
純度であるだけでなく膜厚や内部組織等がより均一化さ
れたTi膜を利用して、配線網のうちの配線層およびバリ
ア層の少なくとも一方を形成したものである。
【0036】ここで、上記絞りの値はJIS Z 2241に準じ
て測定した値とする。具体的な測定法としては、JIS B
7721に準ずる引張試験機に試料をセットして軸方向に引
張り、破断した際の破断面の面積Aと原断面積A0 とか
ら、下記の(1) 式により絞りψ(%)を求める。
【0037】 ψ=(A0 −A)/A0 × 100 ………(1) また、熱伝導率はフラッシュ法により求めた値とする。
すなわち、試料表面にレ―ザ等によるパルス光を均一に
照射し、裏面側での温度上昇を測定することにより熱拡
散率αを求め、この熱拡散率αから熱伝導率λを求める
方法である(熱分析実験技術入門第2集、真空技工社刊
参照)。算出式は以下の通りである。
【0038】 α=1.37L2 /(π2 ・t1/2 ) ……(2) (式中、L
は試料の厚さを、t1/ 2 は試料裏面温度が最高値の1/2
に達する間での時間を示す) λ=α・Cp ・ρ ……(3) (式中、C
p は試料の比熱容量を、ρは試料の密度を示す)
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。
【0040】実施例1 まず、KCl-NaCl電解浴(KCl:16重量%、NaCl:84重量
%)中にスポンジTiからなる電極を投入し、電解温度 7
55℃、電流 200A 、電圧80V で溶融塩電解し、針状の粗
Ti粒を作製した。
【0041】次に、ナイロン製篩によって篩分けし、粒
径によって以下の 5種類に分類した。
【0042】t1 < 0.5mm、 0.5mm≦t2 < 1.0mm、
1.0mm≦t3 < 1.5mm、 1.5mm≦t4 < 2.0mm、 2.0mm
≦t5 粒径により分別した各Ti粒の酸素含有量を測定した。そ
の結果を図1に示す。
【0043】図1からも明らかなように、粒径が小さく
なるほど酸素含有量が多くなることが分る。したがっ
て、粒径に基く酸素含有量を考慮して、原料(EB溶解
原料)設計を行うことにより、酸素含有量の制御が可能
となる。また、粒径 1mm以上のTi粒を選択的に使用する
ことによって、低酸素含有量のTi材が確実に得られる。
【0044】次に、粒径毎に分別した粗Ti粒を原料とし
てEB溶解を行った。原料として用いたTi粒の粒径の組
合わせを表1に示す。これら原料をそれぞれ個別にグラ
ニュ―投入機に挿入し、真空中で汚染を防止しながらE
B溶解炉に投入した。炉内を1 ×10-5mbarの高真空に
し、フレオンバッフルで拡散ポンプオイルの混入を防
ぎ、20kV、フィラメント電流1.3A〜1.5A、EB出力26kW
〜30kW、溶解速度4kg/時間の条件でEB溶解を行って、
直径 135mmのインゴットをそれぞれ作製した。
【0045】このようにして得たTi材の酸素含有量、絞
り、熱伝導率、加工性をそれぞれ測定した。その結果を
表1に示す。なお、表中の比較例は、小粒径のTi粒のみ
を用いてEB溶解を行ったものであり、本発明との比較
として掲げたものである。また、各測定は以下に示す方
法にしたがって行った。
【0046】(A) 絞り:直径 8mmの円柱状試験片を作
製し、これをJIS B 7721に準ずる引張試験機にセットし
て軸方向に引張り、破断した際の破断面の面積Aと原断
面積A0 とから前記(1) 式にしたがって絞りψ(%)を
求める。
【0047】(B) 熱伝導率:レーザフラッシュ法を適
用した熱拡散率測定装置(TC-3000 、真空理工社製)に
よって熱拡散率αを測定し、この値から前記(3) 式にし
たがって熱伝導率λを求める。
【0048】(C) 加工性:直径135mm ×厚さ90mmのTi
材を直径280mm ×厚さ20mmに冷間で鍛造し、加工後の試
料表面クラックおよび端部割れがあるかどうかで評価す
る。
【0049】上記各Tiインゴットを冷間で鍛造し、機械
研削によって所定形状に加工してスパッタタ―ゲットを
それぞれ作製した。このようにして得たTiタ―ゲットを
それぞれ用いてスパッタリングを行い、Si基板上に厚さ
100nm となるように条件を選定してTi薄膜を形成した。
得られたTi薄膜の比抵抗を測定し、比抵抗の分布から膜
厚特性を評価した。その結果を合せて表1に示す。
【0050】
【表1】 表1の結果から明らかなように、この実施例によるTi材
は、酸素含有量が少なく、また加工性および熱伝導性共
に優れるものであることが分る。そして、このようなTi
材を用いてスパッタタ―ゲットを作製することによっ
て、膜厚等の均一性に優れたスパッタ膜が得られ、1Mビ
ット、4Mビットというような高集積化されたLSI 、VLS
I、ULSI等の半導体素子における高精細な配線網やバリ
ア用薄膜等を、高信頼性のもとで形成することが可能と
なる。
【0051】なお、上記実施例1による各Ti材の他の不
純物量は、いずれもFe、Ni、Crの各元素の含有量が1.0p
pm以下、Na、K の各元素の含有量が0.05ppm 以下であっ
た。
【0052】実施例2 実施例1と同様にして溶融塩電解法による粗Ti粒を粒径
によって 5種類に分別し、これらに対して分別粒径毎に
塩酸とフッ酸との混酸により表面層の除去処理を施し
た。この混酸による処理は、塩酸:フッ酸:水の割合が
体積比で 1.0: 2.0: 37 の混酸を作製し、アルゴン雰
囲気中、上記混酸中で20分間洗浄し、その後純水により
さらに洗浄し、乾燥させることによって行った。
【0053】ここで、酸処理前の酸素含有量およびFe含
有量と、酸処理後の酸素含有量およびFe含有量をそれぞ
れ分別した粒径毎に測定した。その結果を図2および図
3に示す。これらの図から明らかなように、表面から 3
0nm 程度の表層部を除去することによって著しく不純物
量が減少し、これから粒径の小さいTi粒であっても高純
度化を達成できることが分る。
【0054】上記粒径毎に酸処理を施した粗Ti粒を表2
に示すように組合わせ、これらをそれぞれEB溶解用原
料として用い、実施例1と同一条件下でEB溶解を行
い、Tiインゴットをそれぞれ作製した。このようにして
得たTi材の酸素含有量、絞り、熱伝導率、加工性をそれ
ぞれ実施例1と同様に測定した。
【0055】上記各Ti材を用いて実施例1と同様にTiタ
―ゲットを作製すると共に、スパッタリングを行うこと
によって、薄膜の膜厚特性を評価した。これらの結果を
併せて表2に示す。
【0056】
【表2】 表2の結果から明らかなように、この実施例による各Ti
材は、溶融塩電解法による粗Ti粒の表面層を除去するこ
とによって、実施例1と同様に酸素含有量およびFe含有
量が少なく、また加工性および熱伝導性共に優れるもの
であることが分る。そして、実施例1と同様に1Mビッ
ト、4Mビットというような高集積化されたLSI 、VLSI、
ULSI等の半導体素子における高精細な配線網やバリア用
薄膜等を、高信頼性のもとで形成することが可能であ
る。
【0057】なお、上記実施例2による各Ti材の他の不
純物量は、いずれもNi、Crの各元素の含有量が1ppm以
下、Na、K の各元素の含有量が0.05ppm 以下であった。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
精細な配線網を高純度、高加工性および高熱伝導性のTi
材からなるスパッタターゲットを用いて形成しているた
め、高純度でかつ均一性等に優れたTi系の配線網やバリ
ア用薄膜等を有するLSI 、VLSI、ULSI等の半導体素子を
再現性よく提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によって得た粗Ti粒の粒径と
酸素含有量との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の他の実施例によって得た粗Ti粒の粒径
と酸素含有量との関係を示すグラフである。
【図3】本発明の他の実施例によって得た粗Ti粒の粒径
とFe含有量との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/88 M

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素の含有量が350ppm以下、Fe、Niおよ
    びCrの各元素の含有量が15ppm 以下、NaおよびK の各元
    素の含有量が0.5ppm以下で、かつ材料特性としての絞り
    が83%以上、熱伝導率が16W/m K 以上である半導体素子
    形成用のスパッタターゲットを用いてスパッタ成膜して
    なることを特徴とする高純度チタン膜。
  2. 【請求項2】 前記高純度チタン膜は、Tiおよび不可避
    不純物からなることを特徴とする請求項1記載の高純度
    チタン膜。
  3. 【請求項3】 酸素の含有量が350ppm以下、Fe、Niおよ
    びCrの各元素の含有量が15ppm 以下、NaおよびK の各元
    素の含有量が0.5ppm以下で、かつ材料特性としての絞り
    が83%以上、熱伝導率が16W/m K 以上である半導体素子
    形成用のスパッタターゲットを用いてスパッタ成膜した
    高純度チタン膜から形成されたことを特徴とする配線
    網。
  4. 【請求項4】 前記配線網は、配線層またはバリア層の
    いずれかであることを特徴とする請求項3記載の配線
    網。
  5. 【請求項5】 酸素の含有量が350ppm以下、Fe、Niおよ
    びCrの各元素の含有量が15ppm 以下、NaおよびK の各元
    素の含有量が0.5ppm以下で、かつ材料特性としての絞り
    が83%以上、熱伝導率が16W/m K 以上である半導体素子
    形成用のスパッタターゲットを用いてスパッタ成膜した
    高純度チタン膜から形成された配線網を具備することを
    特徴とする半導体素子。
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