JPH1149578A - 半導体装置用放熱部材及びその製造方法 - Google Patents
半導体装置用放熱部材及びその製造方法Info
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- JPH1149578A JPH1149578A JP9219191A JP21919197A JPH1149578A JP H1149578 A JPH1149578 A JP H1149578A JP 9219191 A JP9219191 A JP 9219191A JP 21919197 A JP21919197 A JP 21919197A JP H1149578 A JPH1149578 A JP H1149578A
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- Japan
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- graphitized carbon
- fibers
- graphitized
- semiconductor device
- graphitization
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 低コストで、熱伝導率、熱膨脹係数等の優れ
た熱特性を有し、加工性の良好な半導体装置放熱部材及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 黒鉛化カーボンのマトリックスに、黒鉛
化カーボン短繊維または長繊維を分散させた複合体で構
成された半導体装置用放熱部材で、黒鉛化カーボン短繊
維または長繊維で多孔質繊維成形体を成形し、ピッチ樹
脂を含浸させ炭素化を行い、次いで黒鉛化を行い、黒鉛
化後分解ガスを放出し、さらにピッチ樹脂を含浸させて
炭素化および黒鉛化を行う黒鉛化処理の工程を複数回繰
り返して製造する。
た熱特性を有し、加工性の良好な半導体装置放熱部材及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 黒鉛化カーボンのマトリックスに、黒鉛
化カーボン短繊維または長繊維を分散させた複合体で構
成された半導体装置用放熱部材で、黒鉛化カーボン短繊
維または長繊維で多孔質繊維成形体を成形し、ピッチ樹
脂を含浸させ炭素化を行い、次いで黒鉛化を行い、黒鉛
化後分解ガスを放出し、さらにピッチ樹脂を含浸させて
炭素化および黒鉛化を行う黒鉛化処理の工程を複数回繰
り返して製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置用放熱
部材及びその製造方法に係り、例えば各種半導体素子の
キャリアー、基板、ケースなどに用いられる半導体装置
用放熱部材に関するものである。
部材及びその製造方法に係り、例えば各種半導体素子の
キャリアー、基板、ケースなどに用いられる半導体装置
用放熱部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器関連製品、特に半導体装置の課
題の1つは、いかに放熱するかである。その目的でLS
パッケージや光半導体パッケージなどの半導体装置にヒ
ートスプレッダー、ヒートシンクと呼ばれる放熱部が設
けられている。この部材の要求特性は、 熱を放散させるために、熱伝導率が高いこと シリコンチップ、セラミックス、ガラス基板と接合
させるため熱膨脹係数が実装材に近いこと、である。 現在、Cu−W合金、Al−高Si合金、Cu、Cu合
金、セラミックスなどが多く用いられているが、十分に
その要求を満足するものではない。
題の1つは、いかに放熱するかである。その目的でLS
パッケージや光半導体パッケージなどの半導体装置にヒ
ートスプレッダー、ヒートシンクと呼ばれる放熱部が設
けられている。この部材の要求特性は、 熱を放散させるために、熱伝導率が高いこと シリコンチップ、セラミックス、ガラス基板と接合
させるため熱膨脹係数が実装材に近いこと、である。 現在、Cu−W合金、Al−高Si合金、Cu、Cu合
金、セラミックスなどが多く用いられているが、十分に
その要求を満足するものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来より用いら
れてる材料は、基板材料のセラミックス、シリコンチッ
プと接合するため熱膨脹係数を考慮し、かつ高い熱伝導
性を持たせるために選定された材料である。しかしなが
ら、これら材料には問題がある。Cu−W合金はタング
ステンを多く用いるため原料コストが高く、比重が大き
くさらに加工性が悪いという問題がある。Al−高Si
合金では比重が小さいが同様に加工性が悪いという問題
がある。Cuは高い熱伝導率(300W/m・K)を有
しているが、近年の高出力化に伴い十分な低い熱膨脹係
数が得られないという問題がある。
れてる材料は、基板材料のセラミックス、シリコンチッ
プと接合するため熱膨脹係数を考慮し、かつ高い熱伝導
性を持たせるために選定された材料である。しかしなが
ら、これら材料には問題がある。Cu−W合金はタング
ステンを多く用いるため原料コストが高く、比重が大き
くさらに加工性が悪いという問題がある。Al−高Si
合金では比重が小さいが同様に加工性が悪いという問題
がある。Cuは高い熱伝導率(300W/m・K)を有
しているが、近年の高出力化に伴い十分な低い熱膨脹係
数が得られないという問題がある。
【0004】また、近年アルミまたはアルミ合金にカー
ボン繊維を含有させた放熱材が提案されている(例えば
特開平4−147654号公報)。これはアルミ系材料
とカーボンは濡れ性が悪く、界面で十分な密着性が得ら
れておらず、初期特性として所望の熱伝導率、熱膨脹係
数は得られるものの、熱履歴を加えると特性劣化を示す
という問題があった。
ボン繊維を含有させた放熱材が提案されている(例えば
特開平4−147654号公報)。これはアルミ系材料
とカーボンは濡れ性が悪く、界面で十分な密着性が得ら
れておらず、初期特性として所望の熱伝導率、熱膨脹係
数は得られるものの、熱履歴を加えると特性劣化を示す
という問題があった。
【0005】また、炭素繊維強化炭素複合材をセラミッ
クス基板と金属支持板との間、または半導体素子とセラ
ミックス基板との間に配置した半導体装置が特開平5−
175378号公報で提案されている。しかしこの炭素
繊維強化炭素複合材でも、熱を放散させるために充分な
熱伝導率、及びシリコンチップと接合させるための充分
な熱膨脹係数が得られないという問題があった。本発明
は、従来の材料の課題を解決し、低コストで、熱伝導
率、熱膨脹係数等の優れた熱特性を有し、加工性の良好
な半導体装置放熱部材及びその製造方法を提供すること
を目的とするものである。
クス基板と金属支持板との間、または半導体素子とセラ
ミックス基板との間に配置した半導体装置が特開平5−
175378号公報で提案されている。しかしこの炭素
繊維強化炭素複合材でも、熱を放散させるために充分な
熱伝導率、及びシリコンチップと接合させるための充分
な熱膨脹係数が得られないという問題があった。本発明
は、従来の材料の課題を解決し、低コストで、熱伝導
率、熱膨脹係数等の優れた熱特性を有し、加工性の良好
な半導体装置放熱部材及びその製造方法を提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、黒鉛化し
たカーボン繊維を短繊維または長繊維の状態で用い、マ
トリックスに黒鉛化した非繊維状のカーボンで複合した
複合体からなるものである。すなわち、本発明は、黒鉛
化カーボンのマトリックスに、黒鉛化カーボン短繊維ま
たは長繊維を分散させた黒鉛化カーボン繊維/黒鉛化カ
ーボンの複合体で構成されたことを特徴とする半導体装
置用放熱部材である。
従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、黒鉛化し
たカーボン繊維を短繊維または長繊維の状態で用い、マ
トリックスに黒鉛化した非繊維状のカーボンで複合した
複合体からなるものである。すなわち、本発明は、黒鉛
化カーボンのマトリックスに、黒鉛化カーボン短繊維ま
たは長繊維を分散させた黒鉛化カーボン繊維/黒鉛化カ
ーボンの複合体で構成されたことを特徴とする半導体装
置用放熱部材である。
【0007】また本発明は、黒鉛化カーボン長繊維が、
電子部品搭載面と平行に2次元面ないで直交または所定
の角度に疑似等方で配列し、電子部品搭載面の垂直な面
方向に層状に配列されていることを特徴とするものであ
る。また本発明は、黒鉛化カーボン長繊維が、電子部品
搭載面に、2次元面ないで直交または所定の角度で疑似
等方で配列し、さらに電子部品搭載面の垂直な方向に配
向した繊維群を有することを特徴とするものである。ま
た本発明は、黒鉛化カーボン短繊維が、電子部品搭載面
と平行に2次元的にランダム配向し、電子部品搭載面の
垂直な面方向に層状に配列されていることを特徴とする
ものである。また本発明は、放熱部材が、基板に形成さ
れた半導体チップ上に搭載されるヒートシンクとの間に
介在させるものである。
電子部品搭載面と平行に2次元面ないで直交または所定
の角度に疑似等方で配列し、電子部品搭載面の垂直な面
方向に層状に配列されていることを特徴とするものであ
る。また本発明は、黒鉛化カーボン長繊維が、電子部品
搭載面に、2次元面ないで直交または所定の角度で疑似
等方で配列し、さらに電子部品搭載面の垂直な方向に配
向した繊維群を有することを特徴とするものである。ま
た本発明は、黒鉛化カーボン短繊維が、電子部品搭載面
と平行に2次元的にランダム配向し、電子部品搭載面の
垂直な面方向に層状に配列されていることを特徴とする
ものである。また本発明は、放熱部材が、基板に形成さ
れた半導体チップ上に搭載されるヒートシンクとの間に
介在させるものである。
【0008】さらに本発明は、黒鉛化カーボン短繊維ま
たは長繊維で多孔質繊維成形体を成形し、前記多孔質繊
維成形体に不活性雰囲気中での加熱により黒鉛化する樹
脂を含浸させ炭素化を行い、次いで黒鉛化を行い、黒鉛
化後分解ガスを放出し、さらに不活性雰囲気中での加熱
により黒鉛化する樹脂を含浸させて炭素化および黒鉛化
を行う黒鉛化処理の工程を複数回繰り返すことを特徴と
する半導体装置用放熱部材の製造方法である。
たは長繊維で多孔質繊維成形体を成形し、前記多孔質繊
維成形体に不活性雰囲気中での加熱により黒鉛化する樹
脂を含浸させ炭素化を行い、次いで黒鉛化を行い、黒鉛
化後分解ガスを放出し、さらに不活性雰囲気中での加熱
により黒鉛化する樹脂を含浸させて炭素化および黒鉛化
を行う黒鉛化処理の工程を複数回繰り返すことを特徴と
する半導体装置用放熱部材の製造方法である。
【0009】
【作用】本発明において、黒鉛化カーボン(グラファイ
ト)を母相とし、黒鉛化カーボン短繊維または長繊維分
散させた黒鉛化カーボン繊維/黒鉛化カーボンマトリッ
クスの複合体を用いるので、基板材料のセラミックス、
シリコンチップとの熱膨張係数差を小さくすることがで
き、接合部に負荷される熱応力を小さく抑えることが可
能であり、半導体装置の信頼性の向上を図ることができ
る。また熱伝導率が高いので放熱特性の向上により半導
体装置の小型化、高性能化ができる。さらに、機械加工
性に優れ製造コストを低く抑えることができるものであ
る。
ト)を母相とし、黒鉛化カーボン短繊維または長繊維分
散させた黒鉛化カーボン繊維/黒鉛化カーボンマトリッ
クスの複合体を用いるので、基板材料のセラミックス、
シリコンチップとの熱膨張係数差を小さくすることがで
き、接合部に負荷される熱応力を小さく抑えることが可
能であり、半導体装置の信頼性の向上を図ることができ
る。また熱伝導率が高いので放熱特性の向上により半導
体装置の小型化、高性能化ができる。さらに、機械加工
性に優れ製造コストを低く抑えることができるものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における黒鉛化カーボン繊
維は、高熱伝導、高剛性を有し、十分な熱特性の確保が
可能である。黒鉛化カーボン繊維にはピッチ系、ポリア
クリロニトリル系のものであり、例えばピッチ系たはポ
リアクリロニトリル系繊維を酸化性雰囲気中で不溶化
し、さらに不活性雰囲気中で炭素化後、次いで不活性雰
囲気中で黒鉛化する。そして仕上げを行うのである。具
体的には、例えばピッチ系の黒鉛化カーボン繊維の製造
は、ピッチ繊維を酸化性雰囲気中150〜400℃で不
溶化し、不活性雰囲気中1000℃〜1500℃で炭素
化後、次いで不活性雰囲気中1500℃〜3000℃で
黒鉛化する。そして仕上げ(表面処理、サイジング)を
行うのである。また黒鉛化カーボン繊維の径は、5μm
〜30μmが好ましい。
維は、高熱伝導、高剛性を有し、十分な熱特性の確保が
可能である。黒鉛化カーボン繊維にはピッチ系、ポリア
クリロニトリル系のものであり、例えばピッチ系たはポ
リアクリロニトリル系繊維を酸化性雰囲気中で不溶化
し、さらに不活性雰囲気中で炭素化後、次いで不活性雰
囲気中で黒鉛化する。そして仕上げを行うのである。具
体的には、例えばピッチ系の黒鉛化カーボン繊維の製造
は、ピッチ繊維を酸化性雰囲気中150〜400℃で不
溶化し、不活性雰囲気中1000℃〜1500℃で炭素
化後、次いで不活性雰囲気中1500℃〜3000℃で
黒鉛化する。そして仕上げ(表面処理、サイジング)を
行うのである。また黒鉛化カーボン繊維の径は、5μm
〜30μmが好ましい。
【0011】黒鉛化カーボン繊維の分布形態は、長繊維
の場合には、電子部品搭載面と平行に2次元面ないで直
交または所定の角度に疑似等方で配列し、電子部品搭載
面の垂直な面方向に層状に配列する。例えば黒鉛化カー
ボン長繊維の経糸と緯糸とを交差させてシート状に編み
込み、これを電子部品搭載面に平行に積層して多孔質繊
維成形体とする。また経糸と緯糸を交差させるには、直
角に交差させても、また所定の角度で交差させてもよ
い。
の場合には、電子部品搭載面と平行に2次元面ないで直
交または所定の角度に疑似等方で配列し、電子部品搭載
面の垂直な面方向に層状に配列する。例えば黒鉛化カー
ボン長繊維の経糸と緯糸とを交差させてシート状に編み
込み、これを電子部品搭載面に平行に積層して多孔質繊
維成形体とする。また経糸と緯糸を交差させるには、直
角に交差させても、また所定の角度で交差させてもよ
い。
【0012】また、黒鉛化カーボン長繊維を電子部品搭
載面に2次元面ないで直交または所定の角度で疑似等方
で配列し、さらに電子部品搭載面の垂直な方向に配向し
た繊維群を有するものである。これは3次元疑似等方と
も言えるもので放熱部材の厚み方向での熱特性の確保に
効果的である、例えば黒鉛化カーボン長繊維の経糸と緯
糸を交差させて接触面に平行に平板状に積み重ね、厚さ
方向に垂直糸を配列し多孔質繊維成形体とする。このと
き経糸と緯糸は直角に交差させて平板状に積み重ねもよ
く、また所定の角度で交差させて平板状に積み重ねもよ
い。
載面に2次元面ないで直交または所定の角度で疑似等方
で配列し、さらに電子部品搭載面の垂直な方向に配向し
た繊維群を有するものである。これは3次元疑似等方と
も言えるもので放熱部材の厚み方向での熱特性の確保に
効果的である、例えば黒鉛化カーボン長繊維の経糸と緯
糸を交差させて接触面に平行に平板状に積み重ね、厚さ
方向に垂直糸を配列し多孔質繊維成形体とする。このと
き経糸と緯糸は直角に交差させて平板状に積み重ねもよ
く、また所定の角度で交差させて平板状に積み重ねもよ
い。
【0013】また黒鉛化カーボン繊維が短繊維の場合
は、電子部品搭載面と平行に2次元的にランダム配向
し、電子部品搭載面の垂直な面方向に層状に配列するも
ので、具体的には多孔質繊維成形体の作製時に2次元面
でランダム配向し、厚み方向で層構造をとることが適当
である。このように、黒鉛化カーボン短繊維の軸が電子
部品搭載面、即ち電子部品との接触面と平行でランダム
に配向しているので、電子部品搭載面の縦方向と横方向
の熱膨張係数に差がないものであり、また長繊維は電子
部品搭載面と平行に2次元面ないで直交または所定の角
度に疑似等方で配列しているので、これも縦方向と横方
向の熱膨張係数に差がないものである。また、黒鉛化カ
ーボン長繊維または短繊維の複合体に占める割合、即ち
体積充填率(Vf)は、30%〜70%が好ましい。
は、電子部品搭載面と平行に2次元的にランダム配向
し、電子部品搭載面の垂直な面方向に層状に配列するも
ので、具体的には多孔質繊維成形体の作製時に2次元面
でランダム配向し、厚み方向で層構造をとることが適当
である。このように、黒鉛化カーボン短繊維の軸が電子
部品搭載面、即ち電子部品との接触面と平行でランダム
に配向しているので、電子部品搭載面の縦方向と横方向
の熱膨張係数に差がないものであり、また長繊維は電子
部品搭載面と平行に2次元面ないで直交または所定の角
度に疑似等方で配列しているので、これも縦方向と横方
向の熱膨張係数に差がないものである。また、黒鉛化カ
ーボン長繊維または短繊維の複合体に占める割合、即ち
体積充填率(Vf)は、30%〜70%が好ましい。
【0014】本発明の黒鉛化カーボン繊維/黒鉛化カー
ボンマトリックス複合体の半導体装置用放熱部材の使用
の態様は、各種半導体素子のキャリアー、基板、ケース
などに用いられるもので、熱伝導率が高いので搭載する
電子部品、特に半導体装置の熱を放散させることができ
ものであり、また熱膨張係数差が小さいので接合部に負
荷される熱応力を小さく抑えることができるものであ
る。電子部品搭載面は、電子部品、特に半導体素子と接
触する面である。
ボンマトリックス複合体の半導体装置用放熱部材の使用
の態様は、各種半導体素子のキャリアー、基板、ケース
などに用いられるもので、熱伝導率が高いので搭載する
電子部品、特に半導体装置の熱を放散させることができ
ものであり、また熱膨張係数差が小さいので接合部に負
荷される熱応力を小さく抑えることができるものであ
る。電子部品搭載面は、電子部品、特に半導体素子と接
触する面である。
【0015】本発明の放熱部材は、基板に形成された半
導体チップ上に搭載されるヒートシンクとの間に介在さ
せるものである。また、接合層を設けるものである。具
体的には、セラミックス基板上の半導体チップ、接合
層、半導体装置用放熱部材である黒鉛化カーボン繊維/
黒鉛化カーボンの複合材、接合層、及びヒートシンクで
構成されているものである。その使用の態様を図1に示
すと、セラミックス基板(1)に半導体のシリコンチッ
プ(2)をハンダバンプ(5)を介して接合する。シリ
コンチップ(2)には、半導体装置用放熱部材である黒
鉛化カーボン繊維/黒鉛化カーボンの複合材(3)を銀
ペーストまたはエポキシ系の接着剤(6)を介して接着
し、その上にサーマルシート(7)を介してヒートシン
ク(4)接合する。このように放熱部材である複合材
(3)は、半導体シリコンチップ(2)とヒートシンク
(4)との間に配置されて用いられるものである。この
場合、シリコンチップの熱膨張係数は約4×10-6/℃
で、本発明の放熱部材は、0〜1.7×10-6/℃であ
り、その差を小さく接合部に負荷される熱応力を小さく
抑えることができるものである。
導体チップ上に搭載されるヒートシンクとの間に介在さ
せるものである。また、接合層を設けるものである。具
体的には、セラミックス基板上の半導体チップ、接合
層、半導体装置用放熱部材である黒鉛化カーボン繊維/
黒鉛化カーボンの複合材、接合層、及びヒートシンクで
構成されているものである。その使用の態様を図1に示
すと、セラミックス基板(1)に半導体のシリコンチッ
プ(2)をハンダバンプ(5)を介して接合する。シリ
コンチップ(2)には、半導体装置用放熱部材である黒
鉛化カーボン繊維/黒鉛化カーボンの複合材(3)を銀
ペーストまたはエポキシ系の接着剤(6)を介して接着
し、その上にサーマルシート(7)を介してヒートシン
ク(4)接合する。このように放熱部材である複合材
(3)は、半導体シリコンチップ(2)とヒートシンク
(4)との間に配置されて用いられるものである。この
場合、シリコンチップの熱膨張係数は約4×10-6/℃
で、本発明の放熱部材は、0〜1.7×10-6/℃であ
り、その差を小さく接合部に負荷される熱応力を小さく
抑えることができるものである。
【0016】本発明の製造方法は、黒鉛化カーボン短繊
維または長繊維で多孔質繊維成形体を成形し、これに不
活性雰囲気中での加熱により黒鉛化する樹脂、例えばピ
ッチ樹脂、フェノール樹脂を含浸させ炭素化を行い、次
いで黒鉛化を行い、黒鉛化後分解ガスを放出し、さらに
不活性雰囲気中での加熱により黒鉛化する樹脂、例えば
ピッチ樹脂、フェノール樹脂を含浸させて炭素化および
黒鉛化を行う黒鉛化処理の工程を複数回繰り返すもので
ある。その条件について具体的に例示すると、炭素化は
不活性雰囲気中1000℃〜1500℃で行うものであ
る。次の黒鉛化は、不活性雰囲気中1500℃〜300
0℃、好ましくは2000℃〜3000℃で行う。黒鉛
化後に分解ガスが生ずるので、その分解ガスを放出して
さらに黒鉛化する樹脂を含浸させる。この黒鉛化する樹
脂、例えばピッチ樹脂、フェノール樹脂の含浸は100
℃〜400℃、好ましくは200℃〜300℃で行う。
このような黒鉛化する樹脂の含浸、炭素化、黒鉛化とい
う黒鉛化処理の工程を複数回、例えば3回繰り返すもの
である。
維または長繊維で多孔質繊維成形体を成形し、これに不
活性雰囲気中での加熱により黒鉛化する樹脂、例えばピ
ッチ樹脂、フェノール樹脂を含浸させ炭素化を行い、次
いで黒鉛化を行い、黒鉛化後分解ガスを放出し、さらに
不活性雰囲気中での加熱により黒鉛化する樹脂、例えば
ピッチ樹脂、フェノール樹脂を含浸させて炭素化および
黒鉛化を行う黒鉛化処理の工程を複数回繰り返すもので
ある。その条件について具体的に例示すると、炭素化は
不活性雰囲気中1000℃〜1500℃で行うものであ
る。次の黒鉛化は、不活性雰囲気中1500℃〜300
0℃、好ましくは2000℃〜3000℃で行う。黒鉛
化後に分解ガスが生ずるので、その分解ガスを放出して
さらに黒鉛化する樹脂を含浸させる。この黒鉛化する樹
脂、例えばピッチ樹脂、フェノール樹脂の含浸は100
℃〜400℃、好ましくは200℃〜300℃で行う。
このような黒鉛化する樹脂の含浸、炭素化、黒鉛化とい
う黒鉛化処理の工程を複数回、例えば3回繰り返すもの
である。
【0017】
【実施例1】本発明の第1の実施例は、2次元配向黒鉛
化カーボン繊維/黒鉛化カーボンマトリックスの複合体
であり、図2を参照して説明する。図2に示すように、
黒鉛化カーボン長繊維の経糸(11)と緯糸(12)を
織機にて平織りに編み上げた織物(10)を積層して多
孔質繊維成形体を成形した。黒鉛化カーボン長繊維(繊
維径10μm、フィラメント数4000本)の糸を用
い、経糸は25mm幅に8本(8本/25mm)、緯糸
は25mm幅に7本(7本/25mm)の糸密度で織物
(10)に編み上げた。
化カーボン繊維/黒鉛化カーボンマトリックスの複合体
であり、図2を参照して説明する。図2に示すように、
黒鉛化カーボン長繊維の経糸(11)と緯糸(12)を
織機にて平織りに編み上げた織物(10)を積層して多
孔質繊維成形体を成形した。黒鉛化カーボン長繊維(繊
維径10μm、フィラメント数4000本)の糸を用
い、経糸は25mm幅に8本(8本/25mm)、緯糸
は25mm幅に7本(7本/25mm)の糸密度で織物
(10)に編み上げた。
【0018】織物(10)は、厚み約1mmで、これを
厚み10mmになるように積層して、多孔質繊維成形体
に成形した。トータルの体積充填率は50%である。こ
の多孔質繊維成形体にピッチ樹脂を含浸させた。これを
1000℃に加熱し炭化させ、さらに2800℃で黒鉛
化処理を行った。黒鉛化後分解ガスが放出され、微細な
孔があくので、200℃〜300℃にてさらにピッチ樹
脂を含浸させ、炭化、黒鉛化処理を行った。以上のピッ
チ樹脂含浸から黒鉛化処理までの工程を3回繰り返し
て、黒鉛カーボン長繊維/黒鉛カーボンの複合体を作製
した。
厚み10mmになるように積層して、多孔質繊維成形体
に成形した。トータルの体積充填率は50%である。こ
の多孔質繊維成形体にピッチ樹脂を含浸させた。これを
1000℃に加熱し炭化させ、さらに2800℃で黒鉛
化処理を行った。黒鉛化後分解ガスが放出され、微細な
孔があくので、200℃〜300℃にてさらにピッチ樹
脂を含浸させ、炭化、黒鉛化処理を行った。以上のピッ
チ樹脂含浸から黒鉛化処理までの工程を3回繰り返し
て、黒鉛カーボン長繊維/黒鉛カーボンの複合体を作製
した。
【0019】上述のように作製した黒鉛化カーボン長繊
維/黒鉛化カーボンの複合材の熱特性は、φ10の形状
のサンプルを平面方向に採取し、レーザーフラッシュ法
に行った。測定はサンプル平面部全面にレーザーを照射
し、照射面の反対側に熱電対にて温度測定を行い、熱拡
散率、比熱、サンプル比重から熱伝導率を測定した。測
定した熱伝導率は400W/m・Kであった。接触式に
より40〜100℃で測定した熱膨張係数は、0×10
-6/℃であった。
維/黒鉛化カーボンの複合材の熱特性は、φ10の形状
のサンプルを平面方向に採取し、レーザーフラッシュ法
に行った。測定はサンプル平面部全面にレーザーを照射
し、照射面の反対側に熱電対にて温度測定を行い、熱拡
散率、比熱、サンプル比重から熱伝導率を測定した。測
定した熱伝導率は400W/m・Kであった。接触式に
より40〜100℃で測定した熱膨張係数は、0×10
-6/℃であった。
【0020】また、上記複合材を機械加工によって35
×35×1mm厚の形状に機械加工を施した。加工は極
めて容易に行うことができた。これを図1に示すように
配置した。すなわち黒鉛化カーボン繊維/黒鉛化カーボ
ンの複合材(3)をシリコンチップ(2)に接着剤
(6)を介して接着し、その上にサーマルシート(7)
を介してヒートシンク(4)接合した。これに熱サイク
ル条件として、−65℃に30min保持後、150℃
に30min保持を1サイクルとして合計600サイク
ルの熱サイクルを与えた。試験後に複合材(3)をルー
ペにより接着面を観察し、亀裂の有無を確認した。その
結果、この実施例の複合材(3)のサンプルでは、5個
のサンプルとも全く亀裂が観察されなかった。
×35×1mm厚の形状に機械加工を施した。加工は極
めて容易に行うことができた。これを図1に示すように
配置した。すなわち黒鉛化カーボン繊維/黒鉛化カーボ
ンの複合材(3)をシリコンチップ(2)に接着剤
(6)を介して接着し、その上にサーマルシート(7)
を介してヒートシンク(4)接合した。これに熱サイク
ル条件として、−65℃に30min保持後、150℃
に30min保持を1サイクルとして合計600サイク
ルの熱サイクルを与えた。試験後に複合材(3)をルー
ペにより接着面を観察し、亀裂の有無を確認した。その
結果、この実施例の複合材(3)のサンプルでは、5個
のサンプルとも全く亀裂が観察されなかった。
【0021】
【実施例2】本発明の上記実施例1の黒鉛化カーボン長
繊維/黒鉛化カーボンの複合体を用いて電子部品搭載基
材を作製し、その特性を示す。電子部品搭載基材は、3
5×35×1mm厚の基材形状に機械加工を施した。加
工は極めて容易に行うことができた。次に基材にPVD
処理によりNiを2μmコーティングし、さらに金メッ
キを1μm施した。基材平面部に15×15×0.5m
mのシリコンチップを半田にて接合し、熱サイクル試験
を行った。熱サイクル条件として、−65℃に30mi
n保持後、150℃に30min保持を1サイクルとし
て合計600サイクルの熱サイクルを与えた。試験後に
サンプルの接着面をルーペで観察し、亀裂の有無を確認
した。その結果、上記基材を用いたサンプルでは、5個
のサンプルとも全く亀裂が観察されなかった。なお、黒
鉛化カーボン長繊維/黒鉛化カーボン複合体にPVD処
理によるNiコーティングし、さらに金メッキをした
が、その特性に影響はなかった。
繊維/黒鉛化カーボンの複合体を用いて電子部品搭載基
材を作製し、その特性を示す。電子部品搭載基材は、3
5×35×1mm厚の基材形状に機械加工を施した。加
工は極めて容易に行うことができた。次に基材にPVD
処理によりNiを2μmコーティングし、さらに金メッ
キを1μm施した。基材平面部に15×15×0.5m
mのシリコンチップを半田にて接合し、熱サイクル試験
を行った。熱サイクル条件として、−65℃に30mi
n保持後、150℃に30min保持を1サイクルとし
て合計600サイクルの熱サイクルを与えた。試験後に
サンプルの接着面をルーペで観察し、亀裂の有無を確認
した。その結果、上記基材を用いたサンプルでは、5個
のサンプルとも全く亀裂が観察されなかった。なお、黒
鉛化カーボン長繊維/黒鉛化カーボン複合体にPVD処
理によるNiコーティングし、さらに金メッキをした
が、その特性に影響はなかった。
【0022】
【比較例1】アルミニウム合金(Al−Si30wt
%)を上記実施例2と同様の基材形状のサンプルに作製
した。作製したサンプルの熱特性は、レーザーフラッシ
ュ法にて測定した熱伝導率は140W/m・Kであり、
接触式により40〜100℃で測定した熱膨張係数は、
16×10-6/℃であった。また、実施例2と同様の熱
サイクル試験を行った結果、5個のサンプルにおいて、
5個とも大きな亀裂及び剥離が観察された。
%)を上記実施例2と同様の基材形状のサンプルに作製
した。作製したサンプルの熱特性は、レーザーフラッシ
ュ法にて測定した熱伝導率は140W/m・Kであり、
接触式により40〜100℃で測定した熱膨張係数は、
16×10-6/℃であった。また、実施例2と同様の熱
サイクル試験を行った結果、5個のサンプルにおいて、
5個とも大きな亀裂及び剥離が観察された。
【0023】
【比較例2】Cu−W合金(Cu−W90wt%)を上
記実施例2と同様の基材形状のサンプルに作製した。作
製したサンプルの熱特性は、レーザーフラッシュ法にて
測定した熱伝導率は180W/m・Kであり、接触式に
より40〜100℃で測定した熱膨張係数は、6.5×
10-6/℃であった。実施例2と同様の熱サイクル試験
を行った結果、5個のサンプル中、3個には大きな亀裂
及び剥離が観察された。
記実施例2と同様の基材形状のサンプルに作製した。作
製したサンプルの熱特性は、レーザーフラッシュ法にて
測定した熱伝導率は180W/m・Kであり、接触式に
より40〜100℃で測定した熱膨張係数は、6.5×
10-6/℃であった。実施例2と同様の熱サイクル試験
を行った結果、5個のサンプル中、3個には大きな亀裂
及び剥離が観察された。
【0024】
【実施例3】本発明の第3の実施例は、3次元配向黒鉛
化カーボン長繊維の複合材であり、図3、図4(a)
(b)を参照して説明する。図3は3次元配向黒鉛化カ
ーボン長繊維の織物の斜視図であり、図4(a)は図3
のA−A断面図、図4(b)は図3のB−B断面図であ
る。図3、図4(a)(b)に示すように、3次元配向
黒鉛化カーボン長繊維の多孔質繊維成形体(15)は、
黒鉛化カーボン長繊維の経糸(16)と緯糸(17)を
平板状に配列して順次積み重ね、厚さ方向の垂直糸(1
8)で編んだものである。経糸(16)、緯糸(1
7)、垂直糸(18)は全てが真っ直ぐに交差配列され
ており、繊維性能を最大限に生かした組織となってい
る。そして垂直糸(18)が、経糸(16)と緯糸(1
7)の層間性能を強化しているものである。
化カーボン長繊維の複合材であり、図3、図4(a)
(b)を参照して説明する。図3は3次元配向黒鉛化カ
ーボン長繊維の織物の斜視図であり、図4(a)は図3
のA−A断面図、図4(b)は図3のB−B断面図であ
る。図3、図4(a)(b)に示すように、3次元配向
黒鉛化カーボン長繊維の多孔質繊維成形体(15)は、
黒鉛化カーボン長繊維の経糸(16)と緯糸(17)を
平板状に配列して順次積み重ね、厚さ方向の垂直糸(1
8)で編んだものである。経糸(16)、緯糸(1
7)、垂直糸(18)は全てが真っ直ぐに交差配列され
ており、繊維性能を最大限に生かした組織となってい
る。そして垂直糸(18)が、経糸(16)と緯糸(1
7)の層間性能を強化しているものである。
【0025】この3次元配向黒鉛化カーボン長繊維の多
孔質繊維成形体は、黒鉛化カーボン長繊維(繊維径10
μm、フィラメント数2000本)の糸を用い、経糸は
25mm幅に9本(9本/25mm)、緯糸は25mm
幅に8本(8本/25mm)の糸密度であり、また厚み
方向の垂直糸は、25mm2 に8本〜9本(8本〜9本
/25mm2 )の糸密度のものである。
孔質繊維成形体は、黒鉛化カーボン長繊維(繊維径10
μm、フィラメント数2000本)の糸を用い、経糸は
25mm幅に9本(9本/25mm)、緯糸は25mm
幅に8本(8本/25mm)の糸密度であり、また厚み
方向の垂直糸は、25mm2 に8本〜9本(8本〜9本
/25mm2 )の糸密度のものである。
【0026】この織物の多孔質繊維成形体にピッチ樹脂
を含浸させ、上記実施例1で示した工程と同様に黒鉛化
処理を行い、黒鉛化カーボン長繊維/黒鉛化カーボンの
複合材を作製した。この実施例3の黒鉛化カーボン長繊
維/黒鉛化カーボンの複合材よりサンプルを平面方向に
採取し熱伝導率、熱膨張係数を測定した。レーザーフラ
ッシュ法にて測定した熱伝導率は、270W/m・Kで
あり、接触式により40〜100℃で測定した熱膨張係
数は、1×10-6/℃であった。
を含浸させ、上記実施例1で示した工程と同様に黒鉛化
処理を行い、黒鉛化カーボン長繊維/黒鉛化カーボンの
複合材を作製した。この実施例3の黒鉛化カーボン長繊
維/黒鉛化カーボンの複合材よりサンプルを平面方向に
採取し熱伝導率、熱膨張係数を測定した。レーザーフラ
ッシュ法にて測定した熱伝導率は、270W/m・Kで
あり、接触式により40〜100℃で測定した熱膨張係
数は、1×10-6/℃であった。
【0027】また、実施例3の複合材で、電子部品搭載
基材を作製した。機械加工によって35×35×1mm
厚の基材形状に機械加工を施した。加工は極めて容易に
行うことができた。次に基材にPVD処理によりNiを
2μmコーティングし、さらに金メッキを1μm施し
た。基材平面部に15×15×0.5mmのシリコンチ
ップを半田にて接合し、熱サイクル試験を行った。熱サ
イクル条件として、−65℃に30min保持後、15
0℃に30min保持を1サイクルとして合計600サ
イクルの熱サイクルを与えた。試験後にサンプルの接着
面をルーペで観察し、亀裂の有無を確認した。その結
果、上記基材を用いたサンプルでは、5個のサンプルと
も全く亀裂が観察されず、上記実施例2と同様に良好な
結果を得た。
基材を作製した。機械加工によって35×35×1mm
厚の基材形状に機械加工を施した。加工は極めて容易に
行うことができた。次に基材にPVD処理によりNiを
2μmコーティングし、さらに金メッキを1μm施し
た。基材平面部に15×15×0.5mmのシリコンチ
ップを半田にて接合し、熱サイクル試験を行った。熱サ
イクル条件として、−65℃に30min保持後、15
0℃に30min保持を1サイクルとして合計600サ
イクルの熱サイクルを与えた。試験後にサンプルの接着
面をルーペで観察し、亀裂の有無を確認した。その結
果、上記基材を用いたサンプルでは、5個のサンプルと
も全く亀裂が観察されず、上記実施例2と同様に良好な
結果を得た。
【0028】
【実施例4】本発明の第4の実施例は、2次元ランダム
黒鉛化カーボン短繊維/黒鉛化カーボンマトリックスの
複合体であり、図5、表1及び表2を参照して説明す
る。図5にしめすように、黒鉛化カーボン短繊維(2
1)を多孔質繊維成形体(20)中の繊維軸配向は、平
面方向にランダムに厚み方向で層状に分布させたもので
ある。黒鉛化カーボン短繊維としては、繊維径10μ
m、繊維長200μmのものを用いた。
黒鉛化カーボン短繊維/黒鉛化カーボンマトリックスの
複合体であり、図5、表1及び表2を参照して説明す
る。図5にしめすように、黒鉛化カーボン短繊維(2
1)を多孔質繊維成形体(20)中の繊維軸配向は、平
面方向にランダムに厚み方向で層状に分布させたもので
ある。黒鉛化カーボン短繊維としては、繊維径10μ
m、繊維長200μmのものを用いた。
【0029】複合材における黒鉛短繊維の多孔質繊維成
形体の占める、体積充填率(Vf)が30%、40%、
50%、60%、70%のものを作製した。寸法は10
0mm×100mm×10mmである。この多孔質成形
体にピッチ樹脂を含浸させ、上記実施例1と同様に黒鉛
化処理を行い、黒鉛繊維/黒鉛の複合材を作製した。作
製したサンプルの熱特性は、サンプルを平面方向に採取
し、レーザーフラッシュ法にて測定した熱伝導率を、接
触式により40〜100℃で測定した熱膨張係数を表1
に示す。熱伝導率は265〜450W/m・Kであり、
特に体積充填率(Vf)が60%のものは450W/m
・Kと優れた特性が得られ、また熱膨張係数は、0〜
1.7×10-6/℃と優れた値が得られた。
形体の占める、体積充填率(Vf)が30%、40%、
50%、60%、70%のものを作製した。寸法は10
0mm×100mm×10mmである。この多孔質成形
体にピッチ樹脂を含浸させ、上記実施例1と同様に黒鉛
化処理を行い、黒鉛繊維/黒鉛の複合材を作製した。作
製したサンプルの熱特性は、サンプルを平面方向に採取
し、レーザーフラッシュ法にて測定した熱伝導率を、接
触式により40〜100℃で測定した熱膨張係数を表1
に示す。熱伝導率は265〜450W/m・Kであり、
特に体積充填率(Vf)が60%のものは450W/m
・Kと優れた特性が得られ、また熱膨張係数は、0〜
1.7×10-6/℃と優れた値が得られた。
【0030】この実施例4の黒鉛短繊維/黒鉛複合材
で、電子部品搭載基材を作製したさらこれを機械加工に
よって35×35×1mm厚の基材形状に機械加工を施
した。加工はきわめて容易に行うことができた。次に基
材にPVD処理によりNiを2μmコーティングし、さ
らに金メッキを1μm施した。基材平面部に15×15
×0.5mmのシリコンチップを半田にて接合し、熱サ
イクル試験を行った。熱サイクル条件として、−65℃
に30min保持後、150℃に30min保持を1サ
イクルとして合計600サイクルの熱サイクルを与え
た。試験後のサンプルはルーペにより接着面を観察し、
亀裂の有無を確認した。その結果は表2に示す。この表
1、表2に示すように上記実施例1〜3と同様に良好な
結果が得られた。
で、電子部品搭載基材を作製したさらこれを機械加工に
よって35×35×1mm厚の基材形状に機械加工を施
した。加工はきわめて容易に行うことができた。次に基
材にPVD処理によりNiを2μmコーティングし、さ
らに金メッキを1μm施した。基材平面部に15×15
×0.5mmのシリコンチップを半田にて接合し、熱サ
イクル試験を行った。熱サイクル条件として、−65℃
に30min保持後、150℃に30min保持を1サ
イクルとして合計600サイクルの熱サイクルを与え
た。試験後のサンプルはルーペにより接着面を観察し、
亀裂の有無を確認した。その結果は表2に示す。この表
1、表2に示すように上記実施例1〜3と同様に良好な
結果が得られた。
【表1】
【表2】
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明の黒鉛化カーボン
繊維/黒鉛化カーボンマトリックスの複合体の半導体装
置用放熱部材によれば、半導体装置の信頼性の向上を図
ることができる。さらに機械加工性に優れることから、
製造コストを低く抑えることができ工業的に顕著な効果
を奏するものである。
繊維/黒鉛化カーボンマトリックスの複合体の半導体装
置用放熱部材によれば、半導体装置の信頼性の向上を図
ることができる。さらに機械加工性に優れることから、
製造コストを低く抑えることができ工業的に顕著な効果
を奏するものである。
【図1】本発明の使用態様を示す図
【図2】本発明の第1の実施例を説明する図
【図3】本発明の第3の実施例を説明する図
【図4】本発明の第3の実施例を説明する図
【図5】本発明の第4の実施例を説明する図
1. セラミックス基板 2. シリコンチップ 3. 複合材 4. ヒートシンク 5. ハンダバンプ 6. 接着剤 10. 織物 11. 経糸 12. 緯糸
Claims (6)
- 【請求項1】 黒鉛化カーボンのマトリックスに、黒鉛
化カーボン短繊維または長繊維を分散させた黒鉛化カー
ボン繊維/黒鉛化カーボンの複合体で構成されたことを
特徴とする半導体装置用放熱部材。 - 【請求項2】 黒鉛化カーボン長繊維が、電子部品搭載
面と平行に2次元面ないで直交または所定の角度に疑似
等方で配列し、電子部品搭載面の垂直な面方向に層状に
配列されていることを特徴とする請求項1に記載の半導
体装置用放熱部材。 - 【請求項3】 黒鉛化カーボン長繊維が、電子部品搭載
面に、2次元面ないで直交または所定の角度で疑似等方
で配列し、さらに電子部品搭載面の垂直な方向に配向し
た繊維群を有することを特徴とする請求項1に記載の半
導体装置用放熱部材。 - 【請求項4】 黒鉛化カーボン短繊維が、電子部品搭載
面と平行に2次元的にランダム配向し、電子部品搭載面
の垂直な面方向に層状に配列されていることを特徴とす
る請求項1に記載の半導体装置用放熱部材。 - 【請求項5】 放熱部材が、基板に形成された半導体チ
ップ上に搭載されるヒートシンクとの間に介在させるも
のであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
載の半導体装置用放熱部材。 - 【請求項6】 黒鉛化カーボン短繊維または長繊維で多
孔質繊維成形体を成形し、前記多孔質繊維成形体に不活
性雰囲気中での加熱により黒鉛化する樹脂を含浸させ炭
素化を行い、次いで黒鉛化を行い、黒鉛化後分解ガスを
放出し、さらに不活性雰囲気中での加熱により黒鉛化す
る樹脂を含浸させて炭素化および黒鉛化を行う黒鉛化処
理の工程を複数回繰り返すことを特徴とする請求項1〜
5のいずれかに記載の半導体装置用放熱部材の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9219191A JPH1149578A (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 半導体装置用放熱部材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9219191A JPH1149578A (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 半導体装置用放熱部材及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1149578A true JPH1149578A (ja) | 1999-02-23 |
Family
ID=16731642
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9219191A Pending JPH1149578A (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 半導体装置用放熱部材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1149578A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005107487A (ja) * | 2003-09-26 | 2005-04-21 | Samsung Sdi Co Ltd | ディスプレイ装置及びプラズマディスプレイ装置 |
JP2009256117A (ja) * | 2008-04-14 | 2009-11-05 | Toyo Tanso Kk | 炭素繊維炭素複合成形体及び炭素繊維強化炭素複合体材料並びにその製造方法 |
JP2016081978A (ja) * | 2014-10-11 | 2016-05-16 | 国立大学法人京都大学 | 放熱構造体 |
CN105990509A (zh) * | 2015-02-02 | 2016-10-05 | 明安国际企业股份有限公司 | 高导热发光二极体 |
EP3463871B1 (de) * | 2016-06-03 | 2023-08-30 | Schunk Kohlenstofftechnik GmbH | Verfahren zur herstellung einer trägerplatte und trägerplatte |
-
1997
- 1997-07-30 JP JP9219191A patent/JPH1149578A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005107487A (ja) * | 2003-09-26 | 2005-04-21 | Samsung Sdi Co Ltd | ディスプレイ装置及びプラズマディスプレイ装置 |
JP2009256117A (ja) * | 2008-04-14 | 2009-11-05 | Toyo Tanso Kk | 炭素繊維炭素複合成形体及び炭素繊維強化炭素複合体材料並びにその製造方法 |
JP2016081978A (ja) * | 2014-10-11 | 2016-05-16 | 国立大学法人京都大学 | 放熱構造体 |
CN105990509A (zh) * | 2015-02-02 | 2016-10-05 | 明安国际企业股份有限公司 | 高导热发光二极体 |
EP3463871B1 (de) * | 2016-06-03 | 2023-08-30 | Schunk Kohlenstofftechnik GmbH | Verfahren zur herstellung einer trägerplatte und trägerplatte |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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