JPH11500741A - バックボーン環化ペプチド類似体のライブラリー - Google Patents

バックボーン環化ペプチド類似体のライブラリー

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JPH11500741A JP9511044A JP51104497A JPH11500741A JP H11500741 A JPH11500741 A JP H11500741A JP 9511044 A JP9511044 A JP 9511044A JP 51104497 A JP51104497 A JP 51104497A JP H11500741 A JPH11500741 A JP H11500741A
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Abstract

(57)【要約】 新規なバックボーン環化ペプチド類似体のライブラリーが、新規な非ペプチド結合をもたらすアミノ酸誘導体のα窒素を介して結合された架橋基を用いて作製される。これらのバックボーン環化ペプチド類似体の合成に用いられる新規な構成単位は、スペーサーと末端官能基を含むように構築されたNα(ω−官能化)アミノ酸である。これらのNα(ω−官能化)アミノ酸の1個以上が、好ましくは固相ペプチド合成の間に、ペプチド配列のライブラリーに組み込まれる。反応性の末端官能基は特定の保護基により保護され、この保護基はバックボーンーバックボーン環化またはバックボーン‐側鎖環化を行う際には選択的に除去できるものである。本発明は、生物学的活性を有する、バックボーン環化されたブラジキニン類似体、ソマトスタチン類似体、BPI類似体およびサブスタンスP類似体のライブラリーにより例示される。本発明の更なる具体例は、バックボーン環化による環構造をもつインターロイキン-6受容体由来のペプチドである。

Description

【発明の詳細な説明】 バックボーン環化ペプチド類似体のライブラリー 発明の技術分野 本発明は、立体配座が拘束されたバックボーン環化ペプチド類似体(backbone- cyclized peptidomimetics)のライブラリー、そのようなライブラリーの作製方 法、および生物学的に活性な化合物のスクリーニングのためのそれらの使用に関 する。本発明の範囲にあるものは、本明細書に開示され、かつ特許請求されてい る、特定の新規な立体配座が拘束されたペプチド類似体分子である。 発明の技術背景 ペプチドライブラリー 従来より、製薬産業は、天然源から誘導される多種多様の化合物をスクリーニ ングして、薬剤として可能性のある候補を得たり、あるいは新規な薬剤を開発す るための化合物を導いたりしてきた。これらの労力を要するスクリーニングの努 力は、多数の化学的因子をランダムに試験することにあった。近年、薬剤の発見 および開発のための新規で合理的なアプローチとして後続してスクリーニングさ れる化合物のライブラリーを作製するために、種々の戦略が採用されている。 ペプチド化学および/または分子生物学の既知の原理に基づいて、候補化合 物の多様な群を作製するという問題に対して種々の方法(methodologies)を用い ることが可能であることが明らかになっている。ペプチドは、コンビナトリアル ・ライブラリーを作製するための分子の便利なクラスである。その理由は、それ らが、有限なセットのアミノ酸構成単位(building units)から構成されるからで あり、それらは化学的合成またはDNAの転写/翻訳のいずれかによって効率的に 組立てられるからである。コンビナトリアル・ライブラリーは、Gallopら[J.Med .Chem .,37,1233-1251(1994)]、Gordonら[J.Med.Chem.,37,1385-1401(1994)] 、Pinillaら[Biopolymers(Peptide Science),37,221-240(1995)]、およびLebl ら[Biopolymers(Peptide Science),37,177-198(1995)]によって検討されて いる。アミノ酸構成単位のセットは、ライブラリーがプラスミド、ファージまた は他のベクター上にオリゴヌクレオチドによってコードされる場合 には、天然にコードされるアミノ酸のみを含み得る。このセットは、合成ライブ ラリー中でDアミノ酸およびLアミノ酸の両方、および/または非天然のアミノ 酸を含むように拡大できる。 線状のペプチドには、潜在的薬剤として幾つかの重大な欠点がある。その理由 は、それらペプチドがin vivoでは極めて不安定であり、しばしばそれらの受容 体に対する結合の高い親和性を欠き、或る種の受容体に対する選択性を欠く場合 が多く、しかも、概して経口の生物学的利用能が低いからである。そのような問 題を克服するために、合成ペプチド・ライブラリーについて開発された方法を利 用して、環化ペプチド、新規なバイオポリマー、さらには新規な分岐オリゴマー 化合物のコレクションを作製することも可能である[Zuckermann,Current Opini on in Structural Biology ,3,580-584(1993)を参照]。 多様な化学的ライブラリーの作製およびスクリーニングを促進する最も重要な 合成技術の1つは、樹脂分断法(resin-splitting method)であり、この方法は、 ペプチド混合物の組成について高度にコントロールすることを可能にするポリマ ー担持多重合成操作法である。混合物は、固相支持体を個々の部分に分割し、異 なるアミノ酸を各部分に結合させ、次いでその部分を再結合することによって作 製される。これらの工程は繰り返して行って、所望する程度の多様性を付与して もよい。 これらのタイプの方法によって作製される全体的にランダムなライブラリーは 、WO92/00091およびWO92/09300に開示されている。個々のビーズの各々はユニー クなペプチド配列を含有しており、溶解性の受容体または抗体を用いて活性をも とに釣り上げることができる。陽性のビーズを単離し、エドマン配列決定化学を 用いて配列決定できる。WO92/00091は、さらに、ペプチドの一部が樹脂から遊離 して、溶解性の形態で活性についてアッセイでき、一方、他の部分は配列決定で きるように、ペプチドと樹脂との間で選択的に切断可能なリンカーを提供する方 法を開示している。さらに、Hornikら(Reactive Polymers,22,213-220(1994) )が開示しているように、アミノ酸の混合物をビーズに結合すること(coupling) により、該ビーズの各々が2個以上のペプチドを担持しているランダムなライブ ラリーを作製することも可能である。 もう1つの方法は、Geysenら(J .Immunol.Meth.,102,259-27(1987))によ って開示されており、この方法は、96ウエル・マイクロタイタープレートのウ エルの並びに対応するようなやり方で並べられた誘導ポリスチレン製ピンの上で のペプチドの合成を含む。個々の化学反応は各ウエル中で行うことができ、それ によって、各ピン上に個々のペプチドを得ることができる。これらのピンは、典 型的には、マイクロタイター・ウエル中で行われる固相酵素免疫検定法(ELISA) または放射線免疫検定法(RIA)を用いて釣り上げることができる。あるいは、ペ プチドをピンから遊離させて、溶液中で試験してもよい。Geysenらのミモトープ (mimotope)アプローチは、in situで活性をもとに釣り上げられる多様性ペプチ ドを生ずる。最良のジペプチド配列が多様性トリペプチドへの伸長をもとに選ば れ、最良のトリペプチドがテトラペプチド等への伸長をもとに選ばれる。 理想的には、コンビナトリアル・ライブラリー合成に従う化学的性質は、以下 の特徴を有するであろう。すなわち、樹脂分断技術を促進するためにポリマーに 担持されていること、自動化可能な化学を用いて高収率で組立てられること、お よび多種多様な化学的官能価の導入が可能であること、である。 環化ペプチド 環化ペプチドは、一般に、高められた代謝安定性による高い生物学的利用能、 および、線状形態の同じ配列と比べて比較的拘束された立体配座を有すると認識 されている。この高められた代謝安定性は、長い間隔で低い投与量を可能にする はずである。制限された立体配座は、薬剤の選択性を改善するはずであり、その ことによって、潜在的に副作用を予防するはずである。これらの特性の全ては、 新規な薬剤候補の探索と共に望ましい。 環化ペプチドのライブラリーの作製には、上述の考察に加えて、環化反応が高 い収率で、かつ最小限の付加的操作で行われることが必要である。残念なことに 、古典的な環化反応は、予想される収率については高度に配列依存性であり、ペ プチドの均一な環化を不確実なものにする。 直接固相支持体上でのペプチドの環化における近年の進歩は、合成操作を改善 し、さらには、既知の環化スキームに基づいた環化反応の自動化さえも可能に した。従来では、環化は、典型的には、高希釈条件下で溶液中で行われた。ポリ マー担持型環化は、可能性のある副反応(例えば、オリゴマー化)を回避でき、 しかも生成物の精製を促進することもできる。例えば、近年、オン・レジン環化 法(on-resin cyclization method)を用いて、2つの側鎖の間のチオエーテル、 ジスルフィドまたはラクタム、アミノ末端と1つの側鎖との間のラクタム、およ びアミノ末端とカルボキシ末端との間のラクタムによって形成される架橋を有す る環化ペプチドが作製されている[ZuckermannによるCurrent Opinion in Struct ural Biology,3,580-584(1993)を参照]。 コンビナトリアル・ライブラリーにおける樹脂結合環化ペプチドおよび遊離の 環化ペプチドの使用はWO 92/00091に開示されている。しかし、これらの環化ペ プチドは、立体配座を拘束する如何なるエレメントも含んでおらず、しかも、環 化が達成される場合には、これらのペプチドは、依然として多数の立体配座を取 り、かつ線状ペプチドと同様の欠点の多くを有する。 環化半ランダムペプチドライブラリーは、WO95/01800に開示されているが、こ れらは、もっぱら、1個以上のランダム化アミノ酸と、隣接するアミノ酸残基の βターン角を固定するアミノ酸残基(例えば、プロリン)の形態の立体配座を拘 束するエレメントとを含有する環化ペンタペプチドライブラリーおよび環化ヘキ サペプチドライブラリーである。そのような立体配座を拘束するエレメントの利 点は、本アプローチの発明者らによって強調される。しかし、ペプチド配列への 特定のアミノ酸残基の導入を介してそのようなエレメントを含むことは、受容体 の認識または他の生物学的活性に必要とされる残基にとっては好ましくない効果 である。さらに、WO 95/01800では、その環化反応は、線状ペプチドの末端にア ミノ基が該ペプチドの末端カルボキシル基に結合しているという結合反応にしか すぎない。 バックボーン環化ペプチド バックボーン環化ペプチドは、例えば、GilonらによるBiopolymers,31,745- 750(1991)、欧州特許第564,739号A2およびWO95/33765(PCT/IB95/00455)で検討さ れているように、一般に公知である。そのような化合物は、スクリーニ ングを目的とするライブラリーの構築には用いられていない。 さらに、アミノ酸をペプチドに結合するための方法は公知である。米国特許第 5,010,175号では、ランダムなアミノ酸をペプチドに導入する他の方法が記載さ れている。その方法によれば、個々のアミノ酸が、結合におけるそれらの相対的 反応速度に応じて様々な比率で存在している(例えば、アミノ酸の量が、その結 合の速度に反比例している)混合物を結合することによって、アミノ酸の混合物 が導入される。 発明の概要 本発明の目的は、生物活性分子をスクリーニングするのに適したバックボーン 環化ペプチド類似体のライブラリーを提供することである。本発明により提供さ れる技法とその他の有用な技法を以下に要約して述べる。 本発明は、複数のバックボーン環化ペプチド類似体を含んでなる化合物のライ ラリーを提供する。ライブラリー中の各化合物は、アミノ酸のNα−誘導体から なる構成単位を少なくとも1個もつペプチド配列を含み、各ペプチド配列中の少 なくとも1個のバックボーン窒素が、ジスルフィド、アミド、チオエーテル、チ オエステル、イミン、エーテル、またはアルケン橋を含む架橋基により、該ペプ チド配列中の少なくとも1個の他のアミノ酸の側鎖に、または該ペプチド配列中 の少なくとも1個の他のバックボーン窒素に結合して、バックボーン環化ペプチ ド類似体を形成している。少なくとも1個の該構成単位は好ましくはペプチド配 列の末端以外の位置にあり、該構成単位はどれもペプチド配列の末端に存在しな い方が好ましい。 本発明により開示された、新たに作製されたライブラリーは、アゴニストまた はアンタゴニストとしての役割を果たすうえでペプチドまたはペプチド類似体の 最適な立体配座を決定するために、さまざまな程度の立体配座の拘束に関してス クリーニングすることを可能とする。これは複数のバックボーン環化ペプチド類 似体を含んでなる化合物のライブラリーを作製することにより達成され、該ライ ブラリーのメンバーはそれぞれ次の点で異なっている。すなわち、(i)環化され るべき残基の線状配列内の位置、(ii)これら残基間の架橋の長さ、(iii)これら 残基間の架橋の方向、および(iv)これら残基間の架橋の結合のタイプである。そ の結果、この新規なタイプのライブラリーは、活性のあるペプチド類似体の最適 な配列に関してスクリーニングすることで、既知のペプチド配列を向上させるこ とができる。 本発明の一態様によれば、上記のライブラリーは、各ペプチド配列中の少なく とも1対のバックボーン窒素が一緒に結合して一般式(I): 〔式中、d、eおよびfはそれぞれが独立に0または1〜10の整数であり;各{AA }は1個のアミノ酸残基またはペプチド結合を介して一緒に結合した複数のアミ ノ酸の残基であり、ここで各{AA}は同一でも異なっていてもよく;QはHまたは アシル基を表し;Eはヒドロキシル基、カルボキシル保護基もしくはアミノ基、 またはカルボキシ末端基CO-Eであり、ここでCOは{AA}の一部で、CH2-OHまたは CHOに還元することができ;RおよびR'はそれぞれが独立に水素または特定の保護 基と結合していてもよいアミノ酸側鎖であり;そして線は式: (i)-X-M-Y-W-Z-;または(ii)-X-M-Z- (ここで、MおよびWはそれぞれが独立にジスルフィド、アミド、チオエーテル、 チオエステル、イミン、エーテル、およびアルケンよりなる群から選択され;そ してX、YおよびZはそれぞれが独立にアルキレン、置換アルキレン、アリーレン 、ホモ−またはヘテロ−シクロアルキレンおよび置換シクロアルキレンよりなる 群から選択される)の架橋基を表す〕 を有するペプチド類似体を形成している、複数のバックボーン環化ペプチド類似 体を含んでなる。 本発明のもう一つの態様では、このライブラリーは、各ペプチド類似体のバッ クボーンがアミノ酸の側鎖に対して環化して一般式(II): 〔式中、各記号は上記定義通りである〕のペプチド類似体を形成している、複数 のバックボーン環化ペプチド類似体を含んでなる。 本発明の別のライブラリーは、複数のバックボーン環化二環式ペプチド類似体 を含んでなり、ここで各ペプチド類似体はアミノ酸のNα−誘導体からなる構成 単位を複数個含んでいる。このような二環式ペプチド類似体は式(III): 〔式中、各BUは式(IV): (ここで、Xはアルキレン、置換アルキレン、アリーレン、シクロアルキレンお よび置換シクロアルキレンよりなる群から選択されるスペーサー基であり;R'は 特定の保護基と結合していてもよいアミノ酸側鎖であり;そしてGはアミン、チ オール、アルコール、カルボン酸およびエステル、およびアルキルハライドより なる群から選択される官能基である)のNα−ω−官能化アミノ酸誘導体を表し ;その他の記号は上記定義通りである〕で表すことができる。BU基がペプチド配 列中に導入され、続いて官能基Gを介して該ペプチド配列中のアミノ酸の側鎖の 1つと共にまたは別のω−官能化アミノ酸誘導体と共に選択的に環化される。 上記のような本発明のライブラリーは4以上のメンバーを含むことが好ましい 。ある種の好適な実施態様では、少なくとも一部の類似体がブラジキニン類似体 、サブスタンスP類似体、BPI類似体、ソマトスタチン類似体、またはインタ ーロイキン−6阻害性ペプチド類似体である。本発明の他の好適な実施態様では 、上記のようなライブラリーは、それぞれが複数の関連したペプチド類似体を含 む2以上のサブライブラリーからなる。 本発明は、立体配座的に拘束された生物活性ペプチド類似体に関してスクリー ニングする方法を提供する。活性のある立体配座異性体(conformer)をスクリー ニングする方法は、複数のバックボーン環化ペプチド類似体を含んでなる化合物 のライブラリーであって、該ライブラリーのメンバーが、(i)環化されるべき残 基の線状配列内の位置、(ii)これら残基間の架橋の長さ、(iii)これら残基間の 架橋の方向、および(iv)これら残基間の架橋の結合のタイプ、において異なって いるライブラリーを作製し、該ライブラリーを生物活性に関してスクリーニング し、そして該ライブラリーの1以上の活性メンバーを同定することを含んでなる 。 本発明はまた、上記のような化合物のライブラリーを調製する方法を提供する 。この方法は、アミノ酸および結合された窒素原子を含む複数の構成単位を有す るペプチド配列を調製し、少なくとも1個の式(IV)のNα−ω−官能化アミノ酸 誘導体を各ペプチド配列に導入し、官能基 Gを別のω−官能化アミノ酸誘導体と 共にまたは該ペプチド配列中のアミノ酸の側鎖の1つと共に選択的に環化するこ とによりバックボーン環化ペプチド類似体を形成させる、各工程を含んでなる。 式(IV)中のGの好適な具体例としては、アミン、チオールおよびカルボキシル 基がある。式(I)〜(III)中のRおよびR'の好適な具体例としては、CH3-、(CH3)2C H-、(CH3)2CHCH2-、CH3CH2CH(CH3)-、CH3S(CH2)2-、HOCH2-、CH3CH(OH)-、HSCH2 -、NH2C(=O)CH2-、NH2C(=O)(CH2)2-、NH2(CH2)3-、HOC(=O)CH2-、HOC(=O)(CH2)2 -、NH2(CH2)4-、C(NH2)2NH(CH2)3-、HO-フェニル-CH2-、ベンジル、メチルイン ドール、およびメチルイミダゾールがある。 本発明の特に有用な実施態様では、不溶性のポリマー支持体に共有結合でカッ プリングされた上記のペプチド配列が提供される。 本発明はまた、上記のライブラリー中に含まれる化合物を生化学的および生物 学的活性に関してスクリーニングする方法を提供する。この方法は、上記の環化 ペプチド類似体のライブラリーを作製し、そして天然のペプチドと同様の活性を 示すか、または天然のペプチドの活性を阻害するペプチドをスクリーニングする ことを含んでなる。例えば、限定するものではないが、ある種のペプチド類似体 は対応する天然ペプチドの受容体のアゴニストとして作用してもよく、また、他 のペプチド類似体は対応する天然ペプチドの受容体のアンタゴニストとして作用 してもよい。これらの方法は本明細書中ではブラジキニン類似体、サブスタンス P類似体、BPI類似体、ソマトスタチン類似体、およびインターロイキン−6 阻害性ペプチド類似体に関して例示される。 好ましい実施態様の説明 本発明を十分に説明するために、以下の定義を用いる。 バックボーン環化ペプチド類似体の「ライブラリー」とは、修飾側鎖を介して アミド結合の窒素に結合している新規な構成単位を結合している架橋からなる立 体配座の拘束が少なくとも1つ存在するペプチド類似体のコレクション(群)を いう。典型的には、ペプチドの他の位置にあるアミノ酸は「可変性」か、あるい は「不変」である。各ライブラリーは、その構成単位、その不変のアミノ酸残基 、およびその可変性のアミノ酸残基によって特徴付けられる。各ライブラリーは 、分岐的(divergent)または収束的(convergent)合成スキームを用いて並行 して合成される「サブライブラリー」から構成されてもよい。 「可変性」である位置またはアミノ酸残基は、ペプチドの特定の位置に2個以 上のアミノ酸を有してもよい。典型的には、1セットのサブライブラリーにおい て、各サブライブラリーは、その特定したアミノ酸(単数、複数)の少なくとも 1つの同一性の点において互いに異なる(例えば、その特定したアミノ酸は、単 一のサブライブラリー全体にわたって不変であるが、そのセットのサブライブラ リー間では異なる)。「不変」のアミノ酸または配列とは、その同一性および位 置がそのライブラリーのペプチド全体にわたって、かつ1セットのサブライブラ リーを通して不変であるものをいう。 ペプチドバックボーンの立体配座は3つの二面角、φ(C-N-Cα-C)、ψ(N-Cα -C-N)およびω(Cα-C-N-Cα)により決定されるが、これは、ペプチドバック ボーン原子の位置を特定するだけでなく、ペプチドバックボーンからのアミノ酸 側鎖の投影(Ca-Cbベクトル)の角度も特定する。「立体配座が拘束されている バックボーン」を有するペプチドは、固定されていて、各残基のφ、ψおよびω の特定の値で特徴付けられる単一の立体配座異性体のみで存在するか、あるいは 、比較的少数の個別の立体配座異性体の平衡状態の混合物として存在し、各立体 配座異性体の全ての残基のバックボーンねじれ角は十分に規定される。したがっ て、立体配座の拘束を有するバックボーン環化ペプチドとは、環を構成する原子 および結合が、室温または室温付近で、互いに限られた数の空間的位置のみをエ ネルギー的にとるものをいい、これらの位置は、分子モデリングおよび結晶学の 慣用 の技術によって十分に決定されるであろう。 「最適化した」立体配座異性体とは、或る特定のアミノ酸配列を有するライブ ラリーを所定の標的活性についてスクリーニングした際に、最大の活性(例えば 、生物学的応答、生物学的応答または結合の結合または抑制)を有するものであ る。好ましくは、単一の架橋のみが最適活性を付与する。最適化した架橋は、そ の化学的構造およびペプチド配列における位置によって特徴付けられる。 「アミノ酸のセット」とは、特定の位置においてペプチド内で様々に変えられる べきアミノ酸の全てを含む。典型的には、アミノ酸のセットは、2〜50個の異な るアミノ酸残基を含む。アミノ酸のセットは、ペプチド中のアミノ酸残基の数お よび各位置での残基のタイプが様々に変わっていてもよく、あるいは、ペプチド 中の全ての位置で同じセットが用いられてもよい。 「アミノ酸」という用語は、好ましくは炭素バックボーン上に 1,2-、1,3-また は1,4-置換パターンでアミノ末端およびカルボキシ末端を有する化合物をいう。 α−アミノ酸が最も好ましく、タンパク質に存在する20の天然アミノ酸(グリ シン以外はL−アミノ酸である)、それらに対応するD−アミノ酸、タンパク質 には存在しない生合成によって入手可能なアミノ酸(例えば、4-ヒドロキシ-プロ リン、5-ヒドロキシ-リシン、シトルリン、オルニチン、カナバリン、ジェンコ ール酸、β−シアノアラニン)、および合成によって誘導されるα−アミノ酸( 例えば、アミノ−イソ酪酸、ノルロイシン、ノルバリン、ホモシステインおよび ホモセリン)を含む。β−アラニンおよびγ−アミノ酪酸は1,3-アミノ酸および 1,4-アミノ酸の例であり、他にも多くのものが当業界では周知である。さらに、 スタチン(statine)様アイソスター(2個のアミノ酸を含んでなるジペプチドであ っ て、CONH結合がCHOHによって置き換わっているジペプチド)、ヒドロキシエチ レン・アイソスター(2個のアミノ酸を含んでなるジペプチドであって、CONH結 合がCHOHCH2によって置き換わっているジペプチド)、還元アミド・アイソスター (2個のアミノ酸を含んでなるジペプチドであって、CONH結合がCH2NH結合によ って置き換わっているジペプチド)およびチオアミド・アイソスター(2個のア ミノ酸を含んでなるジペプチドであって、CONH結合がCSNH結合によって置き換わ っているジペプチド)も本発明にとって有用な残基である。 本明細書で用いられる「ペプチド」とは、ペプチド結合によって連結している アミノ酸の配列をいう。本発明のペプチド類似体とは、アミノ酸残基が4〜12 個、好ましくは6〜10個のアミノ酸の配列を含み、各残基がアミノ末端および カルボキシ末端を有することを特徴とする。 「構成単位」とは、一般式IV: (式中、Xは、アルキレン、置換アルキレン、アリーレン、シクロアルキレンお よび置換シクロアルキレンからなる群から選ばれるスペーサー基であり;R´は 、場合によっては特定の保護基と結合しているアミノ酸側鎖であり;Gは、アミ ン、チオール、アルコール、カルボン酸およびエステル、およびハロゲン化アル キルからなる群から選ばれる官能基である。) で表わされるNα−誘導α−アミノ酸をいい、これは、ペプチド配列に導入され て、続いて官能基Gを介して上記ペプチド配列中のアミノ酸の側鎖の1つまたは 他のω−官能化アミノ酸誘導体と選択的に環化される。 構成単位を作製するための方法は、国際特許出願PCT/IB95/00455に記載されて おり、これは、引用することによって、その全文を本明細書に組込む。構成単位 は、対応する修飾アミノ酸の3文字コード、それに続く反応性基のタイプ(アミ ンにはN、カルキボシルにはC)、およびスペーシング・メチレン基の数で略記 される。例えば、Gly-C2は、1個のカルボキシル反応性基および2個のメチレン ・スペーサーを有する修飾Gly残基を表わし、Phe-N3は、1個のアミノ反応性基 および3個のメチレン・スペーサーを有する修飾フェニルアラニン基を表わす。 本明細書で用いる「線状ペプチド」とは、アミノ酸残基のみから構成される ペプチド配列をいい、構成単位を含まない。 本明細書で用いられる「バックボーン環化ペプチド」とは、ペプチドバックボ ーンのα−窒素を介して配列中の別の構成単位または他のアミノ酸と結合して架 橋を形成している構成単位を少なくとも1個含有する線状ペプチドの類似体をい う。 本明細書で用いられる「前環化ペプチド(pre-cyclic peptide)」とは、非環化 形態に保持されて生物学的または他のスクリーニングアッセイを行う際の対照と なる以外は、上記環化類似体と同一の類似体をいう。 「前環化ペプチド・ライブラリー」とは、ペプチド類似体ライブラリーの一部 をいい、バックボーン環化ライブラリーと同一の構成単位を含有するが、バック ボーン環化ライブラリーの立体配座の拘束がない。 本明細書では幾つかの略語を用いて、本発明、それを作製する方法、およびそ の使用を説明する。例えば、AcOHとは酢酸をいい、Adaとはアダマンタンアセチ ルをいい、Adacとはアダマンタンカルボニルをいい、Allocとはアリルオキシカ ルボニルをいい、BCIPとは5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルホスフェートをいい 、BKとはブラジキニンをいい、Bocとはt-ブチルオキシカルボニル基をいい、BOP とはベンゾトリアゾール-1-イルオキシートリス-(ジメチルアミノ)ホスホニウ ムヘキサフルオロホスフェートをいい、BPIとは殺菌性/透過性増大タンパク質 をいい、BSAとはウシ血清アルブミンをいい、Cbzとはカルボベンジルオキシ基を いい、DCCとはジシクロヘキシルカルボジイミドをいい、DCMとはジクロロメタン をいい、Ddeとは1-(4,4-ジメチル2,6-ジオキソシクロヘキシ-1-イリデン-エチル をいい、DIEAとはジイソプロピル-エチルアミンをいい、DMFとはジメチルホルム アミドをいい、DPPAとはジフェニルホスホリルアジドをいい、Dtcとは5,5-ジメ チルチアゾリジン-4-カルボン酸をいい、EDCとはN-エチル-N'(ジメチルアミノ プロピル)-カルボジイミドをいい、EDTとはエタンジチオールをいい、Fmocとは フルオレニルメトキシカルボニル基をいい、GPIとはモルモットの回腸をいい、H ATUとは[O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニ ウムヘキサフルオロホスフェートをいい、HBTUとは1-ヒドロキシベンズトリアゾ リルテトラメチル-ウロニウムヘキサフルオロホスフェー トをいい、HFとはフッ化水素酸をいい、HOBTとは1-ヒドロキシベンゾトリアゾー ルをいい、HPLCとは高速液体クロマトグラフィーをいい、IL-6とはインターロイ キン6をいい、IL-6Rとはインターロイキン6受容体をいい、MALDI-TOF MSとは マトリックス補助レーザー脱離飛行時間質量分析法をいい、Mtsとは4-メトキシ- 2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニルをいい、NBTとはニトロ・ブルー・テトラ ゾリウムをいい、NMMとはN-メチルモルホリンをいい、NMPとは1-メチル-2-ピロ リドノンをいい、PBSとはリン酸緩衝化食塩水をいい、Pmcとはペンタメチルクロ マン-6-スルホニルをいい、PNPPとはp-ニトロフェニルホスフェートをいい、PPA とは1-プロパンリン酸環化無水物をいい、PyBOPとはベンゾトリアゾール-1-イル -オキシ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートをいい、 PyBrOPとはブロモ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェー トをいい、RTとは室温をいい、SMPSとは同時多重ペプチド合成(simultaneous m ultiple peptide synthesis)をいい、SPとはサブスタンスPをいい、SRIFとは ソマトトロピン放出抑制因子をいい、TBTUとは2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イ ル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートをいい、t-Buとは 3級ブチル基をいい、TFAとはトリフルオロ酢酸をいい、TISとはトリイソプロピ ルシランをいい、Tprとはチアゾリジン-4-カルボン酸をいい、Trtとはトリチル をいい、Tsとはトルエンスルホニルをいう。 本発明で用いられるアミノ酸は、市販のもの、または通常の合成法によって入 手可能なものである。特定の残基では、ペプチドに導入するのに特別の方法を必 要とする場合があり、本発明では、ペプチド配列への逐次的、分岐的および収束 的合成アプローチのいずれかが有用である。天然にコードされるアミノ酸および それらの誘導体は、IUPAC規約に従って3文字コードによって表わされる。特に 指示しない場合、L異性体を用いた。D異性体は、残基の略語の前に「D」をつ けることによって示す。非コード化アミノ酸のリストは次のとおりである。すな わち、Abuとは2-アミノ酪酸をいい、Aibとは2-アミノ-イソ酪酸をいい、Chaとは シクロヘキシルアラニンをいい、Hcysとはホモシステインをいい、HypとはS-ト ランス-4-ヒドロキシプロリンをいい、1Nalとは1-ナフチルアラニンをいい、2Na lとは2-ナフチルアラニンをいい、Nvaとはノルバリンをいい、Oicとはオク タヒドロインドールカルボン酸をいい、Phgとはフェニルグリシンをいい、pCIPh eとはp-クロロ-フェニルアラニンをいい、pFPheとはp-フルオロ-フェニルアラン ニンをいい、pNO2Pheとはp-ニトロフェニルアラニンをいい、Thiとはチエニルア ラニンをいう。 発明の利点 本発明によれば、環化ペプチド・ライブラリーの原理は、現在では、ペプチド 類似化合物の新規な混合物の作製にうまく適用されており、α-アミノ酸のα-窒 素に結合する修飾された側鎖を有する新規な構成単位を導入することに特徴があ る。これらの新規な構成単位は、バックボーン−バックボーンが環化され、かつ 立体配座が拘束されているペプチド類似体の作製を可能にする。 本アプローチの最も顕著な利点は、以下のとおりである。 (1)本方法は、生物学的認識および機能性に関与するペプチド配列の側鎖を損 なうことなしに、ペプチド配列の環化を可能にする。(2)本方法は、環内での 架橋の長さ、方向、および結合の型(例えば、アミド、ジスルフィド、チオエー テル、チオエステル等)、および結合の位置の入れ替え(permutation)を可能にす ることによって、ペプチドの立体配座の最適化を可能にする。(3)既知の活性 を有する線状ペプチドの環化に適用する場合、架橋は標的認識に関与しないと予 想され、それにより、例えば放射性トレーサー、細胞障害性薬剤、光捕捉物質(l ight capturing substances)、または他の所望のラベル等のタグの結合に好適な 部位が作製される。 本発明により開示される新規に作製したライブラリーは、今や、様々な程度の 立体配座の拘束についてスクリーニングして、ペプチドがアゴニストまたはアン タゴニストとしての役割を遂行する上で最適なバックボーンの立体配座を見つけ ることを可能にする。これは、架橋ヘッドの位置(すなわち、環化されるべき残 基の線状配列中での位置)を様々に変えること、およびこれらの単位間での架橋 の長さ、方向および結合の型を様々に変えることによって達成される。 以下に例示するように、本発明によるライブラリーは、アミノ酸の同じ配列を 有する線状ペプチドに比べて有意に改善された生物学的活性を有する、立体配 座が拘束されたバックボーン環化ペプチド類似体の同定を可能にする。この改善 により、ペプチド類似体が誘導される線状ペプチド配列と比較して、増大した受 容体への選択性、または長期間にわたる作用の持続性、高められた代謝安定性、 または他の利点が付与される。 方法 本発明の環化ペプチドを作製するための一般的な方法には、直交保護スキーム (orthogonal protection scheme)を用いる固相ペプチド合成が含まれ、これは、 鎖伸長、保護基の選択的除去、保護ペプチドの環化、および樹脂から切り離して 、あるいは切り離さずに行われる全ての側鎖保護基の除去を考慮に入れる。種々 のペプチド配列がライブラリー中に実質的に等量で存在することが望ましい。 結合反応は、アミドまたはエステル結合を形成するための方法で行い、本明細 書において記載するような当業界でよく知られている方法で行う。典型的な結合 試薬は、カルボジイミド、活性化無水物およびエステル、およびアシルハロゲン 化物である。EDC、DCC、DPPA、PPA、BOP、PyBOP、PyBrop、HATU、HBTU、TBTU、H OBT、N-ヒドロキシスクシンイミドおよびオキザリルクロライド等の試薬が典型 的である。 1個所以上の部位に2つ以上の構成単位、架橋型またはアミノ酸を含有するペ プチド・ライブラリーの合成は、ペプチド合成の分野で公知の別の合成スキーム によって行うことができる。ライブラリー作製の好ましい方法としては、以下の ものが挙げられる。A.分割(partitioning)、結合、および再結合スキーム 1.樹脂を、各位置において用いられる所定のセットに用いられるアミノ酸また は構成単位の数に対応する幾つかのアリコートに分割する。 2.固相法を用いて、各アリコートを、単一の構成単位またはアミノ酸に徹底的 に結合させる。 3.続いて、次の結合工程を行う前に、全ての樹脂部分を再結合することによっ て、合成を行う。 4.工程1および2は、不変または可変性の残基が結合さえているか否かに応じ て、必要であれば繰り返してもよい。あるいはまた、分岐的合成スキームにおい て、該合成のいずれかの所定の時点で、その時点から合成の終点まで、樹脂の各 アリコートを個別に処理して、サブライブラリーを作製してもよい。この合成は 、残りの合成プロセスの一部または全部については、環化工程および切断工程ま で、およびそれら双方の工程を含んで並行して行ってもよい。B.混合物の結合 合成は、或る特定の位置において1つの樹脂アリコートに結合しているアミノ 酸の混合物を用いて行う。正確に1当量の総アミノ酸および長い結合時間を用い ることは、混合物中の個々のアミノ酸の異なる結合速度を補正するのに部分的に 役立ち、かつ等モルのアミノ酸混合物が各位置で確実に得られるようにするのに 役立つ。米国特許第5,010,175号の操作を用いることも可能である。 固相ペプチド伸長が完了した後で、いずれかのスキームによって、そのペプチ ドの部分を、構築単位のバックボーンアミド結合窒素に結合している架橋基を介 して環化する。一部が環化されていない形状で保持されて、生物学的または他の スクリーニングアッセイの際のコントロールとなることが好ましい。ペプチド類 似体ライブラリーのこの部分は、バックボーン環化ライブラリーの構成単位と同 一の構成単位を含有するが、バックボーン環化ライブラリーの立体配座の拘束が なく、「前環化(pre-cyclic)」と呼ばれる。あるいはまた、いずれかの合成スキ ームにおいても、このバックボーン環化工程を行ってもよく、その際には、さら なるアミノ酸残基の結合・サイクルを行うことが可能である。 ペプチドの部分は、必要であれば生物学的活性をアッセイする前に、樹脂から 切り離して保護基を取り除いてもよい。ペプチドは、当業界で公知の方法によっ て樹脂支持体から切り離され、的確な方法は樹脂の特徴に依存する。当業者であ れば、特定の保護基の除去は、樹脂からのペプチドの切断と同時に起こりうるこ とが理解されるであろう。 典型的には、樹脂と第1のアミノ酸との結合によりエステル結合が形成され、 このことによって、ペプチドが樹脂から切り離される際に該ペプチド上にカルボ ン酸基が生じる。HMPB、Rink、PAM、Hycramおよびヒドロキシメチル樹脂が例と して挙げられる。さらに、カルボキシ末端アミノ酸基は、アミド、エステルに転 化されるか、または末端アルコールへと還元されてもよい。 各アミノ酸またはペプチドの側鎖の反応性官能基は、ペプチドの技術分野にお いて公知のようにして適切に保護される。例えば、アミノ基(特にα−アミノ基 )の保護にはBoc、CbzまたはFmoc基を用いることができる。AspまたはGluの側鎖 カルボキシルの保護にはアルキル(例えば、t-Bu、Me)、cHex、ベンジルまたはア リルエステルを用いることができる。ベンジル、または適切に置換されたベンジ ル、トリチル、Allocまたはt-Bu基を用いて、システインまたは他のチオール含 有残基のメルカプト基、またはTyr、SerまたはThrのヒドロキシルを保護するこ とも可能である。Acm基によって、あるいはチオアルキル基(例えば、エチルメ ルカプタン)またはチオアリール基とのジスルフィドの形成によって、Cysおよ び他の硫黄含有アミノ酸も保護できる。Hisのイミダゾリル基の保護にはベンジ ル/ベンジルオキシメチル、または適切に置換されたベンジル/ベンジルオキシ メチル、Bocまたはホルミル基を用いることが可能であり、Argのグアニジノ窒素 の保護にはPmc、ニトロ、または適切に置換されたベンゼン-スルホニル基(例え ば、Ts、Mts)を用いることが可能である。リシンのアミノ基の保護にはフタル アミド、Boc、Fmoc、Allocカルボベンジルオキシまたはベンジル基、または適切 に置換されたベンジルまたはベンジルオキシ基を用いることが可能である。カル ボベンジルオキシまたはベンジル保護基の好適な置換とは、通常はオルトおよび /またはパラの1〜5のクロロ、ブロモ、ニトロ、メトキシまたはメチル基によ る置換であり、保護基の反応性を改変するのに用いられる。これらの保護基は、 当業界で公知である接触水素化、液体アンモニア中のナトリウム、ヒドラジン、 塩基、TFAまたはHFによる処理等の方法によって除去される。側鎖保護基の選択 は、それら保護基が、結合反応に用いられる反応性官能基(例えば、アミノ基) の保護基脱離に用いられる条件下では除去されずにペプチド鎖のペプチドバック ボーンを形成するように選択される。反応性官能基の保護基は、連続する各アミ ノ酸の結合を行う前に除去する。 構築単位の架橋基(すなわち、式IV中のG)は、本発明にしたがって直交保護 スキームと共に用いられて、これらの保護基が、側鎖上の保護基または樹脂か らのペプチドの切断に影響を及ぼさない条件下で選択的に除去できるようにする 。これにより樹脂上でのバックボーンの環化が可能になり、このことは合成上好 ましい。あるいはまた、十分に保護されたペプチドを樹脂から取り外し、構成単 位の保護基を選択的に除去した後で、環化を溶液中で行なってもよい。 環化反応は、1つの構築単位の架橋基と別の構築単位またはアミノ酸側鎖の架 橋基との選択的結合によって行う。例えば、アミド結合の形成の場合には、PyBO Pがこの結合反応にとって特に有用 な試薬である。ジスルフィド架橋を形成する ためには、酸化的条件が用いられる。 本発明によるライブラリーを作製するための典型的なスキームは、支持体とし てのTentaGelまたはRink樹脂等の樹脂、アミノ保護基としてのFmoc、側鎖のため のt-ブチル系の保護基、そして構成単位の側鎖のためのAllyl/Allocを用いるこ とを含む。当業者に公知である直交保護の他のスキームも当然適用可能である。 一般に、ペプチド内の各位置におけるアミノ酸セット中のアミノ酸の数を算出し 、十分な樹脂を使用して、可能なペプチド配列の数に対して樹脂上の反応性部位 の少なくとも5倍の分子過剰があるようにする。 C末端のアミノ酸が様々に変えられる場合、用いるアミノ酸が等モルで分布し ている個々のアミノアシルペプチド樹脂の混合物を用いて合成を開始することが 便利である。同じ保護アミノ酸の等モルの混合物を調製することも可能である。 正確に1当量の総アミノ酸に相当する保護アミノ酸混合物のアリコートを、樹脂 混合物と結合させる。正確に1当量の総アミノ酸および長い結合時間を用いるこ とは、該混合物中の個々のアミノ酸の異なる結合速度を修正するのに部分的に役 立ち、かつ、各位置においてアミノ酸の等モルの混合物が確実に得られるように するのに役立つ。この時点で、Kaiser試験を行って結合の完了度を評価してもよ く、必要に応じて、1当量の等モル混合物との再結合を行うことができる。 本発明による最も好ましい実施態様において、アミノ酸配列スカホールドは、 天然または合成ペプチドまたはタンパク質(例えば、ソマトスタチン、殺菌性/ 透過性増大タンパク質、インターロイキン-6またはインターロイキン-6受容体、 サブスタンスP、またはブラジキニン)由来の既知の活性配列をベースとする。 したがって、活性立体配座異性体の固定化(rigidification)と同時に、そのよ うな既知の配列の活性をさらに改善することが可能であろう。他の例において、 バックボーン環化を必要とせずに、他のタイプのペプチド類似体の活性をさらに 改善することが可能であろう(例えば、ポリミキシン)。 本発明の適用は、アミノ酸残基が3〜14個のペプチドに特に好適である。し かし、それは、残基が45〜70個の大きなポリペプチドと競合するペプチド断 片を規定するのにも有用である。これらの方法は、立体配座が拘束されたアゴニ ストおよびアンタゴニストの双方の作製に用いることが可能である。それらは、 既知の配列の特性を最適化できるか、あるいは新規な類似体を作製できる。 特定の位置にあるアミノ酸は、バックボーン環化構成単位によって、あるいは 天然または非天然の三官能性アミノ酸(例えば、Asp、Glu、Cys、Hcys、Lys、Or n、およびそれらの対応するD体)によって置き換えられる。したがって、環化 の位置、バックボーンへの環の結合、環化の位置でのキラリティー、環形成結合 、環の大きさ、および環内での結合の正確な位置を変えることによって、位置的 および構造的スキャンが行われる。これらの改変法は、ペプチドのアミノ酸配列 を変えることと共に行ってもよい。 本発明の1つの好ましい実施態様において、バックボーン環化ペプチド・ライ ブラリーは、同時多重ペプチド合成(SMPS、Houghten、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,5131-5135,1985)によって作製した。樹脂部分は、それらをポリプロピレ ン・バッグに捕捉しておくことによって別々に離しておき、ペプチドの同じ部位 における別のアミノ酸の結合の工程以外は、ポリプロピレン箱の中で、全てのバ ッグについて一緒に、結合および保護基脱離サイクルを行った。各バッグには、 合成が終わるまでに、たった1つの(粗製の)化合物があった。 合成が完了した後、樹脂−ペプチドのサンプルを各バッグから取出して、構造 的ホモロジーに基づいて混合物にした(例えば、ある混合物は、全てが特定の位 置にD−アミノ酸を有するペプチド、または全てが同じ環サイズを有するペプチ ドを含むであろう)。ペプチドは、樹脂から切り離し、粗製混合物として生物学 的活性についてスクリーニングした。次いで、最も活性な混合物からのペプチド を樹脂から別々に切り離し、分離用HPLCによって精製し、質量分析法およびアミ ノ酸分析によって特徴決定し、それらの生物学的活性についてアッセイした。 環内にジスルフィド結合を含有するバックボーン環化ペプチドは、保護ω-チ オール構成単位を配列中に含ませることによって作製した。所定の配列内の2つ のそのような構成単位間にジスルフィド結合を形成することによって、バックボ ーン−バックボーン環化を行った。あるいはまた、構成単位のω-チオール基とC ysまたはHcysのチオール基との間のジスルフィド環を閉環することによって、バ ックボーン−側鎖環化を行った。樹脂上でのジスルフィド結合の形成は、ジフエ ニルスルホキシド−シリルクロリド法(Akajiら、J.Amer.Chem.Soc.,114,41 37,1992)を用いることによって行った。これは、文献(Camereroら、Tetrahedro n Lett.,36,1137-1140,1995)に記載されたようにして長時間(16〜24時間) にわたって室温で行う。収率は高かくなかったが、生物学的スクリーニングを行 うには十分であった。バックボーン二環式ペプチド・ライブラリーは、ラクタム 環化とジスルフィド環化とを組合せることによって作製した。[Arg6]SP6-11の類 似体(そこにおいて、Met11がω−チオール含有構成単位によって置き換えられ ており、CysまたはHcys、およびGly9がω−アミノ酸構成単位によって置き換え られている)は、SMPSバッグ内でFmoc化学を用いて手作業で合成された。9位の 構成単位のω−アミノ基はBocによって保護した。この構成単位を結合させた後 、そのBoc基を除去し、そのω−アミノ酸に、α−アミンがBocで保護されている 第2のω−チオール結合単位またはアミノ酸を結合させた。次いで、9位の構成 単位のα−アミンからFmoc基を除去し、ペプチドの合成を続けた。キサペプチド 鎖の合成が完了した後、ジカルボン酸をアミノ末端に結合し、次いで、ω−チオ ール含有構成単位またはアミノ酸のα−アミノ基を保護しているBoc基を除去し 、ラクタム環を閉じた。次いで、上記の固相ジフェニルスルホキシド−シリルク ロライド法によってジスルフィド環を閉じた。これらのペプチドの収率は、ジス ルフィド形成工程における副反応のために比較的低かったので、最も活性な混合 物を含有するペプチドを再合成し、通常の溶液ジフェニルスルホキシド−シリル クロライド法によって樹脂から切り離した後で別個に環化した。 もう1つの好ましい実施態様では、ライブラリーは、分割混合法(portioning- mixing method)(Furkaら、Int.J.Pep.Protein,Res.37,487-493,1991)によって合 成する。典型的には、各可変位置において、樹脂を適当な数の アリコートに分け、異なるアミノ酸または構成単位をそれぞれに結合させる。こ れらのアリコートを入れるのに、如何なる適当な反応槽を用いてもよい。好まし い実施態様では、樹脂の各部分に対して個別のカラムを用いることが非常に便利 である。結合が完了し、結合混合物を洗浄した後、樹脂部分の全てまたは一部を 再結合する。α−N保護基(典型的にはFmoc)の除去は、その再結合した樹脂上 で行う。結合の更なるサイクルおよび他の工程は、樹脂の分割および混合と共に 、あるいはそれらを行わずに、同様に行う。好ましくは、作製の本スキームでは 、ライブラリーは、1以上のアミノ酸残基、構成単位および/または架橋が異な る複数のサブライブラリーからなる。最終的な樹脂部分(サブライブラリー)は 環化されてバックボーン環化混合物となるか、あるいは、前環化混合物のままに しておく。側鎖保護基を除去し、場合によっては樹脂からサブライブラリー・ペ プチドを切り離した後、サブライブラリー・セットのスクリーニングを行うこと により、最適化したサブライブラリーが同定される。合成サイクルおよびスクリ ーニング・サイクルをさらに行うことによって、最適化されたバックボーン環化 ペプチドが得られる。各連続合成サイクルにおいて、混合物の複雑性は同じであ る。 別の好ましい実施態様では、ライブラリーは切り離し不可能な樹脂の上で合成 して、固相担持ライブラリーを得る。架橋およびアミノ酸配列の多様性は、位置 スキャン法(positional scanning method)(Pinillaら、同書を参照)によって 達成される。 実施例 多数の既知の生物学的に活性なペプチドの配列をベースにして、立体配座が拘 束されたペプチド類似体ライブラリーが構築されている。以下のペプチドを実施 例として挙げるが、それらは本発明のライブラリーおよび方法の作り方および使 い方を説明しようとするものであり、決して限定であると理解すべきではない。ソマトスタチン類似体、BPI類似体およびインターロイキン-6阻害性ペプチド類 似体のライブラリーの一般的合成 これらのライブラリーは、TentaGelアミド樹脂(置換レベルが0.2〜0.3mmol/g )上で、慣用の固相ペプチド合成法(当業者には公知)を用いて合成した。ほと んどの場合ではNMPを溶剤として用い、少数の場合ではDMFを用いた。合成のスケ ールは、ライブラリーまたはサブライブラリーにおいて0.2〜2(各ペプチドに 対するモル)とした。記載しない限り、全ての反応は室温で行った。 2以上のアミノ酸が結合される結合工程の各々において、樹脂を適当な数の部 分に分割し、各部分に異なるアミノ酸を添加した。 結合は、各位置に対して2回、3モル過剰の各アミノ酸、3モル過剰のPyBrop および6モル過剰のDIEAを用いて、1〜16時間にわたって行った。全てのアミノ 酸は、それらアミンにおいてFmocで保護した。側鎖の保護は次のとおりであった 。すなわち、His(Trt);Lys(BocまたはDde);Orn(Boc);Ser(tBu);Thr(tBu);Tyr(t Bu)。 二回の結合を行った後、樹脂部分を洗浄し、再結合し、20%ピペリジン(NMP中 )を用いて全体で20〜40分間にわたってFmoc保護基脱離を行った。さらに洗浄し た後、次のアミノ酸(単数/複数)の結合のために(必要ならば)樹脂を再度分 割した。 環化の前に、2.5% AcOHおよび5% NMMを含有するクロロホルムに溶解した2モ ル当量(ペプチドの各Allyl/Alloc分子に対して1)のPd(PPh3)4の溶液で2〜2.5 時間、または1時間にわたって2回処理することによって、構成単位のアミンお よびカルボキシルのAllyl/Alloc保護を除去し、処理の前後で樹脂をパラジウム を含有しない上記の溶剤で洗浄し、その除去プロセスが終わったら、さらにNMP で洗浄した。 バックボーン環化ライブラリーおよび前環化ライブラリーが同時に合成される 場合には、環化の前に樹脂を別個の部分に分割し、「環化ライブラリー」部分の ためだけに環化を行った。対応する線状ライブラリーは別に合成した。その理由 は、そのライブラリーが、構成単位の代わりに非修飾アミノ酸を含有するからで ある。環化は2〜3回行い、それぞれ、3モル過剰のPyBOPおよび6モル過剰のD IEAを用いて、2〜16時間にわたって行い、結合の前後でNMPで洗浄した。 これらのペプチドを、DCMによる洗浄の後で、TFA 70%、H2O 5%、TIS 1%、EDT 2.5%、DCM(混合物A)またはTFA 70%、H2O 5%、TIS 1%、フェノール 5%、DCM( 混合物B)または60% TFA、10% H2Oおよび30% DCM(混合物C)で2回処理し、 さらにニート(neat)なTFAで洗浄することによって、樹脂部分から切り離した。 各樹脂部分の3つの切断溶液を一緒に回収し、窒素雰囲気下で蒸発させ、0.5〜1 mlのH2Oを各サンプルに添加し、次いでそれを凍結乾燥した。次に、このペプチ ド混合物をC-18 SEP-PAK(Millipore Corp.)上で、緩衝液Aとして0.1%酢酸ま たはTFA(H2O中)、および緩衝液Bとして50〜80% CH3CN(0.1% 酢酸/H2O中)を 用いて不完全に精製し、凍結乾燥した。 半精製ペプチド混合物の収率は、概して最初の合成スケールの10〜60%であっ た。スケールアップの際に合成操作の最適化を行うことによって、さらに高い収 率が得られる。 合成した各サブライブラリーは、質量分析法(MSALDI-TOF MS)およびアミノ 酸分析によって特徴決定した。 構成単位は、対応する修飾アミノ酸の3文字コード、それに続く反応性基のタ イプ(アミンにはN、カルボキシルにはC)、およびスペーシング・メチレン基の 数の表示で略記する。例えば、Gly-C2とは、1個のカルボキシル反応性基および 2個のメチレン・スペーサーを有する修飾Gly残基を表わし、Phe-N3とは、1個 のアミノ反応性基および3個のメチレン・スペーサーを有する修飾フェニルアラ ニン基を表わす。ソマトスタチン類似体、BPI類似体およびインターロイキン-6阻害性ペプチド類 似体のライブラリーの一般的スクリーニング これらのスキームによって合成したソマトスタチン・ライブラリーは、典型的 には、in vitroにて、天然ペプチド(SRIF-14)の7-膜貫通受容体への結合の抑制 、第2のメッセンジャーおよび細胞増殖への影響、およびin vivoでのホルモン および酵素の分泌に対する抑制について試験する。これらのスキームによって合 成したBPIライブラリーは、真菌の増殖の抑制について試験する。IL-6ライブラ リーは、天然タンパク質(IL-6)の膜貫通受容体(IL-6Rおよびgp130)への結合 に対する影響およびIL-6作用への阻害活性について試験する。これらの スキームにおいて合成した双方のライブラリーは、in vitroおよびin vivoでの 代謝安定性について試験する。選択のためのパラメーターとしての代謝安定性試験 ライブラリーは、血清中または組織ホモジネート中でのインキュベーション、 タンパク質の分離、およびインキュベーション前後でのHPLCによるペプチド・ピ ークの記録によって、酵素的分解に対する安定性について試験する。インキュベ ーション時間を増加させても変化しないペプチド・ピークが分解に対して最も安 定である。これらのピークを分離し、質量分析法、N−末端配列、および精製し たペプチドのピークとの比較によって特徴付けする。このようにして、ライブラ リーまたはサブライブラリーからの最も安定なペプチドは迅速に同定される。ブラジキニンおよびサブスタンスP類似体の一般的合成 0.39meq/grの置換レベルを有するヒドロキシベンジル樹脂(BKライブラリー) または0.57meq/grの置換レベルを有する4-メチルベンズヒドリルアミン樹脂(SP ライブラリー)のような樹脂上で、「ティーバッグ式(tea-bag)」同時多重ペプ チド合成法(Houghten,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:5131-5135,1985)を 用いて、ライブラリーを合成した。ペプチド合成用の通常の溶剤(例えば、NMP やDMFなど)を用いた。合成スケールは、各ペプチドに対して20〜60mmoleであっ た。全ての反応は室温で行った。 6モル過剰の各アミノ酸、6モル過剰の結合剤、および12モル過剰のDIEAを用 いて2〜3時間にわたって結合を行った。結合剤は、通常のFmoc/Boc−アミノ酸 結合にはHBTUであり、構成単位の結合にはPyBropであり、ラクタム環の環化には TBTUであった。構成単位の結合およびラクタム環の環化は3〜4回繰り返した。 アミノ酸は、α−アミンにてBocまたはFmocで保護した。側鎖の保護は次のとお りであった。すなわち、Arg(Tos);D-Arg(Tos);Hyp(Bzl)、Glu(tBu)、D-Glu(t- Bu)、D-Asp(t-Bu)、Ser(B21)。構成単位のω−アミノ、カルボキシルおよびスル フヒドリル基の保護にはBoc、t-ブチルおよびベンジルを用いた。 Fmocの保護基脱離は、20%ピペリジン(DMF中)を用いて30分間にわたって1回 または2回行った。ペプチド伸長が完了した後、Bocおよびt-Bu保護基を55%TFA (DCM中)で、1回目は2分間および2回目は30分間にわたって除去した。 環化および前環化ペプチドが同時に合成される場合には、環化の前に、樹脂を 2つの別個の部分に分割し、6倍過剰のTBTUおよび12倍過剰のDIEAを用いて「環 化ライブラリー」部分についてだけ環化を行った。環化は、Kaiser試験が陰性に なるまで繰り返した。対応する前環化ライブラリーはそのままに放置しておくか 、あるいはアミンおよびカルボキシル基をそれぞれアセチル化およびメチルアミ ンとの反応によってブロックした。アセチル化は、10モル過剰の無水酢酸(DMF またはNMP中)で、1当量のDMAPを触媒として用いて行った。メチルアミンとの 反応は、30分間にわたって10モル過剰のDIC(DCM中0.5M)およびHOBT(DMF中0.5 M)で遊離のカルボキル基を活性化し、続いて10モル過剰のメチルアミンの10M溶 液(エタノール中)を添加することによって行った。 各ティーバッグからのサンプルを用いて、構造的ホモロジーに基づくペプチド −樹脂混合物を調製した。HF/アニソールを用いて0〜5℃でそれらを樹脂から 切り離し、粗製の混合物として、生物学的活性についてスクリーニングした。ブラジキニンおよびサブスタンスPライブラリーの生物学的活性についてのスク リーニング これらのスキームにおいて合成されたブラジキニンおよびサブスタンスPのバ ックボーン環化ライブラリーを、典型的には、モルモット回腸(GPI)収縮に対す るアゴニストまたはアンタゴニスト活性について試験する(Sawutsら、PNAS.91,46 93-4697,1994)。 ブラジキニン類似体:実施例1 シクロ[-(CH2)n-NH-CO-(CH2)k-NH-CO-(CH2)m-CO-D-Arg-Arg-Pro-Hyp-Gly-Phe=Se r-D-Phe-N-]-CH2-CO-Arg-OH及び前駆環化(pre-cyclic)類似体。 式: 環化: 前駆環化: これらの混合物の生物学的活性は観察されなかった。 これらの混合物の生物学的活性は観察されなかった。実施例2 Ada-D-Arg-Arg-シクロ[-(CH2)n-NH-CO-(CH2)k-NH-CO-(CH2)m-CO-N-CH2-CO-Hyp-G ly-Leu-N-]-CH2-CO-D-Phe-Leu-Arg-OH及び前駆環化類似体。 式: 環化: 前駆環化: 実施例3 H-D-Arg-Arg-シクロ[-(CH2)n-NH-CO-(CH2)k-NH-CO-(CH2)m-CO-N-CH2-CO-Hyp-Gly -Leu-N-]-CH2-CO-D-Phe-Leu-Arg-OH及び前駆環化類似体。 式: 環化: 前駆環化: 実施例4 Ada-D-Arg-Arg-シクロ[-(CH2)n-NH-CO-(CH2)k-NH-CO-(CH2)m-CO-N-CH2-CO-Hyp-G ly-Phe-N-]-CH2-CO-D-Phe-Phe-Arg-OH及び前駆環化類似体。 環化: 前駆環化: この混合物の生物学的活性は観察されなかった。実施例5 H-D-Arg-Arg-シクロ[-(CH2)n-NH-CO-(CH2)k-NH-CO-(CH2)m-CO-N-CH2-CO-Hyp-Gly -Phe-N-]-CH2-CO-D-Phe-Phe-Arg-OH及び前駆環化類似体。 式: 環化: 前駆環化: 実施例6 H-D-Arg-Arg-シクロ-[(CH2)n-CO-NH-(CH2)m-N-CH2-CO-Hyp-Gly-Phe-Xaa-]-D-Phe -Phe-Arg-OH及び前駆環化類似体。 式: 環化: 前駆環化: この混合物の生物学的活性は観察されなかった。実施例7 Ada-D-Arg-Arg-シクロ-[(CH2)n-CO-NH-(CH2)m-N-CH2-CO-Hyp-Gly-Phe-Xaa-]-D-P he-Phe-Arg-OH及び前駆環化類似体。 式: 環化: 前駆環化: 実施例8 D-Arg-Arg-シクロ-[(CH2)n-CO-NH-(CH2)m-N-CH2-CO-Hyp-Gly-Phe-Xaa-]-D-Phe-P he-Arg-OH 式: 合成:ペプチドを、それぞれ60mgのヒドロキシベンジル樹脂(0.39meq/gr)を 含むSMPSバッグ中で調製した。この混合物の生物学的活性のために、幾つか の新しい混合物、そして次に分離ペプチドを生物学的スクリーニングのため樹脂 から別々に切断した。 生物学的結果: ペプチド 373+374−10-7Mで20%阻害。 ペプチド 373−10-5Mで15%阻害。 ペプチド 374−10-7Mで18%阻害。 ペプチド 376−10-5Mで28%阻害。 ペプチド 378−Kd=8×10-7M ペプチド 368−活性は観察されなかった。 ペプチド 375-10-7Mで18%阻害。 物質P6-11類似体:実施例9 Ac-Arg-Phe-Phe-シクロ-[(CH2)n-CO-NH-(CH2)m-N-CH2-CO-Leu-Xaa-]-NH2及びAc- Arg-Phe-Phe-シクロ-[(CH2)n-CO-NH-(CH2)m-N-CH2-CO-Leu-N]-CH2-CO-NH2並びに それらの前駆環化類似体。 式: 環化: 前駆環化: 合成:ペプチドをそれぞれ100mgのMBHA樹脂(0.57meq/gr)を含むSMP Sバッグ中で調製し、GPI上で生物学的活性をスクリーニングした。最も活性 の高い環化及び前駆環化混合物(それぞれ5C及び5L)由来のペプチドを樹脂 から別々に切断し、分取HPLCによって精製し、TOF−MS及びAAAによ って特性付けし、そしてGPI上でそれらの生物学的活性を検出した。 実施例10 二環式SP6-11類似体。 式: 1=3,4; m=3,4; n=1,2; p=1,2,3,4; X=L-Cys,DL-HCys,N-(2- チオエチレン)Gly 合成:ペプチドを、それぞれ100mgのMBHA樹脂(0.57meq/gr)を含むSM PSバッグ中で調製した。9位の構成単位のアミノ基をBocで保護した。この構 成単位をLeu10にカップリングした後、Boc基を除去し、ω−アミンにBocで保 護されたα−アミンを有する第2のS−ベンジル保護ω−チオール構成単位又は アミノ酸をカップリングした。次いで、Fmoc基を9位の構成単位のα−アミンか ら除去し、ペプチドの合成を継続した。ヘキサペプチド鎖の合成が完了した後、 ジカルボン酸をアミノ末端にカップリングし、次いでω−チオール含有構成単位 又はアミノ酸のα−アミノ基を保護するBoc基を除去し、ラクタム環を6当量の TBTUを用いて閉環し、環化を3回繰り返した。次に、ジスルフィド環を上記 の固相ジフェニルスルホキシド−シリルクロリド法によって閉環した。ペプチド 混合物をHF/チオアニソールを用いて0〜5℃にて樹脂から切断し、GPI上 で生物学的活性についてスクリーニングした。これらのペプチドの収量は、ジス ルフィド生成工程における副反応のために比較的低かったので、最も活性の高い 混合物(M4)を含むペプチドを500mgの樹脂上で再合成し、通常の溶液ジフェ ニルスルホキシド−シリルクロリド法によって樹脂から切断した後に別々に環化 した。実施例11 種々の架橋サイズを有する二環式SP6-11類似体のライブラリーを一般式: に基づいて合成した。 ペプチドを、それぞれ100mgのMBHA樹脂(0.57mer/gr)を含有するSMP Sバッグ中で調製した。9位の構成単位のω−アミノ基をBocで保護した。この 構成単位をLeu10にカップリングした後、Boc基を除去し、そしてω−アミンに第 2のα−アミンがBocで保護されたS−ベンジル保護ω−チオール構成単位又は アミノ酸をカップリングした。次に、Fmoc基を9位の構成単位のα−アミンから 除去し、ペプチドの合成を継続した。ヘキサペプチド鎖の合成が完了した後、ジ カルボン酸をアミノ末端にカップリングし、次いでωチオール含有構成単位又は アミノ酸のα−アミノ基を保護するBoc基を除去し、ラクタム環を6当量のTB TUで閉環して、環化を3回繰り返した。続いて、固相合成へのジフェニルスル フィド−シリルクロリド法の適用によってジスルフィド環を閉環した。ペプチド 混合物をHF/チオアニソールを用いて0〜5℃にて樹脂から切断し、GPI上 で生物学的活性についてスクリーニングした。観察された活性を下記の表に要約 する。単一のペプチドの活性が混合物の活性と有意に異ならないということを証 明するために、そして全収量を増大させるために、混合物M4を含むペプチドを 500mgの樹脂上で再合成し、通例の溶液ジフェニルスルホキシド−シリルクロリ ド法によって樹脂から切断した後別個に環化した。そのペプチドをRP−HPL Cによって精製し、それらが完全であることをTOF−MSによって確認した。 個々のペプチドの活性はペプチド混合物によって示された活性の範囲と同一であ った。 BPIライブラリー:序論: BPI23は、天然の55kDaの陽イオン性タンパク質のアミノ末端組み換え断片 であり殺菌性/透過性増大タンパク質である(BPI,Littleら,1994,J.Biol. Chem.269:1865-1872)。このBPI23断片は全て、グラム陰性細菌に対してそ のホロタンパク質の抗菌性及び抗エンドドキシン性特性を有する。活性断片のエ ピトープマッピングによって15アミノ酸抗菌性ペプチドが得られた。最近、別の ドメインが抗真菌性活性を有することが発見された。10マーの線状ペプチド:Ly s-Trp-Leu-Ile-Gln-Leu-Phe-His-Lys-Lys-NH(BPI23配列中のアミノ酸152〜16 1)は、高効力、低毒性、及び線状ペプチドよりも長い半減期を有する抗真菌性擬 ペプチド薬剤を開発する目的においてバックボーン環化ペプチドライブラリーを 作成するための本発明者らの基本的な配列として役立った。 通常、活性に不可欠なアミノ酸及び置換され得る(本発明者らの場合構成単位 によって)アミノ酸を同定するために、配列中の各アミノ酸をアラニンで置換し てそのペプチド活性における影響を試験する「アラニンスキャン」が行われる。 基本的な活性線状デカペプチドのコンホメーション及び構造−活性相関に役立つ 情報がないという事実のため、本発明者らは、バックボーン環化ペプチドライブ ラリーの合成によってその線状配列内の最適環化点を直接同定することを決心し た。 合成された最初のBPIライブラリー(IG−BPI1)には、153〜160位( 合成的及び合理的理由のため、152位と160位のLys残基は置換されていなかった )に種々の環化点が含まれていた。この目的は、ある特定の架橋位置が都合がよ いかどうか、そして線状配列中のどのアミノ酸を置換することができないのかを 決定することであった。バックボーン環化、前駆環化及び線状(実際にはダブル 「グリシンスキャン」)ライブラリーを合成し、試験した。抗真菌性の結果は、 その活性が環化ペプチド中に有意な程度に保存されているということを示すもの である。全体的に、前駆環化ペプチドは対応するバックボーン環化ペプチド又は 線状ペプチドのいずれよりも活性が低かった。4つのバックボーン環化サブライ ブラリーの間の相違は大きくなかったが、バックボーン環化ペプチドが線状 ペプチドよりも活性が高いサブライブラリーA6が、最も興味深いサブライブラ リーであった。異なるバックボーン環化類似体由来の追加的な情報を有するバッ クボーン環化ライブラリーから得られた情報は、次のBPIバックボーン環化ラ イブラリーの設計のための基礎として役立った。BPIライブラリーの生物学的評価 BPIライブラリーを、in vitro放射拡散アッセイでそれらの抗カンジダ ア ルビカンス(Candida albicans)活性について試験した。簡単に言うと、カンジダ をアガロース中に混入し、一連のウェルを凝固したアガロース中に打ち込む。少 量の各ライブラリー/サブライブラリー試料(順次に希釈した)を各ウェルに入 れ、アガロース中に拡散させる。次いで、上層をプレート上に注ぎ、このアッセ イ試料を一晩インキュベートする。各試料希釈について殺真菌ゾーンをミクロメ ーターを用いて測定する。正味30mm2のゾーンを作り出す量の、ウェルに添加さ れたペプチドによって記録された活性結果が得られる。放射拡散ゾーンを作り出 すための所与の試料に対して、カンジダは殺されなければならず、したがってこ のアッセイは殺真菌性化合物と静真菌性化合物とを区別する。 抗真菌試験の陽性シグナルを確認し、そして非特異的シグナルを排除するため に、同一の手順で合成されて処理され、同一の不純物を含有すると考えられるソ マトスタチン−ペプチドのライブラリー試料を、同一のアッセイにて陰性対照試 料として試験した。これらの試料はどの抗真菌アッセイにおいても活性を有して いなかった。 さらに、サブライブラリー試料を、これらの試料の代謝安定性を試験し、バッ クボーン環化ライブラリーと前駆環化及び線状ライブラリーとの安定性を比較す るためにヒト血清中でインキュベートした後に放射拡散アッセイにて試験する。 抗真菌活性を各サブライブラリー混合物中の全ペプチドの濃度に基づいて計算 する。しかしながら、各サブライブラリーは異なる活性を有し得る種々のペプチ ドから構成される。したがって、全ての所与のサブライブラリーにおける最良の ペプチドの活性は、サブライブラリー当たりのペプチドの数で割った所与の値の 範囲よりも高い(すなわちペプチドの量がより少ない)。さらに、精製された個 々のペプチドの活性値は、濃度の計算に用いられた全重量のサブライブラリーに おける塩及び不純物の存在のためにより良好であり得る。BPI及びその他のペプチドライブラリーの抗真菌性及び抗細菌性活性評価のた めの固相放出アッセイ 1.ペプチドを自然のpH処理によって切断可能なリンカーによってビーズに固 定し(Salmonら,Proc.Natl.Acad.Sci.90,11708-11712,1993)、そのビー ズを放射拡散アッセイのためにアガロース中に入れ、ペプチドをその周囲の媒体 に対して切断すると真菌増殖を阻害するであろう。 2.ペプチドを切断不可能なリンカー上で合成し、ビーズを上記のようにアガ ロース中に入れると、ペプチドは媒体中で必須因子(酵素等)に結合することに よって、又は細胞膜構成成分に結合することによって真菌又は細菌の増殖を阻害 するであろう。 表Iに合成され、特性付けられたBPIのライブラリーのいくつかを要約する 。BPIペプチド中のアミノ酸の位置番号は天然のBPI23タンパク質の配列に 基づくものである。 実施例12:IG−BPI1ライブラリー このライブラリーは基礎となる線状デカペプチドにおける最良の架橋の位置を 発見することを目的として合成された。153〜160位のそれぞれにおいて、天然ア ミノ酸又は構成単位(153、154、155又は156位にはGly-C2及び157、158、159又 は160位にはGly-N2)をカップリングし、それぞれ4つのペプチドを含む4つの サブライブラリーを得た。サブライブラリー同士は、Gly-C2単位の位置において 異なる一方、各サブライブラリーにおけるペプチドはGly-C2単位の位置において 異なる。したがって線状ライブラリーは構成単位の代わりに非修飾Glyを含み、 活性に対する線状ペプチドの側鎖基の必要性を示すしるしとして役立つ。環化、 前駆環化、及び線状サブライブラリーの合成スキーム及び抗真菌活性を下記に示 す。 IG−BPI1−ライブラリー 抗真菌活性の結果からわかるように、バックボーン環化ペプチドは前駆環化ペ プチドよりも活性が向上している。ある1つの場合、すなわちサブライブラリー A6において、バックボーン環化ペプチドの活性は線状配列よりもいっそう良好 である。実施例13:IG−BPI4ライブラリー 下記のスキームで説明しているように、このライブラリーの組成は、配列:Ly s-DlNal-[Gly-C2-Ile-Gln-Leu-Phe-Gly-N2]-Lys-Lys-NH2を有する活性ペプチド (別々に合成され試験された)に基づくものであった。最良の架橋サイズ及び配 向を見出すことを目的として、4つの異なる構成単位(Gly-C1、Gly-C2、Gly-N2 及びGly-N3)を154位〜159位の間の環化に用いた。同時に、153位の異なるナフ チルアラニン(Nal)残基の影響も評価した。4つのサブライブラリー同士は153位 の残基が異なっており、各サブライブラリーのペプチド(合計32)は下記のスキ ームで説明しているように架橋の型又はサイズ並びにそのサブライブラリーの抗 真菌活性が異なっている。154位の好ましい架橋構成単位の迅速な同定のために 、4つのペプチド−樹脂(161〜154位を有する)のそれぞれに由来する部分を、構 成単位をカップリングした後、再結合前に除去し、保持した。活性サブライブラ リーの同定の後(抗真菌アッセイによる)、「最良の」ナフチルアラニン残基が 4つの樹脂部分のそれぞれにカップリングされるであろう。Lysの各(152位)部分 へのカップリングの後、新たな4つのサブライブラリーがそれらの活性について 試験されるであろう。IG−BPI4−ライブラリー 実施例14:YS−BPI−9ライブラリー このライブラリーは好ましい架橋サイズ/型を調査することを目的とし、8つ の異なる類似体(159、158及び156位のアミノ酸によって定義付けられる)の159位 と153位の異なる構成単位によって定義付けられる。このライブラリーの形式を 下記のスキームで説明する:YS−BPI9ライブラリー ソマトスタチン類似体:ソマトスタチンライブラリーの生物学的スクリーニング: ペプチドライブラリー及びサブライブラリーを、125I-Tyrl1-SRIF(Raynorら, 1993 Molecular Pharmacology 43,838-844 に記載された方法に基づく)のソマ トスタチン受容体(SSTR−1、2、3、4又は5)発現膜調製物に対する結 合の阻害における能力について試験した。これらの試験に用いた受容体調製物は 、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で選択的に発現したクローン化 受容体又はSSTRを自然に発現する細胞系由来のものであった。結合試験の陽 性シグナルを確認し、非特異性シグナルを排除するために、同一の手順で合成し 、処理され、同一の不純物を含むと考えられるBPIペプチドのライブラリー試 料を、同一のアッセイで陰性対照試料として試験した。これらの試料はいずれの アッセイにおいても結合活性を有していなかった。 さらに、このライブラリーを、環化アデノシン一リン酸(cAMP)レベル、 チロシンホスファターゼ活性、成長ホルモン分泌及び細胞増殖におけるそれらの 影響についてin vitroで試験する。 さらに、このライブラリーを、動物における成長ホルモン放出、アミラーゼ、 胃酸、インシュリン及びグルカゴン分泌についてin vivoで試験する。 概算のIC50を各サブライブラリー混合物における全ペプチドの濃度に基づい て計算する。しかしながら、各サブライブラリーは異なる活性を有し得る種々の ペプチドから構成される。しがたって、全ての所与のサブライブラリーにおける 最良のペプチドの活性は、サブライブラリー当たりのペプチドの数で割った所与 の値の範囲よりも高い(すなわちIC50値が低い)ものであり得る。さらに、精 製された個々のペプチドの活性値は、濃度の計算に用いられた全重量のサブライ ブラリーにおける塩及び不純物の存在のためにより良好であり得る。固相ソマトスタチンアッセイ: 固相支持体に結合したペプチドライブラリーの作製及びスクリーニングは多く の利益を有し、活性分子を見出す努力を高め得る。 ビーズ結合アッセイの1つの型が、ビーズに固定された公知の活性ソマトスタ チン類似体を用いて開発された。ペプチドBIM−23052(配列:NH2-DPhe -Phe-Phe-DTrp-Lys-Thr-Phe-Thr-NHを有する公知のソマトスタチン類似体)をペ プチド合成装置(Applied biosystems 433A)によって、推奨された手順を用い てTentaGel-NH2ビーズ(これらのビーズは、ペプチドを切断させない)上で合成 した。側鎖保護基をTFA及びスカベンジャー(scavenger)を用いて処理するこ とによって除去し、ビーズを洗浄して乾燥した。いくつかのアプローチを用いて ライブラリーをスクリーニングした: 1.ソマトスタチン受容体を結合するペプチドは、モノクローンナル抗体を用 いてファージペプチドライブラリー(Bio/Technology 13; 165-169,1995)をスク リーニングし、活性類似体を選択した研究において示したように、SRIF−1 4(天然SSTペプチド)に対する抗体にも結合することができる。SRIF− 14に対するモノクローナル及びポリクローナル抗体を(非特異的部位を、1% BSAを入れた0.05%Tween 20及び0.05%NaN3を含有するPBSでブロックした 後)BIM−23052ペプチドを有するビーズとともにインキュベートした。 PBS−T(0.05%Tween-20を含有するPBS)で洗浄した後、樹脂部分(ポリ 又はモノクローナル抗体のいずれかと反応させたもの)のそれぞれを2つに分け て、抗ウサギ又は抗マウスIgG(ブロッキング緩衝液で希釈)に結合したアル カリホスファターゼとともにインキュベートした。各インキュベートは30〜45分 間室温にて行った。さらに洗浄した後、基質溶液(BCIP又はBCIP/NB T)をそれぞれの部分に添加した。それらの結果によって、適当な抗体(ポリク ローナル抗体の後抗ウサギ抗体、及びモノクローナル抗体の後抗マウス抗体)と 反応したビーズの特異的染色(青色又は紫色)と、非適合抗体の組み合わせ(ポ リクローナル抗体の後抗マウス抗体、又はモノクローナル抗体の後抗ウサギ抗体 )が添加された場合の非染色が示された。同様のアプローチにおいては、ソマト スタチン受容体に対する抗イディオタイプ抗体が、陽性及び陰性ビーズ並びにビ ーズ支持ライブラリーの直接的なスクリーニングに用いられる。 2.アフィニティ選択。ソマトスタチン受容体を選択的に含有する細胞膜調製 物をビーズ支持ペプチドとインキュベートし(上記のようにブロックした後)、 洗浄後、膜受容体をビーズから溶離させ、溶離した物質を上記の結合アッセイで 行ったようにして125I−SRIFと反応させることによって定量する。 3.ペプチドライブラリーの可溶性試料を、ビオチニル化−SRIFの、マイ クロタイタープレートウェルに吸着させたSRIFに対するポリクローナル抗体 への結合を阻害する能力について試験する。簡単に言うと、マイクロタイタープ レートウェルを5μg/mlの抗体溶液で被覆し、室温で16時間インキュベートした 後、ウェルを室温で1時間ブロックする(方法1のようなブロッキング及び洗浄 溶液)。N−末端ビオチニル化−SRIFを10〜6Mの濃度で、種々の濃度のラ イブラリー試料を含むブロッキング緩衝液とともにウェルに添加する。室温で1 〜2時間インキュベートした後、ウェルを数回洗浄し、アビジン−アルカリホス ファターゼ溶液をウェルに添加して30分間インキュベートする。さらなる洗浄の 後、吸光度が405nmに記録され得る可溶性産物を生ずるPNPP基質を用いてシ グナルを発生させる。このアッセイは結合活性の消失なしにビオチニル化するこ とができ、そして受容体へのその結合を阻害する抗体が利用可能である全てのソ マトスタチン類似体を用いて行い得る。 4.ペプチドライブラリーの可溶性試料を、SRIFに対する抗体の、固相支 持体(マイクロウェル、ビーズ、マルチピンクラウン(MultiPin crown)、セルロ ースフィルター等)に結合したペプチドへの結合を阻害する能力について試験す る。SRIFペプチドを固相支持体上で直接合成するか、又は合成後、固体支持 体に化学的に結合させる。ブロッキング(方法1のような溶液)した後、区分け した支持体を抗体溶液並びに種々の濃度のライブラリー試料を含むブロッキング 緩衝液とともにインキュベートする。洗浄後、第2の抗体−アルカリホスファタ ーゼ溶液を添加し、インキュベートして洗浄した後、吸光度が405nmに記録され 得る可溶性産物を生ずるPNPP基質を用いてシグナルを発生させる。このアッ セイは結合活性の消失なしにビオチニル化することができ、そして受容体へのそ の結合を阻害する抗体が利用可能である全てのソマトスタチン類似体を用いて行 い得る。 表IIIは合成され、特性付けられたソマトスタチンのライブラリーのいくつか を要約したものである。このライブラリーの組成は数個の公知のソマトスタチン 類似体に基づくものである。ソマトスタチン配列におけるアミノ酸の位置番号は 天然ソマトスタチンペプチド(SRIF−14、Raynorら,前記同様)に基づく ものである。 実施例15:VH−SST2及びIG−SST1ライブラリーについてのビーズ結 合アッセイ バックボーン環化、前駆環化及び線状サブライブラリー試料それぞれからのビ ーズを、SRIF−14に対するウサギポリクローナルの結合について試験した 。ビーズ結合BIM−23052ペプチドは、SRIF−14に対するポリ及び モノクローナル抗体によって特異的に認識されるということが見出されたので、 陽性対照試料として役立った。サブライブラリーペプチドビーズを洗浄し、ブロ ックし、一次抗体(ポリクローナル抗SRIF−14)及び二次抗体(アルカリ ホスファターゼに結合したヤギ抗ウサギ)とともにインキュベートした。陽性ビ ーズ上で不溶性青色沈殿を生じるBCIP基質を用いて発色を行った。その結果 得られたサブライブラリーの青色染色を表Vに要約する。 実施例16:YS−SST1ライブラリー このライブラリーは6位と10位又は6位と11位の間の架橋サイズ及び型を最適 化するために設計された。このライブラリーは、5、7、8、9、12位に一定の アミノ酸を含み、6、10及び11位に異なる構成単位を含む。4つのサブライブラ リーのそれぞれは、表VIに記載したような架橋型において異なる4つのペプチド を含む。 ライブラリー合成は下記のスキームで説明されている。環化サブライブラリー を、クローン化ソマトスタチン受容体へのSRIF−14結合の阻害について試 験した。それらの結果は各サブライブラリーについてのスキームに示されている 。 YS−SST1−ライブラリー このライブラリーの合成収量はバックボーン環化ペプチドについては3.5mg( 平均)、前駆環化ペプチドについては3.2であった。この場合の線状「ライブラ リー」は2つの類似体:DPhe-Gly-Phe-DTrp-Lys-Thr-Gly-Thr-NH2及びDPhe-Gly- Phe-DTrp-Lys-Gly-Phe-Thr-NH2を含むだけである。それらは、別個に合成される 。 サブライブラリーを、ラットソマトスタチン受容体5を発現する膜調製物への Tyr11-SRIFの阻害について試験した。それらの結果を表VIIに要約する。 実施例17:YS−SST2ライブラリー このライブラリーは、6位と11位における2つの構成単位間に一定の架橋を、 5、8及び9位に一定のアミノ酸を、7、10及び12位に多様性を含むように設計 された。このライブラリーは、7位のアミノ酸が異なる、4つのサブライブラリ ーを含む。サブライブラリーによってクローン化SSTRへのSRIF−14結 合の阻害を試験し、それらの結果を下記の合成スキームの下に要約する。 明らかなように、サブライブラリーCおよびDは人工SSTR5に対して見かけの 高い親和性および選択性を示す。サブライブラリーCもヒトSSTR5に対して高い 親和性を示す(約100nM)。実施例18:YS-SST3ライブラリー 本ライブラリーでは、Phe構成単位を11位と6位に組み込んだ(6位にはPhe- N2およびPhe-N3、11位にはPhe-C2)。これらの単位より後の位置に、3モル過 剰のアミノ酸、3モル過剰のHATUおよび6モル過剰のDIEAを用いて2〜16時間 かけて異なるアミノ酸を結合させ、各々6個の類似体を含む2個のサブライブラ リーを得た。 合成を以下のスキームに示す。YS−SST3ライブラ リー 実施例19:YS-SST5ライブラリー 本ライブラリーは、6位と11位の間の架橋サイズおよび方向を最適化し、且 つ5位における各種ナフチルアラニン残基の影響を同時に測定するために設計し た。ライブラリーは4個のサブライブラリーからなり、各々16個のペプチドを 有する。バックボーン環化および前環化ライブラリーを同時に合成した。 以下のスキームはライブラリーの合成を説明するものである。YS-SST5ライブラリー 実施例20:VH-SST7ライブラリー 本ライブラリーは、290304個のバックボーン環化ペプチドを45個のサ ブライブラリーに含む。ペプチドを非切断性(non-cleavable)の樹脂(TentaGe l-NH2)上で合成し、固相アッセイにてスクリーニングを行なうためのビーズ結 合ペプチドを得た。本ライブラリーの組成を表VIIIに示す。 サブライブラリーの名前はその既定位置によって、A1,A2,・・・・・・,An, B1,・・・・・・,Bn,・・・・・・ H1,・・・・・・,Hnとする。各群とも、既定した以外 の位置にはアミノ酸の混合物が含まれる。各結合工程において、既定されていな い位置には、アミノ酸の混合物が各々含まれ(各アミノ酸の結合を完結させ、ペ プチドの等しくない呈示をもたらす速度論的作用を除くために、各工程ともアミ ノ酸は合計で1モル当量である)、これはこの位置で呈示されるであろう。A〜 Hの各群において最も活性の高いサブライブラリーを固相アッセイで同定するこ とにより、ライブラリー中に得られた290304個のペプチドから最も活性の 高いバックボーン環化ペプチドの組成が導き出せる。新規なソマトスタチンライブラリーの作製とスクリーニングの原理: 臨床用途または臨床試験において、数種のソマトスタチン類似体が現在知られ ている。これらには天然ペプチドSRIF-14の配列5〜12に基づくオクタペプチ ド類似体(Octreotide,RC-160)およびソマツリン(Somatuline,Hoflandら,Bioc hemical Pharmacology ,50:287-297,1995)が含まれる。これらのオクタペプチ ド類似体は、SSTR2およびSSTR5に対して高親和性を有することが判明している。 別のソマトスタチン類似体であるCGP 23996は、SRIF-14の配列3〜13に基づく ものであり、SSTR1に選択的に結合し、SSTR2には結合しない。さらに、多種多様 なランダムオクタペプチドライブラリーが開示されている(Wrightら,Bio/Tech nology,13:165-169,1995)。このライブラリーから、Phe-Trp-Lys-Thr共通配列 (SRIF-14の7〜10位)を含む活性なペプチド(さらにArgおよびTrp残基も有 する)が明らかになった。 バックボーンを環化させるために選択するSRIF-14断片を変えることにより、 ソマトスタチン類似体の種々のソマトスタチン受容体サブタイプに対する結合選 択性を達成することができるとの予測に基づいて、本発明に従ってライブラリー を合成した。 表IIIは、SRIF-14配列の6位と11位の間のバックボーンを環化させたライブ ラリーをまとめたものである。これらのライブラリーは、上記公知の活性なオク タペプチド配列に対する類似性の考察に基づいて構築し、残基7〜10のフレー ムの外側で環化を行なうことにより、共通配列を完全に残すように設計する。 以下の実施例に記載するように、バックボーンの環化について新規な配列も選 別し、これらの配列からライブラリーを作製した。これらの新規な配列は、SRIF -14配列の残基2と6または残基3と7の間でバックボーン環化されている。こ れは、共通配列Phe-Trp-Lys-Thrが必要であるとの従来技術における仮定から外 れている。予想外に、これらの新規なライブラリーは生物学的活性と受容体選択 性を示した。以上の知見は、バックボーンを環化させることにより選択的な生物 学的活性立体配座異性体が得られ、このような立体配座異性体の設計および作製 において前記ライブラリーが有用であるとの結論を支持するものである。実施例21 以下の表には、16個のバックボーン環化ソマトスタチン類似体(5位、7位 、10位および12位の位置で既定され、各位置につきアミノ酸が2個)および 異なる架橋(6位および11位における構成単位で既定する)に基づいて生じる 多様性を示す。2つの表(AおよびB)では、架橋のアミド結合の方向が異なる 。 これらのソマトスタチン類似体のいくつかはヒトSSTR5に対して高親和性を示 した(SRIF-14のクローン化SSTRに対する結合阻害を試験した場合)。以下の表に 示すように、デコンボリューションから、以下の類似体はヒトSSTR5に対して予 想外の選択性を示すことが判明した。 選抜したバックボーン環化類似体による、クローン化SSTRに対する125I-SRIF- 14の結合阻害の推定IC50値(nM)を下記の表にまとめる。 類似体は全てアミドC末端を有する。 他のソマトスタチン類似体に比べ、PTR3046(並びに、多少劣るがPTR3079,308 2,3088および3091)はその選択性において予想外に優れている。類似体は高親和 性でヒトSSTR-5に結合し、他のSSTRに対しては非常に低親和性である。さらに、 PTR 3046の場合にはラットおよびヒトSSTR5に対する親和性が類似しており、ラ ットモデルで得られる薬剤投与量よりヒトでの有効性を予測することが可能であ る。 別のバックボーン環化ペプチド類似体であるPTR 3040は、興味深い選択性,プ ロフィールを示した。この類似体は、受容体サブタイプSSTR-1に対しては比較的 高親和性を示すが、他の受容体サブタイプに対しては非常に低い親和性を示す。 PTR 3040はラットSSTR-5に強く結合するが、クローン化ヒト受容体に対するその 親和性は有意に低かった。実施例22:YS-SST6ライブラリー 本ライブラリーは、128個のバックボーン環化ソマトスタチン類似体を8個 のサブライブラリーに含み、128個の前環化類似体を別の8個のサブライブラ リーに含む。2つの基本的な環化を用いた(3位から7位、および2位から6位 )。各サブライブラリーは、架橋の位置、架橋タイプ、および方向またば1位の アミノ酸(AlaまたはD2Nal)が異なる。 バックボーン環化サブライブラリーおよび前環化サブライブラリーを、マウス 下垂体AtT20細胞に対する125I-SRIFの結合阻害について試験した。実験結果を表 IXにまとめる。予想外にも、SRIFの結合を特異的に阻害するという点では、共通 配列を含まないこれらの新規な類似体に顕著な活性が認められた。 実施例23:IG-SST9ライブラリー SRIF配列中のいずれのフレームが類似体の生物学的活性に必要であるかをさ らに系統的に試験するため、SRIF構造中架橋部位の異なるオクタペプチド類似体 のライブラリーを並行して合成することにした。オクタペプチドサブライブラリ ーは、各々残基が1個づつ順次シフトしている。即ち、第一サブライブラリーは SRIF-14の残基7から残基14へ架橋しており、第二サブライブラリーはSRIF-14 の残基6から残基13へ架橋している。従って、本ライブラリーには、サブライ ブラリー間で残基が1個シフトした重複バックボーン環化オクタペプチドが全部 で14個含まれる。合成は、類似体を異なる開始点から同時に合成することによ り行なって、いずれのサブライブラリーの場合にも構成単位の結合を同時に行な えるようにする。これらのサブライブラリーの全てにおいて、ペプチド配列のN 末端から遠い1個のグリシンC2単位とペプチド配列のN末端に隣接する1個のグ リシンN3単位との間でバックボーン環化を行なう。 ライブラリーIG-SST9を以下のスキームに示す。 IG−SST9ライブラリー フレーム4〜11を含むサブライブラリー「D」は、最も興味深い活性を示し 、SSTR-5およびSSTR-1に対する親和性が高かった。この合成混合物をさらにHPLC で精製して副生成物を除去し、純度の高い試料でクローン化受容体への結合試験 を再度行なった。IC50(nM)の結果を以下に示す。 このように、類似体Lys-GlyN3-Phe-Phe-Trp-Lys-GlyC2-Phe-NH2およびLys-Gly N3-Phe-Phe-Trp-Lys-GlyC2-Phe-NH2は、ヒトSSTR-5に対して見かけの高い親和性 および部分選択性を示す。実施例24:SST11 ライブラリー 本ライブラリーでは、異なるフェニルアラニン構成単位(PheBU:Phe-N2,Phe-N 3,Phe-C2,Phe-C3)を、SRIF-14配列4〜11(ライブラリーIG-SST9のサブライ ブラリーD)のバックボーン環化類似体を作製するための架橋アームとして使用 する。さらに、架橋していないPhe残基(6位または7位)を各種PheおよびNal 誘導体(DPhe,pNO2Phe,pClPhe,pFPhe,フェニルグリシン(Phg),DPhg,L2Nal ,D2Nal)で置換する。これにより、以下に示すように、1群当たり16個の類 似体を含む18群のライブラリーを得る。 実施例25:YS-SST-12 本ライブラリーは、ソマトスタチンバックボーン環化類似体のレトロ配列より 構成される。6位には2つの異なる構成単位(Gly-N3,Gly-C2)が含まれ、11 位には2つの異なる構成単位(Phe-C2,Phe-N3)が含まれる。この組み合わせに より、全体的なサイズは同様であるがアミド結合の位置と方向が異なる2種の架 橋タイプが得られる。サブライブラリーのライブラリー組成と予備的な生物学的 活性を以下のスキームに示す。 YS−SST−12ライブラリー 実施例26:YS-SST-15 本ライブラリーには、11位のPhe-C3構成単位と6位の異なるPheおよびLys構 成単位との間の架橋が含まれる。以下のスキームに示すように、ライブラリーは 、各々12個のバックボーン環化類似体を含む8個のサブライブラリーより構成 される。YS−SST−15ライブラ リー インターロイキン−6受容体ペプチドライブラリー: インターロイキン−6(IL-6)は、インターフェロン−β−2としても知られて おり、多面性サイトカインである。IL-6は多数の細胞種に対して増殖および分化 因子として作用する。IL-6の過剰産生は、多発性骨髄腫および閉経後の骨粗鬆症 の病原に関与している。多発性骨髄腫、IL-6の増殖刺激効果が腫瘍の増殖に寄与 する悪性腫瘍の治療において、IL-6の作用を阻害することが臨床上有益であるこ とは言うまでもない。 IL-6は2個の膜貫通受容体、即ち、低親和性IL-6受容体(IL-6Rアルファ、gp80 ともいう)およびシグナルトランスデューサーgp130(結合部位が異なる)と連 続的に相互作用すると考えられる。gp130タンパク質は、多数の他の増殖因子お よびホルモンのシグナル伝達にも関与している(Hiranoら,Stem Cells 12,262- 277,1994参照)。 gp130サブユニットと相互作用すると推測されるIL-6残基の位置指定突然変異 誘発により、IL-6Rアルファに対する親和性は損なわずに保持するがgp130への結 合が不可能なため生物活性は示さないアンタゴニストが得られることはSavinoら によって開示されている(EMBO J.13,5863-5870,1994; EMB0 J.13,1357-136 7,1994)。残基A229およびN231の突然変異により、IL-6のシグナリングが阻止さ れることが示された。 さらに、IL-6とその受容体との相互作用を阻止するために、阻害性ペプチドが 設計できることも開示されている。GrubeおよびCochrane(J.Biol.Chem.269,2079 1-20797,1994)には、IL-6R分子の残基249〜258を架橋するデカペプチド が開示されており、該ペプチドはIL-6の生物活性を阻止する活性が高い。このペ プチドは、16−アミノ酸配列Y249-T264よりも活性が高い。この開示によれば 、受容体配列の250位、252位、256位および258位に相当する4個の アルギニン残基がIL-6の阻害には必須である。以下に示すIL-6の阻害に関与する 配列の記載において、下線を引いた残基は必須であるとされた残基である。 別の研究から、IL-6Rのロイシン255から始まり、既知の阻害性ペプチド(I L-6Rの249〜258)を超えてカルボキシ末端(即ち、3'側)まで伸長するペ プチドも有効な阻害剤であることが示されており(Revelら,1995)、4個のアル ギニン全てがこのペプチド配列の阻害活性に必要なわけではないことが判明して いる。 本発明によれば、これらおよび他の新規なペプチド配列に基づいてバックボー ン環化ペプチド類似体を提供するようにライブラリーを設計し、正常細胞の機能 を損なうことなくIL-6の生物活性(他の増殖因子または免疫調節因子によるgp13 0の活性化により仲介されるものを含む)を最適に阻害する。これらのペプチド の阻害機能に必須であるとされる残基と干渉することなく、向上した代謝安定性 と経口での生物学的利用能を達成するバックボーン環化ペプチド類似体を開示す る。 本発明のペプチド類似体による阻害に適した対象(標的)としては、1)IL-6 分子とIL-6Rとの境界面、2)IL-6とgp130との境界面、3)IL-6Rとgp130の境界 面が挙げられる。修飾すべきペプチド配列は、IL-6R分子、またはIL-6分子自身 のいずれかから誘導する。 IL-6の作用を検討する公知の試験系で、バックボーン環化ペプチド類似体のラ イブラリーを阻害活性についてスクリーニングする。個々のアッセイを行なった 後、最も活性の高い化合物を、プールしたライブラリーから単離する。骨髄球性 白血病M1細胞の増殖阻害に対しては、IL-6の応答性を簡単に測定することがで きる。培養3日後に測定した用量依存性の増殖阻害を充分に検量し、IL-6の作用 の定量的なアッセイを行なう。骨髄腫等の他の細胞種の増殖を刺激し、IL-6 に対する応答の定量に用いることもできる。 活性を最適化するため、ペプチドの長さと環化状態を変えて、三次元コンピュ ーターモデルにより予測したペプチドの立体配座を模倣する。 初期ライブラリーは、配列249〜264、特に249〜258および255 〜264から誘導された線状ペプチド並びにIL-6R、IL-6およびgp130分子の他の 候補接触位置から誘導されたペプチド内で最も優れた環化位置とサイズを同定す る目的で設計する。実施例27: 残基255〜264の第一バックボーン環化ペプチドライブラリー(YK-ILφ1 )には、表Xに示すように環化位置が異なる11個のサブライブラリーが含まれ る。該サブライブラリーは、Arg256、258、261を不変のままにし、環 化位置のアミノ酸をGly-構成単位で置換している。2個の架橋ヘッド間の最短距 離はアミノ酸5個である。 各サブライブラリーには、表XIに示すように異なる構成単位を環化点に有する 12個のペプチドが含まれる。 実施例28: 256位、258位、261位の環化点としてArg−構成単位を用い、構成単 位として元の配列(Leu255、Ala259等)を修飾したアミノ酸を用いて第二 ライブラリーを合成する。別のタイプの構成単位を用い、他の配列アミノ酸を置 換して、初期ライブラリーのスクリーニングより得られた生物学的情報に基づい て別のライブラリーを合成する。実施例29: 249〜258ペプチドの初期バックボーン環化ライブラリー(YK-IL(2))は 、7個のサブライブラリーより構成され、環化点が異なり(249〜257、2 49〜255、249〜254、257〜253、251〜257、251〜2 55、253〜257)、Arg250、252、256、258を不変のままにし ておき、環化点のアミノ酸を6個の異なるGly−構成単位で置換し、各サブライ ブラリーにおいて架橋の異なる12個のペプチドを生成する。2個の架橋ヘッド 間の最短距離はアミノ酸5個である。 さらに、上記配列の短い方のペプチド(249〜258および255〜264 )から構成されるバックボーン環化ペプチドライブラリーを、活性に必須ではな いアミノ酸を系統的に欠失させて合成する。実施例30:YS-IL-6ライブラリー 本ライブラリーは、重複バックボーン環化デカペプチドを利用して、阻害活性 を有することが判明したIL-6受容体の領域を走査する。12個の重複デカペプチ ドに分割されたこの領域の全配列を以下の表に示す。文字はサブライブラリーを 表し、数字はIL-6受容体における元の位置を表す。 各サブライブラリーはIL-6受容体配列の1フレームシフトを表し、構成単位( Gly-C2およびGly-N3)の位置によって既定される架橋が異なる10個の類似体を 含む。各サブライブラリーにおける異なる架橋は、ペプチドのN−末端から2〜 6、2〜7、2〜8、2〜9、3〜7、3〜8、3〜9、4〜8、4〜9、 5〜9の間の位置にある。 例として、IL-6受容体配列260〜269を含むサブライブラリーLのフォー マットを以下に示す(左欄「L」には元の配列を記載)。 元のIL-6受容体配列から、特定のアミノ酸配列内の対応する位置に同一の構成 単位のタイプを用い、上記フォーマットと同様のフォーマットを使用して他の1 1個のサブライブラリーを合成した。このように、ライブラリーには、各々10 個のバックボーン環化類似体を有する12個のサブライブラリーが含まれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ギロン,チャイム イスラエル国 96755 エルサレム ゲル バー ストリート 18

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.複数のバックボーン環化ペプチド類似体を含んでなる化合物のライブラリー であって、各化合物がアミノ酸のNα−誘導体からなる少なくとも1個の構成単 位をもつペプチド配列を含み、ここで各ペプチド配列中の少なくとも1個のバッ クボーン窒素が、ジスルフィド、アミド、チオエーテル、チオエステル、イミン 、エーテル、またはアルケン橋を含む架橋基により、該ペプチド配列中の少なく とも1個の他のアミノ酸の側鎖に、または該ペプチド配列中の少なくとも1個の 他のバックボーン窒素に結合してバックボーン環化ペプチド類似体を形成してい ることを特徴とするライブラリー。 2.少なくとも1個の前記構成単位がペプチド配列の末端以外の位置にある、請 求項1に記載のライブラリー。 3.前記構成単位のどれもがペプチド配列の末端に存在しない、請求項1に記載 のライブラリー。 4.前記ペプチド配列中の少なくとも1対のバックボーン窒素が一緒に結合して 一般式(I): 〔式中、d、eおよびf はそれぞれが独立に0または1〜10の整数を表し;各{ AA}は1個のアミノ酸残基またはペプチド結合を介して一緒に結合された複数の アミノ酸の残基を表し、ここで各{AA}は同一でも異なっていてもよく;QはHま たはアシル基を表し;Eはヒドロキシル基、カルボキシル保護基もしくはアミノ 基、またはカルボキシ末端基CO-Eであり、ここでCOは{AA}の一部で、CH2-OHま たはCHOに還元することができ;RおよびR'はそれぞれが独立に水素または特定の 保護基と結合していてもよいアミノ酸側鎖であり;そして線は式: (i)-X-M-Y-W-Z-;または(ii)-X-M-Z- (ここで、MおよびWはそれぞれが独立にジスルフィド、アミド、チオエーテル 、チオエステル、イミン、エーテル、およびアルケンよりなる群から選択され; そしてX、YおよびZはそれぞれが独立にアルキレン、置換アルキレン、アリーレ ン、ホモ−またはヘテロ−シクロアルキレンおよび置換シクロアルキレンよりな る群から選択される)の架橋基を表す〕 を有するペプチド類似体を形成している、複数のバックボーン環化ペプチド類 似体を含んでなる、請求項1に記載のライブラリー。 5.-X-M-Y-W-Z- が -(CH2)x-M-(CH2)y-W-(CH2)z- であり、ここでMおよびWは上 記定義通りであり、xおよびzはそれぞれが独立に1〜10の整数を表し、yは0ま たは1〜8の整数であるが、ただし、yが0であるときWは存在しない、請求項4 に記載のライブラリー。 6.前記ペプチド類似体のバックボーンがアミノ酸の側鎖に対して環化して一般 式(II): 〔式中、d、eおよびfはそれぞれが独立に0または1〜10の整数を表し;各{A A}は1個のアミノ酸残基またはペプチド結合を介して一緒に結合された複数の アミノ酸の残基を表し、ここで各{AA}は同一でも異なっていてもよく;Eはヒ ドロキシル基、カルボキシル保護基もしくはアミノ基、またはCO-Eを表し、ここ でCOは{AA}の一部で、CH2-OHに還元することができ;Rは特定の保護基と結合 していてもよいアミノ酸側鎖であり;そして線は式: (i)-X-M-Y-W-Z- ;または(ii)-X-M-Z- (ここで、MおよびWはそれぞれが独立にジスルフィド、アミド、チオエーテル 、チオエステル、イミン、エーテル、およびアルケンよりなる群から選択され; そしてX、YおよびZはそれぞれが独立にアルキレン、置換アルキレン、アリーレ ン、シクロアルキレンおよび置換シクロアルキレンよりなる群から選択される) の架橋基を表す〕のペプチド類似体を形成している、複数のバック ボーン環化ペプチド類似体を含んでなる、請求項1に記載のライブラリー。 7.-X-M-Y-W-Z- が -(CH2)x-M-(CH2)y-W-(CH2)z- であり、ここでMおよびWは上 記定義通りであり、xおよびzはそれぞれが独立に1〜10の整数を表し、yは0ま たは1〜8の整数であるが、ただし、yが0であるときWは存在しない、請求項6 に記載のライブラリー。 8.複数のバックボーン環化二環式ペプチド類似体を含んでなり、ここで各ペプ チド類似体はアミノ酸のNα−誘導体からなる構成単位を複数個含んでいる、請 求項1に記載のライブラリー。 9.前記二環式ペプチド類似体のそれぞれが式(III): 〔式中、aおよびbはそれぞれが独立に1〜8の整数または0を表し;d、eおよ びfはそれぞれが独立に1〜10の整数または0を表し;{AA}はアミノ酸残基 -H N-CH(R)-CO-を表し、ここでRは特定の保護基と結合していてもよいアミノ酸側鎖 であり、各鎖中の該アミノ酸残基は同一でも異なっていてもよく;QはHまたはア シル基を表し;Eはヒドロキシル基、カルボキシル保護基もしくはアミノ基、ま たはカルボキシ末端基CO-Eを表し、ここでCOは{AA}の一部で、CH2-OHまたはCH Oに還元することができ;BUは式(IV): (ここで、Xはアルキレン、置換アルキレン、アリーレン、シクロアルキレン および置換シクロアルキレンよりなる群から選択されるスペーサー基であり;R' は特定の保護基と結合していてもよいアミノ酸側鎖であり;そしてGはアミン、 チオール、アルコール、カルボン酸およびエステル、およびアルキルハライドよ りなる群から選択される官能基である)のNα−ω−官能化アミノ酸誘導体を表 し;該アミノ酸誘導体はペプチド配列に組み込まれ、続いて官能基Gを介して該 ペプチド配列中のアミノ酸の側鎖の1と共にまたは別のω−官能化アミノ酸誘導 体と共に選択的に環化され;そして線は式: (i)-X-M-Y-W-Z- ;または(ii)-X-M-Z- (ここで、線の一方はなくてもよく;MおよびWはそれぞれが独立にジスルフィ ド、アミド、チオエーテル、チオエステル、イミン、エーテル、およびアルケン よりなる群から選択され;そしてX、YおよびZはそれぞれが独立にアルキレン、 置換アルキレン、アリーレン、シクロアルキレンおよび置換シクロアルキレンよ りなる群から選択される)の架橋基を表す〕を有する、複数のバックボーン環化 二環式ペプチド類似体を含んでなる、請求項8に記載のライブラリー。 10.前記ライブラリーが4以上のメンバーを含み、少なくとも一部の前記ペプチ ド類似体がブラジキニン類似体、サブスタンスP類似体、BPI類似体、ソマト スタチン類似体、またはインターロイキン−6阻害性ペプチド類似体である、請 求項4、6または8に記載のライブラリー。 11.それぞれが複数の関連したペプチド類似体を含む2以上のサブライブラリー からなる、請求項1、4、6または8に記載のライブラリー。 12.複数のバックボーン環化ペプチド類似体を含んでなる化合物のライブラリー を調製する方法であって、ここで各化合物はアミノ酸のNα−誘導体からなる少 なくとも1個の構成単位をもつペプチド配列を含み、各ペプチド配列中の少なく とも1個のバックボーン窒素は、ジスルフィド、アミド、チオエーテル、チオエ ステル、イミン、エーテル、またはアルケン橋を含む架橋基により、該ペプチド 配列中の少なくとも1個の他のアミノ酸の側鎖に、または該ペプチド配列中の少 なくとも1個の他のバックボーン窒素に結合してバックボーン環化 ペプチド類似体を形成しており、 アミノ酸および結合された窒素原子を含む複数の構成単位を有するペプチド 配列を調製し、 各ペプチド配列に式(IV): (ここで、Xはアルキレン、置換アルキレン、アリーレン、シクロアルキレン および置換シクロアルキレンよりなる群から選択されるスペーサー基であり;R' は特定の保護基と結合していてもよいアミノ酸側鎖であり;そしてGはアミン、 チオール、アルコール、カルボン酸およびエステル、アルデヒド、およびアルキ ルハライドよりなる群から選択される官能基である)のNα−ω−官能化アミノ 酸誘導体の少なくとも1個を導入し、官能基Gを別のω−官能化アミノ酸誘導体 と共にまたは該ペプチド配列中のアミノ酸の側鎖の1つと共に選択的に環化する ことによりバックボーン環化ペプチド類似体を形成させる、各工程を含んでなる 方法。 13.一般式(I): 〔式中、d、eおよびfはそれぞれが独立に0または1〜10の整数を表し;各{A A}はアミノ酸残基を表し、ここで各鎖中の該アミノ酸残基は同一でも異なって いてもよく;E はヒドロキシル基、カルボキシル保護基もしくはアミノ基、また はカルボキシ末端基CO-Eを表し、ここでCOは{AA}の一部で、CH2-OHに還元する ことができ;RおよびR'はそれぞれが独立に特定の保護基と結合してい てもよいアミノ酸側鎖を表し;そして線は式: (i)-X-M-Y-W-Z- ;または(ii)-X-M-Z- (ここで、一方の線はなくてもよく;MおよびWはそれぞれが独立にジスルフィ ド、アミド、チオエーテル、チオエステル、イミン、エーテル、およびアルケン よりなる群から選択され;そしてX、YおよびZはそれぞれが独立にアルキレン、 置換アルキレン、アリーレン、ホモ−またはヘテロ−シクロアルキレンおよび置 換シクロアルキレンよりなる群から選択される)の架橋基を表す〕を有する、多 数のバックボーン環化ペプチド類似体のライブラリーを調製するために、 アミノ酸および結合された窒素原子を含む複数の構成単位を有するペプチド 配列を調製し、 各ペプチド配列に式(IV): (ここで、Xはアルキレン、置換アルキレン、アリーレン、シクロアルキレン および置換シクロアルキレンよりなる群から選択されるスペーサー基であり;R' は特定の保護基と結合していてもよいアミノ酸側鎖であり;そしてGはアミン、 チオール、アルコール、カルボン酸およびエステル、アルデヒド、およびアルキ ルハライドよりなる群から選択される官能基である)のNα−ω−官能化アミノ 酸誘導体の少なくとも1個を導入し、官能基Gを別のω−官能化アミノ酸誘導体 と共に選択的に環化することによりバックボーン環化ペプチド類似体を形成させ る、各工程を含んでなる、請求項12に記載の方法。 14.Gがアミン、チオール、またはカルボキシル基である、請求項13に記載の方 法。 15.一般式(II): 〔式中、d、eおよびfはそれぞれが独立に1〜10の整数を表し;{AA}はアミ ノ酸残基を表し、ここで各鎖中の該アミノ酸残基は同一でも異なっていてもよく ;Eはヒドロキシル基、カルボキシル保護基もしくはアミノ基、またはCO-Eであ り、ここでCOは{AA}の一部で、CH2-OHに還元することができ;Rは特定の保護 基と結合していてもよいアミノ酸側鎖であり;そして線は式: (i)-X-M-Y-W-Z- ;または(ii)-X-M-Z- (ここで、MおよびWはそれぞれが独立にジスルフィド、アミド、チオエーテル 、チオエステル、イミン、エーテル、およびアルケンよりなる群から選択され; そしてX、YおよびZはそれぞれが独立にアルキレン、置換アルキレン、アリーレ ン、ホモ−またはヘテロ−シクロアルキレンおよび置換シクロアルキレンよりな る群から選択される)の架橋基を表す〕を有する、多数のバックボーン環化ペプ チド類似体のライブラリーを調製するために、 アミノ酸および結合された窒素原子を含む複数の構成単位を有するペプチド 配列を調製し、 各ペプチド配列に式(IV): (ここで、Xはアルキレン、置換アルキレン、アリーレン、シクロアルキレン および置換シクロアルキレンよりなる群から選択されるスペーサー基であり;R' はアミノ酸の側鎖であり;そしてGはアミン、チオール、アルコール、カルボン 酸およびエステル、およびアルキルハライドよりなる群から選択される官 能基である)のω−官能化アミノ酸誘導体の少なくとも1個を導入し、官能基G を該ペプチド配列中のアミノ酸の側鎖の1つと共に選択的に環化することにより バックボーン環化ペプチド類似体を形成させる、各工程を含んでなる、請求項12 に記載の方法。 16.Gがカルボキシル基またはチオール基である、請求項15に記載の方法。 17.RがCH3-、(CH3)2CH-、(CH3)2CHCH2-、CH3CH2CH(CH3)-、CH3S(CH2)2-、HOCH2 -、CH3CH(OH)-、HSCH2-、NH2C(=O)CH2-、NH2C(=O)(CH2)2-、NH2(CH2)3-、HOC(=O )CH2-、HOC(=O)(CH2)2-、NH2(CH2)4-、C(NH2)2NH(CH2)3-、HO-フェニル-CH2-、 ベンジル、メチルインドール、またはメチルイミダゾールである、請求項13また は15に記載の方法。 18.ライブラリーが複数のバックボーン環化二環式ペプチド類似体を含んでなり 、各ペプチド類似体がアミノ酸のNα−誘導体からなる構成単位を複数個含む、 請求項12に記載の方法。 19.一般式(III): 〔式中、d、eおよびfはそれぞれが独立に1〜10の整数を表し;{AA}はアミ ノ酸残基を表し、ここで各鎖中の該アミノ酸残基は同一でも異なっていてもよく ;;Eはヒドロキシル基、カルボキシル保護基もしくはアミノ基、またはカルボ キシ末端基CO-Eを表し、ここでCOは{AA}の一部で、CH2-OHに還元することがで き;そして線は式: (i)-X-M-Y-W-Z-;または(ii)-X-M-Z- (ここで、1つの線は存在しなくてもよく、MおよびWはそれぞれが独立にジス ルフィド、アミド、チオエーテル、チオエステル、イミン、エーテル、およ びアルケンよりなる群から選択され;そしてX、YおよびZはそれぞれが独立にア ルキレン、置換アルキレン、アリーレン、ホモ−またはヘテロ−シクロアルキレ ンおよび置換シクロアルキレンよりなる群から選択される)の架橋基を表す〕を 有する、多数のバックボーン環化二環式ペプチド類似体のライブラリーを調製す るために、 複数のアミノ酸を有するペプチド配列を調製し、 各ペプチド配列に式(IV): (ここで、Xはアルキレン、置換アルキレン、アリーレン、シクロアルキレン および置換シクロアルキレンよりなる群から選択されるスペーサー基であり;R' は特定の保護基と結合していてもよいアミノ酸側鎖であり;そしてGはアミン、 チオール、アルコール、カルボン酸およびエステル、アルデヒド、およびアルキ ルハライドよりなる群から選択される官能基である)のω−官能化アミノ酸誘導 体の少なくとも1個を導入し、官能基Gを別のω−官能化アミノ酸誘導体と共に または該ペプチド配列中のアミノ酸の側鎖の1つと共に選択的に環化することに よりバックボーン環化ペプチド類似体を形成させ、続いて、-第2官能基Gをさら に別のω−官能化アミノ酸誘導体と共にまたは該ペプチド配列中のアミノ酸の側 鎖の1つと共に環化することによりバックボーン環化二環式ペプチド類似体を形 成させる、各工程を含んでなる、請求項18に記載の方法。 20.前記ペプチド配列が不溶性のポリマー支持体に共有結合でカップリングされ た状態で提供される、請求項13、15または18に記載の方法。 21.活性ペプチド類似体をスクリーニングする方法であって、 (a) 請求項12に従って化合物のライブラリーを作製し、ここで該ライブラリ ーのメンバーは次の点:(i)環化される残基の線状ペプチド配列内の位置、 (ii)これら残基間の架橋の長さ、(iii)これら残基間の架橋の方向、および(iv) これら残基間の架橋の結合のタイプ、の少なくとも1つにおいて異なっており、 (b)該ライブラリーのメンバーを生物学的活性に関して試験し、そして (c)該ライブラリーの活性メンバーを同定する、 ことを含んでなる方法。 22.前記ライブラリーのメンバーがソマトスタチン活性に関して試験される、請 求項21に記載の方法。 23.ソマトスタチン活性がソマトスタチン受容体と結合する該メンバーの能力を 調べることにより測定される、請求項22に記載の方法。 24.環化される残基の線状ペプチド配列内の位置が天然ソマトスタチンの6位と 11位に相当する、請求項22に記載の方法。 25.請求項1、4、6または8に記載の少なくとも4つのバックボーン環化ペプ チド類似体のライブラリーを作製し、そしてブラジキニン・アゴニストもしくは アンタゴニスト、サブスタンスP類似体、BPI類似体、ソマトスタチン・アゴ ニストもしくはアンタゴニスト、またはインターロイキン−6阻害性ペプチド類 似体としての活性に関して該類似体をスクリーニングすることを含んでなる、化 合物のスクリーニング方法。
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