JPH115001A - 超音波脱泡方法及び超音波脱泡装置 - Google Patents

超音波脱泡方法及び超音波脱泡装置

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JPH115001A
JPH115001A JP15986497A JP15986497A JPH115001A JP H115001 A JPH115001 A JP H115001A JP 15986497 A JP15986497 A JP 15986497A JP 15986497 A JP15986497 A JP 15986497A JP H115001 A JPH115001 A JP H115001A
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JP
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ultrasonic
liquid
defoaming
ultrasonic wave
dissolved air
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JP15986497A
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Nobutaka Ueno
修敬 上野
Yasuo Nishi
泰男 西
Takeshi Sakurai
毅 櫻井
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Konica Minolta Inc
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  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱泡槽の形態を変えたり、超音波発振器の出
力を強めたり、位置を変えたり、被脱泡液を加工する事
なく、脱泡効果を高めることを目的とする。 【解決手段】 気泡を含む被脱泡液に、超音波伝播用液
体を介して超音波を照射することにより前記被脱泡液の
脱泡を行う超音波脱泡方法において、前記超音波伝播用
液体の使用条件下における溶存空気濃度の不飽和度が1
0%以上であることを特徴とする超音波脱泡方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は気泡を有する被脱泡
液に超音波を照射して脱泡を行う超音波脱泡方法及び装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にある種の液体については、これを
脱泡処理することが必要である。
【0003】例えば、感光性写真フィルム用の感光性乳
剤は、気泡が含まれたままベースに塗布されると気泡の
部分が塗布欠陥となり、一様な感光膜を形成することが
できないため、塗布前に感光性乳剤の脱泡処理を行うこ
とが必要である。
【0004】感光性乳剤のような高粘度の液体の脱泡を
行う方法として、被脱泡液である感光性乳剤に超音波を
照射して脱泡する方法が知られている。
【0005】従来、被脱泡液に超音波を照射して脱泡を
行う超音波脱泡装置において、被脱泡液の保温、メンテ
ナンスの簡易化等を目的として、被脱泡液に1次媒体で
ある超音波伝播用液体を介して超音波を照射する方法が
知られている。具体的には、超音波発振器を有する超音
波液槽に超音波伝播用液体を満たしておき、その超音波
伝播用液体中に被脱泡液を収容した脱泡槽又は被脱泡液
を送液する送液管の1部を浸漬し、超音波発振器から超
音波伝播用液体を介して被脱泡液に超音波を照射して脱
泡する超音波脱泡装置によって行われる。
【0006】また、従来から、超音波脱泡を行う際の脱
泡の因子として、気泡が被脱泡液中に溶解する気泡の溶
解効果と、超音波の照射によって脱泡槽内の被脱泡液に
発生する定在波の節の部分に気泡がトラップされる泡ト
ラップ効果とが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】脱泡効果を高めるため
に、脱泡槽の形態や、超音波照射の強度や方向等につい
て様々な発明がされているが、被脱泡液の完全な脱泡を
可能とする発明にまでは至っておらず、更なる脱泡効果
の向上が求められている。
【0008】また、近年、感光性乳剤のような写真塗布
液においては、濃縮化していく方向にあり、その粘度は
高粘度化していく方向にあることからも、更なる脱泡効
果の向上が求められている。
【0009】本願発明者は、鋭意研究の結果、先述した
脱泡因子の1つである泡トラップ効果が、定在波の節の
位置の安定性や、定在波の節の部分と腹の部分の音圧の
差等の超音波の発生状態に大きく左右されることを見い
出した。そして、この超音波の発生状態は、使用条件下
での液中の溶存空気濃度の不飽和度が影響していること
を見い出した。
【0010】さらに、被脱泡液中の溶存空気濃度の不飽
和度だけでなく、従来、当業者が無関心であった1次媒
体としての超音波伝播用液体中の、溶存空気濃度の不飽
和度が、超音波の発生状態に影響を及ぼすものであるこ
とを、本願発明者は見いだした。
【0011】本発明は以上のような状況を鑑み成された
ものである。
【0012】本発明は、従来誰も着目しなかった1次媒
体としての超音波伝播用液体の溶存空気濃度の不飽和度
に着目し、脱泡槽の形態を変化させたり、超音波発振器
の出力を強めたり、位置を変えたり、被脱泡液を加工す
る事なく、脱泡効果を高めることを可能とする超音波脱
泡方法及び超音波脱泡装置を提供することを目的とす
る。
【0013】また、従来の1次媒体として超音波伝播用
液体を用いていた超音波脱泡装置を大幅に改造すること
なく、容易に適用することが可能であり、脱泡効果を高
めることのできる超音波脱泡方法及び超音波脱泡装置を
提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は以下に示
す特許請求の範囲の各請求項により達成される。
【0015】〔請求項1〕『気泡を含む被脱泡液に、超
音波伝播用液体を介して超音波を照射することにより前
記被脱泡液の脱泡を行う超音波脱泡方法において、前記
超音波伝播用液体の使用条件下における溶存空気濃度の
不飽和度が10%以上であることを特徴とする超音波脱
泡方法。』 1次媒体としての超音波伝播用液体の溶存空気濃度の不
飽和度を10%以上にすることにより、脱泡槽の形態を
変化させたり、超音波発振器の出力を強くしたり、位置
を変えたり、被脱泡液を加工する事なく、脱泡効果を高
めることが可能となる。脱泡効果が高まることにより、
超音波照射の出力を従来より低くしても、従来と同様の
脱泡効果を得ることが可能となり、省エネを図ることが
できる。
【0016】また、従来の1次媒体として超音波伝播用
液体を用いていた超音波脱泡装置を大幅に改造すること
なしに、容易に適用することが可能であり、脱泡効果を
高めることのできる超音波脱泡方法、超音波脱泡装置を
提供することが可能となる。
【0017】〔請求項2〕『前記超音波伝播用液体を脱
気することにより、前記超音波伝播用液体の使用条件下
における溶存空気濃度の不飽和度を10%以上とするこ
とを特徴とする請求項1に記載の超音波脱泡方法。』 超音波伝播用液体を脱気するという簡単な構成で、脱泡
効果を高めることが可能となる。
【0018】〔請求項3〕『前記超音波伝播用液体を加
圧することにより、前記超音波伝播用液体の使用条件下
における溶存空気濃度の不飽和度を10%以上とするこ
とを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波脱泡方
法。』 超音波伝播用液体を加圧するという簡単な構成で、脱泡
効果を高めることが可能となる。
【0019】〔請求項4〕『請求項1〜3のいずれか1
項に記載の超音波脱泡方法によって脱泡を行うことを特
徴とする超音波脱泡装置。』 1次媒体としての超音波伝播用液体の溶存空気濃度の不
飽和度を10%以上にすることにより、脱泡槽の形態を
変化させたり、超音波発振器の出力を強くしたり、位置
を変えたり、被脱泡液を加工する事なく、脱泡効果を高
めることが可能となる。脱泡効果が高まることにより、
超音波照射の出力を従来より低くしても、従来と同様の
脱泡効果を得ることが可能となり、省エネを図ることが
できる。
【0020】また、従来の1次媒体として超音波伝播用
液体を用いていた超音波脱泡装置を大幅に改造すること
なしに、容易に適用することが可能であり、脱泡効果を
高めることのできる超音波脱泡方法、超音波脱泡装置を
提供することが可能となる。
【0021】〔請求項5〕『内部に超音波伝播用液体を
収容し、超音波発振器を備えた超音波液槽と、被脱泡液
を収容した脱泡槽又は被脱泡液を送液する送液管とを有
し、前記超音波液槽中の前記超音波伝播用液体に、前記
脱泡槽又は前記送液管の少なくとも1部を浸漬した超音
波脱泡装置において、前記超音波伝播用液体の使用条件
下における溶存空気濃度の不飽和度が10%以上である
ことを特徴とする超音波脱泡装置。』 1次媒体としての超音波伝播用液体の溶存空気濃度の不
飽和度を10%以上にすることにより、脱泡槽の形態を
変化させたり、超音波発振器の出力を強くしたり、位置
を変えたり、被脱泡液を加工する事なく、脱泡効果を高
めることが可能となる。脱泡効果が高まることにより、
超音波照射の出力を従来より低くしても、従来と同様の
脱泡効果を得ることが可能となり、省エネを図ることが
できる。
【0022】また、従来の1次媒体として超音波伝播用
液体を用いていた超音波脱泡装置を大幅に改造すること
なしに、容易に適用することが可能であり、脱泡効果を
高めることのできる超音波脱泡方法、超音波脱泡装置を
提供することが可能となる。
【0023】〔請求項6〕『前記超音波伝播用液体を脱
気して、前記超音波伝播用液体の使用条件下における溶
存空気濃度の不飽和度を10%以上とする脱気手段を有
することを特徴とする請求項5に記載の超音波脱泡装
置。』 超音波伝播用液体を脱気するという簡単な構成で、脱泡
効果を高めることが可能となる。
【0024】〔請求項7〕『前記超音波伝播用液体を加
圧して、前記超音波伝播用液体の使用条件下における溶
存空気濃度の不飽和度を10%以上とする加圧手段を有
することを特徴とする請求項5又は6に記載の超音波脱
泡装置。』 超音波伝播用液体を加圧するという簡単な構成で、脱泡
効果を高めることが可能となる。
【0025】〔用語の説明〕本発明でいう「使用条件
下」とは、超音波伝播用液体を介して被脱泡液に超音波
を照射する際の、超音波伝播用液体の条件をいい、圧
力、温度等が挙げられる。
【0026】本発明でいう「使用条件下における溶存空
気濃度の不飽和度」をPとすると、Pは以下の式で示す
ことができる。
【0027】P=(1−A/B)×100(%) A:超音波伝播用液体の使用条件下における溶存空気濃
度(%) B:超音波伝播用液体の使用条件下における飽和溶存空
気濃度(%) 超音波伝播用液体の使用条件下における溶存空気濃度の
測定方法の1例としては、溶存酸素濃度計によって、使
用条件下における超音波伝播用液体の溶存酸素濃度を測
定し、使用条件下における空気中の酸素の割合を基にし
て、使用条件下における超音波伝播用液体の溶存酸素濃
度の測定結果から、使用条件下における超音波伝播用液
体の溶存空気濃度を求めることができる。
【0028】使用条件下における超音波伝播用液体の飽
和溶存空気濃度は、使用条件(圧力、温度等)から求め
ることができる。
【0029】以上のようにして求めた、超音波伝播用液
体の使用条件下における溶存空気濃度と、超音波伝播用
液体の使用条件下における飽和溶存空気濃度から、使用
条件下における溶存空気濃度の不飽和度を求めることが
できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に本発明に関する実施の形態
の例を示すが、本発明はこれらに限定されない。また、
以下の実施形態は、本発明の好ましい例を示すもので、
本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではな
い。
【0031】図1、図2を用いて本発明に係る超音波脱
泡装置の実施形態の1例について説明する。図1は、写
真乳剤塗布液調整工程の1例を示す説明図であり、図2
は、本発明に係る超音波脱泡装置の実施形態の1例を示
す概略断面図である。
【0032】本実施形態においては、被脱泡液として写
真乳剤塗布液を用いる。溶解調整済の写真乳剤塗布液
は、まず減圧槽1に入れられる。ここで、写真乳剤塗布
液は減圧され1次脱泡が行われる。
【0033】そして、送液ポンプ2によって写真乳剤塗
布液は、導液管7を介して減圧槽1からフィルター3へ
と送られる。フィルター3を通過する際に、写真乳剤塗
布液内のゴミなどが取り除かれ、写真乳剤塗布液は流入
コック4を介して超音波脱泡装置5へと送られる。超音
波脱泡装置5における写真乳剤塗布液の脱泡の機構につ
いては、後に詳細を説明する。
【0034】超音波脱泡装置5で写真乳剤塗布液の脱泡
が行われた後、写真乳剤塗布液は流出コック6を介して
塗布装置であるコーターに送られ、コーターによって、
ベース上に写真乳剤塗布液が塗布される。
【0035】本実施形態における超音波脱泡装置5は、
写真乳剤塗布液10を収容し脱泡を行う脱泡槽8と、超
音波伝播用液体である水14を収容するジャケット9
と、超音波発振器13と、超音波伝播用液体を循環し、
脱気するポンプ19及び脱気手段20とを有している。
【0036】ジャケット9は円柱状であり、そのジャケ
ット9内の中央に円柱状の脱泡槽8が設けられている。
そして、ジャケット9内の脱泡槽8の周りは、超音波伝
播用液体である水14で満たされている。ジャケット9
には、加温手段が設けられており、超音波伝播用液体で
ある水14は一定温度に加温されている。
【0037】また、超音波発振器13が、ジャケット9
の内部に設けられている。
【0038】脱泡槽8は、直径が200mmの円柱であ
り、側壁面の底面から高さが300mmの所に写真乳剤
塗布液が流入する液流入口11を有し、底面に写真乳剤
塗布液が流出する液流出口12を有している。また底面
は写真乳剤塗布液が流出しやすいようにすり鉢状になっ
ており、すり鉢の底に液流出口12がある。また、通常
時は、写真乳剤塗布液10の液面、すなわち気液界面
は、液流入口11より上方になるように、流入バルブ4
と流出バルブ6によって液流量が調節されている。
【0039】そして、ジャケット9内の水14の液面
は、安定して脱泡槽8内の写真乳剤塗布液10全体に超
音波照射を行えるように、脱泡槽8内の写真乳剤塗布液
10の液面より高い位置にある。また、ジャケット9に
は、ジャケット9内の水を循環して脱気しうるように、
導液管18を介してポンプ19及び脱気手段20が設け
られている。
【0040】また、脱泡槽8の上部には洗浄用のシャワ
ーボール15と、脱泡槽8内の加圧を行うための、加圧
口16が設けられている。
【0041】以下に、超音波脱泡装置5を用いて写真乳
剤塗布液の脱泡を如何にして行うかについて説明する。
流入バルブ4を介して、液流入口11から脱泡槽8に流
入した写真乳剤塗布液10は、加圧口16から圧力を加
えられ加圧される。そして、超音波発振器13によって
ジャケット9内の超音波伝播用液体である水14を介し
て一様に超音波が照射され、写真乳剤塗布液10内の脱
泡が行われる。脱泡が行われた写真乳剤塗布液10は、
液流出口12から流出する。超音波の周波数は5〜40
kHzの範囲であることが好ましい。
【0042】一定時間毎に、又はジャケット9内の水1
4を交換した際に、流出バルブ17を開け、ポンプ19
を稼働させることにより、ジャケット9内の水を導液管
18を通じて、脱気手段20へと水を導く。脱気手段2
0には脱気膜が設けられており、その脱気膜を水が通過
することによって、超音波伝播液体である水の脱気が行
われる。脱気手段20において、超音波伝播用液体であ
る水14の使用条件下における溶存空気濃度を減少さ
せ、水の使用条件下における溶存空気濃度の不飽和度が
10%以上となるようにする。本実施形態においては、
水の使用条件下における溶存空気濃度の不飽和度が50
%となるようにする。脱気された水は、流入バルブ21
を開放することにより、導液管を通じて、再びジャケッ
ト9に流入する。尚、随時ジャケット9内の水14をポ
ンプ19により循環し、随時水の脱気を行うようにして
もよい。
【0043】このような、使用条件下における溶存空気
濃度の不飽和度が10%以上である水を超音波伝播用液
体として、被脱泡液に超音波照射を行うので、脱泡槽8
内の写真乳剤塗布液10に、安定した超音波照射を効率
よく行うことができ、脱泡効果を高めることが可能とな
る。
【0044】ジャケット9には水14中に溶存している
酸素濃度を検出する溶存酸素濃度計50が設けられてお
り、溶存酸素濃度計50の検出結果から使用条件下にお
ける溶存空気濃度を求める。その結果と、使用条件下に
おける飽和溶存空気濃度とから、超音波伝播用液体であ
る水の溶存空気濃度の不飽和度を求めることができ、随
時超音波伝播用液体である水の溶存空気濃度の不飽和度
を検出することができる。
【0045】また、脱気手段20として減圧タンクを用
い、減圧により脱気するようにしてもよい。
【0046】写真乳剤塗布液の交換時等、必要に応じ
て、シャワーボール15から洗浄水を噴射することによ
り、脱泡槽内の洗浄を容易に行える。
【0047】次に、脱気を行うことにより、超音波伝播
用液体である水の使用条件下における溶存空気濃度の不
飽和度を10%以上にするのではなく、超音波伝播用液
体である水を加圧することにより、超音波伝播用液体で
ある水の使用条件下における溶存空気濃度の不飽和度を
10%以上にする実施形態について、図3を用いて説明
する。
【0048】脱泡槽8の構造及び脱泡の機構は図2で示
した実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略す
る。
【0049】本実施形態におけるジャケット9は密閉構
造であり、ジャケット用加圧口30を通じて加圧手段
(図示せず)からジャケット9内を加圧する。ジャケッ
ト9内を加圧することにより、超音波伝播用液体である
水14の使用条件下における飽和溶存空気濃度を増加さ
せ、使用条件下における溶存空気濃度の不飽和度が10
%以上となるようにする。本実施形態においては、水の
使用条件下における溶存空気濃度の不飽和度が50%と
なるようにする。
【0050】このような、使用条件下における溶存空気
濃度の不飽和度が10%以上である水を超音波伝播用液
体として、被脱泡液に超音波照射を行うので、脱泡槽8
内の写真乳剤塗布液10に、安定した超音波照射を効率
よく行うことができ、脱泡効果を高めることが可能とな
る。
【0051】加圧を行うと、水中に空気が溶解しやすく
なってしまうので、一定時間毎に、流出バルブ17を開
け、ポンプ19を稼働させることにより、ジャケット9
内の水を導液管18を通じて、常圧タンク31へと水を
導く。常圧タンク31は開放され、外気と通じている。
常圧タンク31において、水を加圧された状態から常圧
に戻すことにより、ジャケット9での加圧により溶解し
た空気を脱気し、超音波伝播用液体である水14の使用
条件下における溶存空気濃度の増加を防止する。常圧タ
ンク31において常圧に戻された水は、流入バルブ21
を開放することにより、導液管を通じて、再びジャケッ
ト9に流入し、加圧される。尚、随時ジャケット9内の
水14をポンプ19により循環し、随時水を常圧に戻
し、溶存空気濃度増加を防止するようにしてもよい。
【0052】加圧の程度によって、溶存空気濃度の不飽
和度を任意に変化させることが可能であり、圧力さえわ
かれば、水の使用条件下における飽和溶存空気濃度がわ
かり、水の使用条件下における溶存空気濃度の不飽和度
がわかるので、圧力計等を設けておけば、ジャケット9
内の水14中に溶存している酸素濃度を検出する溶存酸
素濃度計50等を設ける必要はない。
【0053】尚、脱気手段も加圧手段も設けずに、使用
条件下における溶存空気濃度の不飽和度が10%以上と
なるように脱気された水を随時、ジャケット9に供給す
るようにしてもよい。
【0054】
【実施例】
(実施例)超音波脱泡装置として発明の実施の形態に記
載した超音波脱泡装置を用いる。脱泡の条件は以下のと
おりである。
【0055】被脱泡液:ゼラチン5重量%の写真乳剤塗
布液、粘度40cp 被脱泡液流量:3l/min. 脱泡槽内での加圧:1kg/cm2 超音波照射条件:25kHz 超音波伝播用液体:脱気膜を通過させ、使用条件下にお
ける溶存空気濃度の不飽和度を50%とした水、40℃ 以上の条件で、本超音波脱泡装置において、500W、
350W、250Wの3種の超音波発振器の出力で、写
真乳剤塗布液の脱泡を行った。
【0056】(比較例)超音波脱泡装置として実施例と
同様の超音波脱泡装置を用い、超音波伝播用液体のみを
変える。
【0057】脱泡槽:直径200mmの円柱形 被脱泡液:ゼラチン5重量%の写真乳剤塗布液、粘度4
0cp 被脱泡液流量:3l/min. 脱泡槽内での加圧:1kg/cm2 超音波照射条件:25kHz 超音波伝播用液体:使用条件下における溶存空気濃度の
不飽和度が5%である水、40℃ 以上の条件で、本超音波脱泡装置において、500W、
350W、250Wの3種の超音波発振器の出力で、写
真乳剤塗布液の脱泡を行った。
【0058】(結果)実施例の超音波脱泡装置は、超音
波発振器の出力が500W、350W、250Wの全て
の出力において、完全に脱泡を行うことができ、脱泡装
置から流出してくる写真乳剤塗布液に気泡は見られなか
った。
【0059】一方、比較例の超音波脱泡装置は、超音波
発振器の出力が500Wである際には完全に脱泡を行う
ことができた。しかし、超音波発振器の出力が350
W、250Wである際には、完全に脱泡を行うことがで
きず、脱泡装置から流出してくる写真乳剤塗布液に気泡
が残存していた。
【0060】(超音波伝播用液体の使用条件下における
溶存空気濃度の不飽和度と、定在波振幅及び超音波強度
経時変動の関係)図4に、本多電子音圧形HUS5を用
いて得られた、超音波伝播用液体の使用条件下における
溶存空気濃度の不飽和度と、定在波振幅及び超音波強度
経時変動との関係を表すグラフを示す。
【0061】定在波振幅は、超音波の照射によって脱泡
槽内の被脱泡液に発生する定在波の節の部分と腹の部分
の振幅であり、この振幅が大きいと、節の部分に気泡が
トラップされる泡トラップ効果が大きくなり、脱泡効果
が大きくなる。
【0062】超音波強度経時変動は、一定時間(本実験
では0.5分)内に超音波の強度がどれだけ変動するか
を示す値であり、この値が小さいと、超音波強度が安定
していることを示す。超音波強度が安定していると、定
在波の節の位置と腹の位置が安定するため、泡トラップ
効果が大きくなり、脱泡効果が大きくなる。
【0063】実験は、実施例と同様の脱泡装置のジャケ
ットに水を入れ、その水温を40℃とし、その水の使用
条件下における溶存空気濃度の不飽和度を5%、15
%、25%、35%、45%、55%とし、各溶存空気
濃度の不飽和度において、超音波を実施例と同様の条件
(25Hz、250W)で照射した。そして、ジャケッ
ト内の水中に複数の音圧測定器を設けておき、その音圧
測定器によって、水中の音圧を測定することにより、定
在波振幅と、超音波強度経時変動を測定した。
【0064】定在波振幅は、定在波の節の部分と腹の部
分の音圧の差とした。
【0065】超音波強度経時変動は、0.5分間での水
中の一定位置における最大音圧と最小音圧の差である。
【0066】図4のグラフに示すように、定在波振幅
は、超音波伝播用液体である水の使用条件下における溶
存空気濃度の不飽和度が大きくなるにつれ、大きくな
り、脱泡効果が向上することがわかる。また、超音波強
度経時変動の値は、超音波伝播用液体である水の使用条
件下における溶存空気濃度の不飽和度が10%以上にな
ると、急に小さくなり、超音波強度が安定し、脱泡効果
が向上することがわかる。
【0067】したがって、超音波伝播用液体である水の
使用条件下における溶存空気濃度の不飽和度が10%以
上である場合に、脱泡効果が高くなることがわかる。
【0068】
【発明の効果】本発明により、脱泡槽の形態や、超音波
発振器を変化させたり、被脱泡液を加工する事なく、脱
泡効果を高めることが可能となる。脱泡効果が高まるこ
とにより、超音波照射の出力を従来より低くしても、従
来と同様の脱泡効果を得ることが可能となり、省エネを
図ることができる。
【0069】また、従来の1次媒体として超音波伝播用
液体を用いていた超音波脱泡装置を大幅に改造すること
なくに、容易に適用することが可能であり、脱泡効果を
高めることのできる超音波脱泡方法、超音波脱泡装置を
提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】写真乳剤塗布液調整工程の1例を示す説明図。
【図2】本発明に係る超音波脱泡装置の実施形態の1例
を示す概略断面図。
【図3】本発明に係る超音波脱泡装置の実施形態の他の
例を示す概略断面図。
【図4】超音波伝播用液体の使用条件下における溶存空
気濃度の不飽和度と、定在波振幅及び超音波強度経時変
動の関係を表すグラフ。
【符号の説明】
4 流入コック 5 超音波脱泡装置 6 流出コック 8 脱泡槽 9 ジャケット 10 写真乳剤塗布液 13 超音波発振器 14 水 17 流出バルブ 18 導液管 20 脱気手段 21 流入バルブ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気泡を含む被脱泡液に、超音波伝播用液
    体を介して超音波を照射することにより前記被脱泡液の
    脱泡を行う超音波脱泡方法において、前記超音波伝播用
    液体の使用条件下における溶存空気濃度の不飽和度が1
    0%以上であることを特徴とする超音波脱泡方法。
  2. 【請求項2】 前記超音波伝播用液体を脱気することに
    より、前記超音波伝播用液体の使用条件下における溶存
    空気濃度の不飽和度を10%以上とすることを特徴とす
    る請求項1に記載の超音波脱泡方法。
  3. 【請求項3】 前記超音波伝播用液体を加圧することに
    より、前記超音波伝播用液体の使用条件下における溶存
    空気濃度の不飽和度を10%以上とすることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の超音波脱泡方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の超
    音波脱泡方法によって脱泡を行うことを特徴とする超音
    波脱泡装置。
  5. 【請求項5】 内部に超音波伝播用液体を収容し、超音
    波発振器を備えた超音波液槽と、被脱泡液を収容した脱
    泡槽又は被脱泡液を送液する送液管とを有し、前記超音
    波液槽中の前記超音波伝播用液体に、前記脱泡槽又は前
    記送液管の少なくとも1部を浸漬した超音波脱泡装置に
    おいて、前記超音波伝播用液体の使用条件下における溶
    存空気濃度の不飽和度が10%以上であることを特徴と
    する超音波脱泡装置。
  6. 【請求項6】 前記超音波伝播用液体を脱気して、前記
    超音波伝播用液体の使用条件下における溶存空気濃度の
    不飽和度を10%以上とする脱気手段を有することを特
    徴とする請求項5に記載の超音波脱泡装置。
  7. 【請求項7】 前記超音波伝播用液体を加圧して、前記
    超音波伝播用液体の使用条件下における溶存空気濃度の
    不飽和度を10%以上とする加圧手段を有することを特
    徴とする請求項5又は6に記載の超音波脱泡装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003080005A (ja) * 2001-06-28 2003-03-18 Fuji Photo Film Co Ltd 脱泡装置および脱泡方法
CN104645672A (zh) * 2013-11-18 2015-05-27 上海兴全电力技术有限公司 大功率超声波高效消泡装置

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