JP3006661B2 - 半導体素子の製造方法 - Google Patents

半導体素子の製造方法

Info

Publication number
JP3006661B2
JP3006661B2 JP6300643A JP30064394A JP3006661B2 JP 3006661 B2 JP3006661 B2 JP 3006661B2 JP 6300643 A JP6300643 A JP 6300643A JP 30064394 A JP30064394 A JP 30064394A JP 3006661 B2 JP3006661 B2 JP 3006661B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
content
particles
less
ppm
coarse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP6300643A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07240391A (ja
Inventor
隆 石上
光雄 河合
典章 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP6300643A priority Critical patent/JP3006661B2/ja
Publication of JPH07240391A publication Critical patent/JPH07240391A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3006661B2 publication Critical patent/JP3006661B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/01Chemical elements
    • H01L2924/01019Potassium [K]
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/01Chemical elements
    • H01L2924/01024Chromium [Cr]
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/01Chemical elements
    • H01L2924/01028Nickel [Ni]
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/01Chemical elements
    • H01L2924/01074Tungsten [W]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Ti系の配線層やバリア
層を用いた配線網を具備する半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】各種半導体素子の表面には、その使用目
的に応じて導電性金属材料を用いた複雑模様の配線網が
形成される。このような配線網は、例えばスパッタ法を
適用してAl、Au等の導電性金属薄膜を形成した後、この
薄膜に所定のエッチング処理を施しパターニングするこ
とにより形成される。
【0003】ところで、近年、半導体素子の高集積化が
進むにつれて、配線の幅を狭小にしたり、配線の厚みを
薄くする必要が生じている。しかし、このように配線網
が高精細化していくと、用いた配線材料の配線抵抗によ
る信号の遅延問題が生起したり、また使用素材が低融点
材料であった場合には、素子の作動時に配線網における
抵抗発熱によって断線が起こるというような問題が生じ
ている。このようなことから、配線材料としては高融点
であると同時に低抵抗であり、かつLSI 、VLSI、ULSIの
プロセスを大幅に変更することが不要な材料が強く要望
されている。そのような材料としては、Mo、W 、Taと並
んでTiが注目されている。
【0004】Tiを半導体素子の配線網に利用する場合、
通常、まず上述したようにTiの薄膜をスパッタ法により
形成する。このため、Ti材によるスパッタターゲットの
作製が必須となるが、この場合のTiターゲットは高純度
であることが重要である。例えば、Tiターゲットに不純
物として酸素が含有されている場合には、形成された薄
膜の電気抵抗が大きくなり、遅延問題や配線網の断線等
の事故を招く。Fe、Ni、Crのような重金属は、形成され
た薄膜の界面接合部におけるリーク現象の要因となる。
Na、K のようなアルカリ金属は、Si中を容易に遊動して
素子特性を劣化させてしまう。
【0005】VLSI等の配線網を形成する際のターゲット
としては、上述したように高純度であることが必要であ
ることの他に、より均一な薄膜を形成するために、Tiタ
ーゲットの表面や内部に傷やしわ等の不均一部分がない
ことと、スパッタリング時の熱エネルギーを均一に放出
し得ることが強く要望されている。
【0006】すなわち、集積度が向上してより微細な配
線になるにつれて、不純物による影響の他に、スパッタ
リングによって形成された薄膜の膜厚や内部組織等の均
一性が重要になるからである。例えばターゲットの表面
や内部に傷等が存在していると、その部分においてスパ
ッタ粒子の飛翔が乱れ、基板上への被着状態の均一性が
損われ、電気抵抗に変化が生じたり、さらには断線等を
招いてしまう。また、スパッタリング時にターゲットに
加わる熱エネルギーを均一にバッキングプレート側に放
出することができないと、ターゲットの温度分布の不均
一さに起因して被着状態の均一性が損われてしまう。
【0007】ところで、上記したようなTiターゲット
は、従来下記に示すような方法によって製造されてい
た。まず、粗Ti材を例えば次の 3つの方法のいずれかに
よって製造する。その 1つは、TiCl4 のようなTi化合物
をNa、Mgのような活性金属で熱還元する方法で、クロー
ル(Kroll)法、フンター(Hunter)法と呼ばれている方法
である。第2の方法は、 TiI4 のようなチタン化合物を
熱分解する方法で、アイオダイド(Iodide)法と呼ばれて
いる方法である。そして第3の方法は、例えばNaClや K
Cl等の塩中で溶融塩電解する方法である。このような方
法により製造された粗Ti材は、通常、スポンジ状、クリ
スタル状、針状等の形状を有しているため、一般にはこ
の粗Ti材を10-2Torr〜10-3Torr程度の真空中でアーク溶
解してインゴットとし、それをターゲット形状に加工し
て使用している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来の方法で製造されたTiターゲットは、いず
れもその純度が 2N〜 3N程度であり、 64Kビット用の
スパッタターゲットとしては使用できるものの、1Mビッ
トや4Mビット以上の場合には、配線材料やバリア材料の
ターゲット材としては純度から見て不適当であった。
【0009】また、従来法により製造されたTiターゲッ
トでは、上述した表面状態や内部状態の点からも不十分
であった。つまり、電気抵抗の変化や断線等の原因とな
るTiターゲット表面や内部の傷等を防止するためには、
加工性を高める必要がある。一方、高純度Tiの場合、加
工中のコンタミを防止するために、冷間加工により所定
形状に加工しているが、従来法によるTi材の加工性では
十分な均一状態を得るまでには至っていなかった。さら
に、熱エネルギーの放出性の点からも不十分であった。
つまり、従来法によるTi材では、スパッタリング時にタ
ーゲットに加わる熱エネルギーを均一にバッキングプレ
ート側に放出しうるほど、高熱伝導性のものは得られて
いなかった。
【0010】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、配線層やバリア層をスパッタ法によ
り形成する上で、Tiターゲットに必要とされる高純度、
優れた加工性および熱伝導性を満足した高純度チタン材
を用いることによって、高精細な配線網の特性向上を図
った半導体素子を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の半導体素
子の製造方法は、半導体基板と、前記半導体基板上に設
けられた配線網とを具備する半導体素子の製造方法であ
って、酸素の含有量が350ppm以下、Fe、Niお
よびCrの各元素の含有量が15ppm以下、Naおよ
びKの各元素の含有量が0.5ppm以下である高純度
チタン材を製造する工程と、前記高純度チタン材を任意
のスパッタターゲット形状に加工する工程と、前記スパ
ッタターゲットを用いてスパッタ成膜して前記半導体基
板上に金属薄膜を形成する工程と、前記金属薄膜に所定
のエッチング処理を施しパターニングして配線網を形成
する工程と、前記高純度チタン材の製造工程において、
材料特性としての絞りが83%以上であり、かつ熱伝導
率が17W/mK以上となるように粗チタン材を処理す
る工程と、を有することを特徴としている。
【0012】本発明で用いる加工性および熱伝導性に優
れた高純度Ti材は、溶融塩電解法やアイオダイド法等で
得られた粗Ti粒が、粒径により純度、特に酸素含有量が
異なることと、粗Ti粒に含まれる不純物が表層部に特に
集中して存在することを見出し、さらには篩分け法およ
び酸処理法を用いることにより、純度と共に従来法では
なかなか得られなかった、熱伝導率17W/m K 以上という
値と、絞り 83%以上という値とを同時に得ることができ
ることを見出し、これらの知見に基いてはじめて達成さ
れたものである。
【0013】本発明でスパッタターゲットとして用いら
れる高純度Ti材は、例えば以下のようにして製造され
る。まず、原料となる粗Ti粒を例えば溶融塩電解法によ
って製造する。溶融塩電解する際に使用するTi材として
は、例えばスポンジTiを用い、特にU 、Thの含有量の少
ないものを用いることが好ましい。電解浴としては、KC
l-NaCl等が好ましく、また電解温度は 730℃〜 755℃、
電圧 6.0〜 8.0V が好適である。溶融塩電解により得ら
れるTi粒は、一般にNaや Kの含有量は多いものの、Fe、
Ni等の重金属や酸素の含有量は比較的少ない。なお、上
記本発明の原料となる粗Ti粒としては、溶融塩電解法に
よるTi粒に限らず、後述する電子ビ―ム溶解(以下、E
B溶解と記す)により所定の純度が得られるものであれ
ばよい。例えばアイオダイド法によるクリスタルTiやス
ポンジTi等が使用できる。
【0014】次に、本発明で用いる高純度Ti材の製造工
程においては、上記粗Ti粒(針状Ti粒)に対して、下記
の 2種類の処理のうち、少なくともいずれかの処理を施
す。 (a) 得られた粗Ti粒を外部からの汚染を防止しながら
非金属製の篩、例えばナイロン製の篩を用いて篩分け
し、粒径(Ti粒の外径、以下同じ)毎に分別する。
【0015】(b) 得られた粗Ti粒に対して酸処理を施
し、表面に存在する汚染層を除去する。
【0016】ここで、上述したように溶融塩電解によっ
て得られた粗Ti粒に含まれる不純物は、表層部に集中し
て存在する。このため、上記(a) のように粒径分別を行
い、比較的粒径の大きい針状Ti粒を選択して用いること
により、比表面積が小さくなることから不純物量が相対
的に減少する。このように、粒径を選択して使用するこ
とにより、特に酸素含有量を減少させることができると
同時に、最終製品のスパッタタ―ゲットの熱伝導率を17
W/m K 以上、絞りを83%以上にすることができる。
【0017】また、上記(b) のように表面の汚染層を強
制的に排除することによっても、同様に不純物量を減少
させることができると同時に、最終製品のスパッタター
ゲットの熱伝導率を17W/m K 以上、絞りを83%以上にす
ることができる。この酸処理は、汚染層の除去としては
特にFe、Ni、Cr等の重金属の除去に効果的である。
【0018】なお、アイオダイド法等によって得られる
Ti粒に対しても、同様なことが言える。
【0019】上記 (a)の篩分けの方法においては、粒径
1mm以上の不純物量が少ないTi粒を選択的に使用するこ
とが好ましく、さらに好ましくは粒径 2mm以上のTi粒を
使用することである。ただし、粒径 1mm以上の粗Ti粒だ
けを使用することに限らず、粗Ti粒の不純物はほぼ粒径
に比例して存在するため、本発明のTi材の不純物量の許
容範囲内において、小径のTi粒を併用することもでき
る。このような場合においては、粒径 1mm以上の粗状Ti
粒を90重量% 以上使用することが好ましい。なお、粒径
0.5mm以下の微粉状Ti粒は、EB溶解時に真空度の不安
定化を招くため、使用しないことが望ましい。
【0020】上記 (b)の酸処理は、表面層の再汚染(特
に酸素)を防止する上で、アルゴンガス雰囲気のような
不活性雰囲気中で酸処理後、純水で洗浄、乾燥すること
により行うことが好ましい。また、使用する酸液として
は、フッ酸、塩酸、硝酸、フッ酸と塩酸との混酸、硝酸
と塩酸との混酸等を用いることができる。特に表面層の
みの除去ができるように、例えば塩酸:フッ酸:水の割
合が体積比で 0.8〜1.2: 1.8〜 2.2:36〜38程度の混
酸を用いることが好ましい。
【0021】また、上記 (a)の処理によって篩分けし、
粒径が大きい例えば1mm 以上のTi粒のみを選択的に取出
し、このTi粒に対して表面汚染層の除去処理を施すこと
によって、より不純物量の低下を図ることが可能とな
る。また、酸処理後に篩分けを実施しても同様である。
【0022】このようにして、上記 (a)および (b)のい
ずれかの処理を施し、粗Ti粒に残存する不純物をさらに
減少させ、次いでEB溶解を施すことにより、最終的に
NaやKの除去を行う。EB溶解によれば、特にNaや Kの
除去が効果的に行える。
【0023】ここで、通常EB溶解を行う際には、得ら
れた粗Ti粒をプレス成形によって圧縮して固形化し、こ
れを電極としてEB溶解することが考えられる。その場
合は、工具、成形時の変形による再汚染の発生が考えら
れるため、本発明においてはこの再汚染を防止するため
に、粗Ti粒(針状Ti粒)をそのまま真空中でバイブレー
ター式グラニュー投入した後、EB溶解を実施すること
が好ましい。
【0024】EB溶解炉においては、炉内を 5×10-5mb
ar以下、好ましくは 2×10-5mbar以下の真空度に保持
し、かつフレオンバッフルで拡散ポンプオイルの炉内へ
の混入を防止しつつ、粗Ti粒のEB溶解を行う。EB溶
解時における操作条件は格別限定されるものではない
が、Na、K の精製効果や酸素の汚染吸収を考慮して溶解
速度を選定することが求められる。例えば、1.75〜 2.3
kg/時間程度が好ましい条件である。
【0025】この過程で、通常アーク溶解法を適用した
ときに生起する酸素含有量の増加という問題は、真空排
気のコンダクタンスの大幅な改善によりなくなり、さら
に微粉の篩落しにより、EB溶解時の真空度が低真空側
で安定するため、得られたEB鋳造材において酸素は 3
50ppm 以下に抑制され、他の不純物元素も減少すること
はあれ増量することはなくなる。
【0026】このようにして得られるTi材は、酸素含有
量が350ppm以下、Fe、Ni、Crの各元素の含有量が15ppm
以下、Na、K の各元素の含有量が0.5ppm以下、U 、Thの
各元素の含有量が1ppb以下の高純度を満足すると共に、
材料特性としての絞りが83%以上の高加工性および熱伝
導率が17W/m K 以上の高熱伝導性を満足するものとな
る。また、条件設定によって得られるTi材は、酸素含有
量が250ppm以下、Fe、Ni、Crの各元素の含有量が10ppm
以下、Na、K の各元素の含有量が0.1ppm以下、さらに
は、酸素含有量が200ppm以下、Fe、Ni、Crの各元素の含
有量が 5ppm 以下、Na、K の各元素の含有量が0.05ppm
以下の高純度と、材料特性としての絞りが85%以上の高
加工性および熱伝導率が17W/m K 以上の高熱伝導性とを
満足するTi材が得られる。
【0027】また、本発明で用いるスパッタターゲット
は、まず上記製造方法によって得た高純度Ti材の再汚染
を防止しつつ任意の形状に冷間鍛造する。この鍛造工程
は、ガス吸収性の高いTi材の性質を考慮し、吸収ガスに
よる再汚染を防止する上で冷間(室温近傍)で行うもの
とする。この後、機械加工により所定のターゲット形状
とすることによって、本発明で用いるスパッタターゲッ
トが得られる。
【0028】Ti材の冷間加工性は、上記絞りの値によ
って左右される。すなわち絞りが83%以上のTi材
は、例えばスパッタターゲットに加工する際の冷間加工
性を充分に満足することができ、これによって内部や表
面に傷やしわ等の不均一部分を生じさせることなく所定
形状への加工が可能となる。この絞りの値は、85%以
上とすることがより好ましい。したがって、このような
Tiターゲットを用いてスパッタリングを行うことによ
り、不均一部分に起因して発生するスパッタ粒子の飛翔
乱れが抑制され、膜厚や内部組織等のより均一な薄膜を
形成することが可能となる。
【0029】また、熱伝導率を17W/m K 以上とした高熱
伝導性のTi材は、スパッタタ―ゲットとして用いた際、
スパッタリング時にタ―ゲットに加わる熱エネルギ―を
均一にバッキングプレ―ト側に放出することが可能とな
る。この熱伝導率の値は、17.50W/m K 以上とすること
がより好ましく、18W/m K 以上とすることがさらに好ま
しい。したがって、タ―ゲットの各部において均一化さ
れた熱条件下でスパッタリングを実施することが可能と
なり、より均一な薄膜を得ることができる。
【0030】本発明の半導体素子は、上述したような高
純度であるだけでなく膜厚や内部組織等がより均一化さ
れたTi膜を利用して、配線網のうちの配線層およびバリ
ア層の少なくとも一方を形成したものである。
【0031】ここで、上記絞りの値はJIS Z 2241に準じ
て測定した値とする。具体的な測定法としては、JIS B
7721に準ずる引張試験機に試料をセットして軸方向に引
張り、破断した際の破断面の面積Aと原断面積A0 とか
ら、下記の (1)式により絞りψ(%) を求める。
【0032】ψ=(A0 −A)/A0 × 100 ……(1) また、熱伝導率はフラッシュ法により求めた値とする。
すなわち、試料表面にレーザ等によるパルス光を均一に
照射し、裏面側での温度上昇を測定することにより熱拡
散率αを求め、この熱拡散率αから熱伝導率λを求める
方法である(熱分析実験技術入門第2集、真空技工社刊
参照)。算出式は以下の通りである。
【0033】 α=1.37L2 /(π2 ・t1/2 ) ……(2) (式中、Lは試料の厚さを、t1/2 は試料裏面温度が最
高値の 1/2に達する間での時間を示す) λ=α・Cp ・ρ ……(3) (式中、Cp は試料の比熱容量を、ρは試料の密度を示
す)
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0035】実施例1 まず、KCl-NaCl電解浴(KCl:16重量% 、NaCl:84重量%)
中にスポンジTiからなる電極を投入し、電解温度 755
℃、電流 200A 、電圧80V で溶融塩電解し、針状の粗Ti
粒を作製した。
【0036】次に、ナイロン製篩により篩分けし、粒径
によって以下の 5種類に分類した。 t1 < 0.5mm、 0.5mm≦t2 < 1.0mm、 1.0mm≦t3 < 1.5mm、 1.5mm≦t4 < 2.0mm、 2.0mm≦t5 粒径により分別した各Ti粒の酸素含有量を測定した。そ
の結果を図1に示す。図1からも明らかなように、粒径
が小さくなるほど酸素含有量が多くなることが分る。し
たがって、粒径に基く酸素含有量を考慮して、原料(E
B溶解原料)設計を行うことにより、酸素含有量の制御
が可能となる。また、粒径 1mm以上のTi粒を選択的に使
用することによって、低酸素含有量のTi材が確実に得ら
れる。
【0037】次に、粒径毎に分別した粗Ti粒を原料とし
てEB溶解を行った。原料として用いたTi粒の粒径の組
合わせを表1に示す。これら原料をそれぞれ個別にグラ
ニュー投入機に挿入し、真空中で汚染を防止しながらE
B溶解炉に投入した。炉内を1×10-5mbarの高真空に
し、フレオンバッフルで拡散ポンプオイルの混入を防
ぎ、20kV、フィラメント電流1.3A〜1.5A、EB出力26kW
〜30kW、溶解速度4kg/時間の条件でEB溶解を行って、
直径 135mmのインゴットをそれぞれ作製した。
【0038】このようにして得たTi材の酸素含有量、絞
り、熱伝導率、加工性をそれぞれ測定した。その結果を
表1に示す。なお、表中の比較例は、小粒径のTi粒のみ
を用いてEB溶解を行ったものであり、本発明との比較
として掲げたものである。
【0039】また、各測定は以下に示す方法にしたがっ
て行った。
【0040】(A) 絞り :直径 8mmの円柱状試験片を
作製し、これをJIS B 7721に準ずる引張試験機にセット
して軸方向に引張り、破断した際の破断面の面積Aと原
断面積A0 とから前記 (1)式にしたがって絞りψ(%) を
求める。
【0041】(B) 熱伝導率:レーザフラッシュ法を適用
した熱拡散率測定装置(TC-3000 、真空理工社製)によ
って熱拡散率αを測定し、この値から前記(3)式にした
がって熱伝導率λを求める。
【0042】(c) 加工性 :直径135mm ×厚さ90mmのTi
材を直径280mm ×厚さ20mmに冷間で鍛造し、加工後の試
料表面クラックおよび端部割れがあるかどうかで評価す
る。
【0043】上記各Tiインゴットを冷間で鍛造し、機械
研削によって所定形状に加工してスパッタターゲットを
それぞれ作製した。このようにして得たTiターゲットを
それぞれ用いてスパッタリングを行い、Si基板上に厚さ
100nmとなるように条件を選定してTi薄膜を形成した。
得られたTi薄膜の比抵抗を測定し、比抵抗の分布から膜
厚特性を評価した。その結果を合せて表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】なお、上記実施例1による各Ti材の他の不
純物量は、いずれもFe、Ni、Crの各元素の含有量が1.0p
pm以下、Na、K の各元素の含有量が0.05ppm 以下であっ
た。 実施例2 実施例1と同様にして溶融塩電解法による粗Ti粒を粒径
によって 5種類に分別し、これらに対して分別粒径毎に
塩酸とフッ酸との混酸により表面層の除去処理を施し
た。この混酸による処理は、塩酸:フッ酸:水の割合が
体積比で1.0:2.0:37の混酸を作製し、アルゴン雰囲気
中、上記混酸中で20分間洗浄し、その後純水によりさら
に洗浄し、乾燥させることによって行った。
【0046】ここで、酸処理前の酸素含有量およびFe含
有量と、酸処理後の酸素含有量およびFe含有量をそれぞ
れ分別した粒径毎に測定した。その結果を図2および図
3に示す。これらの図から明らかなように、表面から30
nm程度の表層部を除去することによって著しく不純物量
が減少し、これから粒径の小さいTi粒であっても高純度
化を達成できることが分る。
【0047】上記粒径毎に酸処理を施した粗Ti粒を表2
に示すように組合わせ、これらをそれぞれEB溶解用原
料として用い、実施例1と同一条件下でEB溶解を行
い、Tiインゴットをそれぞれ作製した。このようにして
得たTi材の酸素含有量、絞り、熱伝導率、加工性をそれ
ぞれ実施例1と同様に測定した。
【0048】上記各Ti材を用いて実施例1と同様にTiタ
ーゲットを作製すると共に、スパッタリングを行うこと
によって、薄膜の膜厚特性を評価した。これらの結果を
併せて表2に示す。
【0049】
【表2】 表2の結果から明らかなように、この実施例による各Ti
材は、溶融塩電解法による粗Ti粒の表面層を除去するこ
とによって、実施例1と同様に酸素含有量およびFe含有
量が少なく、また加工性および熱伝導性共に優れるもの
であることが分る。そして、実施例1と同様に1Mビッ
ト、4Mビットというような高集積化されたLSI 、VLSI、
ULSI等の半導体素子における高精細な配線層やバリア用
薄膜等を、高信頼性のもとで形成することが可能であ
る。
【0050】なお、上記実施例2による各Ti材の他の不
純物量は、いずれもNi、Crの各元素の含有量が1ppm以
下、Na、K の各元素の含有量が0.05ppm 以下であった。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
精細な配線網を高純度、高加工性および高熱伝導性のTi
材からなるスパッタターゲットを用いて形成しているた
め、高純度でかつ均一性等に優れたTi系の配線層やバリ
ア用薄膜等を有するLSI 、VLSI、ULSI等の半導体素子を
再現性よく提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によって得た粗Ti粒の粒径
と酸素含有量との関係を示すグラフである。
【図2】 本発明の他の実施例によって得た粗Ti粒の粒
径と酸素含有量との関係を示すグラフである。
【図3】 本発明の他の実施例によって得た粗Ti粒の粒
径とFe含有量との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 典章 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8 株式 会社東芝 横浜事業所内 (56)参考文献 「TOSHIBA REVIEW」N o.161,AUTUMN 1987 P.38 〜P.41 「金属データブック」昭和49年7月20 日 丸善株式会社発行 P.34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、前記半導体基板上に設け
    られた配線網とを具備する半導体素子の製造方法におい
    て、 酸素の含有量が350ppm以下、Fe、NiおよびC
    rの各元素の含有量が15ppm以下、NaおよびKの
    各元素の含有量が0.5ppm以下である高純度チタン
    材を製造する工程と、 前記高純度チタン材を任意のスパッタターゲット形状に
    加工する工程と、 前記スパッタターゲットを用いてスパッタ成膜して前記
    半導体基板上に金属薄膜を形成する工程と、 前記金属薄膜に所定のエッチング処理を施しパターニン
    グして配線網を形成する工程と、 前記高純度チタン材の製造工程において、材料特性とし
    ての絞りが83%以上であり、かつ熱伝導率が17W/
    mK以上となるように粗チタン材を処理する工程と、 を有することを特徴とする半導体素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記配線網は、配線層およびバリア層の
    うちの少なくとも一方であることを特徴とする請求項1
    記載の半導体素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金属薄膜は、チタンおよび不可避不
    純物からなることを特徴とする請求項1記載の半導体素
    子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記高純度チタン材はUおよびThの各
    元素の含有量が1ppb以下であることを特徴とする請
    求項1記載の半導体素子の製造方法。
JP6300643A 1989-07-14 1994-12-05 半導体素子の製造方法 Expired - Lifetime JP3006661B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6300643A JP3006661B2 (ja) 1989-07-14 1994-12-05 半導体素子の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1-181877 1989-07-14
JP18187789 1989-07-14
JP6300643A JP3006661B2 (ja) 1989-07-14 1994-12-05 半導体素子の製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2185734A Division JPH07103432B2 (ja) 1989-07-14 1990-07-12 半導体素子形成用高純度チタン材、高純度チタン材の製造方法、それを用いたスパッタターゲットおよび高純度チタン膜

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10141251A Division JPH1150234A (ja) 1989-07-14 1998-05-22 高純度チタン膜およびそれを用いた配線網および半導体素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07240391A JPH07240391A (ja) 1995-09-12
JP3006661B2 true JP3006661B2 (ja) 2000-02-07

Family

ID=26500878

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6300643A Expired - Lifetime JP3006661B2 (ja) 1989-07-14 1994-12-05 半導体素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3006661B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001038598A1 (fr) 1999-11-22 2001-05-31 Nikko Materials Company, Limited Cible en titane pour la pulverisation cathodique

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
「TOSHIBA REVIEW」No.161,AUTUMN 1987 P.38〜P.41
「金属データブック」昭和49年7月20日 丸善株式会社発行 P.34

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07240391A (ja) 1995-09-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1180942A (ja) Taスパッタターゲットとその製造方法及び組立体
JP4996639B2 (ja) スパッタターゲット
KR100338796B1 (ko) 고순도구리스퍼터링타겟및박막
US4793854A (en) Highly pure titanium and process for producing the same
US5204057A (en) Highly purified titanium material and its named article, a sputtering target
JP2006118044A (ja) スパッタリングターゲットの製造方法
JPH07103432B2 (ja) 半導体素子形成用高純度チタン材、高純度チタン材の製造方法、それを用いたスパッタターゲットおよび高純度チタン膜
KR20000057369A (ko) 알루미늄 합금제 음극 스퍼터링 타깃
JP2000034562A (ja) スパッタリングターゲット及び薄膜形成装置部品
JP3974945B2 (ja) チタンスパッタリングターゲット
JP3006661B2 (ja) 半導体素子の製造方法
US6400025B1 (en) Highly purified titanium material, method for preparation of it and sputtering target using it
JPH08311643A (ja) スパッタリング用チタンターゲットおよびその製造方法
JP2918856B2 (ja) スパッタターゲットとその製造方法、およびそれを用いて成膜した高純度チタン膜
JPH10140339A (ja) 高純度チタン材、高純度スパッタターゲットおよびチタン薄膜の製造方法
JPH1150234A (ja) 高純度チタン膜およびそれを用いた配線網および半導体素子
JP2601843B2 (ja) 半導体素子およびその製造方法
JP2698752B2 (ja) 薄膜形成用高純度チタン材、それを用いて形成されてなるターゲットおよび薄膜
JPH10330927A (ja) アルミニウム合金製スパッタリングターゲット材
JPH0813141A (ja) スパッタリングターゲット及びその製造方法
JP2000063971A (ja) スパッタリングターゲット
JPH0853756A (ja) 高純度金属材
JP4286367B2 (ja) スパッタリングターゲット、配線膜および電子部品
JPH1112726A (ja) スパッタリングターゲット及びその製造方法
JPH0860350A (ja) 高純度金属材の製造方法、スパッタターゲットの製造方法および配線網の形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19980324

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071126

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081126

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081126

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091126

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101126

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101126

Year of fee payment: 11