JPH11500821A - 芳香、臭気物質を検出する方法及び装置並びに応用 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 検出手段として、複数の半導体ガスセンサ（６）、複数の導電性ポリマ・ガスセンサ（７）、複数の表面音響波ガスセンサ（８）と、容器（１、２、２ａ、３）内にガス流を実現するための可変容量ガスポンプ（１０）と、検出手段（６、７、８）を利用するための電子測定装置（１６）と、検出手段を使用して得た嗅覚特性をファイル内に記録し、検出された嗅覚特性をファイル内に存在する嗅覚特性と比較して匂いを同定または確認するためのデ・タ処理ユニット（１５）を各々含む複数の容器（１、２、２ａ、３）を特に含むことを特徴とする、臭気を検出する方法の実施を可能にする装置。特に、麻薬、爆薬、体臭、食品用栓に応用される。

Description

【発明の詳細な説明】 芳香、臭気物質を検出する方法及び装置並びに応用 本発明は、食品産業、化粧品、香水、香料産業、化学産業、梱包産業、環境産 業などきわめて種々の分野に関し、より一般的には、以下の文書では芳香、臭気 物質または匂いと総称する、匂いまたは芳香、臭気物質あるいは揮発性物質を検 出することにより、これらの分野における、調査、検査、作用手段がもたらされ るようなあらゆる分野に関する。 芳香、臭気発散物質の検出に関しては、特に食品加工プロセスなど、製品が発 散する芳香、臭気物質によりその鮮度および品質を判定することができる多くの 工業的応用例がある。ガスクロマトグラフィは気体化合物の分子分離による選択 的検出方法であり、匂いの検査手段として用いられている。しかしながら、この 方法は幾つかの欠点を有する。すなわち、物質の検出結果が特に選択した標本化 方法によって異なり、結果が得られるまでの時間が比較的長いうえに、ガスクロ マトグラフィ装置の費用にさらに結果の分析に必要な質量分析計の費用が必要で ありそれらを加えた合計が非常に高くなる。 芳香、臭気物質を検出する分野における最近の進歩により、芳香、臭気物質検 出手段として半導体ガスセンサを有する検出方法および装置がもたらされている 。芳香、臭気物質により半導体の電気抵抗が変化し、半導体の電気特性が変化す るので、これらの変化を測定することにより、芳香、臭気物質の濃度を決定する ことが可能である。これらの芳香、臭気物質検出方法および装置により、検出時 間が数分から数時間程度であるガスクロマトグラフィによる時間と比較して、検 出時間を数秒程度と比較的短くすることが可能である。一方、半導体ガスセンサ は、３５０℃までの高温で動作しなければならない。また、これらのセンサは、 芳香、臭気物質に対し良好な感度を有しているが選択性は中程度である。 現在、別の最新のガスセンサ技術が用いられており、別の芳香、臭気物質検出 方法および装置がもたらされている。例えば、導電性ポリマーガスセンサを有す る装置および表面音響波ガスセンサを有する装置がある。 導電性ポリマーガスセンサは、芳香、臭気物質の分子に感応する導電性ポリマ ーから成るフィルムを有し、それらの分子に触れるとこれらのセンサの電気抵抗 が変化する。この抵抗の変化を測定することにより、芳香、臭気物質の濃度を決 定することができる。この種のセンサの長所は、室温に近い温度で動作すること である。また、選択する導電性ポリマーによって、異なる芳香、臭気物質を検出 するために異なる感度を得ることができる。一般的に導電性ポリマーセンサは、 半導体センサよりも優れた選択性を有しているが感度は劣る。 通常、表面音響波ガスセンサは、圧電特性を有し芳香、臭気物質を吸着するこ とができるポリマーフィルムを被覆した基板を含む。質量の変化により共振周波 数に変化が生じる。この種のセンサを用いると、芳香、臭気物質の極めて良好な 質量測定が可能である。 現在の芳香、臭気物質検出方法および装置は通常、芳香、臭気物質の選択性を 向上するため複数個のセンサを含むが、センサは全て同一の技術、すなわち半導 体、導電性ポリマーまたは表面音響波を使用する。このため、芳香、臭気物質の 検出能力が特に、単独の技術によってもたらされるセンサの感度および選択性に 限定されてしまう。また、これらの装置は、センサを含む検出容器内で自然対流 により芳香、臭気物質の移動を行う方法を用いる。そのため、芳香、臭気物質の 検出時間および検出プロセス全体の時間が著しく長くなる。これは、被試験物質 の揮発性が低いほど一層顕著になる。 本発明により、これらの欠点を解消することが可能となる。より詳細には本発 明は、少なくとも、 ・ 半導体ガスセンサ、導電性ポリマーガスセンサまたは表面音響波ガスセンサ が、芳香、臭気または揮発性物質の分子に反応する電気特性または圧電特性を有 し、複数の半導体ガスセンサ、複数の導電性ポリマーガスセンサまたは複数の表 面音響波ガスセンサを含む第１検出手段と、複数の半導体ガスセンサ、複数の導 電性ポリマーガスセンサまたは複数の表面音響波ガスセンサを含む第２検出手段 をそれぞれ少なくとも第１および第２容器に用意し、 ・ 前記芳香、臭気または揮発性物質が存在する前に前記第１および第２検出手 段を初期化するため、制御された可変流量のガスと接触している前記第１および 第２検出手段の各々の電気特性または圧電特性を試験し、 ・ 第１サンプルの前記芳香、臭気または揮発性物質を、少なくとも制御された 可変流量のガス中で、前記第１および第２容器内に移動させ、 ・ 前記芳香、臭気または揮発性物質についての定性的および定量的データを得 るため、前記芳香、臭気または揮発性物質を含む制御された可変流量のガスの存 在下で前記初期化値に対する、前記第１および第２検出手段の各々の電気特性ま たは圧電特性を一定間隔で測定し、 ・ 前記第１および第２手段を初期化するため、これら手段をガスで掃気するこ とにより、前記第１および第２手段を清浄化する ことを特徴とする前記芳香、臭気または揮発性物質を検出する方法にある。 サンプルの前記芳香、臭気物質を制御された可変流量のガス中で移動すること により、数秒程度と極めて高速に芳香、臭気物質の検出を行うことが可能である 。さらにこの特性により、生物学的嗅覚気管内の芳香、臭気物質の移動条件に近 付けることができ、また、芳香、臭気物質の移動条件を制御することにより、本 発明による検出方法の再現性を確保することが可能である。このことは、制御さ れない自然対流手段による先行技術の方法では不可能である。有利には、前記制 御された可変流量のガスを実現するために用いられる手段は、少なくとも１つの 可変容量ポンプから成り、有利には前記ポンプはまた、電気特性および／または 圧電特性の試験中および検出手段の掃気中、制御された可変流量のガスを実現す るためにも利用される。使用するガスは、大気であり、場合によっては浄化する 。電気特性および／または圧電特性の測定段階中、測定間隔の間の芳香、臭気物 質の揮発性の上昇または下降に従い、ガスの流量を減少または増加させることが できる。 有利な特徴によれば、本発明による方法は、複数の半導体ガスセンサ、複数の 導電性ポリマーガスセンサまたは複数の表面音響波ガスセンサを含む第３検出手 段を第３の容器に具備することもある。 この特徴の意義は、より大きな検出感度および全体的選択性を得るため、本発 明による方法に異なる３つの検出手段を具備することである。実際、本文書の冒 頭に述べたように、半導体式、導電性ポリマー式または表面音響波式の種々の種 類のセンサは、半導体センサの場合は良好な感度、導電性ポリマーセンサの場合 は良好な選択性、表面音響波センサの場合は良好な質量測定というように、各々 互いに補完する異なる特性を有する。 有利な特徴によれば、本発明による方法は、ある決まった時点で芳香、臭気物 質ファイルを作成するため、前記芳香、臭気物質についての前記定性的データの 少なくとも１つのレコードを含む。 この特性により、特にデータ処理装置を介して、既知の芳香、臭気物質につい て行われた測定によってもたらされる嗅覚特性の形のデータが記録されたファイ ルを作成することができる。したがって、芳香、臭気物質は各々、固有の嗅覚特 性を特徴とし、前記嗅覚特性は、各々検出手段によってもたらされるデータから 成る。この嗅覚特性は、芳香、臭気物質の特に揮発性またはガスの可変流量に応 じて、測定間隔中常に変化することを指摘しておかなければならない。 有利にはオペレータは、データ処理ユニットに接続されたモニタを介して測定 データを表示することができ、前記データは、ヒストグラム、曲線、点の濃淡、 星形表示など既知のひろく普及しているあらゆる形で、より一般的には二次元ま たは三次元表示の形で表示することができる。 有利な特徴によれば、本発明による方法は少なくとも ・ 第２サンプルの前記芳香、臭気または揮発性物質を、少なくとも制御された 可変流量のガス中で前記第１および第２容器に移動させ、 ・ 前記芳香、臭気または揮発性物質についての定性的および定量的データを得 るため、前記芳香、臭気または揮発性物質を含む制御された可変流量のガスの存 在下で前記初期化値に対して、前記第１および第２検出手段の各々の電気特性ま たは圧電特性を一定間隔で測定し、 ・ 前記測定全間隔の間測定自身と同時にあるいは測定後に、場合によっては検 出された芳香、臭気または揮発性物質をニューロン網を用いて少なくとも同定し 、同物質を確認するため、前記測定間隔中常時、前記データを前記芳香、臭気ま たは揮発性物質ファイルと比較する という追加ステップを含む。 嗅覚特性ファイルを作成することにより、オペレータにとって未知の製品の芳 香、臭気物質を検出するため、本発明による方法に比較段階を挿入する可能性が 与えられる。実際、ある時点における嗅覚特性を形成する測定データは、有利に は、未知の製品の測定間隔中、データ処理ユニットに伝送することができる。デ ータ処理ユニットは、その特性をファイル内にある嗅覚特性と比較し、例えばモ ニタを介してオペレータに、既知のすなわちファイル内に存在する芳香、臭気物 質、あるいは未知のすなわちファイル内に存在しない芳香、臭気物質が存在する ことを知らせる。データ処理ユニットによって確認されている芳香、臭気物質の 場合、前記物質の特徴をオペレータに知らせることができる。そうでない場合に は、処理ユニットはオペレータに、ファイル内に未知の芳香、臭気物質があるこ とを知らせる。この芳香、臭気物質の比較および確認段階は、ソフトウェア、有 利にはニューロン網のソフトウェアを用いて行われる。 オペレータは、例えば後に同一の物質を識別する目的で、ファイル内に単数ま たは複数の未知の物質を記録し、また新しく嗅覚特性を作成することができる。 実際、比較段階ではニューロン網のソフトウェアの使用を必要としないので、フ ァイル内に存在する嗅覚特性を基にした、未知の芳香、臭気物質の単純な識別で 構成することが可能である。 嗅覚特性を単純に比較する段階は、２つまたは複数の製品について、同一の嗅 覚特性を有するので類似していると識別できるという実用上の長所を提供するこ とを指摘しておかなければならない。 測定データを前記芳香、臭気物質ファイルと比較する場合は、前記測定値を記 録する必要があることを指摘しておかなければならない。 別の特徴によれば、本発明による芳香、臭気物質を検出する方法は、前記芳香 、臭気物質の分離手段を含み、前記分離手段は、有利にはガスクロマトグラフィ 装置を含む。 これらの特徴により芳香、臭気物質の分子嗅覚特性を得ることが可能となり、 ガスクロマトグラフィによる前記分離手段は前記検出手段より前に作動する。 この場合、従来のガスクロマトグラフィ装置は芳香、臭気物質の種々の分子を 予め分離し、それらの分子は分子の種類別に検出手段の方向に移動され、次いで 、前記に述べた本発明による方法のうちの１つによる前記検出手段により、分子 の 各々について嗅覚特性を得ることができる。本発明によるこの方法により、特に 分子嗅覚特性ファイルを作成するため、特にガスクロマトグラフィ（分子分離） の長所を現在の検出手段と組み合せることができる。 本発明は、前記に述べた芳香、臭気または揮発性物質を検出する方法の実施を 可能にする、芳香、臭気または揮発性物質の検出装置、ならびに文末に詳記する 応用例も対象とする。 その他の長所および特徴は、本発明の解釈を限定するものではなくあくまでも 例として示した、本発明による芳香、臭気または揮発性物質検出装置の２つの実 施形態の例およびそれに続く幾つかの応用例についての説明を添付の図面を参照 しながら読めば明らかになるであろう。 第１図は、４つの直列接続容器を含む、本発明による芳香、臭気または揮発性 物質検出装置のブロックダイアグラムである。 第２図は、４つの並列および直列接続容器を含む、本発明による芳香、臭気ま たは揮発性物質検出装置のブロックダイアグラムである。 第３図から第６図は、異なる２種のコーヒーの嗅覚特性の４つの線図である。 第７図は、オリーブオイルが発する嗅覚特性の時間の経過に伴う線図である。 第８図は、香水が発する芳香物質の嗅覚特性の線図である。 第９図は、第４図で使われている香水とは異なる香水が発する芳香物質の嗅覚 特性の線図である。 第１０図、第１１図、および第１２図は各々、テーブルワイン、エタノール、 および前記テーブルワインの芳香が発する芳香物質の嗅覚特性を示す線図である 。 第１３図、第１４図、および第１５図は各々、実験形態および条件の異なる２ つの爆薬が発する臭気物質の嗅覚特性の線図である。 第１６図および第１７図は、２つのコルク栓が発する嗅覚特性の時間の経過に 伴う線図である。 第１図に図示する芳香、臭気物質検出装置は、６つの半導体ガスセンサ６と、 ７つの導電性ポリマーガスセンサ７と、４つの表面音響波ガスセンサ８と、７つ の導電性ポリマーガスセンサ７と、１つの気体用可変容量ポンプ１０と、１つの 電子測定装置１５と、１つのデータ処理ユニット１６を各々具備する、第１容器 １、第２容器２、第３容器３および第４容器２ａを含む。 各容器１、２、２ａ、３のセンサ数すなわち６、７、７、８は、被検芳香、臭 気物質に対する装置の感度および選択性が最大になるように決定される。 ４つの容器１、２、３、２ａは、可変容量ポンプ１０によって発生するある流 量のガスが循環する管路２０内に直列に接続され、同ポンプは、第１図に図示す るように、ガスの循環方向から見て最後の容器３の出力側に設置される。ポンプ １０のこの位置は、ポンプが種々の容器に装備されるセンサを汚染しないよう選 択されたものである。そのため、前記可変容量ポンプが、吸入により４つの容器 内にガス流を発生する。種々のセンサ６、７、８は、同センサが確実にガス流に 接触するようにして、容器内に設置される。直列接続容器の場合、可変ガスの流 量は５ｍｌ／分から５００ｍｌ／分の間で可変にすると有利である。 管路２０上における４つの容器１、２、３、２ａの設置順序は、被検芳香、臭 気物質を輸送するガスまたは芳香、臭気物質そのものに対する各容器のセンサに よって引き起こされる妨害の程度、ならびにセンサの感度に応じて、決定すると 有利である。ガス流の循環方向は、第１図に図示するように、表面音響波センサ ８を具備する第３容器３と、導電性ポリマーセンサ７を具備する第２容器２およ び第４容器２ａと、最後に半導体センサ６を具備する第１容器１となっている。 半導体センサは高温で動作するので、ガスの流量を最も著しく変化させる。 第３容器１の入力側の管路２０上では、フィルタ１１により、管路２０および 容器１、２、２ａ、３内を循環するガスの一定の純度が確保される。フィルタ１ １はセンサ６、７、８を、吸入ガス内、場合によっては例えば大気中に存在する 不純物によって生じる汚染から保護するが、当然のことながら芳香、臭気物質は 通過させる。 ガス流の循環方向においてフィルタ１１の上流側において、管路２０に接続さ れた３方向弁１２により、大気に通じている管路１８を通してのガスの吸入か、 あるいは、芳香、臭気物質または芳香、臭気物質を検出しようとする物質を含む サンプル用のチャンバ１３内への吸入を選択することができる。前記チャンバは 管路１９を通して大気に通じている。 管路１８を通してのガスの吸入は特に、センサ６、７、８の電気特性および／ または圧電特性を試験する段階と、場合によっては、本発明による方法の容器１ 、２、３、２ａを芳香、臭気物質が通過した後、センサ６、７、８を清浄化する 段階用として利用される。 管路１９を通してのガスの吸入は特に、芳香、臭気物質を含む制御された可変 流量のガスの存在下でセンサ６、７、８の電気特性および／または圧電特性を測 定する段階用として利用される。したがって、サンプル用のチャンバ１３を通過 する際、空気は芳香、臭気物質を輸送し、次いでフィルタ１１を通過し、ガスセ ンサ８、７、６を含む４つの容器３、２、２ａ、１を各々通過した後、ポンプ１ ０を通過し、検出装置外に排気される。特に物質の揮発性が低い場合、芳香、臭 気物質を発生させるためあるいは発生を促進するため、チャンバ１３内に置かれ た物質の加熱が必要となることがある。この場合チャンバ１３は、例えば抵抗電 気加熱装置のように、非汚染加熱手段を含む。 尚、本発明による芳香、臭気物質検出装置の運転にとって、チャンバ１３およ び３方向弁１２は必ずなくてはならないものではない。実際、チャンバ１３およ び弁１２がない場合、ガス流または芳香、臭気物質を含むガス流の吸入は、装置 内の入力管路２０を通してあるいはフィルタ１１を通して直接行われる。本発明 による装置のこの形態（図示せず）により特に、大気ガス中に存在する芳香、臭 気物質を検出することができる。 容器のうちの少なくとも１つの内部には、各々ガス流の温度およびガス流の湿 度を測定するため、少なくとも１つの温度センサと、少なくとも１つの湿度セン サが設置される。実際、温度および湿度パラメータはガスセンサ６、７、８の電 気特性および／または圧電特性の測定に影響を与えるので、芳香、臭気物質の比 較を行えるようにするためには、これらのパラメータの値を知ることが必要であ る。 ガスセンサ６、７、８のアセンブリならびに温度および湿度センサは、本発明 による方法においてガスセンサ６、７、８の電気特性および／または圧電特性を 試験する段階、ガス流の温度および湿度測定、および芳香、臭気物質の存在下で ガスセンサ６、７、８の電気特性および／または圧電特性を測定する段階を可能 にする電子測定装置１５に接続される。 本発明による方法を実行する際、少なくともセンサの電気特性および／または 圧電特性を試験する段階および測定する段階に関し、電子測定装置１５により、 可変電圧をセンサ６、７の各々の端子に、また表面音響波をセンサ８の各々に、 独立して印加することが可能である。 芳香、臭気物質はないがガス流がある状態での試験段階時に、センサ６、７に 印加する電圧を選択し、センサ８に印加する周波数を選択することにより、前記 センサの初期化値が決定され、芳香、臭気物質を含むガス流の存在下で電気特性 および／または圧電特性を測定する段階の際に、この初期化値に対して測定が行 われる。 各半導体ガスセンサ６、各導電性ポリマーガスセンサ７、および各表面音響波 ガスセンサ８は、容器１、２、２ａ、３内に存在する芳香、臭気物質に関する定 性的および定量的情報を提供する。 半導体ガスセンサ６および導電性ポリマーガスセンサ７に関しては、電子測定 装置１５は、芳香、臭気物質の定量的データとして、これらセンサの抵抗、電圧 またはコンダクタンスの変化値を測定する。表面音響波ガスセンサ８に関しては 、電子測定装置１５は、芳香、臭気物質の定量的データとして、芳香、臭気物質 の分子量によって誘導されセンサのポリマー被覆によって吸着されるセンサの共 振周波数の変化を測定する。 定性的データは、センサに装備される感応部分の選択、特に導電性ポリマーガ スセンサ７および表面音響波ガスセンサ８用のポリマーの選択を装置のユーザの 必要性に応じて行うことによってもたらされる。半導体ガスセンサ６に関しては 、定性的データは、酸化金属の種類を予め選択すること、特にユーザの必要性に 応じて各々の動作温度を選択することによってもたらされる。温度は、電子測定 装置１５を用いることにより、本発明による方法で電気特性を試験する段階の際 、各半導体ガスセンサ６について独立して調整し、固有温度が高いか低いかによ り異なる芳香、臭気物質に反応する前記センサの最適使用範囲を決定することが 可能である。 尚、本発明による芳香、臭気物質を検出する方法は、あるゆる時点で、可変容 量ポンプにより、ガスの流量を制御下で変化させることができる。この特徴によ り特に、揮発性の低い物質の芳香、臭気物質を検出する場合、検出過程を加速す ることが可能であり、また少量の芳香、臭気物質を検出する場合、センサの反応 時間を速くすることが可能である。 データ処理ユニット１６は、電子測定装置１５から送信される検出および測定 された種々の芳香、臭気物質の定性的および定量的データを受信する。このデー タ処理ユニット１６は、アプリケーションソフトウェア（図示せず）を具備する ＣＰＵ、および有利には前記ＣＰＵとオペレータの間のインタフェースの役割を 果たすモニタ（図示せず）を含む。ＣＰＵにより、電子測定装置１５が行う測定 のデータを、有利には芳香、臭気物質ファイルを作成することが可能になるよう に記録する段階と、測定データを前記芳香、臭気物質ファイルと比較する段階が 可能となる。 電子測定装置１５は特に、必要に応じオペレータが決定する時間中、有利には 連続的に、センサ６、７、８上で測定を行う。この時間中、データ処理ユニット １６は、存在する芳香、臭気物質についての情報を時間の経過とともにオペレー タに提供するよう、測定結果から成るデータを記録する。この特徴により、第８ 図および第９図に例示する特に香水の芳香、臭気物質の検出例など、後記の本発 明による方法で芳香、臭気物質を検出する例において説明する長所がもたらされ る。 尚、データを記録することにより、オペレータは測定時間中いつでも、全セン サの瞬間測定値を知ることができ、このような瞬間値の総体が、その時点におけ る芳香、臭気物質の嗅覚特性を定義する。この嗅覚特性は有利にはモニタ上に従 来のあらゆる形（ヒストグラム、曲線、星形マーク等）で表示することができる 。測定時間中の嗅覚特性の変化も従来のあらゆる方法（多重曲線、三次元線図等 ）でモニタ上に表示することができる。 測定データを芳香、臭気物質ファイルと比較する段階は、測定時間中のどの時 点でも実行でき、また測定後に実行することも可能である。後者の場合、測定時 間中に測定データの記録を行う必要がある。 データを比較する段階は、複数の芳香、臭気物質を同定しようとするのか、そ れとも芳香、臭気物質を確認しようとするのかによって、内容を変えなければな らない。 複数の芳香、臭気物質を同定する場合は、少なくとも初回検出時に、比較した い別の芳香、臭気物質の基準となる単数または複数の嗅覚特性を予めファイルに 入れておくだけでよい。尚この場合、オペレータは必ずしも、嗅覚特性の形でフ ァイルに入れられている芳香、臭気物質の区別を知らなくてもよい。オペレータ は、後で次の検出を行う際、記録済の単数または複数の芳香、臭気物質を検索す るため、前項で示した方法で得られる新規嗅覚特性を記録済の嗅覚特性と比較し 、場合によっては同定を行う。 尚、同一の芳香、臭気物質が異なる定量的データまたは濃度により測定または 記録されており、そのため嗅覚特性の比較がより困難になり、芳香、臭気物質が 同一であるにも関わらず嗅覚特性は異なってしまう場合がある。データ処理ユニ ット１６は、濃度とは無関係の嗅覚特性を得るため、データの標準化を行うこと ができる。これはすなわち、ある嗅覚特性を定義するセンサのあらゆるデータを 同一の比率とし、最も大きいデータをもたらすセンサに有利には単位値を設定す るようにすることである。 本発明による装置により芳香、臭気物質を確認することは、同定のみの場合に 対する追加手段を使用することにより可能である。実際、芳香、臭気物質を確認 する場合には、装置は、被確認芳香、臭気物質全てについてのメモリ、および評 価手段、すなわち、相似する、類似するあるいは異なる嗅覚特性を有する芳香、 臭気物質の同定または区別手段を具備しなければならない。 したがって第１段階では、既知の芳香、臭気物質のファイルを作成するため、 芳香、臭気物質の嗅覚特性を有利にはデータ処理ユニット１６のＣＰＵのメモリ に記録することが必要である。その際オペレータは、ＣＰＵのメモリ内で、単数 または複数の嗅覚特性に、対応する芳香、臭気物質の名称を組み合せる。前記評 価手段は、測定データをファイル内に存在する嗅覚特性データと比較し、ファイ ル内に存在する芳香、臭気物質に対し、検出物質が同一であるかまたは異なるか さらには存在しないかを評価するため、嗅覚特性を画定する各センサの測定デー タを処理するニューロン網ソフトウェアによって提供される。オペレータは、有 利には、場合によっては、例えば検出芳香、臭気物質の名称あるいは「未知の芳 香、臭気物質」のメッセージを表示することができるモニタを介して、比較の結 果を知る。 希望する結果をオペレータが得た後は、次の使用前にセンサを清掃する必要が ある。この作業は、前述したように、可変容量ポンプ１０を用いて、有利にはよ り多いガス流量にて、センサ６、７、８が、電気特性および／または圧電特性を 試験する段階において設定された各初期化値に達するまで、これらセンサを掃気 することにより行われる。電子測定装置１５により、この作業を制御することが 可能である。半導体センサ６は、清掃作業をより速く行うため、特に前記センサ ６の電気特性を試験および最適化する段階の際の温度調整装置と同じ手段で同時 に加熱することができる。 第２図は、第１図に図示する本発明による芳香、臭気物質を検出する装置の変 形を示す図である。装置は、４つの容器１、２、２ａ、３の配置が異なる。第２ 図に図示するように、容器１、３と２つの容器２、２ａから成るユニットとが管 路２０上に並列に配設される。双方とも導電性ポリマーセンサ７を含む２つの容 器２、２ａは、並列接続の分路の１つに直列に配設される。この特徴の意義は、 ある容器のガス流の通過を、異なる技術によるセンサを具備する他の容器から独 立させることにある。このようにして、直列接続系内で、ある容器から別の容器 への間のセンサ上をガス流が通過することによって起こり得るガスの流量の変化 を防止する。さらにこの場合、既知の方法により管路２０の並列分路のうちの少 なくとも１つを隔離すること、すなわち、必要であれば例えば仕切弁（図示せず ）で少なくとも１つの容器を隔離するという可能性も存在する。 管路２０上に並列に配設される容器の場合、第２図に示す本発明による装置上 で使用される可変容量ポンプ１０により、各容器について５ｍｌ／分から５００ ｍｌ／分の範囲内で調節が可能なガス流量を得ることができる。 本発明による装置は、小型で携帯性を有し、所要外形寸法も比較的小さい。実 際、容器１、２、２ａ、３は各々、芳香、臭気物質を検出するには充分な１ｃｍ³ 程度の容量を有することができる。データ処理ユニットも、電子カード程度の 非常に小型の所要外形寸法である。モニタもやはり小型の液晶またはＬＥＤ画面 、あるいはＣＲＴ画面とすることができる。このように本装置は、一人で容易に ど こへでも持ち運ぶことができる。特に大気中に存在する芳香物質を検出する場合 、前記に説明したように、チャンバ１３、３方向弁１２および管路１８、１９は 必須ではない。 本発明による方法で本発明による装置を用いて、芳香物質を検出する実験を幾 つも実施した。以下、最も代表的な実験のうちの幾つかを、第３図から第１７図 を使用して説明する。 第１の実験は、第３図から第６図に図示する、コーヒーの香りの検出および比 較に関する。 第３図および第４図は各々、合計６個の半導体センサによってもたらされる、 ブラジルコーヒーおよびザイールコーヒーの嗅覚特性を示す図である。嗅覚特性 は、星形で表示され、各枝は１つのセンサに相当する。この種のセンサは選択性 が中程度であるため、嗅覚特性による両者のコーヒーの区別は明白ではないこと がわかる。 第５図および第６図は各々、合計６個の半導体センサおよび１４個の導電性ポ リマーセンサによってもたらされる、同じブラジルコーヒーおよびザイールコー ヒーの嗅覚特性を示す図である。第３図および第４図との比較を容易にするため 、嗅覚特性はやはり星形で表示されている。参照番号１から６は半導体センサに 関し、参照番号７から２０は導電性ポリマーセンサに関する。 このようなセンサアセンブリを使用して得られる嗅覚特性により、２つのコー ヒーを容易に区別できること、コーヒーを区別する上での嗅覚特性の決定的な部 分は主に導電性ポリマーセンサによって構成されることがわかる。 第２の実験はオリーブオイルを使用して実施したもので、第７図に図示する。 第７図は、トスカーナのオリーブオイルから発生する芳香物質の嗅覚特性を示 す図であり、同嗅覚特性は、６個の半導体センサを具備する容器を用いて、１０ ０ｍｌ／分の空気流量で、測定間隔６０秒で得られたものである。横軸の直線の 目盛の単位は秒であり、縦軸の目盛の単位はＶ（センサの端子における電圧）で ある。嗅覚特性は、各々が１つのセンサに対応する６つの曲線で構成される。線 図では、おおむね３０秒後からは、ほぼ一定でファイルに記録できるような値と なっている。このようにして、油から３５個の異なる嗅覚特性（図示せず）を区 別することができた。 第３の実験は、第１の香水および第１の香水とは異なる第２の香水を使用して 実施したもので、第８図および第９図に図示する。 第８図は、４０℃に加熱されたサンプルチャンバに設置されたタオルに染み込 ませた第１の香水の、時間の経過にともなう嗅覚特性を示す図である。同実験用 として、６個の半導体センサを含む１つの容器と、７個の導電性ポリマーセンサ を含む容器、−両者とも直列接続である−が使われ、実験は、１０ｍｌ／分の空 気流量にて５日間行われた。あらかじめ、センサの初期化を実現するため、タオ ルがある状態で１０ｍｌ／分の空気流量にて１０時間、センサの電気特性が試験 された。横軸の直線の目盛の単位は時間であり、縦軸の目盛の単位はＶである。 ３つのセンサの有意反応を第８図に示す。 第９図は、サンプルチャンバに設置されたタオルに染み込ませた第２の香水の 、時間の経過にともなう嗅覚特性を示す図である。双方の香水の比較を行えるよ うにするため、実験条件は第１の香水の実験条件と同一である。 第８図および第９図を比較することにより、第８図で使用する香水の方が、第 ９図で使用する香水よりも、より強く時間の経過においてもより安定したノート を有すること、後者の効果は、およそ３日後には完全に消失することがわかる。 第４の実験は、テーブルワインおよびエタノールを使用して実施したもので、 第１０図、第１１図および第１２図に図示する。 第１０図、第１１図および第１２図は、テーブルワイン、エタノール、および ワインおよびエタノールの嗅覚特性の違いによりデータ処理ユニットを使用して 得た前記テーブルワインの芳香から発生する嗅覚特性を示すヒストグラムである 。本実験は、６個の半導体センサを具備する１つの容器を使用して少ない空気流 量で行われ、おおむね３０秒後からは安定した嗅覚特性が得られた。第１０図お よび第１１図の１から６の参照番号を付した各四角形は、同一のセンサのおおむ ね３０秒後の測定値を示している。 第５の実験は、シリコンおよびポリマーを確認するため、各々が６個の半導体 センサと４個の表面音響波センサを具備する２つの容器を用いて行われた。ポリ プロピレンなどポリマー化合物の残留溶媒が可塑材の悪臭の原因であるため、異 なる技術によるセンサアセンブリにより、基準臭との差異を検出することができ る。 第６の実験は、麻薬の検出および確認に関する。 モルヒネ、コカイン、またはその他の不法物質は、半導体センサ、導電性ポリ マーセンサ、および表面音響波センサを含むセンサアセンブリを使用することに より検出される。例えば表面音響波センサのみを４個使用すると、分析を行う種 々の麻薬間の認識率（確認間麻薬数／被分析麻薬数）は９０％である。しかしな がらこの場合、コーヒー、タバコ、およびその他の種々の日常消費品など従来の 製品を混入した麻薬を調べる場合には、この認識率が４０％まで減少する。従っ て、複数の異なる物質が存在する場合でも検出可能な、麻薬についての嗅覚特性 を提供するためには、より高い選択性が得られる別のセンサ技術を使用する必要 がある。４個の表面音響波センサに６個の半導体センサを付加することにより、 ６５％の認識率を得ることができ、さらに１４個の導電性ポリマーセンサを付加 することにより、認識率を８５％まで向上させることが可能である。 第７の実験は、爆薬の検出および確認に関するもので、第１３図、第１４図お よび第１５図に図示する。 第１３図は、異なる２つの爆薬の嗅覚特性を示すヒストグラムである。濃い四 角形はＣ４型爆薬を表し、薄い四角形はオクトゲン（ＨＭＸ）型爆薬を表す。比 較を容易にするため、各爆薬に関する各センサの値は併記してある。この実験を 行うため、４個の表面音響波センサと６個の半導体センサから成るアセンブリを 使用した。爆薬の嗅覚特性は、データ処理ユニットのメモリ内に予め記録されて いるので、それにより、ある爆薬の揮発性物質により、後に同爆薬を同定したり 確認することができる。横軸の直線上の参照番号１から４は表面音響波センサに 関し、参照番号５から１０は半導体センサに関する。参照番号４の被覆に特有な 粘性弾性効果による同センサの周波数変化が、Ｃ４爆薬とオクトゲン爆薬とを区 別することをねらいとする嗅覚特性の主要な部分となっている。 第１４図および第１５図は、同一の爆薬すなわちオクトゲンとＣ４の嗅覚特性 を示す図である。これら嗅覚特性は、第１３図で使用したセンサに類似するセン サのアセンブリであってさらに１４個の導電性ポリマーセンサを付加して合計２ ４個のセンサとしたアセンブリを用いて得られた。第１４図および第１５図では 、線図は星形であり、参照番号１から４は表面音響波センサに関し、参照番号５ から１０は半導体センサに関し、参照番号１１から２４は導電性ポリマーセンサ に関する。各爆薬に特徴的な嗅覚特性の明白な違いがわかる。 第８の実験は、コルク製の食品用栓の匂いの検出および確認に関するもので、 第１６図および第１７図に図示する。 第１および第２栓を各々、５分間で６０℃に加熱した各々が６０ｍｌの第１お よび第２サンプルチャンバ内に置いた。次に、２つの栓の蒸気を、６個の半導体 センサを含む容器に相次いで輸送した。第１６図および第１７図は各々、１２０ 秒間という時間の経過に伴う第１および第２栓の嗅覚特性を示す図である。より 強い匂いおよび栓の悪臭に特徴的な嗅覚特性の形状から、第１の栓は使用に不適 当であるかあるいは前記栓によって閉栓されている製品が汚染する危険性を有す ることを示す、嗅覚特性の明らかな差異が確認できる。第２の栓は中程度の標準 的嗅覚特性を有し、使用に適する。尚この場合、本発明の方法により、栓の製造 時、嗅覚による栓の選別が可能であるので、特にワイン、アルコール飲料のよう に、不良な栓で閉栓されそれによって汚染される製品の損害を回避することがで きる。 第９の実験は、人間の体臭の検出および確認に関する。 体臭は、清澄な空気流が通過する第１チャンバ内に被験者を置いて分析する。 次に、被験者が発する臭気物質を含む空気は、有利には、揮発性化合物の濃縮装 置の役割を果たす容量が小さい第２チャンバを通過する。この第２チャンバは、 テナックストラップあるいはその他の吸収ポリマー坦体で構成することができる 。揮発性化合物の前記濃縮の後、第２チャンバを急速に加熱することにより、被 験者の臭気物質を含む空気流はセンサアセンブリに送られる。有利にはセンサア センブリは、複数の半導体センサと、複数の表面音響波センサと複数の導電性ポ リマーセンサを含むことができる。被験者を確認するため、センサの測定データ は同時に犯人または被告発者の臭気物質ファイルと比較される。 尚、第２チャンバは、本発明による体臭を検出し確認する方法に対し必須なも のではない。実際、第１チャンバ内の被験者が発する臭気物質を含む空気を直接 センサに送ることが可能であり、濃縮装置は、嗅覚特性の質および取得速度を向 上することを特に目的とする。 第１０の実験は、動物の体臭の検出および確認に関する。 雌馬の生殖器から発生する芳香、臭気物質を検出するため、複数の導電性ポリ マーセンサを含む本発明による装置を設置した。これにより、動物の生殖可能期 間に特徴的な嗅覚特性が得られる。牝牛および雌犬の生殖可能期間を追跡するこ とにより、同様な方法で動物の生殖可能期間に特徴的な嗅覚特性が得られた。 牝牛の乳から発生する水蒸気を測定することにより、牝牛生殖可能期間の試験 を行うことが可能である。このように生殖可能期間においては、動物の生殖可能 性に特徴的な一連の反応の原因となる揮発性化合物が牛乳内に発生する。 このように、本発明による芳香物質、臭気物質を検出する方法および装置の応 用範囲は非常に広く、以下に記載する実験は、この応用範囲のうちの数例を示す に過ぎない。 非限定例として、以下のような、本発明による方法および装置の応用を示すこ とが可能である。 − 種々の被験者の脇の下に本発明による装置を直接接続することによる、消臭 剤の効果およびバクテリア臭の検出および測定 − 匂いの快感または不快感特性の評価 − 体臭を基にした患者の診断 − 香りによる、コーヒー豆およびコーヒー混合物の区別、ならびにばい煎 − 天候条件または特別処理の結果としての、オリーブオイルの種々の芳香、臭 気特性（悪臭、果実臭等）の区別 − 閉所内空気の連続的測定、所与の汚染水準しきい値を基準とする、警報しき い値をもつ有煙環境の検査（または送風管理） − ポリエチレン、ＰＶＣ、シリコン、およびその他の可塑材の粒子臭の強度お よび質の測定 − 最終可塑材に関する匂いの管理および、室内（自動車、シャトルバスの車内 の全体的匂いに対する各化合物の個別嗅覚寄与度 − プラスチック製ボトル内の残留炭化水素および臭気の検査 − 肉を基にした、元の動物の性別の判定

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年８月２８日 【補正内容】 補正明細書 通常、表面音響波ガスセンサは、圧電特性を有し芳香、臭気物質を吸着するこ とができるポリマーフィルムを被覆した基板を含む。質量が変化することにより 共振周波数に変化が生じる。この種のセンサにより、芳香、臭気物質の極めて良 好な質量測定が可能である。 例えば、空気中または別の気体中の任意の化合物を検出し、同定するための装 置および方法に関する英国特許ＧＢ２１５５１８５号が知られている。この装置 は、同じ技術による直列または並列に接続した複数のガスセンサと、一定の測定 サイクルの間、センサに対しガスの強制対流を行うためのポンプを含む。各セン サは個別の容器内に設置され、同一のガスに対し異なる電気反応を有する。同特 許は、代替方法として、複数種の、有利には電気化学式のセンサを組み合せるこ とができることを示唆している。 また、タグシセンサとすることが可能な検出器群、導電性ポリマセンサ、また は表面音響波センサを含む、複数の物質中における１つの化学物質の存在を検出 するための装置に関する欧州特許ＥＰ−Ａ−０４３１９１０号が知られている。 測定結果（特性ベクトル）は物質を比較および同定の目的で記録され、ニューロ ン網により処理することが可能である。 現在の芳香、臭気物質検出方法および装置は通常、芳香、臭気物質の選択性を 向上するため数個のセンサを含むが、センサは全て同一種類の技術、すなわち半 導体、導電性ポリマーまたは表面音響波を使用する。このため、芳香、臭気物質 を検出する能力が特に、単独の技術によってもたらされる感度および選択性に限 定されてしまう。 本発明により、これらの欠点を解消することが可能となる。より詳細には本発 明は、少なくとも、 ・ 半導体ガスセンサ、導電性ポリマーガスセンサまたは表面音響波ガスセンサ が、芳香、臭気または揮発性物質の分子に反応する電気特性または圧電特性を有 し、複数の半導体ガスセンサ、複数の導電性ポリマーガスセンサまたは複数の表 面音響波ガスセンサを含む第１検出手段と、複数の半導体ガスセンサ、複数の導 補正請求の範囲 １．・ 芳香、臭気または揮発性物質の分子に反応する電気特性または圧電特性 を有する第１および第２検出手段を各々少なくとも第１容器および第２容器に用 意する段階と、 ・ 前記芳香、臭気または揮発性物質が存在する前に前記第１および第２検出手 段を初期化するため、制御された可変流量のガスと接触している前記第１および 第２検出手段の各々の電気特性または圧電特性を試験する段階と、 ・ １つのサンプルの前記芳香、臭気または揮発性物質を、少なくとも制御され た可変流量のガス中で、前記第１および第２容器内に移動する段階と、 ・ 前記サンプルの前記芳香、臭気または揮発性物質についての定性的および定 量的データを得るため、前記サンプルの前記芳香、臭気または揮発性物質を含む 制御された可変流量のガスの存在下で前記初期化値に対して、前記第１および第 ２検出手段の各々の電気特性または圧電特性を一定間隔で測定する段階と を含む、芳香、臭気または揮発性物質を検出する方法において、 ・ 前記第１検出手段に、複数の半導体ガスセンサ（６）、または複数の導電性 ポリマガスセンサ（７）、または複数の表面音響波ガスセンサ（８）の前記第１ 容器（１）を備える段階と、 ・ 前記第２検出手段に、複数の半導体ガスセンサ（６）、または複数の導電性 ポリマガスセンサ（７）、または複数の表面音響波ガスセンサ（８）の前記第２ 容器（２）を備える段階と、 ・ 前記測定全間隔の間測定と同時にあるいは測定後に、検出された芳香、臭気 または揮発性物質をニューロン網を用いて少なくとも同定し、同物質を確認する ため、前記測定間隔中常時、少なくとも前記サンプルの前記定性的データを前記 芳香、臭気または揮発性物質ファイルと比較する段階と ・ 前記第１および第２検出手段を初期化するため、ガスを用いてこれら手段を 掃気することにより、前記第１および第２手段を清浄化する段階と、 を少なくとも含むことを特徴とする方法。 ２．複数の半導体ガスセンサ（６）、複数の導電性ポリマーガスセンサ（７）ま たは複数の表面音響波ガスセンサ（８）を含む第３検出手段を第３の容器（３） に用意することから成ることを特徴とする請求項１に記載の方法。 ３．少なくとも第１（１）および第２（２）容器、または少なくとも第１（１） 、第２（２）および第３（３）容器が直列に接続されることを特徴とする請求項 １または２に記載の方法。 ４．少なくとも第１（１）および第２（２）容器、または少なくとも第１（１） 、第２（２）および第３（３）容器が並列に接続されることを特徴とする請求項 １または２に記載の方法。 ５．ガスクロマトグラフィ装置を用いて前記芳香、臭気または揮発性物質を分離 することからなることを特徴とする請求項１ないし４のいずれか一項に記載の方 法。 ６．麻薬および／または爆薬を検出および／または確認を行えるようにするため の、麻薬および／または爆薬用としての、請求項１ないし５のいずれか一項に記 載の方法の利用。 ７．個人を識別および／または確認するための、人間の体臭用としての請求項１ ないし５のいずれか一項に記載の方法の利用。 ８．人間の疾患を診断するための、人間の体臭用としての請求項１ないし５のい ずれか一項に記載の方法の利用。 ９．動物の生殖可能期間を判断および／または動物の疾病を診断するための、動 物の体臭用としての請求項１ないし５のいずれか一項に記載の方法の利用。 １０．食品用栓を区別および／または質的に選択するための、食品用栓用として の請求項１ないし５のいずれか一項に記載の方法の利用。 １１．食用物質を区別および／または質的に比較および／または食用適性を診断 するための、食用物質用としての請求項１ないし５のいずれか一項に記載の方法 の利用。 １２．香水および／または化粧品の特性を評価するための、香水および／または 化粧品用としての請求項１ないし５のいずれか一項に記載の方法の利用。 １３．汚染水準を判定および／または監視するための、毒物用としての請求項１ ないし５のいずれか一項に記載の方法の利用。 １４．可塑材の全体的な匂いに対する前記可塑材の各成分の個別芳香、臭気貢献 度を評価および／または前記可塑材の全体的な匂いを検査するための、可塑材用 としての請求項１ないし５のいずれか一項に記載の方法の利用。 １５．少なくとも、前記芳香、臭気または揮発性物質の分子に反応する電気特性 または圧電特性を有する第１および第２検出手段を各々具備する第１および第２ 容器と、可変容量ポンプ手段と、前記芳香、臭気または揮発性物質についての定 性的および定量的データを得るため、前記第１および第２検出手段の各々の電気 特性または圧電特性を試験および測定する手段とを含み、前記第１容器（１）の 前記第１検出手段が、複数の半導体ガスセンサ（６）、または複数の導電性ポリ マーガスセンサ（７）、または複数の表面音響波ガスセンサ（８）を含み、なら びに、前記第２容器（２）の前記第２検出手段が、複数の半導体ガスセンサ（６ ）、または複数の導電性ポリマーガスセンサ（７）、または複数の表面音響波ガ スセンサ（８）を含み、さらに、前記装置が、芳香、臭気または揮発性物質をニ ューロン網を用いて少なくとも同定し、同物質を確認するため、芳香、臭気また は揮発性物質ファイルを用いて、少なくとも定性的データを比較する手段を含む ことを特徴とする請求項１ないし５のいずれか一項に記載の方法の実施する芳香 、臭気または揮発性物質を検出する装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．・ 半導体ガスセンサ、導電性ポリマーガスセンサまたは表面音響波ガスセ ンサが、芳香、臭気または揮発性物質の分子に反応する電気特性または圧電特性 を有し、各々、複数の半導体ガスセンサ（６）、複数の導電性ポリマーガスセン サ（７）または複数の表面音響波ガスセンサ（８）を含む第１検出手段と、複数 の半導体ガスセンサ（６）、複数の導電性ポリマーガスセンサ（７）または複数 の表面音響波ガスセンサ（８）を含む第２検出手段を少なくとも第１容器（１） および第２容器（２）に用意するステップと、 ・ 前記芳香、臭気または揮発性物質が存在する前に前記第１および第２検出手 段を初期化するため、制御された可変流量のガスと接触している前記第１および 第２検出手段の各々の電気特性または圧電特性を試験するステップと、 ・ 第１サンプルの前記芳香、臭気または揮発性物質を、少なくとも制御された 可変流量のガス中で、前記第１および第２容器内に移動させるステップと、 ・ 前記臭気または揮発性物質についての定性的および定量的データを得るため 、前記臭気または揮発性物質を含む制御された可変流量のガスの存在下で、前記 初期化値に対する前記第１および第２検出手段の各々の電気特性または圧電特性 を一定間隔で測定するステップと、 ・ 前記第１および第２検出手段を初期化するため、ガスを用いてこれら手段を 掃気することにより、前記第１および第２手段を清浄化するステップと を含むことを特徴とする芳香、臭気または揮発性物質を検出する方法。 ２．複数の半導体ガスセンサ（６）、複数の導電性ポリマーガスセンサ（７）ま たは複数の表面音響波ガスセンサ（８）を含む第３検出手段を第３の容器（３） に具備することから成ることを特徴とする請求項１に記載の方法。 ３．少なくとも第１（１）および第２（２）容器、または少なくとも第１（１） 、第２（２）および第３（３）容器が直列に接続されることを特徴とする請求項 １または２に記載の方法。 ４．少なくとも第１（１）および第２（２）容器、または少なくとも第１（１） 、第２（２）および第３（３）容器が並列に接続されることを特徴とする請求項 １ または２に記載の方法。 ５．ある決まった時点で芳香、臭気または揮発性物質ファイルを作成するため、 前記芳香、臭気または揮発性物質についての前記定性的データの少なくとも１つ のレコードを含むことを特徴とする請求項１ないし４のいずれか一項に記載の方 法。 ６．・ 第２サンプルの前記芳香、臭気または揮発性物質を、少なくとも制御さ れた可変流量のガス中で、前記第１および第２容器内に移動させるステップと、 ・ 前記芳香、臭気または揮発性物質についての定性的および定量的データを得 るため、前記臭気または揮発性物質を含む制御された可変流量のガスの存在下で 前記初期化値に対して、前記第１および第２検出手段の各々の電気特性または圧 電特性を一定間隔で測定するステップと、 ・ 前記測定全間隔の間測定と同時にあるいは測定後に、検出された芳香、臭気 または揮発性物質をニューロン網を用いて少なくとも同定し、同物質を確認する ため、前記測定間隔中常時、前記データを前記臭気または揮発性物質ファイルと 比較するステップ からなる追加ステップを少なくとも含むことを特徴とする請求項５に記載の方法 。 ７．前記芳香、臭気または揮発物質の分離手段を含むことを特徴とする請求項１ ないし６のいずれか一項に記載の方法。 ８．前記分離手段がガスクロマトグラフィ装置を含むことを特徴とする請求項７ に記載の方法。 ９．麻薬および／または爆薬を検出または確認するために、麻薬および／または 爆薬に応用されることから成ることを特徴とする請求項１ないし８のいずれか一 項に記載の方法。 １０．個人を識別および／または確認するために、人間の体臭に応用されること から成ることを特徴とする請求項１ないし８のいずれか一項に記載の方法。 １１．人間の疾患を診断するために、人間の体臭に応用されることから成ること を特徴とする請求項１ないし８のいずれか一項に記載の方法。 １２．動物の生殖可能期間を判断および／または前記動物の疾病を診断するため に、動物の体臭に応用されることから成ることを特徴とする請求項１ないし８の いずれか一項に記載の方法。 １３．食品用栓を区別および／または質的に選択するために、栓に応用されるこ とから成ることを特徴とする請求項１ないし８のいずれか一項に記載の方法。 １４．食用物質を区別および／または質的に比較および／または食用適性を診断 するために、食用物質に応用されることから成ることを特徴とする請求項１ない し８のいずれか一項に記載の方法。 １５．香水およびまたは化粧品の特性を評価するために、香水および／または化 粧品に応用されることから成ることを特徴とする請求項１ないし８のいずれか一 項に記載の方法。 １６．汚染水準を判定および／または監視するために、毒物に応用されることか ら成ることを特徴とする請求項１ないし８のいずれか一項に記載の方法。 １７．可塑材の全体的な匂いに対する前記可塑材の各成分の個別臭気貢献度を評 価および／または前記可塑材の全体的な匂いを検査するために、可塑材に応用さ れることから成ることを特徴とする請求項１ないし８のいずれか一項に記載の方 法。