JPH1149534A - 被覆光ファイバー用放射線硬化性組成物 - Google Patents

被覆光ファイバー用放射線硬化性組成物

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JPH1149534A
JPH1149534A JP12682098A JP12682098A JPH1149534A JP H1149534 A JPH1149534 A JP H1149534A JP 12682098 A JP12682098 A JP 12682098A JP 12682098 A JP12682098 A JP 12682098A JP H1149534 A JPH1149534 A JP H1149534A
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optical fiber
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JP12682098A
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English (en)
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Paul Eugene Snowwhite
ポール・ユージーン・スノーホワイト
Timothy Edward Bishop
チモシー・エドワード・ビショップ
David Michael Szum
デイビッド・マイケル・スズーム
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JSR Corp
Koninklijke DSM NV
Original Assignee
JSR Corp
DSM NV
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 速い硬化速度を有し、硬化後は良好な光透明
度を有し、変色や黄変が極めて少ない硬化物となる、光
ファイバー被覆用として有用な放射線硬化性組成物を提
供する。 【解決手段】 少なくとも1種の放射線硬化性オリゴマ
ーを約10重量%〜約90重量%、少なくとも1種の放
射線硬化性モノマー希釈剤を約10重量%〜約90重量
%、及び式(I): 【化1】 (但し、Ar1はフェニル基であり、Ar2及びAr3
2,4,6−トリメチルフェニル基である。)で表され
る少なくとも1種の光開始剤を有効量含有してなる光フ
ァイバー被覆用放射線硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバー被覆
及びケーブル材料用の放射線硬化性組成物に関し、特
に、特定の光開始剤を含有し、硬化後、驚くべきことに
は耐黄変性を有し、結晶成分が少なく、且つ硬化速度が
速い、被覆及びケーブル材料に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバー工業においては、光ファイ
バー、リボン及びケーブルの製造の過程で、放射線硬化
性組成物が広く使用されている。例えば、光ガラスファ
イバーは、ガラスファイバー本来の特性を維持するよう
に、線引塔で製造された直後に少なくとも1層の放射線
硬化性被覆(多くは2層の被覆)で被覆するのが普通で
ある。1層の被覆を施した直後に、この被覆は露光(通
常、紫外光)により急速に硬化させる。当該技術分野で
は、より速い生産速度、従ってより速く硬化する被覆組
成物が求められている。放射線硬化性マトリックス材及
びバンドリング材は更に、各ストランドを束ねて光ファ
イバーリボン、光ファイバーケーブル及び関連構造体と
する際に、被覆ファイバーの個々のストランドを支持
し、保護することができる。また、放射線硬化性インク
は光ファイバーの各ストランドにカラーコードを付けて
識別するのに使用できる。これら種類の光ファイバー関
連材料は全て放射線硬化性であることが好ましく、また
被覆及び/又はケーブルの材料として役立つことができ
る。光ファイバーの製造においては、リボンやケーブル
にする前に2層の放射線硬化性被覆層を使用するのが普
通である。一方の層はガラスファイバーに直接接して微
小の曲がりを防止する柔軟な内側一次被覆(“一次被
覆”)である。他方の層はガラスファイバーに、いっそ
う耐久性のある外装を与えるより強靱な外側一次被覆
(“二次被覆”)である。
【0003】Coady等による米国特許No.5,33
6,563には放射線硬化性一次被覆の例が開示され、
また米国特許No.4,472,019には二次被覆が
開示されている。また、例えばSzumによる米国特許N
o.5,595,820、Nolan等による米国特許N
o.5,199,098、Urruti等による米国特許N
o.4,923,915、Kimura 等による米国特許N
o.4,720,529、及びTaylor等による米国特許
No.4,474,830には、光ファイバー被覆技術
の別の面について開示されている。
【0004】紫外光硬化での硬化速度を最大にするに
は、少なくとも1種の光開始剤が必要である(電子線硬
化では光開始剤は無くてもよい)。表面及び内部(thro
ugh)の硬化で適当なバランスを得るため、数種の光開
始剤を使用することができる。従来より各種の光開始剤
が使用されてきた。比較的硬化速度の速いLucirin TPO
〔(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ベンゾイルホ
スフィンオキサイド、BASF社の市販品〕のようなモ
ノ−アシルホスフィンオキサイド型光開始剤が使用でき
る。しかし、市販のLucirin TPOを使用すると、被覆物
に望ましくない結晶化効果が生じ(例えばエージング
中)、内包物を生成する上、光学的透明度を損なう可能
性がある(光学顕微鏡で検出される)。精製したLuciri
n TPOを使用する試みがなされたが、精製工程はコスト
がかかる。その他のホスフィンオキサイド系光開始剤
(例えばチバ社のCGI 403)は、有害な結晶化効果を低
下させることができるが、硬化速度がいっそう低下す
る。従って、速い硬化速度と良好な光学的透明度の両特
性を付与し得る光開始剤を見つける必要がある。現在ま
での技術は、これらの特性を達成する方法について指示
を与えるものではなかった。
【0005】更に、特に光分解的エージング条件下(例
えば、紫外光又は蛍光)で硬化組成物を長期間エージン
グしている間に、光開始剤に黄変が生じる可能性があ
る。熱も黄変を誘引する可能性がある。一般には変色、
特に黄変は望ましくなく、業界では嫌悪の的となってい
る。従って、有害な結晶化効果がなく、速硬化性を与え
るが、黄変を起こす光開始剤は、極めて厳しい工業上の
要求を十分満足するものではなかった。
【0006】従来技術では、極めてバランス良くこれら
の特性を付与する光開始剤について認識されていなかっ
た。例えば、Rutsch等による米国特許No.5,21
8,009、Leppard等による米国特許No.5,53
4,559には、非常に多数のホスフィンオキサイド系
光開始剤が開示されている。しかし、これらの特許は上
記問題を解決し、極めてバランス良く特性を付与する特
定の種類の光開始剤を提案していない。従って、上記特
許は本発明に先行するものではないし、また示唆するも
のでもない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】光ファイバーに必要と
されながら従来未だ実現されていないと考えられるもの
は、硬化させると、速い硬化速度で、良好な光透明度を
有し、しかも変色や黄変が極めて少ない硬化物となる放
射線硬化性組成物である。このような特性を併せもたな
ければ、この組成物は最も厳しい工業上の要求を満足で
きない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも1
種の放射線硬化性オリゴマーを約10重量%〜約90重
量%、少なくとも1種の放射線硬化性モノマー希釈剤を
約10重量%〜約90重量%、及び式(I):
【0009】
【化2】 (但し、Ar1はフェニル基であり、Ar2及びAr3
2,4,6−トリメチルフェニル基である。)で表され
る少なくとも1種の光開始剤を有効量含有してなる光フ
ァイバー被覆用放射線硬化性組成物を提供する。
【0010】更に本発明は、式(I)で表される前記光
開始剤を含有してなる、光ファイバー技術に使用される
放射線硬化性の、内側一次被覆、外側一次被覆、マトリ
ックス材、バンドリング材、インク、及びその他の種類
の材料を提供する。更に本発明は、光ガラスファイバー
と、その上に設けられた少なくとも1層の放射線硬化被
覆とを有する被覆光ファイバーであって、放射線硬化前
の該被覆組成物が、少なくとも1種の放射線硬化性オリ
ゴマーを約10重量%〜約90重量%、少なくとも1種
の放射線硬化性モノマー希釈剤を約10重量%〜約90
重量%、及び式(I)で表される少なくとも1種の光開始
剤を有効量含有してなる放射線硬化性組成物である前記
被覆光ファイバーを提供する。
【0011】更に本発明は、光ファイバーを、少なくと
も1種の放射線硬化性オリゴマーを約10重量%〜約9
0重量%、少なくとも1種の放射線硬化性モノマー希釈
剤を約10重量%〜約90重量%、及び式(I)で表され
る少なくとも1種の光開始剤を有効量含有してなる放射
線硬化性組成物で被覆することを特徴とする被覆光ファ
イバーの作製方法を提供する。更に本発明は、被覆光フ
ァイバーを、少なくとも1種の放射線硬化性オリゴマー
を約10重量%〜約90重量%、少なくとも1種の放射
線硬化性モノマー希釈剤を約10重量%〜約90重量
%、及び式(I)で表される少なくとも1種の光開始剤を
有効量含有してなる放射線硬化性組成物でケーブル化す
る方法を提供する。
【0012】更に本発明は、本質的に、少なくとも1種
の放射線硬化性オリゴマー 約10重量%〜約90重量
%と、少なくとも1種の放射線硬化性モノマー希釈剤
約10重量%〜約90重量%と、有効量の式(I)で表さ
れる少なくとも1種の光開始剤からなる放射線硬化性組
成物を配合する工程を含むことを特徴とする、放射線で
硬化した光ファイバー被覆中の結晶性成分を低減する方
法を提供する。硬化すると、結晶成分を生じる被覆成分
は、該組成物から取り除かなければならない。例えば、
Lucirin TPO光開始剤は、使用するとしても最少量(例
えば、約0.1重量%未満)で使用するか、或いは全く
使用してはならない。
【0013】
【発明の実施の形態】この放射線硬化性組成物は通常の
手段で硬化させることができる。例えば、照射源は、例
えばフュージョン・システム社(Fusion System Cor
p.)から市販されているUVランプのような通常の光源
でよい。その他、低圧、中圧、及び高圧の水銀灯、超化
学線蛍光管又はパルス灯が適当である。本発明の組成物
ではUV硬化が好ましい。この放射線硬化性組成物は、
光ファイバーに被覆材料又はケーブル材料として適用す
るため、内側一次被覆、外側一次被覆又は単層被覆、マ
トリックス材、或いはインクとなるように配合すること
ができる。組成物は、少なくとも1種の放射線硬化性オ
リゴマー、少なくとも1種の放射線硬化性モノマー希釈
剤、少なくとも1種の光開始剤、及び添加剤を含有でき
る。
【0014】放射線硬化性オリゴマーは、放射線硬化性
のガラス光ファイバー被覆組成物に使用されるいかなる
放射線硬化性オリゴマーであってもよい。放射線硬化性
オリゴマーの適当な例としては、分子量が約500以上
で、化学線(actinic radiation)により重合可能なエチ
レン性不飽和基を少なくとも1個含有するウレタンオリ
ゴマーが挙げられる。例えば、この被覆組成物に前記希
釈剤が存在すれば、このエチレン性不飽和基は、組成物
を硬化させた際、反応性希釈剤が結合するオリゴマーの
反応性末端になり得る。このオリゴマーは2個の末端放
射線硬化性官能基、具体的にはオリゴマーの各末端に1
個ずつのの放射線硬化性官能基を有することが好まし
い。
【0015】代表的な内側一次被覆及びオリゴマーは、
例えば米国特許No.5,336,563及びNo.
4,992,524(これらは引用し本願に含める)に
開示されている。代表的な外側一次被覆及びオリゴマー
は、例えば米国特許No.4,932,750(引用し
本願に含める)に開示されている。代表的な単層被覆及
びオリゴマーは例えば米国特許No.4,932,75
0(引用し本願に含める)に開示されている。その他の
被覆組成物は例えば米国特許No.5,527,835
及びNo.5,146,531(これらは引用し本願に
含める)に開示されている。オリゴマーの数平均分子量
は、最小で約700、最大で約10,000ダルトンで
あることが好ましい。更に好ましくは、この分子量は約
1,000〜約8,000ダルトンであり、最も好まし
くは、約1,000〜約6,000ダルトンの間であ
る。オリゴマーは、イソシアネート官能性を実質的に持
たないことが好ましい。放射線硬化性オリゴマーは、好
ましくは約10〜約90重量%、更に好ましくは約20
〜約90重量%存在する。
【0016】オリゴマーに存在してよい放射線硬化性官
能基の適当な例としては、(メタ)アクリレート、ビニ
ルエーテル、アクリルアミド、マレエート又はフマレー
ト官能性を有するエチレン性不飽和基が挙げられる。こ
こで使用する“(メタ)アクリレート”という用語は、
メタクリレート、アクリレート、又はそれらの混合物を
意味する。オリゴマー中の放射線硬化性基は、(メタ)
アクリレート基又はビニルエーテル基であることが好ま
しい。最も好ましくは、放射線硬化性基はアクリレート
基である。
【0017】オリゴマーは、オリゴマーの主鎖に結合し
たエチレン性不飽和基を少なくとも2個含有することが
好ましい。例えばエチレン性不飽和基は、オリゴマーの
主鎖の各末端に反応性末端基として存在してもよい。オ
リゴマーの主鎖は、例えばポリエーテル、ポリオレフィ
ン、ポリエステル、ポリカーボネート、炭化水素、ポリ
オレフィン、又はそれらの共重合体をベースとすること
ができる。オリゴマーの主鎖は、ポリエーテル、ポリカ
ーボネート、ポリオレフィン、又はそれらの混合物を含
むことが好ましい。プレポリマーを用い、当該分野で公
知の方法で放射線硬化性オリゴマーに転化してオリゴマ
ーの主鎖を調製する場合は、このポリオールプレポリマ
ーの分子量は、好ましくは約250以上、更に好ましく
は約400以上、最も好ましくは約600以上である。
この分子量は、好ましくは約10,000以下、更に好
ましくは約5,000以下、最も好ましくは約3,00
0以下である。
【0018】オリゴマーの主鎖は、例えばウレタン結合
を介して互いに連結した1個以上のオリゴマーブロック
であってもよい。例えば、1種又は2種以上のポリオー
ルプレポリマーを当該分野で公知の方法により結合させ
ることができる。オリゴマーの主鎖がポリエーテルなら
ば、ガラス転移点が低く、且つ機械特性が良好な被覆が
得られる。オリゴマーの主鎖がポリオレフィンである
と、耐水性が更に向上した被覆が得られる。ポリカーボ
ネート系オリゴマーは、良好な安定性を与えることがで
きる。オリゴマーは、例えば(i)オリゴマーポリオール
と(ii)ジ−又はポリ−イソシアネートと(iii)例えばヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートのようなヒドロ
キシ官能性のエチレン性不飽和モノマーとの反応により
調製することができる。
【0019】オリゴマー主鎖ポリオールを使用する場合
は、平均約2個以上のヒドロキシル基を有することが好
ましい。このオリゴマー主鎖ポリオールは、平均で2個
を超えるヒドロキシル基を持っていてもよい。このよう
なオリゴマージオールの例としては、ポリエーテルジオ
ール、ポリオレフィンジオール、ポリエステルジオー
ル、ポリカーボネートジオール、及びそれらの混合物が
挙げられる。ポリエーテルジオール、ポリオレフィンジ
オール、又はそれらの組合せが好ましい。ポリエーテル
ジオールを使用する場合は、実質的に非結晶性のポリエ
ーテルであることが好ましい。このポリエーテルは下記
モノマー単位の1個以上の繰り返し単位を含むことが好
ましい。 -O-CH2-CH2- -O-CH2-CH(CH3)- -O-CH2-CH2-CH2- -O-CH(CH3)-CH2-CH2- -O-CH2-CH(CH3)-CH2- -O-CH2-CH2-CH2-CH2- -O-CH2-CH(CH3)-CH2-CH2- -O-CH(CH3)-CH2-CH2-CH2-。
【0020】使用可能なポリエーテルポリオールの例
は、3−メチルテトラヒドロフラン20重量%とテトラ
ヒドロフラン 80重量%(両成分とも開環重合を受け
たもの)との反応生成物である。このポリエーテル共重
合体は、分岐した及び非分岐の両状態のオキシアルキレ
ン繰り返し単位を有し、PTGL 1000(保土谷化学工業
(株))として市販されている。このシリーズで使用可
能なポリエーテルの別の例は、PTGL 2000(保土谷化学
工業(株))である。
【0021】ポリエーテルオレフィンジオールを使用す
る場合、このポリオレフィンは、複数個のヒドロキシル
末端基を有する直鎖状又は分岐鎖状炭化水素であること
が好ましい。この炭化水素は、大部分がメチレン基(−
CH2−)からなり、主鎖中に存在する不飽和結合及び
/又は側基として懸垂した不飽和結合を含んでもよい非
芳香族化合物であることが好ましい。不飽和の程度が少
なくなるに従って、硬化した光ファイバー被覆の長期安
定性は増大するので、完全に飽和した、例えば水素化炭
化水素が好ましい。炭化水素ジオールの例としては、例
えば末端にヒドロキシルを有し、完全に又は部分的に水
素化された1,2−ポリブタジエン;1,4 1,2−
ポリブタジエン共重合体;1,2−ポリブタジエン−エ
チレン又は−プロピレン共重合体;ポリイソブチレンポ
リオール;これらの混合物等が挙げられる。炭化水素ジ
オールとしては、ほぼ完全に水素化された1,2−ポリ
ブタジエン又は1,2−ポリブタジエン/エチレン共重
合体が好ましい。
【0022】ポリカーボネートジオールの例は、ジエチ
レンカーボネートをジオールでアルコーリシスすること
によって従来通り製造されるものである。このジオール
は、例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,12−ドデカンジオール等の、炭素原子
数約2〜約12のアルキレンジオールであってよい。こ
れらジオールの混合物も利用できる。ポリカーボネート
ジオールは、カーボネート基の他に主鎖中にエーテル結
合を含むことができる。従って、例えばアルキレンオキ
サイド系モノマーと前述のアルキレンジオールとのポリ
カーボネート共重合体が使用できる。アルキレンオキサ
イド系モノマーとしては、例えばエチレンオキサイド、
テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらの共重合体
は、ポリカーボネートホモポリマーに比べて、モジュラ
スが低く、しかも液状被覆組成物の結晶化も阻止する硬
化被膜を生成する。ポリカーボネートジオールとポリカ
ーボネート共重合体との混合物も利用できる。
【0023】ポリカーボネートジオールとしては、例え
ばDuracarb 122 (PPG Industries社)及びPermanol KM10
-1733 (Permuthane社、米国マサチューセッツ州)が挙げ
られる。 Duracarb 122はジエチルカーボネートのヘキ
サンジオールによるアルコーリシスによって製造され
る。ポリエステルジオールの例としては、飽和ポリカル
ボン酸又はそれらの無水物とジオールとの反応生成物が
挙げられる。飽和ポリカルボン酸及び無水物としては、
例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメ
リット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル
酸、テトラクロロフタル酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバチン酸、こはく酸、グルタル酸、マロン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、2,2−ジメチルこはく酸、
3,3−ジメチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタ
ル酸等、それらの無水物及びそれらの混合物が挙げられ
る。ジオールとしては、例えば1,4−ブタンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジメチロールシクロヘ
キサン等が挙げられる。ポリカプロラクトン類はこの分
類に含まれ、ユニオン・カーバイド社からTone Polylol
シリーズ、例えばTone 0200、0221、0301、0310、2201
及び2221という商品名で市販されている。Tone 0301及
び0310は3官能性である。
【0024】いかなるポリイソシアネート(ii)も単独で
又は混合物の状態でポリイソシアネートとして使用でき
る。これにより、分子の少なくとも一端がイソシアネー
ト/エチレン性不飽和モノマー反応から得られる反応生
成物で末端キャップ(end-cap)された製品が得られ
る。“末端キャップ”とは、官能基がオリゴマージオー
ルの両末端の一方に付加することである。このイソシア
ネート/ヒドロキシ官能性モノマー反応生成物は、ウレ
タン結合を介してオリゴマー主鎖(i)ジオールに結合す
る。このウレタン反応は、触媒の存在下で起こる。ウレ
タン反応用触媒としては、例えばジブチル錫ジラウレー
ト、ジアザビシクロオクタン結晶等が挙げられる。
【0025】ポリイソシアネート(ii)としては、ジイソ
シアネートが好ましい。ポリイソシアネート(ii)の例と
しては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、テトラメ
チルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、トルエンジイ
ソシアネート(TDI)、ジフェニルメチレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロへキシ
レンジイソシアネート、メチレンジシクロヘキサンジイ
ソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、
4−クロロ−1,3−フェニレンジイソシアネート、
4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナ
フチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジ
イソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,
4−シクロへキシレンジイソシアネート、並びにポリア
ルキルオキサイド及びポリエステルグリコールジイソシ
アネート、例えばそれぞれTDI末端停止ポリテトラメチ
レンエーテルグリコール及びTDI末端停止ポリエチレン
アジペートが挙げられる。これらのジイソシアネートで
はイソホロンジイソシアネートのような非黄変性ジイソ
シアネートが好ましい。
【0026】一般に、反応性末端基(iii)を与える化合
物は化学線の影響下で重合し得る官能基を有し、またこ
の化合物はジイソシアネートと反応し得る官能基を有す
る。ヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和モノマーが好
ましい。このヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和モノ
マーは、アクリレート、(メタ)クリレート、ビニルエ
ーテル、マレエート又はフマレート官能性を含むことが
更に好ましい。
【0027】(i)のヒドロキシ基と(ii)のイソシアネー
ト基間の反応では、ヒドロキシ官能性とイソシアネート
官能性との間で化学量論的均衡をとると共に、反応温度
を25℃以上に維持することが好ましい。ヒドロキシ官
能性は実質的に消費されるべきである。イソシアネート
とヒドロキシ官能性エチレン性不飽和モノマーとのモル
比は、約3:1〜1.2:1、好ましくは約2:1〜
1.5:1である。ヒドロキシ官能性エチレン性不飽和
モノマーは、ウレタン結合を介してイソシアネートに結
合する。(メタ)アクリレート官能基を有するモノマー
としては、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシ官
能性アクリレートが挙げられる。ビニルエーテル官能基
を有するモノマーとしては、例えば4−ヒドロキシブチ
ルビニルエーテル及びトリエチレングリコールモノビニ
ルエーテルが挙げられる。マレエート官能基を有するモ
ノマーとしては、例えばマレイン酸及びヒドロキシ官能
性マレエートが挙げられる。
【0028】本発明の組成物は、少なくとも1種の反応
性希釈剤を含んでいてもよい。この反応性希釈剤は、被
覆組成物の粘度を調整するために使用できる。従って、
反応性希釈剤は、化学線に露光した時、重合可能な少な
くとも1種の官能基を有する低粘度のモノマーであって
よい。
【0029】反応性希釈剤は、被覆組成物の粘度が約
1,000〜約10,000mPasの範囲になるよう
な量で添加することが好ましい。反応性希釈剤の量は、
約10重量%〜約90重量%、更に好ましくは約10重
量%〜約80重量%が適当であることが判った。反応性
希釈剤の分子量が約550以下か、或いは室温での粘度
が約300mPa.s以下(100%希釈剤として測
定)であることが好ましい。反応性希釈剤に存在する放
射線硬化性官能基は、放射線硬化性オリゴマーで使用し
たものと同じ性質のものであってよい。この反応性希釈
剤に存在する放射線硬化性官能基は、放射線硬化性オリ
ゴマーに存在する放射線硬化性官能基と共重合できるこ
とが好ましい。
【0030】この反応性希釈剤系はアクリレート官能性
又はビニルエーテル官能性とC4〜C20アルキル基又は
ポリエーテル部分とを有するモノマー又はモノマー類を
含有することが好ましい。これら反応性希釈剤の例は、
ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、イソボルニルアクリレート、デシルアクリレート、
ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、エト
キシエトキシ−エチルアクリレート、ラウリルビニルエ
ーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、N−ビニ
ルホルムアミド、イソデシルアクリレート、イソオクチ
ルアクリレート、ビニル−カプロラクタム、N−ビニル
ピロリドン等である。この種の反応性希釈剤は、約1〜
約35重量%の量で存在することが好ましい。
【0031】他の好ましい種類の反応性希釈剤は、芳香
族基を含む化合物である。芳香族基を有する希釈剤の例
としては、エチレングリコールフェニルエーテルアクリ
レート、ポリエチレングリコールフェニルエーテルアク
リレート、ポリプロピレングリコールフェニルエーテル
アクリレート、及び上記モノマーのアルキル置換フェニ
ル誘導体、例えばポリエチレングリコールノニルフェニ
ルエーテルアクリレートが挙げられる。この種の反応性
希釈剤は、約1〜約35重量%の量で存在することが好
ましい。
【0032】更にまた反応性希釈剤は、化学線照射を用
いて重合し得る2つの基を含むことが好ましい。これら
反応性基を3個以上有する希釈剤も存在してよい。この
ようなモノマーの例としては、C2〜C18炭化水素ジオ
ールジアクリレート、C4〜C18炭化水素ジビニルエー
テル、C3〜C18炭化水素トリオールトリアクリレー
ト、それらポリエーテルのアナローグ(類似体)等、例
えば1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、ヘキサンジオール
ジビニルエーテル、トリエチレングリコールジアクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びトリ
プロピレングリコールジアクリレートが挙げられる。好
ましい反応性希釈剤は、アルコキシル化アルキルフェノ
ール(メタ)アクリレートであり、最も好ましい反応性
希釈剤はエトキシル化ノニルフェノール(メタ)アクリ
レートである。オリゴマー及び反応性希釈剤は各々、放
射線硬化性基としてアクリレート基を含有することが好
ましい。
【0033】本発明の重要な面は、組成物が上記式(I)
で表される少なくとも1つのビスアシルホスフィンオキ
サイド系光開始剤を含有することである。適当な例は、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホ
スフィンオキサイドである。これらのアリール基は置換
されていてもよく、好ましくは1〜4個のアルキル基
(その炭素原子数は1〜4が好ましい)で置換すること
ができる。この光開始剤は公知の方法で合成できるか、
或いはチバガイギー社から単独の光開始剤(例えばCGI
819)として、又は他の少なくとも1種の光開始剤(例
えばCGI 1900)とのブレンドとして得られる。従来技術
では既にこの種のビスアシルホスフィンオキサイド化合
物の製法が開示されている。例えば、米国特許No.
5,218,009及びNo.5、534、559は、
代表的な調製の方針を開示している。式(I)の化合物
を光開始剤のブレンドとして得る場合は、この化合物は
従来の種類の光開始剤とブレンドすることができる。例
えば、コストを考慮すると光開始剤のブレンドは魅力的
である。もっとも、コストパーフォーマンスを考慮しな
ければならないが。
【0034】式(I)で表されるビスアシルホスフィン
オキサイド(BAPO)は一般に約0.05重量%〜約
15重量%、好ましくは約0.1重量%〜約10重量
%、更に好ましくは約0.1重量%〜約5重量%の予備
混合物(pre-mixture)成分濃度で使用することができ
る。この量は用途に応じて種々変化し得る。“有効量”
を考慮する際は、組成物中の他の成分の性質、材料(例
えば内側又は外側一次被覆)の種類、許容可能な黄変さ
せない量、表面硬化量対内部硬化量等の各種ファクター
を考慮することができる。この有効量は、特定用途のた
めに特性の最適バランスが得られるように選択される。
その際の重要特性として、良好な硬化速度を有するこ
と、非黄変性を有すること及び有害な結晶化が起らない
ことが挙げられる。
【0035】本組成物は更に少なくとも1種の別の光開
始剤及び/又は他の添加剤を含んでいてもよい。式
(I)の光開始剤の他に使用できる別の光開始剤として
は、ベンゾフェノン、アセトフェノン誘導体、例えばα
−ヒドロキシアルキルフェニルケトン、ベンゾインアル
キルエーテル及びベンジルケタール;又はアシルホスフ
ィンオキサイド;その他のビスアシルホスフィンオキサ
イド;又はチタノセンが挙げられる。存在してもよい他
の添加剤の例としては、特に諸成分を混合して組成物を
調製する間、早期重合を防止する熱防止剤(thermal in
hibitor)があり、ハイドロキノン、ハイドロキノン誘
導体、p−メトキシフェノール、β−ナフトール、及び
立体障害のあるフェノール、例えば1,6−ジ(ter
t−ブチル)−p−クレゾールが挙げられる。
【0036】本発明の放射線硬化性組成物は、非黄変
性、高い硬化速度及び有害な結晶成分を含まないなどそ
の他の特性の所望のバランスに悪影響を与える成分を含
有してはならない。例えば市販のLucirin TPOは、結晶
成分を生じさせる場合には、使用すべきではない。 Luc
irin TPOの量は、約0.5重量%未満、好ましくは約
0.1重量%未満、更に好ましくは約0.05重量%未
満にすべきである。
【0037】重合中の雰囲気酸素は、パラフィン又は同
様なワックス様物質を添加することにより排除すること
ができる。これらの物質は、ポリマーへの溶解性に欠け
るため、重合開始時にその表面に移行し、透明な皮膜を
形成して、空気が系内に入るのを防ぐ。雰囲気酸素の阻
害効果は、光開始剤に促進剤(又は相乗剤)を組み合わ
せることによっても克服できる。このような促進剤の例
としては、第二及び/又は第三アミン、例えばメチルジ
エタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエ
チルアミン、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミ
ノ安息香酸エチル、ベンジルジメチルアミン、ジメチル
アミノエチルアクリレート、N−フェニルグリシン、N
−メチル−N−フェニルグリシン及び当業者に公知の類
似化合物が挙げられる。脂肪族及び芳香族ハロゲン化
物、例えば2−クロロメチル−ナフタレン、1−クロロ
−2−クロロメチル−ナフタレン、及びフリーラジカル
を形成する化合物、例えば過酸化物及びアゾ化合物も硬
化を促進するために使用することができる。光安定剤と
して、少量のUV吸収剤、代表的にはベンゾトリアゾー
ル系、ベンゾフェノン系又はオキサアニリド系UV吸収
剤を添加することができる。立体障害のあるアミン系光
安定剤(HALS)も添加することができる。当該分野で使
用される他の通常の添加剤として、充填剤、顔料、染
料、接着促進剤、湿潤剤又はレベリング剤が挙げられ
る。
【0038】本発明の組成物は、例えばPTGL 2000ポリ
エーテルポリオール、IPDI(イソホロンジイソシアネー
ト)及びHEA(ヒドロキシエチルアクリレート)から調
製したオリゴマー 約60〜70重量%;エトキシル化
ノニルフェノールアクリレートモノマー希釈剤 約20
〜30重量%;ラウリルアクリレートモノマー希釈剤約
5〜10重量%;式(I)のビスアシルホスフィンオキ
サイド系光開始剤約2〜5重量%;Irganox 1035(立体
障害のあるフェノール系酸化防止剤) 0.3重量%;
及びA-189(メルカプトプロピルトリメトキシシランカ
ップリング剤) 約1.0重量%からなるものである。
【0039】リボン状の場合、被覆組成物が個々のファ
イバーに接近(アクセス)しやすくするため剥離剤を含
有してもよい。剥離剤としては、シリコーン、シリコー
ンアクリレート、フルオロカーボンオイル又はレジン等
が適当である。これらの剥離剤を使用する場合、光ファ
イバー被覆は適当な剥離剤を0.5〜20重量%含有す
ることが好ましい。
【0040】非黄変性は本発明の硬化組成物の重要な一
面である。放射線硬化性組成物は、配合直後は殆ど無色
であることが好ましい。しかし、放射線硬化性組成物に
よっては、配合直後に、僅かに黄色を呈するが、硬化す
ると光で白くなる。色の測定については、例えば、Hein
rich Zollingerの「Color Chemistry」第2版、VCH
(1991)、第2.7章及び本明細書で引用した引用
文献に議論されている。(該文献は引用し本願に包含さ
せる)また、例えばBillmeyer、Saltzman共著「Princip
les of Color Technology」第2版、Wiley-Interscienc
e (1981)にも色の測定が開示されている。例えば
デルタE値を用いた従来法を、非黄変性を測定するのに
使用することができる。
【0041】硬化速度は、当該分野で公知の放射線量−
モジュラス曲線によって測定することができる。硬化速
度は、最大モジュラスの95%を得るに要する放射線量
とすることができる。硬化速度は組成物の種類(例えば
内側一次被覆対外側一次被覆)によって変化する。本発
明では、式(I)の光開始剤を用いて得られた硬化速度
は、Lucirin TPOを用いて得られた硬化速度(Irgacure
1700を用いて得られた硬化速度よりも速い)とほぼ同等
であった。
【0042】硬化組成物の結晶成分を、光学顕微鏡によ
る方法で調べることができる。ますます厳しい高分解能
の分析を必要とするが、通常の方法をこうした結果を調
べるのに使用することができる。硬化被膜を例えば12
5℃、又は95℃/95%相対湿度でエージングさせて
結晶化効果を試験することができる。また相の挙動をデ
ィファレンシャル・インターフェアレンス・コントラス
ト(differential interference contrast)顕微鏡及び
ライツ(Leitz)顕微鏡を用いて反射光中でポラロイド
カメラを使用して調べることもできる。例えば倍率20
0倍又は500倍で結晶化効果及び相の挙動効果を測定
することができる。以下に本発明を実施例で説明する
が、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0043】
【実施例】実施例1 表1にまとめたように予備混合物成分から放射線硬化性
組成物を調製した。オリゴマー及びモノマー希釈剤は、
マスターバッチとして混合した。このマスターバッチを
8つの試料に分け、各試料に光開始剤及び安定剤(IRGA
NOX 1035)を添加した。これらの試料をへらで混合し、
88℃のオーブン中に30分間置いた。次いで試料を2
0分間振とうし、シランカップリング剤(A-189)を添
加し、手で混合した。これらの放射線硬化性組成物の色
及び透明度(硬化前)を比較した。粘度及び硬化速度の
測定も行った。厚さ3ミルの被膜を用い、窒素雰囲気下
にフュージョン(Fusion)Dランプにより1.0J/c
2でUV硬化を行った。硬化被膜は、光学顕微鏡及び
非黄変エージング試験により評価した。組成物7(Irga
cure 1700含有)及び組成物8(CGI 1900含有)のみ結
晶成分を含んでいなかった。しかし、別の非黄変試験で
は、本発明の組成物8(CGI 1900含有)だけが、必要な
特性バランスを示した。 CGI 1900は式(I)のビスア
シルホスフィンオキサイド系光開始剤(25重量%)と
Irgacure 184(75重量%)との混合物からなる。
【0044】
【表1】
【0045】光開始剤は、通常の供給者から入手した。
DEPAはジエトキシアセトフェノンである。KIP 100Fはオ
リゴマーのDarocure 1173である。Esacaure KTO46はSar
tmer社から入手したもので、アルキル化ベンゾフェノン
(27重量%)、KIP 100F(27重量%)及びLucirin
TPO(46重量%)からなると考えられる。その結果を
以下に示すが、式(I)の光開始剤では得られる諸特性
が従来の光開始剤では得られないという驚くべきことが
示された。
【0046】特性 色変化の比較 色変化の測定は、硬化した試料について従来の方法で行
った。硬化被膜のデルタEは従来の方法で測定した。ま
た非黄変効果を評価するため、目視検査を用いた。黄変
の測定は、約2×2インチ四方の被膜試料で行った。マ
クベス(Macbeth)シリーズ1500色測定システム
(2020型)から色測定データを得た。図1に示すよ
うに、蛍光に6週間ばく露したところ、式(I)の光開
始剤を含む硬化組成物試料II(表1の組成物8)は、光
開始剤IRG-1700を含む組成物試料I(表1の組成物7)
よりも実質的に少ない黄変を示した。また本発明のこれ
らの配合からは良好な硬化速度及び光透明度の安定性も
認められた。
【0047】
【発明の効果】本発明の放射線硬化性組成物は、速い硬
化速度で、良好な光透明度を有し、しかも変色や黄変が
極めて少ない硬化物を得ることができる。従って、光フ
ァイバーにおける、内側一次被覆、外側一次被覆、マト
リックス材、バンドリング材、インク等として有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)本発明の光開始剤を含む硬化被覆組成物
(試料II)と、(2)本発明によらない光開始剤を含
む硬化被覆組成物(試料I)との色変化についての比較
試験結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チモシー・エドワード・ビショップ アメリカ合衆国, イリノイ州 60120, アルゴンキン, リバーウッド・ドライ ブ 1720 (72)発明者 デイビッド・マイケル・スズーム アメリカ合衆国, イリノイ州 60126, エルムハースト, ノース・オークロー ン 646

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の放射線硬化性オリゴマ
    ーを約10重量%〜約90重量%、少なくとも1種の放
    射線硬化性モノマー希釈剤を約10重量%〜約90重量
    %、及び式(I): 【化1】 (但し、Ar1はフェニル基であり、Ar2及びAr3
    2,4,6−トリメチルフェニル基である。)で表され
    る少なくとも1種の光開始剤を有効量含有してなる光フ
    ァイバー被覆用放射線硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 光ファイバー技術に使用される、内側一
    次被覆、外側一次被覆、マトリックス材、バンドリング
    材、インク、及びその他の種類の材料用としての請求項
    1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 光ガラスファイバーと、その上に形成さ
    れた少なくとも1層の放射線硬化被覆とを有する被覆光
    ファイバーであって、放射線硬化前の該被覆組成物が、
    少なくとも1種の放射線硬化性オリゴマーを約10重量
    %〜約90重量%、少なくとも1種の放射線硬化性モノ
    マー希釈剤を約10重量%〜約90重量%、及び式(I)
    で表される少なくとも1種の光開始剤を有効量含有して
    なる光ファイバー被覆用放射線硬化性組成物である前記
    被覆光ファイバー。
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