JPH09316599A - 耐震性に優れた鋼管及びその製造方法 - Google Patents
耐震性に優れた鋼管及びその製造方法Info
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- JPH09316599A JPH09316599A JP13353496A JP13353496A JPH09316599A JP H09316599 A JPH09316599 A JP H09316599A JP 13353496 A JP13353496 A JP 13353496A JP 13353496 A JP13353496 A JP 13353496A JP H09316599 A JPH09316599 A JP H09316599A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】従来の建築用低降伏比鋼管の圧縮の軸力に対す
る局部座屈と局部座屈発生後の引張による脆性き裂の発
生を防止するため、大地震の際に軸方向に作用する圧縮
応力に対して、局部座屈を起こしにくく、特にガスパイ
プライン、水道配管などに好適な耐震性に優れた鋼管及
びその製造方法を提供。 【解決手段】この耐震性に優れた鋼管は、重量%でC:
0.03〜0.15% と、Mn:1.0 〜2.0%と、PCM:0.10〜0.
25% と、さらに、Cu:0.05〜0.50% 、Ni:0.05〜0.50%
、Cr:0.05〜0.50% 、Mo:0.05〜0.50% 、Nb:0.005
〜0.10% 、V:0.005 〜0.10% 、及びTi:0.005 〜0.08
0%の群から選択された1種又は2種以上と、残部がFeお
よび不可避的不純物とからなる鋼組成を有し、管軸方向
の降伏比0.90以下の耐震性に優れたものである。
る局部座屈と局部座屈発生後の引張による脆性き裂の発
生を防止するため、大地震の際に軸方向に作用する圧縮
応力に対して、局部座屈を起こしにくく、特にガスパイ
プライン、水道配管などに好適な耐震性に優れた鋼管及
びその製造方法を提供。 【解決手段】この耐震性に優れた鋼管は、重量%でC:
0.03〜0.15% と、Mn:1.0 〜2.0%と、PCM:0.10〜0.
25% と、さらに、Cu:0.05〜0.50% 、Ni:0.05〜0.50%
、Cr:0.05〜0.50% 、Mo:0.05〜0.50% 、Nb:0.005
〜0.10% 、V:0.005 〜0.10% 、及びTi:0.005 〜0.08
0%の群から選択された1種又は2種以上と、残部がFeお
よび不可避的不純物とからなる鋼組成を有し、管軸方向
の降伏比0.90以下の耐震性に優れたものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にガスパイプラ
イン、水道配管などに使用される鋼管及びその製造方法
に関する。
イン、水道配管などに使用される鋼管及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】UOE鋼管やスパイラル鋼管、継目無鋼
管、電縫鋼管、プレスベンド鋼管などの炭素鋼鋼管ある
いは低合金鋼鋼管は、大量にかつ安定して製造できるた
め、その優れた経済性や溶接施工性とあいまって、ガス
パイプラインや水道配管など流体の輸送用配管あるいは
建築・土木用の柱として広く用いられている。
管、電縫鋼管、プレスベンド鋼管などの炭素鋼鋼管ある
いは低合金鋼鋼管は、大量にかつ安定して製造できるた
め、その優れた経済性や溶接施工性とあいまって、ガス
パイプラインや水道配管など流体の輸送用配管あるいは
建築・土木用の柱として広く用いられている。
【0003】一方、従来の耐震性能を備えた建築用の鋼
管として、例えば特開平3-173719号公報、特開平5-6553
5 号公報、特開平5-117746号公報、特開平5-117747号公
報、特開平5-156357号公報、特開平6-49540 号公報、特
開平6-49541 号公報、特開平6-128641号公報、特開平6-
264143号公報、特開平6-264144号公報などに開示されて
いる様なものがある。
管として、例えば特開平3-173719号公報、特開平5-6553
5 号公報、特開平5-117746号公報、特開平5-117747号公
報、特開平5-156357号公報、特開平6-49540 号公報、特
開平6-49541 号公報、特開平6-128641号公報、特開平6-
264143号公報、特開平6-264144号公報などに開示されて
いる様なものがある。
【0004】上記公報に記載されている鋼管の製造方法
は、耐震性能として降伏応力と引張強さの比である降伏
比を小さくするようにしたものであり、いずれも柱の曲
げ応力に対する優れた塑性変形吸収能を有するものであ
る。
は、耐震性能として降伏応力と引張強さの比である降伏
比を小さくするようにしたものであり、いずれも柱の曲
げ応力に対する優れた塑性変形吸収能を有するものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の耐震性能を備えた建築用の鋼管は、圧縮の軸力に対す
る局部座屈と局部座屈発生後の引張による脆性き裂の発
生を防ぐための検討は行われておらず、大地震が発生し
た場合、これら鋼管の長手方向には引張および圧縮の大
きな力が繰り返し加わり、外径/管厚比がある程度大き
な鋼管では局部座屈を起こし、場合によっては円周方向
のき裂の発生や破断に至ることがある。
の耐震性能を備えた建築用の鋼管は、圧縮の軸力に対す
る局部座屈と局部座屈発生後の引張による脆性き裂の発
生を防ぐための検討は行われておらず、大地震が発生し
た場合、これら鋼管の長手方向には引張および圧縮の大
きな力が繰り返し加わり、外径/管厚比がある程度大き
な鋼管では局部座屈を起こし、場合によっては円周方向
のき裂の発生や破断に至ることがある。
【0006】また、ガスなどの流体輸送用のラインパイ
プでは、延性破壊や脆性破壊など円周方向に力が作用す
る内圧に対する抵抗力は検討されてきたが、軸方向の外
力に対しては敷設時の曲げ変形以外はほとんど考慮され
ていない。本発明の目的は、大地震の際に軸方向に作用
する圧縮応力に対して、局部座屈を起こしにくく、特に
ガスパイプライン、水道配管などに好適な耐震性に優れ
た鋼管及びその製造方法を提供することにある。
プでは、延性破壊や脆性破壊など円周方向に力が作用す
る内圧に対する抵抗力は検討されてきたが、軸方向の外
力に対しては敷設時の曲げ変形以外はほとんど考慮され
ていない。本発明の目的は、大地震の際に軸方向に作用
する圧縮応力に対して、局部座屈を起こしにくく、特に
ガスパイプライン、水道配管などに好適な耐震性に優れ
た鋼管及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。 (1)本発明の耐震性に優れた鋼管は、重量%でC:0.
03〜0.15% と、Mn:1.0〜2.0%と、PCM:0.10〜0.25%
と、さらに、Cu:0.05〜0.50% 、Ni:0.05〜0.50% 、
Cr:0.05〜0.50% 、Mo:0.05〜0.50% 、Nb:0.005 〜0.
10% 、V:0.005 〜0.10% 、及びTi:0.005 〜0.080%の
群から選択された1種又は2種以上と、残部がFeおよび
不可避的不純物とからなる鋼組成を有し、管軸方向の降
伏比0.90以下の耐震性に優れたものである。
達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。 (1)本発明の耐震性に優れた鋼管は、重量%でC:0.
03〜0.15% と、Mn:1.0〜2.0%と、PCM:0.10〜0.25%
と、さらに、Cu:0.05〜0.50% 、Ni:0.05〜0.50% 、
Cr:0.05〜0.50% 、Mo:0.05〜0.50% 、Nb:0.005 〜0.
10% 、V:0.005 〜0.10% 、及びTi:0.005 〜0.080%の
群から選択された1種又は2種以上と、残部がFeおよび
不可避的不純物とからなる鋼組成を有し、管軸方向の降
伏比0.90以下の耐震性に優れたものである。
【0008】ただし、PCM=C+Si/30 +Mn/20 +Cu
/20 +Ni/60 +Cr/20 +Mo/15+V/10+5xB (2)本発明の耐震性に優れた鋼管の製造方法は、上記
(1)に記載した鋼を熱間圧延した後、600 ℃以下の温
度まで5 ℃/sec以上の冷却速度で加速冷却し、得られた
鋼板を冷間成形して鋼管とする管軸方向の降伏比0.90以
下の耐震性に優れた方法である。
/20 +Ni/60 +Cr/20 +Mo/15+V/10+5xB (2)本発明の耐震性に優れた鋼管の製造方法は、上記
(1)に記載した鋼を熱間圧延した後、600 ℃以下の温
度まで5 ℃/sec以上の冷却速度で加速冷却し、得られた
鋼板を冷間成形して鋼管とする管軸方向の降伏比0.90以
下の耐震性に優れた方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者らは、鋼管の製造方法や
材質的な特性と局部座屈発生挙動との相関を調査した。
その結果、例えば座屈歪みが1%以上というような良好
な耐座屈性能を得るためには、鋼管用の鋼板の化学成分
と製造方法を制御する必要があり、さらに、引張試験に
おける降伏強さの引張強さに対する割合、降伏比の小さ
いもの程、この座屈に対する抵抗の大きいことを見い出
し、本発明を完成した。図1に限界座屈歪みと降伏比と
の関係について調べた結果を示す。同図より明らかなよ
うに降伏比0.90以下の領域で1.0 %以上の限界座屈歪み
が得られている。 すなわち、本発明は、C,Mn,P
CM(溶接低温割れ感受性組成)を下記範囲に限定する
ことにより、構造用鋼として必要な強度、靭性及び溶接
性を保持しつつ耐座屈性に優れた鋼管を得ることができ
る。
材質的な特性と局部座屈発生挙動との相関を調査した。
その結果、例えば座屈歪みが1%以上というような良好
な耐座屈性能を得るためには、鋼管用の鋼板の化学成分
と製造方法を制御する必要があり、さらに、引張試験に
おける降伏強さの引張強さに対する割合、降伏比の小さ
いもの程、この座屈に対する抵抗の大きいことを見い出
し、本発明を完成した。図1に限界座屈歪みと降伏比と
の関係について調べた結果を示す。同図より明らかなよ
うに降伏比0.90以下の領域で1.0 %以上の限界座屈歪み
が得られている。 すなわち、本発明は、C,Mn,P
CM(溶接低温割れ感受性組成)を下記範囲に限定する
ことにより、構造用鋼として必要な強度、靭性及び溶接
性を保持しつつ耐座屈性に優れた鋼管を得ることができ
る。
【0010】以下に本発明の成分添加理由、成分範囲限
定理由、及び製造条件の限定理由について説明する。 (1) 成分組成範囲 C:0.03〜0.15% この範囲外の炭素量の鋼を溶接すると溶接割れの可能性
が増大するので、C量を0.03〜0.15重量%に規定する。 Mn:1.0 〜2.0% 構造用鋼としての充分な強度と靭性を得るために、1.0%
以上の添加が必要であり、2.0%以上添加すると母材と溶
接部の靭性の劣化と溶接性の劣化をまねく。したがっ
て、Mn 量を1.0 〜2.0 重量%に規定する。 PCM:0.10〜0.25% この下限は構造物として充分な強度を得るためと、良好
な耐座屈性を得るために必要最小限の値で、上限は耐座
屈性と溶接性を劣化させない上限の値である。 PCM=C+Si/30 +Mn/20 +Cu/20 +Ni/60 +Cr/20
+Mo/15 +V/10+5xB 本発明鋼では、さらに鋼管の強度や靭性の目標に応じて
選択元素として以下に述べるCu 、Ni 、Cr 、Mo 、
Nb 、V、Ti の内1種以上を含有させる。Cu:0.05〜
0.50% 、Ni:0.05〜0.50% 、Cr:0.05〜0.50% 、Mo:0.
05〜0.50% 、Cu 、Ni 、Cr 、Mo は強度の上昇に有
効な元素で、下限未満では強度の上昇に寄与せず、上限
を超えると鋼管の母材部と溶接部の靭性や溶接性を劣化
させる。 Nb:0.005 〜0.10% Nb は鋼板の靭性と強度の向上に有効な元素で、下限未
満ではその効果を発揮せず、上限を超えると溶接性や溶
接部の靭性を劣化させる。 V:0.005 〜0.10% Vは鋼板の強度の上昇に有効な元素で、下限未満ではそ
の効果を発揮せず、上限を超えると溶接性や溶接部の靭
性を劣化させる。 Ti:0.005 〜0.080% Ti は鋼板の靭性の向上と鋳造時のスラブの傷防止に有
効な元素で、下限未満ではその効果を発揮せず、上限を
超えると溶接性や溶接部の靭性を劣化させる。
定理由、及び製造条件の限定理由について説明する。 (1) 成分組成範囲 C:0.03〜0.15% この範囲外の炭素量の鋼を溶接すると溶接割れの可能性
が増大するので、C量を0.03〜0.15重量%に規定する。 Mn:1.0 〜2.0% 構造用鋼としての充分な強度と靭性を得るために、1.0%
以上の添加が必要であり、2.0%以上添加すると母材と溶
接部の靭性の劣化と溶接性の劣化をまねく。したがっ
て、Mn 量を1.0 〜2.0 重量%に規定する。 PCM:0.10〜0.25% この下限は構造物として充分な強度を得るためと、良好
な耐座屈性を得るために必要最小限の値で、上限は耐座
屈性と溶接性を劣化させない上限の値である。 PCM=C+Si/30 +Mn/20 +Cu/20 +Ni/60 +Cr/20
+Mo/15 +V/10+5xB 本発明鋼では、さらに鋼管の強度や靭性の目標に応じて
選択元素として以下に述べるCu 、Ni 、Cr 、Mo 、
Nb 、V、Ti の内1種以上を含有させる。Cu:0.05〜
0.50% 、Ni:0.05〜0.50% 、Cr:0.05〜0.50% 、Mo:0.
05〜0.50% 、Cu 、Ni 、Cr 、Mo は強度の上昇に有
効な元素で、下限未満では強度の上昇に寄与せず、上限
を超えると鋼管の母材部と溶接部の靭性や溶接性を劣化
させる。 Nb:0.005 〜0.10% Nb は鋼板の靭性と強度の向上に有効な元素で、下限未
満ではその効果を発揮せず、上限を超えると溶接性や溶
接部の靭性を劣化させる。 V:0.005 〜0.10% Vは鋼板の強度の上昇に有効な元素で、下限未満ではそ
の効果を発揮せず、上限を超えると溶接性や溶接部の靭
性を劣化させる。 Ti:0.005 〜0.080% Ti は鋼板の靭性の向上と鋳造時のスラブの傷防止に有
効な元素で、下限未満ではその効果を発揮せず、上限を
超えると溶接性や溶接部の靭性を劣化させる。
【0011】上記の成分組成範囲に調整することによ
り、0.90以下の管軸方向の降伏比と良好な耐座屈性能を
得ることができる。ここで、降伏比が0.90を上回ると鋼
管の軸方向に作用する圧縮応力に対する局部座屈を生じ
る可能性があり、良好な耐座屈性能が得られない。
り、0.90以下の管軸方向の降伏比と良好な耐座屈性能を
得ることができる。ここで、降伏比が0.90を上回ると鋼
管の軸方向に作用する圧縮応力に対する局部座屈を生じ
る可能性があり、良好な耐座屈性能が得られない。
【0012】このような特性の鋼管は、以下の製造方法
で製造することができる。 (2) 鋼板製造工程 上記の好適成分に調整した鋼スラブを加熱して、熱間圧
延を施す。この加熱、および熱間圧延の条件は、例え
ば、1000〜1250℃の温度範囲に加熱した後、熱間圧延す
るものである。
で製造することができる。 (2) 鋼板製造工程 上記の好適成分に調整した鋼スラブを加熱して、熱間圧
延を施す。この加熱、および熱間圧延の条件は、例え
ば、1000〜1250℃の温度範囲に加熱した後、熱間圧延す
るものである。
【0013】熱間圧延終了後600 ℃以下の任意の温度ま
で5 ℃/sec以上の冷却速度で冷却する。ここで、600 ℃
より高い温度で冷却を停止し、あるいは5 ℃/sec未満の
冷却速度で冷却すると、いずれの場合も0.90以下の降伏
比とならず、良好な耐座屈性能が得られない。 (3) 製管工程 上記の工程(2) で得られた鋼板をUOE方式、プレスベ
ンド、ロールベンドなどにより、冷間成形して鋼管に仕
上げる。
で5 ℃/sec以上の冷却速度で冷却する。ここで、600 ℃
より高い温度で冷却を停止し、あるいは5 ℃/sec未満の
冷却速度で冷却すると、いずれの場合も0.90以下の降伏
比とならず、良好な耐座屈性能が得られない。 (3) 製管工程 上記の工程(2) で得られた鋼板をUOE方式、プレスベ
ンド、ロールベンドなどにより、冷間成形して鋼管に仕
上げる。
【0014】
【実施例】種々の成分組成になる鋼スラブを熱間圧延し
た後、種々の冷却条件下で得られた鋼板を冷間成形して
鋼管を製作し、その降伏比、耐座屈性及び溶接性/強度
について調査した。
た後、種々の冷却条件下で得られた鋼板を冷間成形して
鋼管を製作し、その降伏比、耐座屈性及び溶接性/強度
について調査した。
【0015】図2は、実管圧縮試験の試験機と試験体の
模式図である。実管圧縮試験は、圧縮試験機のロードセ
ル1の上に試験体である試験パイプ2を載せて、試験パ
イプ2の上部から圧縮荷重を負荷するものである。尚、
試験パイプ2には座屈歪みを測定するための変位計3が
取り付けられている。また、試験体の形状は、図2の試
験パイプ2の拡大断面図である試験パイプ4に示すとお
りであり、管肉厚10〜30mm、管外形600mm 、標点間距離
を500mm とした。
模式図である。実管圧縮試験は、圧縮試験機のロードセ
ル1の上に試験体である試験パイプ2を載せて、試験パ
イプ2の上部から圧縮荷重を負荷するものである。尚、
試験パイプ2には座屈歪みを測定するための変位計3が
取り付けられている。また、試験体の形状は、図2の試
験パイプ2の拡大断面図である試験パイプ4に示すとお
りであり、管肉厚10〜30mm、管外形600mm 、標点間距離
を500mm とした。
【0016】鋼管の軸方向に働く圧縮力に対する耐座屈
性については、図2に示す試験機と試験体を用いた実管
圧縮試験を行い、試験体に生じる座屈歪みを測定し、座
屈歪みが1%以上の場合、耐座屈性は良好であると判断
した。
性については、図2に示す試験機と試験体を用いた実管
圧縮試験を行い、試験体に生じる座屈歪みを測定し、座
屈歪みが1%以上の場合、耐座屈性は良好であると判断
した。
【0017】溶接性は、成形後の縦シーム溶接部の溶接
割れの有無を調べ確認した。○は溶接割れ無し、×は溶
接割れ有りを示す。強度は鋼管の引張試験により、引張
強さが50kgf/mm2 以上の場合、強度は良好と判断した。
引張試験はJIS Z 2241 に準拠して行った。
割れの有無を調べ確認した。○は溶接割れ無し、×は溶
接割れ有りを示す。強度は鋼管の引張試験により、引張
強さが50kgf/mm2 以上の場合、強度は良好と判断した。
引張試験はJIS Z 2241 に準拠して行った。
【0018】表1に本発明鋼管及び比較鋼管の化学成分
とその降伏比、耐座屈性及び溶接性/強度を示す。表2
に表1の化学組成の鋼板に適用した種々の冷却条件とそ
の降伏比、耐座屈性及び溶接性/強度を示す。
とその降伏比、耐座屈性及び溶接性/強度を示す。表2
に表1の化学組成の鋼板に適用した種々の冷却条件とそ
の降伏比、耐座屈性及び溶接性/強度を示す。
【0019】表1に示す本発明の化学組成ならびに0.90
以下の降伏比を有する鋼管は充分な耐座屈性能と溶接性
と強度を有している。一方、本発明の鋼組成を有する鋼
管であっても降伏比が0.90を上回る鋼管A2,B2 では充分
な耐座屈性が得られていない。PCM値が本発明の範囲
でない鋼管、L,O,Pでは降伏比が0.90以下であって
も良好な耐座屈性が得られていない。また、本発明の化
学成分を有していないものは耐座屈性が良好でも溶接性
等の問題がある(M,Q)。本発明の化学成分を有さず、降
伏比の高い鋼管Nは耐座屈性も溶接性も不良であり強度
も不足している。
以下の降伏比を有する鋼管は充分な耐座屈性能と溶接性
と強度を有している。一方、本発明の鋼組成を有する鋼
管であっても降伏比が0.90を上回る鋼管A2,B2 では充分
な耐座屈性が得られていない。PCM値が本発明の範囲
でない鋼管、L,O,Pでは降伏比が0.90以下であって
も良好な耐座屈性が得られていない。また、本発明の化
学成分を有していないものは耐座屈性が良好でも溶接性
等の問題がある(M,Q)。本発明の化学成分を有さず、降
伏比の高い鋼管Nは耐座屈性も溶接性も不良であり強度
も不足している。
【0020】表2に示す本発明の化学組成の鋼に本発明
の加速冷却条件を適用すると降伏比が低くなり、良好な
耐座屈性能が得られた。一方、本発明の化学組成を有す
る鋼管であっても加速冷却条件が適当でない、A-1,A-2
は、降伏比が0.90より高くなり良好な耐座屈性能が得ら
れていない。
の加速冷却条件を適用すると降伏比が低くなり、良好な
耐座屈性能が得られた。一方、本発明の化学組成を有す
る鋼管であっても加速冷却条件が適当でない、A-1,A-2
は、降伏比が0.90より高くなり良好な耐座屈性能が得ら
れていない。
【0021】また、本発明の化学成分を有しない鋼管で
は、本発明の加速冷却条件の適用のいかんにかかわらず
耐座屈性が不良である(L-1,L-2,P-1,Q-1)。また、耐座
屈性が良好なものでも溶接性が不良である(M-1)。本発
明鋼管を用いることにより、鋼管の軸方向に作用する応
力による局部座屈の発生と、それに起因する脆性的なき
裂や破断の発生を防止できる。
は、本発明の加速冷却条件の適用のいかんにかかわらず
耐座屈性が不良である(L-1,L-2,P-1,Q-1)。また、耐座
屈性が良好なものでも溶接性が不良である(M-1)。本発
明鋼管を用いることにより、鋼管の軸方向に作用する応
力による局部座屈の発生と、それに起因する脆性的なき
裂や破断の発生を防止できる。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、鋼組成及び製造条件を
特定し、かつ管軸方向の降伏比を0.90以下に抑えること
により、大地震が発生した際に、ガスパイプラインや水
道配管の破損と内部流体の流出、あるいは高速道路の橋
脚柱の破断による倒壊などの災害を防ぐことが可能であ
る良好な耐座屈性能を有する耐震性に優れた鋼管が得ら
れ、さらに従来の低降伏比鋼管の製造工程で必要とされ
ていた鋼の熱間圧延後の熱処理(焼き入れ、焼戻し)、
及び管成形後の熱処理(焼鈍、焼きならし、焼戻し)を
行うことなく鋼管を製造することが可能な製造方法を提
供できる。
特定し、かつ管軸方向の降伏比を0.90以下に抑えること
により、大地震が発生した際に、ガスパイプラインや水
道配管の破損と内部流体の流出、あるいは高速道路の橋
脚柱の破断による倒壊などの災害を防ぐことが可能であ
る良好な耐座屈性能を有する耐震性に優れた鋼管が得ら
れ、さらに従来の低降伏比鋼管の製造工程で必要とされ
ていた鋼の熱間圧延後の熱処理(焼き入れ、焼戻し)、
及び管成形後の熱処理(焼鈍、焼きならし、焼戻し)を
行うことなく鋼管を製造することが可能な製造方法を提
供できる。
【図1】限界座屈歪みと降伏比との関係を示した図。
【図2】本発明の実施例に係る鋼管軸方向の耐座屈性を
評価するための実菅圧縮試験の試験機と試験体の模式
図。
評価するための実菅圧縮試験の試験機と試験体の模式
図。
1…ロードセル 2…試験パイプ 3…変位計 4…試験パイプ2の拡大断面図
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%でC:0.03〜0.15% と、Mn:1.0
〜2.0%と、PCM:0.10〜0.25% と、さらに、Cu:0.05
〜0.50% 、Ni:0.05〜0.50% 、Cr:0.05〜0.50% 、Mo:
0.05〜0.50% 、Nb:0.005 〜0.10% 、V:0.005 〜0.10
% 、及びTi:0.005 〜0.080%の群から選択された1種又
は2種以上と、残部がFeおよび不可避的不純物とからな
る鋼組成を有し、管軸方向の降伏比0.90以下の耐震性に
優れた鋼管。ただし、PCM=C+Si/30 +Mn/20 +Cu
/20 +Ni/60 +Cr/20 +Mo/15+V/10+5xB - 【請求項2】 重量%でC:0.03〜0.15% と、Mn:1.0
〜2.0%と、PCM:0.10〜0.25% と、さらに、Cu:0.05
〜0.50% 、Ni:0.05〜0.50% 、Cr:0.05〜0.50% 、Mo:
0.05〜0.50% 、Nb:0.005 〜0.10% 、V:0.005 〜0.10
% 、及びTi:0.005 〜0.080%の群から選択された1種又
は2種以上と、残部がFeおよび不可避的不純物とからな
る鋼を熱間圧延した後、600 ℃以下の温度まで5 ℃/sec
以上の冷却速度で加速冷却し、得られた鋼板を冷間成形
して鋼管とする管軸方向の降伏比0.90以下の耐震性に優
れた鋼管の製造方法。ただし、PCM=C+Si/30 +Mn
/20 +Cu/20 +Ni/60 +Cr/20 +Mo/15+V/10+5xB
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13353496A JPH09316599A (ja) | 1996-05-28 | 1996-05-28 | 耐震性に優れた鋼管及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13353496A JPH09316599A (ja) | 1996-05-28 | 1996-05-28 | 耐震性に優れた鋼管及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09316599A true JPH09316599A (ja) | 1997-12-09 |
Family
ID=15107063
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13353496A Pending JPH09316599A (ja) | 1996-05-28 | 1996-05-28 | 耐震性に優れた鋼管及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09316599A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008223134A (ja) * | 2007-02-13 | 2008-09-25 | Nippon Steel Corp | 高強度電縫ラインパイプ |
-
1996
- 1996-05-28 JP JP13353496A patent/JPH09316599A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008223134A (ja) * | 2007-02-13 | 2008-09-25 | Nippon Steel Corp | 高強度電縫ラインパイプ |
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