JP7213482B2 - グラファイト複合体および半導体パッケージ - Google Patents
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Description
〔1〕異方性グラファイトおよび第1の無機材質層を備えるグラファイト複合体であって、X軸、X軸と直交するY軸、X軸とY軸とによって規定される平面に垂直なZ軸において、前記異方性グラファイトの結晶配向面は、X軸とZ軸とによって規定される平面と平行であり、前記第1の無機材質層は、前記異方性グラファイトとZ軸方向に接合しており、前記第1の無機材質層が1以上の固着部を有する、グラファイト複合体。
〔2〕異方性グラファイト、第1の無機材質層および第2の無機材質層を備えるグラファイト複合体であって、X軸、X軸と直交するY軸、X軸とY軸とによって規定される平面に垂直なZ軸において、前記異方性グラファイトの結晶配向面は、X軸とZ軸とによって規定される表面と平行であり、前記第1の無機材質層は、前記異方性グラファイトとZ軸方向に接合しており、前記第2の無機材質層は、X軸とZ軸とによって規定される平面と平行に設けられ、かつ前記異方性グラファイトとX軸および/またはY軸方向に接合しており、前記第2の無機材質層が1以上の固着部を有する、グラファイト複合体。
〔3〕前記固着部が凹構造または凸構造である、〔1〕または〔2〕に記載のグラファイト複合体。
〔4〕前記固着部は凹構造であり、当該凹構造において、前記異方性グラファイトと接する側の裏面側の開口部の直径が、0.1mm以上3.0mm未満である、〔3〕に記載のグラファイト複合体。
〔5〕前記固着部は凹構造の貫通孔であり、当該凹構造において、前記異方性グラファイトと接する側の開口部の直径が、前記異方性グラファイトと接する側の裏面側の開口部の直径よりも大きい、〔3〕または〔4〕に記載のグラファイト複合体。
〔6〕前記固着部は、前記異方性グラファイトの外縁部から前記第1の無機材質層の中心部に向かって、3mm以内に設けられている、請求項1に記載のグラファイト複合体。
〔7〕〔1〕~〔6〕のいずれかに記載のグラファイト複合体、半導体チップおよび封止材料を備える、半導体パッケージ。
本発明の一実施形態に係るグラファイト複合体は、異方性グラファイトおよび第1の無機材質層を備えるグラファイト複合体であって、X軸、X軸と直交するY軸、X軸とY軸とによって規定される平面に垂直なZ軸において、前記異方性グラファイトの結晶配向面は、X軸とZ軸とによって規定される平面と平行であり、前記第1の無機材質層は、前記異方性グラファイトとZ軸方向に接合しており、前記第1の無機材質層が1以上の固着部を有する。なお、本明細書でいう「X軸、Y軸、Z軸」は、図1に示すものを意図する。
本発明の一実施形態に係るグラファイト複合体は、異方性グラファイトを備え、当該異方性グラファイトの結晶配向面は、X軸とZ軸とによって規定される平面と平行である。異方性グラファイトは、結晶配向面に優れた熱伝導性を有しているため、異方性グラファイトの結晶配向面が、X軸とZ軸とによって規定される平面と平行であることにより、異方性グラファイトの厚み方向(Z軸方向)に熱を拡散させることができる。
異方性グラファイトは、炭素原子の六員環が共有結合で繋がったグラフェン構造が面方向に高熱伝導性を有するグラファイトブロックを所定の形状に切断することで製造可能である。
本発明の一実施形態に係るグラファイト複合体は、第1の無機材質層を備え、当該第1の無機材質層は、前記異方性グラファイトとZ軸方向に接合しており、前記第1の無機材質層が1以上の固着部を有する。異方性グラファイトとZ軸方向に接合しているとは、例えば、異方性グラファイトの上面に接合している態様が挙げられる。
本発明の一実施形態において、無機材質層は1以上の固着部を有する。当該固着部は、後述するように、半導体パッケージを構成する封止材料と接合することにより、当該封止材料とグラファイト複合体との密着性を向上させるためのものである。本構成により、本発明の一実施形態に係るグラファイト複合体を備える半導体パッケージの気密性が向上する。
本発明の一実施形態に係るグラファイト複合体は、異方性グラファイトに無機材質層を形成することで製造することができる。
本発明の一実施形態に係る半導体パッケージは、本発明の一実施形態に係るグラファイト複合体、半導体チップおよび封止材料を備えている。本発明の一実施形態に係る半導体パッケージは、本発明の一実施形態に係るグラファイト複合体を備えているため、気密性に優れる。
(A)異方性グラファイトと(B)無機材質層を備える異方性グラファイト複合体であり、X軸、X軸と直交したY軸、X軸とY軸を含む平面に垂直なZ軸において、(A)を形成するグラファイト層の結晶配向面がX軸とZ軸を含む平面に対して平行に位置し、(A)のX軸方向の複数の辺のうち最も長い辺の長さ(La)が、5mm以上300mm未満であり、(A)のY軸方向の複数の辺のうち最も長い辺の長さ(Lb)が、5mm以上300mm未満であり、(A)のZ軸方向の複数の辺のうち最も長い辺の長さ(Lc)が、0.1mm以上10mm未満であり、(B)が(A)の上面に接合しており、(B)が1以上の孔を有し、孔の開口部の直径が0.1mm以上3.0mm未満であるグラファイト複合体。
前記孔は、前記無機材質層の異方性グラファイト側の径が表面側の径よりも大きいことが好ましい。
前記無機材質層で異方性グラファイトの全面が覆われていることが好ましい。
前記無機材質層が有底枠もしくは中空枠とふたを備えることが好ましい。
異方性グラファイトの表面に形成された前記無機材質層の少なくともいずれかが異方性グラファイト複合体の直行する面よりも外側に延長されていることが好ましい。
上述したいずれかの異方性グラファイト複合体と半導体チップおよび封止材料からなる半導体パッケージ。
125℃に加熱したフロリナートに液面した5cm以上の深さにおいて、グラファイト複合体を5秒間浸漬させた。このとき、浸漬させたグラファイト複合体から気泡が発生するかどうかを観察した。
<製造例>
サイズ100mm×100mm、厚さ25μmのカネカ製ポリイミドフィルムを1500枚積層した後、40kg/cm2の加圧力でプレス加圧しながら、不活性ガス雰囲気下、2900℃まで熱処理することにより異方性グラファイトブロック(サイズ90mm×90mm、厚さ15mm)を作製した。
20mm×10mm×0.2mmの無酸素銅に、開口部の直径0.5mm、深さ0.2mmの貫通孔を48個形成し、異方性グラファイトの上面に形成させる第1の無機材質層を作製した。また、第2の無機材質層として、20mm×10mm×0.2mmの無酸素銅1枚、外寸20mm×10mm、内寸19.6mm×9.6mm、高さ0.6mm、の無酸素銅製中空枠1つを用意した。
開口部の直径0.5mm、深さ0.1mmの非貫通の穴を48個形成した第1の無機材質層を用いたこと以外は参考例1と同様にして、参考例2の半導体パッケージを製造した。なお、非貫通の穴の開口部は、異方性グラファイトと接する側の裏面側に形成されている。参考例2の半導体パッケージについて気密性評価試験を行ったところ、10個中6個のサンプルでは気泡が発生せず、評価は「C」であった。
開口部の直径0.05mm、深さ0.2mmの貫通孔を516個形成した第1の無機材質層を用いたこと以外は参考例1と同様にして、参考例3の半導体パッケージを製造した。参考例3の半導体パッケージについて気密性評価試験を行ったところ、10個中3個のサンプルでは気泡が発生せず、評価は「D」であった。
開口部の直径0.1mm、深さ0.2mmの貫通孔を256個形成した第1の無機材質層を用いたこと以外は参考例1と同様にして、参考例4の半導体パッケージを製造した。参考例4の半導体パッケージについて気密性評価試験を行ったところ、10個中6個のサンプルでは気泡が発生せず、評価は「C」であった。
開口部の直径1.0mm、深さ0.2mmの貫通孔を22個形成した第1の無機材質層を用いたこと以外は参考例1と同様にして、参考例5の半導体パッケージを製造した。参考例5の半導体パッケージについて気密性評価試験を行ったところ、10個中9個のサンプルでは気泡が発生せず、評価は「B」であった。
開口部の直径2.0mm、深さ0.2mmの貫通孔を8個形成した第1の無機材質層を用いたこと以外は参考例1と同様にして、参考例6の半導体パッケージを製造した。参考例6の半導体パッケージについて気密性評価試験を行ったところ、10個中7個のサンプルでは気泡が発生せず、評価は「C」であった。
開口部の直径3.0mm、深さ0.2mmの貫通孔を11個形成した第1の無機材質層を用いたこと以外は参考例1と同様にして、参考例7の半導体パッケージを製造した。参考例7の半導体パッケージについて気密性評価試験を行ったところ、10個中4個のサンプルでは気泡が発生せず、評価は「D」であった。
第1の無機材質層のみを形成したこと以外は参考例1と同様にして、参考例8の半導体パッケージを製造した。参考例8の半導体パッケージについて気密性評価試験を行ったところ、10個中6個のサンプルでは気泡が発生せず、評価は「C」であった。
異方性グラファイトの底面にのみ、20mm×10mm×0.2mmの無酸素銅である第2の無機材質層を形成したこと以外は参考例1と同様にして、参考例9の半導体パッケージを製造した。参考例9の半導体パッケージについて気密性評価試験を行ったところ、10個中7個のサンプルでは気泡が発生せず、評価は「C」であった。
異方性グラファイトと接する側の開口部の直径が0.6mm、異方性グラファイトと接する側の裏面側の開口部の直径が0.5mm、深さ0.2mmの貫通孔を48個形成した第1の無機材質層を用いたこと以外は参考例1と同様にして、実施例10の半導体パッケージを製造した。実施例10の半導体パッケージについて気密性評価試験を行ったところ、10個中10個のサンプルでは気泡が発生せず、評価は「A」であった。
固着部を有さない第1の無機材質層を異方性グラファイトの上面に接合し、異方性グラファイトと接する側の開口部の直径が0.6mm、異方性グラファイトと接する側の裏面側の開口部の直径が0.5mm、深さ0.2mmの貫通孔を48個形成した第2の無機材質層を異方性グラファイトのすべての側面に接合した以外は参考例1と同様にして、実施例11の半導体パッケージを製造した。実施例11の半導体パッケージの断面図は、図11に対応する。実施例11の半導体パッケージについて気密性評価試験を行ったところ、10個中10個のサンプルでは気泡が発生せず、評価は「A」であった。
第1の無機材質層として、無酸素銅の代わりに、窒化アルミを用いたこと以外は実施例10と同様にして、実施例12の半導体パッケージを製造した。実施例12の半導体パッケージについて気密性評価試験を行ったところ、10個中10個のサンプルでは気泡が発生せず、評価は「A」であった。
第1の無機材質層および第2の無機材質層のいずれにも固着部を形成しなかったこと以外は参考例1と同様にして、比較例1の半導体パッケージを製造した。比較例1の半導体パッケージについて気密性評価試験を行ったところ、10個中2個のサンプルでは気泡が発生せず、評価は「E」であった。
1A 外縁部
2’ 第1の無機材質層
2’A 中心部
2” 第2の無機材質層
3 グラファイト複合体
4 固着部
4A 異方性グラファイトと接する側の裏面側の開口部
4B 異方性グラファイトと接する側の開口部
5 半導体チップ
6 封止材料
9 半導体パッケージ
Claims (5)
- 異方性グラファイトおよび第1の無機材質層を備えるグラファイト複合体であって、
X軸、X軸と直交するY軸、X軸とY軸とによって規定される平面に垂直なZ軸において、
前記異方性グラファイトの結晶配向面は、X軸とZ軸とによって規定される平面と平行であり、
前記第1の無機材質層は、前記異方性グラファイトとZ軸方向に接合しており、
前記第1の無機材質層が1以上の固着部を有し、
前記固着部は凹構造の貫通孔であり、
当該凹構造において、前記異方性グラファイトと接する側の開口部の直径が、前記異方性グラファイトと接する側の裏面側の開口部の直径よりも大きい、グラファイト複合体。 - 異方性グラファイト、第1の無機材質層および第2の無機材質層を備えるグラファイト複合体であって、
X軸、X軸と直交するY軸、X軸とY軸とによって規定される平面に垂直なZ軸において、
前記異方性グラファイトの結晶配向面は、X軸とZ軸とによって規定される表面と平行であり、
前記第1の無機材質層は、前記異方性グラファイトとZ軸方向に接合しており、
前記第2の無機材質層は、(i)X軸とZ軸とによって規定される平面と平行に設けられ、かつ前記異方性グラファイトとY軸方向に接合しており、および/または、Y軸とZ軸とによって規定される平面と平行に設けられ、かつ前記異方性グラファイトとX軸方向に接合しており、
前記第2の無機材質層が1以上の固着部を有し、
前記固着部は凹構造の貫通孔であり、
当該凹構造において、前記異方性グラファイトと接する側の開口部の直径が、前記異方性グラファイトと接する側の裏面側の開口部の直径よりも大きい、グラファイト複合体。 - 前記固着部は凹構造であり、
当該凹構造において、前記異方性グラファイトと接する側の裏面側の開口部の直径が、0.1mm以上3.0mm未満である、請求項1または2に記載のグラファイト複合体。 - 前記固着部は、前記異方性グラファイトの外縁部から前記第1の無機材質層の中心部に向かって、3mm以内に設けられている、請求項1に記載のグラファイト複合体。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載のグラファイト複合体、半導体チップおよび封止材料を備える、半導体パッケージ。
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