JPH1150198A - 耐震性及び耐火性に優れた鋼管 - Google Patents
耐震性及び耐火性に優れた鋼管Info
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- JPH1150198A JPH1150198A JP21060097A JP21060097A JPH1150198A JP H1150198 A JPH1150198 A JP H1150198A JP 21060097 A JP21060097 A JP 21060097A JP 21060097 A JP21060097 A JP 21060097A JP H1150198 A JPH1150198 A JP H1150198A
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- Japan
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- steel pipe
- steel tube
- resistance
- steel
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Abstract
(57)【要約】
【課題】大地震の際に作用する軸方向の引張圧縮や曲げ
応力に対して、局部座屈を起こしにくく建築用柱などに
好適な耐震性及び耐火性に優れた鋼管を熱処理を行うこ
となく提供することを目的とする。 【解決手段】重量%で、C:0.05-0.18%,Mn:0.5-1.6%,Mo:
0.05-0.5%,V:0.005-0.1%,PCM:0.10-0.25,Cu,Ni,Cr 及び
Tiのうち1種以上をCu:0.05-0.50%,Ni:0.05-0.50%,Cr:
0.05-0.50%,Ti:0.005-0.080% の成分で含有し、さらに
V及びTi量が以下の式(1)を満足し、パーライト、
ベイナイト、及びマルテンサイトのうち少なくとも1種
からなる金属組織の面積分率が10%以上80%以下
で、残部フェライトであることを特徴とする耐震性及び
耐火性に優れた鋼管。 C%−12/51×V%−12/48×Ti%≦0.13 (1)
応力に対して、局部座屈を起こしにくく建築用柱などに
好適な耐震性及び耐火性に優れた鋼管を熱処理を行うこ
となく提供することを目的とする。 【解決手段】重量%で、C:0.05-0.18%,Mn:0.5-1.6%,Mo:
0.05-0.5%,V:0.005-0.1%,PCM:0.10-0.25,Cu,Ni,Cr 及び
Tiのうち1種以上をCu:0.05-0.50%,Ni:0.05-0.50%,Cr:
0.05-0.50%,Ti:0.005-0.080% の成分で含有し、さらに
V及びTi量が以下の式(1)を満足し、パーライト、
ベイナイト、及びマルテンサイトのうち少なくとも1種
からなる金属組織の面積分率が10%以上80%以下
で、残部フェライトであることを特徴とする耐震性及び
耐火性に優れた鋼管。 C%−12/51×V%−12/48×Ti%≦0.13 (1)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築用の柱などと
して使用される耐震性(地震時の耐局部座屈性)及び耐
火性に優れた鋼管に関する。
して使用される耐震性(地震時の耐局部座屈性)及び耐
火性に優れた鋼管に関する。
【0002】
【従来の技術】UOE鋼管やスパイラル鋼管、継目無鋼
管、プレスベンド鋼管などの炭素鋼鋼管あるいは低合金
鋼鋼管は、大量かつ安定して製造できるため、その優れ
た経済性や溶接施工性と相俟って建築用の柱として広く
用いられている。しかしながら、大地震が発生した場
合、これら鋼管には軸方向の引張圧縮や曲げ戻しあるい
は逆曲げの大きな力が繰り返し加わり、外径/管厚比が
ある程度大きな鋼管では局部座屈を起こし、場合によっ
ては円周方向の亀裂の発生や破断に至ることがある。
管、プレスベンド鋼管などの炭素鋼鋼管あるいは低合金
鋼鋼管は、大量かつ安定して製造できるため、その優れ
た経済性や溶接施工性と相俟って建築用の柱として広く
用いられている。しかしながら、大地震が発生した場
合、これら鋼管には軸方向の引張圧縮や曲げ戻しあるい
は逆曲げの大きな力が繰り返し加わり、外径/管厚比が
ある程度大きな鋼管では局部座屈を起こし、場合によっ
ては円周方向の亀裂の発生や破断に至ることがある。
【0003】これまで建築用の鋼管としては、例えば特
開平3-173719号、特開平5-65535 号、特開平5-117746
号、特開平5-117747号、特開平5-156357号、特開平6-49
540 号、特開平6-49541 号、特開平6-128641号、特開平
6-264143号、特開平6-264144号などにみられるように、
耐震性能として降伏応力と引張強さの比である降伏比を
小さくした鋼管を開示しているが、これらはいずれも柱
の曲げ応力に対する組成変形吸収能に関するもので、軸
方向の引張圧縮や横方向からの曲げ応力や管軸方向の引
張り圧縮の繰り返し応力による局部座屈と局部座屈発生
後の変形による脆性亀裂の発生を防ぐための検討はこれ
まで行われていない。
開平3-173719号、特開平5-65535 号、特開平5-117746
号、特開平5-117747号、特開平5-156357号、特開平6-49
540 号、特開平6-49541 号、特開平6-128641号、特開平
6-264143号、特開平6-264144号などにみられるように、
耐震性能として降伏応力と引張強さの比である降伏比を
小さくした鋼管を開示しているが、これらはいずれも柱
の曲げ応力に対する組成変形吸収能に関するもので、軸
方向の引張圧縮や横方向からの曲げ応力や管軸方向の引
張り圧縮の繰り返し応力による局部座屈と局部座屈発生
後の変形による脆性亀裂の発生を防ぐための検討はこれ
まで行われていない。
【0004】特開平4-128315号、4-168219号、4-176821
号、4-176819号、4-228521号、4-218616号には耐火性に
優れた建築用電縫鋼管が、特開平5-9578号にはU0E鋼
管が開示されている。これらは熱処理を付与したりして
比較的多量のMoを添加する必要がある。
号、4-176819号、4-228521号、4-218616号には耐火性に
優れた建築用電縫鋼管が、特開平5-9578号にはU0E鋼
管が開示されている。これらは熱処理を付与したりして
比較的多量のMoを添加する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたもので、大地震の際に作用する軸方向の
引張圧縮や曲げ応力に対して、局部座屈を起こしにくく
建築用柱などに好適な耐震性及び耐火性に優れた鋼管を
熱処理を行うことなく提供することを目的とする。
鑑みてなされたもので、大地震の際に作用する軸方向の
引張圧縮や曲げ応力に対して、局部座屈を起こしにくく
建築用柱などに好適な耐震性及び耐火性に優れた鋼管を
熱処理を行うことなく提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は先に特願平7
−342733号を提案している。この発明は、パーラ
イト、ベイナイト、及びマルテンサイトのうち少なくと
も1種からなる金属組織の面積分率が10%以上80%
以下で、残部フェライトであり、その好適な組成とし
て、重量%で、C:0.05〜0.25%,Mn:0.
5〜2.0%を含み,必要に応じてCu:0.05〜
0.50%,Ni:0.05〜0.50%,Cr:0.
05〜0.50%,Mo:0.05〜0.5%,Nb:
0.005〜0.10%、V:0.05〜0.10%,
Ti:0.005〜0.10%の1種または2種以上を
含有するものである。この発明によれば、大地震の際に
軸方向に作用する引張・圧縮応力に対して、大径薄肉で
も局部座屈を起こしにくく、脆性的な破断が発生しがた
い耐震性に優れた鋼管を得ることができる。
−342733号を提案している。この発明は、パーラ
イト、ベイナイト、及びマルテンサイトのうち少なくと
も1種からなる金属組織の面積分率が10%以上80%
以下で、残部フェライトであり、その好適な組成とし
て、重量%で、C:0.05〜0.25%,Mn:0.
5〜2.0%を含み,必要に応じてCu:0.05〜
0.50%,Ni:0.05〜0.50%,Cr:0.
05〜0.50%,Mo:0.05〜0.5%,Nb:
0.005〜0.10%、V:0.05〜0.10%,
Ti:0.005〜0.10%の1種または2種以上を
含有するものである。この発明によれば、大地震の際に
軸方向に作用する引張・圧縮応力に対して、大径薄肉で
も局部座屈を起こしにくく、脆性的な破断が発生しがた
い耐震性に優れた鋼管を得ることができる。
【0007】本発明者は、上記の発明に関してさらに研
究を重ねた結果、C,V,Tiの添加量を下記の関係式
で規制することにより、さらに良好な耐座屈性を得るこ
とかできることを見出だした。 C%−12/51×V%−12/48×Ti%≦0.13 本発明はこのような知見に基づくもので、重量%で、重
量%で、C:0.05〜0.18%,Mn:0.5〜
1.6%,Mo:0.05〜0.5%,V:0.005
〜0.1%,PCM:0.10〜0.25,Cu,N
i,Cr及びTiのうち1種以上をCu:0.05〜
0.50%,Ni:0.05〜0.50%,Cr:0.
05〜0.50%,Ti:0.005〜0.080%の
成分で含有し、さらにV及びTi量が以下の式(1)を
満足し、パーライト、ベイナイト、及びマルテンサイト
のうち少なくとも1種(以下第2相と称する)からなる
金属組織の面積分率が10%以上80%以下で、残部フ
ェライト(以下第1相と称する)であることを特徴とす
る耐震性及び耐火性に優れた鋼管である。 C%−12/51×V%−12/48×Ti%≦0.13 (1)
究を重ねた結果、C,V,Tiの添加量を下記の関係式
で規制することにより、さらに良好な耐座屈性を得るこ
とかできることを見出だした。 C%−12/51×V%−12/48×Ti%≦0.13 本発明はこのような知見に基づくもので、重量%で、重
量%で、C:0.05〜0.18%,Mn:0.5〜
1.6%,Mo:0.05〜0.5%,V:0.005
〜0.1%,PCM:0.10〜0.25,Cu,N
i,Cr及びTiのうち1種以上をCu:0.05〜
0.50%,Ni:0.05〜0.50%,Cr:0.
05〜0.50%,Ti:0.005〜0.080%の
成分で含有し、さらにV及びTi量が以下の式(1)を
満足し、パーライト、ベイナイト、及びマルテンサイト
のうち少なくとも1種(以下第2相と称する)からなる
金属組織の面積分率が10%以上80%以下で、残部フ
ェライト(以下第1相と称する)であることを特徴とす
る耐震性及び耐火性に優れた鋼管である。 C%−12/51×V%−12/48×Ti%≦0.13 (1)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者は、鋼管の軸方向に対し
て横方向から働く曲げ応力に対する耐座屈性を評価する
ために、図1に示す実管曲げ試験ならびに各種材質調査
試験を行い、鋼管の組成や組織などと局部座屈発生挙動
との相関を調査した。本発明の化学組成の鋼管では、管
厚(t)と外径(D)との比t/Dが0.02未満の鋼
管、t/Dが0.02以上の鋼管のいずれについても、
パーライト、ベイナイト、マルテンサイトなどの第2相
の面積分率が10%以上80%以下になると、良好な耐
座屈性能を得ることができることが分かった。例えば座
屈発生時の曲げ角度θが3゜以上というような良好な耐
座屈性能を得るためには鋼管の化学成分と組織とを制御
する必要があることが分かった。また、このような鋼管
は圧縮時の座屈発生までの歪みが大きいことも分かっ
た。
て横方向から働く曲げ応力に対する耐座屈性を評価する
ために、図1に示す実管曲げ試験ならびに各種材質調査
試験を行い、鋼管の組成や組織などと局部座屈発生挙動
との相関を調査した。本発明の化学組成の鋼管では、管
厚(t)と外径(D)との比t/Dが0.02未満の鋼
管、t/Dが0.02以上の鋼管のいずれについても、
パーライト、ベイナイト、マルテンサイトなどの第2相
の面積分率が10%以上80%以下になると、良好な耐
座屈性能を得ることができることが分かった。例えば座
屈発生時の曲げ角度θが3゜以上というような良好な耐
座屈性能を得るためには鋼管の化学成分と組織とを制御
する必要があることが分かった。また、このような鋼管
は圧縮時の座屈発生までの歪みが大きいことも分かっ
た。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。 1)成分組成範囲ならびに組織 C:0.05〜0.18% この範囲外の炭素量の鋼を溶接すると溶接割れの可能性
が増大するので、C量を0.05〜0.18%に規定す
る。 Mn:0.5〜1.6% 構造用鋼として充分な強度と靭性を得るために0.5%
以上の添加が必要であり、1.6%を越えて添加すると
母材と溶接部の靭性の劣化と溶接性の劣化を招く。した
がって、Mn量を0.5〜1.6%に規定する。 Mo:0.05〜0.5% 高温での強度すなわち耐火性を得るために、0.05%
以上の添加が必要であり、0.5%を越えて添加すると
母材と溶接部の靭性の劣化と溶接性の劣化を招く。した
がって、Mo量を0.05〜0.5%に規定する。 V:0.005〜0.1% 高温での強度すなわち耐火性を得るために、0.005
%以上の添加が必要であり、0.1%を越えて添加する
と母材と溶接部の靭性の劣化と溶接性の劣化を招く。し
たがって、V量を0.005〜0.1%に規定する。 PCM:0.10〜0.25 この下限は構造物として十分な強度を得るためと良好な
耐座屈性を得るために必要最小限の値で、上限は耐座屈
性と溶接性を劣化させない上限の値である。
が増大するので、C量を0.05〜0.18%に規定す
る。 Mn:0.5〜1.6% 構造用鋼として充分な強度と靭性を得るために0.5%
以上の添加が必要であり、1.6%を越えて添加すると
母材と溶接部の靭性の劣化と溶接性の劣化を招く。した
がって、Mn量を0.5〜1.6%に規定する。 Mo:0.05〜0.5% 高温での強度すなわち耐火性を得るために、0.05%
以上の添加が必要であり、0.5%を越えて添加すると
母材と溶接部の靭性の劣化と溶接性の劣化を招く。した
がって、Mo量を0.05〜0.5%に規定する。 V:0.005〜0.1% 高温での強度すなわち耐火性を得るために、0.005
%以上の添加が必要であり、0.1%を越えて添加する
と母材と溶接部の靭性の劣化と溶接性の劣化を招く。し
たがって、V量を0.005〜0.1%に規定する。 PCM:0.10〜0.25 この下限は構造物として十分な強度を得るためと良好な
耐座屈性を得るために必要最小限の値で、上限は耐座屈
性と溶接性を劣化させない上限の値である。
【0010】PCM=C+Si/30+Mn/20+C
u/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/
10+5×B C%−12/51×V%−12/48×Ti%≦0.1
3 組織と併せて良好な耐座屈性を得るためにC,V,Ti
の添加量は上記の式を満足する範囲とする。上記の値が
0.13未満では良好な耐座屈性を得ることはできな
い。鋼管の強度や靱性の目標に応じて選択元素としてC
u,Ni,Cr,Tiのうち1種以上を以下の範囲で含
有させてもよい。 Cu:0.05〜0.50%,Ni:0.05〜0.5
0%,Cr:0.05〜0.50% このうちCu,Ni,Cr,Moは強度上昇に有効な元
素であり、その下限は強度の上昇に最小限必要な量であ
り、その上限は鋼管の母材部と溶接部の靱性や溶接性を
劣化させない上限の値である。 Ti:0.005〜0.08% 鋼板の靭性の向上と鋳造時のスラブ損傷防止に有効な元
素で、その量が0.005%未満ではその効果を有効に
発揮させることができず、0.08%を超えると溶接性
や溶接部の靭性を劣化させる。したがって、Ti量は
0.005〜0.8%に規定する。 第2相組織の面積分率が10%以上80%以下 第2相組織の面積分率が10%より小さい場合応力歪み
曲線の傾きが正にならない場合があり、80%を越える
と十分な一様伸びと80%以下の降伏比を得ることがで
きなくなるので、第2相組織の面積分率は、10%以上
80%以下とする。
u/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/
10+5×B C%−12/51×V%−12/48×Ti%≦0.1
3 組織と併せて良好な耐座屈性を得るためにC,V,Ti
の添加量は上記の式を満足する範囲とする。上記の値が
0.13未満では良好な耐座屈性を得ることはできな
い。鋼管の強度や靱性の目標に応じて選択元素としてC
u,Ni,Cr,Tiのうち1種以上を以下の範囲で含
有させてもよい。 Cu:0.05〜0.50%,Ni:0.05〜0.5
0%,Cr:0.05〜0.50% このうちCu,Ni,Cr,Moは強度上昇に有効な元
素であり、その下限は強度の上昇に最小限必要な量であ
り、その上限は鋼管の母材部と溶接部の靱性や溶接性を
劣化させない上限の値である。 Ti:0.005〜0.08% 鋼板の靭性の向上と鋳造時のスラブ損傷防止に有効な元
素で、その量が0.005%未満ではその効果を有効に
発揮させることができず、0.08%を超えると溶接性
や溶接部の靭性を劣化させる。したがって、Ti量は
0.005〜0.8%に規定する。 第2相組織の面積分率が10%以上80%以下 第2相組織の面積分率が10%より小さい場合応力歪み
曲線の傾きが正にならない場合があり、80%を越える
と十分な一様伸びと80%以下の降伏比を得ることがで
きなくなるので、第2相組織の面積分率は、10%以上
80%以下とする。
【0011】上記の耐震性及び耐火性に優れた鋼管は、
例えば以下のようにして製造する。 2)鋼板製造工程 上記好適成分の鋼スラグを加熱し熱間圧延を施す。この
時加熱温度を例えば1050℃〜1250℃とした後熱
間圧延を施す。熱間圧延終了後空冷あるいは加速冷却に
より鋼板を製造する。
例えば以下のようにして製造する。 2)鋼板製造工程 上記好適成分の鋼スラグを加熱し熱間圧延を施す。この
時加熱温度を例えば1050℃〜1250℃とした後熱
間圧延を施す。熱間圧延終了後空冷あるいは加速冷却に
より鋼板を製造する。
【0012】3)製管工程 上記鋼板製造工程で得られた鋼板をUOE、ベンディン
グロール、プレスベンディングなどにより冷間加工して
鋼管に成形する。
グロール、プレスベンディングなどにより冷間加工して
鋼管に成形する。
【0013】本発明鋼管を用いることにより、引張り圧
縮応力や横方向から作用する応力による局部座屈の発生
とそれに起因する脆性的な亀裂の発生を防止できる。さ
らに良好な温度での強度、いわゆる耐火性に優れた鋼管
が得られる。
縮応力や横方向から作用する応力による局部座屈の発生
とそれに起因する脆性的な亀裂の発生を防止できる。さ
らに良好な温度での強度、いわゆる耐火性に優れた鋼管
が得られる。
【0014】なお、本発明では鋼管の製造方法は問わ
ず、UOE鋼管、スパイラル鋼管、継目無鋼管、電縫鋼
管、プレスベンド鋼管などいずれのものであっても上記
所定の特性を満足するものであればよい。
ず、UOE鋼管、スパイラル鋼管、継目無鋼管、電縫鋼
管、プレスベンド鋼管などいずれのものであっても上記
所定の特性を満足するものであればよい。
【0015】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。試験体の形状は管厚さ10〜30mm、管外径6
00mmとした。圧縮時の限界歪み1.0%以上で曲げ
座屈発生時の曲げ強度θが3゜以上の場合、耐座屈性は
良港であると判断した。溶接性は鋼管成型後の縦シーム
溶接部の溶接割れの有無を調べ確認した。Oは溶接割れ
無し、×は溶接割れ有りを示す。強度はJISZ224
1の引張り試験に準じて行い、引張強さが50kgf/
mm2 の場合、良好と判断した。
する。試験体の形状は管厚さ10〜30mm、管外径6
00mmとした。圧縮時の限界歪み1.0%以上で曲げ
座屈発生時の曲げ強度θが3゜以上の場合、耐座屈性は
良港であると判断した。溶接性は鋼管成型後の縦シーム
溶接部の溶接割れの有無を調べ確認した。Oは溶接割れ
無し、×は溶接割れ有りを示す。強度はJISZ224
1の引張り試験に準じて行い、引張強さが50kgf/
mm2 の場合、良好と判断した。
【0016】本発明の化学組成ならびに10%から80
%の第2相の組織分率を有する鋼管は十分な耐座屈性能
と溶接性と強度、耐火性を有している。一方、本発明の
鋼組織を有する鋼管であっても面積率が10%を下回る
あるいは80%を上回る鋼管A2,B2では十分な耐座
屈性が得られていない。本発明のPCMを満足していな
い鋼管Nでは面積率が適性範囲であっても良好な耐座屈
性が得られていない。また、本発明の成分範囲を満足し
ていない鋼(L,O)では耐座屈性が良好でも溶接性、
高温強度の問題がある。発明の化学成分を有さず、面積
率も本発明の範囲にない鋼管K,Mは耐座屈性も溶接性
も不良である。発明の化学成分を有さず、面積率も本発
明の範囲にない鋼管Pは耐座屈性も溶接性も高温強度も
不良である。
%の第2相の組織分率を有する鋼管は十分な耐座屈性能
と溶接性と強度、耐火性を有している。一方、本発明の
鋼組織を有する鋼管であっても面積率が10%を下回る
あるいは80%を上回る鋼管A2,B2では十分な耐座
屈性が得られていない。本発明のPCMを満足していな
い鋼管Nでは面積率が適性範囲であっても良好な耐座屈
性が得られていない。また、本発明の成分範囲を満足し
ていない鋼(L,O)では耐座屈性が良好でも溶接性、
高温強度の問題がある。発明の化学成分を有さず、面積
率も本発明の範囲にない鋼管K,Mは耐座屈性も溶接性
も不良である。発明の化学成分を有さず、面積率も本発
明の範囲にない鋼管Pは耐座屈性も溶接性も高温強度も
不良である。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】この発明によれば、大地震の際に軸方向
に作用する引張・圧縮応力に対して、大径薄肉でも局部
座屈を起こしにくく、脆性的な破断が発生しがたい耐震
性に優れた鋼管を得ることができる。従って、本発明鋼
管により、大地震が発生した際に、鋼製柱の破断による
倒壊などの災害を防ぐことができる。また、火災時に耐
火被覆なしで鋼構造物の倒壊を防ぐことができる。
に作用する引張・圧縮応力に対して、大径薄肉でも局部
座屈を起こしにくく、脆性的な破断が発生しがたい耐震
性に優れた鋼管を得ることができる。従って、本発明鋼
管により、大地震が発生した際に、鋼製柱の破断による
倒壊などの災害を防ぐことができる。また、火災時に耐
火被覆なしで鋼構造物の倒壊を防ぐことができる。
【図1】実管曲げ試験の模式図。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.05〜0.18%,
Mn:0.5〜1.6%,Mo:0.05〜0.5%,
V:0.005〜0.1%,PCM:0.10〜0.2
5,Cu,Ni,Cr及びTiのうち1種以上をCu:
0.05〜0.50%,Ni:0.05〜0.50%,
Cr:0.05〜0.50%,Ti:0.005〜0.
080%の成分で含有し、さらにV及びTi量が以下の
式(1)を満足し、パーライト、ベイナイト、及びマル
テンサイトのうち少なくとも1種からなる金属組織の面
積分率が10%以上80%以下で、残部フェライトであ
ることを特徴とする耐震性及び耐火性に優れた鋼管。 C%−12/51×V%−12/48×Ti%≦0.13 (1)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21060097A JPH1150198A (ja) | 1997-08-05 | 1997-08-05 | 耐震性及び耐火性に優れた鋼管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21060097A JPH1150198A (ja) | 1997-08-05 | 1997-08-05 | 耐震性及び耐火性に優れた鋼管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1150198A true JPH1150198A (ja) | 1999-02-23 |
Family
ID=16592021
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21060097A Pending JPH1150198A (ja) | 1997-08-05 | 1997-08-05 | 耐震性及び耐火性に優れた鋼管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1150198A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100994606B1 (ko) | 2006-04-04 | 2010-11-15 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | 내식성이 우수한 선박용 강재 |
-
1997
- 1997-08-05 JP JP21060097A patent/JPH1150198A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100994606B1 (ko) | 2006-04-04 | 2010-11-15 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | 내식성이 우수한 선박용 강재 |
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