JP2004511424A - テンプレートを固定したβヘアピンループ類似物の合成 - Google Patents

テンプレートを固定したβヘアピンループ類似物の合成 Download PDF

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Abstract

構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)の1つに対応するテンプレートおよび4〜20個のαアミノ酸残基(そのα炭素原子が不斉であれば、L配置を有する)のテンプレートを固定した鎖を含んでなる、テンプレートを固定したβヘアピンループ類似物を、固相および液相合成の混合した手順に基づいて製造することができる。もし所望であれば、この方法を改変してこれらのテンプレートを固定したβヘアピンループ類似物のエナンチオマーを得ることができる。これらのエナンチオマーは新規の化合物であり、前記テンプレートを固定したβヘアピンループ類似物の多くもそれら自身が新規化合物である。テンプレートを固定したβヘアピンループ類似物およびそれらのエナンチオマーはタンパク質の平滑な表面を模倣し、従って、タンパク質−タンパク質相互作用をプローブするために利用される。それ故に、これらは小分子量リード化合物を発見するのが困難な場合にタンパク質標的に対するリード発見ツールとしての役割を果たしうる。

Description

【0001】
本発明は、一般式
Figure 2004511424
[式中、Zは、もしそのα炭素原子が不斉であればL配置であるn個のαアミノ酸残基の鎖であって、ここでnは4〜20の整数であり、鎖中のアミノ酸残基はN末端アミノ酸から出発して数え;
Figure 2004511424
は、式
Figure 2004511424
(式中、Rは水素または保護されたアミノ基であり;
は水素または式CH−COOR10の基であり;
はアミノ保護基であり;
は低級アルキルまたはアリール−低級アルキルであり;
は低級アルキル、低級アルコキシまたはアリールであり;
は水素、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール、BrまたはNOであり;
は水素、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール、BrまたはNOであり;
は低級アルキル、置換低級アルキルまたはアリール−低級アルキルであり;
は低級アルキル、置換低級アルキルまたはアリール−低級アルキルであり;そして
10は水素、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール、アリール−低級アルキル、アロイル低級アルキルまたはアリルである)の基の1つである]のテンプレートを固定したβヘアピンループ類似物およびそれらの塩を合成するための信頼のおける方法に関する。
【0002】
この方法は、固相および液相合成の混合した手順に基づくものであって、
(a) 適当に官能化した固体支持体を、所望の目的生成物中のもしnが偶数であれば(n/2)、(n/2)+1または(n/2)−1の位置に、そしてもしnが奇数であれば(n/2)+(1/2)または(n/2)−(1/2)の位置に、それぞれ、存在するアミノ酸の適当にN保護された誘導体(ここで、N保護されたアミノ酸誘導体に存在しうるいずれの官能基も同様に適当に保護されている)とカップリングさせ;
(b) このようにして得た生成物からN保護基を外し;
(c) このようにして得た生成物を、所望の目的生成物中のN末端アミノ酸残基に一位置だけ近いアミノ酸の適当にN保護された誘導体(ここで、N保護されたアミノ酸誘導体に存在しうるいずれの官能基も同様に適当に保護されている)とカップリングさせ;
(d) このようにして得た生成物からN保護基を外し;
(e) N末端アミノ酸残基が導入されるまで、もし必要であれば、工程(c)および(d)を繰り返し;
(f) このようにして得た生成物を、一般式
Figure 2004511424
(式中、
Figure 2004511424
は上に定義したとおりでありかつXはN保護基である)の化合物とカップリングさせるか、または、もし
Figure 2004511424
が前記の基(a)であれば、代わりに、
(fa) 工程(d)もしくは(e)で得た生成物を、一般式III
Figure 2004511424
(式中、RおよびXは上に定義したとおりである)の化合物とカップリングさせ;
(fb) このようにして得た生成物からN保護基を外し;そして
(fc) このようにして得た生成物を適当にN保護されたD−プロリンの誘導体とカップリングさせ;
(g) 工程(f)または(fc)で得た生成物からN保護基を外し;
(h) このようにして得た生成物を、所望の目的生成物中の位置nにあるアミノ酸の適当にN保護された誘導体(ここで、N保護されたアミノ酸誘導体に存在しうるいずれの官能基も同様に適当に保護されている)とカップリングさせ;
(i) このようにして得た生成物からN保護基を外し;
(j) このようにして得た生成物を、所望の目的生成物中の位置nから一位置だけ遠去かるアミノ酸の適当にN保護された誘導体(ここで、N保護されたアミノ酸誘導体に存在しうるいずれの官能基も同様に適当に保護されている)とカップリングさせ;
(k) このようにして得た生成物からN保護基を外し;
(l) 全てのアミノ酸残基が導入されるまで、もし必要であれば、工程(j)および(k)を繰り返し;
(m) このようにして得た生成物を固体支持体から脱離し;
(n) 固体支持体から切断した生成物を環化し;
(o) アミノ酸残基の鎖のいずれのメンバーの官能基に存在するいずれの保護基および、もし所望であれば、分子中にさらに存在するいずれの保護基も外し、そして
(p) もし所望であれば、このようにして得た生成物を塩に転化するかまたはこのようにして得た塩を式Iの対応する遊離化合物または異なる塩に転化することを含んでなる。
【0003】
本発明の方法は、パラレルアレイ合成として実施し、前記一般式Iのテンプレートを固定したβヘアピンループ類似物(mimetic)のライブラリーを有利に得ることができる。そのようなパラレル合成により、多数(通常は24〜192個、典型的には96個)の一般式Iの環状のテンプレートを固定したペプチドのアレイを、高収率かつ規定した純度で得て、二量体および多量体の副生成物の生成を最小化することができる。その際、官能化した固体支持体(すなわち、固体支持体+リンカー分子)、テンプレートおよび環化部位の適当な選択が重要な役割を果たす。
【0004】
式Iのβヘアピンループ類似物はタンパク質の平滑な表面を模倣するので、大きな表面のタンパク質−タンパク質相互作用をプローブするために使うことができる。これらは、小分子量リード化合物を発見するのが難しいとされるタンパク質標的に対するリード発見ツールとして役立ちうる。一般式Iのβヘアピンループ類似物の構築様式は構造およびコンフォメーションがよく規定されているので、キーアミノ酸残基またはモチーフをコンフォメーション的にロックした配置で組みこむことができる。これらのキーアミノ酸残基またはモチーフをβヘアピン構造に沿って移動することにより、様々なコンフォメーションをスキャンすることができる(キー配列のコンフォメーション走査)。あるいは、βヘアピンループモチーフを検出する目的で、タンパク質配列をマッピングしてもよい。
【0005】
総括すると、この技術は、大表面かつ平滑なタンパク質界面における結合にとって重要であるキーアミノ酸およびモチーフ(ホットスポット)を、その配列だけでなくその空間配置において、迅速に確認することを可能にする。この情報は最終的には小ペプチドミメチック薬物候補の設計に利用することができる(Cunningham,B.C.; Wells,J.A. Curr. Opin. Struct. Biol. 1997, 7,457;Obrecht,D.; Altorfer,M.; Robinson,J.A. Adv. Med. Chem. Vol.4,1−68, JAI Press Inc., 1999)。
【0006】
ゲノム科学の著しい進歩により、純粋な形態で構造および機能的研究に利用し得る生物学的に重要なタンパク質(例えば、受容体、酵素、転写制御因子、リガンド、モジュレーター、シャペロン)の数が増えている。新規の生物学的標的のこの急激な増加はまた、製薬上および農芸化学上のスクリーニングをするための新しい有機分子の供給源ならびにさらに効率的なスクリーニング技術の必要性を生じさせている。近年、コンビナトリアルおよびパラレル化学が登場して新規化合物の新しいファミリーに対する需要の増加を満たしている(Obrecht,D.; Villalgordo,J.−M,「小分子量化合物ライブラリーの固体支持コンビナトリアルおよびパラレル合成(Solid−Supported Combinatorial and Parallel Synthesis of Small−Molecular−Weight Compound Libraries)」, Tetrahedron Organic Chemistry Series, Vol.17, Pergamon, Elsevier Science, 1998)。
【0007】
小分子量化合物(MG<550)の一般的スクリーニングにより、良く定義された結合部位とクレフトをもつ酵素および受容体などの標的に対するリード化合物を作製することに成功してきたが、この技術は、リガンド結合が対応する受容体との大表面タンパク質−タンパク質相互作用に関わるときには、どちらかといえば不十分な結果を与える。しかし、これらの標的の生物学上および製薬上の重要性は増加しており、これらのリガンド、受容体およびさらにそれらの対応する受容体と結合したリガンドのX線構造を多数利用できる。これらは、例えば、血小板由来成長因子(PGDF)[Oefner,C; D’Arci,A.; Winkler,F.K.; Eggimann,B.; Hosang,M. EMBO J. 1992, 11,3921]、神経成長因子(NGF)[Ibanez,C.F.; Ebendahl,T.; Barbany,G.; Murray−Rust,J.; Blundell,T.; Perron,H. Cell, 1992, 69,320−341]、上皮成長因子(EGF) [Biochemistry 1992, 31,236]、塩基性繊維芽細胞成長因子(b−FGF) [Biochemistry 1996, 35,2086]、トランスフォーミング成長因子βII(TGF βII) [Schlunegger & Grutter, J. Mol. Biol.1993, 231,445]、血管内皮成長因子(VEGF) [Muller et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 1997, 94,7192]などの成長因子ファミリーのメンバー、およびインターロイキン、腫瘍壊死因子(TNFαおよびβ) [Banner,D.W.; D’Arci,A.; Janes,W.; Gentz,R.; Schonfeld,H.J.; Broger,C.; Lotscher.H.; Lesslauer,W. Cell, 1993, 73,431−445]などのサイトカインファミリーのメンバーが挙げられる。さらに、RANTES、MCP−1−4、エオタキシンその他などのCCファミリーを含むケモカイン[Tarby,C. M.; Saunders,J. Drug Discovery Today 1999, 4,80−92; Ponath,P.D. Exp. Opin. Invest. Drugs 1998, 7,1−16]、およびGROα−γ、インターロイキン8(Il 8)その他などのCXCファミリーのメンバーが複数の炎症病理におけるキーメディエーターとして登場している。さらに、インテグリン[Obrecht,D.; Altorfer,M.; Robinson,J.A. Adv. Med. Chem. Vol.4,1−68, JAI Press Inc., 1999]は細胞接着、遊走および増殖に重要な役割を果たす。全てのこれらのタンパク質リガンドは、1つまたは複数の大表面相互作用に関わるそれらの対応する受容体と結合する。さらに、X線結晶学および位置指定突然変異研究は、これら相互作用のキーである表面βヘアピンループモチーフの重要性を強調している。
【0008】
大表面タンパク質界面の解剖学的構造が最近分析され、典型的な平均接触表面積は600−900Åであることが確認された。結合の自由エネルギーは界面を横切って均一に分布しているのでなく;その代わりに、二量体界面の残基の小サブセットから成る結合エネルギーのホットスポットが存在する。これらのホットスポットはトリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)およびアルギニン(Arg)の濃度が高く、かつ恐らくホットスポットから溶媒を閉め出す役割を果たすと思われるエネルギー的に重要性の低い残基によって囲まれている[Bogan,A.A.; Thorn,K.S. J. Mol. Biol. 1998, 280,1−9]。溶媒の閉め出しは高度なエネルギー相互作用の必要条件であると考えられる。結合相互作用を可能にする2つの相反するβシート表面(例えば、疎水性と親水性表面)を提供するβヘアピンループモチーフは、これらの表面相互作用に対する判定基準に理想的に適合する。
【0009】
βヘアピンモチーフは天然に非常に豊富に存在し、多くのタンパク質リガンドの表面上および抗体の超可変部に存在する。βヘアピンモチーフは、短いループまたはターンにより連結された2つの逆平行のβ鎖から構成され水素結合ネットワークによって分類されている[Sibanda,B.L.; Blundell,T.L.; Thornton,J.M. J. Mol. Biol. 1989, 206,759−777]。一例は、とりわけ、抗体の抗原結合部位に見られ[Padlan,E.A. Mol. Immunol. 1994, 31,169−217]、重および軽可変部(VおよびV)からそれぞれ3つづつ、合計6つのいわゆる超可変ループまたは相補性決定領域(CDR)に位置するアミノ酸残基により構成される。Igファミリーの抗体の6つのCDRループのうち、4つは隣接する逆平行βシートを接続するβヘアピンとして分類され、2つはVドメイン由来、LおよびLであり、2つはVドメイン由来、HおよびHである。最近の評価は、L、L、L、HおよびH超可変部の大部分は、18の異なる正準コンフォメーション(canonical conformation)の1つに分類しうることを示唆する[Chothia,C.; Lesk,A.; Gherardi,E.; Tomlinson,I.M.; Walter,G.; Marks,J.G.; Llewelyn,M.B.; Winter,G. J. Mol. Biol. 1992, 227,799−817;Martin,A.C.; Thornton,J.M. J. Mol. Biol. 1996, 263,800−815;Al−Lazikani,B.; Lesk,A.; Chothia,C. J. Mol. Biol. 1997, 273,927−948]。
【0010】
本発明は、様々な天然のβヘアピンコンフォメーション、特に成長因子、サイトカインおよびケモカイン、インテグリンならびに抗体に存在するβヘアピンコンフォメーションを模倣する、テンプレートに固定した一般式Iの環状ペプチドを合成するための信頼性のある方法を提供する(例えば、実施例1の図を参照)。上記の式(a)から(h)までに対応するテンプレート構造は、βヘアピンに存在する水素結合ネットワークを安定化することが示されている[例えば(a)については: Spaethら, Helv. Chim. Acta 1998,81,1726; Favre,M.; Moehle,K.; Jiang,L.; Pfeiffer,B.; Robinson,J.A. J. Am. Chem. Soc. 1999,121,2679−2685;例えば(b)については: Emeryら, J. Chem. Soc. Chem. Comm. 1996,2155; Bisangら, J. Am. Chem. Soc.1998, 120,7439;例えば(c)については: Pfeifer,M. J. Chem. Soc. Chem. Commun. 1998,1977;例えば(d)については: Pfeiferら, Helv. Chim. Acta 1997,80,1513;例えば(e)については: Beeliら, Helv. Chim. Acta 1996,79,2235;および(f)と類似体については: Muller,K.; Obrecht,D.; Knierzinger,A.; Stankovic,C; Spiegler,C.; Trzeciak,A.; Englert,G.; Labhardt,A.M.; Schonholzer,P. Perspectives in Medicinal Chemistry ; Testa,B., Kyburz,E., Fuhrer,W., Gyger,R.,編; Verlag Helv. Chim. Acta: Basel, 1993; pp 513−531);(g)および(h)と類似体については: Muller,K.; Obrecht,D.; Knierzinger,A.; Spiegler,C.; Bannwarth,W.; Trzeciak,A.; Englert,G.; Labhardt,A.; Schonholzer,P. Perspectives in Medicinal Chemistry, 編者Testa, B.; Kyburz,E.; Fuhrer,W.; Giger,R., Weinheim, New York, Basel, Cambridge: Verlag Helvetica Chimica Acta,1993,513−531; Bannwarth,W.; Gerber,F.; Grieder,A.; Knierzinger,A.; Muller,K.; Obrecht.D.; Trzeciak,A. カナダ特許出願、CA2101599]。
【0011】
以上述べたように、本発明の方法は固相および液相合成の混合した手法の利点を有し、例えば24〜192個、好ましくは96個のパラレルアレイ中で反応を実施することが可能であり、テンプレートに固定した一般式Iの環状ペプチドを高収率かつスクリーニングにすぐ使いうる規定した純度で提供して、スクリーニング過程で偽陽性のヒットを与えがちな二量体および多量体不純物の量を最小化する。このプロセスは、既に記載されているBannwarth,W.; Gerber,F.; Grieder,A.; Knierzinger,A.; Muller,K.; Obrecht.D.; Trzeciak,A. カナダ特許出願、CA2101599による環状ペプチドの合成に対して明らかに優れている。樹脂ならびに充填容量、リンカー分子、テンプレートおよび環化部位の適当な選択は、βヘアピンループ類似物の高収率および信頼しうる純度を得るために重要である。その際、テンプレートは最終生成物のコンフォメーションを安定化するだけでなく、恐らくβヘアピン型水素結合誘導によってモノマーの環化速度を著しく増強する。
【0012】
一般式Iの様々なβヘアピンループ類似物は構築様式がよく規定されているので、βヘアピン主鎖に沿って配列を移動することにより、キーアミノ酸残基とモチーフを、様々なコンフォメーションにロックすることができる(「生物学的活性配列のコンフォメーション走査」)。あるいは、βヘアピンコンフォメーションを検出するために、この手法を用いてタンパク質配列をマッピングしてもよい。このように、このβヘアピン類似物手法は、三次元配置のタンパク質界面における高エネルギー相互作用のホットスポットを検出する技術を提供する。この情報は最終的には小ペプチドミメチック分子の設計に利用しうるであろう。
【0013】
本明細書に使用される用語「低級アルキル」は、単独にまたは「アリール−低級アルキル」のように組合せて使用され、7個まで、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどのような4個までの炭素原子をもつ直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素残基を包含する。用語「低級アルコキシ」は、上に記載の用語「低級アルキル」の意味におけるアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、n−ブトキシなどを包含する。用語「アリール」はフェニル残基および置換フェニル残基、特に、置換基としてまず考えられる低級アルキルまたは低級アルコキシ基またはハロゲン原子により単または二置換されたフェニル残基を包含する。用語「ハロゲン」は、特に断らない限り、4つの種類、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。用語「アシル」は脂肪族および芳香族カルボン酸の残基を包含し、先ず一方では、アセチル、プロピオニル、ブチリルなどであって、例えばカルボキシまたは低級アルコキシカルボニルにより置換されて例えば4−カルボキシブチル、4−メトキシカルボニルブチリルであってもよい低級アルカノイル基、ならびに、他方では、ベンゾイル基および置換ベンゾイル基、特に、まず置換基として考えられる低級アルキルまたはアルコキシ基またはハロゲン原子による単または二置換ベンゾイル基などのアロイル基を包含する。用語「置換低級アルキル」は、フタルイミドメチル、メトキシメチル、メトキシエチルなどのような、保護されたアミノ、低級アルコキシ、COOR10(R10は上記のとおりである)、カルボキサミドまたはN−低級アルキルカルボキサミドにより置換された低級アルキル基を包含する。用語「保護されたアミノ」は、一方ではフタルイミド(”Pt”)などの残基、そして他方では式−NH−R11[式中、R11はベンジルオキシカルボニル(”Z”)、tert−ブチルオキシカルボニル(”Boc”)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(”Fmoc”)、アリルオキシカルボニル(”Alloc”)、トリメチルシリルエトキシカルボニル(”Teoc”)、トリクロロエトキシカルボニル(”Tcc”)、o−ニトロフェニルスルホニル(”Nps”)などのいずれの適当なN保護基を意味してもよい]の残基を包含する。
【0014】
アミノ酸残基としては、まず天然のαアミノ酸から誘導されるものが考えられる。以下に、本発明の目的に適当であるアミノ酸またはその残基の表を掲げるが、省略語は一般的に採用されている通常の使用に対応する。
【0015】
Ala A L−アラニン
Arg R L−アルギニン
Asn N L−アスパラギン
Asp D L−アスパラギン酸
Cys C L−システイン
Glu E L−グルタミン酸
Gln Q L−グルタミン
Gly G グリシン
His H L−ヒスチジン
Ile I L−イソロイシン
Leu L L−ロイシン
Lys K L−リシン
Met M L−メチオニン
Phe F L−フェニルアラニン
Pro P L−プロリン
Ser S L−セリン
Thr T L−トレオニン
Trp W L−トリプトファン
Tyr Y L−チロシン
Val V L−バリン。
【0016】
本発明の目的に適当な他のαアミノ酸またはその残基としては次のものが挙げられる。
【0017】
al L−3−シクロブチルアラニン
al L−3−シクロペンチルアラニン
a1 L−3−シクロヘキシルアラニン
aIle L−アロイソロイシン
Nal L−3−(1−ナフチルアラニン)
Nle L−ノルロイシン
Nva L−ノルバリン
Orn L−オルニチン
Orn(CHO) N−ホルミル−L−オルニチン
L−Phg L−フェニルグリシン
Tza L−3−(2−チアゾリル)アラニン。
【0018】
上記の一般式IIIの化合物、すなわち上記の式(a)に対応するテンプレート構造の2つの構築ブロックのうちの1つは、L−プロリン(L−Pro、P)の誘導体であるが、これらの構築ブロックの第2はD−プロリン(D−Pro、P)残基であることは理解されるであろう。
【0019】
nの好ましい値、すなわち鎖Zに存在するアミノ酸残基の数は、一般的には4〜16である。nの特に好ましい値は、テンプレート構造が上記式(b)または(c)または(d)に対応する場合は6、10および14であり、その他のテンプレート構造、すなわち上記式(a)、(e)、(f)、(g)および(h)に対応する場合は4、5、6、8、12および16である。
【0020】
有利な場合には、鎖Zは、2、3、4、5、6、または場合によっては10個までのアミノ酸残基からなるキー配列から構成されるかまたはそれらを含有し、このとき該キー配列の2つの末端メンバーは「一定」(「k」)であるが、他のメンバーはいずれも、同じく「一定」であるかまたは全ての可能な組合せもしくは順列にて「可変」(「x」)である。2つの末端「一定」メンバーは同じでも異なってもよく、同様のことが全ての残りの「一定」および/または「可変」メンバーについても言える。
【0021】
特に適切な「一定」メンバー(「k」)は、Trp、Arg、Tyr、Ile、Asp、His、Lys、GluおよびThrであり、さらなる適切な「一定」メンバー(「k」)は、Gln、Phe、MetおよびSerであり、適切な「可変」メンバー(「x」)はAla、Orn、LeuおよびValである。
【0022】
2、3、4、5および6個のアミノ酸残基からなるキー配列は、模式的に以下のように記述できる:
ジペプチド
−k−k
トリペプチド
−k−k−k
−k−x−k
テトラペプチド
−k−k−k−k
−k−x−k−k
−k−k−x−k
−k−x−x−k
ペンタペプチド
−k−k−k−k−k
−k−x−k−k−k
−k−k−x−k−k
−k−k−k−x−k
−k−x−x−k−k
−k−k−x−x−k
−k−x−k−x−k
−k−x−x−x−k
ヘキサペプチド
−k−k−k−k−k−k
−k−x−k−k−k−k
−k−k−x−k−k−k
−k−k−k−x−k−k
−k−k−k−k−x−k
−k−x−x−k−k−k
−k−k−x−x−k−k
−k−k−k−x−x−k
−k−x−k−x−k−k
−k−k−x−k−x−k
−k−x−k−k−x−k
−k−x−x−x−k−k
−k−k−x−x−x−k
−k−x−k−x−x−k
−k−x−x−k−x−k
−k−x−x−x−x−k−。
【0023】
特定のキー配列が重要な生理学的活性ペプチドに見られることは公知であり、例えば次の例が挙げられる:
RGD  フィブロネクチン(FN)、ビトロネクチン(VN)、オステオポンチン、コラーゲン、トロンボスポンジン、フィブリノーゲン(Fg)、フォン・ビルブラント因子(vWF)に見られる。Obrecht,D.; Altorfer,M.; Robinson,J.A. Adv. Med. Chem. Vol.4,1−68, JAI Press Inc., 1999を参照。
【0024】
ELR  CXCケモカインに見られる。Saunders,J.; Tarby,C. M. Drug Discovery Today, 1999, 4,80−92を参照。
【0025】
RKK  J. Biol. Chem. 1999,274,3513を参照。
【0026】
KGF  Prot. Sci. 1998,7,1681−1690を参照。
【0027】
VRKK  [配列番号1]、血小板由来成長因子(PDGF)に見られる。Ross,R.; Raines,E.W.; Bowden−Pope,D.F. Cell, 1986,46,155−159を参照。
【0028】
KKYL  [配列番号2]、β−アミロイド神経毒性に対して神経保護的性質を示すVIP(血管作用性腸管ペプチド)に見られる。Proc. Natl. Am. Soc. USA 1999,96,4143−4148を参照。
【0029】
WLDV  [配列番号3]、インテグリンαβに見られる。Europ. J. Biol. 1996,242,352−362およびInt. J. Pept. Prot. Res. 1996,47,427−436を参照。
【0030】
YIRLP  [配列番号4]、Xa因子インヒビターに見られる。Al Obeidis,F.; Ostrem,J.A. Drug Discovery Today 1998,3,223−231を参照。
【0031】
YIGSR  [配列番号5]、ラミニンに含まれる、EMBO. J. 1984,3,1463を参照。
【0032】
IKVAV  [配列番号6]、Cell 1987, 88,989を参照。
【0033】
PPRXXW  [配列番号7]、J. Biol. Chem. 1998,273,11001−11006および11007−11011を参照。
【0034】
IYYKDGALKY  [配列番号8]、Biochem Soc. Trans. 1997,29,387−392を参照。
【0035】
所望であれば、本発明の方法を改変して一般式Iの化合物のエナンチオマーを得ることができる。このためには、不斉α炭素原子をもつ全てのアミノ酸をそれらのD形で使用し、構造(a)、(b)、(c)、(d)もしくは(e)に対応するテンプレートのエナンチオマー、または式(f)、(g)もしくは(h)に対応するテンプレートのエナンチオマーを工程(f)で用い、さらに、式IIIの化合物のエナンチオマーを工程(fa)で使用しかつL−プロリンの誘導体を工程(fc)でそれぞれ使用する。
【0036】
アミノ酸およびその残基に対するそれぞれの適当な保護基は、例えば、次の通りである;
−アミノ基(例えばリシンの側鎖にも存在する)に対して、
Z ベンジルオキシカルボニル
Boc tert−ブチルオキシカルボニル
Fmoc 9−フルオレニルメトキシカルボニル
Alloc アリルオキシカルボニル
Teoc トリメチルシリルエトキシカルボニル
Tcc トリクロロエトキシカルボニル
Nps o−ニトロフェニルスルホニル;
Tr トリフェニルメチルまたはトリチル、
−アルコール成分を用いたエステルへの転化による、カルボキシル基(例えば、アスパラギン酸およびグルタミン酸の側鎖にも存在する)に対して、
tBu tert−ブチル
Bn ベンジル
Me メチル
Ph フェニル
Pac  フェナシル
アリル
トリメチルシリルエチル
トリクロロエチル;
−グアニジノ基(例えば、アルギニンの側鎖に存在する)に対して、
Pmc 2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル
Ts トシル(すなわち、p−トルエンスルホニル)
Z ベンジルオキシカルボニル
Pbf ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル
−ヒドロキシ基(例えば、トレオニンおよびセリンの側鎖に存在する)に対して、
tBu tert−ブチル
Bn ベンジル
Tr トリチル
−メルカプト基(例えば、システインの側鎖に存在する)に対して、
tBu tert−ブチル
Bn ベンジル
Tr トリチル
Mtr 2−メトキシトリチル。
【0037】
官能化した固体支持体は、好ましくは1−5%のジビニルベンゼンを用いて架橋したポリスチレン;ポリエチレングリコールスペーサー(Tentagel)により被覆したポリスチレン;およびポリアクリルアミド樹脂から誘導するのが好都合である(Obrecht,D.; Villalgordo,J.−M,「小分子量化合物ライブラリーの固体支持型コンビナトリアルおよびパラレル合成(Solid Supported Combinatorial and Parallel Synthesis of Small−Molecular−Weight Compound Libraries)」, Tetrahedron Organic Chemistry Series, Vol.17, Pergamon, Elsevier Science, 1998、も参照)。
【0038】
固体支持体は、リンカー、すなわち、一端に固体支持体と結合するアンカー基をかつ他端に次の化学変換および切断過程で利用される選択的に切断しうる官能基を含有する二官能スペーサー分子を用いて官能化する。本発明の目的のためには、リンカーは様々なアミノ酸の側鎖のいずれの官能基に存在する保護基にも影響を与えない穏やかな酸性条件下で、最終的にカルボキシル基を放出するように設計しなければならない。本発明の目的に適当なリンカーは、アミノ酸のカルボキシル基と、酸易分解性のエステル、通常は酸易分解性のベンジル、ベンズヒドリルおよびトリチルエステルを形成する。この種のリンカー構造の例は、3−メトキシ−4−ヒドロキシメチルフェノキシ(Sasrinリンカー)、4−(2,4−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)−フェノキシ(Rinkリンカー)、4−(4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシ)酪酸(HMPBリンカー)、トリチルおよび2−クロロトリチルが挙げられる。
【0039】
本発明の方法をパラレルアレイ合成として実施すると、以下に記載のとおり有利に実施できるが、当業者であれば、上記の式Iのある単一の化合物を合成することが所望である場合、この方法をどう改変すべきかはすぐ明らかになるであろう。
【0040】
パラレル法により合成すべき化合物の総数と等しい数の反応容器(通常は24〜192個、典型的には96個)に、25〜1000mg、好ましくは100mgの適当な官能化した固体支持体、好ましくは1〜3%架橋ポリスチレンまたはテンタゲル樹脂を充填する。
【0041】
使用する溶媒は、樹脂を膨潤する能力がなければならず、限定されるものでないが、ジクロロメタン(DCM)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジオキサン、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、エタノール(EtOH)、トリフルオロエタノール(TFE)、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。極性溶媒を少なくとも1つ成分として含有する溶媒混合物(例えば、20%TFE/DCM、35%THF/NMP)が、樹脂結合ペプチド鎖の高い反応性および溶媒和を確保するために有利である(Fields,G.B., Fields,C.G., J. Am. Chem. Soc. 1991,113,4202− 4207)。
【0042】
穏やかな酸性条件下で、側鎖官能基を保護する酸易分解性基に影響を与えることなく、C末端カルボン酸基を放出する様々なリンカーの開発に伴って、保護ペプチド断片の合成において大きな進歩がなされた。2−メトキシ−4−ヒドロキシベンジルアルコールから誘導されるリンカー(Sasrin linker, Merglerら, Tetrahedron Lett. 1988,29 4005−4008)は希釈トリフルオロ酢酸(0.5−1% TFAを含むDCM)を用いて切断可能であり、ペプチド合成中のFmoc脱保護条件に対して安定であり、Boc/tBuに基づく追加の保護基がこの保護スキームに適合しうる。本発明のプロセスに適している他のリンカーには、ペプチドの除去に10%酢酸を含むDCMまたは0.2%トリフルオロ酢酸を含むDCMを必要とする、超酸易分解性の4−(2,4−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)−フェノキシリンカー(Rinkリンカー、Rink,H. Tetrahedron Lett. 1987, 28,3787−3790);全ての酸易分解性の側鎖保護基を含有するペプチド断片を得る目的で1%TFA/DCMを用いても切断される、4−(4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシ)酪酸から誘導されるリンカー(HMPB−リンカー、Florsheimer & Riniker, Peptides 1991, 1990 131)、そしてさらに、氷酢酸/トリフルオロエタノール/DCM(1:2:7)の混合物を30分間用いてペプチドの脱離を可能にする、2−クロロトリチルクロリドリンカー(Barlosら, Tetrahedron Lett. 1989, 30, 3943−3946)が挙げられる。
【0043】
好ましくは、9−フルオレニルメトキシカルボニル−(Fmoc)−保護されたアミノ酸誘導体を、テンプレートに固定した式Iのβヘアピンループ類似物を組み立てるための構築ブロックとして用いる。脱保護、すなわちFmoc基の切断除去には、20%ピペリジンを含むDMFまたは2%DBU/2%ピペリジンを含むDMFを使うことができる。
【0044】
反応物質、すなわち、アミノ酸誘導体の量は、通常、始めに反応チューブ中に秤量して入れた官能化した固体支持体のグラム当たりミリ当量(meq/g)充填量(典型的にはポリスチレン樹脂に対して0.1〜2.85 meq/g)に基づいて、1〜20当量である。もし合理的な時間で反応を完遂するようにする必要があれば、追加当量の反応物質を用いてもよい。反応チューブを、ホルダーブロックおよびマニホールドと一緒に受器ブロック中に再挿入して装置を一緒に固定する。マニホールドを通過してガスを流し始め、例えば窒素、アルゴン、空気などの制御された環境を与える。ガス流はまた、マニホールドを通して流す前に加熱または冷却してもよい。反応ウエルの加熱または冷却を、反応ブロックを加熱するかまたはイソプロパノール/ドライアイスを用いて外部から冷却するなどによって実施し、所望の合成反応を起こさせる。攪拌は振とうまたは磁気攪拌(反応チューブ内の)により行う。好ましいワークステーションは(これに限定されるものでないが)LabsourceのCombi−chemステーションおよびMultiSyn TechのSyroシンセサイザーである。
【0045】
アミド結合形成には、アシル化工程のためのα−カルボキシル基の活性化が必要である。この活性化を、通常利用される、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC, Sheehan & Hess, J. Am. Chem. Soc. 1955,77,1067−1068)またはジイソプロピルカルボジイミド(DIC, Sarantakisら, Biochem. Biophys. Res. Commun. 1976,73,336−342)などのカルボジイミドを使って実施する場合、一般的に使用される溶媒に対し、それぞれ、得られるジシクロヘキシル尿素は不溶であり、ジイソプロピル尿素は可溶である。カルボジイミド法の変法には、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、Konig & Geiger, Chem. Ber 1970, 103, 788−798)のカップリング混合物への添加が挙げられる。HOBtは脱水を防止し、活性化アミノ酸のラセミ化を抑制し、そして不活発なカップリング反応を改善する触媒として作用する。特定のホスホニウム試薬が直接カップリング試薬として利用されており、例えば、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロリン酸(BOP)(Castroら, Tetrahedron Lett. 1975, 14, 1219−1222;Synthesis, 1976,751−752)、またはベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロリン酸(Py−BOP, Costeら, Tetrahedron Lett. 1990, 31,205−208)、または2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル−)1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸(TBTU)もしくはヘキサフルオロリン酸(HBTU、Knorrら, Tetrahedron Lett. 1989,30,1927−1930)が挙げられ;これらのホスホニウム試薬はまた、保護されたアミノ酸誘導体とのHOBtエステルのin situ生成にも適している。さらに最近、ジフェノキシホスホリルアジド(DPPA)またはO−(7−アザ−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸(TATU)または0−(7−アザ−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸(HATU)/7−アザ−1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOAt、Carpinoら, Tetrahedron Lett. 1994, 35,2279−2281)も、カップリング試薬として利用されている。
【0046】
カップリング反応は本質的にほぼ定量的であるという事実に従って、反応完了の実験的証拠を得ることが望ましい。樹脂結合ペプチドのアリコートに対する陽性比色反応が一級アミンの存在を定性的に示すニンヒドリン試験(Kaiserら, Anal. Biochemistry 1970, 34,595)を、各カップリング工程の後に容易にかつ迅速に行うことができる。Fmoc化学により、塩基を用いて遊離すると、Fmoc発色団の分光化学的検出が可能になる(Meienhoferら, Int. J. Peptide Protein Res. 1979, 13,35−42)。
【0047】
反応チューブ内の樹脂と結合した中間体は、次の2つの方法の1つにより清浄な溶媒に繰り返し曝して、過剰に保持する試薬、溶媒、および副生成物を洗浄除去する:
1) 反応ウエルを溶媒(好ましくは5ml)で満たし、反応チューブをホルダーブロックおよびマニフォールドと一緒に浸漬し、そして5〜300分間、好ましくは15分間攪拌し、そして重力により次いでマニフォールド入口(出口は閉めて)を通してかけたガス圧により排出して溶媒を追い出す;
2) マニフォールドをホルダーブロックから取外し、溶媒のアリコート(好ましくは5ml)を反応チューブの頂部を通して配給し、そして重力によりフィルターを通して試験管またはバイアルなどの受器中に排出する。
【0048】
上記の洗浄過程を、両方とも、最大約50回(好ましくは約10回)繰り返し、試薬、溶媒および副生成物除去の効果を、洗浄濾液のTLC、GC、または目視等の方法によりモニターする。
【0049】
樹脂結合化合物を試薬と反応ウエル内で反応させ、次いで過剰の試薬、副生成物、および溶媒を除去する上記の過程を、それぞれ逐次変換しながら、最終的に樹脂結合した化合物が調製されるまで繰り返す。
【0050】
全保護された線状ペプチドの固体支持体からの脱離は、反応チューブをホルダーブロックおよびマニフォールドと一緒に切断試薬溶液(好ましくは3〜5ml)を含有する反応ウエルに浸漬することによって達成する。ガス流、温度制御、攪拌、および反応モニタリングは、上記かつ所望のように実施して、脱離反応を行う。反応チューブをホルダーブロックおよびマニフォールドと一緒に受器ブロックから取外し、溶液レベルより上であるが反応ウエルの上方縁より低いレベルに持ち上げて、マニフォールド入口(出口は閉めて)を通してガス圧をかけて効率良く最終生成物溶液を受器ウエル中に追い出す。次いで、反応チューブに残る樹脂を上のように3〜5mlの適当な溶媒を用いて2〜5回洗浄して、脱離生成物をできるだけ多く抽出する(洗い出す)。このようにして得た生成物溶液を交差混合のないように注意しながら、1つにまとめる。次いで、個々の溶液/抽出液を最終化合物を、単離するための必要に応じて操作する。典型的な操作は、限定されるものでないが、蒸発、濃縮、液/液抽出、酸性化、塩基化、中和または溶液中での追加反応が挙げられる。
【0051】
固体支持体から切断し、塩基を用いて中和した、全保護された線状ペプチド誘導体を含有する溶液を蒸発させ、次いで、環化を溶液中で、DCM、DMF、ジオキサン、THFなどの溶媒を用いて実施する。先に述べた様々なカップリング試薬を環化に使うことができる。環化時間は約6〜48時間、好ましくは約24時間である。反応の進行は、例えば、RP−HPLC(逆相高速液体クロマトグラフィー)により追跡する。次いで溶媒を蒸発して除去し、全保護された環状ペプチド誘導体を、DCMなどの水と混和しない溶媒中に溶解し、そして過剰のカップリング試薬を除去するため、溶液を水または水混和性溶媒の混合物を用いて抽出する。
【0052】
全保護された環化ペプチド誘導体を、95% TFA、2.5% H20、2.5% TISまたは他の捕集剤の組合せを用いて処理し、保護基の切断を行う。切断反応時間は通常30分間〜12時間、好ましくは2時間である。その後、ほとんどのTFAを蒸発させ、生成物をエーテル/ヘキサン(1:1)またはそのために適当な他の溶媒を用いて沈殿させる。溶媒を注意深く除去した後、目的生成物として得た環状ペプチド誘導体を単離することができる。その純度によって、このペプチド誘導体を生物学的アッセイに直接利用しうるか、またはさらに、例えば分取HPLCにより精製しなければならない。
【0053】
目的生成物、すなわち式Iの化合物は、単離しかつ特性決定すれば、生物活性について個々に試験することができる。例えば、次の固相アッセイを実施できる。
【0054】
血小板由来成長因子β(PDGFR−β)の直接固定化を、免疫吸着96ウエルプレート(Nunc)中で、4℃にて、精製タンパク質100ngを含む15mM NaCO、35mM NaHCO、pH 9.6の溶液100μlを用いて、一夜のインキュベーションにより実施する。プレートをtris緩衝化生理食塩水(TBS、20mM Tris−HCI、150mM NaCl、pH 7.4)により1回洗浄し、非特異的吸着を少なくとも1時間のTBS+1%ウシ血清アルブミン(BSA)を用いるインキュベーションによりブロックする。TBS+0.1%Tweenを用いて洗浄した後、3000 cpmの125I−PDGF−BBおよび増加傾向の量の非標識PDGF−BBまたは式Iのペプチド誘導体を二重ウエルに添加し、3時間、室温にて0.1%Tween、1mM CaCl、1mM MgClおよび1% BSA中でインキュベートする。プレートをTBS+0.1%Tweenを用いて3回洗浄し、そして結合したリガンドを0.1Mクエン酸、pH 2.5で除去した後にγカウンタで計数する。
【0055】
一般式Iにより包含される複数の化合物は既に記載したが、残りのこれらの化合物、すなわち式Iの残りの化合物も新規でありかつまた本発明の部分を形成する。但し、それは以下の条件に基づく場合であり、つまり式:
Figure 2004511424

(i) 基(a)でありかつRが水素であり、そしてZが
−Val−Lys−Asn−Tyr−Gly−Val−Lys−Asn−Ser−Glu−Trp−Ile−[配列番号9]、
−Val−Lys−Asn−Tyr−Gly−Val−Lys−Asn−Ser−Glu−Trp−Thr−[配列番号10]、
−Gly−Arg−Gly−Asp−[配列番号11]、
−Arg−Gly−Asp−Gly−[配列番号12]、
−Phe−Tyr−Thr−Gly−Thr−[配列番号13]、
−Tyr−Arg−Asp−Ala−Met−[配列番号14]、
−Asn−Thr−Tyr−Ser−Gly−Val−[配列番号15]、
−Trp−Asp−Asp−Gly−Ser−Asp−[配列番号16]、および
−Leu−Trp−Tyr−Ser−Asn−His−Trp−Val−[配列番号17]
以外のものであり;
(ii) 基(b)でありかつRが水素もしくはCH−COOHであるか、または基(c)でありかつRがベンゾイルであるか、または基(d)もしくは基(e)であり、そしてZが−Ala−Asn−Pro−Asn−Ala−Ala−[配列番号18]以外のものであり;
(iii) 基(b)でありかつRが水素であり、そしてZが−Ala−Arg−Gly−Asp−[配列番号19]以外のものであり;
(iv) 基(f)でありかつRがメチルでありRがメトキシでありRとRがそれぞれ水素であり、そしてZが
−Val−Ala−Ala−Phe−Leu−Ala−Leu−Ala−[配列番号20]、
−Arg−Gly−Asp−Val−[配列番号21]、
−Ala−Thr−Val−Gly−[配列番号22]、
−Glu−Arg−Gly−Asp−Val−Tyr−[配列番号23]、
−Ile−Ala−Arg−Gly−Asp−Phe−Pro−Asp−[配列番号24]、
−Ala−Arg−Ile−Ala−Arg−Gly−Asp−Phe−Pro−Asp−Asp−Arg−[配列番号25]、
−Ala−Arg−Gly−Asp−Phe−Pro−[配列番号26]、
−Arg−Gly−Asp−Phe−[配列番号27]および
−Arg−Ile−Ala−Arg−Gly−Asp−Phe−Pro−Asp−Asp−[配列番号28]
以外のものであり;
(v) 基(g)でありかつRがメチルでありRがメチルもしくはn−ヘキシルであり、または基(h)でありかつRがエチルでありRがエチルであり、そしてZが−Arg−Gly−Asp−Val−[配列番号21]以外のものであり;
(vi) 基(g)でありかつRがメチルでありRがメチルもしくはベンジルであり、そしてZが−Gly−Gly−Ala−Gly−[配列番号29]以外のものであり;
(vii) 基(g)でありかつRがメチルでありRがメチルであり、そしてZが−Gly−Asp−Gly−Gly−[配列番号30]以外のものであり;ならびに
(viii) 基(g)でありかつRがメチルでありRがn−ヘキシルであり、そしてZが−Val−Arg−Lys−Lys [配列番号1]以外のものである場合である。
【0056】
式Iの全ての化合物のエナンチオマーは新規でありかつまた本発明の部分を形成する。
【0057】
構造(a)〜(h)および式IIIの化合物を組み込む式IIの化合物は、以下の反応スキームに示すように調製することができる。これらの反応スキームを通じて、式IIおよびIIIの化合物中に存在するN保護基Xは、好ましいXの値であるFmocとして示されるが、他のN保護基をXとして使用できる対応する化合物を類似の方法で調製しうることは理解されるであろう。
【0058】
反応スキーム
Figure 2004511424
IV→V
i: メタノール中の塩化チオニルなどの脱水試薬を用いる、高温、好都合には還流におけるIVの処理。
ii: 例えば、ジクロロメタンなどの適当な溶媒中のジ−tert−ブチルジカルボネートおよびトリエチルアミンを用いる、Bocの導入;任意の他の適当なN保護基(反応スキーム1には示してない)を類似の方法で導入してもよい。
iii: 好都合にVを得るための、標準Mitsunobu条件下(Mitsunobu,O.; Wada,M.; Sano,T.J. J. Am. Chem. Soc. 1972, 94,672)における生成物とフタルイミド、ジアゾジカルボン酸ジエチルおよびトリフェニルホスフィンとの反応。
【0059】
V→VI
iv: 適当には、高温、好都合には約80℃においてエタノールなどの適当な溶媒中でヒドラジン水和物を用いるVの処理による、フタルイミド基の切断。
v: 3−アミノ基の標準的保護。
vi: 例えば、メタノールおよび水中において水酸化リチウムなどの適当な塩基試薬を用いる、メチルエステル基の鹸化。
vii: 次いで、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸またはジオキサン中の4N塩酸などの試薬を用いて、tert−ブトキシカルボニル基を切断除去する。
viii: 生成したアミノ酸を、好都合には9−フルオレニルメトキシカルボニルクロリドまたは9−フルオレニルメトキシカルボニルスクシンイミドなどの試薬により、炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミンのような塩基を使って、ジオキサンおよび水、またはジクロロメタンなどの適当な溶媒または溶媒混合物中で保護し、VIを得る。
【0060】
反応スキーム
Figure 2004511424
V→VII
i: ジクロロメタン中でトリフルオロ酢酸を用いる、Vの処理
VII→VIII
ii: VIIを、標準ペプチドカップリング条件下で、HBTUおよび1−ヒドロキシベンズトリアゾール(HOBt)などの試薬を用い、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基を用いて、DMF中、Z−Asp(tBu)OHとカップリングさせてVIIIを得る。
【0061】
VIII→IX
iii: 好都合には、Hおよび木炭上のパラジウムなどの触媒を用いる水素化による、エタノール、DMFおよび酢酸エチルなどの溶媒中で、Z基の除去。
iv: フタルイミド基を、好都合には、エタノールなどの適当な溶媒中で、高温、適当には約80℃においてヒドラジンを用いる処理により、得た生成物から切断除去する。
v: 生成したアミノ酸を、好都合には、9−フルオレニルメトキシカルボニルクロリドまたは9−フルオレニルメトキシカルボニルスクシンイミドなどの試薬によって、炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミンなどの塩基を使って、ジオキサンおよび水、またはジクロロメタンのような適当な溶媒または溶媒混合物中で保護して、IXを得る(Bisang,C.; Weber,C.; Robinson,J.A. Helv. Chim. Acta 1996,79,1825−1842に記載のとおり)。
【0062】
反応スキーム3
Figure 2004511424
IV→X
i: メタノールなどの適当な溶媒中で、高温で、好都合には還流下において、塩化チオニルなどの脱水剤を用いて、IVを処理する。
ii: 得られたアミノ酸エステルを、Z基を導入する標準条件下で、例えば、ベンジルオキシカルボニルクロリドおよびトリエチルアミンを用いて、ジクロロメタンなどの適当な溶媒中でN保護する。
iii: Z保護されたアミノ酸メチルエステルを、トリメチルシリルクロリドおよびトリエチルアミンなどの塩基を用いて、好都合には約−78℃に冷却したテトラヒドロフランなどの溶媒中で処理し、次いで、リチウムジイソプロピルアミドまたはリチウムヘキサメチルジシリルアジドなどの強塩基およびブロモ酢酸tert−ブチルと反応させて、ジアステレオマーの混合物としてXを得る(Bisang,C.; Jiang,L.; Freund,E.; Emery,F.; Bauch,C.; Matile,H,; Pluschke,G.; Robinson,J.A. J. Am. Chem. Soc. 1998, 120,7439−7449; Emery,F.; Bisang,C.; Favre,M.; Jiang,L.; Robinson,J.A. J. Chem. Soc. Chem. Commun.1996,2155−2156に記載のとおり)。
【0063】
X→XI
iv; Xを、フタルイミド、ジアザジカルボン酸ジエチルおよびトリフェニルホスフィンと、標準Mitsunobu条件下で反応させる(Mitsunobu,O.; Wada,M.; Sano,T.J. J. Am. Chem. Soc. 1972, 94,672)。
v; 得られた生成物を、Hおよびチャコール上のパラジウムなどの適当な触媒を用いて、酢酸エチル、DMFおよびエタノールなどの溶媒中で水素化する;次いでジアステレオマーの分離が起こる。
XI→XII
vi; XIIを、標準ペプチドカップリング条件下で、HBTU、HOAtなどの試薬およびジイソプロピルエチルアミンなどの塩基を用いて、DMFなどの適当な溶媒中で、Fmoc−Asp(アリル)OHとカップリングさせる。
vii; 好都合にはDMF中でのDBUによる、環化。
【0064】
XII→XIII
viii; 得られた生成物から、好都合にはヒドラジン分解により、例えばメチルヒドラジンを用いて、DMFなどの適当な溶媒中で処理することにより、フタルイミド基を開裂除去する。
ix; 得られた生成物を、好都合には、9−フルオレニルメトキシカルボニルクロリドまたは9−フルオレニルメトキシカルボニルスクシンイミドなどの試薬で、炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミンなどの塩基を用いて、ジオキサンおよび水、またはジクロロメタンのような適当な溶媒または溶媒混合物中で保護する。
【0065】
XIII→XIV
x; 例えば、パラジウム(0)を触媒として用い、アリルエステル基を標準的方法で除去する。
【0066】
反応スキーム4
Figure 2004511424
XV→XVI
i; XV(Hubschwerlen,C. (Synthesis 1986,962)に記載の通り、ビタミンCから得られる)を、フタルイミド、ジアゾジカルボン酸ジエチルおよびトリフェニルホスフィンを用いて、標準Mitsunobu条件下で処理する(Mitsunobu,O.; Wada,M.; Sano,T.J. J. Am. Chem. Soc. 1972, 94,672)。
ii; 生成物から、好都合にはヒドラジン分解により、例えばメチルヒドラジンを用いて、DMFなどの適当な溶媒中で処理することにより、フタルイミド基を開裂除去する。iii; アミノ基を、無水安息香酸または塩化ベンゾイルなどのベンゾイル化試薬、およびトリエチルアミンまたは4−ジメチルアミノピリジンなどの塩基を用いて、ジクロロメタンまたはDMFなどの適当な溶媒中で処理することによって保護する。
iv; 例えばKおよびNaHP0用い、アセトニトリル水溶液中において、高温、例えば約80℃において、2,4−ジメトキシベンジル基を除去する。
v; 例えば、重炭酸ジ−tert−ブトキシカルボニル、トリエチルアミンおよび触媒量の4−ジメチルアミノピリジン使い、ジクロロメタンなどの適当な溶媒中で、tert−ブチルオキシカルボニル基を導入する。
vi; 炭酸ナトリウム水溶液とテトラヒドロフラン中で反応させ、その後酸性化する。vii; 好都合には、ジアゾメタンによるジエチルエーテルなどの適当な溶媒中において、カルボン酸基をエステル化する。
viii; 好都合には、チャコール上のパラジウムなどの触媒の存在のもとでエタノール、DMFなどの溶媒中でHを用いて水素化し、Z基を除去してXVIを得る(Pfeifer,M. ; Robinson,J.A. J.Chem. Soc. Chem. Commun. 1998,1977に記載の通り)。
【0067】
XVI→XVII
ix; XVIを、標準ペプチドカップリング条件下で、DMF中において、HBTUおよび1−ヒドロキシベンズトリアゾールなどの試薬を用い、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基を用いて、Z−Asp(tBu)OHとカップリングさせ、XVIIを得る(Pfeifer,M. ; Robinson,J.A. J.Chem. Soc. Chem. Commun. 1998,1977に記載の通り)。
【0068】
XVII→XVIII
x; 例えば、Hおよびチャコール上のパラジウムなどの触媒を用いる標準条件下で水素化し、Z基を除去してXVIIIを得る(Pfeifer,M. ; Robinson,J.A. J.Chem. Soc. Chem. Commun. 1998,1977に記載の通り)。
【0069】
XVIII→XIX
xi; 好都合にはジクロロメタン中のトリフルオル酢酸またはジオキサン中の4N塩酸を用い、tert−ブチルエステルおよびtert−ブチルオキシカルボニル基を開裂する。
【0070】
xii; 生成した、遊離のアミノ酸中間体を、好都合には、9−フルオレニルメトキシカルボニルクロリドまたは9−フルオレニルメトキシカルボニルスクシンイミドなどの試薬を用いて、炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミンなどの塩基を使って、ジオキサンおよび水、またはジクロロメタンなどの適当な溶媒または溶媒混合物中で、保護することによりXIXを得る(Pfeifer,M. ; Robinson,J.A. J. Chem. Soc. Chem. Commun. 1998,1977に記載の通り)。
【0071】
反応スキーム5
Figure 2004511424
XX → XXI
i: XXの塩化チオニルなどの脱水剤を用いる処理を、メタノールなどの適切な溶媒中で、高温、好都合には約80℃で行う。
ii: その中間体を、リチウムジイソプロピルアミドもしくはリチウムヘキサメチルジシリルアジドなどの強塩基を用い、テトラヒドロフランなどの適切な溶媒中、低温で処理し、t−ブチルブロモアセテートで処理する(Pfeifer, M.; Linden, A.;Robinson, J.A. Helv.Chim. Acta 1997, 80, 1513−1527に記載のとおり)。
iii: 水酸化リチウムなどの塩基を用いたけん化を、水およびメタノールなどの適切な溶媒中で行う。
【0072】
XXI → XXII
iv: XXIと(2S,4R)−Z−ヒドロキシプロリンとのカップリングを、標準的なペプチドカップリング条件下、例えばHBTUおよびHOBT、ならびに塩基としてのジイソプロピルエチルアミンを用いて、DMFなどの適切な溶媒中で行ってXXIIを得る(Pfeifer, M.; Linden, A.;Robinson, J.A. Helv.Chim. Acta 1997, 80, 1513−1527に記載のとおり)。
【0073】
XXII → XXIII
v: 例えば、H2およびチャコール上のパラジウムなどの触媒を用いて、酢酸エチルなどの適切な溶媒中で水素化を行うことによりZ−基を除去する。
【0074】
XXIII → XXIV
vi: XXIIIを、標準的な方法に従って、例えば、ピリジン中でp−トルエンスルホニルクロリドと反応させることによって、対応するトシラートに転換する。
vii: トシラート中間体の対応するアジ化物への転換を、例えば、DMFなどの適切な溶媒中で、高温で、好都合には約80℃で、アジ化ナトリウムを用いて処理することにより行う。
viii: アジド基のアミノ基への還元を、好都合には、H2およびチャコール上のパラジウムなど触媒を用いて、酢酸エチルなどの適切な溶媒中で、またはトリフェニルホスフィンを用いて行うことができる。
ix: 遊離のアミノ酸t−ブチルエステル中間体を、好都合には、9−フルオレニルメトキシカルボニルクロリドまたは9−フルオレニルメトキシカルボニルスクシンイミドなどの試薬を用い、炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミンなどの塩基を用い、適切な溶媒又は溶媒の混合物、例えばジオキサンと水、又はジクロロメタン中で保護する。
x: 例えばジクロロメタン中でのトリフルオロ酢酸を用いる酸分解により、好都合にXXIVが得られる(Pfeifer, M.; Linden, A.;Robinson, J.A. Helv.Chim. Acta 1997, 80, 1513−1527に記載のとおり)。
【0075】
反応スキーム6
Figure 2004511424
XXV → XXVI
i: VIIとXXVの標準的なペプチドカップリングを、HBTUおよびHOBTなどの試薬および例えばジイソプロピルエチルアミンを塩基として用いて、DMFなどの適切な溶媒中で標準的なペプチドカップリング条件で行う。
ii: H2およびチャコール上のパラジウムなどの触媒を用いて、酢酸エチル、DMF、およびエタノールなどの溶媒中で水素化することによりXXVIを得る(Beeli, R; Steger, M.; Linden, A.; Robinson, J.A. Helv. Chim. Acta 1996, 79, 2235−2248に記載のとおり)。
【0076】
XXVI → XXVII
iii: OH基の酸化を、ピリジン−三酸化イオウ錯体、ジョーンズ試薬、もしくはDess−Martin 超原子価ヨウ素酸化剤などの試薬を用いて行う。
iv: ケトン中間体のWittig−Horner濃縮を、(MeO)2POCH2COOMeおよびナトリウムヘキサメチルジシリルアジドなどの塩基を用いて、テトラヒドロフランまたはジメトキシエタンなどの溶媒中で行う(Beeli, R; Steger, M.; Linden, A.; Robinson, J.A. Helv. Chim. Acta 1996, 79, 2235−2248に記載のとおり)。
v: 二重結合の立体選択的水素化を、例えばH2およびチャコール上のパラジウムなどの触媒を用いて、エタノール、DMF、および酢酸エチルなどの溶媒中で行う。
vi: フタルイミド中間体のヒドラジン分解を、例えばヒドラジンを用いて、エタノールなどの適切な溶媒中で、高温で、好都合には約80℃で行う。
vii: メチルエステル基のケン化を、例えば、水酸化リチウムなどの適切な塩基性試薬を用いて、水およびエタノール中で処理することによって行う。
viii: 形成された遊離のアミノ酸中間体を、好都合には9−フルオレニルメトキシカルボニルクロリドまたは9−フルオレニルメトキシカルボニルスクシンイミドなどの試薬で、炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミンなどの塩基を用いて、適切な溶媒または溶媒の混合物、例えばジオキサンと水、またはジクロロメタン中で、保護することによりXXVIIを得る(Beeli, R; Steger, M.; Linden, A.; Robinson, J.A. Helv. Chim. Acta 1996, 79, 2235−2248に記載のとおり)。
【0077】
反応スキーム7
Figure 2004511424
XXVIII → XXIX
i: XXVIIIは、P. Waldmeier, 「β−ターンのs安定化された環状ペプチドライブラリー合成のための、高度に置換されたキサンテン由来テンプレートの、固体支持体での合成”Solid−supported synthesis of highly substituted xanthene−derived templates for the synthesis of β−turn stabilized cyclic peptide libraries”」, PhD論文, University of Zurich, 1996に従って合成することができる。フタルイミド基を開裂させるために、XXVIIIを、好都合には、例えばヒドラジン水和物を用いて、エタノールなどの適切な溶媒中で高温、例えば約80℃で処理することによりヒドラジン分解に付す。
ii: アミノニトリル中間体のケン化を、好都合には塩基性条件下で、例えばエタノールなどの適切な溶媒中で水酸化ナトリウム水溶液を用いて、高温で、好都合には還流下で行うことによりXXIXを得る。
【0078】
XXIX → XXX
iii:  形成された遊離のアミノ酸中間体は、好都合には9−フルオレニルメトキシカルボニルクロリドまたは9−フルオレニルメトキシカルボニルスクシンイミドなどの試薬で、炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミンなどの塩基を用いて、適切な溶媒または溶媒の混合物、例えばジオキサンと水、またはジクロロメタン中で保護することによりXXXを得る(P. Waldmeier, 「β−ターンの安定化された環状ペプチドライブラリー合成のための、高度に置換されたキサンテン由来テンプレートの固体支持体での合成」, PhD論文, University of Zurich, 1996に記載のとおり)。
【0079】
XXIX → XXXI
iv: XXIXの位置選択的臭素化は、好ましくは酢酸またはジクロロメタン中の臭素を用いて行う。同様にR=NO2を酢酸中のHNO3で処理することによって導入でき、R=CH2−NPtはH2SO4中のヒドロキシメチルフタルイミドで処理することによって導入することができる。
v: アミノ基は、好都合にはベンジルオキシカルボニルクロリドまたはスクシンイミドなどの試薬を用い、ジオキサンなどの適切な溶媒中で、水酸化ナトリウム水溶液などの塩基の存在下で、Z−保護する。
vi: カルボン酸基を、好ましくはDMF中のDBUおよびヨウ化メチルを用いてエステル化する。
【0080】
XXXI → XXXII
vii: 低級アルキル、置換された低級アルキル、およびアリール置換基(R)の導入を、好都合にはパラジウム(0)を触媒としたStilleカップリング(Stille, J. K. Angew. Chem. 1986, 68, 504)およびSuzukiカップリング(Oh−e, T; Mijaura, N.; Suzuki, A. J. Org. Chem. 1993, 58, 2201)によって行う。
viii: 例えば、H2およびチャコール上のパラジウムなどの触媒を用い、適切な溶媒、例えばエタノール、DMF、および酢酸エチル中で水素化を行うことによりZ−基を除去する。
ix: エステル基の加水分解を、好都合には酸性条件下で、例えば25%の塩酸水溶液を用いて、ジオキサンなどの適切な溶媒中で、高温、好ましくは約100℃で行う。
x: 形成された遊離のアミノ酸中間体を、好都合には9−フルオレニルメトキシカルボニルクロリドまたは9−フルオレニルメトキシカルボニルスクシンイミドなどの試薬で、炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミンなどの塩基を用いて、適切な溶媒または溶媒の混合物、例えばジオキサンと水、またはジクロロメタン中で、保護することによりXXXIIを得る。
【0081】
反応スキーム8
Figure 2004511424
XXIX → XXXIII
i: 二重オルト臭素化を、好ましくは、酢酸およびジクロロメタン中の過剰の臭素を用いて行う。同様にR=R=NO2を酢酸中のHNO3で処理することによって導入でき、R=R=CH2−NPtはH2SO4中のヒドロキシメチルフタルイミドで処理することによって導入することができる。
ii: アミノ基は、ベンジルオキシカルボニルクロリドまたはスクシンイミドなどの試薬を用い、ジオキサンなどの適切な溶媒中で、水酸化ナトリウム水溶液などの塩基の存在下で保護、好都合にはZ−保護する。
iii: カルボン酸基を、好ましくはDMF中のDBUおよびヨウ化メチルを用いてエステル化することによりXXXIIIを得る。
【0082】
XXXIII → XXXIV
iv: 低級アルキル、置換された低級アルキル、およびアリール置換基(R=R)の導入を、例えば、パラジウム(0)を触媒としたStilleカップリング(Stille, J. K. Angew. Chem. 1986, 68, 504)およびSuzukiカップリング(Oh−e, T; Mijaura, N.; Suzuki, A. J. Org. Chem. 1993, 58, 2201)によって行う。
【0083】
XXXIV → XXXV
v: 例えば、H2およびチャコール上のパラジウムなどの触媒を用いて、適切な溶媒、例えばエタノール、DMF、または酢酸エチル中で水素化することによって、XXXIVのZ−基を除去する。
vi: エステル基の加水分解を、好都合には酸性条件下で、例えば25%の塩酸水溶液を用いて、ジオキサンなどの適切な溶媒中で、高温、好都合には約100℃で行う。
vii: 形成された遊離のアミノ酸中間体を、好都合には9−フルオレニルメトキシカルボニルクロリドまたは9−フルオレニルメトキシカルボニルスクシンイミドなどの試薬で、炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミンなどの塩基を用いて、適切な溶媒または溶媒の混合物、例えばジオキサンと水、またはジクロロメタン中で、保護することによりXXXVを得る。
【0084】
反応スキーム9
Figure 2004511424
XXVIII → XXXVI
i: XXXVIIIのメトキシ基の開裂を、好ましくは過剰の三臭化ホウ素を用いて、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中で行う。
ii: 酸性条件下でのシアノ基の加水分解を、好ましくは25%の塩酸水溶液を用いて、ジオキサンなどの適切な溶媒中で、高温、好都合には約100℃で行う。
iii: 得られた酸を、塩化チオニルなどの脱水剤を用い、ジオキサンなどの適切な溶媒中で処理することによりXXXVIを得る。
【0085】
XXXVI → XXXVII
iv:  XXXVIの処理を、適切なトリフラート化試薬、好ましくはトリフルオロスルホン酸無水物を用い、2,6−ジ−t−ブチルピリジンなどの塩基の存在下で、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中で行う。
v: その中間体の加熱を、好都合にはメタノールなどの適切な溶媒中で行う。
【0086】
XXXVII → XXXVIII
vi: 低級アルキルまたはアリール−低級アルキル(R)をアルキル化によって導入する。
【0087】
XXXVIII → XXXIV
vii: 低級アルキルまたはアリール(R)の導入を、好都合にはパラジウム(0)を触媒としたSuzukiカップリング(Oh−e, T; Mijaura, N.; Suzuki, A. J. Org. Chem. 1993, 58, 2201)によって行う。
【0088】
XXXIX → XL
viii:  エステル基の加水分解を、酸性条件下で、好都合には25%の塩酸水溶液を用いて、ジオキサンなどの適切な溶媒中で、高温、例えば約100℃で行う。
ix: フタルイミド基の開裂を、好都合にはヒドラジン分解により、例えばヒドラジン水和物を用いて、エタノールなどの適切な溶媒中で行う。
x: 形成された遊離のアミノ酸中間体を、好都合には9−フルオレニルメトキシカルボニルクロリドまたは9−フルオレニルメトキシカルボニルスクシンイミドなどの試薬で、炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミンなどの塩基を用いて、適切な溶媒または溶媒の混合物、例えばジオキサンと水、またはジクロロメタン中で、保護することによりXLを得る。
【0089】
反応スキーム10
Figure 2004511424
XXXVI → XLI
i: XXXVIの臭素化を、臭素などの試薬を用いて、酢酸とジクロロメタンの混合物中で、約0℃からほぼ室温までの範囲の温度で行う。
ii: 水酸基のベンゾイル化を、塩化ベンゾイルまたは安息香酸無水物などの適切なアシル化剤を用いて、ピリジンまたはトリエチルアミンなどの塩基、およびジクロロメタンなどの適切な溶剤中で行う。
【0090】
XLI → XLII
iii: XLIをメタノールおよびカンファースルホン酸などの酸性触媒の触媒量を用いて、加熱しつつ処理する。
iv: 低級アルキルまたはアリール−低級アルキル(R)の導入を、水素化ナトリウムまたはカリウムt−ブトキシドなどの塩基を用いて、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、またはDMFなどの溶媒中で行う。
【0091】
XLII → XLIII
v: 低級アルキル、置換された低級アルキル、およびアリール置換基(R)の導入を、パラジウム(0)を触媒としたStilleカップリング(Stille, J. K. Angew. Chem. 1986, 68, 504)およびSuzukiカップリング(Oh−e, T; Mijaura, N.; Suzuki, A. J. Org. Chem. 1993, 58, 2201)によって行う。
vi: ベンジルオキシ基を開裂させるために、その中間体を、好都合には酸化アルミニウムに吸着させたシアン化ナトリウムおよびメタノールと共に加熱する。
vii: 適切なトリフラート化試薬、好ましくはトリフルオロスルホン酸無水物を用いて、2,6−ジ−t−ブチルピリジンなどの塩基の存在下で、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中で処理する。
viii: 低級アルキルおよびアリール置換基(R)の導入を、例えばパラジウム(0)を触媒としたStilleカップリング(Stille, J. K. Angew. Chem. 1986, 68, 504)およびSuzukiカップリング(Oh−e, T; Mijaura, N.; Suzuki, A. J. Org. Chem. 1993, 58, 2201)によって行う。
【0092】
XLIII → XLIV
ix: 臭素化を、標準的な条件下で、例えば、臭素を用いて、酢酸およびジクロロメタン中で、約0℃からほぼ室温までの範囲の温度で行う。
【0093】
XLIV → XLV
x: 低級アルキル、置換された低級アルキル、およびアリール置換基(R)の導入を、例えば、パラジウム(0)を触媒としたStilleカップリング(Stille, J. K. Angew. Chem. 1986, 68, 504)およびSuzukiカップリング(Oh−e, T; Mijaura, N.; Suzuki, A. J. Org. Chem. 1993, 58, 2201)によって行う。
【0094】
XLV → XLVI
xi: エステル基の加水分解を、酸性条件下、好都合には25%の塩酸水溶液を用いて、ジオキサンなどの適切な溶媒中で、高温、例えば約100℃で行う。
xii: フタルイミド基の開裂を、例えばヒドラジン分解により、好都合にはヒドラジン水和物を用い、エタノールなどの適切な溶媒中で行う。
xiii: 形成された遊離のアミノ酸中間体を、好都合には9−フルオレニルメトキシカルボニルクロリドまたは9−フルオレニルメトキシカルボニルスクシンイミドなどの試薬で、炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミンなどの塩基を用いて、適切な溶媒または溶媒の混合物、例えばジオキサンと水、またはジクロロメタン中で保護することによりXLVIを得る。
【0095】
反応スキーム11
Figure 2004511424
XLVII → XLVIII
i: 3,7−ジメトキシフェノチアジンを調製し、Muller, K.; Obrecht, D.; Knierzinger, A.; Spiegler, C.; Bannwarth, W.;Trzeciak, A.; Englert, G.; Labhardt, A.; Schonholzer, P.; Perspective in Medicinal Chemistry, Testa, B.; Kyburz, E.; Fuhrer, W.; Giger, R.編, Weinheim, New York, Basel, Cambridge: Verlag Helvetica Chimica Acta, 1993, 513−531; Bannwarth, W.; Gerber, F.; Grieder, A.; Knierzinger, A.; Muller, K.; Obrecht, D.; Trzeciak, A., カナダ特許出願CA2101599(131ページ)に従ってXLVIIに転換する。好都合には、例えばHおよびチャコール上のパラジウムなどの触媒を用いて、エタノール、DMF、または酢酸エチルなどの適切な溶媒中で水素化することにより、XLVIIからベンジル基を開裂除去する。
ii: 低級アルキル(R)の導入を、液体窒素中のナトリウムアミドまたはテトラヒドロフラン、ジオキサン、もしくはDMF中の水素化ナトリウムなどの強塩基を用いて、TDA−Iなどの相転移触媒の存在下で、適切なアルキル化剤(R=X’ X’=OTf、Br、I)でアルキル化することにより行う。同様な方法で置換された低級アルキル(R)を導入することができる;例えば、R=CH2COOR10およびCH2CH2COOR10はそれぞれ適切な2−ハロ酢酸誘導体および3−ハロプロピオン酸誘導体で処理することにより導入することができる。
【0096】
XLVIII → IL
iii: XLVIIIのメトキシ基の開裂を、好都合には過剰の三臭化ホウ素を用いて、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中で、約−20℃からほぼ室温までの範囲の温度で処理することにより行う。
iv: 低級アルキル、置換された低級アルキル、またはアリール−低級アルキル置換基(R)を導入するために、bis−フェノール誘導体の中間体を、好都合には式R−X’(X’=OTf、Br、I)と、テトラヒドロフラン、ジオキサン、またはDMF中の水素化ナトリウムなどの強塩基の存在下で、TDA−Iなどの相転移触媒の存在下で反応させる。
【0097】
XLVIII → L  IL → LI
v: XLVIIIおよびILのシアノ基の加水分解をそれぞれ、好都合には酸性条件下で、例えば25%の塩酸水溶液を用いて、ジオキサンなどの適切な溶媒中で、高温、例えば約100℃で行う。
vi: その中間体のフタルイミド基を、好都合にはヒドラジン分解によって、例えばヒドラジン水和物を用いて、エタノールなどの適切な溶媒中で、開裂させる。
【0098】
vii: 遊離のアミノ基を、好都合には9−フルオレニルメトキシカルボニルクロリドまたは9−フルオレニルメトキシカルボニルスクシンイミドなどの試薬で、炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミンなどの塩基を用いて、適切な溶媒または溶媒の混合物、例えばジオキサンと水、またはジクロロメタン中で保護することによりLおよびLIをそれぞれ得る。
【0099】
反応スキーム12
Figure 2004511424
LIII → LIV
i: LIIは市販のレゾルフィンから調製でき、Muller, K.; Obrecht, D.; Knierzinger, A.; Spiegler, C.; Bannwarth, W.;Trzeciak, A.; Englert, G.; Labhardt, A.; Schonholzer, P.; Perspective in Medicinal Chemistry, Testa, B.; Kyburz, E.; Fuhrer, W.; Giger, R.編, Weinheim, New York, Basel, Cambridge: Verlag Helvetica Chimica Acta, 1993, 513−531; Bannwarth, W.; Gerber, F.; Grieder, A.; Knierzinger, A.; Muller, K.; Obrecht, D.; Trzeciak, A., カナダ特許出願CA2101599(131ページ)に従ってLIIIへと転換する。ベンジル基をはずすために、LIIIを好都合には、例えば水素およびチャコール上のパラジウムなどの触媒を用いて、エタノール、DMF、または酢酸エチルなどの適切な溶媒中で水素化する。
ii: 低級アルキル(R)の導入を、液体窒素中のナトリウムアミドまたはテトラヒドロフラン、ジオキサン、もしくはDMF中の水素化ナトリウムなどの強塩基を用いて、TDA−Iなどの相転移触媒の存在下、R=X’(X’=OTf、Br、I)でアルキル化することによりLIVを得る。同様な方法で置換された低級アルキル(R)を導入することができる;例えば、R=CH2COOR10およびCH2CH2COOR10はそれぞれ適切な2−ハロ酢酸誘導体および3−ハロプロピオン酸誘導体で処理することにより導入することができる。
【0100】
LIV → LV
iii: LIVのメトキシ基の開裂を、好都合には過剰の三臭化ホウ素を用いて、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中で、約−20℃からほぼ室温までの範囲の温度で処理することにより行う。
iv: bis−フェノール誘導体の中間体を、好ましくはR−X’(X’=OTf、Br、I)と、テトラヒドロフラン、ジオキサン、またはDMF中の水素化ナトリウムなどの強塩基の存在下で、TDA−Iなどの相転移触媒の存在下で反応させる。
【0101】
LIV → LVI LV → LVII
v: LIVおよびLVのシアノ基の加水分解をそれぞれ、酸性条件下で、例えば25%の塩酸水溶液を用いて、ジオキサンなどの適切な溶媒中で、高温、好都合には約100℃で行う。
vi: フタルイミド基を、好都合にはヒドラジン分解によって、例えばヒドラジン水和物などを用いて、エタノールなどの適切な溶媒中で、開裂させる。
vii: 遊離のアミノ基を、好都合には9−フルオレニルメトキシカルボニルクロリドまたは9−フルオレニルメトキシカルボニルスクシンイミドなどの試薬で、炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミンなどの塩基を用いて、適切な溶媒または溶媒の混合物、例えばジオキサンと水、またはジクロロメタン中で、保護することによりLVIおよびLVIIをそれぞれ得る。
【0102】
下記の実施例は本発明をより詳細に説明するものであるが、本発明の範囲をどのような意味においても限定することは意図していない。
【0103】
実施例
の単一化合物の調製
2−クロロトリチルクロリド樹脂(1.25ミリモル/g、1.75ミリモル)1.4gを三口フラスコ中に入れた。その樹脂をDCM(14mL)中に懸濁し、室温で連続的に攪拌しつつ膨潤させた。その樹脂をDCM(10mL)中に1.25g(1.077当量)のFmoc−Arg(Pmc)−OHおよび0.898mLのジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を含む液で処理し、その混合液を25℃で15分間振盪し、あらかじめ膨潤させた樹脂に注ぎ、25℃で18時間攪拌した。樹脂の色は紫色に変化し、溶液は黄色のままであった。その樹脂を十分洗い、減圧下で4時間、40℃で乾燥させた。
【0104】
収率: 2,379g   ロード: 84%
このエステル化された樹脂は次いで下記の合成サイクルにかけ、その量は1反応容器あたり40mgであった。
Figure 2004511424
+4当量 1−ベンゾトリアゾール−1−イル−テトラメチルウロニウム(urounium)ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)
Figure 2004511424
各ステップで5mLの溶媒を用いた。Fmoc−Val−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−L−Pro−OH、Fmoc−D−Pro−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、およびFmoc−Lys(Boc)−OHを上記のプロトコールに従って結合させた。
【0105】
完全に保護されたペプチド断片の開裂
合成の完了後、ペプチド樹脂をDCM中にTFAを1%(v/v)含有する液5mL中に懸濁し、10分間攪拌し、樹脂はろ過して除き、ろ液をピリジン(1当量)で中和した。この操作を2回繰り返して開裂の完了を確実にした。ろ液を留去、乾固し、逆相(RP)−HPLCで分析して直鎖状ペプチド合成の効率をモニターした。
【0106】
H−Lys(Boc)−Lys(Boc)−Pro−Ile−D−Pro−L−Pro−Glu(OtBu)−Ile−Val−Arg(Pmc)−OH 直鎖ペプチド 配列番号 31] の環状化
50mg(0.0294ミリモル)の完全に保護された直鎖状ペプチドをDMF(50mL、濃度 1mg/mL)中に溶解した。次いで33.5mg(0.0882ミリモル、3当量)のHATU、12.0mg(0.0882ミリモル、3当量)のHOAt、および5mLのDIPEA(1% v/v)を添加し、その混合液を20℃で16時間攪拌し、次いで減圧下で濃縮した。残査をジクロロメタン(DCM)とH2O/CH3CN(90:10)とに分配した。DCM相を留去して完全に保護された環状ペプチドの純品を得た。
【0107】
環状ペプチドの保護基除去
得られた非晶質の粉末を、95%のトリフルオロ酢酸、2.5%の水、および2.5%のトリイソプロピルシラン(TIS)を含有する開裂混合液2mL中で溶解した。この混合液を20℃で2時間静置し、次いで減圧下で濃縮した。残査をジエチルエーテルを用いて粉末化し、20mgの化合物1 [配列番号32]が白色粉末として得られた。
【0108】
Figure 2004511424
C55H95N15O12, MW 1158.5
MS(ESI): 580.02(M+2H2+, 387.02(M+3H3+
HPLC−RT(分): 7.51
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:5%アセトニトリル/水(0.1% トリフルオロ酢酸)から15分かけて100%アセトニトリルへ;5分間一定に維持し、5%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に5分かけて戻す。
【0109】
実施例
の単一化合物の調製
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、およびFmoc−Lys(Boc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物2を得た[配列番号33]:
Figure 2004511424
C62H95N15O14, MW 1274.5
MS(ESI): 638.4(M+2H2+, 424.8.02(M+3H3+
HPLC−RT(分): 8.59
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:5%アセトニトリル/水(0.1% トリフルオロ酢酸)から15分かけて100%アセトニトリルへ;5分間一定に維持し、5%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に5分かけて戻す。
【0110】
実施例
の単一化合物の調製
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Trp−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Trp−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、およびFmoc−Lys(Boc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物3を得た[配列番号34]:
Figure 2004511424
C66H97N17O12, MW 1320.6
MS(ESI): 1321.6(M+H
HPLC−RT(分): 9.04
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:5%アセトニトリル/水(0.1% トリフルオロ酢酸)から15分かけて100%アセトニトリルへ;5分間一定に維持し、5%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に5分かけて戻す。
【0111】
実施例
の単一化合物の調製
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、およびFmoc−Lys(Boc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物4を得た[配列番号35]:
Figure 2004511424
C50H87N15O12, MW 1090.5
MS(ESI): 546.15.4(M+2H2+, 364.3(M+3H3+
HPLC−RT(分): 12.51
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:5%アセトニトリル/水(0.1% トリフルオロ酢酸)から15分かけて100%アセトニトリルへ;5分間一定に維持し、5%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に5分かけて戻す。
【0112】
実施例
の単一化合物の調製
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Ser(OtBu)−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Ser(OtBu)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、およびFmoc−Lys(Boc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物5を得た[配列番号36]:
Figure 2004511424
C50H87N15O14, MW 1122.3
MS(ESI): 562.15(M+2H2+, 375.3(M+3H3+
HPLC−RT(分): 5.74
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:5%アセトニトリル/水(0.1% トリフルオロ酢酸)から15分かけて100%アセトニトリルへ;5分間一定に維持し、5%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に5分かけて戻す。
【0113】
実施例
ジプロリンテンプレート上で PDFF− ループ −III の類似物を得るための、式 の化合物のライブラリーの合成とその固相アッセイでの試験
1. 標的ペプチド
x1−x4:可変アミノ酸残基(x)
ValArgLysLys(VRKK)[配列番号1]:不変のアミノ酸残基
Propro:テンプレート
Figure 2004511424
[配列番号37]
x11−4:Glu, Tyr, Trp, Ala
x21−6:Ile, Tyr, Trp, Ala, Ser, Lys
x31−6:Pro, Tyr, Trp, Ala, Ser, Lys
x41−4:Ile, Tyr, Trp, Ala
【表1】
Figure 2004511424
2.  実験方法
2.1 保護された直鎖ペプチドの合成
第1のアミノ酸Fmoc−Arg(Pmc)−OH(1当量)を、DCM中の3当量DIEAを用いて塩化2−クロロトリチル樹脂(Polyphor, 1.25ミリモル/g)と一晩かけて連結し、その結合率は約85%であった。その直鎖ペプチドを標準的なFmocの化学反応を用いて、各アミノ酸を各々4当量、および各4当量のHBTUおよびHOBt、ならびに6当量のDIEAを用い、DMF中でカップリング時間を1.5〜2時間としてアセンブルした。保護された直鎖ペプチドをDCM中の1% TFAを用いて樹脂から開裂させ(2×10分)、ピリジン(1当量)で中和し、溶媒を留去した。
【0114】
2.2 保護された直鎖ペプチドの環状化
保護された直鎖ペプチド(精製はしていない)は、DMF中で1.0mg/mLの濃度で、HATU(3当量)、HOAt(3当量)、およびDIEA(1% v/v)を用いて16時間反応させ直接的に環状化した。次いで、DMFおよびDIEAを留去し、残査をDCMで溶解し、その溶液をH2O/CH3CN(90:10)で抽出し、その後DCMを除去した。
【0115】
2.3 環状ペプチドの保護基除去
環状化した生成物を95% TFA、2.5% H2O、および2.5% TISで2時間処理し、次いでTFAの大部分を留去した。Et2Oを添加し、生成物を沈殿させた。遠心後、エーテルを注意深く除去し、減圧下で乾燥して最終生成物を得た。その純度の如何によっては、その生成物を調製用HPLCで精製した。
【0116】
2.4 固相アッセイ
血小板由来成長因子β受容体(PDGFR−β)の直接的固定化を免疫吸着用96ウエルプレート(Nunc)中で、100μLの15mM NaCO、35mM NaHCO, pH9.6中の100ngの精製タンパク質とともに4℃、一晩インキュベートすることによって行った。プレートをTris緩衝生理食塩水(TBS, 20mM Tris−HCl、150mM NaCl, pH7.4)で1回洗い、非特異的吸着をTBSに1% ウシ血清アルブミン(BSA)を添加した液で少なくとも1時間インキュベートしてブロックした。TBSに0.1% Tweenを添加した液で洗浄した後、3000cpmの125I−PDGF−BBおよび非標識PDGF−BBもしくは供試ペプチド(徐々に増量)をウエルに添加し(2回測定のため2つのウエルに添加)、0.1% Tween、1mM CaCl、1mM MgCl、および1% BSAを添加したTBS中で、室温で3時間インキュベートした。プレートをTBSに0.1% Tweenを添加した液で3回洗浄した後、γカウンターでの計数の前に、結合したリガンドを0.1M クエン酸, pH2.5で除去した。
【0117】
3.  結果
この環状ペプチドの分析および精製を、調製用HPLC(デュアルポンプPharmaciaシステムにWaters RCM−μBondapak(商標)−C18−カートリッジ、10μm 300A 調製用には25×100mm、分析用には8×100mm、流速はそれぞれ8および2mL/min; UVでの検出は226nmおよび278nm)、次いでMS、NMR(600MHz, 1H)、およびCDによって行った。固相アッセイは2.4に記載のとおり行った。
【0118】
4.  考察
4.1. 直鎖ペプチドをHPLCで分析したところ、24種の化合物全てが95%を超える純度であることが判明し、このことはアミノ酸のアセンブルが高い信頼性で行われたことを示している。
【0119】
4.2 環状化ペプチド
a) この直鎖ペプチドを樹脂から開裂させ、ピリジンで中和してピリジン塩を形成させたが、このピリジン塩は環状化の前に精製する必要はなかった。
【0120】
b) 環状化のためのペプチドの種々の濃度、1mg、2mg、5mg、10mg、20mg/mL DMFを比較し、1mg/mLの濃度が最良の結果となった。
【0121】
c) 粗製生成物の純度は表2に示す。
【0122】
4.3. 固相アッセイ
IC50値は表2に示す。粗製ペプチドと精製ペプチドの間のIC50値の相異はわずかであった。
【0123】
【表2】
Figure 2004511424
Figure 2004511424
分析的HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:5%アセトニトリル/水(0.1% トリフルオロ酢酸)から15分かけて100%アセトニトリルへ;5分間一定に維持し、5%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に5分かけて戻す。
【0124】
実施例 25−40
下記の実施例は、3種の異なるテンプレートおよび1種の共通のキイモチーフである−k−x−テンプレート−x−k[配列番号57](ここでx=Y,F,KもしくはW、x=Y、k=K、およびk=Eである)を取り込んでいる6 mer、8 mer、10 mer、12 mer、14 mer、および16 merのβヘアピンループ類似物を合成する、該プロセスの適用について述べている。βヘアピン構造を取っているため、xとxはβ−シートの同じ側にあり、疎水性のパッチを形成している。このようなモチーフは、例えば種々のケモカイン中に存在する(Tarby, C.M.; Saunders, J., Drug Discovery Today 1999, 4, 80−92; Ponath, P.D. Exp. Opin. Invest. Drugs 1998, 7, 1−16を参照)。
【0125】
1.   (2S,6S,8aS)−8a−{[(t− ブチル オキシカルボニル メチル ペルヒドロ −5,8− ジオキソ −{[(9H− フルオレン −9− イル メトキシカルボニル アミノ }− ピロロ [1,2−a] ピラジン −6− 酢酸 テンプレート b1) の合成
脱気したジクロロメタン/メタノール(9:1, 3mL)中に250mg(0.414ミリモル)のアリル{(2S,6S,8aS)−8a−[(t−ブチル)オキシカルボニル]メチル}ペルヒドロ−5,8−ジオキソ−{[(9H−フルオレン−9−イル)メトキシカルボニル]アミノ}−ピロロ[1,2−a]ピラジン−6−酢酸を含有する溶液を攪拌し、それにアルゴン雰囲気下で25mg(0.0216ミリモル)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、0.05mLの酢酸、および0.025mLのN−メチルモルホリンを添加した。この反応混合液を室温で48時間攪拌し、水およびジクロロメタンに注いだ。有機相を乾燥させ(MgSO)、留去し、その残査をSiOでジクロロメタン/メタノール(9:1)を用いてクロマトグラフィーを行い180mg(77%)の(2S,6S,8aS)−8a−{[(t−ブチル)オキシカルボニル]メチル}ペルヒドロ−5,8−ジオキソ−{[(9H−フルオレン−9−イル)メトキシカルボニル]アミノ}−ピロロ[1,2−a]ピラジン−6−酢酸(テンプレートb1)を白色粉末として得た。
【0126】
H−NMR(300MHz, DMSO−d):8.30(s,1H);7.88(d,J=7.2, 2H);7.67(d,J=7.4, 2H);7.62(br.s, 1H);7.41(t,J=7.2, 2H);7.33(t,J=7.4, 2H);4.35−4.2(m, 5H);3.55(br.d,J=6.3, 2H);2.8−2.55(m, 3H);2.45−2.25(m, 2H);2.1−1.95(m, 1H);1.35(s, 9H); MS(ESI):586.1(M+Na), 564.1(M+H)
2.  直鎖ペプチドの合成
第1のアミノ酸Fmoc−Arg(Pmc)−OH(1当量)を、DCM中の3当量のDIEAを用いて2−クロロトリチルクロリド樹脂(Polyphor, 1.25ミリモル/g)と一晩かけて連結し、その結合率は約80%であった。その直鎖ペプチドを標準的なFmocの化学反応を用いて、各アミノ酸を4当量ずつ、および4当量のテンプレート(もしくは、適切であるならば、Fmoc−Pro−OHおよびFmoc−Pro−OH)、各4当量のHBTUおよびHOBt、ならびに6当量のDIEAを用い、DMF中でカップリング時間を1.5〜2時間としてアセンブルした。保護された直鎖ペプチドをDCM中の1% TFAを用いて樹脂から開裂させ(4×10分)、ピリジン(1当量)で中和し、溶媒を留去した。
【0127】
3.  直鎖ペプチドの環状化
保護された直鎖ペプチド(精製はしていない)は、DMF中で1.0mg/mLの濃度で、HATU(3当量)、HOAt(3当量)、およびDIEA(1% v/v)を用いて16時間反応させ直接的に環状化した。次いで、DMFおよびDIEAを留去し、残査をDCMで溶解し、その溶液をH2O/CH3CN(90:10)で抽出し、その後DCMを除去した。
【0128】
4.  環状ペプチドの保護基除去
環状化した生成物を95% TFA、2.5% H2O、および2.5% TISで2時間処理し、次いでTFAの大部分を留去した。Et2Oを添加し、生成物を沈殿させた。遠心後、エーテルを注意深く除去し、減圧下で乾燥して最終生成物を得た。その純度の如何によっては、その生成物を調製用HPLCで精製した。下記のテンプレートを用いた。
【0129】
Figure 2004511424
実施例 25
Figure 2004511424
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OHおよびFmoc−Arg(Pmc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物25を得た[配列番号58]:
MW:  C57H85N17O14, [1232.30]
MS(ESI): 616.72(M+2H2+
HPLC−RT(分): 10.83
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:10%アセトニトリル/90%水(0.1% トリフルオロ酢酸含有)から15分かけて100%アセトニトリルへ;4分間一定に維持し、10%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に4分かけて戻す。
【0130】
実施例 26
Figure 2004511424
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、およびFmoc−Arg(Pmc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物26を得た[配列番号59]:
MW:  C57H85N17O13, [1216.41]
MS(ESI): 608.8(M+2H2+
HPLC−RT(分): 8.27
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:10%アセトニトリル/90%水(0.1% トリフルオロ酢酸含有)から15分かけて100%アセトニトリルへ;4分間一定に維持し、10%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に4分かけて戻す。
【0131】
実施例 27
Figure 2004511424
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、およびFmoc−Arg(Pmc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物27を得た[配列番号60]:
MW:  C54H88N18O13, [1197.4]
MS(ESI): 599.4(M+2H2+
HPLC−RT(分): 8.85
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:10%アセトニトリル/90%水(0.1% トリフルオロ酢酸含有)から15分かけて100%アセトニトリルへ;4分間一定に維持し、10%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に4分かけて戻す。
【0132】
実施例 28
Figure 2004511424
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Trp(Boc)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、およびFmoc−Arg(Pmc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物28を得た[配列番号61]:
MW:  C59H87N18O13, [1256.4]
MS(ESI): 628.50(M+2H2+、419.20[M+3H3+
HPLC−RT(分): 9.16
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:10%アセトニトリル/90%水(0.1% トリフルオロ酢酸含有)から15分かけて100%アセトニトリルへ;4分間一定に維持し、10%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に4分かけて戻す。
【0133】
実施例 29
Figure 2004511424
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Tyr(OtBu)−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、およびFmoc−Arg(Pmc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物29を得た[配列番号62]:
MW:  C86H122N22O22, [1816]
MS(ESI): 908(M+2H2+、606.2[M+3H3+
HPLC−RT(分): 8.40
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:10%アセトニトリル/90%水(0.1% トリフルオロ酢酸含有)から15分かけて100%アセトニトリルへ;4分間一定に維持し、10%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に4分かけて戻す。
【0134】
実施例 30
Figure 2004511424
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、およびFmoc−Arg(Pmc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物30を得た[配列番号63]:
MW:  C83H125N23O21, [1781]
MS(ESI): 594.6[M+3H3+
HPLC−RT(分): 9.04
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:10%アセトニトリル/90%水(0.1% トリフルオロ酢酸含有)から15分かけて100%アセトニトリルへ;4分間一定に維持し、10%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に4分かけて戻す。
【0135】
実施例 31
Figure 2004511424
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、およびFmoc−Arg(Pmc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物31を得た[配列番号64]:
MW:  C83H125N23O21, [1721]
MS(ESI): 891.15[M+2H2+、594.85[M+3H3+
HPLC−RT(分): 9.84
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:10%アセトニトリル/90%水(0.1% トリフルオロ酢酸含有)から15分かけて100%アセトニトリルへ;4分間一定に維持し、10%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に4分かけて戻す。
【0136】
実施例 32
Figure 2004511424
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Ala−OH、およびFmoc−Arg(Pmc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物32を得た[配列番号65]:
MW:  C110H150N26O26, [2252.4]
MS(ESI): 751.93[M+3H3+
HPLC−RT(分): 9.42
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:10%アセトニトリル/90%水(0.1% トリフルオロ酢酸含有)から15分かけて100%アセトニトリルへ;4分間一定に維持し、10%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に4分かけて戻す。
【0137】
実施例 33
Figure 2004511424
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Ala−OH、およびFmoc−Arg(Pmc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物33を得た[配列番号66]:
MW:  C104H156N28O26, [2214.5]
MS(ESI): 738.10[M+3H3+
HPLC−RT(分): 13.46
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:10%アセトニトリル/90%水(0.1% トリフルオロ酢酸含有)から15分かけて100%アセトニトリルへ;4分間一定に維持し、10%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に4分かけて戻す。
【0138】
実施例 34
Figure 2004511424
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、テンプレートf1、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、およびFmoc−Arg(Pmc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物34を得た[配列番号67]:
MW:  C67H91N16O16, [1376.5]
MS(ESI): 689.02[M+2H2+
HPLC−RT(分): 9.87
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:10%アセトニトリル/90%水(0.1% トリフルオロ酢酸含有)から15分かけて100%アセトニトリルへ;4分間一定に維持し、10%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に4分かけて戻す。
【0139】
実施例 35
Figure 2004511424
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、テンプレートf1、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、およびFmoc−Arg(Pmc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物35を得た[配列番号68]:
MW:  C67H91N16O15, [1360.14]
MS(ESI): 681.44[M+2H2+、454.77[M+3H3+
HPLC−RT(分): 9.68
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:10%アセトニトリル/90%水(0.1% トリフルオロ酢酸含有)から15分かけて100%アセトニトリルへ;4分間一定に維持し、10%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に4分かけて戻す。
【0140】
実施例 36
Figure 2004511424
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、テンプレートf1、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、およびFmoc−Arg(Pmc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物36を得た[配列番号69]:
MW:  C93H131N22O23, [1925.19]
MS(ESI): 643.28[M+3H3+
HPLC−RT(分): 8.85
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:10%アセトニトリル/90%水(0.1% トリフルオロ酢酸含有)から15分かけて100%アセトニトリルへ;4分間一定に維持し、10%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に4分かけて戻す。
【0141】
実施例 37
Figure 2004511424
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、テンプレートb1、Fmoc−Trp(Boc)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、およびFmoc−Arg(Pmc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物37を得た[配列番号70]:
MW:  C54H74N17O14, [1185.18]
MS(ESI): 593.83[M+2H2+
HPLC−RT(分): 11.23
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:10%アセトニトリル/90%水(0.1% トリフルオロ酢酸含有)から15分かけて100%アセトニトリルへ;4分間一定に維持し、10%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に4分かけて戻す。
【0142】
実施例 38
Figure 2004511424
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、テンプレートf1、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Tyr(OtBu)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、およびFmoc−Arg(Pmc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物38を得た[配列番号71]。
【0143】
MW:  C96H129N21O22, [1929.23]
MS(ESI): 644[M+3H3+、 483.11[M+4H4+
HPLC−RT(分): 9.22
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:10%アセトニトリル/90%水(0.1% トリフルオロ酢酸含有)から15分かけて100%アセトニトリルへ;4分間一定に維持し、10%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に4分かけて戻す。
【0144】
実施例 39
Figure 2004511424
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、テンプレートb1、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Tyr(OtBu)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、およびFmoc−Arg(Pmc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物39を得た[配列番号72]:
MW:  C105H138N25O29, [2214.3]
MS(ESI): 737.76[M+3H3+
HPLC−RT(分): 13.26
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:10%アセトニトリル/90%水(0.1% トリフルオロ酢酸含有)から15分かけて100%アセトニトリルへ;4分間一定に維持し、10%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に4分かけて戻す。
【0145】
実施例 40
Figure 2004511424
実施例1に述べた方法と類似の方法により、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、テンプレートf1、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、およびFmoc−Arg(Pmc)−OHを、Fmoc−Arg(Pmc)−OHをロードさせた樹脂と結合させ、開裂、環状化、および保護基除去して化合物40を得た[配列番号73]:
MW:  C93H131N22O23, [1926.22]
MS(ESI): 643.01[M+3H3+、482.35[M+4H4+
HPLC−RT(分): 8.99
条件:分析用HPLC条件:カラム CC 250/4 Nucleosil 100−5 Protect 1(Ser.No. 8111346, Batch 8023); 勾配:10%アセトニトリル/90%水(0.1% トリフルオロ酢酸含有)から15分かけて100%アセトニトリルへ;4分間一定に維持し、10%アセトニトリル/水(0.1%トリフルオロ酢酸)に4分かけて戻す。

Claims (8)

  1. 一般式
    Figure 2004511424
    [式中、Zは、もしそのα炭素原子が不斉であれば、L配置を有するn個のαアミノ酸残基の鎖であって、ここでnは4〜20の整数であり、鎖中のアミノ酸残基の位置はN末端アミノ酸から出発して数え;
    Figure 2004511424
    は、式
    Figure 2004511424
    (式中、Rは水素または保護されたアミノ基であり;
    は水素または式CH−COOR10の基であり;
    はアミノ保護基であり;
    は低級アルキルまたはアリール−低級アルキルであり;
    は低級アルキル、低級アルコキシまたはアリールであり;
    は水素、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール、BrまたはNOであり;
    は水素、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール、BrまたはNOであり;
    は低級アルキル、置換低級アルキルまたはアリール−低級アルキルであり;
    は低級アルキル、置換低級アルキルまたはアリール−低級アルキルであり;そして
    10は水素、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール、アリール−低級アルキル、アロイル低級アルキルまたはアリルである)の基の1つである]の化合物およびそれらの塩を製造する方法であって、
    (a) 適当に官能化した固体支持体を、所望の目的生成物中のもしnが偶数であれば(n/2)、(n/2)+1または(n/2)−1の位置に、そしてもしnが奇数であれば(n/2)+(1/2)または(n/2)−(1/2)の位置に、それぞれ、存在するアミノ酸の適当にN保護された誘導体(ここで、N保護されたアミノ酸誘導体に存在しうるいずれの官能基も同様に適当に保護されている)とカップリングさせ;
    (b) このようにして得た生成物からN保護基を外し;
    (c) このようにして得た生成物を、所望の目的生成物中のN末端アミノ酸残基に一位置だけ近いアミノ酸の適当にN保護された誘導体(ここで、N保護されたアミノ酸誘導体に存在しうるいずれの官能基も同様に適当に保護されている)とカップリングさせ;
    (d) このようにして得た生成物からN保護基を外し;
    (e) N末端アミノ酸残基が導入されるまで、もし必要であれば、工程(c)および(d)を繰り返し;
    (f) このようにして得た生成物を、一般式
    Figure 2004511424
    (式中、
    Figure 2004511424
    は上に定義したとおりでありかつXはN保護基である)の化合物とカップリングさせるか、または、もし
    Figure 2004511424
    が前記の基(a)であれば、代わりに、
    (fa) 工程(d)もしくは(e)で得た生成物を、一般式III
    Figure 2004511424
    (式中、RおよびXは上に定義したとおりである)の化合物とカップリングさせ;
    (fb) このようにして得た生成物からN保護基を外し;そして
    (fc) このようにして得た生成物をD−プロリンの適当にN保護された誘導体とカップリングさせ;
    (g) 工程(f)または(fc)で得た生成物からN保護基を外し;
    (h) このようにして得た生成物を、所望の目的生成物中の位置nにあるアミノ酸の適当にN保護された誘導体(ここで、N保護されたアミノ酸誘導体に存在しうるいずれの官能基も同様に適当に保護されている)とカップリングさせ;
    (i) このようにして得た生成物からN保護基を外し;
    (j) このようにして得た生成物を、所望の目的生成物中の位置nから一位置だけ遠去かるアミノ酸の適当にN保護された誘導体(ここで、N保護されたアミノ酸誘導体に存在しうるいずれの官能基も同様に適当に保護されている)とカップリングさせ;
    (k) このようにして得た生成物からN保護基を外し;
    (l) 全てのアミノ酸残基が導入されるまで、もし必要であれば、工程(j)および(k)を繰り返し;
    (m) このようにして得た生成物を固体支持体から脱離し;
    (n) 固体支持体から切断した生成物を環化し;
    (o) アミノ酸残基の鎖のいずれのメンバーの官能基に存在するいずれの保護基および、もし所望であれば、分子中にさらに存在するいずれの保護基も外し、そして
    (p) もし所望であれば、このようにして得た生成物を塩に転化するかまたはこのようにして得た塩を式Iの対応する遊離化合物または異なる塩に転化することを含んでなる、前記方法。
  2. 官能化した固体支持体を、ジビニルベンゼンを用いて架橋したポリスチレンから;ポリエチレングリコールスペーサーを用いてコートされたポリスチレンから;またはポリアクリルアミド樹脂から誘導し;そしてリンカー、すなわち一端は固体支持体と結合するためのアンカー基そして他端は次の化学変換および切断過程に使うための選択的に切断しうる官能基を含有する二官能性スペーサー分子を使って官能化する、請求項1に記載の方法。
  3. リンカーがアミノ酸のカルボキシル基と酸易分解性のベンジル、ベンズヒドリルまたはトリチルエステルを形成する、請求項2に記載の方法。
  4. 3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルフェノキシ(Sasrin)、4−(2,4−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)−フェノキシ(Rink)、4−(4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシ)酪酸(HMPB)、トリチルまたは2−クロロトリチルリンカーを利用する、請求項3に記載の方法。
  5. Xおよびアミノ酸誘導体のN保護基が9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 請求項1に定義した式Iの化合物のエナンチオマーを製造するための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法の改変であって、不斉α炭素原子を有する全てのアミノ酸をそれらのD型で使用し、構造(a)、(b)、(c)、(d)もしくは(e)に対応するテンプレートのエナンチオマーまたは式(f)、(g)もしくは(h)に対応するテンプレートを工程(f)において使用し、そして、それぞれ、式IIIの化合物のエナンチオマーを工程(fa)で使用しかつL−プロリンの誘導体を工程(fc)で使用することを特徴とする前記方法の改変。
  7. Figure 2004511424

    (i) 基(a)でありかつRが水素であり、そしてZが
    −Val−Lys−Asn−Tyr−Gly−Val−Lys−Asn−Ser−Glu−Trp−Ile−[配列番号9]、
    −Val−Lys−Asn−Tyr−Gly−Val−Lys−Asn−Ser−Glu−Trp−Thr−[配列番号10]、
    −Gly−Arg−Gly−Asp−[配列番号11]、
    −Arg−Gly−Asp−Gly−[配列番号12]、
    −Phe−Tyr−Thr−Gly−Thr−[配列番号13]、
    −Tyr−Arg−Asp−Ala−Met−[配列番号14]、
    −Asn−Thr−Tyr−Ser−Gly−Val−[配列番号15]、
    −Trp−Asp−Asp−Gly−Ser−Asp−[配列番号16]、および
    −Leu−Trp−Tyr−Ser−Asn−His−Trp−Val−[配列番号17]と異なり;
    (ii) 基(b)でありかつRが水素もしくはCH−COOHであるか、または基(c)でありかつRがベンゾイルであるか、または基(d)であるか、または基(e)であり、そしてZが−Ala−Asn−Pro−Asn−Ala−Ala−[配列番号18]と異なり;
    (iii) 基(b)でありかつRが水素であり、そしてZが−Ala−Arg−Gly−Asp−[配列番号19]と異なり;
    (iv) 基(f)でありかつRがメチルでありRがメトキシでありRとRがそれぞれ水素であり、そしてZが
    −Val−Ala−Ala−Phe−Leu−Ala−Leu−Ala−[配列番号20]、
    −Arg−Gly−Asp−Val−[配列番号21]、
    −Ala−Thr−Val−Gly−[配列番号22]、
    −Glu−Arg−Gly−Asp−Val−Tyr−[配列番号23]、
    −Ile−Ala−Arg−Gly−Asp−Phe−Pro−Asp−[配列番号24]、
    −Ala−Arg−Ile−Ala−Arg−Gly−Asp−Phe−Pro−Asp−Asp−Arg−[配列番号25]、
    −Ala−Arg−Gly−Asp−Phe−Pro−[配列番号26]、
    −Arg−Gly−Asp−Phe−[配列番号27]および
    −Arg−Ile−Ala−Arg−Gly−Asp−Phe−Pro−Asp−Asp−[配列番号28]と異なり;
    (v) 基(g)でありかつRがメチルでありRがメチルもしくはn−ヘキシルであるか、または基(h)でありかつRがエチルでありRがエチルであり、そしてZが−Arg−Gly−Asp−Val−[配列番号21]と異なり;
    (vi) 基(g)でありかつRがメチルでありRがメチルもしくはベンジルであり、そしてZが−Gly−Gly−Ala−Gly−[配列番号29]と異なり;
    (vii) 基(g)でありかつRがメチルでありRがメチルであり、そしてZが−Gly−Asp−Gly−Gly−[配列番号30]と異なり;ならびに
    (viii) 基(g)でありかつRがメチルでありRがn−ヘキシルであり、そしてZが−Val−Arg−Lys−Lys [配列番号1]と異なることを条件とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物。
  8. 請求項1に記載の一般式Iの化合物のエナンチオマー。
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